JP7020535B1 - 吸着シート及び防護服 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐洗濯性を良好にした吸着シート及び防護服を提供することを目的とする。【解決手段】吸着シート1は、活性炭を用いたガス吸着層2と、ガス吸着層2の両面に積層された2つのシート層3と、を備え、シート層3は、芯地4と、芯地4のガス吸着層2側の面に部分的に設けられる1又は複数の接着部5と、を備え、接着部5は、所定温度で軟化又は溶融して芯地4及びガス吸着層2を接着させる熱接着樹脂を含有する熱接着層50がガス吸着層2側に、前記所定温度で軟化又は溶融しない非接着樹脂を含有する非接着層51が芯地4側に配される2層構造をなしている。【選択図】図3

Description

本発明は、ガス状の物質を吸着する吸着シートに関する。また本発明は、ガス状の物質を吸着する吸着シートを用いた防護服に関し、例えば毒性のある化学物質等の有害物質から人や動物の体を保護するための防護服に関する。
ガス状の有害物質から人体を保護する防護服用の吸着シートとして、活性炭を用いたものが従来から知られている。例えば特許文献1では、2つのシート層及び両シート層の間に設けられるガス吸着層の3層によって構成された吸着シートにおいて、ガス吸着層に粒状の活性炭からなる複数の吸着粒子を用い、接着剤により両シート層が貼り合わされた吸着シートが開示されている。接着剤は、シート層に対してドット状等の部分的かつ非連続的に塗布されており、複数の吸着粒子は接着剤により両シート層の間に固着されている。接着剤が部分的かつ非連続的に塗布されていることで、特許文献1の吸着シートは、良好な柔軟性、通気性を有している。
特許第5714325号公報
この種の防護服は、人体の皮膚に接触して着用されるため、汗等が付着することから、洗濯する頻度が高い。しかし、特許文献1のように部分的かつ非連続的な接着剤により2つのシート層が貼り合わされていると、洗濯を複数回行った場合に、一方のシート層から他方のシート層が剥がれ易いという課題があるうえ、2つのシート層の間から吸着粒子が取れ易いという課題があるが、引用文献1には耐洗濯性に関する記載はない。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、耐洗濯性に優れた吸着シート及び防護服を提供することを目的とする。
本発明の第一態様は、ガス状の物質を吸着する吸着シートに関する。本発明の吸着シートは、活性炭を用いたガス吸着層と、前記ガス吸着層の両面に積層された2つのシート層と、を備え、前記シート層は、芯地と、前記芯地の前記ガス吸着層側の面に部分的に設けられる1又は複数の接着部と、を備え、前記接着部は、所定温度で軟化又は溶融して前記芯地及び前記ガス吸着層を接着させる熱接着樹脂を含有する熱接着層が前記ガス吸着層側に、前記所定温度で軟化又は溶融しない非接着樹脂を含有する非接着層が前記芯地側に配される2層構造をなしている、ことを特徴とする。
本発明の吸着シートにおいて好ましくは、前記ガス吸着層が繊維状活性炭を用いたシート状をなしている、より好ましくは、前記ガス吸着層が編物の形態をなす、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の吸着シートにおいて好ましくは、前記シート層は、前記芯地が織物であり、点状をなす複数の前記接着部が前記芯地の前記ガス吸着層側の面に点在する、ことを特徴とするように構成することができる。
また、本発明の吸着シートにおいて好ましくは、前記熱接着樹脂及び前記非熱接着樹脂は、それぞれ、ポリエチレン樹脂,EVA,ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択され、互いに軟化点又は融点が異なる、ことを特徴とするように構成することができる。
本発明の第二態様は、ガス状の有害物質から人や動物の体を保護する防護服に関する。本発明の防護服は、上述した構成の吸着シートを用いることを特徴とする。
本発明によれば、耐洗濯性に優れかつ通気性や柔軟性が良好な吸着シート及び防護服を提供することができる。
本発明の一実施形態の吸着シートの断面図である。 図1の吸着シートを構成するシート層の一部を示す平面図である。 図1の一部を拡大して示す断面図である。
本発明は、ガス状の物質、例えば皮膚から吸収されて人や動物の体に悪影響を及ぼす毒性の化学物質等の有害物質を吸着して、該ガス状の物質から人や動物を保護することができる吸着シートに関する。本発明の吸着シートは、衣服、手袋、靴下、帽子、マスク、カバー等に用いることができ、例えばガス状の有害物質から作業者を有効に防護できる防護服に好適に用いることができる。
ガス状の有害物質は、特に限定されないが、例えば炭素元素を1つ以上有するとともに、50以上の比較的大きな分子量を有し、活性炭等のガス吸着性物質により吸着可能なものである。その一例としては、農薬、殺虫剤、除草剤等に用いられる有機リン系化合物、塗料等に用いられるトルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の一般的な有機溶剤、軍事用ガス兵器等に用いられる毒ガス等を挙げることができる。
