JP7022089B2 - 水素付加装置及び水素透過膜の消耗度判定方法 - Google Patents

水素付加装置及び水素透過膜の消耗度判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、水に水素が付加された水素付加水を生成する装置及び水素透過膜の消耗度判定方法に関する。
水に水素を付加する方法として、水素透過膜(ガス透過膜)によって水素ガス流通部と原料水流通部とが区画されたモジュールを用い、水素ガス流通部に加圧した水素ガスを供給して、原料水流通部に供給した原料水に水素を溶解させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009-125654号公報
上記モジュールは、水素透過膜の消耗によって劣化するため、定期的な交換が推奨される。水素透過膜の消耗度は、例えば、上記モジュールの使用時間等によって簡易的に推定可能である。
しかしながら、水素透過膜は高価であることから、低廉なランニングコストで水素付加水を生成するためには、水素透過膜の消耗度をより正確に判定する技術の確立が求められている。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、簡素かつ安価な構成で水素透過膜の消耗度を正確に判定できる水素付加装置及び水素透過膜の消耗度判定方法を提供することを主たる目的としている。
本発明の第1発明は、水に水素を付加するための水素付加装置であって、水素ガスが供給される第1室と、原水が供給される第2室と、前記第2室で水素付加水を生成するために、前記水素ガスを前記第1室から前記第2室へと移動させる水素透過膜と、前記第1室の圧力を検出する圧力検出部と、少なくとも、前記圧力に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する判定部とを備える。
本発明に係る前記水素付加装置において、前記第2室から取り出された前記水素付加水の溶存水素濃度を検出する水素濃度検出部をさらに備える、ことが望ましい。
本発明に係る前記水素付加装置において、前記第1室に供給する前記水素ガスを生成する水素ガス生成部をさらに備える、ことが望ましい。
本発明に係る前記水素付加装置において、前記水素ガス生成部は、陽極給電体と陰極給電体とを有し、水を電気分解することにより前記水素ガスを生成し、前記第1室に供給する電解槽を有し、前記陽極給電体及び前記陰極給電体に印加する電圧を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記溶存水素濃度が一定となるように、前記電圧を制御する、ことが望ましい。
本発明に係る前記水素付加装置において、前記判定部は、さらに、前記溶存水素濃度に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する、ことが望ましい。
本発明に係る前記水素付加装置において、前記判定部は、前記圧力及び前記溶存水素濃度の関係に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する、ことが望ましい。
本発明に係る前記水素付加装置において、前記第2室への前記原水の単位時間あたりの供給量を検出する流量検出部をさらに備え、前記判定部は、さらに、前記供給量に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する、ことが望ましい。
本発明の第2発明は、水素ガスが供給される第1室と、原水が供給される第2室と、前記水素ガスを前記第1室から前記第2室へと移動させる水素透過膜とを備えた水素透過モジュールにおいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する消耗度判定方法であって、前記第1室の圧力を検出するステップと、少なくとも、前記圧力に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定するステップとを含む。
本第1発明の前記水素付加装置では、前記水素ガスが前記水素透過膜を透過して前記第1室から前記第2室へと移動することにより、前記第2室で前記水素付加水が生成される。例えば、前記水素透過膜が消耗すると、前記第1室の前記圧力は予め想定されていた範囲を超えることがある。そこで、本第1発明では、前記判定部が、少なくとも、前記第1室の前記圧力に基づいて、前記水素透過膜の前記消耗度を判定することにより、簡素かつ安価な構成で前記水素透過膜モジュールの前記消耗度を正確に判定することが可能となる。
本第2発明の前記水素透過膜の前記消耗度判定方法は、前記第1室の前記圧力を検出する前記ステップと、少なくとも、前記圧力に基づいて、前記水素透過膜の前記消耗度を判定する前記ステップを含むので、簡素かつ安価な構成で前記水素透過膜モジュールの前記消耗度を正確に判定することが可能となる。
