JP7020601B1 - 低リン溶鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

固体鉄源溶解後のスラグを効果的に溶鉄と分離することで、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に製鋼用電気炉で低リン溶鉄を製造する方法を提案する。低リン溶鉄の製造方法において、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを装入し、電気エネルギーを用いてそれら原料を溶解、昇熱する第一工程と、溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを排滓する第二工程と、前記第二工程の後に脱リンフラックスを添加して脱リン処理を行う第三工程と、精製した低リン鉄を出湯する第四工程を含み、第二工程で排滓するスラグ組成比C/(S+A)を0.25以上0.70以下の範囲内に調整する低リン溶鉄の製造方法である。ここで、スラグ組成比C/(S+A)は、スラグ中の質量基準で、CaO濃度(C)をSiO2濃度(S)とAl2O3濃度(A)との和で除したものとする。

Description

本発明は、低リン溶鉄を製造する方法に関する。
製鋼用電気炉を用いた溶鉄の精錬工程においては、製鋼用電気炉に電気エネルギーを供給して固体鉄源を含む原料を溶解したのちに、酸素源および脱リンフラックスを供給することにより、溶鉄中のリン濃度を制御する方法が主流である。溶鉄の精錬工程におけるスラグの脱リン能(Lp)は、例えば、スラグに含まれる鉄(Fe)成分の組成(%T.Fe)と酸化カルシウム(CaO)成分の組成(%CaO)とスラグ温度T(℃)を用いて、以下に示される一般式(1)によって記述される。ここで、T.Feは全鉄を表す。
Figure 0007020601000001
上記一般式(1)において、係数a,b,cは、経験的に得られる数値であって、製鋼用電気炉の形状、溶鉄の撹拌条件によって異なる。一般にスラグ温度T(℃)が低ければ低い程、スラグに含まれる鉄成分の組成(%T.Fe)が高ければ高い程、スラグの脱リン能(Lp)を高く維持することができる。また、スラグ中の酸化カルシウム(CaO)の組成(%CaO)が高ければ高い程、スラグ中の脱リン能(Lp)を高く維持することができる。結果として、スラグ温度T(℃)を低くし、スラグ中の酸化カルシウム(CaO)の組成(%CaO)を高くすることにより、溶鉄中のリン濃度を低下させた低リン溶鉄を製造することができる。
しかしながら、製鋼用電気炉における鉄の精錬工程においては、溶製される鋼に含まれる炭素成分の濃度により溶鉄の最低温度が決定される。このため、スラグ温度T(℃)のみを低下させることによって、スラグの脱リン能(Lp)を向上させることは困難である。また、製鋼用電気炉における鉄の精錬工程において、鉄を過剰に燃焼することは、鉄の歩留まりの低下を招くため望ましくない。このため、スラグの脱リン能(Lp)を向上させるために鉄(Fe)成分の組成(%T.Fe)を増加させることは望ましくない。したがって、製鋼用電気炉における鉄の精錬工程において、スラグ中の酸化カルシウム(CaO)の組成(%CaO)を増加させることにより、スラグの脱リン能(Lp)を確保することが主流となっている。
製鋼用電気炉において生成するスラグに含まれる成分は、酸化カルシウム(CaO)、鉄酸化物(Fe)の他に固体鉄源に由来するシリコン(Si)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等の金属酸化物、製鋼用電気炉の炉体を保護するために別途添加される酸化マグネシウム(MgO)である。スラグに含まれる酸化カルシウム(CaO)の組成(%CaO)を高い割合で維持するためには、これらの上記金属酸化物が鉄の精錬工程において生成するスラグに不可避的に混入することを考慮して、酸化カルシウム(CaO)をスラグに添加する必要がある。
しかしながら、スラグに大量の酸化カルシウム(CaO)を添加する場合には、過剰量のスラグが発生する。また、スラグに大量の酸化カルシウム(CaO)を添加するためには、大量の石灰を石灰源として準備しなければならないため、製造コストが嵩むという問題点がある。特に、近年では固体鉄源の品質がきわめて劣化しているため、スラグに不可避的に混入する上記金属酸化物の量が増えるので、必要となる石灰原単位が顕著に増加する。
そこで、スラグの脱リン能(Lp)を確保しつつ、石灰原単位を減少させる技術として、以下のような方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ステンレス鋼の前駆物質の製造方法が開示されており、最初の製造工程で鉄キャリアを酸素により大きく脱炭するとともに脱リンし、その後に、そこからスラグ生成物を分離することが提案されている。上記ステンレス鋼の前駆物質の製造方法は、鉄キャリアを溶解させた後に一度出湯して、別の製鋼用電気炉において脱リン処理を施し、不可避的に混入する金属酸化物と溶鉄を一度分離することによって、使用する酸化カルシウム(CaO)原単位を低減している。
