JP7021505B2 - 電子機器 - Google Patents
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Description
前記電子時計は、ルーターとの間の無線通信を確立し、IPv6アドレスが設定された後、そのアドレスをタイムゾーン検索サーバーに送信する。タイムゾーン検索サーバーは、受信した前記アドレスがテーブルに登録されているかを判定し、登録されていれば、対応するTZ-IDや一番近いNTPサーバー情報等のエリア情報を電子時計に送信する。
電子時計は、エリア情報を入手すると、エリア情報に含まれる前記一番近いNTPサーバーから標準時刻(ネットワーク標準時刻等)を取得し、前記TZ-IDと標準時刻とに基づいて、計時時刻を現地時刻に補正する。
また、消費電力が増加するため、充電可能な二次電池を組み込んだ場合も、一般的な時計に組み込まれるような太陽電池で充電することが難しい。このため、特許文献1の電子時計は、外部機器と接続可能なコネクターを備え、コネクターに接続された外部機器から提供される電力で充電している。このため、充電のために外部機器に接続しなければならず、太陽電池で充電される一般的な電子時計に比べて使い勝手が低下するという課題がある。
そして、制御部は、接続した基地局の固有の基地局情報を取得する処理を行い、取得した基地局情報によって、タイムゾーンに関する情報を取得するか否かを判断できる。ここで、タイムゾーンに関する情報とは、現在地のタイムゾーンを特定できる情報であり、例えば、基地局の位置情報(緯度、経度など)や、基地局の場所のタイムゾーン(協定世界時UTCに対する時差等)である。
このため、制御部は、例えば、取得した基地局情報が前回と同一である場合には、電子機器を所持するユーザーが、同一のタイムゾーンに留まっていると判断し、その後のタイムゾーン情報取得処理や時刻修正処理を実行しないため、電子機器の消費電力を低減できる。一方、制御部は、取得した基地局情報が前回と異なる場合には、ユーザーが異なるタイムゾーンに移動した可能性があると判断し、タイムゾーン情報取得処理や時刻修正処理を実行するため、現在地のタイムゾーンに応じた時刻に自動的に修正できる。
したがって、制御部は、最初に基地局情報を取得することによって、その後の処理が必要か否かを判断し、必要と判断した場合のみ処理を実行するため、タイムゾーン情報取得処理や時刻修正処理を常時実行する場合に比べて消費電力を低減できる。このため、電子機器が一次電池で駆動される場合、電池寿命を延ばすことができ、電子時計のような携帯型の電子機器であっても使い勝手の低下を防止できる。また、電子機器に太陽電池および二次電池を組み込んで駆動することもでき、外部機器に接続して充電する必要もないため、この点でも使い勝手の低下を防止できる。
さらに、基地局情報は、通信部が基地局と通信を確立する際に取得でき、基地局情報の取得に必要な消費電力も僅かであるため、例えば、10分間隔で基地局情報を取得することもでき、取得頻度を高めることができる。したがって、異なるタイムゾーンに移動した場合も、異なる基地局の情報を取得することでタイムゾーンの変化を迅速に検出でき、タイムゾーン情報取得処理や時刻修正処理を迅速に行って、現在地のタイムゾーンに応じた時刻に早期に修正でき、利便性を向上できる。
制御部は、今回取得した基地局情報が、記憶部に記憶された過去に取得した基地局情報に含まれている場合は、タイムゾーンに関する情報の取得処理は実行せず、該当する基地局情報に対応する時差情報を記憶部から読み出し、この時差情報を用いて表示時刻を修正する時刻修正処理を実行する。このため、ユーザーの通常の生活範囲、例えば、通勤、通学や、買い物等で移動する範囲では、過去に基地局情報を取得しており、その基地局情報によって設定した時差情報(タイムゾーン)を記憶部に記憶しているため、新たにタイムゾーンに関する情報を取得する必要が無く、不要な通信処理も行わないため、消費電力をより低減できる。
さらに、ネットワーク上のタイムゾーンサーバーは、記憶容量の制約が少ないため、位置情報と時差情報との対応を細かく設定でき、タイムゾーンサーバーから取得する時差情報の精度を向上できる。
また、電子機器には、位置情報と時差情報とを対応づけて記憶する時差情報記憶部を設ける必要が無いため、電子機器に必要な記憶部の容量も小さくでき、時差情報記憶部のメンテナンスも不要にできる。
さらに、基地局時差情報サーバーは、各基地局とその基地局が設けられた地点の時差情報とを対応付けて記憶しており、各基地局の時差をピンポイントで検出できるため、基地局時差情報サーバーから取得する時差情報の精度も向上できる。
例えば、ユーザーが自動車等に乗って高速で移動している場合には、タイムゾーン情報取得処理が実行される時間間隔での移動距離も長くなるため、異なるタイムゾーンに移動した場合に、以前のタイムゾーンから離れた位置でタイムゾーン情報取得処理が行われる可能性が高い。したがって、変更された時差情報を1回取得しただけで表示時刻を修正しても、正しい時刻に迅速に修正できる。
一方、ユーザーが徒歩で移動している場合には、タイムゾーン情報取得処理が実行される時間間隔での移動距離も短いため、異なるタイムゾーンに移動した場合に、以前のタイムゾーンからあまり離れていない位置でタイムゾーン情報取得処理が行われる可能性が高い。したがって、変更された時差情報を連続して複数回取得してから表示時刻を修正したほうが正しい時刻に修正できる確率が高くなる。
このため、ユーザーの状況に応じて時差修正モードを選択できれば、時刻修正処理を適切に実行でき、利便性も向上できる。
また、既存の基地局およびネットワークに対して、前記基地局に関する固有の基地局情報と、前記基地局が存在する地点のタイムゾーンに関する情報とを対応付けて記憶するサーバーを新たに設けるだけでよいため、容易にシステムを構築できる。
以下、本発明の第1実施形態について図1から図9を参照して説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係る電子機器である電子時計1の正面図であり、図2は電子時計1の概略断面図である。図1から明らかなように、電子時計1は、使用者の手首に装着される腕時計(電子時計)であり、文字板11および指針12を備え、時刻を計時して表面に表示する。文字板11の大部分は、光および電波が透過し易い非金属の材料(例えば、プラスチックまたはガラス)で形成されている。指針12は、文字板11の表面側に設けられている。また、指針12は、回転軸13を中心に回転移動する秒針121、分針122および時針123を含み、輪列211を介してステップモーターで駆動される。
また、電子時計1は、操作部であるリューズ14およびボタン15A、15B、15Cを備えている。
ムーブメント21の裏蓋20側には、回路基板25が配置されている。回路基板25は、コネクター26を介してアンテナ基板27および二次電池24と接続されている。