本発明の実施の一形態である水素付加装置の概略構成を示す図である。 水素付加装置の主要な構成を示す図である。 水素付加装置の電気的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施の一形態の消耗度判定方法の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の水素付加装置の一実施形態の概略構成を示している。水素付加装置1は、水に水素を付加するための装置であり、水素が付加された水素付加水は、例えば、透析液調製用水として透析液の調製に用いられる(以下、水素付加水を透析液調製用水と記すこともある)。近年、透析液の調製に水素付加水を用いた血液透析は、患者の酸化ストレス低減に有効であるとして、注目されている。
水素付加装置1は、例えば、逆浸透膜処理装置200の下流側に配置される。水素付加装置1と逆浸透膜処理装置200とは、統合されて一つの装置として構成されていてもよい。水素付加装置1の下流側には、例えば、透析液調製用水を用いて液状の透析原剤を希釈する透析原剤希釈装置(図示せず)に接続されている。
逆浸透膜処理装置200は、逆浸透膜を用いて外部から供給された水を浄化する。逆浸透膜処理装置200と、水素付加装置1とは、処理水供給路10によって接続されている。逆浸透膜処理装置200によって浄化処理された水(以下、処理水とする)は、処理水供給路10を通過して水素付加装置1に供給され、透析液調製用の水素付加水を生成するための原水(以下、原水と記す)として用いられる。
透析液調製用水の生成に用いられる水素付加装置1は、逆浸透膜処理装置200から供給された原水に水素を付加して透析液調製用の水素付加水を生成する。水素付加装置1と、上記透析原剤希釈装置とは、水素付加水供給路20によって接続されている。水素付加装置1によって生成された水素付加水は、水素付加水供給路20を通過して、上記透析原剤希釈装置に供給され、透析液の調製に用いられる。
図2は、水素付加装置1の主要な構成を示している。水素付加装置1は、水素ガス生成部2と、水素透過膜モジュール3とを含んでいる。
水素ガス生成部2は、水素ガスを生成し、当該水素ガスを水素透過膜モジュール3に供給する。本実施形態では、水素ガス生成部2として電解槽4が適用されている。電解槽4は、水を電気分解することにより、水素ガスを発生させる。
電解槽4は、第1給電体41が配された第1極室40aと第2給電体42が配された第2極室40bとが隔膜43によって区分されてなる。
第1給電体41と第2給電体42とは、極性が異なる。すなわち、第1給電体41及び第2給電体42の一方は陽極給電体として適用され、他方は陰極給電体として適用される。本実施形態では、第1給電体41が陽極給電体として適用され、第2給電体42が陰極給電体として適用されている。電解室40の第1極室40a及び第2極室40bの両方に水が供給され、第1給電体41及び第2給電体42に直流電圧が印加されることにより、電解室40内で水の電気分解が生ずる。
図3は、水素付加装置1の電気的な構成を示すブロック図である。第1給電体41及び第2給電体42の極性及び第1給電体41及び第2給電体42に印加される電圧は、制御部9によって制御される。制御部9は、例えば、各種の演算処理、情報処理等を実行するCPU(Central Processing Unit)及びCPUの動作を司るプログラム及び各種の情報を記憶するメモリ等を有している。制御部9は、第1給電体41及び第2給電体42の他、装置各部の制御を司る。
第1給電体41と制御部9との間の電流供給ラインには、電流検出器44が設けられている。電流検出器44は、第2給電体42と制御部9との間の電流供給ラインに設けられていてもよい。電流検出器44は、第1給電体41、第2給電体42に供給する電解電流を検出し、その値に相当する電気信号を制御部9に出力する。
制御部9は、例えば、電流検出器44から出力された電気信号に基づいて、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を制御する。より具体的には、制御部9は、電流検出器44によって検出される電解電流が予め設定された所望の値となるように、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧をフィードバック制御する。例えば、電解電流が過大である場合、制御部9は、上記電圧を減少させ、電解電流が過小である場合、制御部9は、上記電圧を増加させる。これにより、第1給電体41及び第2給電体42に供給する電解電流が適切に制御される。
図1、2において、電解室40内で水が電気分解されることにより、水素ガス及び酸素ガスが発生する。例えば、陰極側の第2極室40bでは、水素ガスが発生し、当該水素ガスは水素透過膜モジュール3に供給される。一方、陽極側の第1極室40aでは、酸素ガスが発生する。
隔膜43には、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂からなる固体高分子膜が適宜用いられている。固体高分子膜は、電気分解により、陽極側の第1極室40aで発生したオキソニウムイオンを陰極側の第2極室40bへと移動させて、水素ガスの生成原料とする。従って、電気分解の際に水酸化物イオンが発生することなく、第1極室40a及び第2極室40b内の電解水のpHが変化しない。
水素透過膜モジュール3は、第1室31と、第2室32と、水素透過膜33とを備える。第1室31と第2室32とは、水素透過膜33によって隔てられている。
