上記従来のフィルタプレスでは、被処理液や空気は、濾板の連通口を介して供給口側の濾室から他端側へと順番に供給されるため、供給口から遠い他端側の濾室では、連通口を通過する際の摩擦等による圧力損失で、被処理液や空気の圧力が、供給口側の濾室に比べて低くなる。このため、従来構成では、供給口から遠い他端側の濾室では、被処理液や空気の圧力差の分だけ、供給口側の濾室に比べて濾過や脱液の効率が低下している。濾板の積層枚数が比較的少ない場合は、供給口側と他端側との圧力差が小さいため不具合は生じないが、濾板の積層枚数が比較的多くなると、供給口側と他端側で濾室内の圧力差が大きくなることで、濾過や脱液の際に不具合が生じる。
具体的には、濾過工程においては、濾過効率の高い供給口側の濾室が、他端側の濾室よりも早く満杯となり、供給口側の濾室に蓄積された濾過物質が濾板の連通口を閉塞してしまうため、他端側の濾室に濾過物質を十分に蓄積できないという問題が生じる。一方、脱液工程においては、供給口側の濾室が、他端側の濾室に比べて早く脱液されるが、供給口側の濾室が十分に脱液されると、当該濾室から空気が抜け易くなって、供給口に圧入される空気の圧力が低下するため、脱液効率の低い他端側の濾室の脱液に時間がかかったり、脱液が不十分になったりし易いという問題がある。
本発明はかかる現状に鑑みて為されたものであり、濾板を多く積層した場合でも、濾過及び/又は脱液を適切に行うことのできるフィルタプレスの提供を目的とする。
本発明は、濾板を濾過シートを挟んで複数枚積層し、隣り合う濾板との間に濾室を形成するフィルタプレス本体と、前記フィルタプレス本体を、前記濾板を積層方向に締め付ける閉板状態と、隣り合う前記濾板同士を離間させて前記濾室を開放可能な開板状態とに変換する開閉装置とを備えるフィルタプレスであって、前記フィルタプレス本体は、前記濾板の積層方向の一端側に形成されて、前記一端側の前記濾室と連通する供給口と、前記濾板を厚み方向に貫通して前記濾板の両側に形成される前記濾室を相互に連通する連通口と、前記濾室と連通して、前記濾室内の濾液と空気を外部に排出するための複数の排出口とを備え、前記供給口から前記一端側の濾室へ被処理液と空気を選択的に圧入可能な供給装置と、前記各排出口から濾液と空気を導出する排出管と、該排出管を開閉可能な開閉弁とを具備してなる排出装置と、前記開閉装置と、前記供給装置と、前記排出装置とを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記開閉装置により前記フィルタプレス本体を前記開板状態から前記閉板状態に変換する閉板工程と、前記供給装置により前記供給口から前記濾室へ被処理液を圧入して濾過シートで濾過し、濾過シートを透過した濾液を前記排出装置により前記排出口から排出する濾過工程と、前記供給装置により前記供給口から前記濾室へ空気を圧入して、前記排出装置により前記濾室内の液体成分を空気とともに前記排出口から排出する脱液工程と、前記開閉装置により前記フィルタプレス本体を前記閉板状態から前記開板状態に変換する開板工程とを順次実行させるものであり、前記排出装置は、前記開閉弁の開閉により、全ての前記濾室から濾液及び空気を排出可能となる全開放状態と、前記一端側から所定数の前記濾室で濾液及び空気を排出不能となり、残りの前記濾室では濾液及び空気を排出可能となる第1部分開放状態との少なくとも2つの状態に切替可能であり、前記制御装置は、前記脱液工程において、前記排出装置を前記全開放状態に制御して、前記供給口から空気を供給する第1全開放脱液工程と、前記第1全開放脱液工程の後に、前記排出装置を前記第1部分開放状態に制御して、前記供給口から空気を供給する第1の部分開放脱液工程とを実行することを特徴とするフィルタプレスである。
かかる構成では、第1の部分開放脱液工程において、脱液効率の高い一端側の濾室で濾液や空気を排出不能とすることで、他端側の濾室へ比較的高圧の空気を供給できる。このため、本発明では、第1全開放脱液工程において、一端側の濾室を十分脱液した後に、第1の部分開放脱液工程を実行すれば、従来構成に比べて、他端側の濾室の濾過物質を短時間で乾燥させ易くなり、また、他端側の濾室の脱液が不十分なまま脱液工程を終了してしまうおそれが低減される。したがって、本発明のフィルタプレスは、濾板を比較的多く積層した場合にも、脱液に不具合が生じ難いという利点がある。
また、本発明にあって、前記供給装置は、前記供給口に圧入する空気の圧力を測定可能な空気圧測定手段を備え、前記制御装置は、前記第1全開放脱液工程中に、前記空気圧測定手段の測定値が所定値まで低下したことを契機として、前記第1全開放脱液工程を終了することが提案される。