また、特許文献2には、予め脱Si処理されていない溶銑を効率良く脱Si、脱P処理するための精錬方法が提案されている。上記精錬方法は、同一転炉内において脱Si処理をしたのちに排滓し、脱P工程を行う溶鉄の脱リン方法である。この脱リン方法では、脱珪後のスラグの(CaO)/(SiO)重量比を0.3以上1.3以下にすることにより排滓可能なスラグの流動性を確保している。
さらに、特許文献3には、CaFを含む副原料を実質的に使用せずに、Crを1.0~2.0質量%含有する溶鋼を脱リンする精錬方法が提案されている。この精錬方法は、製鋼用電気炉での精錬中に流滓ないし除滓を複数回行うことで、添加合金の歩留を向上させている。
特開平8-225880号公報 特開平10-152714号公報 特開2013-1915号公報
Slag Atlas 2nd edition : Verlag Stahleisen GmbH, (1995)
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。特許文献1に記載の製造方法では、出湯工程における放散熱が大きく、その熱を補償する為に電気エネルギーないし燃焼熱エネルギーを製鋼用電気炉に別途供給する必要があった。
また、特許文献2に記載の精錬方法において、転炉型の精錬炉における、溶鉄の炭素濃度が比較的高く、融点が低い鉄源を溶解する際の知見が報告されている。しかしながら、電気炉においては、融点が高い固体鉄源を溶解して製造されるため、一般的に溶鉄温度を1500℃以上としなければならない。よって、上記精錬方法において、上記精錬炉の内部に存在する溶鉄の流動性は、溶鉄と共存するスラグの流動性と大きく異なる。このため、脱珪後のスラグの(CaO)/(SiO)重量比を特定範囲に設定することにより排滓可能なスラグの流動性を確保することができるという知見を活用することができない。
また、特許文献3に記載の方法では、CaO/SiOが1.5以上のスラグは粘度が低く、溶鉄との分離が困難であるため、スラグの排滓時に溶鉄が流出してしまい鉄の歩留が低下するといった課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、固体鉄源溶解後のスラグを効果的に溶鉄と分離することにより、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に製鋼用電気炉で低リン溶鉄を製造することができる低リン溶鉄の製造方法を提案することを目的としている。
発明者らは、上記課題を解決すべく、種々実験を重ねた結果、1500℃以上の製鋼用電気炉により生成されるスラグにおいて、その組成により固相率及び粘性が大きく変化することに着目し、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを装入し、電気エネルギーを用いてそれら原料の溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを排滓する工程において、排滓するスラグ組成比C/(S+A)を0.25以上0.70以下の範囲内に調整することで、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に製鋼用電気炉で低リン溶鉄を製造することができることを知見した。ここで、スラグ組成比C/(S+A)とは、スラグ中の質量基準で、CaO濃度(C)をSiO濃度(S)とAl濃度(A)との和で除したものとする。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。低リン溶鉄の製造方法において、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを装入し、電気エネルギーを用いてそれら原料を溶解、昇熱する第一工程と、溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを排滓する第二工程と、前記第二工程の後に脱リンフラックスを添加して脱リン処理を行う第三工程と、精製した低リン溶鉄を出湯する第四工程を含み、
前記第二工程で排滓するスラグ組成比C/(S+A)を0.25以上0.70以下の範囲内に調整することを特徴とする低リン溶鉄の製造方法。
なお、本発明にかかる本発明の低リン溶鉄の製造方法は、
(a)前記第三工程においてスラグ組成比C/(S+A)を0.80以上2.80以下の範囲内に調整すること、