電子時計1では、ソーラーセル22の二つの電極と二次電池24の二つの電極とをそれぞれ電気的に接続することが可能であり、接続時には、ソーラーセル22の光発電によって二次電池24が充電される。なお、本実施形態では、二次電池24として、携帯機器に好適なリチウムイオン電池を用いているが、リチウムポリマー電池や他の二次電池を用いてもよいし、二次電池とは異なる蓄電体(例えば容量素子)を用いてもよい。
また、制御回路40は、計時手段51および時刻表示手段52を制御して計時処理および時刻表示処理を行う。
さらに、制御回路40は、充電制御用スイッチ42、発電状態検出回路43、開放電圧検出回路44、電池電圧検出回路45の動作を制御する。
スイッチング素子がオフ状態からオン状態に遷移するとオン(接続)し、スイッチング素子がオン状態からオフ状態へ遷移するとオフ(切断)する。
制御回路40は、過充電により電池特性が劣化する状態にならないよう、二次電池24の電池電圧が所定値以上となる場合には、充電制御用スイッチ42をオフする。このため、充電制御用スイッチ42は、過充電を防止するリミッターとして機能する。
電池電圧検出回路45は、二次電池24の電池電圧VCCを測定する。
計時手段51は、通信回路30で時刻情報を受信した場合には、受信した時刻情報で前記第1カウンターを更新して時刻修正を行う。なお、本実施形態では、計時手段51は、協定世界時(UTC)を計時する。このため、受信した時刻情報がUTCであれば、そのまま第1カウンターを更新するが、UTC以外の時刻情報(例えば、JST:日本標準時)を受信した場合は、UTCに換算して第1カウンターを更新する。
時刻表示手段52は、二次電池24に蓄積された電力で駆動されるムーブメント21を備え、前記指針12を動かして計時手段51で計時した時刻(第2カウンターの時刻)を指示する。
なお、後述する時刻サーバー120として、例えばJST:日本標準時を出力するサーバーが指定されている場合、計時手段51の第1カウンターはJSTで更新し、タイムゾーンに関する情報として、UTCに対する時差情報を取得した場合は、JSTに対する時差情報に変換して不揮発性メモリーに記憶し、第2カウンターを更新してもよい。
時差情報記憶部61は、EEPROMやフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーで構成され、図4に示すように、位置情報(緯度および経度)と、UTCに対する時差情報とを関連づけて記憶したタイムゾーンテーブル(TZデータベース)611が記憶されている。
タイムゾーンテーブル611の位置情報には、地図データを矩形領域に区分した際に、その矩形領域の対角線上の2点の緯度、経度が記録されている。例えば、図4の領域番号1は、領域の左上の地点(北西端)の位置データが北緯39度、東経124度であり、右下の地点(南東端)の位置データが北緯31度、東経146度であり、この領域の時差情報はUTCに対して+9時間であることを示す。
したがって、制御回路40は、接続した基地局180の位置情報(緯度・経度データ)を取得できれば、その緯度・経度データに対応する時差情報(タイムゾーン)を、時差情報記憶部61のタイムゾーンテーブル611から読み出すことができる。なお、タイムゾーンにおいて、サマータイム(DST)の期間が存在する場合、タイムゾーンテーブル611には、サマータイム(DST)の情報も記録し、制御回路40は、計時手段51で計時している日時によって、サマータイム期間であるかを判断し、時差情報を読み出せばよい。
次に、図5に基づいて、電子時計1の時刻を修正する時刻修正システム100に関して説明する。
時刻修正システム100は、時刻サーバー120と、位置情報サーバー130と、TZデータベースサーバー160と、複数設けられた基地局(ゲートウェイ:GW)180と、電子時計1とを備えて構成される。時刻サーバー120、位置情報サーバー130、TZデータベースサーバー160、基地局180は、それぞれインターネット110に接続されている。
基地局情報は、具体的には、MACアドレスである。また、位置情報は、緯度、経度を10進法で表記して記憶している。例えば、図6の番号1の位置情報は、北緯35.68(35度40分48秒)、東経139.78(139度46分48秒)である。
基地局180は、LPWAの種類に応じて設置され、インターネット110に接続するために、前述した固有のMACアドレスを個々に有する。
このような電子時計1における制御回路40の動作について、図7および図8のフローチャートに基づき説明する。
制御回路40は、図7に示す現在地のタイムゾーンを確認するタイムゾーン確認処理を、予め設定した第1時間間隔で実行する。第1時間間隔は、例えば、10分間隔であり、二次電池24の容量と、タイムゾーン確認処理における消費電力との収支関係や、タイムゾーンが変化した際に表示時刻を修正するまでのタイムラグの許容時間などで設定すればよい。
タイムゾーン確認処理では、制御回路40は、基地局情報取得処理、取得判断処理、タイムゾーン情報取得処理、時刻修正処理を実行する。
制御回路40は、図7のタイムゾーン確認処理を実行すると、まず、基地局180の存在チェックを行う(ステップS1)。具体的には、制御回路40は、通信回路30を介して基地局180に対してアップリンクを行う。
次に、制御回路40は、アップリンクに対する基地局180からのダウンリンクの有無によって、基地局180が存在するか否かを判定する(ステップS2)。
制御回路40は、基地局180が存在した場合、ステップS2で「YES」と判定し、通信回路30を介して基地局情報、具体的にはMACアドレスを取得する(ステップS3)。
制御回路40は、取得した基地局情報(MACアドレス)を、記憶部60の基地局情報記憶部62に記憶された前回取得した基地局情報(MACアドレス)と比較し、変化したか否かを判定する(ステップS4)。
制御回路40は、基地局情報が変化し、ステップS4で「YES」と判定した場合は、インターネット110上の位置情報サーバー130に対して取得した基地局情報を出力し、位置情報サーバー130から基地局情報に対応する位置情報(緯度、経度)を、タイムゾーンに関する情報として取得する位置情報取得処理を実行する(ステップS5)。
次に、制御回路40は、ステップS5で取得した位置情報(緯度、経度)に対応する時差情報を、時差情報記憶部61から取得する時差情報取得処理を実行する(ステップS6)。例えば、ステップS5で取得した位置情報が、図6の番号1の北緯35.68、東経139.78であった場合、この位置情報は、図4の時差情報記憶部61における番号1の領域に含まれるため、制御回路40は、時差情報として「+9」を取得する。
制御回路40は、ステップS6で取得した時差情報が、計時手段51に現在設定されている時差情報から変化したかを判定する(ステップS7)。