第1全開放脱液工程において、一端側(供給口側)の濾室が十分に脱液されると、供給口に圧入される空気の圧力が低下するため、かかる構成のように、供給装置が供給口に圧入する空気の圧力低下を契機として、第1全開放脱液工程を終了させて次の工程を実行させるよう構成すれば、脱液工程を効率良く行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記制御装置は、前記第1全開放脱液工程の開始から所定時間が経過したことを契機として、前記第1全開放脱液工程を終了することも提案される。
第1全開放脱液工程において、一端側(供給口側)の濾室が十分に脱液されるタイミングは、概ね処理時間に依存するため、全開放脱液工程の処理時間を計測して、所定時間が経過したことを契機として、第1全開放脱液工程を終了させて次の工程を実行させるよう構成しても、脱液工程を効率良く行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記排出装置は、前記開閉弁の開閉により、前記一端側から所定数の濾室で濾液及び空気を排出不能となり、残りの前記濾室では濾液及び空気を排出可能となる第2部分開放状態に切替可能であり、前記第2部分開放状態で濾液及び空気を排出不能となる前記濾室の数は、前記第1部分開放状態で濾液及び空気を排出不能となる前記濾室の数よりも少なく、前記制御装置は、前記脱液工程において、前記第1全開放脱液工程の後であって、前記第1の部分開放脱液工程の前に、前記排出装置を前記第2部分開放状態に制御して、前記供給口から空気を供給する第2の部分開放脱液工程を実行することが提案される。
かかる構成では、脱液工程において、濾室が一端側(供給口側)から複数段階に分けて脱液不能となっていくため、濾板を比較的多く積層した場合にも、脱液工程を一層適切に行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記制御装置は、前記脱液工程の最後に、前記排出装置を前記全開放状態に制御して、前記供給口から空気を供給する第2全開放脱液工程を実行することが提案される。
かかる構成では、第2全開放脱液工程を脱液工程の最後に実行することにより、濾室から排出されなかった微量の液体成分を完全に排出することが可能となる。
本発明の別の態様は、濾板を濾過シートを挟んで複数枚積層し、隣り合う濾板との間に濾室を形成するフィルタプレス本体と、前記フィルタプレス本体を、隣り合う前記濾板同士を近接させて前記濾室を形成する閉板状態と、隣り合う前記濾板同士を離間させて前記濾室を開放する開板状態とに変換する開閉装置とを備えるフィルタプレスであって、前記フィルタプレス本体は、前記濾板の積層方向の一端側に形成されて、前記一端側の前記濾室と連通する供給口と、前記各濾板を厚み方向に貫通して前記各濾板の両側に形成される前記濾室を相互に連通する連通口と、前記濾室と連通して、前記濾室内の濾液と空気を外部に排出するための複数の排出口とを備え、前記供給口から前記一端側の濾室へ被処理液と空気を選択的に圧入可能な供給装置と、前記各排出口から濾液と空気を導出する排出管と、該排出管を開閉可能な開閉弁とを具備してなる排出装置と、前記開閉装置と、前記供給装置と、前記排出装置とを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記開閉装置により前記フィルタプレス本体を前記開板状態から前記閉板状態に変換する閉板工程と、前記供給装置により前記供給口から前記濾室へ被処理液を圧入して濾過シートで濾過し、透過した濾液を前記排出装置により前記排出口から排出する濾過工程と、前記供給装置により前記供給口から前記濾室へ空気を圧入して、前記濾室内の液体成分と空気を前記排出装置により前記排出口から排出する脱液工程と、前記開閉装置により前記フィルタプレス本体を前記閉板状態から前記開板状態に変換する開板工程とを順次実行させるものであり、前記排出装置は、前記開閉弁の開閉により、全ての前記濾室で濾液及び空気を排出可能となる全開放状態と、前記一端側から所定数の濾室で濾液及び空気を排出不能となり、残りの濾室では濾液及び空気を排出可能となる第1部分開放状態との少なくとも2つの状態に切替可能であり、前記制御装置は、前記濾過工程において、前記排出装置を前記第1部分開放状態に制御して、前記供給口から被処理液を供給する第1の部分開放濾過工程と、前記第1の部分開放濾過工程の後に、前記排出装置を全開放状態に制御して、前記供給口から被処理液を供給する全開放濾過工程とを実行することを特徴とするフィルタプレスである。
かかる構成では、全開放濾過工程の前に、第1の部分開放濾過工程を実行するため、他端側の濾室では、一端側(供給口側)の濾室に比べて、被処理液の濾過が早期に開始されて、また、長時間実行される。このため、かかる構成とすれば、濾過効率の高い一端側の濾室よりも先に、他端側の濾室を濾過物質で満杯にすることができ、濾板が比較的多数積層された構成であっても、濾過工程において、他端側の濾室まで濾過物質を十分蓄積可能となる。
