JP7023436B1 - 超音波トランスデューサー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の超音波トランスデューサーは、第1面に開口された複数の凹部及び第2面に開口された複数の導波路を有する支持板と、前記支持板に固着された可撓性樹脂膜と、平面視において中央領域が凹部と重合し且つ周縁領域が支持板と重合するように可撓性樹脂膜に固着された複数の圧電素子とを備え、圧電素子及び可撓性樹脂膜が形成する振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が圧電素子の駆動周波数よりも大とされ、支持板は、超音波トランスデューサー全体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が圧電素子の駆動周波数よりも高くなるように構成されている。

Description

本発明は、複数の圧電素子が並列配置されてなり、フェイズドアレイセンサーとして好適に利用可能な超音波トランスデューサー及びその製造方法に関する。
圧電素子及び振動板を含む複数の振動体が並列配置されてなる超音波トランスデューサーは、物体の形状を検知したり又は広範囲に亘って物体の有無を検知する為のフェイズドアレイセンサーとして好適に利用可能であるが、この場合には前記超音波トランスデューサーには下記事項が求められている。
即ち、複数の振動体によって放射される音波においてグレーティングローブが発生することを抑制する為には、前記複数の振動体の配列ピッチを当該振動体が放射する超音波の波長λの1/2以下にする必要がある。
また、空気中において数メートル先の物体を検知する為には、超音波トランスデューサーに用いられる振動体が放射する超音波の周波数を30~50kHz程度の低周波数に設定する必要がある。
室温(20℃)の空気中における周波数40kHzの超音波の波長λは8.6mmであるから、振動体が放射する超音波の周波数を40kHzとしつつ、グレーティングローブの発生を抑制する為には、複数の振動体の配列ピッチを8.6mm/2=4.3mm以下にする必要がある。
それに加えて、前記複数の振動体のそれぞれが所望の周波数及び位相の超音波を放射する為には、前記複数の振動体間における振動伝播を可及的に防止することが必要となる。
この点に関し、本願出願人は、金属板等の剛性の弾性板と、前記弾性板に並列状態で固着される複数の圧電素子とを備えた超音波トランスデューサーであって、前記弾性板は、前記複数の圧電素子がそれぞれ装着される複数の振動領域と、溝等の低剛性領域を介して前記複数の振動領域をそれぞれ囲む複数の拘束領域と、一の拘束領域と当該一の拘束領域より径方向外方に位置する外方領域とを区画する境界領域とを有し、前記境界領域には、前記一の拘束領域及び前記外方領域を分断するスリット部と、前記一の拘束領域を前記外方領域に機械的に連結するブリッジ部とが設けられている超音波トランスデューサーに係る発明を出願し、特許権を取得している(下記特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載の超音波トランスデューサーは、前記低剛性領域の存在によって前記振動領域の剛性を弱めて圧電素子及び振動領域を含む振動体の振動特性を向上させつつ、前記スリット部の存在によって一の振動領域の振動が他の振動領域へ伝播することを有効に防止できる点において有用であるが、下記点において改善の余地がある。
即ち、前記低剛性領域を設けることによって、前記剛性弾性板における振動領域の剛性を弱めることができるものの、前記圧電素子を、当該圧電素子が装着される前記振動領域の剛性に抗して伸縮動作させる必要がある。
例えば、前記圧電素子に印加する駆動電圧の周波数を、前記剛性弾性板とこれに実装された圧電素子とによって形成される前記振動体の共振周波数近傍に設定することで、前記振動体を共振させて必要な振幅量を確保することが理論上においては可能である。
しかしながら、圧電素子に印加する電圧に対する、前記振動体の振動動作の周波数応答は、当該実装状態の圧電素子の共振周波数近傍において位相が大きく変化する。
従って、複数の圧電素子への印加電圧の周波数を当該圧電素子が実装されてなる振動体の共振周波数近傍に設定しつつ、前記複数の振動体から放射される音波の位相を精密に制御する為には、前記振動体の共振周波数の「ばらつき」を極限まで抑制する必要があるが、これは非常に難しい。
この点に関し、本願出願人は、複数の開口部が並列状態で形成された金属板等の剛性の弾性板と、前記剛性弾性板の全面を覆うように設けられた可撓性樹脂膜と、平面視において前記複数の開口部とそれぞれ重合するように前記可撓性樹脂膜の上面に固着された複数の圧電素子とを備えた超音波トランスデューサーに係る発明を出願し、特許を取得している(下記特許文献2参照)。
前記特許文献2に記載の超音波トランスデューサーは、前記圧電素子を含む振動体の共振周波数を、当該圧電素子に印加すべき駆動電圧の周波数である40kHzより高い70kH~80kHzに設定しても、前記振動体を十分な振幅量で振幅させて高い放射音圧を得ることができる点において有用であるが、本願発明者は、鋭意努力の結果、前記圧電素子を含む振動体の数量を増やすと所定の方向には音波を放射することが困難となり得ることを発見した。
特許第6499097号公報 特許第6776481号公報
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、圧電素子を含む振動体の共振周波数を当該振動体の駆動周波数よりも高くしても十分に高い放射音圧を得ることができ、さらに、前記振動体の数量を増加させた場合であっても複数の振動体が放射する音波の音圧を良好に維持し得る超音波トランスデューサー、及び、その製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面を有する剛性の支持板であって、前記第1面に開口された複数の凹部及び前記凹部の開口幅よりも開口幅が小とされた一端側の第1端部が前記凹部の底面に開口され且つ他端側の第2端部が前記第2面に開口されて音波放射口を形成する複数の導波路が設けられた剛性の支持板と、前記複数の凹部を覆うように前記支持板の第1面に固着された可撓性樹脂膜と、平面視において中央領域が対応する凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板の第1面と重合するように前記可撓性樹脂膜の第1面に固着された前記複数の凹部と同数の圧電素子とを備え、前記圧電素子及び前記可撓性樹脂膜が形成する振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子の駆動周波数よりも大とされ、前記支持板は、超音波トランスデューサー全体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が前記圧電素子の駆動周波数よりも高くなるように構成されている超音波トランスデューサーを提供する。
本発明に係る超音波トランスデューサーによれば、圧電素子を含む振動体の共振周波数を当該振動体の駆動周波数よりも高くしても十分に高い放射音圧を得ることができ、さらに、前記振動体の数量を増加させた場合であっても複数の振動体が放射する音波の音圧を良好に維持することができる。
好ましくは、前記圧電素子の配列ピッチは4.3mm以下とされる。
この場合、前記圧電素子は、平面視縦横寸法の最大値が4.0mm以下の平面視矩形状、直径が4.0mm以下の平面視円形状、又は、長径が4.0mm以下の平面視楕円形状とされ、前記凹部は、前記圧電素子の周縁領域及び前記支持板の平面視重合幅が0.05mm~0.1mmとなるように、前記圧電素子の平面視相似形状とされる。
より好ましくは、前記凹部は、深さ0.05mm~0.15mmとされる。
前記種々の構成において、好ましくは、前記支持板のうち厚み方向に関し少なくとも前記複数の導波路が形成された部分はセラミックスで形成される。
前記種々の構成において、好ましくは、前記導波路は、前記凹部の底面に開口された前記第1端部を含む筒状部と、前記支持板の第2面に開口された前記第2端部を含むホーン部とを有するものとされる。
前記筒状部は、開口幅が前記凹部の開口幅より小で且つ厚み方向全域に亘って同一開口幅とされ、前記ホーン部は、前記筒状部に連通する基端側から前記支持の第2面に開口された前記音波放射口に近接するに従って、開口幅が大きくなるように構成される。
前記種々の構成において、好ましくは、前記導波路は、前記凹部の底面に開口された前記第1端部を含む筒状部と、前記支持板の第2面に開口された前記第2端部を含むホーン部とを有するものとされる。
前記筒状部は、開口幅が前記凹部の開口幅より小で且つ厚み方向全域に亘って同一開口幅とされ、前記ホーン部は、前記筒状部に連通する基端側から前記支持面の第2面に開口された前記音波放射口に近接するに従って、開口幅が大きくなるように構成される。
より好ましくは、前記筒状部の開口幅は、前記振動体による放射音波の波長に対する比率が0.15~0.2とされる。
より好ましくは、前記筒状部の長さは、前記振動体による放射音波の波長に対する比率が0.09以下とされ、さらに好ましくは、0.035以下とされる。
前記種々の構成において、好ましくは、前記音波放射口の開口幅は、前記圧電素子の配列ピッチに対して0.8~0.95とされる。
本発明に係る超音波トランスデューサーは、さらに、前記複数の圧電素子をそれぞれ囲む大きさの複数の圧電素子用開口を有し且つ前記圧電素子よりも厚みが大とされた下側封止板であって、平面視において前記複数の圧電素子が前記複数の圧電素子用開口内に位置するように前記可撓性樹脂膜に固着された下側封止板と、前記下側封止板に固着された配線アッセンブリとを備え得る。
前記配線アッセンブリは、絶縁性のベース層と、前記ベース層に設けられ、前記圧電素子における一対の第1及び第2電極にそれぞれ接続される第1及び第2配線を含む導体層と、前記導体層を囲繞する絶縁性のカバー層とを有するものとされ、前記ベース層には、前記第1配線を対応する前記圧電素子の第1電極に接続する為の第1配線/圧電素子接続用開口と、前記第2配線を対応する前記圧電素子の第2電極に接続する為の第2配線/圧電素子接続用開口とが設けられる。
本発明に係る超音波トランスデューサーは、さらに、前記下側封止板及び前記配線アッセンブリに柔軟性樹脂を介して固着された上側封止板を備え得る。