なお、本発明の吸着シートは、ガス状の有害物質を吸着する用途には限定されない。例えば人間やペットから発せられる臭いを吸着する用途にも適用可能であり、例えば、おなら消臭パンツ等の消臭下着や、ペットベッド等のペット用品に用いることもできる。
以下、本発明の吸着シートの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
吸着シートの構造
図1は、本実施形態の吸着シート1の断面構造を示している。吸着シート1は、ガス吸着層2と、ガス吸着層2の両面に積層された2つのシート層3とを備える。ガス吸着層2と2つのシート層3とは、接着剤により接着される。
ガス吸着層
ガス吸着層2は、ガス状の物質を吸着する。ガス吸着層2は、活性炭を用いて構成されている。活性炭は、粒体や粉体等の粒子状を呈していてもよいし、繊維状を呈していてもよい。活性炭が粒子状の場合には、複数の粒子状の活性炭でガス吸着層2を構成する。活性炭が繊維状の場合には、ガス吸着層2は繊維状活性炭(活性炭素繊維)を用いたシート状をなしている。活性炭は、様々な種類のガス状の物質を吸着でき、吸着後もその性質が変化することが少ない。また、繊維状活性炭は、外表面積や比表面積が大きいため、ガス状の物質の吸脱着速度や吸着容量が大きく、少量の使用でもガス状の物質がガス吸着層2を透過するのを効果的に抑制できる。加えて、繊維状活性炭は軽いため、吸着シート1により防護服に仕立てたときに、着用者の作業を妨げないため好適である。
繊維状活性炭の比表面積は、特に限定されないが、BET比表面積で800m/g以上3000m/g以下が好ましく、1000m/g以上1800m/g以下がさらに好ましい。BET比表面積が上記範囲にあることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる繊維状活性炭の使用量を低減できるので、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、軽さ、柔軟性をバランスよく良好にでき、かつ、取り扱い性を向上できる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
繊維状活性炭の平均細孔寸法は、特に限定されないが、50Å以下が好ましく、20Å以下がさらに好ましい。平均細孔寸法が上記範囲にあることで、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、吸着したガス状の物質の脱離を良好に抑制することができる。
繊維状活性炭の細孔容積は、特に限定されないが、0.1cc/g以上1.0cc/g以下が好ましく、0.3cc/g以上0.7cc/g以下がさらに好ましい。細孔容積が上記範囲にあることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる繊維状活性炭の使用量を低減できるので、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
繊維状活性炭を用いたシート状のガス吸着層2を製造する方法としては、従来から公知の方法で製造することができる。例えば、特に限定されないが、繊維状活性炭の前駆体繊維を用いて製織、製編、不織布化等した布帛を、必要に応じて当該布帛に耐炎化剤を含有させた後、450℃以下の温度で耐炎化処理を施し、次いで350℃以上1000℃以下の温度の不活性雰囲気で繊維を炭化し、500℃以上1000℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素等を含む活性な雰囲気下で賦活し活性炭化する。なお、場合によっては、雰囲気条件を制御することにより500℃以上1000℃以下の温度で炭化と賦活を同時に行うこともできる。これにより、繊維状活性炭を用いたシート状のガス吸着層2を製造することができる。
前駆体繊維としては、例えば、綿、麻等の天然セルロース繊維;レーヨン、ポリノジック等の再生セルロース繊維;ポリビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、リグニン繊維、フェノール系繊維、石油ピッチ繊維等の合成繊維を例示することができる。その中でも、繊維状活性炭の物性(強度等)や吸着性能に優れることから、再生セルロース繊維、アクリル系繊維、フェノール系繊維を用いることが好ましい。なお、前駆体繊維の繊維長は特に限定されず、短繊維、長繊維のいずれも用いることができる。また、前駆体繊維の糸条としては、ステープルから得られる紡績糸又はフィラメント糸のいずれであってもよく、また両者を混合した混繊糸でもよい。