また、本発明にあって、前記供給装置は、前記供給口に圧入する被処理液の圧力を測定可能な液圧測定手段を備え、前記制御装置は、前記第1の部分開放濾過工程中に、前記液圧測定手段の測定値が所定値まで上昇したことを契機として、前記第1の部分開放濾過工程を終了することが提案される。
第1の部分開放濾過工程において、他端側の濾室に濾過物質が蓄積されるに連れて、供給装置が供給口に圧入する被処理液の圧力が上昇するため、かかる構成のように、供給口に圧入される被処理液の圧力上昇を契機として、第1の部分開放濾過工程を終了させて次の工程を実行させるよう構成すれば、濾過工程を効率良く行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記制御装置は、前記第1の部分開放濾過工程の開始から所定時間が経過したことを契機として、前記第1の部分開放濾過工程を終了することも提案される。
第1の部分開放濾過工程において、他端側の濾室に蓄積される濾過物質の量は、概ね処理時間に依存するため、第1の部分開放濾過工程の処理時間を計測して、所定時間が経過したことを契機として、第1の部分開放濾過工程を終了させて次の工程を実行させるよう構成しても、濾過工程を効率良く行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記排出装置は、前記開閉弁の開閉により、前記一端側から所定数の濾室で濾液及び空気を排出不能となり、残りの前記濾室では濾液及び空気を排出可能となる第2部分開放状態に切替可能であり、前記第2部分開放状態で濾液及び空気を排出不能となる前記濾室の数は、前記第1部分開放状態で濾液及び空気を排出不能となる前記濾室の数よりも少なく、前記制御装置は、前記濾過工程において、前記第1の部分開放濾過工程の後であって、前記全開放濾過工程の前に、前記排出装置を前記第2部分開放状態に制御して、前記供給口から被処理液を供給する第2の部分開放濾過工程を実行することが提案される。
かかる構成では、濾過工程において、濾室が他端側から複数段階に分けて濾過可能となっていくため、濾板を比較的多く積層した場合にも、濾過工程を一層適切に行うことが可能となる。
また、本発明にあって、前記供給装置は、前記供給口に圧入する空気の圧力を測定可能な空気圧測定手段を備え、前記排出装置は、前記開閉弁の開閉により、全ての前記濾室で濾液及び空気を排出不能となる全閉止状態に切替可能であり、前記制御装置は、前記閉板工程の後であって、前記濾過工程の前に、前記排出装置を全閉止状態に制御した状態で、前記供給装置により前記供給口から前記濾室へ空気を圧入するシール確認工程を実行し、前記シール確認工程において、前記空気圧測定手段の測定値が規定値に達しない場合にエラーと判定することが提案される。
かかる構成では、濾板と濾板の間に異物が挟まるなどして、濾室が気密状態に保たれていない場合に、シール確認工程においてエラーとして検出できるため、濾室の密閉が不十分な状態で濾過工程を実行して、被処理液が濾室から漏出してしまう事態を防止できる。
以上のように、本発明のフィルタプレスによれば、濾板を比較的多く積層した場合にも、濾過や脱液を適切に行うことが可能となる。
以下に、本発明の実施形態を実施例によって具体的に説明する。
なお、下記の実施例において、本発明に係る制御装置は制御盤50に相当する。また、本発明に係る排出装置の開閉弁は、電磁弁V3~V6に相当する。また、本発明に係る空気圧測定手段は、圧力計29に相当する。また、本発明に係るフィルタプレス本体の一端側は、固定端側(供給口18側)に相当する。
図1は、本実施例のフィルタプレス1のフローシートである。図1に示すように、本実施例のフィルタプレス1は、フィルタプレス本体2と、フィルタプレス本体2を開板状態と閉板状態とに変換する開閉装置7と、フィルタプレス本体2に被処理液や圧縮空気を供給する供給装置20と、フィルタプレス本体2から排出されるケーキを回収するケーキ回収部38と、フィルタプレス1の作動を制御する制御盤50とを備えている。本実施例のフィルタプレス1は、いわゆる全自動タイプであり、制御盤50が各装置を統括的に制御することにより、被処理液の供給、濾過物質の乾燥、乾燥した濾過物質(ケーキ)の排出が自動的に行われる。かかるフィルタプレス1は、金属加工で発生する切削屑を含む廃液から、切削屑を濾過して回収する用途などに好適に用いられる。