前記上側封止板は、前記複数の圧電素子のそれぞれに対応した位置に開口部を有する。
本発明に係る超音波トランスデューサーは、さらに、前記上側封止板の複数の開口部を覆うように前記上側封止板に固着された吸音材を備え得る。
また、本発明は、厚み方向一方側の第1面に開口された複数の凹部及び前記凹部の開口幅よりも開口幅が小とされた一端側の第1端部が前記凹部の底面に開口され且つ他端側の第2端部が厚み方向他方側の第2面に開口されて音波放射口を形成する複数の導波路が設けられた剛性の支持板と、前記複数の凹部を覆うように前記支持板の第1面に固着された可撓性樹脂膜と、平面視において中央領域が対応する凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板の第1面と重合するように、前記可撓性樹脂膜の第1面に固着された前記複数の凹部と同数の圧電素子とを備え、前記圧電素子及び前記可撓性樹脂膜が形成する振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子の駆動周波数よりも大とされ、前記支持板は、超音波トランスデューサー全体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が前記圧電素子の駆動周波数よりも高くなるように構成されている超音波トランスデューサーの製造方法であって、前記支持板を形成する支持板形成工程と、前記複数の凹部を覆うように前記可撓性樹脂膜を接着剤又は熱圧着によって前記支持板に固着する可撓性樹脂膜固着工程と、平面視において中央領域が対応する前記凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板と重合するように、前記複数の圧電素子を前記可撓性樹脂膜に絶縁性接着剤によって固着する圧電素子固着工程と、前記複数の圧電素子をそれぞれ囲む大きさの複数の圧電素子用開口を有し且つ前記圧電素子より厚みが大とされた下側封止板を用意し、平面視において前記複数の圧電素子が前記複数の圧電素子用開口内に位置するように前記下側封止板を接着剤によって前記可撓性樹脂膜に固着する下側封止板設置工程と、絶縁性ベース層、前記ベース層に設けられ、前記圧電素子における一対の第1及び第2電極にそれぞれ接続される第1及び第2配線を含む導体層、並びに、前記導体層を囲繞する絶縁性のカバー層を含み、前記ベース層には前記第1及び第2配線の一部をそれぞれ露出させる第1配線/圧電素子接続用開口及び第2配線/圧電素子接続用開口が設けられている配線アッセンブリを用意する配線アッセンブリ用意工程と、前記ベース層を接着剤によって前記下側封止板に固着させる配線アッセンブリ固着工程と、前記第1配線のうち前記第1配線/圧電素子接続用開口を介して露出する部分及び前記第2配線のうち前記第2配線/圧電素子接続用開口を介して露出する部分を導電性接着剤又ははんだによって前記圧電素子の第1及び第2電極にそれぞれ電気的に接続させる電気接続工程とを備えている超音波トランスデューサーの製造方法を提供する。
また、本発明は、厚み方向一方側の第1面に開口された複数の凹部及び前記凹部の開口幅よりも開口幅が小とされた一端側の第1端部が前記凹部の底面に開口され且つ他端側の第2端部が厚み方向他方側の第2面に開口されて音波放射口を形成する複数の導波路が設けられた剛性の支持板と、前記複数の凹部を覆うように前記支持板の第1面に固着された可撓性樹脂膜と、平面視において中央領域が対応する凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板の第1面と重合するように、前記可撓性樹脂膜の第1面に固着された前記複数の凹部と同数の圧電素子とを備え、前記圧電素子及び前記可撓性樹脂膜が形成する振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子の駆動周波数よりも大とされ、前記支持板は、前記超音波トランスデューサー全体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が前記圧電素子の駆動周波数よりも高くなるように構成されている超音波トランスデューサーの製造方法であって、前記支持板を形成する支持板形成工程と、前記複数の凹部を覆うように前記可撓性樹脂膜を接着剤又は熱圧着によって前記支持板に固着する可撓性樹脂膜固着工程と、平面視において中央領域が対応する前記凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板と重合するように、前記複数の圧電素子を前記可撓性樹脂膜に絶縁性接着剤によって固着する圧電素子固着工程と、前記複数の圧電素子をそれぞれ囲む大きさの複数の圧電素子用開口を有し且つ前記圧電素子より厚みが大とされた下側封止板を用意し、平面視において前記複数の圧電素子が前記複数の圧電素子用開口内に位置するように前記下側封止板を接着剤によって前記可撓性樹脂膜に固着する下側封止板設置工程と、絶縁性ベース層、前記ベース層に設けられ、前記圧電素子における一対の第1及び第2電極にそれぞれ接続される第1及び第2配線を含む導体層、並びに、前記導体層を囲繞する絶縁性のカバー層を含み、前記ベース層には前記第1及び第2配線の一部をそれぞれ露出させる第1配線/圧電素子接続用開口及び第2配線/圧電素子接続用開口が設けられている配線アッセンブリを用意する配線アッセンブリ用意工程と、前記ベース層を接着剤によって前記下側封止板に固着させる配線アッセンブリ固着工程と、前記第1配線のうち前記第1配線/圧電素子接続用開口を介して露出する部分及び前記第2配線のうち前記第2配線/圧電素子接続用開口を介して露出する部分を導電性接着剤又ははんだによって前記圧電素子の第1及び第2電極にそれぞれ電気的に接続させる電気接続工程とを備えている超音波トランスデューサーの製造方法を提供する。
本発明に係る超音波トランスデューサーの製造方法によれば、前記超音波トランスデューサーを効率良く製造することができる。
好ましくは、前記支持板形成工程は、前記複数の凹部の深さと同一の板厚を有し且つ前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔が形成された凹部側プレートを形成する処理と、前記複数の導波路の長さと同一の板厚を有し且つ前記複数の導波路のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を有する導波路側プレートを形成する処理と、前記凹部側プレート及び前記導波路側プレートを接着剤によって固着する板体固着工程とを有し得る。
好ましくは、前記導波路側プレートを形成する処理は、前記複数の導波路の長さと同一の金型深さを有し且つ前記複数の導波路のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を形成する為の構造が設けられた導波路側プレート用金型にセラミックス材料を注入し、焼成するように構成される。
一形態においては、前記凹部側プレートを形成する処理は、前記複数の凹部の深さと同一の金型深さを有し且つ前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の貫通孔を形成する為の構造が設けられた凹部側プレート用金型にセラミックス材料を注入し、焼成するように構成される。
他形態においては、前記凹部側プレートを形成する処理は、前記凹部の深さと同一の板厚を有する金属板を用意し、前記金属板に対してエッチング加工によって前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を形成するように構成される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波トランスデューサーの部分縦断面図である。 図2は、実施の形態1に係る超音波トランスデューサーにおける圧電体アッセンブリ(支持板、可撓性樹脂膜及び複数の圧電素子)の平面図である。 図3は、前記支持板の平面図である。 図4は、前記実施の形態1の変形例に係る超音波トランスデューサーの部分縦断面図である。 図5(a)は、前記圧電素子の平面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるV-V線に沿った断面図である。 図6(a)は、前記実施の形態1に対して行った有限要素法(FEM)解析に用いたモデル(圧電体アッセンブリ)の平面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるVI-VI線に沿った断面図である。 図7は、図6(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、導波路が形成された部分(第2板体)の厚さL2と前記モデル全体のたわみ振動の最低次の共振周波数との関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。 図8は、図6(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、前記導波路の開口幅D2と前記圧電素子を含む振動体による放射音波の音圧レベルとの関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。 図9は、図6(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、凹部が形成された部分(第1板体)の板厚L1と前記振動体による放射音波の音圧レベルとの関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。 図10(a)は、前記実施の形態1に対して行った有限要素法(FEM)解析に用いた他のモデル(圧電体アッセンブリ)の平面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるX-X線に沿った断面図である。 図11は、図10(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、導波路が形成された部分(第2板体)の厚さL2と前記モデル全体のたわみ振動の最低次の共振周波数との関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。 図12は、図1におけるXII-XII線に沿った断面図である。 