前駆体繊維の単繊維繊度は、特に限定されないが、1.1dtex以上5.5dtex以下が好ましい。前駆体繊維を撚り合わせた糸条の繊度は、特に限定されないが、197dtex以上885dtex以下が好ましく、295dtex以上590dtex以下がより好ましい。糸条の繊度等が上記範囲にあることで、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、耐久性、通気性、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。なお、繊維状活性炭の繊度も、焼成に伴い収縮することにより多少太くなるが同程度である。
繊維状活性炭(活性炭素繊維)を用いたシート状のガス吸着層2は、通気性、柔軟性、伸縮性を有しており、例えば織物、編物、不織布、フェルト等の形態をなすことができる。その中でも、ガス吸着層2の通気性、柔軟性、伸縮性を良好にし、ガス吸着層2を薄地化し、シート層3へのガス吸着層2の積層を容易にする観点から織物、編物が好ましく、通気性、柔軟性、伸縮性を良好にする観点から編物がさらに好ましい。
編物の場合、その組織構造は、フライス編(ゴム編)、天竺編(平編)、両面編(パール編)に分類されるニットの他、タック、ウェルトも含む緯編(よこあみ)、ラッセル編、トリコット編等を含む経編(たてあみ)、またこれらを複合した編物を挙げることができるが、特に限定されるものではない。なお、その中でも、ガス吸着層2の通気性、柔軟性、伸縮性、軽さを良好にする観点からフライス編又はラッセル編が好ましい。
繊維状活性炭(活性炭素繊維)を用いたシート状のガス吸着層2の厚みは、特に限定されないが、0.3mm以上3.0mm以下が好ましく、0.5mm以上1.5mm以下がさらに好ましい。厚みが上記範囲にあることで、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、ガス吸着層2の通気性、軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
繊維状活性炭(活性炭素繊維)を用いたシート状のガス吸着層2の目付は、特に限定されないが、50g/m以上250g/m以下が好ましく、60g/m以上200g/m以下がさらに好ましい。目付が上記範囲にあることで、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、ガス吸着層2の通気性、軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
繊維状活性炭(活性炭素繊維)を用いたシート状のガス吸着層2の通気度は、特に限定されないが、100cm/cm・s以上5000cm/cm・s以下が好ましく、200cm/cm・s以上500cm/cm・s以下がさらに好ましい。通気度が上記範囲であることで、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、ガス吸着層2の通気性、軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
繊維状活性炭(活性炭素繊維)を用いたシート状のガス吸着層2の吸着能力は、JIS K1477(2007)「繊維状活性炭試験方法」の7.8項に記載のトルエン吸着性能で20g/m以上80g/m以下が好ましく、25g/m以上60g/m以下がさらに好ましい。トルエン吸着性能が上記範囲にあることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる繊維状活性炭の使用量を低減できるので、ガス吸着層2の吸着性能を良好にできるうえで、ガス吸着層2を軽量化できる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
ガス吸着層2に粒子状の活性炭を用いた場合、活性炭の平均粒径は、特に限定されないが、100μm以上3000μm以下が好ましく、170μm以上1000μm以下がさらに好ましい。平均粒径が上記範囲であることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる活性炭の使用量を低減できる。そのため、ガス吸着層2の吸着性能を良好にしたうえで、吸着シート1の通気性を良好にできかつ吸着シート1を軽量化できる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。加えて、二つのシート層3,4の間から活性炭が漏出することを抑制できる。
活性炭の比表面積は、特に限定されないが、BET比表面積で500m/g以上2000m/g以下が好ましく、600m/g以上1800m/g以下がさらに好ましい。BET比表面積が上記範囲にあることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる活性炭の使用量を低減できる。そのため、ガス吸着層2の吸着性能を良好にしたうえで、吸着シート1の通気性を良好にでき、かつ吸着シート1の軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。加えて、吸着したガス状の物質の脱離を良好に抑制することができるうえ、活性炭の製造を容易にすることができる。
