JP7022279B2 - フィルタープレスの運転方法及び圧力タンク一体型フィルタープレス - Google Patents
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Description
圧搾脱水にはダイアフラムに圧縮空気を供給して一次圧搾を行い、さらに圧力水を供給して高圧の二次圧搾を行う圧搾脱水方法が、特許文献1に開示されている。
また、特許文献2のフィルタープレスでは圧力水ポンプの稼働時間を短くするため、圧力タンクとしてフィルタープレスの両端に大容量のダイアフラムを設けているが、フィルタープレスが大型になってしまう問題があった。
また、脱水ケーキがろ過室の1/4~2/3幅となるまでダイアフラムに圧縮空気を供給することで、ろ過室の3/4~1/3幅分の大量の圧縮空気をダイアフラム内に保持することができる。
圧縮空気により圧力水の降圧が緩やかになるため、頻繁に圧力水ポンプを稼働させる必要が無く、稼働時間も短縮できる。
フィルタープレスは、フロントフレーム1とリアフレーム2に一対のガイドレール3を橋架してあり、ガイドレール3に多数のろ板4とダイアフラムろ板5を交互に支架して、並列したろ板4とダイアフラムろ板5の一端部に、圧縮空気溜りを大きくする圧力ろ板6を配設してある。
リアフレーム2に配設した締付シリンダー7がムーバブルヘッド8に連結してあり、締付シリンダー7で並列したろ板4とダイアフラムろ板5を開閉させる。
ろ板4とダイアフラムろ板5で形成するろ過室9に一対のろ布10が吊設してあり、ろ板4とダイアフラムろ板5を貫通する供給口11からろ布10間に原液を圧入する。
ダイアフラムろ板5には表面に膨張収縮可能なダイアフラム5aを張設してある。ダイアフラム5aを膨張することでろ過室9に供給した原液を圧搾し、ろ布10で固液分離を行う。
ダイアフラムろ板5は、表面にダイアフラム5aを張設して内部にダイアフラム室12を形成してある。また、並列したろ板4とダイアフラムろ板5の一端には圧力ろ板6が配設してある。圧力ろ板6の表面にはダイアフラム6aが張設してあり、圧力ろ板6とダイアフラム5aの間にダイアフラム室12aを形成する。
なお、圧力ろ板6とろ板4間に形成される空間を圧力室13とし、圧力室13は原液を供給せずに、ダイアフラム6aを膨張させる空間として使用する。ダイアフラム6aは脱水ケーキの圧搾に利用しないため、強度を必要とせず薄膜のゴムでよい。
4列の一端に集合させて配置する、又は複数の圧力ろ板6を分散させてろ板4間に配置する。
図1に示すように、圧力水供給管14に給水槽16の水を圧送する圧力水ポンプ17と圧力水を入切する圧力水弁18が配設してある。圧縮空気管15に連結した空気槽19に圧縮空気を供給する空気圧縮機20と、圧縮空気管15に供給する圧縮空気を入切する圧縮空気弁21が配設してある。
なお、図3にはろ過室9を形成するためにろ板4とダイアフラムろ板5を交互に並列しているが、ダイアフラムろ板5だけを並列してろ過室9を形成することで、ろ過室9の両面からダイアフラム5aで圧搾することが可能となる。
予めろ過室9の厚み、原液の固形分濃度を計測しておく。
予め締付シリンダー7を駆動させ、並列するろ板4とダイアフラムろ板5を閉板し、ろ過室9を形成する。
原液圧入ポンプ25から原液供給管26を介して、フィルタープレスのろ過室9に原液を圧入してろ過を行う。この時、圧力室13には原液を供給しない。また、ダイアフラム室12には流体を供給しておらず、ろ過室9に原液が充満する。
ろ過室9に張設したろ布10が原液から液体を分離し、脱水ケーキが生成されると共に、ろ液は排出管22を介してろ過室9の外へ排出する。
原液の圧入を停止した後、空気圧縮機20を駆動して、圧縮空気弁21を操作し、ダイアフラムろ板5のダイアフラム室12と、圧力ろ板6のダイアフラム室12aに圧縮空気を供給し、0.85MPaまで昇圧する。昇圧後、空気圧縮機20を停止する。
圧縮空気によりダイアフラム室12、12aが膨張すると共に、ろ過室9に形成した脱水ケーキが圧縮され、脱水ケーキからはさらに液分が排出される。ろ液の排出に伴い、ダイアフラム室12、12aの内圧が低下するため、0.7MPaまで低下すると再び空気圧縮機20を駆動する。空気圧縮機20により、ダイアフラム室12、12aに圧縮空気を供給し、内圧を0.85MPaまで昇圧する。
検知したろ液の流量、原液の固形分濃度、原液の供給量を基に、ろ過室9に形成された脱水ケーキの厚み(体積)を継続的に算出する。