図13は、前記実施の形態1に係る超音波トランスデューサーの製造方法における支持板形成工程によって形成される支持板の断面図である。 図14(a)及び(b)は、それぞれ、前記実施の形態1の変形例に係る超音波トランスデューサーの製造方法における支持板形成工程によって形成される凹部側プレート及び導波路側プレートの断面図である。 図15は、図14(a)及び(b)に示された凹部側プレート及び導波路側プレートを固着させることによって形成される、前記実施の形態1の変形例に係る超音波トランスデューサーの支持板の断面図である。 図16は、前記製造方法における可撓性樹脂膜固着工程後の状態を示す断面図である。 図17は、前記製造方法における圧電素子固着工程後の状態を示す断面図である。 図18は、前記製造方法における下側封止板設置工程後の状態を示す断面図である。 図19は、前記製造方法における電気接続工程後の状態を示す断面図である。 図20は、前記製造方法における上側封止板設置工程後の状態を示す断面図である。 図21は、前記製造方法における吸音材設置工程後の状態を示す断面図である。 図22は、前記製造方法における補強板設置工程後の状態を示す断面図である。 図23は、本発明の実施の形態2に係る超音波トランスデューサーの部分縦断面図である。 図24は、実施の形態2に係る超音波トランスデューサーにおける圧電体アッセンブリ(支持板、可撓性樹脂膜及び複数の圧電素子)の平面図である。 図25は、前記実施の形態の変形例に係る超音波トランスデューサーの部分縦断面図である。 図26(a)は、前記実施の形態2に対して行った有限要素法(FEM)解析に用いたモデル(圧電体アッセンブリ)の平面図であり、図26(b)は、図26(a)におけるXXVI-XXVI線に沿った断面図である。 図27は、図26(b)におけるXXVII部拡大図である。 図28は、図26(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、導波路における筒状部の開口幅D2aと前記振動体による放射音波の音圧レベルとの関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。 図29は、図26(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、前記筒状部の長さL2aと音圧レベルとの関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。 図30は、図26(a)及び(b)に示す前記モデルにおいて、放射口径D2bと音圧レベルとの関係について行った有限要素法解析の結果を示すグラフである。
実施の形態1
以下、本発明に係る超音波トランスデューサーの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施の形態に係る超音波トランスデューサー1Aの部分縦断面図を示す。
前記超音波トランスデューサー1は、主要構成部材として、厚み方向一方側の第1面11及び厚み方向他方側の第2面12を有する剛性の支持板10と、厚み方向一方側の第1面21及び厚み方向他方側の第2面22を有し、第2面22が前記支持板10の第1面11に固着された可撓性樹脂膜20と、前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された複数の圧電素子30とを備えている。
図2に、前記支持板10、前記支持板10の第1面11に固着された前記可撓性樹脂膜20及び前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された前記複数(本実施の形態においては3×3の9個)の圧電素子30を含む圧電体アッセンブリの平面図を示す。
また、図3に、前記支持板10の平面図を示す。
図1~図3に示すように、前記支持板10には、当該支持板10の第1面11に開口された複数(本実施の形態においては3×3の9個)の凹部15と、一端側の第1端部が前記複数の凹部15の底面にそれぞれ開口され且つ他端側の第2端部が当該支持板10の第2面12に開口された複数(本実施の形態においては3×3の9個)の導波路17とが設けられている。
本実施の形態においては、前記導波路17は、開口幅が前記凹部15の開口幅よりも小で且つ厚み方向全域に亘って同一開口幅の筒状とされている。
前記支持板10は、剛性を有する種々の部材によって形成することができ、ステンレス等の金属、好ましくは、金属よりも密度が小さく且つヤング率の高いSiC、Al2O3等のセラミックス材料によって形成することができる。
図1に示すように、本実施の形態においては、前記支持板10は、前記複数の凹部15が形成された部分及び前記複数の導波路17が形成された部分を一体的に備えた単一板とされているが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
図4に、本実施の形態の変形例に係る超音波トランスデューサー1Bの部分縦断面図を示す。
前記超音波トランスデューサー1Bは、前記支持板10が支持板100に変更されている点においてのみ、前記超音波トランスデューサー1Aと相違している。
前記支持板100は、前記複数の凹部15が形成された第1板体110と、前記第1板体110とは別体で且つ板厚が大とされた第2板体120であって、前記複数の導波路17が形成された第2板体120とを有しており、前記第1及び第2板体110、120が厚み方向に積層状態で固着されている。
即ち、前記支持板100においては、前記第1板体110における前記第2板体120とは反対側の面が当該支持板100の厚み方向一方側の第1面101を形成し、且つ、前記第2板体120における前記第1板体110とは反対側の面が当該支持板100の厚み方向他方側の第2面102を形成する。
前記支持板100は、前記第1板体110に前記複数の凹部15の開口幅と同一開口幅の複数の凹部用貫通孔を形成し且つ前記第2板体120に前記複数の導波路17の開口幅と同一開口幅の複数の導波路用貫通孔を形成し、その後に、前記第1及び第2板体110、120を厚み方向に積層させた状態で固着することによって、容易に形成され得る。
前記第1及び第2板体110、120も、ステンレス等の金属やSiC、Al2O3等のセラミックス材料などの剛性を有する種々の部材によって形成することができるが、板厚が大とされる前記第2板体120は、好ましくは、金属よりも密度が小さく且つヤング率の高いSiC、Al2O3等のセラミックス材料によって形成することができる。
前記可撓性樹脂膜20は、前記複数の凹部15を覆うように前記支持板10(100)の第1面11(101)に固着されている。
前記可撓性樹脂膜20は、例えば、厚さ20μm~100μmのポリイミド等の絶縁性樹脂によって形成される。
前記可撓性樹脂膜20は、接着剤又は熱圧着等の種々の方法によって前記支持板10(100)に固着される。
図2に示すように、前記圧電素子30は、平面視において中央領域30Cが対応する凹部15と重合し且つ周縁領域30Pが前記支持板10(100)の第1面11(101)と重合するように、前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着されている。
図5(a)に、前記圧電素子30の平面図を示す。
また、図5(b)に、図5(a)におけるV-V線に沿った断面図を示す。
前記圧電素子30は、圧電素子本体32と、一対の第1及び第2電極とを有し、前記第1及び第2電極の間に電圧が印可されると伸縮するように構成されている。
好ましくは、前記圧電素子30は積層型とされている。
積層型圧電素子は、単層型圧電素子に比して、同一電圧印可時に電界強度を高めることができ、印可電圧当たりの伸縮変位を大きくすることができる。
図5(b)に示すように、本実施の形態においては、前記圧電素子30は、2層の積層型とされている。
詳しくは、前記圧電素子30は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材によって形成される前記圧電素子本体32と、前記圧電素子本体32を厚み方向に関し上方側の第1圧電部位32a及び下方側の第2圧電部位32bに区画する内側電極34と、前記第1圧電部位32aの上面の一部に固着された上面電極36と、前記第2圧電部位32bの下面に固着された下面電極37と、一端部が前記内側電極34に電気的に接続され且つ他端部が前記上面電極36とは絶縁状態で前記第1圧電部位32aの上面においてアクセス可能な内側電極端子34Tを形成する内側電極用接続部材35と、一端部が前記下面電極37に電気的に接続され且つ他端部が前記上面電極36及び前記内側電極34とは絶縁状態で前記第1圧電部位32aの上面においてアクセス可能な下面電極端子37Tを形成する下面電極用接続部材38とを有している。
この場合、前記上面電極36及び前記下面電極37によって形成される外側電極が第1及び第2電極の一方として作用し、前記内側電極34が第1及び第2電極の他方として作用する。
前記圧電素子30においては、前記第1及び第2圧電部位32a、32bは、分極方向が厚み方向に関し同一とされており、これにより、前記外側電極及び前記内側電極34の間に所定の電圧を所定周波数で印可することによって、前記第1及び第2圧電部位32a、32bには互いに対して逆方向の電界が加わるようになっている。
前述の通り、前記上面電極36及び前記下面電極37は互いに対して絶縁されており、従って、前記圧電素子30を作成する際には、前記上面電極36及び前記下面電極37の間に電圧を印可することによって、前記第1及び第2圧電部位32a、32bの分極方向を同一とすることができる。
前記超音波トランスデューサー1A(1B)においては、前記圧電素子30及び前記可撓性樹脂膜20が超音波を発生する振動体として作用するが、この振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子30への印加電圧の周波数(駆動周波数)よりも大となるように構成されている。
即ち、本実施の形態に係る前記超音波トランスデューサー1A(1B)におけるように、振動体を形成する複数の圧電素子30が並列配置されているフェイズドアレイによって、数メートル先の物体を検知する為には、前記複数の圧電素子30がそれぞれ実装されてなる複数の振動体から放射される音波の位相を精密に制御する必要がある。
