JP7022910B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、電解液を備える電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極体と、陰極体と、陽極体と陰極体との間に介在する電解液と、を備える。電解液は、事実上の陰極材料として機能する。また、電解液の組成について様々な検討が行われている。例えば、電解コンデンサの耐電圧性を向上させる手法として、電解液にホウ酸およびヘキシトールを添加することが知られている(特許文献1)。
特開昭63-261823号公報
本開示の第1の側面に係る電解コンデンサは、表面に誘電体層を有する陽極体と、陰極体と、陽極体と陰極体との間に介在する電解液と、を備える。電解液は、第1エステル化合物と、第2エステル化合物と、を含む。第1エステル化合物は、ホウ酸と糖アルコールとの縮合物である。第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含む。電解液の全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上、10質量%以下であり、電解液の全体に対する第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上、10質量%以下である。
本開示の第2の側面は、表面に誘電体層を有する陽極体と、陰極体と、陽極体と陰極体との間に介在する電解液と、を備える電解コンデンサの製造方法である。電解コンデンサの製造方法は、ホウ酸と、糖アルコールと、第2エステル化合物と、を含む電解液を調製する工程を含む。第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含む。電解液の全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上、10質量%以下であり、電解液の全体に対する第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上、10質量%以下である。
本開示によれば、電解コンデンサの耐電圧性および耐熱性を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。 実施形態に係るコンデンサ素子の構成を説明するための概略図である。
特許文献1の電解コンデンサでは、電解液に添加したホウ酸およびヘキシトールが脱水縮合反応してホウ酸およびヘキシトールの縮合物が形成されることで電解液の火花電圧が上昇する。しかし、ホウ酸およびヘキシトールが添加された電解液を用いた電解コンデンサは、リフロー処理時に電解コンデンサが100℃以上の高温に加熱されると、上記の脱水縮合反応で生じた水が蒸発して電解コンデンサの内圧が上昇する。これにより、ケースの開口部に配されたゴム製の封止部材が変形して、実装不良が生じるなどの不具合が生じる惧れがある。
[電解コンデンサ]
本開示に係る電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極体と、陰極体と、陽極体と陰極体との間に介在する電解液と、を備える。電解液は、溶媒と、溶媒に溶解する溶質と、を含む。電解液は、ホウ酸と糖アルコールとの縮合物である第1エステル化合物と、第2エステル化合物と、を含む。第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含む。
第1エステル化合物は、電解液に添加したホウ酸および糖アルコールが脱水縮合反応することで形成され、電解液中に錯化合物として溶解している。第2エステル化合物も電解液中で錯化合物として存在する。第1エステル化合物の存在により、電解液の火花電圧を高めることができるので、電解コンデンサの耐電圧性を高めることができる。
また、上記の脱水縮合反応で生成する水は、第2エステル化合物が加水分解することにより低減される。よって、この水が多く存在することで生じるリフロー処理時(高温時)の電解コンデンサの内圧上昇による不具合を解消することができ、電解コンデンサの耐熱性を高めることができる。
上記の脱水縮合反応により水が比較的多く生成し易い、ホウ酸および糖アルコールを電解液に添加した場合でも、電解液に第2エステル化合物を含ませることで電解液中の水分量を3質量%以下に低減することができる。
また、第1エステル化合物が、ホウ酸が分子内に有する3つの水酸基のうち少なくとも2つの水酸基が、糖アルコールとエステル化反応して得られた化合物である場合では、第1エステル化合物の加水分解により多量のホウ酸が生成して電解液中にホウ酸の一部が析出することを抑制することができる。これにより、電解液中に第1エステル化合物由来のホウ酸(析出物を含む)が過剰に存在することを抑制することができ、電解コンデンサの耐電圧性を高めることができる。