活性炭の平均細孔径は、特に限定されないが、1.0nm以上5.0nm以下が好ましく、1.5nm以上3.0nm以下がさらに好ましい。平均細孔径が上記範囲にあることで、ガス吸着層2の吸着性能を良好にしたうえで、吸着したガス状の物質の脱離を良好に抑制することができる。
活性炭の細孔容積は、特に限定されないが、0.05cm/g以上1.0cm/g以下が好ましく、0.1cm/g以上がさらに好ましい。細孔容積が上記範囲にあることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる活性炭の使用量を低減できる。そのため、ガス吸着層2の吸着性能を良好にしたうえで、吸着シート1の通気性を良好にでき、かつ吸着シート1の軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。加えて、吸着したガス状の物質の活性炭からの脱離を抑制することができるうえ、活性炭の製造を容易にすることができる。
活性炭の使用量は、特に限定されないが、単位面積あたりの質量で50g/m以上250g/m以下が好ましく、60g/m以上200g/m以下がさらに好ましい。使用量が上記範囲にあることで、ガス吸着層2で吸着できるガス状の物質の容量を十分に確保することができる。そのため、ガス吸着層2による吸着時間を長くしたうえで、吸着シート1を軽量化できる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
活性炭のガス状の物質の吸着能力は、特に限定されないが、JIS K1477(2007)「繊維状活性炭試験方法」の7.8項に記載のトルエン吸着性能で、10g/m以上100g/m以下が好ましく、15g/m以上80g/m以下がさらに好ましい。トルエン吸着性能が上記範囲にあることで、ガス吸着層2が十分な吸着性能を発揮するのに用いる活性炭の使用量を低減できる。そのため、ガス吸着層2の吸着性能を良好にしたうえで、吸着シート1の通気性を良好にできかつ吸着シート1の軽さ、柔軟性をバランスよく良好にできる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
粒状活性炭を用いたガス吸着層2は、例えば複数の粒状の活性炭を接着剤に均一に混合してシート層3に塗布する方法、複数の活性炭を適当なパルプ及びバインダーを含めスラリー状とした後に湿式抄紙機により抄造する方法などにより形成することができる。
接着剤に複数の粒状の活性炭を混合させてシート層3に塗布する場合、接着剤の配合量は、特に限定されないが、接着剤と活性炭の混合物100質量部に対して10質量部以上30質量部以下であることが好ましく、15質量部以上25質量部以下であることがさらに好ましい。接着剤の配合量が上記範囲であることで、二つのシート層3の接着強度、二つのシート層3の間からの活性炭の脱離量、吸着シート1の伸縮性、二つのシート層3の間からの接着剤の抜け、接着剤による活性炭への悪影響(細孔閉塞)、などをバランスよく良好にすることができる。
シート層
シート層3は、ガス吸着層2を保護する。シート層3はガス吸着層2の両面にそれぞれ積層されている。シート層3は、芯地4と、芯地4のガス吸着層2側の面に部分的に設けられた1又は複数の接着部5とを備えている。
シート層3の厚みは、特に限定されないが、0.2mm以上0.5mm以下が好ましく、0.2mm以上0.4mm以下がさらに好ましい。厚みが上記範囲にあることで、シート層3の強度、柔軟性を良好にしたうえで、シート層3を軽量化し、吸着シート1のごわつきを抑制できる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
芯地
芯地4は、通気性、柔軟性、伸縮性を有し、例えば織物、編物、不織布等で構成することができる。その中でも、芯地4の通気性、柔軟性、伸縮性を良好にする観点から織物、編物が好ましく、耐久性を良好にする観点から織物がさらに好ましい。
芯地4を織物とする場合、織物の糸の太さは特に限定されないが、繊度で10dtex以上70dtex以下が好ましく、18dtex以上56dtex以下がさらに好ましい。糸の太さが上記範囲にあることで、芯地4の耐久性、通気性、柔軟性を良好にすることができる。
織物の場合、その組織構造は、平織り、綾織り(斜文織り)、朱子織り等の一重組織の他、重ね組織、添毛組織、からみ組織等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。なお、その中でも、芯地4の耐久性、通気性を良好にするとともに芯地4を薄地化・軽量化する観点から、図2に示す経糸40及び緯糸41が交互に交差された状態で織られた平織りが好ましい。