(b)前記第四工程において低リン溶鉄の一部を炉内に残したまま出湯し、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを追加装入して、連続的に溶鉄を溶製すること、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明によれば、固体鉄源溶解後のスラグを効果的に溶鉄と分離することで、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に製鋼用電気炉で低リン溶鉄を製造することができる。
本発明の一実施形態にかかる低リン溶鉄の製造方法の基本構成フロー図である。 スラグのフォーミングを促進することができる適正範囲を示したCaO-SiO2-Al23の三成分系状態図である。
[第1実施形態]
本発明を知見するに至った考え方を説明する。製鋼用電気炉で溶鉄を製造するにあたり、固体鉄源としてスクラップ、還元鉄や別プロセスで製造した溶銑等を使用する。スクラップや溶銑に含まれるシリコン(Si)やマンガン(Mn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)といった成分は、スクラップ、固体鉄源の溶解中に製鋼用電気炉に供給される酸素によって酸化物となり、これらの酸化物は、スラグを形成する。
一般に、溶鉄を製造するための固体鉄源として、アルミニウム(Al)を含有したスクラップや、アルミニウム酸化物を数%含む還元鉄が使用される。このため、製鋼用電気炉で生成するスラグは、上記酸化物の中でも、特にアルミニウム酸化物(Al)を高濃度で含有している。よって、スラグの脱リン能(Lp)や、スラグの排滓性を評価するにあたり、酸化カルシウム(CaO)濃度と二酸化ケイ素(SiO)濃度だけでなく、酸化アルミニウム(Al)濃度を考慮したスラグ設計が必要である。
製鋼用電気炉からスラグを排滓する際の技術的課題は、スラグ中にトラップされた溶鉄がスラグと同時に製鋼用電気炉から排出され、鉄の歩留が低下してしまうことである。鉄の歩留を低下させることなく、スラグの排滓性を向上するためには、できる限りスラグをフォーミングさせることでスラグの嵩密度を小さくし、当該スラグの嵩密度に対して溶鉄の密度を相対的に大きくすることにより比重分離させることが重要である。
そこで、発明者らは、排滓するスラグにおいて、当該スラグ中のCaO濃度(C)をSiO濃度(S)とAl濃度(A)との和で除したもの(CaO/(SiO+Al)をスラグ組成比C/(S+A)として定義した。ここで、スラグ組成比C/(S+A)中、C、S、Aは、それぞれ、CaO濃度、SiO濃度、Al濃度を示す。
さらに、本実施形態の低リン溶鉄の製造方法においては、製鋼用電気炉に固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを装入し、電気エネルギーを用いてそれら原料の溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを排滓する第二工程で排滓するスラグ組成比C/(S+A)を0.25以上0.70以下の範囲内に調整することで、スラグの粘度を適切にコントロールして、スラグのフォーミングを促進できることを見出した。そして、スラグのフォーミングを促進できる条件において中間スラグ排滓を行うことにより、効果的に低リン溶鉄を製造する方法を見出した。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる低リン溶鉄の製造方法の基本構成を示したフロー図である。図1に示されるように、本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、固体鉄源等の原料を溶解する第一工程(S0)と、原料溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを中間排滓する第二工程(S1)と、脱リン処理を行う第三工程(S2)と、精製した低リン溶鉄を出湯する第四工程(S3)とを含む。さらに、本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、第四工程の出湯(S3)の後に、さらに、原料を溶解する工程(S4)とスラグを排滓する工程(S5)とを含む。
第一工程(S0)は、製鋼用電気炉の炉内に固体鉄源と任意選択的に溶鉄源とを装入し、電気エネルギーを用いてそれら原料を溶解、昇熱するステップである。製鋼用電気炉の炉内には、スクラップや還元鉄のような固体鉄源のみを装入してもよいし、固体鉄源だけではなく、任意選択的に溶鉄源を装入してもよい。また、溶鉄源として、別プロセスで固体溶鉄を溶解した溶鉄を利用してもよいし、第一工程の前段となるプロセスで製造され、出湯された後の製鋼用電気炉の炉内に残留させた溶鉄を再利用してもよい。