制御回路40は、ステップS7で時差情報が変化したと判定した場合は、計時手段51で設定される時差情報を取得した時差情報で更新する。すると、計時手段51において、現在地の標準時を計時する第2カウンターが修正される。制御回路40は、修正された第2カウンターの時刻情報に合わせて時刻表示手段52を制御し、指針12で表示する時刻を修正する(ステップS8)。
制御回路40は、ステップS8で時差つまり時刻を修正した場合は、図7に示すタイムゾーン確認処理を終了する。
また、制御回路40は、基地局180が存在せず、ステップS2で「NO」と判定した場合と、取得した基地局情報が変化していないためにステップS4で「NO」と判定した場合と、取得した時差情報が変化していないためにステップS7で「NO」と判定した場合は、ステップS8の時差(時刻)修正を行うことなく、タイムゾーン確認処理を終了する。
制御回路40は、図8に示す内部時刻修正処理を、予め設定した時間間隔(例えば、24時間間隔)で実行する。内部時刻修正処理を24時間毎に実行するのは、水晶振動子等の基準信号源を用いた計時手段51の内部時刻精度は、通常、1日に1秒未満であり、1日に1回の内部時刻修正処理で表示時刻の精度を維持できるためである。
制御回路40は、基地局180が存在してステップS12で「YES」と判定した場合は、インターネット110上の時刻サーバー120から時刻情報を取得する(ステップS13)。なお、接続する時刻サーバー120は、予め特定されているため、制御回路40は、取得した時刻情報がUTCであるか、特定の地域の標準時であるかを把握しており、UTC以外のローカルな標準時を取得した場合には、UTCに換算する。したがって、制御回路40は、時刻サーバー120から取得した時刻情報(UTC)で計時手段51の第1カウンターを更新する。すると、計時手段51において、現在地の標準時を計時する第2カウンターも修正される。制御回路40は、修正された第2カウンターの時刻情報に合わせて時刻表示手段52を制御し、指針12で表示する時刻を修正する(ステップS14)。
なお、時刻サーバー120から時刻情報を取得して更新する具体的な処理は、NTP(Network Time Protocol)を利用した一般的な手法を用いればよく、これによりLPWAのように通信速度が遅い通信方式を用いても、通信時間の遅延を補正して時刻を修正することができる。
次に、ある地域のタイムゾーンが変更された場合のタイムゾーンテーブル611の更新処理について説明する。
各地域のタイムゾーンは、そのタイムゾーンを管理する政府の意向によって変更される場合がある。また、サマータイム(DST)の開始日時や終了日時も同様に変更される場合がある。このような場合、電子時計1の時差情報記憶部61に記憶しているタイムゾーンテーブル611を更新する必要がある。このタイムゾーンテーブル611の更新処理について、図9を参照して説明する。
TZデータベースサーバー160に記憶されているTZデータベース(タイムゾーンテーブル)は、TZデータベースサーバー160の管理者によって管理されており、タイムゾーン情報の変更が決まった場合には、管理者は変更後のタイムゾーンの運用が開始される日までにTZデータベースサーバー160に記憶されているTZデータベースを更新する。通常は、運用開始日の所定期間前(例えば1ヶ月前)に、更新予定のTZデータベースとして追加登録され、TZデータベースサーバー160には、現在運用中のTZデータベースと、TZデータベースを更新するためのDB更新データが記憶されている。
TZデータベースの更新情報は、TZデータベースサーバー160の管理者から各電子時計1のユーザーにメールなどで通知する。また、ユーザーは、ニュースなどで更新情報を入手する場合もある。
TZデータベースが更新されることを把握したユーザーが、電子時計1の所定のボタン(例えばボタン15C)を押すと、電子時計1の制御回路40は、図9に示すように、タイムゾーンテーブル611の更新処理を実行する。
制御回路40は、更新処理を開始すると、最初に、二次電池24の電圧を検出し(ステップS21)、検出した二次電池24の電圧(電源電圧)が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS22)。
すなわち、タイムゾーンテーブル611のDB更新データの受信中や、時差情報記憶部61の書き換え更新中に二次電池24の電圧が低下してしまうと、受信処理や書き換え処理に失敗してしまう。このため、制御回路40は、更新処理を行う前に、二次電池24の電圧(電源電圧)を検出し、更新処理を行うのに必要な電圧レベルであるか(電池残量であるか)を判定する。
制御回路40は、ステップS22で「NO」と判定された場合は、更新処理を中止する。なお、この際、指針12等を所定の位置に移動して電源電圧が低下していることを指示してもよい。この場合、ユーザーは、二次電池24の電圧が低下していることを把握でき、ユーザーは、電子時計1のソーラーセル22を太陽光や電灯に当てて、二次電池24への充電を行った後、再度、ボタン15Cを押して更新処理を行うことができる。
TZデータベースサーバー160は、送信されたDBバージョン情報を参照し、新バージョンの有無を電子時計1に通知する。このため、制御回路40は、新バージョンが存在するか否かを、TZデータベースサーバー160から受信した情報によって判定し(ステップS24)、新バージョンが存在せずにステップS24で「NO」と判定した場合は、更新処理を中止する。
次に、制御回路40は、取得したDB更新データを用いて、時差情報記憶部61のタイムゾーンテーブル611を更新する(ステップS26)。なお、DB更新データは、LPWAでも送受信が可能なように、データサイズを小さくするため、変更されたタイムゾーンのデータのみであることが好ましい。したがって、制御回路40は、DB更新データによって、時差情報記憶部61に記憶されているタイムゾーンテーブル611のうち、変更されたデータのみを更新すればよい。
なお、データサイズは大きくなるが、TZデータベースサーバー160から電子時計1に、更新部分を含むTZデータベース全体を送信し、時差情報記憶部61のタイムゾーンテーブル611を上書きして更新してもよい。
このような第1実施形態によれば、電子時計1の制御回路40は、取得した基地局情報が前回と同一である場合には、電子時計1が同一のタイムゾーンに留まっていると判断し、その後のタイムゾーン情報取得処理や時刻修正処理を実行しないため、電子時計1の消費電力を低減できる。また、制御回路40は、取得した基地局情報が前回と異なる場合、つまり異なるタイムゾーンに移動した可能性がある場合には、タイムゾーン情報取得処理や時刻修正処理を実行するため、電子時計1の表示時刻を現在地のタイムゾーンに応じた時刻に自動的に修正できる。
このため、タイムゾーンを跨いで移動した場合に自動的に時刻表示を修正でき、かつ、平均的な消費電力も低減できるため、ソーラーセル22で駆動される腕時計でも実現することができ、利便性を向上できる。