第1室31と電解槽4の第2極室40bとは、水素供給路5によって接続されている。電解槽4の第2極室40bにて生成された水素ガスは、水素供給路5を通過して、第1室31に供給される。
一方、第2室32は、処理水供給路10と接続されている。第2室32には、逆浸透膜処理装置200から原水が供給される。
水素透過膜33は、例えば、水素ガスを透過する多孔質膜である中空糸膜によって構成されている。第1室31には、電解槽4にて生成された水素ガスが次々と供給されるので、第1室31内の圧力は高められる。中空糸膜は、水素ガスを圧力が大きい第1室31から圧力が小さい第2室32へと移動させる。水素透過膜33は、水素ガスを、高圧の流体側から低圧の流体の側に透過させる機能を有する膜であればよく、中空糸膜に限られない。
本実施形態では、水素透過膜33は、第2室32で水素付加水を生成するために、電解槽4から次々と供給された水素ガスを第1室31から第2室32へと移動させる。これにより、水素ガスを加圧するためのポンプ等の構成を必要とすることなく、簡素かつ安価な構成で水素付加水を生成することが可能となる。
ところで、水素透過膜33は、使用に伴い消耗する。そして第2室32から取り出された水素付加水の溶存水素濃度は、水素透過膜33の消耗度に依存する。より具体的には、水素透過膜33が新しいとき、第2室32にて生成される水素付加水の溶存水素濃度は高く、水素透過膜33が消耗するに従い、上記溶存水素濃度は低下する。そこで、本水素付加装置1では、制御部9が、水素透過膜33の消耗度を判定する判定部として機能し、水素透過膜33の消耗度を監視する。なお、制御部9による水素透過膜33の消耗度の判定は、随時又は定期的に実行される。
水素供給路5には、圧力センサー(圧力検出部)51が設けられている。圧力センサー51は、水素供給路5内の圧力を検出する。水素供給路5は第1室31に連通しているので、水素供給路5内の圧力と第1室31の圧力とは実質的に等しい。従って、圧力センサー51によって第1室31内の圧力が検出される。圧力センサー51は、第1室31に設けられていてもよい。圧力センサー51は、検出した第1室31の圧力に対応する電気信号を制御部9に出力する。
例えば、前記水素透過膜が消耗すると、前記第1室の前記圧力は予め想定されていた範囲を超えることがある。従って、第1室31の圧力が予め定められた閾値を超える場合、水素透過膜33の消耗が進行していると判定できる。上記閾値は複数定められていてもよい。そこで、制御部9は、圧力センサー51から入力された電気信号、すなわち、第1室31の圧力に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定する。これにより、簡素かつ安価な構成で水素透過膜モジュール3の消耗度を正確に判定することが可能となる。
本水素付加装置1では、制御部9によって判定された水素透過膜33の消耗度を出力する出力部91が設けられている。出力部91は、上記消耗度を音声又は画像等によって出力する。このような出力部91は、スピーカー装置、LED(発光ダイオード)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)等によって実現可能である。また、出力部91は、水素付加装置1を管理するコンピューター装置に、水素透過膜33の消耗度に対応する無線又は有線による信号を出力するように構成されていてもよい。このような出力部91により、水素付加装置1の管理者は、水素透過膜33の消耗度を容易に知得できる。
図1に示されるように、本実施形態では、電解槽4で電気分解される水は、逆浸透膜処理装置200にて逆浸透膜処理された処理水が適用される。処理水は、処理水供給路10及び処理水供給路10から分岐する処理水供給路11等を経て、電解槽4に供給される。すなわち、水素ガス生成部2の電解槽4と水素透過膜モジュール3の第2室32とは、同一の水源である逆浸透膜処理装置200から処理水の供給を受ける。このような構成により、水素付加装置1及びその周辺の配管が簡素化される。
水素付加水供給路20には、水素濃度センサー(水素濃度検出部)21が設けられている、のが望ましい。水素濃度センサー21は、第2室32から取り出された水素付加水の溶存水素濃度を検出し、対応する電気信号を制御部9に出力する。
例えば、水素透過膜33の消耗は、水素付加水の溶存水素濃度に影響を及ぼすことがある。従って、水素付加水の溶存水素濃度が予め定められた閾値未満である場合、水素透過膜33の消耗が進行していると判定できる。そこで、制御部9は、水素濃度センサー21から入力された電気信号、すなわち、水素付加水の溶存水素濃度に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定する、ように構成されていてもよい。