また、固体鉄源と任意選択的に装入される溶鉄源の溶解およびそれら原料の昇熱のために供給する電気エネルギーとしては、電気エネルギーのみを使用してもよいし、電気エネルギーのみならず、補填的に金属燃焼熱、炭素燃焼熱等の熱エネルギーを使用してもよい。製鋼用電気炉に装入された固体鉄源は、電気エネルギーにより溶解して、溶鉄とスラグを生成する。溶解後の製鋼用電気炉の炉内温度は、1500℃以上となる。また、溶鉄の温度に伴ってスラグの温度も1500℃以上に昇熱される。
次に、第二工程(S1)は、製鋼用電気炉内に装入された固体鉄源と任意選択的に溶鉄源の溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを排滓するステップである。すなわち、第二工程では、第一工程にて生成したスラグの一部またはすべてを中間排滓する。本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、この中間排滓工程においてスラグのフォーミング状態を適切にコントロールすることにより、鉄の歩留を低下させることなく、生成したスラグを排滓することが可能となる。
本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、第二工程において、スラグフォーミングを促進させ、スラグの脱リン能(Lp)を向上させるためにスラグ組成比である、CaO/(SiO+Al)の値を特定範囲に設定している。上記スラグ組成比は、C/(S+A)によって示され、スラグ中の質量基準で、CaO濃度(C)をSiO濃度(S)とAl濃度(A)との和で除したものとする。
特に、スラグの脱リン能(Lp)を保持させるために、上記スラグ組成比C/(S+A)の値を大きく維持したスラグでは、スラグの粘度が小さく、スラグフォーミングが起きにくいため、スラグ排滓時の鉄の歩留が低下してしまう。一方、上記スラグ組成比C/(S+A)の値を小さく維持したスラグでは、スラグのほとんどが固相となってしまうか、又は、SiO濃度が非常に高いため高粘度のスラグになってしまう。このため、上記スラグ組成比C/(S+A)の値を小さく維持したスラグは、スラグフォーミングが促進されにくい性状となってしまう。その結果、スラグ排滓時の鉄の歩留が低下してしまう。
そこで、発明者らは、鋭意検討の結果、スラグ組成比である、C/(S+A)の値を0.25以上0.70以下にすることで、スラグの粘度を適切にコントロールし、スラグフォーミングを促進できることを見出した。発明者らは、発明に先立って、低リン溶鉄を製造する際に生成するスラグにおいて、フォーミングを促進することができる適正範囲の物理化学的検討を行った。
図2は、スラグフォーミングを促進することができる適正範囲を示したCaO-SiO-Al系三成分状態図である。図2において、枠によって囲まれた領域がスラグフォーミングを促進することができる領域である。すなわち、図2において、枠によって囲まれた領域は、C/(S+A)の値が0.25以上0.70以下である領域を示している。なお、図2は、非特許文献1に記載されているCaO-SiO-Al系三成分状態図を基礎とし、実験結果に基づいて、スラグフォーミングを促進することができる適正範囲を追加して記載した三成分系状態図である。
図2において、枠によって囲まれた領域によって特定されるCaO-SiO-Al系三成分のスラグ組成比の条件では、固相の割合を容易に制御することができる。このため、上記スラグ組成比を有するスラグの粘度が増大することにより、固体鉄源等の溶解時に生成するスラグのスラグフォーミングが促進される。
このように、製鋼用電気炉を用いた低リン溶鉄の製造方法において、固体鉄源等の溶解時に生成するスラグのスラグフォーミングが促進されることは、スラグの排滓性の向上という観点だけではなく、製鋼用電気炉における通電効率の向上や、スラグコーティングによる炉体保護性の向上といった副次的効果も得られる。
スラグ組成比C/(S+A)の値を0.25以上0.70以下に調整するためには製鋼用電気炉に装入される酸化カルシウム(CaO)を含む石灰原の質量を算出する必要がある。製鋼用電気炉に装入される石灰原の質量を算出するためには、製鋼用電気炉に装入される固体鉄源中に含まれるシリコン(Si)及びアルミニウム(Al)の質量をあらかじめ把握しておくことが望ましい。また、製鋼用電気炉に装入される石灰原の質量は、固体鉄源の種類、溶鉄源の種類、原料の溶解温度等に基づいた経験測により導かれた値であってもよい。
第二工程において、製鋼用電気炉の炉内に存在するスラグを製鋼用電気炉の系外に排滓する方法は、製鋼用電気炉を傾けることでスラグを系外に排出するのが一般的である。第二工程において、製鋼用電気炉の炉内に存在するスラグのすべてを製鋼用電気炉の炉外に排滓してもよいし、その一部を排滓してもよい。一般的には、製鋼用電気炉の炉内に存在するスラグをできる限り炉外である系外に排滓するのが望ましい。しかしながら、スラグフォーミングが促進されていない場合には、スラグ中に粒鉄が残留してしまうケースが多く、スラグの排滓とともに粒鉄が系外に排出されてしまう。このため、スラグフォーミングの促進されていない場合には、スラグの一部を排滓することが好ましい。製鋼用電気炉は、炉内の容積が比較的小さい場合があり、製鋼用電気炉を傾けなくてもスラグのうち一部が製鋼用電気炉の系外に排出される場合がある。この場合でも、次工程の第三工程において添加される脱リンフラックス量の低減のため、上記炉内に生成した全スラグ量のうち、40%(質量比)以上を排滓することが望ましい。