電解液に第2エステル化合物を含ませることで、電解液の火花電圧を高めることができ、電解コンデンサの耐電圧性を高めることができる。第2エステル化合物による電解液の火花電圧の上昇効果は、電解液が第1エステル化合物を含まない場合でも得られる。
第2エステル化合物により電解液の粘度が上昇する場合、電解液の火花電圧を更に高めることができ、電解コンデンサの耐電圧性を更に高めることができる。
また、第2エステル化合物が、ホウ酸が分子内に有する3つの水酸基のうち少なくとも2つの水酸基が、モノオール化合物またはポリオール化合物とエステル化反応して得られた化合物である場合では、第2エステル化合物の加水分解により多量のホウ酸が生成して電解液中にホウ酸の一部が析出することを抑制することができる。これにより、電解液中に第2エステル化合物由来のホウ酸(析出物を含む)が過剰に存在することを抑制することができ、電解コンデンサの耐電圧性を高めることができる。
電解液が第1エステル化合物および第2エステル化合物を含有していることは、例えば、液体クロマトグラフィーにより確認することができる。この場合、電解コンデンサから電解液を抽出し、第1エステル化合物および第2エステル化合物の少なくとも1つの加水分解物を分析すればよい。
糖アルコールとしては、例えば、トリトール類(グリセリン)、テトリトール類(エリスリトール)、ペンチトール類(キシリトール)、ヘキシトール類(ソルビトール、マンニトール、ズルシトール)が挙げられる。電解コンデンサの耐電圧性の観点から、これらの中でも、ヘキシトール類が好ましく、マンニトールがより好ましい。
電解液は、第1エステル化合物の加水分解物および第2エステル化合物の加水分解物の少なくとも1つを含んでもよい。第2エステル化合物の加水分解物は、第2エステル化合物の一部が上記脱水縮合反応で生じた水により加水分解して生成したものを含む。
第1エステル化合物の加水分解物は、第1エステル化合物の一部が上記脱水縮合反応で生じた水により加水分解して生成したものや、電解液に添加したホウ酸および糖アルコールのうち上記の脱水縮合反応に寄与しない一部を含む。
第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含む。耐電圧性の観点から、第2エステル化合物は、好ましくはホウ酸とポリオール化合物との縮合物であり、より好ましくはホウ酸とジオール化合物との縮合物である。
第2エステル化合物が加水分解し易く、第1エステル化合物(錯化合物)の形成に伴い生成する水を十分に低減することができることから、モノオール化合物は、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルであることが好ましい。第2エステル化合物が、ホウ酸とポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとの縮合物である場合、電解液の粘度を上昇させることができるので、電解液の火花電圧を更に高めることができ、電解コンデンサの耐電圧性を更に高めることができる。
例えば、一般式:H(OCOC2m+1(式中、mは1~500の整数、nは2~20の整数)で表される化合物が、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとして挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
第2エステル化合物が加水分解し易く、第1エステル化合物の形成に伴い生成する水を十分に低減することができることから、ジオール化合物は、ポリアルキレングリコールであることが好ましい。第2エステル化合物が、ホウ酸とポリアルキレングリコールとの縮合物である場合、電解液の粘度を上昇させることができるので、電解液の火花電圧を更に高めることができ、電解コンデンサの耐電圧性を更に高めることができる。
例えば、一般式:H(OCOH(式中、nは2~500の整数)で表される化合物が、ポリアルキレングリコールとして挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
電解液の溶質(主溶質)としては、公知の材料を用いればよく、例えば、四級化イミダゾリニウムカチオンとカルボン酸アニオンとを含む塩などを用いることができる。このような塩としては、具体的には、フタル酸1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。
電解液中の溶質の含有割合は、例えば、10質量%以上、20質量%以下である。
