JP7020863B2 - プラント監視システムの試験支援装置、その試験支援方法、及びその試験支援プログラム - Google Patents
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Description
この表示試験では、設定された試験条件下で試験者が試験手順書を元に各画面を操作し、画面の表示内容を確認する。
証拠データの採取における試験者毎のばらつきや、膨大なデータ整理時間の発生を防止するため、試験リストの手順に沿って自動試験を行う試験支援装置が開発されている。
従来では、微妙にレイアウトが異なる複数の表示画面がある場合や、レイアウトが途中で変更された場合に、レイアウトに含まれるオブジェクトの各々について座標を定義する必要があったためである。
図1は、一般的なプラント監視システム100(以下、単に「監視システム100」という)の概略構成図である。
図2(A)は、表示画面11(11a)の一例を示す図、図2(B)は、表示画面11(11b)の他の一例を示す図、図2(C)は図2(B)の画面レイアウト12を示す図である。
監視員は、キーボード又はマウス等の入力端末82から機器制御部83を介して表示画面11(図2(A),(B))に対してデータ入力又はマウス操作(以下、単に「画面操作」という)をすることが可能である。
また、図2(A)に示されるように、図2(B)の状態画面11bを表示する前段階の各種の入力画面11aも監視画面表示部81に表示される。
オブジェクト13には、通常、文字列又は記号などのシンボル名27aが併記される。
例えば、シンボル名27aは、キーボードから入力すべき“年”、“月”、“日”等の表示であり、オブジェクト13は、この年月日それぞれの入力エリア13aである。
また、図2(B),(C)に示されるように、“横スケール”及び“縦スケール”のシンボル名27aに対して、変更可能な日数又は単位もオブジェクト13である。
画面操作がなされると、機器制御部83内の画面生成部85が、適切な画面レイアウト12を抽出して、この画面レイアウト12にグラフデータ等を反映させた表示画面11を生成する。
よって、最終的に画面レイアウト12が確定するまでは、レイアウトの変更と画面表示試験(以下、単に「表示試験」という)とが繰り返されることになる。
第1実施形態に係る支援装置10は、このように動作する監視システム100に接続されて、例えば製品納入前に実施される監視画面表示部81の表示試験を支援するものである。
試験リスト19には、図4に示されるように、各画面について試験を実施する日にち、動作項目、試験の順番、及び画面操作情報等が記載される。
なお、第1実施形態では、試験リスト19中の操作位置情報34は、XY座標を用いて記述される。つまり、操作位置情報34の表現形式は、XY座標による。
動作認識部16は、試験リスト19から画面操作の表示試験に必要な動作を試験の順番に沿って読み込む。
機器制御部83は、監視員又は試験者の入力端末82からの試験動作の入力に代えて、信号制御部21からの入力に従って表示試験を実施することになる。
そして、データ取得指示部17は、記載された試験の順番を参照しながら、監視画面表示部81に表示される各表示画面11のハードコピー(複製画面)を画面複製部22にとらせる。
証拠データは、例えば、図2(A),(B)に例示される表示画面11である。
証拠データは、データ取得指示部17によって、後にこの画面所在情報から監視画面表示部81に任意に呼び出すことができる。
なお、このリンク付けは、通常、後述する汎用リスト24にも同様になされる。
試験者は、汎用リスト24と証拠データとを照合して表示試験の適切性を確認してもよい。
オブジェクト13の識別情報27は、例えば上述のシンボル名27aで表記するのが好ましい。
試験者が後に汎用リスト24を確認する際に動作内容の把握が容易だからである。
以下、識別情報27がシンボル名27aである例で説明する。
汎用リスト24の各項目は、試験リスト19と原則同様である。
ただし、試験リスト19が、図5に示されるように、画面操作の操作位置を、画面上のXY座標で規定するのに対して、汎用リスト24は、オブジェクト13に付与されたシンボル名27aで規定する。
また、画面レイアウト12が微妙に異なる複数の表示画面11に対しても、同一の記述で同一の画面操作を表現することができる。
なお、表示試験が実施された汎用リスト24は、試験リスト保持部14又は汎用リスト保持部31等に試験リスト履歴36として蓄積される。