フィルタプレス本体2は、濾枠を具備しない単式であり、複数積層した濾板3と濾板3の間に濾布4を挟持してなる構成となっている。フィルタプレス本体2は、濾板3の積層方向の一側端が固定端(ファストヘッド)、他側端が可動端(ルーズヘッド)となっており、可動端を固定端側に移動させて濾板3を積層方向に締め付けることにより、隣り合う濾板3の間に濾布4を挟持して濾室5(図2参照)を形成する閉板状態と、可動端を固定端から離間させる方向に移動させることにより、濾板3同士を離間させて、濾室5を開放可能な開板状態とに変換可能となっている。
開閉装置7は、濾板3を離近移動可能に保持する開閉機構8と、開閉機構8を駆動して濾板3を離近移動させる開閉モータ9と、濾板3を可動端側から押圧してフィルタプレス本体2を積層方向に締め付ける油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10を作動させる油圧ポンプ11とを備えている。
フィルタプレス本体2の上下には、濾布4を保持する濾布保持装置13が配設される。濾布保持装置13は、フィルタプレス本体2の開板状態にあっても、濾布4に皺が寄らないよう上下方向に張設する。また、フィルタプレス本体2の上方には、開板状態で濾布4を振動させて濾布4からケーキを剥離させるための振動装置14が配設される。
フィルタプレス本体2には、固定端側(図中左側)と可動端側(図中右側)にエンドプレート16a,16bが夫々配設される。固定端側のエンドプレート16aには、固定端側の濾室5に被処理液や圧縮空気を供給するための供給口18が厚み方向に貫設される(図2参照)。また、可動端側のエンドプレート16bには、開閉装置7の油圧シリンダ10のロッドの先端が固定されている。また、フィルタプレス本体2の下方には、閉板状態から開板状態に変換した際に、フィルタプレス本体2から落下するケーキを受け入れるケーキ回収部38が配設される。
フィルタプレス本体2の供給口18には、被処理液と圧縮空気を供給口18へ選択的に供給可能な供給装置20が接続される。供給装置20は、供給口18と連通する共通管22と、機外の被処理液タンク(図示省略)から共通管22へ被処理液を供給するための被処理液供給管23と、機外のエアコンプレッサ(図示省略)から共通管22へ圧縮空気を供給するための空気供給管24とを備えている。被処理液供給管23には、被処理液を圧送するための被処理液ポンプ26と、被処理液供給管23を開閉する電磁弁V1が配設される。また、空気供給管24には、圧縮空気の圧力を調整するレギュレータ28と、空気供給管24を開閉する電磁弁V2が配設される。また、共通管22には、供給口18へ圧送される被処理液の液圧や圧縮空気の圧力を計測する圧力計29が配設される。
図2に示すように、フィルタプレス本体2は、濾板3を19枚積層してなるものであり、閉板状態において、濾板3の間、及び、濾板3とエンドプレート16a,16bの間に、合計20室の濾室5が形成される。上述のように、被処理液や空気は、固定端側に形成された供給口18から供給される。供給口18から供給される被処理液や空気は、まず、固定端側の濾室5に供給され、各濾板3に形成された連通口45を通って、可動端側の濾室5へ順次供給される。そして、被処理液に含まれる濾過物質は、各濾室5において濾布4で濾し取られて、濾布4を透過した濾液や空気は外部に排出される。
本実施例のフィルタプレス1では、濾布4を透過した濾液や空気が、いわゆるオープン方式で濾室5から排出される。すなわち、濾室5で濾布4を透過した濾液や空気は、各濾板3の下部側面に開口する排出口31(図2参照)から排出される。フィルタプレス1には、各排出口31から濾液や空気を選択的に導出可能な排出装置33が配設される。具体的には、排出装置33は、各排出口31から機外の濾液タンク(図示省略)へ濾液や空気を導出する排出管35~37と、排出管36を開閉可能な電磁弁V3~V6とにより構成される。排出管35~37は、各排出口31と接続されて、排出口31から濾液や空気を外部に排出する個別排出管35と、4本又は5本の個別排出管35を合流させてなる4本の中間排出管36と、4本の中間排出管36を合流させてなる全体排出管37とによって構成される。
排出装置33の電磁弁V3~V6は、各中間排出管36に1つずつ配設されており、電磁弁V3~V6により各中間排出管36を選択的に開閉することで、濾室5からの濾液及び空気の排出を、ブロック単位で制御可能となっている。具体的には、電磁弁V3の開放時は、固定端側(供給口18側)から1~6番目の濾室5から濾液及び空気を排出可能となる。同様に、電磁弁V4の開放時は6~11番目の濾室5から、電磁弁V5の開放時は11~16番目の濾室5から、電磁弁V6の開放時は16~20番目の濾室5から濾液及び空気を排出可能となる。なお、以下の説明では、「固定端側(供給口18側)からn番目の濾室」のことを、単に「n番目の濾室」と省略して表記する。