電解液の溶媒としては、公知の材料を用いればよく、例えば、スルホン化合物、ラクトン化合物、カーボネート化合物、グリコール化合物などを用いることができる。スルホン化合物としては、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどを用いることができる。ラクトン化合物としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンなどを用いることができる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などを用いることができる。グリコール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。イオン伝導性および耐熱性の観点から、中でも、溶媒は、スルホランおよびγ-ブチロラクトンを含むことが好ましい。
電解液中の溶媒の含有割合は、例えば、60質量%以上、70質量%以下である。
電解液は、更に他の成分を少量含んでもよい。他の成分としては、例えば、リン酸エチルやリン酸ジブチルのようなリン酸エステル、p-ニトロ安息香酸やp-ニトロフェノールのようなニトロ化合物が挙げられる。電解液中の他の成分の含有割合は、例えば、0.1質量%以上、0.5質量%以下である。このリン酸エステルは、陽極体を水から保護する目的で用いられる。ニトロ化合物は、陰極側で発生する水素ガスを吸収する目的で用いられる。
電解コンデンサは、更に、誘電体層の表面の少なくとも一部を被覆する、酸化マンガンや導電性高分子などを含む固体電解質層を備えてもよい。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、およびポリアニリンなどが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。
なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ピロール、チオフェン、アニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが含まれる。
固体電解質層は、モノマー、ドーパントおよび酸化剤などを含有する溶液を用いて、化学重合もしくは電解重合により形成してもよい。また、固体電解質層は、液状成分と、液状成分に分散する導電性高分子とを含む高分子分散体(特に、導電性高分子と高分子ドーパントとを含む高分子分散体)により形成してもよい。
高分子分散体に含まれる導電性高分子の濃度は、0.5質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。また、導電性高分子の平均粒径D50は、例えば0.01μm以上、0.5μm以下であることが好ましい。ここで、平均粒径D50は、動的光散乱法による粒度分布測定装置により求められる体積粒度分布におけるメディアン径である。このような濃度の高分子分散体は、適度な厚みの固体電解質層を形成するのに適している。
以下、本開示を実施形態に基づいて、より具体的に説明する。ただし、以下の実施形態は本開示を限定するものではない。
図1は、本実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図であり、図2は、同電解コンデンサに係るコンデンサ素子の一部を展開した概略図である。
電解コンデンサは、例えば、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を収容する有底ケース11と、有底ケース11の開口を塞ぐ封止部材12と、封止部材12を覆う座板13と、封止部材12から導出され、座板13を貫通するリード線14A、14Bと、リード線14A、14Bとコンデンサ素子10の電極とをそれぞれ接続するリードタブ15A、15Bと、電解液(図示せず)とを備える。有底ケース11の開口端近傍は、内側に絞り加工されている。また、開口端は封止部材12をかしめるようにカール加工されている。
封止部材12は、ゴム成分を含む弾性材料で形成されている。ゴム成分としては、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ハイパロンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを用いることができる。封止部材12は、カーボンブラック、シリカなどのフィラーを含んでもよい。
コンデンサ素子10は、図2に示すような巻回体から作製される。巻回体は、リードタブ15Aと接続された陽極体21と、リードタブ15Bと接続された陰極体22と、セパレータ23とを備える。
陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して巻回されている。巻回体の最外周は、巻止めテープ24により固定される。なお、図2は、巻回体の最外周を止める前の、一部が展開された状態を示している。陽極体21は、表面が凹凸を有するように粗面化された金属箔を具備し、凹凸を有する金属箔上に誘電体層が形成されている。