特に、基地局情報は、通信回路30が基地局180と通信を確立する際に取得でき、基地局情報の取得に必要な消費電力も僅かであるため、例えば、10分間隔で基地局情報を取得することができる。したがって、異なるタイムゾーンに移動した場合に、10分程度で現在地のタイムゾーンに応じた時刻に自動的に修正でき、利便性を向上できる。
また、TZデータベースサーバー160を用意しているので、タイムゾーンテーブル611の更新処理も容易に行うことができる。
本発明の第2実施形態について図10から図12を参照して説明する。
第2実施形態の電子機器である電子時計1Bは、図10に示すように、第1実施形態の電子時計1と同様の構成を備えており、記憶部60に記憶される基地局情報記憶部62Bが相違し、これにより、タイムゾーン確認処理が一部変更されたものである。なお、第2実施形態の時刻修正システムにおいて、ネットワーク側の構成は、前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
図11では、基地局情報記憶部62Bに記憶された一部の基地局情報を例示しているが、第2実施形態では、直近に受信した100個の基地局情報を記憶可能としている。なお、基地局情報記憶部62Bで記憶する基地局情報の数は記憶部60の容量等に応じて設定すればよい。なお、規定数(100個)の基地局情報が基地局情報記憶部62Bに記憶された状態で、基地局情報記憶部62Bに記憶されていない新たな基地局情報を取得した場合は、取得した基地局情報を追加し、基地局情報記憶部62Bにおいて最も古い基地局情報を消去すればよい。
さらに、基地局情報記憶部62Bの時差情報には、基地局情報に基づいて位置情報サーバー130から取得した地理情報(緯度、経度)を用いて、時差情報記憶部61から取得した時差情報が記憶されている。この際、サマータイム(DST)の期間が存在するタイムゾーンに関しては、基地局情報記憶部62Bの時差情報に、2つの時差を記憶しておき、現在の日時によって読み出す時差を選択してもよい。
電子時計1Bの制御回路40は、図12に示すタイムゾーン確認処理を実行すると、第1実施形態のタイムゾーン確認処理と同じく基地局情報取得処理(ステップS1~S3)を行う。次に、制御回路40は、取得判断処理として、取得した基地局情報が、基地局情報記憶部62Bに記憶されているか、つまり、過去に取得した基地局情報であるかを判断する(ステップS21)。
制御回路40は、ステップS21で「NO」と判定した場合は、第1実施形態と同じく、位置情報サーバー130から基地局情報に対応する位置情報を取得する処理(ステップS5)と、時差情報記憶部61から取得した位置情報に対応する時差情報を取得する処理(ステップS6)とを実行する。
次に、制御回路40は、ステップS6またはステップS22で取得した時差情報を、現在設定されている時差情報と比較し、時差情報が変化したか否かを判定する(ステップS7)。
制御回路40は、ステップS7で時差情報が変化している場合は、第1実施形態と同様に、設定されている時差情報を更新し、表示時刻を修正する(ステップS8)。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、基地局情報記憶部62Bに過去に取得した基地局情報および時差情報を記憶しているので、今回所得した基地局情報が基地局情報記憶部62Bに記憶されていれば、位置情報サーバー130からタイムゾーンに関する情報を取得する必要もなく、時差情報を過去の記録から取得して更新できる。このため、電子時計1Bの消費電力をさらに低減できる。
本発明の第3実施形態について、図13から図16を参照して説明する。
第1,2実施形態の電子時計1,1Bは、記憶部60の時差情報記憶部61から時差情報を取得していた。これに対し、第3実施形態の電子機器である電子時計1Cは、図13に示すように、記憶部60に時差情報記憶部61を備えていないため、インターネット110上のサーバーから時差情報を取得するものである。
すなわち、電子時計1Cの記憶部60は、基地局情報記憶部62を備えているが、時差情報記憶部61は備えていない。
タイムゾーンサーバー140は、電子時計1Cの記憶部60に比べて、記憶容量を大きくできるため、タイムゾーンテーブル141に記憶できる矩形領域の数も大幅に多くできる。このため、各領域を同じサイズのメッシュデータとし、各メッシュデータ毎に時差情報やDSTを設定でき、タイムゾーンテーブル611に比べて精度の高い時差情報を取得できる。また、タイムゾーンが変更された場合も、タイムゾーンサーバー140のタイムゾーンテーブル141のみを更新すればよく、電子時計1C側では更新処理が不要であるため、常に最新のタイムゾーンデータを参照して時差情報を取得できる。
電子時計1Cの制御回路40は、図16に示すタイムゾーン確認処理を実行すると、第1実施形態のタイムゾーン確認処理と同じく基地局情報取得処理(ステップS1~S3)、取得判断処理(ステップS4)を行う。取得判断処理S4で「YES」と判断した場合は、第1実施形態と同じく、位置情報サーバー130から基地局情報に対応する位置情報を取得する処理(ステップS5)を行う。次に、制御回路40は、取得した位置情報をタイムゾーンサーバー140に出力し、タイムゾーンサーバー140から時差情報を取得する時差情報取得処理を実行する(ステップS31)。
制御回路40は、ステップS7で時差情報が変化している場合は、第1実施形態と同様に、設定されている時差情報を更新し、表示時刻を修正する(ステップS8)。
一方、制御回路40は、ステップS2、S4、S7で「NO」と判定した場合は、表示時刻を修正せずに、図16に示すタイムゾーン確認処理を終了する。
第3実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、電子時計1Cは、タイムゾーンサーバー140から時差情報を取得するため、電子時計1Cには、時差情報記憶部61を設ける必要が無い。このため、電子時計1Cに必要な記憶部60の容量も小さくでき、時差情報記憶部61のメンテナンスも不要にできる。
さらに、タイムゾーンサーバー140は、記憶容量の制約が少ないため、位置情報と時差情報との対応を細かく設定でき、時差情報をタイムゾーンサーバー140から取得すれば精度の高い時差情報を取得できる。
次に、本発明の第4実施形態について、図17~図20を参照して説明する。
前記各実施形態では、時差情報が現在の時差情報と異なっていた場合には、即座に時差を変更して表示時刻を修正していた。これに対し、第4実施形態の電子機器である電子時計1Dでは、時差情報の変更を複数回連続して検出した場合に、表示時刻を修正する。
このため、電子時計1Dは、図17に示すように、電子時計1に対して、記憶部60に、取得した時差を記憶する取得時差記憶部63を備えている点で相違し、その他の構成は同一である。なお、第4実施形態の時刻修正システムにおいて、ネットワーク側の構成は、前記第1,2実施形態と同一であるため、説明を省略する。
制御回路40は、まず、カウンターの値が「0」であるかを判定する(ステップS41)。初期設定のカウンター値は「0」であるため、制御回路40はステップS41で「YES」と判定する。