つまり、変換用データ保持部32が機器制御部83の画面レイアウト保持部84に接続されることで、変換用レイアウトデータ28は、画面レイアウト12に連動して最新の状態に維持される。
つまり、各オブジェクト13について、シンボル名27aと、XY座標とが紐付けられている。
この要求を受けて、座標変換部33は、汎用リスト24から各試験内容を読み取り、この試験内容で必要になる表示画面11及びこの表示画面11に含まれるオブジェクト13をシンボル名27aで抽出する。
座標変換部33は、シンボル名27aで特定されたオブジェクト13を変換用レイアウトデータ28から抽出して、変換用レイアウトデータ28上のオブジェクト13の配置位置をXY座標で抽出する。
座標変換部33による更新完了通知の受信により動作認識部16が読み込みを開始することで、最新のXY座標情報で表示試験が実施されることになる。
表示試験のために表示画面11から入力する入力内容の変更等試験内容を変更する場合(S11がYESの場合)、試験者が汎用リスト24を更新する(S12)。
汎用リスト24において、試験者は、操作位置情報34をシンボル名27aで規定しながら試験内容を変更する。
この変更は、変換用レイアウトデータ28に自動で反映される(S15)。
この結果、汎用リスト24及び変換用レイアウトデータ28は、最新のものが保持されることになる。
まず、試験者が支援装置10に入力手段38等から表示試験の開始を指示する(S16)。
なお、この開始の指示は、試験者が行わずに、定期的に支援装置10が自動で起動して表示試験を開始してもよい。
座標変換部33は、汎用リスト24を参照して、試験内容を規定しているシンボル名27aを抽出する。
そして、座標変換部33は、抽出したシンボル名27aを有するオブジェクト13を変換用レイアウトデータ28中で検索して、オブジェクト13のXY座標を特定する(S18)。
試験リスト19の更新後、座標変換部33は、動作認識部16に更新完了通知を送信する。
動作認識部16は、更新完了通知を受信して、試験リスト19を読み込む。
機器制御部83は、製品納入前に監視員が入力端末82から行う画面操作に代えて、この信号制御部21からの入力信号に基づいて画面生成部85に表示画面11を生成させる。
データ取得指示部17は、試験リスト19の読み込みで取得した試験内容に沿って、表示画面11の複製を画面複製部22に指示する(S22)。
データ取得指示部17は、表示画面11が切り替えられる都度(S23でNO)、画面複製部22に表示画面11を複製させる(S20へ戻る)。
表示試験では、例えば、図2(A)の入力画面11aにおいて入力する数値を変更して、図2(B)に例示された状態画面11bでその反映を確認する。
試験リスト19で予定されていた全表示試験が完了した場合(S24でYES)、支援装置10による表示試験は終了する(END)。
例えば、これらは、CPU等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、或いはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、を具備するコンピュータとして構成することができる。
また、このようなソフトウェア処理に換えて、ASIC(Application Specific Integration Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現することもできる。
また、図3に示す構成のうち、画像データ蓄積部18、試験リスト保持部14、汎用リスト保持部31、及び変換用データ保持部32は、ROMまたはRAM等の記憶装置によって実現される。
また、座標変換部33による座標変換を監視画面表示部81のモニタ解像度に対応させれば、試験内容の規定にあたり、モニタ解像度による操作位置の変化への考慮が不要になる。
支援装置10の構成は、変換用データ保持部32を設けずに、座標変換部33が画面レイアウト保持部84から画面レイアウト12を受け取るものであってもよい。この場合、座標変換部33は画面レイアウト12及び汎用リスト24を用いて試験リスト19を生成する。
図8は、第2実施形態に係る支援装置10の概略構成図である。
また、図9は、第2実施形態に係る支援装置10が有する改良型試験リスト19a(19)の一例を示す図である。
動作認識部16には、新たに改良型試験リスト19a中の操作位置情報34を一旦シンボル名27aで読み取ってシンボル名27aを抽出するシンボル名抽出部42が設けられる。
座標変換部33は、変換用レイアウトデータ28を用いてシンボル名27aをXY座標へ変換して、動作認識部16にこのXY座標を通知する。