図3に示すように、濾板3は、矩形板状の樹脂成形品である。濾板3は、ロ字状をなす外周部40が、隣接する濾板3同士で濾布4を挟持する挟持部となっており、外周部40の内側に形成された凹部41が、隣接する濾板3同士で濾室5を形成する濾室形成部となっている。なお、濾板3は、表裏対称形状であり、図3に示す外周部40及び凹部41は、濾板3の表裏に形成される。濾板3の下隅には、上述した排出口31が、表裏の凹部41の下部と濾板3の外側面とを連通するように形成される。また、凹部41の底面には、濾布4を支持する上下方向のリブ43が多数形成されており、濾布4を透過した濾液や空気が、リブ43の間の溝を通って排出口31から排出されるよう構成される。また、凹部41の底部には、外周部40と同じ高さとなる凸部44が四箇所に配設されており、隣接する濾板3の凸部44同士を閉板状態で当接させることにより、濾板3が油圧シリンダ10の締結力に耐えられるよう構成している。また、凹部41の下部には、上述した連通口45が、濾板3を厚み方向に貫通するように形成されており、かかる連通口45によって、濾板3を挟んで隣り合う濾室5が相互に連通される(図2参照)。
フィルタプレス1を制御する制御盤50は、開閉装置7や供給装置20、排出装置33などを制御することにより、フィルタプレス本体2の閉板から、濾過、脱液、開板までの各工程を実行させる。ここで、制御盤50は、供給装置20の圧力計29の計測値を監視して、当該計測値を制御処理に反映させる。なお、本実施例のフィルタプレス1の大部分の構成は、後述する本発明の要部を除き、既存のフィルタプレスと共通する構成であるため、本発明の要部構成以外については、詳細な説明は省略する。
本実施例のフィルタプレス1は、制御盤50によって各処理が自動で実行される全自動タイプである。具体的には、フィルタプレス1は、オペレータによるスタート操作を契機として、以下の(1)~(5)の工程を順番に繰り返すことにより連続的に作動する。
(1)閉板工程
(2)シール確認工程
(3)濾過工程
(4)脱液工程
(5)開板工程
閉板工程は、フィルタプレス本体2を開板状態から閉板状態に変換する工程である。閉板工程では、制御盤50は、油圧ポンプ11を作動させて、油圧シリンダ10によってフィルタプレス本体2を濾板3の積層方向に締め付けることにより、フィルタプレス本体2を閉板状態に保持する。これにより、隣り合う濾板3の間に濾布4が挟持され、濾室5が形成される。
シール確認工程は、閉板状態に変換したフィルタプレス本体2において、濾室5が正しく密閉されているか否かを確認する工程である。シール確認工程では、制御盤50は、図4に示すように、排出装置33を、電磁弁V3~V6を全て閉止して、全ての濾室5から濾液及び空気を排出不能となる全閉止状態に制御する。そして、供給装置20の空気供給管24の電磁弁V2(図1参照)を開放し、圧縮空気を供給口18から濾室5に供給する。かかる状態では、全ての濾室5が正しく気密状態に保たれている場合は、供給口18から濾室5に供給される圧縮空気は行き場を失うため、圧力計29の計測値は、レギュレータ28から供給される圧縮空気の圧力まで上昇することとなる。一方、濾板3の外周部40に夾雑物が挟まるなどして、一部の濾室5が気密状態に保たれていない場合は、圧縮空気が当該濾室5から外部に漏出するため、圧力計29の計測値は、正常に密閉されている場合よりも低くなる。このため、かかるシール確認工程では、制御盤50は、圧縮空気の供給開始から所定時間内に、圧力計29の計測値が規定値まで上昇した場合は、濾室5が正しく密閉されているとして、空気供給管24の電磁弁V2を閉止してシール確認工程を終了し、濾過工程に移行する。一方、制御盤50は、圧縮空気の供給開始から所定時間内に、圧力計29の計測値が規定値まで上昇しない場合は、エラーと判定して、空気供給管24の電磁弁V2を閉止してシール確認工程を終了し、濾過工程に移行せずに、エラーの発生を報知する。
このように、本実施例では、濾過工程前のシール確認工程において、濾室5が気密状態に保たれているか否かを確認するため、濾室5の密閉が不十分な状態で濾過工程を実行して、被処理液が濾室5から漏出してしまう事態を防止できる。
濾過工程は、供給口18から濾室5へ被処理液を供給し、濾室5の内部で被処理液を濾過し、濾布4を透過した濾液を排出口31から排出する工程である。濾過工程で各排出口31から排出される濾液は、排出口31に接続された排出装置33から濾液タンクへ導出される。ここで、濾過工程では、最初は、被処理液を濾過する濾室5を可動端側の一部の濾室5に限定し、その後、被処理液を濾過する濾室5を段階的に固定端側の濾室5に拡大していき、最終的に全ての濾室5で被処理液を濾過するようにする。