ステップS41で「YES」の場合、制御回路40は、第1実施形態のタイムゾーン確認処理と同じく基地局情報取得処理(ステップS1~S3)、取得判断処理(ステップS4)、タイムゾーン情報取得処理(ステップS5~S6)を行う。
次に、制御回路40は、第1実施形態と同じく、ステップS6で取得した時差情報が、計時手段51に現在設定されている時差情報から変化したかを判定する(ステップS7)。
制御回路40は、ステップS7で時差情報が変化したと判定した場合、第1実施形態ではステップS8の時差(時刻)修正を行っていたが、本実施形態では、カウンターの値を「1」に更新し(ステップS42)、取得時差記憶部63に取得した時差情報を記憶し(ステップS43)、今回のタイムゾーン確認処理を終了する。また、制御回路40は、ステップS2,S4,S7で「NO」と判定された場合、カウンター値を「1」に変更することなく、今回のタイムゾーン確認処理を終了する。
一方、前回のタイムゾーン確認処理でカウンター値が「0」のままであった場合、つまり時差情報が変化していない場合や、時差情報を取得できなかった場合は、制御回路40は、前述した図18の処理を実行する。
図19に示す第2のタイムゾーン確認処理では、制御回路40は、第1のタイムゾーン確認処理と同様に、基地局情報取得処理(ステップS1~S3)、取得判断処理(ステップS4)、タイムゾーン情報取得処理(ステップS5~S6)を行う。
そして、制御回路40は、ステップS4で「NO」つまり基地局情報が第1のタイムゾーン確認処理で取得した基地局情報と同じ場合と、ステップS7で「NO」つまり基地局情報は変化していたが、取得した時差情報は第1のタイムゾーン確認処理で取得した時差情報から変化していない場合に、時差(時刻)修正を行う(ステップS44)。
すなわち、第2のタイムゾーン確認処理は、第1のタイムゾーン確認処理において、基地局情報が変化し、時差情報も変化した場合のみ、実施される。したがって、第1のタイムゾーン確認処理で取得した基地局情報と、第2のタイムゾーン確認処理で取得した基地局情報とが同じ場合(ステップS4で「NO」)は、電子時計1Dを装着したユーザーが、異なるタイムゾーンに移動した後に、2回連続して同じ基地局と接続していることになり、この場合、表示時刻をその基地局のタイムゾーンに変更することで、正しい時刻を表示できる可能性が高い。また、第2のタイムゾーン確認処理で取得した基地局情報は異なるが、取得した時差情報は同じ場合(ステップS7で「NO」)は、電子時計1Dを装着したユーザーが、異なるタイムゾーンに移動した後、2つの異なる基地局に接続したが、各基地局共にタイムゾーンは同じであるため、表示時刻をそのタイムゾーンに変更することで、正しい時刻を表示できる可能性が高い。
自動車80が位置Aに位置している場合、電子時計1DはTZ9の時差情報に設定されてTZ9の時刻を表示している。そして、自動車80が、タイムゾーンを跨いでTZ10の位置Bまで移動し、電子時計1Dが基地局180Cに接続すると、電子時計1Dは、図18の第1のタイムゾーン確認処理を実行し、TZ10の時差情報を取得する。ただし、この時点では、TZ9からTZ10に変化した1回目の時差情報の取得であるため、制御回路40は、時差情報を取得時差記憶部63に記憶し、カウンターを「1」とするだけで、表示時刻は修正しない。
次のタイムコード確認処理の時点で、自動車80が位置Bから位置Cに移動し、基地局180Dに接続した場合、制御回路40は、ステップS41で「NO」と判定されて図19に示す第2のタイムコード確認処理を実行する。そして、制御回路40は、図19において、ステップS4で「YES」と判定し、ステップS6では前回と同じTZ10の時差情報を取得するため、ステップS7で「NO」と判定する。このため、制御回路40は、ステップS44で時差修正を行い、表示時刻をTZ9の時刻からTZ10の時刻に修正する。
一方、次のタイムコード確認処理の時点で、自動車80が位置Bから位置Dに移動してTZ9のエリアに戻り、基地局180Bに接続した場合、制御回路40は、ステップS41で「NO」と判定されて図19に示す第2のタイムコード確認処理を実行する。そして、制御回路40は、図19において、ステップS4で「YES」と判定し、ステップS6では前回と異なるTZ9の時差情報を取得するため、ステップS7で「YES」と判定する。このため、制御回路40は、ステップS44の時差修正は実行せず、表示時刻をTZ9の時刻に維持する。
このため、電子時計1Dの制御回路40は、自動車80が一時的にTZ10の位置Bに移動し、即座にTZ9に戻ってきた場合は、表示時刻を修正せず、自動車80が位置Bからさらに位置Cに移動するなど、2回の連続したタイムゾーン確認処理のタイミングでTZ10のエリアに位置する場合に、表示時刻を修正するため、表示時刻を適切に修正できる。
第4実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、時差情報が変更されても、変更された時差情報を2回連続して取得してから、実際の時差修正を行うため、異なるタイムゾーンに移動したことを確実に検出してから表示時刻を修正でき、利便性を向上できる。
なお、同じ時差情報を連続して複数回取得する場合の回数は、2回に限らず、3回以上でもよい。この回数が増えれば、異なるタイムゾーンに移動したことを正確に判定できるが、表示時刻が修正されまでのタイムラグが長くなるため、これらのバランスを考慮して設定すればよい。
次に、本発明の第5実施形態について、図21~図24を参照して説明する。
第5実施形態の電子機器である電子時計1Eは、時差修正を自動的に行う条件を設定するモード選択機能と、自動修正した時差を手動操作で元に戻す事後修正機能とを備える点が前記各実施形態と相違する。なお、第5実施形態の時刻修正システムにおいて、ネットワーク側の構成は、前記第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
モード表示手段70で選択される自動修正の条件選択モードは、3種類用意され、いずれもタイムゾーン確認処理の実行前にユーザーが設定する。すなわち、制御回路40は、ユーザーによって所定のボタン(本実施形態ではボタン15B)が押されると、条件選択モードを、第1モード、第2モード、第3モードと順次切り替える。また、制御回路40は、モード表示手段70のモード針71の指示位置を、第1~3モードを示す位置(目盛72において丸付き数字1~3の位置)に順次移動する。さらに、第3モードに切り替えられた状態でボタン15Bが押されると、制御回路40は、第3モードから第1モードに切り替え、以降、ボタン15Bが押される毎に、モードの切り替えと、モード針71の指示位置の切り替えとを順送りで繰り返す。
したがって、第1モードは、特に、自動車、列車、飛行機などの高速で移動する乗り物に乗って、異なるタイムゾーンに移動する場合に有効である。
したがって、第2モードは、異なるタイムゾーンに低速で移動する場合に有効である。