コンデンサ素子10は、更に固体電解質層を備えてもよい。誘電体層の表面の少なくとも一部に、導電性高分子を付着させることにより、固体電解質層が形成される。固体電解質層は、陰極体22の表面の少なくとも一部またはセパレータ23の表面の少なくとも一部を被覆していてもよい。また、固体電解質層は、陰極体22の表面の少なくとも一部およびセパレータ23の表面の少なくとも一部の両方を被覆していてもよい。コンデンサ素子10は、電解液とともに、外装ケース(有底ケース11)に収容される。
本実施形態に係る電解コンデンサに用いる電解液は、第1エステル化合物および第2エステル化合物を含むため、耐電圧性および耐熱性に優れた電解コンデンサが得られる。
電解液に添加したホウ酸および糖アルコールの一部が脱水縮合反応することで形成される第1エステル化合物により電解液の火花電圧を高くできるので、電解コンデンサの耐電圧性を高めることができる。また、その脱水縮合反応により生じる水は、第2エステル化合物の加水分解により低減することができる。よって、リフロー処理時(高温時)に上記水の蒸発に伴う電解コンデンサの内圧上昇が抑制され、電解コンデンサの耐熱性を高めることができる。
[電解コンデンサの製造方法]
本開示に係る電解コンデンサの製造方法は、添加剤として、ホウ酸と、糖アルコールと、第2エステル化合物と、を含む電解液を調製する工程を含む。第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含む。電解液を調製する工程(溶媒に溶質を溶解させる工程)において、更に上記添加剤を添加すればよい。
電解液に添加したホウ酸および糖アルコールが脱水縮合反応することでホウ酸および糖アルコールの縮合物(第1エステル化合物)が形成され、錯化合物として溶解する。第1エステル化合物は錯化合物として溶解可能であるため、電解液中においてホウ酸の析出を低減できる。第2エステル化合物も電解液中で錯化合物として存在する。第1エステル化合物の存在により、電解液の火花電圧を高めることができるので、電解コンデンサの耐電圧性を高めることができる。
また、上記の脱水縮合反応で生成する水は、第2エステル化合物の加水分解に用いられるため低減される。よって、この水が多く存在することで生じるリフロー処理時(高温時)の電解コンデンサの内圧上昇を抑制でき、電解コンデンサの耐熱性を高めることができる。
以下、本実施形態に係る電解コンデンサの製造方法の一例について、工程ごとに説明する。
(i)誘電体層を有する陽極体21を準備する工程
まず、陽極体21の原料である金属箔を準備する。金属の種類は特に限定されないが、誘電体層の形成が容易である点から、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。
次に、金属箔の表面を粗面化する。粗面化により、金属箔の表面に、複数の凹凸が形成される。粗面化は、金属箔をエッチング処理することにより行うことが好ましい。エッチング処理は、例えば直流電解法や交流電解法により行えばよい。
次に、粗面化された金属箔の表面に誘電体層を形成する。形成方法は特に限定されないが、金属箔を化成処理することにより形成することができる。化成処理では、例えば、金属箔をアジピン酸アンモニウム溶液などの化成液に浸漬し、熱処理する。また、金属箔を化成液に浸漬し、電圧を印加してもよい。
通常、量産性の観点から、大判の弁作用金属などの箔(金属箔)に対して、粗面化処理および化成処理が行われる。その場合、処理後の箔を所望の大きさに裁断することによって、陽極体21が準備される。
(ii)陰極体22を準備する工程
陰極体22には、陽極体と同様、金属箔を用いることができる。金属の種類は特に限定されないが、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。必要に応じて、陰極体22の表面を粗面化してもよい。
(iii)巻回体(コンデンサ素子10)の作製
次に、陽極体21および陰極体22を用いて巻回体を作製する。
まず、陽極体21と陰極体22とを、セパレータ23を介して巻回する。このとき、リードタブ15A、15Bを巻き込みながら巻回することにより、図2に示すように、リードタブ15A、15Bを巻回体から植立させることができる。
セパレータ23の材料は、例えば、合成セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、アラミド繊維などを主成分とする不織布を用いることができる。
リードタブ15A、15Bの材料も特に限定されず、導電性材料であればよい。リードタブ15A、15Bの各々に接続されるリード線14A、14Bの材料についても、特に限定されず、導電性材料であればよい。
次に、巻回された陽極体21、陰極体22およびセパレータ23のうち、最外層に位置する陰極体22の外側表面に、巻止めテープ24を配置し、陰極体22の端部を巻止めテープ24で固定する。なお、陽極体21を大判の金属箔を裁断することによって準備した場合には、陽極体21の裁断面に誘電体層を設けるために、巻回体に対し、さらに化成処理を行ってもよい。
(iv)電解液を調製する工程