具体的には、濾過工程では、排出装置33の一部の電磁弁V3~V6を閉止して行う部分開放濾過工程と、排出装置33の全ての電磁弁V3~V6を開放して行う全開放濾過工程とが実行される。部分開放濾過工程は、閉止する電磁弁V3~V6の相違する3種類の部分開放濾過工程からなり、濾過工程では、以下の順序で3種類の部分濾過工程と、全開放濾過工程が実行される。
(1)第1部分開放濾過工程(電磁弁V3~V5を閉止)
(2)第2部分開放濾過工程(電磁弁V3,V4を閉止)
(3)第3部分開放濾過工程(電磁弁V3を閉止)
(4)全開放濾過工程
濾過工程について詳述すると、シール確認工程の終了後、制御盤50は、図5(a)に示すように、排出装置33の1つの電磁弁V6を開放して、16番目から20番目の濾室5からのみ濾液や空気を排出可能となる第1部分開放状態に制御する。そして、供給装置20の被処理液供給管23の電磁弁V1を開放して、供給口18から濾室5へ被処理液を圧入することにより、第1部分開放濾過工程を開始する。なお、かかる第1部分開放濾過工程は、本発明に係る第1の部分開放濾過工程に相当するものである。
かかる第1部分開放濾過工程では、16番目から20番目の濾室5でのみ被処理液が濾過されて、排出口31から濾液が排出される。第1部分開放濾過工程を継続すると、濾し取られた泥状の濾過物質(スラッジ)60が16~20番目の濾室5に蓄積されていく。このため、図9に示すように、第1部分開放濾過工程では、濾室5に蓄積された濾過物質60によって濾過効率が徐々に低下して、被処理液の液圧が上昇していく。制御盤50は、圧力計29が計測する被処理液の液圧が所定閾値P1に達すると、閉止していた電磁弁V5を開放することで、第1部分開放濾過工程から第2部分開放濾過工程に移行する。
第2部分開放濾過工程では、図5(b)に示すように、排出装置33の2つの電磁弁V5,V6を開放して、11番目から20番目の濾室5から濾液や空気を排出可能な第2部分開放状態に制御する。かかる工程では、新たに11番目~15番目の濾室5で被処理液の濾過が可能となるため、図9に示すように、被処理液の液圧は一時的に減少する。しかしながら、第2部分開放濾過工程においても、濾し取られた濾過物質60が濾室5に蓄積していくことで、被処理液の液圧が上昇していく。そして、制御盤50は、圧力計29が計測する被処理液の液圧が所定閾値P1に達すると、閉止していた電磁弁V4を開放することで、第3部分開放濾過工程に移行する。
第3部分開放濾過工程では、図6(a)に示すように、排出装置33の3つの電磁弁V4~V6を開放して、6番目から20番目の濾室5から濾液や空気を排出可能な第3部分開放状態に制御する。かかる工程では、新たに6番目~10番目の濾室で被処理液の濾過が可能となるため、図9に示すように、被処理液の液圧は一時的に減少する。しかしながら、第3部分開放濾過工程においても、濾し取られた濾過物質60が濾室5に蓄積していくことで、被処理液の液圧が上昇していく。そして、制御盤50は、圧力計29が計測する被処理液の液圧が所定閾値P1に達すると、閉止していた電磁弁V3を開放することで、全開放濾過工程に移行する。
全開放濾過工程では、図6(b)に示すように、排出装置33の全ての電磁弁V3~V6を全て開放して、全ての濾室5から濾液や空気を排出可能な全開放状態に制御する。かかる工程では、新たに1番目~5番目の濾室で被処理液の濾過が可能となるため、図9に示すように、被処理液の液圧は一時的に減少する。しかしながら、全開放濾過工程においても、濾し取られた濾過物質60が全ての濾室5に蓄積していくことで、被処理液の液圧が上昇していく。そして、制御盤50は、圧力計29が計測する被処理液の液圧が所定閾値P2に達すると、被処理液供給管23の電磁弁V1を閉止して、供給口18からの被処理液の供給を停止して、濾過工程を終了し、脱液工程に移行する。
以上のように、濾過工程では、可動端側の濾室5から段階的に被処理液の濾過が可能となるため、可動端側の濾室5では、固定端側の濾室5に比べて、被処理液の濾過が早く開始されて、長時間実行される。このため、かかる濾過工程では、固定端側の濾室5の方が濾過効率が高くても、可動端側の濾室5を、固定端側の濾室5よりも先に濾過物質60で満杯にすることが可能となる。したがって、本実施例では、濾板3が多数積層されていても、濾過工程において、可動端側の濾室5に従来よりも多くの濾過物質60を蓄積できる。
また、本実施例では、濾過工程において供給口18に供給される被処理液の液圧を圧力計29で計測し、当該液圧の計測値に基づいて、可動端側の濾室5に適度な量の濾過物質が蓄積されたタイミングで各工程の切替えを行うため、濾過工程を効率良く行うことができる。