電子時計1Eの制御回路40は、第1時間間隔(例えば10分間隔)で図23に示すタイムゾーン確認処理を実行すると、まず、設定されたモードが第1モードであるかを判定する(ステップS51)。ユーザーのボタン15Bの操作によって予め第1モードに設定されており、ステップS51で「YES」と判定した場合、制御回路40は、第1モード処理を実行する(ステップS52)。第1モード処理は、前記第1実施形態の図7に示すタイムゾーン確認処理と同じ処理であるため、説明を省略する。このため、第1モード処理では、時差情報の変更を検出した時点で、時差(時刻)修正を行う。
制御回路40は、ステップS51で「NO」と判定した場合は、設定されたモードが第2モードであるかを判定する(ステップS53)。一方、第2モードに設定されており、ステップS53で「YES」と判定した場合、制御回路40は、第2モード処理を実行する(ステップS54)。第2モード処理は、前記第4実施形態の図18、19に示すタイムゾーン確認処理と同じ処理であるため、説明を省略する。このため、第2モード処理では、2回連続して時差情報の変更を検出した場合に、時差(時刻)修正を行う。
制御回路40は、ステップS53で「NO」と判定した場合は、設定されたモードが第3モードであるため、第1,2モード処理を行わずに終了する。
第1モードや第2モードに設定していると、自動的にタイムゾーン確認処理を行うため、特に、タイムゾーンの境界線の付近で生活している場合に、意図せずに時差が変更され、表示時刻も修正される可能性がある。例えば、あるタイムゾーンTZ9から異なるタイムゾーンTZ10に移動し、TZ10の時差に変更した後に、TZ9の基地局180と通信してしまい、意図せずにTZ9の時差に自動的に変更されてしまう場合、ユーザーがTZ10の時差に簡単な操作で戻すことができれば利便性が高まる。
そこで、電子時計1Eの制御回路40は、第1モードまたは第2モードに設定されている場合に、特定の操作(本実施形態ではボタン15Aを押す操作)を実行すると、時差設定を一つ前に戻す事後修正機能を備える。
制御回路40は、ボタン15Aが押されたために、ステップS61で「YES」と判定した場合、設定されているモードが、第1モードまたは第2モードであるか否かを判定する(ステップS62)。
制御回路40は、第1モードまたは第2モードに設定されている場合、時差情報を一つ前に戻し、時刻を修正する(ステップS63)。例えば、第1または第2モードに設定されており、時差情報が自動的に、「+1」から「+2」に変更されていた場合に、ボタン15Aが押されると、制御回路40は、時差情報を「+2」から「+1」に戻し、表示時刻を修正する。
電子時計1Eによれば、制御回路40は、ユーザーによって事前に設定されたモードに応じて、時差修正を行う条件を変更しているので、各ユーザーの使用状況に応じた適切な条件で時差修正を行うことができる。
また、電子時計1Eによれば、第1モードまたは第2モードに設定されている場合は、ボタン15Aを押すことで、自動的に時差修正が行われた後に、手動で元の時差に戻すことができるため、ユーザーの意図に反して自動的に時差が修正された場合に、元の時差に容易に戻すことができ、利便性を向上できる。
このようにすれば、時差修正から一定時間経過後に、誤ってボタン15Aを押した場合に元の時差に戻ってしまうことを防止できる。
また、ボタン15Aを押して元の時差に戻した場合は、制御回路40は、第3モードに切り替えてもよい。ボタン15Aで元の時差に戻した場合は、自動的な時差修正で誤った時差に修正された可能性が高い。このため、第1モードや第2モードに設定したままでは、再度、時差が変更されてしまう可能性も高くなる。このため、手動で元の時差に戻した場合は、第3モードに切り替えることで、時差が自動的に修正されることを防止できる。
次に、本発明の第6実施形態について、図25~図27を参照して説明する。
前記第3実施形態では、時刻修正システム100Cとして、インターネット110上に位置情報サーバー130およびタイムゾーンサーバー140を設けていた。
これに対し、第6実施形態の時刻修正システム100Fでは、図25に示すように、位置情報サーバー130、タイムゾーンサーバー140の代わりに基地局時差情報サーバー150を設けたものである。
基地局時差情報サーバー150は、図26に示すように、基地局情報(MACアドレス)と、基地局情報で特定される基地局の場所の時差情報とが対応付けられたテーブル151を備えている。
電子時計1Fの制御回路40は、図27に示すタイムゾーン確認処理を実行すると、第3実施形態のタイムゾーン確認処理と同じく基地局情報取得処理(ステップS1~S3)、取得判断処理(ステップS4)を行う。取得判断処理S4で「YES」と判断した場合、制御回路40は、基地局時差情報サーバー150に取得した基地局情報(MACアドレス)を出力し、基地局時差情報サーバー150から基地局情報に対応する時差情報を取得する(ステップS61)。
次に、制御回路40は、時差情報を取得できたか否かを判定する(ステップS62)。例えば、基地局時差情報サーバー150に該当する基地局情報が登録されていない場合には、基地局時差情報サーバー150は対応する基地局情報が登録されていないことを電子時計1Fに送信し、制御回路40は時差情報を取得できなかったことを把握する。
制御回路40は、ステップS7で時差情報が変化している場合は、第3実施形態と同様に、設定されている時差情報を更新し、表示時刻を修正する(ステップS8)。
一方、制御回路40は、ステップS2、S4、S62、S7のいずれかで「NO」と判定した場合は、表示時刻を修正せずに、図27に示すタイムゾーン確認処理を終了する。
第6実施形態の時刻修正システム100Fによれば、第3実施形態のように、位置情報サーバー130、タイムゾーンサーバー140の2つのサーバーを設置する必要が無いため、サーバーの設置コストを低減できる。
また、電子時計1Fは、取得した基地局情報を基地局時差情報サーバー150に送信するだけで時差情報を取得できるので、基地局情報を送信して位置情報を取得し、位置情報を送信して時差情報を取得する第3実施形態の時刻修正システム100Cに比べて、送受信回数を半減でき、電子時計1Fの消費電力も低減できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第4実施形態の電子時計1Dは、第1のタイムゾーン確認処理と、第2のタイムゾーン確認処理を行うタイミングは等間隔であった。すなわち、第1時間間隔(10分間隔)で第1のタイムゾーン確認処理を行っている場合に、変化した時差情報を取得し、カウンターが「1」に変更された場合、同じ第1時間間隔経過後(10分後)に第2のタイムゾーン確認処理を実行していた。