例えば、ステンレス等の剛性の支持板に直接的に複数の圧電素子が並列配置されている構成のフェイズドアレイにおいては、前記剛性支持板の剛性に抗して前記圧電素子を伸縮させ、それによって前記圧電素子及び前記剛性支持板によって形成される振動体を所定の振幅でたわみ振動させて、発生音圧の大きさを確保する必要がある。
その為には、前記圧電素子への印可電圧の周波数(駆動周波数)を、当該圧電素子が実装されてなる振動体のたわみ振動の共振周波数の近傍に設定する必要がある。
しかしながら、前記圧電素子への印可電圧に対する、当該圧電素子が実装されてなる振動体のたわみ振動の周波数応答は、当該振動体の共振周波数近傍において位相が大きく変化する。
従って、フェイズドアレイセンサーとして機能させるべく、前記複数の圧電素子が発生する音波の位相を精密に制御する為には、前記複数の振動体間における共振周波数に関する「ばらつき」を極限まで抑制する必要があるが、これは非常に難しい。
この点に関し、本実施の形態に係る前記超音波トランスデューサー1A(1B)は、前述の通り、第1面11(101)に開口された複数の凹部15及び前記凹部15の開口幅よりも開口幅が小とされた第1端部が前記凹部15の底面に開口され且つ第2端部が第2面12(102)に開口された複数の導波路17が設けられた前記剛性の支持板10(100)と、前記複数の凹部15を覆うように前記支持板10(100)の第1面11(101)に固着された可撓性樹脂膜20と、平面視において中央領域30Cが対応する凹部15と重合し且つ周縁領域30Pが前記支持板10(100)の第1面11(101)と重合するように前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された前記複数の圧電素子30とを有している。
斯かる構成によれば、前記圧電素子30が実装されてなる前記振動体のたわみ振動の共振周波数が、当該圧電素子30の駆動周波数よりも高くなるように設定しても、前記振動体の振動振幅を十分に確保することができる。
しかも、前記複数の振動体の共振周波数が前記圧電素子30の駆動周波数よりも高い場合には、前記複数の振動体間において共振周波数の「ばらつき」があったとしても、前記複数の振動体のたわみ振動の周波数応答の位相に大きな差異は生じない。
従って、前記複数の振動体が発生する音波の位相を精密に制御することができる。
詳しくは、前記超音波トランスデューサー1A(1B)をフェイズドアレイセンサーとして用いて、数メートル先の物体を検知する為には、前記圧電素子30が実装されてなる振動体が放射する超音波の周波数を30~50kHz程度の低周波数とする必要がある。
前記振動体の共振周波数を、前記圧電素子30の駆動周波数(30~50kHz)よりも十分に高い共振周波数(例えば、70kHz)とした場合、前記圧電素子30の平面視縦横寸法を大きくした方が、前記振動体が発生する超音波の音圧を高くすることができる。
しかしながら、その一方で、本実施の形態に係る超音波トランスデューサー1A(1B)におけるように、複数の圧電素子30が並列配置されてなる場合においては、前記複数の圧電素子30がそれぞれ実装されてなる複数の振動体から放射される音波においてグレーティングローブの発生を抑制する為に、前記複数の圧電素子30の配列ピッチを当該圧電素子30が放射する超音波の波長λの1/2以下にする必要がある。
周波数40kHzの超音波の波長λは8.6mmであるから、前記圧電素子30が放射する超音波の周波数を40kHzとしつつ、グレーティングローブの発生を抑制する為に、前記複数の圧電素子30の配列ピッチP(図2参照)を8.6mm/2=4.3mm以下にする必要がある。
従って、好ましくは、前記圧電素子30の平面視縦横寸法は、音圧の確保の観点では3.0mm以上で、且つ、グレーティングローブの発生を抑制する観点では4.0mm以下とされる。
なお、本実施の形態においては、前記圧電素子30は、平面視正方形状とされているが、これに代えて、前記圧電素子の平面視形状を、平面視縦横寸法の最大値が4.30mm以下の長方形を含む矩形状、直径が4.0mm以下の円形状、又は、長径が4.0mm以下の楕円形状とすることも可能である。
前記凹部15の開口幅は、前記圧電素子30及び前記可撓性樹脂膜20が形成する振動体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子への印加電圧の周波数よりも大となるように、設定される。
好ましくは、前記凹部15は、前記圧電素子30の周縁領域30Pと前記支持板10(100)との平面視重合幅が前記圧電素子30の全周に亘って0.05mm~0.1mmとなるように、前記圧電素子30の平面視相似形状とされる。
即ち、仮に、前記圧電素子30が一辺4.0mmの平面視正方形状とされている場合には、前記凹部15は、好ましくは、一辺3.8mm~3.9mmの平面視正方形状とされ、前記圧電素子30が直径4.0mmの平面視円形状とされている場合には、前記凹部15は、好ましくは、直径3.8mm~3.9mmの平面視円形状とされる。
図2及び図3等に示すように、本実施の形態においては、前記剛性基板10(100)には前記開口部15が3×3の9か所において設けられ、前記可撓性樹脂膜20を挟んだ状態で9か所の開口部15とそれぞれ平面視において重合するように9個の圧電素子30が配列されており、これにより、前記9個の圧電素子がそれぞれ実装されてなる3×3の9個の振動体が備えられているが、当然ながら、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。
放射音波の指向性を鋭くし、強度を高めるためには 3×3 より多い振動体を配列することが望ましい。
ここで、本願発明者が本実施の形態の実施例に対して行った解析について説明する。
本願発明者は、前記複数の圧電素子30及び前記可撓性樹脂膜20が形成する複数の振動体の発生音波の位相を精密に制御する為には、前記複数の振動体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数を前記複数の圧電素子30の駆動周波数より大とするだけでは不十分であり、前記支持板10(100)、前記可撓性樹脂膜20及び前記複数の圧電素子30を含む前記圧電体アッセンブリのたわみ振動の最低次の共振モードの周波数を考慮する必要があるのではないかという新規な着想を得て、下記解析を行った。
解析(1)
図6(a)に、本解析に用いたモデル200(圧電体アッセンブリ)の平面図を示す。
また、図6(b)に、図6(a)におけるVI-VI線に沿った断面図を示す。
図6(a)及び(b)に示すように、前記モデル200は、前記超音波トランスデューサー1Bに対応した構成を有している。
即ち、前記モデル200は、第1板体110及び第2板体120を含む支持板100と、前記支持板100の第1面101に固着された可撓性樹脂膜20と、前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された3×3=9個の圧電素子30とを有している。
本解析(1)は、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の厚さL2と前記モデル全体のたわみ振動の最低次の共振周波数との関係を有限要素法(FEM)解析によって算出するものである。
本解析(1)において、前記圧電素子30の形状寸法、前記可撓性樹脂膜20の材質及び厚み、前記凹部15の開口幅D1、前記導波路17の開口幅D2、並びに、前記圧電素子30の配列ピッチPは、下記の通りに設定した。
圧電素子30:一層の厚さが0.13mmの2層積層型(合計厚さ0.26mm)
一辺長さA=3.4mm×3.4mmの平面視正方形状
可撓性樹脂膜20:厚さ0.05mmのポリイミドフィルム
凹部:開口幅D1=3.3mmの平面視正方形状
導波路:開口幅D2=2.2mmの平面視円形状
配列ピッチ:P=4.0mm
本解析(1)の実施例1-(1)~1-(6)においては、前記第2板体120の材質をSiCとし、且つ、前記第1板体110の材質は前記第2板体120と同じに設定した。
その上で、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の厚みL2及び前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の厚みL1を下記の通りに設定した。
実施例1-(1):L2=0.3mm、L1=0.3mm
実施例1-(2):L2=0.6mm、L1=0.3mm
実施例1-(3):L2=1.0mm、L1=0.3mm
実施例1-(4):L2=1.2mm、L1=0.3mm
実施例1-(5):L2=1.5mm、L1=0.2mm
実施例1-(6):L2=2.0mm、L1=0.1mm
実施例1-(1)~1-(6)において、前記モデル全体のたわみ振動の最低次の共振周波数を算出した。
その結果を図7に示す。
前記第1及び第2板体110、120の材質をステンレスとし、前記第2板体120の板厚L2を1.5mmで、且つ、前記第1板体110の板厚L1を0.2mmとした比較例1の共振周波数を算出した。
その結果を図7に併せて示す。
図7に示すように、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の材質をセラミックス(SiC)とし、且つ、厚みL2を1.0mm以上とすることにより、前記モデル全体の共振周波数を、前記圧電素子30を含む振動体が放射すべき音波の周波数(即ち、前記圧電素子30の駆動周波数)である40kHzよりも十分に高くできることが確認された。
斯かる構成によれば、前記振動体から放射される音波が、前記モデル(前記圧電体アッセンブリ)の全体の振動によって生じ得る音波によって干渉されることを有効に防止乃至は低減できる。
なお、前記第1及び第2板体110、120の材質がステンレスとされた比較例1においては、前記導波路17が形成された部分(前記第2板体120)の厚みL2を1.5mmとしているにも拘わらず、前記モデル全体の共振周波数が、前記圧電素子30の駆動周波数近傍とされている。
この比較例1においては、前記振動体から放射される音波が、前記モデル(前記圧電体アッセンブリ)の振動によって生じ得る音波によって悪影響を受けることになる。
解析(2)
本解析(2)は、前記導波路17の開口幅D2と前記振動体による放射音波の音圧レベルとの関係を有限要素法解析によって求めるものである。