本工程では、溶媒に、溶質を加え、更に、添加剤として、ホウ酸、糖アルコール、および第2エステル化合物を加え、電解液を調製する。第2エステル化合物には、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く)との縮合物の少なくとも一方が用いられる。溶媒および溶質には、上記で例示したような公知の材料を用いればよい。電解液中の溶媒の含有割合は、例えば、60質量%以上、70質量%以下である。
電解液全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上、20質量%以下であり、電解液全体に対する第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。なお、ここでいう添加割合(質量%)とは、添加剤(ホウ酸、糖アルコール、および第2エステル化合物)を含む電解液全体の質量に対する添加剤の質量の割合を指す。
電解液全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上である場合、第1エステル化合物の形成による火花電圧の上昇効果が十分に得られる。電解液全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合が20質量%以下である場合、電解液は適度な粘度を有し、電解液のイオン伝導性の低下を抑えることができる。電解液のイオン伝導性をより高めるには、ホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合は2質量%以上、10質量%以下の範囲がより好ましい。
電解液全体に対する第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上である場合、第2エステル化合物の加水分解による水の低減効果が十分に得られる。電解液全体に対する第2エステル化合物の添加割合が60質量%以下である場合、電解液は適度な粘度を有し、電解液のイオン伝導性の低下を抑えることができる。電解液のイオン伝導性の低下を抑制するには、第2エステル化合物の添加割合は2質量%以上、50質量%以下の範囲がより好ましく、2質量%以上、10質量%以下の範囲が更に好ましい。
電解液全体に対する糖アルコールおよびホウ酸を合計した添加割合は2質量%以上、10質量%以下であり、電解液全体に対する第2エステル化合物の添加割合は2質量%以上、10質量%以下であることが、より好ましい。この場合、第1エステル化合物の形成による火花電圧の上昇効果および第2エステル化合物の加水分解による水の低減効果が十分に得られるとともに、電解液のイオン伝導性の低下を十分に抑えることができる。
電解液全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上、10質量%以下であり、電解液全体に対する第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上、50質量%以下である場合、電解液全体に対する第2エステル化合物の添加割合は、電解液全体に対するホウ酸および糖アルコールを合計した添加割合の5/8以上であることが好ましい。この場合、第1エステル化合物の形成による火花電圧の上昇効果および第2エステル化合物の加水分解による水の低減効果を更に高めることができる。
ホウ酸および第2エステル化合物を合計した添加割合は、糖アルコール100質量部あたり100質量部以上、1600質量部以下であることが好ましい。ホウ酸および第2エステル化合物を合計した添加割合が、糖アルコール100質量部あたり100質量部以上である場合、第1エステル化合物の形成による火花電圧の上昇効果と、第2エステル化合物の加水分解による水の低減効果とがバランス良く得られる。ホウ酸および第2エステル化合物を合計した添加割合が、糖アルコール100質量部あたり1600質量部以下である場合、電解液は適度な粘度を有し、電解液のイオン伝導性を更に高めることができる。
第2エステル化合物の添加割合は、ホウ酸100質量部あたり100質量部以上、2400質量部以下であることが好ましい。第2エステル化合物の添加割合が、ホウ酸100質量部あたり100質量部以上である場合、第2エステル化合物の加水分解による水の低減効果が十分に得られる。第2エステル化合物の添加割合が、ホウ酸100質量部あたり2400質量部以下である場合、電解液は適度な粘度を有し、電解液のイオン伝導性を更に高めることができる。
(v)コンデンサ素子10に電解液を含浸させる工程
次に、コンデンサ素子10に、電解液を含浸させる。これにより、誘電体層の修復機能に優れた電解コンデンサが得られる。コンデンサ素子10に電解液を含浸させる方法は特に限定されない。例えば、容器に収容された電解液にコンデンサ素子10を浸漬させる方法が簡易で好ましい。浸漬時間は、コンデンサ素子10のサイズにもよるが、例えば1秒以上、5分以下である。含浸は、減圧下、例えば10kPa以上、100kPa以下、好ましくは40kPa以上、100kPa以下の雰囲気で行うことが好ましい。