脱液工程は、供給口18から濾室5へ圧縮空気を供給し、濾室5の内部に残留した液体成分を空気とともに排出口31から排出する工程である。かかる工程により、濾室5に蓄積された濾過物質が、泥状物(スラッジ)から乾燥した塊(ケーク)に変化する。また、かかる脱液工程で各排出口31から排出される空気と濾液は、排出口31に接続された排出装置33から濾液タンクへ導出される。ここで、脱液工程では、最初は、全ての濾室5で脱液を行ない、その後、脱液を行う濾室5を段階的に可動端側の濾室5に限定していく。
具体的には、脱液工程では、排出装置33の全部の電磁弁V3~V6を開放して行う全開放脱液工程と、排出装置33の一部の電磁弁V3~V6を閉止して行う部分開放脱液工程とに大別される。部分開放脱液工程は、閉止する電磁弁V3~V6の相違する3種類の部分開放脱液工程からなり、脱液工程では、以下の順序で全開放脱液工程と、3種類の部分開放脱液工程が実行される。
(1)第1全開放脱液工程
(2)第1部分開放脱液工程(電磁弁V3を閉止)
(3)第2部分開放脱液工程(電磁弁V3,V4を閉止)
(4)第3部分開放脱液工程(電磁弁V3~V5を閉止)
(5)第2全開放脱液工程
脱液工程について詳述すると、制御盤50は、濾過工程の終了後、供給装置20の空気供給管24の電磁弁V2を開放して、供給口18から濾室5へ圧縮空気を圧入するとともに、図7(a)に示すように、全開放濾過工程から継続して、排出装置33を全開放状態に制御することにより、第1全開放脱液工程を開始する。かかる第1全開放脱液工程では、全ての濾室5において、残留した液体成分が圧縮空気とともに濾布4を透過して、排出口31から排出される。そして、濾室5に残留する泥状の濾過物質(スラッジ)60は、液体成分の排出により、乾燥した塊状のケーキ61となっていく。乾燥塊であるケーキ61は、泥状のスラッジ60に比べて通気性が高いため、図9に示すように、第1全開放脱液工程では、スラッジ60がケーキ61に変化するにつれて、圧縮空気が濾布4を通りやすくなり、圧縮空気の圧力が低下していく。
ここで、第1全開放脱液工程では、供給口18に近い濾室5ほど、供給される圧縮空気の圧力が高く、液体成分の排出効率が高いため、固定端側(供給口18側)の濾室5が、可動端側よりも早く脱液が進行する。そして、固定端側の濾室5が十分に脱液されると、当該濾室5の濾過物質が通気性の高いケーキ61となることで、空気が当該濾室5から抜け易くなり、これに伴い、他端側の濾室5では、供給される空気の圧力が低下して、脱液効率が低下してしまう。このため、制御盤50は、固定端側の濾室5が十分に脱液されるタイミングで、開放していた電磁弁V3を閉止して、第1全開放脱液工程から第1部分開放脱液工程に移行する。具体的には、図9に示すように、制御盤50は、圧力計29の計測値を監視して、圧力計29が計測する圧縮空気の圧力が所定閾値P3まで低下した時を、固定端側の濾室5が十分に脱液されたタイミングとみなして、第1全開放脱液工程から第1部分開放脱液工程に移行する。
第1部分開放脱液工程では、図7(b)に示すように、排出装置33の3つの電磁弁V4~V6を開放して、6~20番目の濾室5から濾液や空気を排出可能な第3部分開放状態に制御する。かかる工程では、十分に脱液された1~5番目の濾室5からは空気や濾液を排出不能となるため、図9に示すように、圧縮空気の圧力は一時的に上昇する。しかしながら、第1部分開放脱液工程においても、6~20番目の濾室5で脱液が行われて、濾過物質60が乾燥していくため、第1部分開放脱液工程では、濾過物質60の通気性が徐々に向上して、圧縮空気の圧力が低下していく。このため、制御盤50は、第1全開放脱液工程と同様に、圧力計29が計測する圧縮空気の圧力が所定閾値P3まで低下すると、開放していた電磁弁V4を閉止することで、第2部分開放脱液工程に移行する。なお、かかる第2部分開放脱液工程は、本発明に係る第2の部分開放脱液工程に相当するものである。
第2部分開放脱液工程では、図8(a)に示すように、排出装置33の2つの電磁弁V5,V6を開放して、11~20番目の濾室5から濾液や空気を排出可能な第2部分開放状態に制御する。かかる工程では、十分に脱液された1~10番目の濾室5からは空気や濾液を排出不能となるため、図9に示すように、圧縮空気の圧力は一時的に上昇する。しかしながら、第2部分開放脱液工程においても、11~20番目の濾室5で脱液が行われて、濾過物質60が乾燥していくため、第2部分開放脱液工程では、濾過物質60の通気性が徐々に向上して、圧縮空気の圧力が低下していく。このため、制御盤50は、第1全開放脱液工程と同様に、圧力計29が計測する圧縮空気の圧力が所定閾値P3まで低下すると、開放していた電磁弁V5を閉止することで、第3部分開放脱液工程に移行する。なお、かかる第3部分開放脱液工程は、本発明に係る第1の部分開放脱液工程に相当するものである。