詳しくは、前記モデル200における3×3で配置された9個の圧電素子30のうち中央に配置された圧電素子30X(図6(a)参照)のみを、振幅10V且つ周波数40kHzの正弦波の電圧で駆動した場合の、当該圧電素子30Xを含む振動体の中心を通り且つ前記モデル200が位置する平面に直交する仮想垂直線上で前記振動体から距離0.3mだけ離間された位置での音圧分布を算出した。
本解析(2)において、前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の厚みL1及び前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の厚みL2は下記の通りに設定した。
実施例2a:第2板体120 材質SiC L2=1.2mm
第1板体110 材質SUS304 L1=0.2mm
実施例2b:第2板体120 材質SiC L2=1.5mm
第1板体110 材質SUS304 L1=0.1mm
前記導波路17の開口幅D2は下記の通りに設定した。
実施例2a-(1)、実施例2b-(1):D2=1.8mm
実施例2a-(2)、実施例2b-(2):D2=2.0mm
実施例2a-(3)、実施例2b-(3):D2=2.2mm
実施例2a-(4)、実施例2b-(4):D2=2.4mm
実施例2a-(5):D2=3.2mm
その他の条件は前記解析(1)と同一とした。
本解析(2)の結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例2a及び2bの双方において、前記導波路17の開口幅D2が2.0mm~2.5mmの領域で音圧レベルが極大化されている。
即ち、前記第2板体120の板厚L2によって画される前記導波路17の長さが1.2mm~1.5mmの構成においては、前記導波路17の開口幅D2を2.0mm~2.5mmに設定するのが好ましい。
解析(3)
本解析(3)は、前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の板厚L1と前記振動体による放射音波の音圧レベルとの関係を有限要素法解析によって求めるものである。
本解析(3)においても、前記解析(2)におけると同様に、前記モデル200における3×3で配置された9個の圧電素子のうち中央に配置された圧電素子30X(図6(a)参照)のみを、振幅10V且つ周波数40kHzの正弦波の電圧で駆動した場合の、当該圧電素子30Xを含む振動体の中心を通り且つ前記モデル200が位置する平面に直交する仮想垂直線上で前記振動体から距離0.3mだけ離間された位置での音圧分布を算出した。
本解析(3)においては、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の厚みL2を=1.5mmとし且つ前記導波路17の開口幅D2=2.2mmとした。
また、前記導波路17が形成された部分(前記第2板体120)の材質をSiCとした。
本解析(3)における実施例3-(1)~実施例3-(4)においては前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の厚みL1を下記の通りに設定した。
なお、前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の材質は前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の材質(SiC)と同じとした。
実施例3-(1):L1=0.05mm
実施例3-(2):L1=0.10mm
実施例3-(3):L1=0.20mm
実施例3-(4):L1=0.30mm
本解析(3)の結果を図9に示す。
図9から、前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の厚みL1、即ち、前記凹部15の深さは0.15mm以下が好ましく、さらには、0.1mm以下の領域で音圧レベルが極大化されており、音圧の観点からは前記凹部15の深さが0.1mm以下であることがより好ましい。
その一方で、前記凹部15を浅くし過ぎると、下記不都合が生じ得る。
即ち、前記凹部15内には前記可撓性樹脂膜20を前記支持板100の第1面101に固着させる際の接着剤等が流入する事態が生じ得る。このような事態が生じた場合、前記凹部15の深さが小さすぎると、前記圧電素子30及び前記可撓性樹脂膜20によって形成される振動体の動作が阻害される危険性がある。
この点を考慮すると、前記凹部15の深さは0.05mm以上であることが好ましい。
解析(4)
図10(a)に、本解析に用いたモデル210(圧電体アッセンブリ)の平面図を示す。
また、図10(b)に、図10(a)におけるX-X線に沿った断面図を示す。
図10(a)及び(b)に示すように、前記モデル210は、第1板体110及び第2板体120を含む支持板100と、前記支持板100の第1面101に固着された可撓性樹脂膜20と、前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された11×3=33個の圧電素子30とを有している。
本解析(4)は、前記解析(1)と同様に、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の厚さL2と前記モデル全体のたわみ振動の最低次の共振周波数との関係を有限要素法(FEM)解析によって算出するものである。
本解析(4)において、前記圧電素子30の形状寸法、前記可撓性樹脂膜20の材質及び厚み、前記凹部15の開口幅D1、前記導波路17の開口幅D2、並びに、前記圧電素子30の配列ピッチPは、前記解析(1)と同一に設定した。
本解析(4)において、前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の材質の深さL1を0.1mmとした。
なお、前記凹部15が形成された部分(第1板体110)の材質はSUS304とした。
その上で、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の長さ?2及び材質を下記の通りに設定した。
実施例4-(1):L2=1.5mm、材質SiC
実施例4-(2):L2=2.0mm、材質SiC
実施例4-(3):L2=2.5mm、材質SiC
実施例4-(4):L2=3.0mm、材質SiC
実施例4-(5):L2=3.0mm、材質Al2O3
実施例4-(1)~4-(5)において、前記モデル全体のたわみ振動の最低次の共振周波数を算出した。
その結果を図11に示す。
図11から明らかなように、前記導波路17が形成された部分(第2板体120)の厚みL2を2.0mm以上とし、且つ、材質をセラミックス(SiC又はAl2O3)とすることにより、11×3個の前記圧電素子30を含む前記モデル全体の共振周波数を、前記圧電素子30を含む振動体が放射すべき音波の周波数(即ち、前記圧電素子30の駆動周波数)である40kHzよりも十分に高くできることが確認された。
斯かる構成によれば、前記振動体から放射される音波が、前記モデル(前記圧電体アッセンブリ)の全体の振動によって生じ得る音波によって干渉されることを有効に防止乃至は低減できる。
以下、本実施の形態に係る超音波トランスデューサー1A(1B)の任意構成部材について説明する。
本実施の形態に係る前記超音波トランスデューサー1A(1B)は、主要構成部材である前記圧電体アッセンブリの他に、任意構成部材として下側封止板40及び配線アッセンブリ150を有している。
図12に、図1におけるXII-XII線に沿った断面図を示す。
図12に示すように、前記下側封止板40は、前記複数の圧電素子30をそれぞれ囲む大きさの複数の圧電素子用開42口を有しており、前記下側封止板40は、平面視において前記複数の圧電素子30が前記複数の圧電素子用開口42内に位置するように前記可撓性樹脂膜20の第1面21に接着剤又は熱圧着等によって固着されている。
図1に示すように、前記下側封止板40の厚さは、前記圧電素子30の厚さよりも大とされており、前記可撓性樹脂膜20の第1面に固着された状態において前記下側封止板40の第1面が、前記圧電素子30における前記上面電極36、前記下面電極端子37T及び前記内側電極端子34T(図5参照)よりも前記可撓性樹脂膜20から離間されている。
前記下側封止板40は、ステンレス等の金属や炭素繊維強化プラスチック及びセラミックス等の剛性部材によって形成される。
前記下側封止板40は、前記複数の圧電素子30を含む圧電素子群の側方を封止するとともに、前記配線アッセンブリ150が固着される基台として作用する。
前記配線アッセンブリ150は、外部から供給される印可電圧を前記複数の圧電素子30へ伝達する為のものである。
図1に示すように、前記配線アッセンブリ150は、前記下側封止板40に接着剤等によって固着される絶縁性ベース層160と、前記ベース層160に固着された導体層170と、前記導体層170を囲繞する絶縁性のカバー層180とを有している。
前記ベース層160及び前記カバー層180は、例えば、ポリイミド等の絶縁性樹脂によって形成される。
前記導体層170は、例えば、Cu等の導電性金属によって形成される。
前記導体層170は、前記ベース層160上に積層された厚さ12~25μm程度のCu箔に対して不要部分をエッチング除去することによって形成可能である。
好ましくは、前記導体層170を形成するCuの露出部分にNi/Auメッキを施すことができる。
本実施の形態においては、前記導体層170は、前記圧電素子30の第1電極(本実施の形態においては外側電極36、37)及び第2電極(本実施の形態においては内側電極34)にそれぞれ接続される第1配線170a及び第2配線170bを含んでいる。
前記ベース層160には、前記第1配線170aを対応する前記圧電素子30の第1電極に接続する為の第1配線/圧電素子接続用開口161aと、前記第2配線170bを対応する前記圧電素子30の第2電極に接続する為の第2配線/圧電素子接続用開口161bとが形成されている。
本実施の形態においては、前述の通り、前記上面電極36及び前記下面電極37が前記第1電極として作用し且つ前記内側電極34が前記第2電極として作用している。
従って、前記第1配線170aのうち前記第1配線/圧電素子接続用開口161aを介して露出する部分が前記上面電極36の一部及び前記下面電極端子37Tの双方に、例えば、導電性接着剤又ははんだによって電気的に接続されている。