空気圧搾を継続することによってろ液が排出されると共に、脱水ケーキの厚みが減少する。脱水ケーキの厚みが、ろ過室9の厚みの1/3になるのを算出すると、圧縮空気弁21を閉じて空気圧縮機20を停止する。
圧縮空気弁21を閉じた後、圧力水ポンプ17を駆動する。圧力水弁18を開放して圧力水をダイアフラム室12、12aに圧入する。ダイアフラム室12、12aの内圧を1.5MPaまで昇圧し、圧力水弁18を閉じ、圧力水ポンプ17を停止する。
この操作を複数回繰り返すことで水圧搾を行う。
所定のろ液排出量を検知すると水圧搾工程S3を終了する。
圧力水による水圧搾終了後、圧力水弁18を開放することで、ダイアフラム室12、12aの圧縮空気を利用して、ダイアフラム室12、12a内の圧力水を排出する。圧力水は圧力水供給管14を通って給水槽16へ排出される。その後、圧縮空気弁21を開放してダイアフラム室12、12aを常圧にする。
締付シリンダー7収縮してろ板4とダイアフラムろ板5を開板し、ろ過室9に形成された脱水ケーキを機外に排出する。続けてフィルタープレスを運転する場合は、ろ板4とダイアフラムろ板5を閉板して再びろ過室9を形成し、圧入工程S1へ戻る。
5 ダイアフラムろ板
5a ダイアフラム
6 圧力ろ板
6a ダイアフラム
9 ろ過室
12 ダイアフラム室
12a ダイアフラム室
14 圧力水供給管
15 圧縮空気管
18 圧力水弁
21 圧縮空気弁
22 排出管
23 流量計
24 制御盤
26 原液供給管
S1 圧入工程
S2 空気圧搾工程
S3 水圧搾工程
Claims (6)
- 多数のろ板(4)とダイアフラムろ板(5)で形成されるろ過室(9)に原液を圧入して脱水ケーキを生成する圧入工程(S1)と、
ろ過室(9)に形成されるダイアフラム室(12)に圧縮空気を供給する空気圧搾工程(S2)と、
空気圧搾工程(S2)後にダイアフラム室(12)に圧力水を供給する水圧搾工程(S3)と、を備えるフィルタープレスの運転方法において、
前記ダイアフラムろ板(5)の何れか1つ以上を圧力ろ板(6)とし、
前記圧入工程(S1)で圧力ろ板(6)で形成されるろ過室(9)に原液を圧入せず、
前記空気圧搾工程(S2)は、ダイアフラム(5a)の膨張によりろ過室(9)で生成される脱水ケーキの厚みがろ過室(9)の厚みの1/4~2/3幅になるまで継続する
ことを特徴とするフィルタープレスの運転方法。 - 前記圧力ろ板(6)のダイアフラム室(12a)の容積は、他のダイアフラム室(12)の合計容積の1/50~1/20である
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの運転方法。 - 多数のろ板(4)とダイアフラムろ板(5)で形成されるろ過室(9)に原液を圧入して脱水ケーキを生成するフィルタープレスにおいて、
ダイアフラムろ板(5)の何れか1つ以上を圧力ろ板(6)とし、
ダイアフラムろ板(5)と圧力ろ板(6)に形成するダイアフラム室(12、12a)に圧縮空気を供給する圧縮空気管(15)と、圧力水を供給する圧力水供給管(14)を接続すると共に、
ろ板(4)とダイアフラムろ板(5)間に形成されるろ過室(9)のみに原液供給管(26)を連通する
ことを特徴とする圧力タンク一体型フィルタープレス。 - 前記圧力ろ板(6)のダイアフラム室(12a)の容積は、他のダイアフラムろ板(5)のダイアフラム室(12)の合計容積の1/50~1/20である
ことを特徴とする請求項3に記載の圧力タンク一体型フィルタープレス。 - 前記ろ過室(9)からろ液を排出する排出管(22)に流量計(23)を備えると共に、
流量計(23)が測定したろ液流量を基にろ過室(9)内の脱水ケーキの厚みを算出し、
脱水ケーキの厚みがろ過室(9)の厚みの1/4~2/3幅となった場合、
圧縮空気管(15)の圧縮空気弁(21)と圧力水供給管(14)の圧力水弁(21)を切り替える制御盤(24)と、
を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧力タンク一体型フィルタープレス。 - 前記圧力ろ板(6)はろ板(4)とダイアフラムろ板(5)の一端に配置し、圧力ろ板(6)に張設するダイアフラム(6a)は薄膜のゴムである
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか一項に記載の圧力タンク一体型フィルタープレス。
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