(vi)コンデンサ素子10を封止する工程
次に、コンデンサ素子10を封止する。具体的には、まず、リード線14A、14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。有底ケース11の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮などの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
次に、リード線14A、14Bが貫通するように形成された封止部材12を、コンデンサ素子10の上方に配置し、コンデンサ素子10を有底ケース11内に封止する。次に、有底ケース11の開口端近傍に、横絞り加工を施し、開口端が封止部材12を加締めるようにカール加工する。そして、カール部分に座板13を配置することによって、図1に示すような電解コンデンサが完成する。その後、定格電圧を印加しながら、エージング処理を行ってもよい。
誘電体層の表面の少なくとも一部に、固体電解質層を形成する場合には、上記工程(iii)の後、かつ工程(v)の前に、誘電体層の少なくとも一部を覆う導電性高分子を含む膜を形成すればよい。
上記の実施形態では、巻回型の電解コンデンサについて説明したが、本開示の適用範囲は上記に限定されず、他の電解コンデンサ、例えば、積層型の電解コンデンサにも適用することができる。積層型の電解コンデンサは、例えば、板状の陽極体および陰極体を、セパレータを介して積層したコンデンサ素子を備える。
[実施例]
以下、実施例に基づいて、本開示をより詳細に説明するが、本開示は実施例に限定されるものではない。
《実施例1~24》
本実施例では、定格電圧100V、定格静電容量15μFの巻回型の電解コンデンサ(Φ(直径)8.0mm×L(長さ)12.0mm)を作製した。以下に、電解コンデンサの具体的な製造方法について説明する。
(陽極体の準備)
厚さ100μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔の表面に、化成処理により、誘電体層を形成した。化成処理は、アジピン酸アンモニウム溶液にアルミニウム箔を浸漬し、これに60Vの電圧を印加することにより行った。その後、アルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陽極体を準備した。
(陰極体の準備)
厚さ50μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陰極体を準備した。
(巻回体(コンデンサ素子)の作製)
陽極体および陰極体に陽極リードタブおよび陰極リードタブを接続し、陽極体と陰極体とを、リードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回した。巻回体から突出する各リードタブの端部には、陽極リード線および陰極リード線をそれぞれ接続した。そして、作製された巻回体に対して、再度化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体層を形成した。次に、巻回体の外側表面の端部を巻止めテープで固定して巻回体を作製した。
(電解液の調製)
溶媒に、主溶質としてのフタル酸テトラメチルイミダゾリニウムを加え、更に、ホウ酸、糖アルコール、および第2エステル化合物を添加し、電解液を調製した。電解液の溶媒には、スルホランおよびγ-ブチロラクトン(質量比20:80)を用いた。糖アルコールには、マンニトールを用いた。第2エステル化合物には、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物およびホウ酸とジオール化合物との縮合物を用いた。モノオール化合物およびジオール化合物のモル比は1:1とした。モノオール化合物にはトリエチレングリコールモノメチルエーテルを用い、ジオール化合物にはジエチレングリコールを用いた。
電解液全体に対するフタル酸テトラメチルイミダゾリニウムの添加割合は、15質量%とした。電解液全体に対するホウ酸、マンニトール、および第2エステル化合物の添加割合は、表1および表2に示す値とした。電解液中の溶媒量は、電解液全体に対するフタル酸テトラメチルイミダゾリニウムの添加割合が上記値となり、電解液全体に対するホウ酸、マンニトール、および第2エステル化合物の添加割合が表1および表2に示す値となるように調整した。
Figure 0007022910000001
Figure 0007022910000002
(電解液の含浸)
減圧雰囲気(40kPa)中で、電解液にコンデンサ素子を5分間浸漬した。このようにして、コンデンサ素子に電解液を含浸させた。
(コンデンサ素子の封止)