そして、前記第2配線170bのうち前記第2配線/圧電素子接続用開口161bを介して露出する部分が前記内側電極端子34Tに、例えば、導電性接着剤又ははんだによって電気的に接続されている。
前記カバー層180には、前記第1及び第2配線170a、170bをそれぞれ外部に電気的に接続させる為の第1配線/外部接続用開口及び第2配線/外部接続用開口が設けられている。
図1に示すように、本実施の形態に係る前記超音波トランスデューサー1Aは、さらに、前記下側封止板40及び前記配線アッセンブリ150の上面に柔軟性樹脂55を介して固着された上側封止板60を有している。
前記上側封止板60は、前記複数の圧電素子30のそれぞれに対応した位置に開口部65を有している。
前記上側封止板60を備えることにより、前記振動体のたわみ振動動作への影響を可及的に防止しつつ、前記配線アッセンブリ150の支持安定化を図ることができる。
前記上側封止板60は、例えば、厚さ0.1mm~0.3mmのステンレス等の金属や炭素繊維強化プラスチック及びセラミックス等によって形成される。
本実施の形態に係る超音波トランスデューサー1Aは、さらに、前記上側封止板60の複数の開口部65を覆うように前記上側封止板60の上面に接着等によって固着された吸音材70を備えている。
前記吸音材70は、例えば、厚さ0.3mm~1.5mm程度のシリコーン樹脂又は他の発泡性樹脂によって形成される。
前記吸音材70を備えることにより、前記圧電素子30によって生成される音波が放射されるべき側(図1において下側)とは反対側へ放射されることを有効に抑制することができる。
前記超音波トランスデューサー1Aは、さらに、前記吸音材70の上面に接着等によって固着された補強板75を備えている。
前記補強板75は、例えば、厚さ0.2mm~0.5mm程度のステンレス等の金属や炭素繊維強化プラスチック及びセラミックス等によって形成される。
前記補強板75を備えることにより、外力が前記基板10及び前記圧電素子30に影響を与えることを可及的に防止することができる。
以下、本実施の形態に係る前記超音波トランスデューサー1Aの製造方法について説明する。
前記製造方法は、
・前記支持板10の板厚と同一の金型深さを有し且つ前記複数の凹部15及び前記複数の導波路17を形成する為の構造が設けられた支持板用金型にセラミックス材料を注入し、焼成を行うことによって前記複数の凹部15及び前記複数の導波路17を備えた前記支持板10を形成する支持板形成工程(図13)
を備えている。
前記支持板10に代えて、前記第1及び第2板体110、120を有する前記支持板100を有する場合には、前記支持板形成工程は、前記複数の凹部15の深さと同一の板厚を有し且つ前記複数の凹部15のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔116が形成された凹部側プレート115(図14(a))を形成する処理と、前記複数の導波路17の長さと同一の板厚を有し且つ前記複数の導波路17のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔126を有する導波路側プレート125(図14(b))を形成する処理と、前記凹部側プレート115及び前記導波路側プレート125をエポキシ接着剤等の接着剤によって固着して前記支持板100を形成する板体固着工程(図15)とを有するものとされる。
前記導波路側プレート125を形成する処理は、前記複数の導波路17の長さと同一の金型深さを有し且つ前記複数の導波路17のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を形成する為の構造が設けられた導波路側プレート用金型にセラミックス材料を注入し、焼成するものとされる。
前記凹部側プレート115を形成する処理は、前記凹部15の深さと同一の板厚を有するSUS304等の金属板を用意し、前記金属板に対してエッチング加工によって前記複数の凹部15のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔116を形成するものとされる。
若しくは、前記凹部側プレート115を形成する処理は、前記複数の凹部15の深さと同一の金型深さを有し且つ前記複数の凹部15のそれぞれと同一開口幅の貫通孔を形成する為の構造が設けられた凹部側プレート用金型にセラミックス材料を注入し、焼成するものとされる。
前記製造方法は、
・前記複数の凹部15を覆うように前記可撓性樹脂膜20を接着剤又は熱圧着によって前記支持板10の第1面11に固着する可撓性樹脂膜固着工程(図16)と、
・平面視において中央領域30C(図2参照)が対応する前記凹部15と重合し且つ周縁領域30P(図2参照)が前記支持板10と重合するように、前記複数の圧電素子30を前記可撓性樹脂膜20の第1面21に絶縁性接着剤によって固着する圧電素子固着工程(図17)と、
・前記複数の圧電素子用開口42を有する前記下側封止板40を用意し、平面視において前記複数の圧電素子30が前記複数の圧電素子用開口42内に位置するように前記下側封止板40を接着剤によって前記可撓性樹脂20の第1面に固着する下側封止板設置工程(図18)と、
・前記絶縁性ベース層160、前記ベース層160に設けられた導体層170及び前記導体層170を囲繞する前記絶縁性カバー層150を含み、前記導体層170は第1及び第2配線170a、170bを有し、前記ベース層160には前記第1及び第2配線170a、170bの一部をそれぞれ露出させる第1配線/圧電素子接続用開口161a及び第2配線/圧電素子接続用開口161bが設けられている前記配線アッセンブリ150を用意する配線アッセンブリ用意工程と、
・前記ベース層160をシリコーン接着剤等の接着剤によって前記下側封止板40の第1面に固着させる配線アッセンブリ固着工程と、
・前記第1配線170aのうち前記第1配線/圧電素子接続用開口161aを介して露出する部分及び前記第2配線170bのうち前記第2配線/圧電素子接続用開口161bを介して露出する部分を導電性接着剤又ははんだによって前記圧電素子30の第1及び第2電極にそれぞれ電気的に接続させる電気接続工程(図19)とを備えている。
好ましくは、前記製造方法は、前記配線アッセンブリ固着工程及び前記電気接続工程を一括して同時に行う接合工程を備えることができる。
前記接合工程は、前記下側封止板40の第1面のうち前記配線アッセンブリ150が位置する部分に熱硬化型絶縁性接着剤を塗布する処理と、前記圧電素子30における第1電極36の電気接続領域に(本実施の形態においては前記上面電極36の一部及び下面電極端子37Tの双方(図5参照)に跨るように)熱硬化型導電性接着剤を塗布する処理と、前記圧電体30における第2電極の電気接続領域に(本実施の形態においては前記内側電極端子34T(図5参照)に)熱硬化型導電性接着剤を塗布する処理と、前記配線アッセンブリ150を前記下側封止板40の第1面の所定位置に配置させてプリアッセンブリを形成する処理と、前記プリアッセンブリを、例えば、120℃~150℃程度で数十分間、加熱処理して熱硬化型絶縁性接着剤及び熱硬化型導電性接着剤を硬化させる処理とを含むものとされる。
前記接合工程を備えることにより、前記配線アッセンブリ150及び前記下側封止板40の固着と、前記配線アッセンブリ150及び前記圧電素子30の電気接続を同時に行うことができ、効率化を図ることができる。
当然ながら、前記電気接続工程を、前記配線アッセンブリ固着工程の後に行うことも可能である。
前記製造方法は、さらに、前記電気接続工程の後に、前記上側封止板60を設置する上側封止板設置工程(図20)を備えている。
前記上側封止板設置工程は、前記配線アッセンブリ150の上面にシリコーン樹脂等の熱硬化型の柔軟性樹脂55を塗布する処理と、前記柔軟性樹脂55の上に前記上側封止板60を配置する処理と、例えば、100℃~150℃程度で数十分間、加熱により前記柔軟性樹脂55を硬化させる処理とを含む。
前記製造方法は、さらに、前記上側封止板設置工程の後に、前記吸音材70を設置する工程(図21)及び前記補強板75を設置する工程(図22)を備えている。
前記吸音材設置工程は、前記上側封止板60の上面に熱硬化型絶縁性接着剤を塗布する処理と、前記熱硬化型絶縁性接着剤の上にシリコーン樹脂又は他の発泡性樹脂等の前記吸音材70を配置する処理と、例えば、120℃~150℃程度で数十分間、加熱により前記熱硬化型絶縁性接着剤を硬化させる処理とを含む。
前記補強板設置工程は、前記吸音材70の上面に熱硬化型絶縁性接着剤を塗布する処理と、前記熱硬化型絶縁性接着剤の上に前記補強板75を配置する処理と、例えば、120℃~150℃程度で数十分間、加熱により前記熱硬化型絶縁性接着剤を硬化させる処理とを含む。
実施の形態2
以下、本発明に係る超音波トランスデューサーの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図23に本実施の形態に係る超音波トランスデューサー2Aの部分縦断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を適宜省略する。
図23に示すように、本実施の形態に係る超音波トランスデューサー2Aは、前記支持板10に代えて支持板300を有している。
即ち、前記超音波トランスデューサー2Aは、主要構成部材として、厚み方向一方側の第1面301及び厚み方向他方側の第2面302を有する剛性の前記支持板300と、前記支持板300の第1面301に固着された前記可撓性樹脂膜20と、前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された複数の圧電素子30とを備えている。
図24に、前記支持板300、前記可撓性樹脂膜20及び前記複数の圧電素子30を含む圧電体アッセンブリの平面図を示す。
前記支持板300は、前記複数の導波路17が複数の導波路317に変更されている点において前記支持板10と相違している。
即ち、図23及び図24に示すように、前記支持板300には、前記複数の凹部15と、一端側が前記複数の凹部15の底面にそれぞれ開口され且つ他端側が当該支持板300の第2面302に開口された複数の導波路317とが設けられている。
前記導波路317は、前記凹部15の底面に開口された筒状部320と、前記支持板300の第2面302に開口されたホーン部330とを有している。
図23及び図24に示すように、前記筒状部320は、開口幅が前記凹部15より小で且つ厚み方向全域に亘って同一開口幅とされた筒状とされている。