織物の場合、糸の密度は特に限定されないが、1インチ(2.54cm)あたりで経糸40の本数は30本以上115本が好ましく、緯糸41の本数は40本以上80本以下が好ましい。糸の密度が上記範囲にあることで、芯地4の通気性、軽さ、柔軟性を良好にすることができる。
芯地4の原料繊維としては、特に限定されないが、綿、麻、毛、絹等の天然繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ、レヨセル等の再生セルロース繊維;アセテート繊維、トリアセテート繊維等の半合成繊維;ナイロン6、ナイロン66、アラミド繊維等のポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維、ポリアリレート等のポリエステル繊維;ポリアクリロニトリル繊維、ポリアクリロニトリル-塩化ビニル共重合体繊維、モダクリル繊維等のアクリル繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維;ビニロン繊維、ポリビニルアルコール繊維等のポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニル繊維、ビニリデン繊維、ポリクラール繊維等のポリ塩化ビニル系繊維;ポリウレタン繊維等の合成繊維;ポリフェニレンスルフィド繊維;ポリベンザゾール繊維(PBZ)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維、ポリイミド繊維等の複素環高分子繊維;ポリカーボネート繊維;ポリスルホン繊維;ポリエチレンオキサイド繊維、ポリプロピレンオキサイド繊維等のポリエーテル系繊維等を好ましく挙げることができる。その中でも、芯地4の伸縮性を良好にする観点から綿、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維が好ましく、通気性を良好にする観点から綿がさらに好ましい。これらの繊維は、複数種を混紡・混綿して使用してもよく、例えば綿等の天然繊維にナイロン6、ナイロン66、アラミド繊維等のポリアミド繊維を混紡・混繊することで、シート層3,4の強度を向上することができる。
芯地4の目付は、特に限定されないが、20g/m以上80g/m以下が好ましく、30g/m以上70g/m以下がさらに好ましい。目付が上記範囲にあることで、芯地4の強度、柔軟性を良好にしたうえで、芯地4を軽量化できる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
芯地4の通気度は、特に限定されないが、200cm/cm・s以上700cm/cm・s以下が好ましく、300cm/cm・s以上700cm/cm・s以下がさらに好ましい。通気度が上記範囲であることで、芯地4の強度、通気性を良好にすることができる。よって、吸着シート1を防護服に適用した場合に着用感を向上することができる。
接着部
接着部5は、芯地4の片面(ガス吸着層2側の面)に部分的に設けられ、芯地4の片面の全域に設けられていない。本実施形態では、複数の接着部5が芯地4の片面に非連続で設けられ、これにより、図2に示すように、複数の接着部5が芯地4の片面に散らばって存在し、複数の接着部5が独立していて互いに間隔をあけて配置されている。複数の接着部5が芯地4の片面の全域ではなく部分的にかつ非連続で設けられていることで、芯地4の柔軟性や伸縮性、通気性を良好にすることができる。また、ガス吸着層2に芯地4を貼りあわせた際に接着剤によりガス吸着層2の活性炭の細孔が閉塞することを抑制でき、ガス吸着層2の吸着性能を阻害することを抑制できる。
本実施形態では、複数の接着部5は、点状をなしており、芯地4の片面に、例えば格子配列や千鳥配列、波形配列等のように規則正しく点在していてもよいし、不規則に点在していてもよいが、規則正しく点在していることで、芯地4とガス吸着層2とを全体に渡ってほぼ均一な接着力で貼り合せることができる。接着部5の平面視形状は特に限定されず、本実施形態では円形状であるが、楕円形状、三角形や四角形等の多角形状、その他の形状であってもよい。
複数の接着部5を形成するための接着剤の塗布量は、芯地4をガス吸着層2に良好な接着力で貼り合せることができるとともに、接着剤のコスト面での無駄を防止できる量であれば、特に限定されないが、3g/m以上20g/m以下が好ましく、5g/m以上10g/m以下がさらに好ましい。接着剤の塗布量が上記範囲にあることで、芯地4をガス吸着層2に良好な接着力で貼り合せることができるとともに、接着剤のコスト面での無駄を防止できる。また、接着部5の密度は、特に限定されないが、2.54cm×2.54cmの単位面積あたりで、200個以上1300個以下が好ましく、300個以上1200個以下がさらに好ましい。接着部5の密度が上記範囲にあることで、接着部5のサイズを適度な大きさにできるため、芯地4をガス吸着層2に貼り合せる際に接着剤が芯地4から滲み出るのを抑制できるとともに、芯地4の柔軟性を良好にすることができる。