一方、表示画面11のレイアウトを変更する場合、第1実施形態と同様に入力端末82から画面レイアウト保持部84の画面レイアウト12を変更する。
また、表示試験が実施された改良型試験リスト19aは、第1実施形態と同様に画像データ蓄積部18又は試験リスト保持部14に試験リスト履歴36として保存される。
図10は、第3実施形態に係る支援装置10の概略構成図である。
また、図11は、第3実施形態に係る支援装置10で生成される差分情報46の一例を示す図である。
差分情報46とは、図11に示されるように、オブジェクト13の配置変更に関する情報である。
試験者は、差分情報46を参照することで前回からのレイアウト変更等があった箇所を容易に認識でき、変更があった画面を効率よく確認できる。
つまり、画面レイアウト12が変更された場合、変換用レイアウトデータ28も自動で更新されて、その変更履歴48が記憶される。
第3実施形態では、この試験リスト履歴36に、表示試験に使用された画面レイアウト12に付与されている画面IDが試験項目毎に記載される。
これら画面ID及び変更履歴48を利用することで、画面レイアウト12の変更の影響を受ける試験内容を把握することができる。
まず、座標変換部33が、汎用リスト24の読み込み時に、併せて試験リスト履歴36aを参照して(S31)、使用する画面レイアウト12が過去に使用されたか否かを確認する(S32)。
そして、座標変換部33は、第1実施形態と同様に、このXY座標で試験リスト19を更新して保存する(S39へ)。
そして、座標変換部33は、新たに取得したXY座標で試験リスト19を更新する(S37)。
そして、今回の表示試験で座標変換があった場合には(S39がYESの場合)、座標変換部33は、差分情報保存部47に差分情報46を追加保存する(S40)。
なお、この差分情報46も、証拠データに含まれてもよい。
図13は、第4実施形態に係る支援装置10の概略構成図である。
このとき、再度の表示試験の対象を、変更があった画面レイアウト12に関連する箇所のみに限定すると表示試験が効率的に実施することができる。
そこで、第4実施形態では、画面レイアウト12の変更部分の影響範囲のみの再試験(以下、「差分再試験」という)を可能にする。
なお、差分試験制御部51は、動作認識部16に代えて、信号制御部21及びデータ取得指示部17を制御するものであってもよい。
また、差分情報46が前述したように既に試験リスト19と同様の形式で記述されている場合には、別個に差分試験リスト保持部50を設けなくてもよい。
図14は、第5実施形態に係る支援装置10の概略構成図である。
補助合成部52は、画面レイアウト12上に、画面操作を補助する補助表示59を重ねて表示した補助合成画面54を作成する。
補助表示59は、例えば、図15に示されるような番号及び矢印で表された画面操作の順番59a又は入力予想値59b等であって、関連するオブジェクト13上又はその近傍に表示される。
さらに、補助合成部52は、試験リスト19から画面操作内容を読み込んで、この画面操作内容に対応した補助表示59を取得した画面レイアウト12に重ねることで補助合成画面54を作成する。
試験者は、印刷された補助合成画面54を確認して、試験内容の規定漏れ、誤手順、及び誤入力をチェックすることができる。
図16は、第6実施形態に係る支援装置10の概略構成図である。
また、図17は、補助合成画面54からの試験内容の編集態様を説明する図である。
編集受付部58は、補助合成画面54aからの画面操作情報の編集を受け付けて、この編集を実施する試験内容に反映させる。
また、矢印の向きの変更や番号の削除等によって、画面操作の順番59aの変更も可能である。
編集受付部58は、補助合成画面54aに表示する終了ボタン61b(61)の押下で編集の受け付けを終了して、保存ボタン61c(61)の押下で編集を汎用リスト24に反映させる。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、各実施形態では試験実行データを試験リスト19、試験設定データを汎用リスト24として説明したが、リスト形式に限る必要はなく、試験項目と操作情報とが対応付けられた形式のデータであればよい。
Claims (11)
- プラント監視システムの表示画面についての表示試験を支援する試験支援装置において、
前記表示試験の試験項目における操作対象のオブジェクトについての座標に依存しないシンボル名と、当該試験項目における当該オブジェクトへの操作情報と、が関連付けられた試験設定データを保持する試験設定データ保持部と、
