JP7018898B2 - 固形ワックス組成物及び固形油性化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた硬度調整作用を有し、各種化粧料に対して固形剤として用いることができる固形ワックス組成物、及び当該固形ワックス組成物を配合した固形油性化粧料に関する。
本願は、2016年12月27日に、日本に出願された特願2016-253000号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
口紅に代表される油性固形化粧料は、配合するワックス量を増減させることにより、所望の硬度に調整できる。中でも、硬度を高めるために、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックスがよく用いられている。これらのワックスは、少量を配合することにより所望の硬度を達成できるものの、使用時に滑らかに崩れず、また液油が油染みをしてしまうため、使用感の悪化や化粧崩れを起こしやすい。
そこで、使用時の油染みを抑制するために、液油に、オイル固化能が高い直鎖状の炭化水素ワックスと側鎖を有する炭化水素ワックスとを併用配合することが示されている(非特許文献1)。しかしながら、側鎖を有する炭化水素ワックスは、結晶性が低く、このため、側鎖を有する炭化水素ワックスを配合した油性固形化粧料は、保存安定性が不良となることや、使用感が悪くなることもあった。
柴田雅史、FRAGRANCE JOURNAL、2012年1月15日、第40巻、第1号、第59~64ページ。
本発明の目的は、優れた硬度調整作用を有し、各種化粧料に対して固形剤として用いることができ、かつこの組成物を配合した化粧料に、優れた保型性、使用時の油染み抑制効果、良好な使用感、及び保存安定性を付与することができる固形ワックス組成物、並びに該組成物を配合した油性固形化粧料を提供することにある。
本発明者らは、キャンデリラワックスと特定の構造を有するモノエステルとを特定の割合で組み合わせた固形ワックス組成物であれば、液油と混合した場合に、優れた保型性と、使用時の油染み抑制効果、良好な使用感、保存安定性を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る固形ワックス組成物及び固形油性化粧料は、下記[1]~[5]である。
[1] 成分(A):キャンデリラワックスと、成分(B):総炭素数40~48のモノエステルとを含有する固形ワックス組成物であり、該固形ワックス組成物中の成分(A)と成分(B)の質量比が、成分(A):成分(B)=45:55~95:5であり、前記モノエステルが、一価脂肪酸と一価アルコールのモノエステルである、固形ワックス組成物。
[2] 前記成分(B)のモノエステルが、炭素数18~22の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステル、及び水添ホホバ油からなる群より選択される1種又は2種以上である、前記[1]の固形ワックス組成物。
[3] 前記炭素数18~22の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルが、ベヘン酸ベヘニルである、前記[2]の固形ワックス組成物。
[4] 組成物全体に対する、前記成分(A)と前記成分(B)の含有量の和の割合が、90質量%以上である、前記[1]~[3]のいずれかの固形ワックス組成物。
[5] 成分(A):キャンデリラワックスと、成分(B):総炭素数40~48のモノエステルとを含有する固形化粧料であり、該固形化粧料中の成分(A)と成分(B)の質量比が、成分(A):成分(B)=45:55~95:5であり、前記モノエステルが、一価脂肪酸と一価アルコールのモノエステルである、固形油性化粧料。
本発明に係る固形ワックス組成物は、優れた硬度調整作用を有し、各種化粧料に対して固形剤として用いることができ、かつ配合した化粧料に、優れた保型性、油染み抑制効果、良好な使用感、及び保存安定性を付与することができる。このため、当該固形ワックス組成物は、固形油性化粧料の原料として、特にスティック状の口紅等の原料として、好適である。
また、本発明に係る固形油性化粧料は、液油と共に、キャンデリラワックスと特定の構造を有するモノエステルとを、特定の割合で含有していることにより、保型性と保存安定性に優れており、油染みが抑制されており、使用感が良好な化粧料である。
以下、本発明の実施態様について具体的に説明する。
本発明及び本願明細書において、特段の記載のない「モノエステル」は、一価脂肪酸と一価アルコールとのエステル化合物を意味する。
<固形ワックス組成物>
本発明に係る固形ワックス組成物は、成分(A)としてキャンデリラワックスを、成分(B)として総炭素数40~48のモノエステルを、含有する。なお、本発明及び本願明細書において、「固形ワックス組成物」とは、ワックスを主成分とする組成物であって、常温(20℃)で固形の組成物を意味する。