接着部5は、図3に示すように、芯地4とガス吸着層2の接着に主に寄与する熱接着層50と、芯地4とガス吸着層2の接着に主に寄与しない非接着層51との2層構造をなす、いわゆるダブルスポット構造を呈している。接着部5は、熱接着層50がガス吸着層2側、非接着層51が芯地4側の上下2層に配される。ダブルスポット構造の接着部5の芯地4への形成方法としては、公知のダブルスポットコーティング法を用いることができる。
熱接着層50は、所定温度で軟化又は溶融して芯地4及びガス吸着層2を接着させる熱接着樹脂を主成分として含有する。熱接着層50に含まれる他の成分は特に限定されない。熱接着樹脂としては軟化点又は融点まで加熱すると柔らかくなる熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂を好ましく挙げることができる。前記所定温度は、熱接着樹脂に用いられる熱可塑性樹脂の種類により異なる。
非接着層51は、前記所定温度では軟化又は溶融しない非接着樹脂を主成分として含有する。非接着層51に含まれる他の成分は特に限定されない。非接着樹脂は、熱接着樹脂と比べて熱流動性の小さいものであり、例えば上述の熱可塑性樹脂であって熱接着樹脂よりも軟化点又は融点が高いものを非接着樹脂として用いることができる。あるいは、加熱することにより架橋するアクリル樹脂やポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を非接着樹脂として用いることができる。
接着部5が熱接着層50及び非接着層51による2層構造をなしているため、シート層3は、芯地4がガス吸着層2との熱圧着によりガス吸着層2に貼り合わされる際に、接着部5の所定温度で軟化又は溶融しない非接着層51が押台の作用をして所定温度で軟化又は溶融する熱接着層50がガス吸着層2の表面繊維間や毛羽に浸透して芯地4とガス吸着層2を接着するので、芯地4をガス吸着層2に高い接着力で貼り合せることができる。これにより、芯地4がガス吸着層2に全面接着されていなくても、吸着シート1の使用時や洗濯時に芯地4がガス吸着層2から剥離することを効果的に抑制できる。
そのうえ、芯地4とガス吸着層2との間に非接着層51が存在することにより空隙を生じさせるため、吸着シート1が柔軟な風合いになるとともに、繊維状活性炭を用いたシート状のガス吸着層2の伸縮性に対して接着部5がクッションの役割を果たすため、ガス吸着層2と芯地4とで伸縮性に違いがあっても、伸縮性の違いにより両者の界面でガス吸着層2がダメージを受けることを抑制できる。よって、吸着シート1の使用時や洗濯時の吸着シート1の伸び縮みでガス吸着層2が破れることを抑制できる。さらに、軟化又は溶融した熱接着層50の熱接着樹脂が芯地4を通過して反対側にまで染み出すのを非接着層51により防止することができる。
接着部5を構成する各層に用いる熱接着樹脂及び非接着樹脂の具体例としては、特に限定されないが、芯地4側の非接着層51(非接着樹脂)にポリアミド樹脂を用いるとともにガス吸着層2側の熱接着層50(熱接着樹脂)により低い融点のポリエチレン樹脂を用いる例、芯地4側の非接着層51(非接着樹脂)にポリエステル樹脂を用いるとともにガス吸着層2側の熱接着層50(熱接着樹脂)により低い融点のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いる例、芯地4側の非接着層(非接着樹脂)にアクリル樹脂を用いるとともにガス吸着層2側の熱接着層50(熱接着樹脂)にアクリル樹脂の軟化点より低い融点(アクリル樹脂よりも低ガラス転移点)のポリアミド樹脂を用いる例、を好ましく挙げることができる。これらの具体例では、風合い、柔軟性、接着力を良好にすることができる。
吸着シートの作用・効果
上述した構成の本実施形態の吸着シート1によれば、シート層3の芯地4とガス吸着層2とを貼り合せる接着部5が熱接着層50及び非接着層51による2層構造をなしていて、所定温度で軟化又は溶融する熱接着層50がガス吸着層2の表面繊維間や毛羽に浸透して融着する。よって、芯地4をガス吸着層2に高い接着力で貼り合せることができるため、吸着シート1は、複数回洗濯しても、芯地4がガス吸着層2から剥離することを抑制できる。
このように、本実施形態の吸着シート1によれば、例えば防護服等の使用後の洗濯頻度が高い用途に用いられる場合に、複数回洗濯しても、高い吸着性能を発揮し続けかつ破損せずに高い耐久性を有するので、耐洗濯性に優れており、防護服等を繰り返し長期間使用することができる。