これに対し、第2のタイムゾーン確認処理を実行するタイミングを短く(例えば3分や5分)し、第1のタイムゾーン確認処理後、第2のタイムゾーン確認処理を行うまでの時間間隔を、第1時間間隔よりも短い第2時間間隔に変更してもよい。このようにすれば、第2のタイムゾーン確認処理によって、タイムゾーンが変更したことを確認して表示時刻を修正するまでの時間を短くでき、ユーザーの利便性を向上できる。
また、基地局180の仕様として、基地局180の位置情報を、基地局自体で保持している場合には、位置情報サーバー130を設けなくてもよい。
定期的なタイムゾーンの確認処理は、10分間隔に限定されず、二次電池24の容量やタイムゾーンが変更された際に表示時刻を修正するまでの許容できる時間等に応じて設定すればよい。
また、第5実施形態では、第1モードは、時差情報が変化したことを1回検出した場合に時差(時刻)修正を行い、第2モードは、複数回検出した場合に時差(時刻)修正を行っていたが、これらの時差修正条件を、基地局180の配置密度に応じて変更してもよい。すなわち、人口が多い都市部では、所定面積内の基地局180の数も多くなって密度が高くなり、基地局180の間隔も狭い。一方、人口が少ない山間部などでは、基地局180の数も少なくなって密度が低くなり、基地局180の間隔も広い。基地局180の密度が高い場合は、異なるタイムゾーンの基地局180と通信してしまう可能性も高くなる。このため、自動車に乗車中であるため、第1モードを選択した場合でも、1回の受信でタイムゾーンを決定すると誤判定する可能性がある。
そこで、基地局180の密度が高い場合には、第1モードを選択した場合でも第1規定回数(例えば2回)以上、連続して同じタイムゾーンを検出した場合にタイムゾーンを修正し、第2モードを選択した場合は第1規定回数よりも大きな第2規定回数(例えば4回)以上、連続して同じタイムゾーンを検出した場合にタイムゾーンを修正するようにしてもよい。
なお、基地局180の密度が高いか低いかの密度情報は、各基地局180に予め設定しておき、制御回路40は、基地局180と通信した際に密度情報も取得し、取得した密度情報に応じて、第1モードや第2モードにおいて時差修正を行う条件を切り替えればよい。さらに、基地局180の密度情報は、高低の2つに限定されず、3段階以上に設定してもよく、第1モードや第2モードにおいて時差修正を行う条件も3段階以上に設定してもよい。
ここで、前記所定期間は、二次電池24の電池容量や、ユーザーの使用状態に応じて設定すればよい。たとえば、ユーザーが電子時計1~1Fを腕に装着していれば、ソーラーセル22による発電状態を検出できる。このため、前記所定期間を72時間(3日間)に設定すれば、ユーザーが土日の2日間、時計を外して机の引き出しなどに収納していた場合でも、平日に腕に装着して利用していれば、72時間以内に発電状態を検出できる。一方、72時間以上発電が検出されない場合は、その電子時計1~1Fは利用されていない可能性が高い。したがって、発電状態の有無によって電子時計1~1Fが利用されているか否かを判断でき、利用されていない場合は、定期的なタイムゾーン確認処理を実行する必要もないため、タイムゾーン確認処理を停止または実施頻度を低くすることで、無駄な受信処理を無くすことができ、消費電力を低減できる。
また、発電が所定期間実行されない場合の定期的なタイムゾーン確認処理の制御は、段階的に行ってもよい。例えば、制御回路40は、発電が実行されない期間に応じて、第1~第3までの3段階のパワーセーブモードによってタイムゾーン確認処理を実行してもよい。
第1パワーセーブモードは、ソーラーセル22による発電が実行されない期間が、パワーセーブモード移行条件として設定された期間(例えば72時間)になると開始され、第1パワーセーブモードになってから4日経過すると終了する。制御回路40は、第1パワーセーブモードに移行すると、運針を停止し、秒針121を第1パワーセーブモードを指示する位置(例えば45秒位置)に移動する。また、制御回路40は、計時手段51による内部時刻のカウントは継続し、定期的なタイムゾーン確認処理は、通常通り、たとえば10分間隔で実行する。
第2パワーセーブモードは、第1パワーセーブモードが終了(第1パワーセーブモードで4日間経過した時点)すると開始し、第2パワーセーブモードになってから25日経過(第1パワーセーブモード開始時から30日経過)すると終了する。制御回路40は、第2パワーセーブモードに移行すると、運針停止は継続し、秒針121を第2パワーセーブモードを指示する位置(たとえば30秒位置)に移動する。また、制御回路40は、計時手段51による内部時刻のカウントは継続し、定期的なタイムゾーン確認処理は、たとえば24時間間隔(1回/1日の頻度)で実行する。
第3パワーセーブモードは、第2パワーセーブモードが終了(第1パワーセーブモード開始時から30日経過した時点)すると開始する。制御回路40は、第3パワーセーブモードに移行すると、運針停止は継続し、秒針121を第3パワーセーブモードを指示する位置(たとえば15秒位置)に移動する。また、制御回路40は、計時手段51による内部時刻のカウントは継続し、定期的なタイムゾーン確認処理は実行しない。
なお、図8に示す内部時刻修正処理は、1日1回の処理であり、時刻精度を向上するものであるため、第1~3パワーセーブモードに移行しても、毎日実行することが好ましい。
各パワーセーブモードは、ソーラーセル22で発電状態を検出すると解除され、制御回路40は、計時手段51による内部時刻のカウントが継続していれば、指針12(秒針121、分針122、時針123)を移動して現時刻を指示させる。また、第2,3パワーセーブモードから復帰した場合は、10分間隔の定期的なタイムゾーン確認処理を実行し、タイムゾーンが変更していれば、指針12による現時刻の指示を修正する。
一方、ソーラーセル22で発電状態を検出した際に、二次電池24の電圧が低下して制御回路40等も停止していた場合は、計時手段51による内部時刻の計時も正しくないため、制御回路40は、計時手段51の内部カウンターをリセットし、タイムゾーン確認処理および内部時刻修正処理を改めて実行し、取得した情報によって現時刻を指示する。
なお、前記第1~3パワーセーブモードの移行は、二次電池24の電池電圧を検出して制御してもよいし、ソーラーセル22の発電状態の検出結果と、二次電池24の電池電圧値との組み合わせに応じて制御してもよい。例えば、第1、2パワーセーブモード時に、定期的に(例えば1日1回)、二次電池24の電圧を検出し、電池電圧があまりに低い場合には、その時点で即座に第3パワーセーブモードに移行してもよい。
また、前記実施形態では、電子機器として、秒針121、分針122、時針123を有する電子時計1~1Fを例示したが、懐中時計、置き時計及び掛け時計等の時計全般でもよく、特に、携帯可能な電子時計が好ましい。また、電子機器としては、時計に限らず、携帯電話機、PDA(Personal DigitalAssistants)、携帯型計測器、携帯型GPS(Global Positioning System)装置等の携帯可能な電子機器、又は、標準発振器、ノート型パーソナルコンピューター等の電子機器に広く適用可能である。特に本発明は、ネットワークを介してタイムゾーンに関する情報を取得して現在地の現地時刻に修正でき、消費電力も低減できるため、動作電力を供給する電源部(電池)を内蔵して長期間の動作が要求され、さらに携帯可能な小型の電源内蔵電子機器に好適である。