前記試験設定データから前記シンボル名を読み込み、前記プラント監視システムが保持する画面レイアウトデータに基づいて前記シンボル名に対応する前記オブジェクトのXY座標を操作指定座標として抽出する座標変換部と、
前記試験項目及び前記操作指定座標を認識して、前記プラント監視システムに、前記操作指定座標に対して前記操作情報を実行させるための指令を送信する動作認識部と、を備えることを特徴とするプラント監視システムの試験支援装置。 - 前記画面レイアウトデータを受け取り、前記画面レイアウトデータから前記シンボル名と前記オブジェクトのXY座標とを関連付けた変換用データを作成して保持する変換用データ保持部をさらに備え、
前記座標変換部は前記変換用データを用いて前記操作指定座標と前記試験項目とを関連付ける請求項1に記載のプラント監視システムの試験支援装置。 - 前記座標変換部は、前記試験設定データの前記試験項目に前記操作指定座標を関連付けて試験実行データとし、
前記動作認識部は前記試験実行データを読み込んで前記指令を送信する請求項1又は請求項2に記載のプラント監視システムの試験支援装置。 - 前記試験実行データは、前記試験項目が前記シンボル名を用いて規定され、
前記動作認識部は、前記試験実行データを読み込んでこの試験実行データに含まれる前記シンボル名を抽出し、
前記座標変換部は、前記動作認識部が抽出した前記シンボル名を前記XY座標に変換して前記動作認識部に引き渡す請求項3に記載のプラント監視システムの試験支援装置。 - 表示された各表示画面の複製画面を証拠データとして蓄積する画像データ蓄積部を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラント監視システムの試験支援装置。
- 前記表示試験後に配置変更がされて前記座標変換部が直近に取得したXY座標から異なるものとなったオブジェクトの前記配置変更による差分情報を保持する差分情報保持部を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラント監視システムの試験支援装置。
- 前記差分情報を前記動作認識部が認識可能な差分試験実行データとして保持する差分試験実行データ保持部と、
前記動作認識部の読み込み対象を前記差分試験実行データに適時に切り替える差分試験制御部と、を備える請求項6に記載のプラント監視システム試験支援装置。 - 前記表示画面に画面操作を補助する補助表示を重ねて表示した補助合成画面を作成する補助合成部を備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプラント監視システムの試験支援装置。
- 前記補助合成画面からの画面操作情報の編集を受け付けて前記編集を試験項目に反映させる編集受付部を備える請求項8に記載のプラント監視システムの試験支援装置。
- プラント監視システムの表示画面についての表示試験を支援する試験支援方法において、
前記表示試験の試験項目における操作対象のオブジェクトについての座標に依存しないシンボル名と、当該試験項目における当該オブジェクトへの操作情報と、が関連付けられた試験設定データを作成するステップと、
前記試験設定データから前記シンボル名を読み込み、前記プラント監視システムが保持する画面レイアウトデータに基づいて前記シンボル名に対応する前記オブジェクトのXY座標を操作指定座標として抽出させるステップと、
前記試験項目及び前記操作指定座標を認識して、前記プラント監視システムに、前記操作指定座標に対して前記操作情報を実行させるための指令を送信させるステップと、を含むことを特徴とするプラント監視システムの試験支援方法。 - コンピュータに、
プラント監視システムの表示画面についての表示試験を支援する試験支援方法において、
前記表示試験の試験項目における操作対象のオブジェクトについての座標に依存しないシンボル名と、当該試験項目における当該オブジェクトへの操作情報と、が関連付けられた試験設定データを保持するステップ、
前記試験設定データから前記シンボル名を読み込み、前記プラント監視システムが保持する画面レイアウトデータに基づいて前記シンボル名に対応する前記オブジェクトのXY座標を操作指定座標として抽出するステップ、
前記試験項目及び前記操作指定座標を認識して、前記プラント監視システムに、前記操作指定座標に対して前記操作情報を実行させるための指令を送信するステップ、を実行させることを特徴とするプラント監視システムの試験支援プログラム。
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