電解液を含浸させたコンデンサ素子を封止して、電解コンデンサを完成させた。具体的には、有底ケースの開口側にリード線が位置するようにコンデンサ素子を有底ケースに収納し、リード線が貫通するように形成された封止部材(ゴム成分としてブチルゴムを含む弾性材料)をコンデンサ素子の上方に配置して、コンデンサ素子を有底ケース内に封止した。そして、有底ケースの開口端近傍に絞り加工を施し、更に開口端をカール加工し、カール部分に座板を配置することによって、図1に示すような電解コンデンサを完成させた。その後、定格電圧を印加しながら、130℃で2時間エージング処理を行った。
《比較例1》
電解液に第2エステル化合物を添加しない以外、実施例2と同様に電解コンデンサを作製した。
《比較例2》
電解液にホウ酸およびマンニトールを添加しない以外、実施例2と同様に電解コンデンサを作製した。
《比較例3》
電解液にホウ酸、マンニトール、および第2エステル化合物を添加しない以外、実施例1と同様に電解コンデンサを作製した。
上記で作製した実施例および比較例の電解コンデンサおよび電解コンデンサの作製で用いた電解液について、以下の評価を行った。
[評価]
(1)電解液の火花電圧の測定
陽極に、エッチング処理および化成処理された高圧用アルミニウム箔(面積10cm)を用い、陰極に、表面が平坦なアルミニウム箔(面積10cm)を用いた。定電流法を用い、25℃で2mAの定電流を印加し、電解液の火花電圧を測定した。
(2)電解コンデンサの膨れ発生率の測定(耐熱性の評価)
各実施例および比較例の電解コンデンサを100個ずつ準備した。電解コンデンサを、200℃に加熱した状態で5分間放置した。この時、封止部材が変形した電解コンデンサを目視で確認し、その個数を求め、全個数に対する割合を膨れ発生率として求めた。
評価結果を表1および表2に示す。
実施例1~24では、火花電圧が上昇して耐電圧性が向上するとともに、膨れ発生率が大幅に低下し、優れた耐熱性が得られた。
ホウ酸およびマンニトールの添加割合が同じ実施例2と比較例1とを対比すると、実施例2では、比較例1と比べて、第2エステル化合物を更に添加することで、耐熱性が大幅に向上するだけでなく、火花電圧が更に上昇し、耐電圧性が更に向上した。
ホウ酸およびマンニトールを添加した比較例1では、耐電圧性が向上したが、第2エステル化合物を添加していないため、膨れ発生率が上昇し、耐熱性が大幅に低下した。
比較例2では、ホウ酸およびマンニトールを添加しないため、第1エステル化合物が形成されず、火花電圧が低下し、耐電圧性が低下した。
比較例3では、比較例1および2よりも火花電圧が低下した。
《実施例25~27》
電解液の調製において、第2エステル化合物として、ホウ酸と表3に示すモノオール化合物またはジオール化合物、あるいはモノオール化合物およびジオール化合物との縮合物を用いた以外、実施例2と同様に電解コンデンサを作製し、評価した。なお、実施例25の2種類のモノオール化合物、実施例26の2種類のジオール化合物、実施例27のモノオール化合物とジオール化合物は、それぞれモル比1:1とした。評価結果を表3に示す。
Figure 0007022910000003
表3に示すように、2種類のジオール化合物とホウ酸との縮合物を用いた実施例26、モノオール化合物とホウ酸との縮合物およびジオール化合物とホウ酸との縮合物を用いた実施例27、2種類のモノオール化合物とホウ酸との縮合物を用いた実施例25の順に、高い火花電圧が得られた。ジオール化合物は、モノオール化合物と比べて、耐電圧性の向上に対してより有効であることが確かめられた。
《実施例28~32》
電解液の調製において、表4に示す糖アルコールを用いた以外、実施例2と同様に電解コンデンサを作製し、評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0007022910000004
表4に示すように、糖アルコールに、マンニトール、ソルビトール、ズルシトールのようなヘキシトール類を用いた実施例2、28、29では、糖アルコールに、エリスリトール、キシリトール、グリセリンを用いた実施例30、31、32と比べて、火花電圧が更に向上した。特に、ヘキシトール類のなかでもマンニトールを用いた実施例2が、高い火花電圧を示した。
《実施例33~36》
電解液の調製において、ホウ酸、マンニトール及び第2エステル化合物として、表5に示すものを用いた以外、実施例2と同様に電解コンデンサを作製し、評価した。
また、実施例2及び実施例33~36の電解コンデンサについて、低温(-40℃)におけるESR(Equivalent Series Resistance)を評価した。具体的には、電解コンデンサに高温負荷試験(135℃の環境下において、1250時間定格電圧を印加)を施し、その後、-40℃の環境下におけるESRの値を測定した。そして、初期のESR値に対する高温負荷試験後のESR値の比であるESR比(高温負荷試験後のESR値/初期のESR値)を計算した。なお、ESR値は、4端子測定用のLCRメータを用いて、周波数100kHzにおける値を測定した。評価結果を表5に示す。