また、本実施形態の吸着シート1によれば、シート層3の芯地4とガス吸着層2とを貼り合せる接着部5が熱接着層50及び非接着層51による2層構造をなしていて、芯地4とガス吸着層2との間に所定温度で軟化又は溶融しない非接着層51が存在することにより空隙が生じる。そのため、吸着シート1を柔軟な風合いにできるとともに、繊維状活性炭を用いたシート状のガス吸着層2の伸縮性に対して接着部5がクッションの役割を果たすため、ガス吸着層2及び芯地4の伸縮性の違いにより両者の界面でガス吸着層2がダメージを受けることを抑制できる。よって、吸着シート1の使用時や洗濯時の吸着シート1の伸び縮みでガス吸着層2が破れることを抑制できる。さらに、軟化又は溶融した熱接着層50の熱接着樹脂が芯地4を通過して反対側にまで染み出すのを非接着層51により防止することができる。
また、本実施形態の吸着シート1によれば、ガス吸着層2が繊維状活性炭を用いたシート状をなしている。このようにガス状の物質を吸着する活性炭として、高い吸着性能を有する繊維状活性炭を用いかつシート化してシート層3に接着しているので、ガス吸着層2に粒状活性炭を用いた場合よりも、シート層3から活性炭が脱離することを抑制できうえ、芯地4をガス吸着層2に高い接着力で貼り合せることができる。よって、吸着シート1は、複数回洗濯しても、活性炭が吸着シート1に効果的に残存することにより吸着シート1の吸着性能が低下することを抑制でき、その吸着性能を維持することができるとともに、芯地4がガス吸着層2から剥離することを抑制できる。
また、本実施形態の吸着シート1によれば、繊維状活性炭は軽いため、吸着シート1を軽量化できる。よって、吸着シート1を防護服等に適用した場合に着用感を向上することができる。
また、本実施形態の吸着シート1によれば、シート層3において、接着部5は芯地4のガス吸着層2側の面に互いに間隔をあけて配置されており、芯地4はその全面が接着剤で覆われていない。よって、芯地4の柔軟性や伸縮性、通気性を良好にすることができる。また、芯地4に貼り合わされるガス吸着層2の活性炭の細孔が接着剤により閉塞することを抑制できるため、ガス吸着層2の吸着性能を阻害しない。よって、吸着シート1は、高いガス不透過性を有するうえで、通気性、柔軟性、伸縮性が良好となるため、吸着シート1を防護服等に適用した場合に着用感を向上することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は、例示であって制限的なものではないため、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものであり、よって、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態では、複数の接着部5は点状でかつ芯地4の片面にドット模様をなして点在しているが、複数の接着部5が芯地4の片面の全域ではなく部分的にかつ非連続で設けられていれば、接着部5の形状は特に限定されない。例えば、複数の接着部5は帯状でかつ芯地4の片面にストライプ模様をなすよう互いに間隔をあけて並行に延びるように存在していてもよい。さらに、接着部5は芯地4の片面に部分的に設けられていれば、複数が非連続に存在、すなわち散らばって存在している必要はなく、例えば格子状やスパイラル状などを呈する1つの連続した接着部5が芯地4の片面に部分的に設けられていてもよい。
また、上述の実施形態では、ガス吸着層2の数が1つであり、ガス吸着層2を保護するシート層3の数はガス吸着層2の両面にそれぞれ1つずつ必要であるが、吸着シート1の機械的強度の向上を目的としたり、吸着対象のガス状の物質が多量である場合等は、ガス吸着層2やシート層3をそれぞれ増やすことができる。
また、上記実施形態において、シート層3の芯地4に対して各種の加工を施すことができる。加工としては、例えば、毛焼加工、糊抜加工、精練加工、漂白加工、シルケット加工、染色・ソーピング処理、撥水処理、撥油処理、防火加工等が挙げられる。これらの加工を複数実施することも可能である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<吸着シートの作製>
実施例1及び比較例1,3では、ノボラック系フェノール樹脂繊維からなる、質量90g/m・BET比表面積1450m/g・厚さ0.9mmの編物状の繊維状活性炭をガス吸着層とした。実施例2及び比較例2では、BET比表面積950m/gの粒状活性炭(大阪ガスケミカル株式会社製の活性炭「粒状白鷺W5C20/42」)と、この粒状活性炭に対して20重量%の粒状ポリウレタン樹脂(東京インキ株式会社製のU-240Z)との混合物125g/mを厚さ0.3mmにしてガス吸着層とした。各実施例及び各比較例のトルエン吸着性能は44~45g/mであった。各実施例及び各比較例ともに、芯地には、質量30g/m・厚さ0.2mmのポリエステル平織物(東海サーモ株式会社製)を1枚使用した。実施例では、芯地に、非接着樹脂にアクリル樹脂を熱接着樹脂にポリアミド樹脂を用いた接着部をダブルスポットコーティング法でドット状に付与した後、ガス吸着層を貼り合わせて加熱ローラで熱圧着することで吸着シートを作製した。比較例1では、芯地に、接着部としてポリアミド樹脂をパウダードットコーティング法でドット状に付与した後、ガス吸着層を貼り合わせて加熱ローラで圧着することで吸着シートを作製した。比較例2では、芯地に、接着層としてポリアミド樹脂をパウダードットコーティング法でドット状に付与した後、ガス吸着層を貼り合わせて加熱ローラで熱圧着することで吸着シートを作製した。比較例3では、芯地に、接着部としてポリアミド樹脂系の不織布状熱可塑性接着剤を全面に付与した後、ガス吸着層を貼り合わせて加熱ローラで熱圧着することで吸着シートを作製した。