例えば、制御部9が、水素付加水の溶存水素濃度のみに基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定するように構成されていてもよく、第1室31の圧力及び水素付加水の溶存水素濃度に基づいて、上記消耗度を判定するように構成されていてもよい。さらに、後者の場合は、第1室31の圧力に基づいて判定された消耗度及び水素付加水の溶存水素濃度に基づいて判定された消耗度のアンド関数又はオア関数によって、上記消耗度を総合的に判定するように構成されていてもよい。さらにまた、第1室31の圧力に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定した後、水素付加水の溶存水素濃度に基づいて、上記消耗度を補正するように構成されていてもよく、水素付加水の溶存水素濃度に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定した後、第1室31の圧力に基づいて、上記消耗度を補正するように構成されていてもよい。これにより、簡素かつ安価な構成で水素透過膜モジュール3の消耗度を正確に判定することが可能となる。
本実施形態では、制御部9は、水素濃度センサー21から入力された電気信号、すなわち、水素付加水の溶存水素濃度に基づいて、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を制御する。例えば、水素濃度センサー21によって検出された溶存水素濃度が、目標値よりも不足している場合、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を高めることにより、第1室31の圧力を高め、水素付加水の溶存水素濃度を高める。一方、水素濃度センサー21によって検出された溶存水素濃度が、目標値を超えている場合、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を低めることにより、第1室31の圧力を抑制し、水素付加水の溶存水素濃度を低減する。このように、制御部9が溶存水素濃度が一定となるように第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を制御することにより、所望の溶存水素濃度の水素付加水が、水素付加装置1にて生成され、透析原剤希釈装置に供給される。
既に述べたように、水素透過膜33の消耗が進行すると、水素付加水の溶存水素濃度が低下する傾向にあるため、制御部9は、それを補うために、第1給電体41及び第2給電体42に印加する直流電圧を高めて、第1室31の圧力を高める。
そこで、本水素付加装置1の制御部9は、圧力センサー51から入力された電気信号、すなわち、第1室31の圧力に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定する。これにより、簡素かつ安価な構成で水素透過膜モジュール3の消耗度を正確に判定することが可能となる。
また、水素透過膜33の消耗が進行すると、第1室31の圧力を高めても、水素付加水の溶存水素濃度が十分に上昇しづらい傾向となる。従って、制御部9は、第1室31の圧力及び水素付加水の溶存水素濃度の関係に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定する、ように構成されていてもよい。例えば、第1室31の圧力及び水素付加水の溶存水素濃度と水素透過膜33の消耗度との相関を示す関係式を実験等により予め定め、上記関係式に上記圧力及び溶存水素濃度を代入することにより、水素透過膜33の消耗度を求めるように構成されていてもよい。
処理水供給路10には、入水弁12及び流量計(流量検出部)13が設けられている。入水弁12は、例えば、制御部9によって制御された電磁力によって駆動され、処理水供給路10内を流れる処理水を制限する。流量計13は、処理水供給路10内を流れる処理水、すなわち、第2室32に供給される原水の単位時間あたりの流量(以下、単に流量又は供給量と記す)を検出し、制御部9に出力する。制御部9は、流量計13から入力された流量に応じて入水弁12を制御する。これにより、原水として第2室32に供給される処理水の流量が適正化される。
処理水供給路11には、給水弁14が設けられている。給水弁14は、例えば、制御部9によって制御された電磁力によって駆動され、処理水供給路11内を流れる処理水を制限する。より具体的には、電解槽4に電気分解のための水を充填又は補充する際には、給水弁14が開かれ、その後、水素透過膜モジュール3の第2室32に原水を供給する際には、給水弁14が閉じられる。
第2室32から取り出される水素付加水の溶存水素濃度は、第2室32への原水の供給量にも依存する。例えば、第2室32への原水の供給量が増加すると、水素付加水の溶存水素濃度は低下する傾向となる。
そこで、制御部9は、上記圧力センサー51によって検出された第1室31の圧力等に加えて、流量計13によって検出された原水の供給量に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定するように構成されている、のが望ましい。これにより、制御部9が、水素透過膜33の消耗度をより一層正確に判定することが可能となる。
電解室40の第1極室40aから上方に延びる排気路15(図2参照)には、ガス抜き弁16が設けられている。電気分解によって第1極室40aで生成された酸素ガスは、排気路15及びガス抜き弁16から排出される。
図4は、水素透過膜モジュール3において、水素透過膜33の消耗度を判定する方法の処理手順を示している。水素透過膜33の消耗度判定方法は、第1室31の圧力を検出するステップS1と、溶存水素濃度を検出するステップS2と、原水の供給量を検出するステップS3と、水素透過膜33の消耗度を判定するステップS4と、判定結果を出力するステップS5とを含んでいる。