さらに、第三工程(S2)は、上記第二工程(S1)においてスラグのすべて又は一部が排滓された製鋼用電気炉の炉内に脱リンフラックスを添加して、溶鉄中のリンを除去するステップである。すなわち、第三工程において、上記第二工程で実施されたスラグの排滓後に製鋼用電気炉の炉内に脱リンフラックスを添加して脱リン処理を行う。
第三工程において、製鋼用電気炉の炉内に脱リンフラックスを添加することにより、スラグ中の酸化カルシウム(CaO)の濃度が増加する(S2)。この第三工程により、溶鉄中のリンを除去することができる。第三工程において、添加される脱リンフラックスの量は、スラグ組成比C/(S+A)の値が特定範囲に設定されるように設定してもよい。なお、第三工程において、脱リン処理に使用される脱リンフラックスとしては、酸化カルシウム(CaO)を含むものであれば、特に限定されるものではなく、石灰、プリメルトフラックスであってよい。
この時、製鋼用電気炉への通電による熱補償や、製鋼用電気炉の炉内にガス吹込みによる攪拌を行うことによって、精錬反応の促進を行ってもよい。本実施形態の低リン溶鉄の製造方法により得られる低リン溶鉄中のリン濃度は、鉄鋼材料の種類(鋼種)により、様々である。一般的に、低リン溶鉄中のリン濃度は、0.030質量%以下であるが、装入した固体鉄源および副原料、上記炉内の残存物から求めた添加リン総量から算出されたリン濃度よりも低い濃度の溶鉄を溶製する際には、この手法を適用することができる。ここで、溶鉄中のリン濃度をより低下させるには、スラグ組成比C/(S+A)の値を所定の範囲に設定することが望ましい。
第四工程(S3)は、上記第三工程において、脱リン酸処理により、リンが除去された低リン溶鉄を出湯するステップである。すなわち、第四工程において、第三工程で得られたリンを除去した溶鉄を出湯する。本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、第一工程から第四工程を採用することにより固体鉄源を原料として低リン溶鉄を製造することができる。すなわち、本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、第一工程から第四工程を一つのユニットとして低リン溶鉄を製造することができる。この際、製鋼用電気炉の通電効率を向上させるために、上記炉内に存在するすべての溶鉄を出湯させることなく、上記炉内に溶鉄の一部を残存させてもよい。第四工程において、製鋼用電気炉の炉内に残存する溶鉄を溶鉄源として用い、連続的に低リン溶鉄を製造することができる。すなわち、製鋼用電気炉の炉内に残存する溶鉄は、新たな製造ユニットの原料溶解工程(S4)である第一工程で製鋼用電気炉に装入される溶鉄源として使用してもよい。
さらに、本実施形態の低リン溶鉄の製造方法を用いて、連続的に低リン溶鉄を製造する場合は(S4)、系内に残存するシリコン及びアルミ酸化物が増加するため、この方法による恩恵を大きく受けることができる。本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、溶解、昇熱した溶鉄をそのまま用いて、連続的に低リン溶鉄を製造することができるので、大きな熱ロスがない。
以上、第1実施形態の低リン溶鉄の製造方法によれば、固体鉄源の溶解時に生成するスラグのスラグ組成比を調整し、スラグフォーミングを促進させて、スラグと溶鉄を効果的に分離することで、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に製鋼用電気炉で低リン溶鉄を製造することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る低リン溶鉄の製造方法について説明する。本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、上記第1実施形態の低リン溶鉄の製造方法の第三工程(S2)において、スラグ組成比C/(S+A)を0.80以上2.80以下の範囲内に調整する点に特徴を有する。
本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、製造される溶鉄中のリン濃度をより低下させるには、第三工程のスラグ組成比C/(S+A)の値を0.80以上にすることが望ましい。スラグ組成比C/(S+A)の値が0.80以上であると、過剰に鉄を酸化させることなく低リン溶鉄を得ることができる。その結果、鉄の歩留まりが向上するため好ましい。