Claims (12)
- 時刻を表示する時刻表示部と、
基地局に接続する通信部と、
接続した前記基地局から当該基地局に関する固有の基地局情報を取得する基地局情報取得処理と、
前記基地局情報に基づいて、タイムゾーンに関する情報を取得するか否かを判断する取得判断処理と、
前記取得判断処理において、前記タイムゾーンに関する情報を取得すると判断した場合に、前記基地局情報に基づく前記タイムゾーンに関する情報を取得するタイムゾーン情報取得処理と、
取得した前記タイムゾーンに関する情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正処理と、を実行する制御部と、
過去に取得した基地局情報および時差情報を対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記基地局情報取得処理で取得した前記基地局情報が、前記記憶部に記憶された過去に取得済みの基地局情報に含まれている場合は、前記取得判断処理で前記タイムゾーンに関する情報を取得しないと判断し、
前記記憶部に記憶された対応する時差情報を用いて表示時刻を修正する時刻修正処理を実行する
を有することを特徴とする電子機器。 - 時刻を表示する時刻表示部と、
基地局に接続する通信部と、
接続した前記基地局から当該基地局に関する固有の基地局情報を取得する基地局情報取得処理と、
前記基地局情報に基づいて、タイムゾーンに関する情報を取得するか否かを判断する取得判断処理と、
前記取得判断処理において、前記タイムゾーンに関する情報を取得すると判断した場合に、前記基地局情報に基づく前記タイムゾーンに関する情報を取得するタイムゾーン情報取得処理と、
取得した前記タイムゾーンに関する情報に基づいて表示時刻を修正する時刻修正処理と、を実行する制御部と、を備え
前記制御部は、
前記基地局情報取得処理を、第1時間間隔で定期的に実行し、
前記タイムゾーン情報取得処理において、同じ時差情報を、連続して複数回取得した場合に、前記時刻修正処理を実行し、
前記タイムゾーン情報取得処理において、現在設定されている時差情報と異なる時差情報を取得した場合は、前記基地局情報取得処理を、前記第1時間間隔よりも短い第2時間間隔で実行する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項2に記載の電子機器において、
前回取得した基地局情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記取得判断処理において、前記通信部を介して取得した前記基地局情報と、前記記憶部に記憶された前回取得した基地局情報とが一致した場合は、前記取得判断処理で前記タイムゾーンに関する情報を取得しないと判断する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器において、
位置情報および時差情報を対応付けて記憶する時差情報記憶部を備え、
前記制御部は、
前記タイムゾーン情報取得処理として、
前記基地局情報を、前記基地局を介してネットワークに出力し、前記ネットワーク上に設けられて前記基地局情報と当該基地局に対応する位置情報とを記憶する位置情報サーバーから、前記基地局の位置情報を取得する位置情報取得処理と、
取得した前記基地局の位置情報に対応する時差情報を、前記時差情報記憶部から取得する時差情報取得処理とを実行し、
前記時刻修正処理として、前記時差情報取得処理で取得した前記時差情報を用いて表示時刻を修正する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記制御部は、
前記タイムゾーン情報取得処理として、
前記基地局情報を、前記基地局を介してネットワークに出力し、前記ネットワーク上に設けられて前記基地局情報と当該基地局に対応する位置情報とを記憶する位置情報サーバーから前記基地局の位置情報を取得する位置情報取得処理と、
前記基地局の位置情報を、前記基地局を介してネットワークに出力し、前記ネットワーク上に設けられて前記位置情報と当該位置情報に対応する時差情報とを記憶するタイムゾーンサーバーから、前記位置情報の時差情報を取得する時差情報取得処理とを実行し、
前記時刻修正処理として、前記時差情報取得処理で取得した前記時差情報を用いて表示時刻を修正する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記制御部は、
前記タイムゾーン情報取得処理として、
前記基地局情報を、前記基地局を介してネットワークに出力し、前記ネットワーク上に設けられて前記基地局情報と当該基地局に対応する時差情報とを記憶する基地局時差情報サーバーから、前記基地局の時差情報を取得する時差情報取得処理を実行し、
前記時刻修正処理として、前記時差情報取得処理で取得した前記時差情報を用いて表示時刻を修正する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1に記載の電子機器において、
操作部を備え、
前記制御部は、
前記操作部の操作に応じて時差修正を行う条件を選択し、
選択された条件に基づいて、前記時刻修正処理を実行する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子機器において、
操作部を備え、
前記制御部は、前記タイムゾーン情報取得処理によって取得されたタイムゾーンに関する情報に基づいて表示時刻が修正された後に、前記操作部によって予め設定された操作が行われた場合は、修正前のタイムゾーンに戻して表示時刻を修正する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子機器において、
発電を行う発電部と、
前記発電部で充電される二次電池とを有する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項9に記載の電子機器において、
前記制御部は、前記基地局情報取得処理を定期的に実行し、
前記発電部による発電が所定期間実行されない場合は、前記定期的な基地局情報取得処理を停止または実施頻度を低くする
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記制御部は、前記基地局情報取得処理を定期的に実行する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記通信部は、前記基地局に対してLPWAの通信方式によって接続可能に構成されている
ことを特徴とする電子機器。
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