Figure 0007022910000005
表5に示すように、ホウ酸を2質量%以下の実施例33~36の電解コンデンサは、低温(-40℃)におけるESRの上昇が抑えられていることが分かる。そのため、低温でのESRの上昇を抑えるという観点からは、電解液全体に対するホウ酸の添加割合を0質量%より大きく2質量%以下とすることが好ましい。さらに、電解液全体に対するホウ酸の添加割合を1質量%以上、2質量%以下とすることがより好ましい。
本開示は、電解液を具備する電解コンデンサに利用することができる。
10:コンデンサ素子、11:有底ケース、12:封止部材、13:座板、14A,14B:リード線、15A,15B:リードタブ、21:陽極体、22:陰極体、23:セパレータ、24:巻止めテープ

Claims (12)

  1. 表面に誘電体層を有する陽極体と、
    陰極体と、
    前記陽極体と前記陰極体との間に介在する電解液と、を備え、
    前記電解液は、ホウ酸と糖アルコールとの縮合物である第1エステル化合物と、第2エステル化合物と、を含み、
    前記第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含み、
    前記電解液の全体に対する前記ホウ酸および前記糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上、10質量%以下であり、前記電解液の全体に対する前記第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上、10質量%以下である、電解コンデンサ。
  2. 前記第1エステル化合物を形成する前記糖アルコールは、マンニトールである、請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記モノオール化合物は、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルである、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記ポリオール化合物は、ポリアルキレングリコールである、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記電解液は、前記第1エステル化合物の加水分解物および前記第2エステル化合物の加水分解物の少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. 前記電解液中の水分の含有割合は3質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  7. 表面に誘電体層を有する陽極体と、陰極体と、前記陽極体と前記陰極体との間に介在する電解液と、を備える電解コンデンサの製造方法であって、
    ホウ酸と、糖アルコールと、第2エステル化合物と、を含む前記電解液を調製する工程を含み、
    前記第2エステル化合物は、ホウ酸とモノオール化合物との縮合物、およびホウ酸とポリオール化合物(但し、糖アルコールを除く。)との縮合物の少なくとも一方を含み、
    前記電解液の全体に対する前記ホウ酸および前記糖アルコールを合計した添加割合が2質量%以上、10質量%以下であり、前記電解液の全体に対する前記第2エステル化合物の添加割合が2質量%以上、10質量%以下である、電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記ホウ酸および前記第2エステル化合物を合計した添加割合は、前記糖アルコール100質量部あたり100質量部以上、1600質量部以下である、請求項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記第2エステル化合物の添加割合は、前記ホウ酸100質量部あたり100質量部以上、2400質量部以下である、請求項7または8に記載の電解コンデンサの製造方法。
  10. 前記電解液に含まれる前記糖アルコールは、マンニトールである、請求項7~のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  11. 前記モノオール化合物は、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルである、請求項7~1のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記ポリオール化合物は、ポリアルキレングリコールである、請求項7~1のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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