一方、製造される溶鉄中のリン濃度をより低下させるには、第三工程のスラグ組成比C/(S+A)の値を2.80以下にすることが望ましい。スラグ組成比C/(S+A)の値が2.80以下であると、添加した石灰原の量が過剰な場合であっても、添加した滓化せず脱リンに寄与しないまま、系外に排出されないため好ましい。
以上、第2実施形態の低リン溶鉄の製造方法によれば、低リン溶鉄の製造方法の第三工程おいて、脱リン処理後のスラグのスラグ組成比を調整することによって、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に製鋼用電気炉で低リン溶鉄を製造することができる。
[第3実施形態]
さらに、本発明の第3実施形態に係る低リン溶鉄の製造方法について説明する。本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、上記第1実施形態または第2実施形態の第四工程において低リン溶鉄の一部を炉内に残したまま出湯(S3)し、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを追加装入して、連続的に溶鉄を溶製(S4)する点に特徴を有する。
本実施形態の低リン溶鉄の製造方法は、製鋼用電気炉の炉内に溶鉄の一部を残存させ、連続的に低リン溶鉄を製造することができる。この際、製鋼用電気炉の炉内に溶鉄の一部を残存させることにより製鋼用電気炉の通電効率を向上させることができる。連続的に低リン溶鉄を製造する場合は(S4)、系内に残存するシリコン及びアルミ酸化物が増加するため、この方法による恩恵を大きく受けることができる。この場合は、炉内に残存したスラグ中のリンも同時に次工程に持ち越してしまうため、出湯前に再度スラグのうちの一部を排滓し、系外に除去することが望ましい(S5)。
以上、第3実施形態の低リン溶鉄の製造方法によれば、精製した低リン溶鉄の一部を炉内に残したまま出湯し、新たに固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを追加装入して、連続的に溶鉄を溶製することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステム又は装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されても良いし、単体の装置に適用されても良い。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に供給され、内蔵されたプロセッサによって実行される場合にも適用可能である。本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1)
製鋼用電気炉として230t規模の製鋼用電気炉を採用した。この製鋼用電気炉にスクラップおよび還元鉄を装入した。製鋼用電気炉の炉内の温度を1500℃に設定し、所定の昇温速度にて昇温させることによりスクラップ及び還元鉄を溶解、昇熱させた。スクラップ及び還元鉄の溶解時に生成したスラグの一部を電気炉外に中間排滓した。なお、実施例1の低リン溶鉄の製造方法においては、中間排滓時のスラグ組成比C/(S+A)の値を0.34に設定した。
スクラップ及び還元鉄の溶解時に生成した溶鉄に脱リンフラックスとして酸化カルシウムを添加して、所定の条件下、十分に撹拌して脱リン処理を施した。なお、上記脱リンフラックスをスクラップ等の溶解時(1回目)と、電気炉内の温度として設定された温度に到達時(2回目)に分けて添加した。脱リン処理後の溶鉄230tのうち、約80tの溶鉄を電気炉内に残し、約150tの溶鉄を出湯し、低リン溶鉄を製造した。なお、実施例1の低リン溶鉄の製造方法においては、脱リン処理後のスラグ組成比C/(S+A)の値を1.20に設定した。
実施例1において、スラグ中間排滓時(第二工程)のスラグ組成比をスラグ設計条件として、脱リン処理後(第三工程)のスラグ組成比を脱リン処理後の排滓条件として表1に示した。実施例1におけるスラグ設計条件および排滓条件を表1に示す。
なお、それぞれ連続評価の為、同一のP上限規格の鋼種を原料として用いて、低リン溶鉄を製造して、出湯した。精製された低リン溶鉄の出湯は4回実施した。
スラグ組成比は連続操業中に変化したが、大きく変化がなかったため、精製された低リン溶鉄のスラグ中間排滓時及び脱リン処理後の工程におけるスラグのスラグ組成比のそれらの平均値を示した。また、実施例1において、製鋼金属炉の炉内へのリンの持ち込みをなるべく減少させるため、すべての条件において、脱リン後出湯する前のスラグのうちの一部を排滓することで連続操業におけるリン持ち込み量の抑制を図った。
(実施例2~5)