これに対し、前記ホーン部330は、厚み方向に関し前記筒状部320に連通する端部から前記支持板300の第2面302に開口された端部(音波放射口)へ近接するに従って、開口幅が大とされたホーン形状とされている。
斯かる構成の前記超音波トランスデューサー2Aによれば、前記圧電素子30及び前記可撓性樹脂膜20によって形成される振動体から放射される音波の音圧レベルを高くすることができる。
なお、前記実施の形態1におけると同様に、前記支持板300を、前記凹部15が形成された部分(下記第1板体360)と前記導波路317が形成された部分(下記第2板体370)とが別体とされた支持板350に変更することも可能である。
図25に、前記支持板350を備えた、本実施の形態の変形例に係る超音波トランスデューサー2Bの部分縦断面図を示す。
ここで、本願発明者が本実施の形態の実施例に対して行った解析について説明する。
(5)解析5
図26(a)に、本解析に用いたモデル220(圧電体アッセンブリ)の平面図を示す。
また、図26(b)に、図26(a)におけるXXVI-XXVI線に沿った断面図を示す。
さらに、図27に、図26(b)におけるXXVII部拡大図を示す。
図26(a)、図26(b)及び図27に示すように、前記モデル220は、第1板体360及び第2板体370を含む支持板350と、前記支持板350の第1面301に固着された可撓性樹脂膜20と、前記可撓性樹脂膜20の第1面21に固着された11×3=33個の圧電素子30とを有している。
本解析(5)は、厚み方向全域に亘って同一開口幅の前記筒状部320及び厚み方向に関し前記支持板350の第2面302に開口された音波放射口に近接するに従って開口幅が大とされた前記ホーン部330を含む前記導波路317が設けられた前記モデル220において、前記筒状部320の開口幅D2aと前記振動体による放射音波の音圧レベルとの関係を有限要素法解析によって求めるものである。
本解析(5)においては、前記モデル220における3×11で配置された33個の圧電素子のうち中央に配置された圧電素子30X(図26(a)参照)のみを、振幅10V且つ周波数40kHzの正弦波の電圧で駆動した場合の、当該圧電素子30Xを含む振動体の中心を通り且つ前記モデル220が位置する平面に直交する仮想垂直線上で前記振動体から距離0.3mだけ離間された位置での音圧分布を算出した。
本解析(5)において、前記圧電素子30の形状寸法、前記可撓性樹脂膜20の材質及び厚み、前記凹部15の開口幅D1、前記凹部15が形成された部分(第1板体360)の厚みL1、並びに、前記圧電素子30の配列ピッチPは、下記の通りに設定した。
圧電素子30:一層の厚さが0.13mmの2層積層型(合計厚さ0.26mm)
一辺長さa1=3.4mm×3.4mmの平面視正方形状
可撓性樹脂膜20:厚さ0.05mmのポリイミドフィルム
凹部15が形成された部分(第1板体360)の板厚:L1=0.1mm
凹部15:開口幅D1=3.3mmの平面視正方形状、
導波路317が形成された部分(第2板体370)の板厚:L2=3.0mm
放射口径:開口幅D2b=3.7mmの平面視円形状
配列ピッチ:P=4.0mm
前記凹部15が形成された部分(第1板体360)の材質はSUS304とし、前記導波路317が形成された部分(第2板体370)の材質をSiCとした。
前記音波放射口領域の放射口径D2bについては、前記圧電体の配列ピッチ(P=4.0mm)を超えない範囲で可及的に大きくすることを考慮して、3.7mmとした。
本解析(5)における実施例5-(1)~実施例5-(7)においては、前記筒状部320の長さL2aを一定値(0.25mm)としつつ、開口幅D2aを下記の通りに設定した。
実施例5-(1):D2a=1.2mm
実施例5-(2):D2a=1.35mm
実施例5-(3):D2a=1.5mm
実施例5-(4):D2a=1.65mm
実施例5-(5):D2a=1.8mm
実施例5-(6):D2a=2.2mm
実施例5-(7):D2a=2.5mm
参考例として、厚み方向全域に亘って開口幅が一定とされた導波路を有する前記モデル210(図10(a)及び(b))において、前記導波路17の開口幅D2と前記振動体による放射音波の音圧レベルとの関係を有限要素法解析によって求めた。
参考例5-(1)~参考例5-(4)においては、開口幅D2(図10(b)参照)を下記の通りに設定し、その他の条件は実施例5-(1)~実施例5-(7)と同一とした。
参考例5-(1):D2=1.2mm
参考例5-(2):D2=1.5mm
参考例5-(3):D2=1.8mm
参考例5-(4):D2=2.2mm
参考例5-(5):D2=2.5mm
本解析(5)の算出結果を図28に示す。
図28から明らかなように、前記ホーン部330を含む前記導波路317が形成された構成(実施例5-(1)~実施例5-(7))は、厚み方向全域に亘って開口幅が一定とされた筒状の前記導波路17が形成された構成(参考例5-(1)~参考例5-(4))に比して、格段に音圧レベルが高くなっている。
また、図28から明らかなように、前記ホーン部を含む前記導波路317が形成された構成(実施例5-(1)~実施例5-(7))においては、前記筒状部320の開口幅D2aが1.35mm~1.65mmの場合(即ち、前記圧電素子30を含む振動体が放射する音波の波長λ(駆動周波数40kHzの波長8.6mm)に対する前記筒状部320の開口幅D2aの比D2a/λが0.15~0.2の場合)に、音圧レベルが最大となった。
(6)解析6
本解析(6)は、図26(a)、図26(b)及び図27に示す前記モデル220において、前記筒状部320の長さL2a(図27参照)と音圧レベルとの関係を有限要素法(FEM)解析によって算出するものである。
本解析(6)における実施例6-(1)~実施例6-(4)においては、前記筒状部320の開口幅D2aを一定値(1.5mm)としつつ、前記筒状部320の長さL2aを下記の通りに設定した。
その他の条件は、前記解析(5)と同じとした。
実施例6-(1):?2a=0.15mm(即ち、L2b=2.85mm)
実施例6-(2):?2a=0.25mm(即ち、L2b=2.75mm)
実施例6-(3):L2a=0.75mm(即ち、L2b=2.15mm)
実施例6-(4):L2a=1.2mm(即ち、L2b=1.8mm)
本解析(6)においても、前記解析(5)におけると同様に、前記モデル220における中央の圧電素子30X(図26(a)参照)のみを、振幅10V且つ周波数40kHzの正弦波の電圧で駆動した場合の、当該圧電素子30Xを含む振動体の中心を通り且つ前記モデル220が位置する平面に直交する仮想垂直線上で前記振動体から距離0.3mだけ離間された位置での音圧分布を算出した。
本解析(6)の算出結果を図29に示す。
図29から明らかなように、前記筒状部320の長さL2aが短いほど(即ち、前記ホーン部330の長さL2bが長いほど)、音圧レベルが高くなる。
前記筒状部320の長さL2aを0.75mm以下(即ち、前記圧電素子30を含む振動体が放射する音波の波長λ(駆動周波数40kHzの波長8.6mm)に対するL2aの比L2a/λを0.09以下)に設定するのが好ましく、さらには、L2aを0.3mm以下(即ち、L2a/L<0.035)に設定するのがより好ましい。
(7)解析7
本解析(7)は、図26(a)、図26(b)及び図27に示す前記モデル220において、前記放射口径D2b(図27参照)と音圧レベルとの関係を有限要素法(FEM)解析によって算出するものである。
本解析(7)における実施例7-(1)~実施例7-(4)においては、前記筒状部320の長さL2a及び開口幅D2aを一定値(L2a=0.25mm及びD2a=1.5mm)としつつ、前記放射口径D2bを下記の通りに設定した。
その他の条件は、前記解析(5)と同じとした。
実施例7-(1):D2b=1.5mm
実施例7-(2):D2b=2.0mm
実施例7-(3):D2b=3.0mm
実施例7-(4):D2b=3.7mm
なお、実施例7-(1)(D2b=1.5mm)は、前記放射口径D2bと前記筒状部320の開口幅D2aとが同一、即ち、筒状の導波路17を備えた、図10に示す前記モデル210の構成である。
本解析(7)においても、前記解析(5)及び(6)におけると同様に、前記モデル220における中央の圧電素子30X(図26(a)参照)のみを、振幅10V且つ周波数40kHzの正弦波の電圧で駆動した場合の、当該圧電素子30Xを含む振動体の中心を通り且つ前記モデル220が位置する平面に直交する仮想垂直線上で前記振動体から距離0.3mだけ離間された位置での音圧分布を算出した。
本解析(7)の算出結果を図30に示す。
図30から明らかなように、放射口径D2bを大きくするほど、音圧レベルを高くできる。
しかしながら、放射口径D2bを前記圧電素子30の配列ピッチPよりも大きくすることはできない為、好ましくは、配列ピッチPに対する放射口径D2bに比は0.8~0.95とするのが好ましい。
即ち、配列ピッチPが4.0mmとされている場合には、放射口径D2bは、3.2mm~3.8mmに設定するのが好ましい。
1A~1B、2A~2B 超音波トランスデューサー
10、100、300、350 支持板
11、301 支持板の第1面
12、302 支持板の第2面
15 凹部
17 導波路
20 可撓性樹脂膜
30 圧電素子
30C 圧電素子の平面視中央領域
30P 圧電素子の平面視周縁領域
40 下側封止板
42 圧電素子用開口
55 柔軟性樹脂
60 上側封止板
65 上側封止板の開口部
70 吸音材
75 補強板
110、360 第1板体
120、370 第2板体
150 配線アッセンブリ
160 ベース層
161a 第1配線/圧電素子接続用開口
161b 第2配線/圧電素子接続用開口
170 導体層
170a 第1配線
170b 第2配線
317 導波路
320 筒状部
330 ホーン部

Claims (20)

  1. 厚み方向一方側の第1面及び厚み方向他方側の第2面を有する剛性の支持板であって、前記第1面に開口された複数の凹部及び前記凹部の開口幅よりも開口幅が小とされた一端側の第1端部が前記凹部の底面に開口され且つ他端側の第2端部が前記第2面に開口されて音波放射口を形成する複数の導波路が設けられた剛性の支持板と、
    前記複数の凹部を覆うように前記支持板の第1面に固着された可撓性樹脂膜と、