<洗濯試験>
JIS-L-1930 繊維製品の家庭洗濯試験方法 付属書F C形基準洗濯機(パルセーター式)の洗濯方法仕様書に記載の方法No. C3Mに準拠して洗濯試験を実施した。洗濯機はSHARP ES-S75を使用し、水量は36L、洗剤は花王「アタック高活性バイオEX」を0.67g/L(24.12g/36L)濃度で使用し、浴比1:20とした。吸着シートの大きさは縦300mm、横300mmとし、4辺を弾性接着剤で固定し、さらに4辺を縁から25mmの位置で高密度布帛(ポリエステル糸22dTex、たて65本/inch、よこ44本/in,ch質量45g/m、厚み0.2mm)でパイピング処理し、縁部からの活性炭脱落を防止した。さらに、上記吸着シートを白色のスパンボンド不織布(ポリエステル、質量30g/m)で作製した袋(縦300mm強、横300mm強)に入れ、袋の開口部は二重に折り返して弾性接着剤で固定及びミシン掛けして封入した。この状態で洗濯試験を実施した。
<洗濯試験前後の活性炭脱落性の評価方法>
洗濯試験前及び洗濯試験後の吸着シートについて、吸着シートの芯地を抜け出て不織布(袋)に付着した活性炭の量を目視で確認した。○は「非常に少ない」、△は「少ない」、×は「多い」を意味する。
<洗濯前後の剥離強度の評価方法>
洗濯試験前及び洗濯試験後の吸着シートについて、芯地とガス吸着層との接着剤を介した界面での剥離強度を、JIS-L-1086に準拠し、縦方向と横方向の両方向において測定した。
<洗濯試験前後の風合いの評価方法>
洗濯試験前及び洗濯試験後の吸着シートについて、5人のモニターによる感触評価により以下の基準で風合(柔軟性、伸縮性)を評価した。○は「非常に優れる」、△は「優れる」、×は「劣る」を意味する。
各評価の結果を表1に示す。実施例1,2と比較例1,2とを対比すれば、シート層の芯地とガス吸着層とを貼り合せる接着部が熱接着層及び非接着層による2層構造をなしていることで、芯地をガス吸着層に高い接着力で貼り合せることができ、複数回洗濯しても、芯地がガス吸着層から剥離することを抑制できることが確認された。加えて、吸着シートの柔軟性や伸縮性を良好にできることが確認された。また、実施例1と実施例2とを対比すれば、ガス吸着層が繊維状活性炭を用いたシート状をなしていることで、ガス吸着層に粒状活性炭を用いた場合よりも、芯地をガス吸着層に高い接着力で貼り合せることができ、複数回洗濯しても、芯地がガス吸着層から剥離することを抑制できることが確認された。また、実施例1,2と比較例3とを対比すれば、接着部が芯地のガス吸着層側の面に互いに間隔をあけて配置されており、芯地はその全面が接着剤で覆われていないことで、吸着シートの柔軟性や伸縮性を良好にできることが確認された。
Figure 0007020535000002
1 吸着シート
2 ガス吸着層
3 シート層
4 芯地
5 接着部
50 熱接着層
51 非接着層

Claims (6)

  1. 活性炭を用いたガス吸着層と、前記ガス吸着層の両面に熱圧着により積層された2つのシート層と、を備え、
    前記シート層は、芯地と、前記芯地の前記ガス吸着層側の面に部分的に設けられる1又は複数の接着部と、を備え、
    前記接着部は、所定温度で軟化又は溶融して前記芯地及び前記ガス吸着層を接着させる熱接着樹脂を含有する熱接着層が前記ガス吸着層側に、前記所定温度で軟化又は溶融しない非接着樹脂を含有する非接着層が前記芯地側に配される2層構造をなしている、吸着シート。
  2. 前記芯地の糸の太さが繊度で10dtex以上70dtex以下である、請求項1に記載の吸着シート。
  3. 前記ガス吸着層は、繊維状活性炭を用いたシート状をなしている、請求項1又は2に記載の吸着シート。
  4. 前記シート層は、前記芯地が織物であり、点状をなす複数の前記接着部が前記芯地の前記ガス吸着層側の面に点在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸着シート。
  5. 前記熱接着樹脂及び前記非熱接着樹脂は、それぞれ、ポリエチレン樹脂,EVA,ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択され、互いに軟化点又は融点が異なる、請求項1~のいずれか一項に記載の吸着シート。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の吸着シートを用いた防護服。
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