第二工程におけるスラグ中間排滓処理時のスラグ組成比を0.25以上0.70以下の範囲内で変化させ、第三工程における脱リン処理後のスラグ組成比を0.80以上2.80以下の範囲内で変化させた以外は、実施例1と同様にして、低リン溶鉄を製造した。実施例2~5におけるスラグ設計条件および排滓条件を表1に示す。
(比較例1~5)
比較例1及び比較例4は、スラグ中間排滓を実施しないで、低リン溶鉄を製造した。また、比較例2、3、5はスラグ中間排滓を実施したが、スラグ中間排滓処理時のスラグ組成比を0.25以上0.70以下の範囲外で変化させた以外は、実施例1と同様にして低リン溶鉄を製造した。比較例1~5におけるスラグ設計条件およびスラグ排滓条件を表1に示す。
Figure 0007020601000002
次に、表1に示された実施例1~5、比較例1~5のスラグ設計条件およびスラグ排滓条件に対して、スラグの生成と同時に流出する製鋼電気炉を構成する地金の状況を確認し、鉄の歩留まりの影響を評価した。さらに、出湯リン濃度(質量%)を測定し、石灰原単位(kg/t)との関係を勘案して評価を行い、これらの評価を踏まえた最終評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、表2において、鉄の歩留まり、及び最終評価における〇、△、×の評価基準は以下の通りである。
(鉄の歩留まり)
〇:鉄の歩留まりが向上した。鉄の歩留まりが変化しない。
×:鉄の歩留まりが低下した。
(最終評価)
〇:鉄の歩留まりが低下しなかった場合において
平均出湯リン濃度が0.030質量%以下、かつ石灰原単位10kg/t以下
平均出湯リン濃度が0.015質量%以下、かつ石灰原単位15kg/t以下
△:鉄の歩留まりが低下しなかった場合において
上記〇に記載された平均出湯リン濃度及び石灰原単位の条件に該当しない
×:鉄の歩留まりが低下した場合
Figure 0007020601000003
表1~2に示されるように、第二工程のスラグ中間排滓を行った実施例1~5においては、上記スラグ中間排滓工程を行わなかった比較例1、4と比較して、すべての条件で石灰原単位を抑制することができることが判明した。また、比較例1、4の低リン溶鉄の製造方法において、スラグの中間排滓を行う際に、固体鉄源等の溶解時に生成するスラグのスラグ組成比をCaO/(SiO+Al)値が0.25未満、0.70を超える場合には、スラグの排滓時に製鋼電気炉の地金が流出してしまうことが明らかとなった。一方、実施例1~5の低リン溶鉄の製造方法においては、固体鉄源等の溶解時に生成するスラグのスラグ組成比CaO/(SiO+Al)の値が0.25以上0.70以下であるので、鉄の歩留まりを低下させることなく、石灰原を抑制することができる明らかとなった。
このように、上記実施例では、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に電気炉で低リン溶鉄を製造する例を示した。また、別の観点において、本発明の低リン溶鉄の製造方法により出湯された低リン溶鉄は、溶鉄中の酸素濃度が高い。このため、吸窒しにくくなる。このため、本発明の低リン溶鉄の製造方法は、高純度の溶鉄を得る方法としても有用である。また、この方法で出湯された溶鉄と、別の精錬容器にて溶製した溶鉄とを合わせることで所定の成分濃度の溶鉄を溶製することも有用である。
本発明の低リン溶鉄の製造方法は、溶鉄の低リン化に要する石灰原単位を低減し、効率的に電気炉で低リン溶鉄を製造することができるので、産業上有用である。

Claims (3)

  1. 低リン溶鉄の製造方法において、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを装入し、電気エネルギーを用いてそれら原料を溶解、昇熱する第一工程と、
    溶解時に生成したスラグの一部またはすべてを排滓する第二工程と、
    前記第二工程の後に脱リンフラックスを添加して脱リン処理を行う第三工程と、
    精製した低リン溶鉄を出湯する第四工程を含み、
    前記第二工程で排滓するスラグ組成比C/(S+A)を0.25以上0.70以下の範囲内に調整することを特徴とする低リン溶鉄の製造方法。
    ここで、スラグ組成比C/(S+A)とは、スラグ中の質量基準で、CaO濃度(C)をSiO濃度(S)とAl濃度(A)との和で除したものとする。
  2. 前記第三工程においてスラグ組成比C/(S+A)を0.80以上2.80以下の範囲内に調整することを特徴とする請求項1に記載の低リン溶鉄の製造方法。
  3. 前記第四工程において低リン溶鉄の一部を炉内に残したまま出湯し、固体鉄源と、任意選択的に溶鉄源とを追加装入して、連続的に溶鉄を溶製することを特徴とする請求項1または2に記載の低リン溶鉄の製造方法。
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