第3部分開放脱液工程では、図8(b)に示すように、排出装置33が1つの電磁弁V6を開放して、16~20番目の濾室5から濾液や空気を排出可能な第1部分開放状態に制御する。かかる工程では、十分に脱液された1~15番目の濾室5からは空気や濾液を排出不能となるため、図9に示すように、圧縮空気の圧力は一時的に上昇する。しかしながら、第3部分開放脱液工程においても、16~20番目の濾室5で脱液が行われて、濾過物質60が乾燥していくため、濾過物質60の通気性が徐々に向上して、圧縮空気の圧力が低下していく。そして、制御盤50は、第1全開放脱液工程と同様に、圧力計29が計測する圧縮空気の圧力が所定閾値P3まで低下すると、閉止していた電磁弁V3~5を閉止することで、第2全開放脱液工程に移行する。
第2全開放脱液工程は、第1全開放脱液工程と同様に、全ての濾室5において圧縮空気が濾布4を透過して、排出口31から排出される。かかる第2全開放脱液工程は、第3部分開放濾過工程までの工程で濾室5から排出されなかった微量の液体成分を、完全に排出するためのものである。制御盤50は、第2全開放脱液工程を一定時間実行すると、供給装置20の空気供給管24の電磁弁V2を閉止して、供給口18から濾室5への圧縮空気の供給を停止して、脱液工程を終了する。
以上のように、脱液工程では、電磁弁V3~V5を段階的に閉止して、十分に脱液された固定端側の濾室5から圧縮空気を排出不能としていくことで、脱液が不十分な可動端側の濾室5に比較的高圧の圧縮空気を供給し続けることができる。このように、本実施例にあっては、濾板3が比較的多数積層されているものの、固定端側の濾室5が十分脱液された後も、可動端側の濾室5に比較的高圧の圧縮空気を供給できるため、脱液工程を短時間で終了させることができ、また、可動端側の濾室5の脱液が不十分なまま脱液工程を終了してしまうおそれも低減できる。
また、本実施例では、脱液工程において供給口18に供給される圧縮空気の圧力を圧力計29で計測し、当該圧力の計測値に基づいて、固定端側の濾室5が十分に脱液されたタイミングで各工程の切替えを行うため、脱液工程を効率良く行うことができる。
開板工程は、フィルタプレス本体2を閉板状態から開板状態に変換し、乾燥した濾過物質(ケーキ)61を濾室5から排出する工程である。具体的には、開板工程では、制御盤50は、油圧ポンプ11を作動させて、油圧シリンダ10で可動端側のエンドプレート16bを移動させることにより、フィルタプレス本体2の締め付けを解除して、開板状態に変換する。そして、開閉モータ9を作動させ、開閉機構8によって濾板3を相互に離間させて濾室5を開放し、濾室5の内部の濾過物質(ケーキ)61をケーキ回収部38へ落下させる。また、開板工程では、制御盤50は、振動装置14により濾布4を振動させることで、濾布4に付着した濾過物質61をケーキ回収部38へ落下させる。
以上のように、制御盤50は、閉板工程から開板工程までの一連の工程を実行させることにより、被処理液を濾過して、濾し取った泥状の濾過物質(スラッジ)60を脱液し、乾燥した濾過物質(ケーキ)61を濾室5の下方のケーキ回収部38に排出して回収する。そして、制御盤50は、閉板工程から開板工程までの一連の工程を繰り返すことにより、被処理液の濾過を連続的に実行する。
なお、本発明のフィルタプレスは、上記実施例の形態に限らず本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
例えば、上記実施例では、濾板3が19枚積層されているが、濾板3の積層枚数は適宜変更可能である。また、上記実施例は、濾板3と濾板3の間に濾枠を挟まない単式のフィルタプレスであるが、本発明は、濾板と濾板の間に濾枠を介在させる複式のフィルタプレスにも適用可能である。
また、上記実施例は、濾液や空気の排出可否を濾室5~6室単位で制御可能となっていたが、本発明は、濾液や空気の排出を濾室1室単位で制御可能なものでもよい。また、上記実施例では、濾過シートとして濾布4を用いているが、本発明に係るフィルタプレスは、濾紙を使用するものを含む。
また、上記実施例に係る濾過工程では、圧力計29が計測する被処理液の圧力に基づいて、各工程の切替えを行っているが、濾過工程における各工程の切替えは、濾室5に濾過物質がある程度蓄積されたタイミングで行えばよいため、被処理液の圧力に限らず、被処理液の供給時間や供給量が所定値に達したタイミングで、各工程の切替えを行うようにしてもよい。同様に、上記実施例に係る脱液工程では、圧力計29が計測する圧縮空気の圧力に基づいて、各工程の切替えを行っているが、脱液工程における各工程の切替えは、固定端側の濾室5が十分に脱液されたタイミングで行えばよいため、圧縮空気の圧力に限らず、圧縮空気の供給時間や供給量が所定値に達したタイミングで、各工程の切替えを行うようにしてもよい。