    平面視において中央領域が対応する凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板の第1面と重合するように前記可撓性樹脂膜の第1面に固着された前記複数の凹部と同数の圧電素子とを備え、
    前記圧電素子及び前記可撓性樹脂膜が形成する振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子の駆動周波数よりも大とされ、
    前記支持板は、超音波トランスデューサー全体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が前記圧電素子の駆動周波数よりも高くなるように構成されていることを特徴とする超音波トランスデューサー。
  2. 前記圧電素子の配列ピッチは4.3mm以下とされ、
    前記圧電素子は、平面視縦横寸法の最大値が4.0mm以下の平面視矩形状、直径が4.0mm以下の平面視円形状、又は、長径が4.0mm以下の平面視楕円形状とされ、
    前記凹部は、前記圧電素子の周縁領域及び前記支持板の平面視重合幅が0.05mm~0.1mmとなるように、前記圧電素子の平面視相似形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサー。
  3. 前記凹部は、深さ0.05mm~0.15mmとされていることを特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサー。
  4. 前記支持板のうち厚み方向に関し少なくとも前記複数の導波路が形成された部分はセラミックスで形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の超音波トランスデューサー。
  5. 前記支持板は、前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔が形成された第1板体と、前記複数の導波路のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔が形成された第2板体とを含み、
    前記第1及び第2板体は厚み方向に積層状態で固着されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の超音波トランスデューサー。
  6. 前記第2板体は、セラミックスで形成されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波トランスデューサー。
  7. 前記導波路は、前記凹部の底面に開口された前記第1端部を含む筒状部と、前記支持板の第2面に開口された前記第2端部を含むホーン部とを有し、
    前記筒状部は、開口幅が前記凹部の開口幅より小で且つ厚み方向全域に亘って同一開口幅とされており、
    前記ホーン部は、前記筒状部に連通する基端側から前記支持の第2面に開口された前記音波放射口に近接するに従って、開口幅が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の超音波トランスデューサー。
  8. 前記筒状部の開口幅は、前記振動体による放射音波の波長に対する比率が0.15~0.2とされていることを特徴とする請求項7に記載の超音波トランスデューサー。
  9. 前記筒状部の長さは、前記振動体による放射音波の波長に対する比率が0.09以下とされていることを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波トランスデューサー。
  10. 前記筒状部の長さは、前記振動体による放射音波の波長に対する比率が0.035以下とされていることを特徴とする請求項7又は8に記載の超音波トランスデューサー。
  11. 前記音波放射口の開口幅は、前記圧電素子の配列ピッチに対して0.8~0.95とされていることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の超音波トランスデューサー。
  12. 前記複数の圧電素子をそれぞれ囲む大きさの複数の圧電素子用開口を有し且つ前記圧電素子よりも厚みが大とされた下側封止板であって、平面視において前記複数の圧電素子が前記複数の圧電素子用開口内に位置するように前記可撓性樹脂膜に固着された下側封止板と、
    前記下側封止板に固着された配線アッセンブリとを備え、
    前記配線アッセンブリは、絶縁性のベース層と、前記ベース層に設けられ、前記圧電素子における一対の第1及び第2電極にそれぞれ接続される第1及び第2配線を含む導体層と、前記導体層を囲繞する絶縁性のカバー層とを有し、
    前記ベース層には、前記第1配線を対応する前記圧電素子の第1電極に接続する為の第1配線/圧電素子接続用開口と、前記第2配線を対応する前記圧電素子の第2電極に接続する為の第2配線/圧電素子接続用開口とが設けられていることを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の超音波トランスデューサー。
  13. 前記下側封止板及び前記配線アッセンブリに柔軟性樹脂を介して固着された上側封止板を備え、
    前記上側封止板は、前記複数の圧電素子のそれぞれに対応した位置に開口部を有していることを特徴とする請求項12に記載の超音波トランスデューサー。
  14. 前記上側封止板の複数の開口部を覆うように前記上側封止板に固着された吸音材を備えていることを特徴とする請求項13に記載の超音波トランスデューサー。
  15. 前記吸音材に固着された補強板を備えていることを特徴とする請求項14に記載の超音波トランスデューサー。
  16. 厚み方向一方側の第1面に開口された複数の凹部及び前記凹部の開口幅よりも開口幅が小とされた一端側の第1端部が前記凹部の底面に開口され且つ他端側の第2端部が厚み方向他方側の第2面に開口されて音波放射口を形成する複数の導波路が設けられた剛性の支持板と、前記複数の凹部を覆うように前記支持板の第1面に固着された可撓性樹脂膜と、平面視において中央領域が対応する凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板の第1面と重合するように、前記可撓性樹脂膜の第1面に固着された前記複数の凹部と同数の圧電素子とを備え、前記圧電素子及び前記可撓性樹脂膜が形成する振動体は、たわみ振動の最低次の共振モードの周波数が当該圧電素子の駆動周波数よりも大とされ、前記支持板は、超音波トランスデューサー全体のたわみ振動の最低次の共振モードの周波数が前記圧電素子の駆動周波数よりも高くなるように構成されている超音波トランスデューサーの製造方法であって、
    前記支持板を形成する支持板形成工程と、
    前記複数の凹部を覆うように前記可撓性樹脂膜を接着剤又は熱圧着によって前記支持板に固着する可撓性樹脂膜固着工程と、
    平面視において中央領域が対応する前記凹部と重合し且つ周縁領域が前記支持板と重合するように、前記複数の圧電素子を前記可撓性樹脂膜に絶縁性接着剤によって固着する圧電素子固着工程と、
    前記複数の圧電素子をそれぞれ囲む大きさの複数の圧電素子用開口を有し且つ前記圧電素子より厚みが大とされた下側封止板を用意し、平面視において前記複数の圧電素子が前記複数の圧電素子用開口内に位置するように前記下側封止板を接着剤によって前記可撓性樹脂膜に固着する下側封止板設置工程と、
    絶縁性ベース層、前記ベース層に設けられ、前記圧電素子における一対の第1及び第2電極にそれぞれ接続される第1及び第2配線を含む導体層、並びに、前記導体層を囲繞する絶縁性のカバー層を含み、前記ベース層には前記第1及び第2配線の一部をそれぞれ露出させる第1配線/圧電素子接続用開口及び第2配線/圧電素子接続用開口が設けられている配線アッセンブリを用意する配線アッセンブリ用意工程と、
    前記ベース層を接着剤によって前記下側封止板に固着させる配線アッセンブリ固着工程と、
    前記第1配線のうち前記第1配線/圧電素子接続用開口を介して露出する部分及び前記第2配線のうち前記第2配線/圧電素子接続用開口を介して露出する部分を導電性接着剤又ははんだによって前記圧電素子の第1及び第2電極にそれぞれ電気的に接続させる電気接続工程とを備えていることを特徴とする超音波トランスデューサーの製造方法。
  17. 前記支持板形成工程は、
    前記複数の凹部の深さと同一の板厚を有し且つ前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔が形成された凹部側プレートを形成する処理と、
    前記複数の導波路の長さと同一の板厚を有し且つ前記複数の導波路のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を有する導波路側プレートを形成する処理と、
    前記凹部側プレート及び前記導波路側プレートを接着剤によって固着する板体固着工程とを有していることを特徴とする請求項16に記載の超音波トランスデューサーの製造方法。
  18. 前記導波路側プレートを形成する処理は、前記複数の導波路の長さと同一の金型深さを有し且つ前記複数の導波路のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を形成する為の構造が設けられた導波路側プレート用金型にセラミックス材料を注入し、焼成するように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の超音波トランスデューサーの製造方法。
  19. 前記凹部側プレートを形成する処理は、前記複数の凹部の深さと同一の金型深さを有し且つ前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の貫通孔を形成する為の構造が設けられた凹部側プレート用金型にセラミックス材料を注入し、焼成するように構成されていることを特徴とする請求項17又は18に記載の超音波トランスデューサーの製造方法。
  20. 前記凹部側プレートを形成する処理は、前記凹部の深さと同一の板厚を有する金属板を用意し、前記金属板に対してエッチング加工によって前記複数の凹部のそれぞれと同一開口幅の複数の貫通孔を形成するように構成されていることを特徴とする請求項17又は18に記載の超音波トランスデューサーの製造方法。
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