ステップS1では、第1室31の圧力が、圧力センサー51によって検出される。ステップS2では、第2室32から取り出された水素付加水の溶存水素濃度が、水素濃度センサー21によって検出される。ステップS3では、第2室32への原水の供給量が流量計13によって検出される。ステップS1乃至ステップS3の順序は、問われない。すなわち、例えば、先にステップS3が実行され、その後ステップS1、S2が実行されてもよい。
ステップS4では、ステップS1で検出された第1室31の圧力、ステップS2で検出された水素付加水の溶存水素濃度及びステップS3で検出された原水の供給量に基づいて、制御部9が水素透過膜33の消耗度を判定する。そして、ステップS4では、ステップS3の判定結果が、出力部91によって出力される。
本消耗度判定方法によれば、簡素かつ安価な構成で水素透過膜33の消耗度を正確に判定することが可能となる。
以上、本発明の水素付加装置1等が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。すなわち、水素付加装置1は、少なくとも、水素ガスが供給される第1室31と、原水が供給される第2室32と、第2室32で水素付加水を生成するために、水素ガスを第1室31から第2室32へと移動させる水素透過膜33と、第1室31の圧力を検出する圧力センサー51と、少なくとも、第1室31の圧力に基づいて、水素透過膜33の消耗度を判定する制御部9とを備えていればよい。
また、図1に示される水素付加装置1において、第1室31に供給するための水素ガスを生成する水素ガス生成部2は、水を電気分解する電解槽4に限られない。例えば、水とマグネシウムとの化学反応等により水素ガスを発生させる装置、又は、水素ガスが充填されたボンベであってもよい。
また、第1室31の圧力を検出する圧力検出部として、圧力センサー51に替えて、制御部9が、例えば、電解電流の積算値に基づいて、第1室31の圧力を推定するように構成されていてもよい。
水素付加装置1は、透析液調製用の水素付加水の生成の他、種々の用途に適用可能である。例えば、飲用、料理用又は農業用の水素付加水の生成等にも広く適用可能である。
また、消耗度判定方法は、少なくとも、水素透過膜33の消耗度判定方法は、第1室31の圧力を検出するステップS1と、水素透過膜33の消耗度を判定するステップS4とを含んでいればよい。例えば、溶存水素濃度を検出するステップS2又は原水の供給量を検出するステップS3が省略されてもよい。この場合、ステップS4では、ステップS1で検出された透析液調製用水の溶存水素濃度に基づいて、制御部9が水素透過膜33の消耗度を判定する。
1 :水素付加装置
2 :水素ガス生成部
3 :水素透過膜モジュール
4 :電解槽
9 :制御部(判定部)
13 :流量計(流量検出部)
21 :水素濃度センサー(水素濃度検出部)
31 :第1室
32 :第2室
33 :水素透過膜
41 :第1給電体(陽極給電体)
42 :第2給電体(陰極給電体)

Claims (4)

  1. 水に水素を付加するための装置であって、
    水素ガスが供給される第1室と、
    原水が供給される第2室と、
    前記第2室で水素付加水を生成するために、前記水素ガスを前記第1室から前記第2室へと移動させる水素透過膜と、
    前記第1室の圧力を検出する圧力検出部と、
    前記第2室から取り出された前記水素付加水の溶存水素濃度を検出する水素濃度検出部と、
    前記圧力及び前記溶存水素濃度と、前記水素透過膜の消耗度との相関を示す予め定められた関係式に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する判定部とを備える、
    水素付加装置。
  2. 前記第1室に供給する前記水素ガスを生成する水素ガス生成部をさらに備える、請求項1記載の水素付加装置。
  3. 前記水素ガス生成部は、陽極給電体と陰極給電体とを有し、水を電気分解することにより前記水素ガスを生成し、前記第1室に供給する電解槽を有し、
    前記陽極給電体及び前記陰極給電体に印加する電圧を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記溶存水素濃度が一定となるように、前記電圧を制御する、請求項2記載の水素付加装置。
  4. 水素ガスが供給される第1室と、原水が供給される第2室と、前記水素ガスを前記第1室から前記第2室へと移動させる水素透過膜とを備えた水素透過モジュールにおいて、前記水素透過膜の消耗度を判定する方法であって、
    前記第1室の圧力を検出するステップと、
    前記第2室から取り出された前記水素付加水の溶存水素濃度を検出するステップと、
    前記圧力及び前記溶存水素濃度と、前記水素透過膜の消耗度との相関を示す予め定められた関係式に基づいて、前記水素透過膜の消耗度を判定するステップとを含む、
    水素透過膜の消耗度判定方法。
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