キャンデリラワックスとは、中南米の高原に自生するトウダイグサ科のキャンデリラ草(タカトウダイ草:Euphorbia cerifera AIcocer)から採取されたワックスである。成分(A)のキャンデリラワックスとしては、キャンデリラ草から採取されたワックスであれば特に限定されるものではなく、従来既知のものを使用することができる。例えば、天日で乾燥させたキャンデリラ草から融出法で抽出されたワックスから夾雑物を除いた粗精製品をさらに精製したものを、成分(A)のキャンデリラワックスとして使用することができる。粗精製品に対する精製処理は、例えば、樹脂分の除去、脱色、又は脱臭等が挙げられ、これらを組み合わせて行うこともできる。キャンデリラワックスの組成は、一般的に、炭素数42~56のロウエステルが24~30質量%、炭素数20~35の遊離脂肪酸が10~20質量%、炭素数26~34の遊離アルコールが10~15質量%、及び炭素数28~33の炭化水素が40~50質量%である。本発明において使用される成分(A)としては、例えば医薬部外品原料規格2006に記載されている「キャンデリラロウ(Candelilla Wax)」が好適である。
なお、一般に入手可能なキャンデリラワックスの多くは、成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルを1質量%程度含有しているが、その量は微量であるため、本発明の効果への影響はほとんどなく、無視できる。したがって、本発明及び本願明細書では、成分(A)のキャンデリラワックス中の原料由来の微量の総炭素数40~48のモノエステルは、成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルには含まれないものとして取り扱う。そして、原料由来の微量の総炭素数40~48のモノエステルを含むキャンデリラワックスを、成分(A)のキャンデリラワックスとして取り扱う。
成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルの原料となる一価脂肪酸と一価アルコールは、エステル化により総炭素数40~48のモノエステルが得られるものであれば特に限定されるものではない。
成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルとしては、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸(ペンタデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、リグノセリン酸(テトラコサン酸)、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、又はトリアコンタン酸と、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール(オクタデカノール)、ノナデシルアルコール(ノナデカノール)、アラキジルアルコール(エイコサニルアルコール)、ヘニコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ベヘニルアルコール(ドコサニルアルコール)、トリコサニルアルコール、リグノセリルアルコール(テトラコサニルアルコール)、ペンタコサニルアルコール、ヘキサコサニルアルコール、ヘプタコサニルアルコール、オクタコサニルアルコール、ノナコサニルアルコール、トリアコンタニルアルコール、ヘントリアコンタニルアルコール、又はドトリアコンタニルアルコールとのエステル化により得られるモノエステルが好ましい。
本発明において用いられる成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルとしては、より高い保型性改善効果と油染み抑制効果が得られることから、一価の直鎖飽和脂肪酸と一価の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルが好ましく、炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルがより好ましい。炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルとしては、具体的には、ステアリン酸ベヘニル、エイコサン酸アラキジル、エイコサン酸ヘニコシル、エイコサン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ノナデカニル、ベヘン酸アラキジル、ベヘン酸ヘニコシル、及びベヘン酸ベヘニルが挙げられる。
本発明に係る固形ワックス組成物に含有させる成分(B)のモノエステルとしては、化学合成品であってもよく、植物や微生物等の天然物から採取された油分やこれを改変処理したものに含まれる総炭素数40~48のモノエステルであってもよい。
成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルは、一価脂肪酸と一価アルコールを従来既知の方法でエステル化することにより合成することができる。例えば、一価脂肪酸と一価アルコールとをモル比1:1で反応容器に入れ、不活性ガス雰囲気下、160~250℃で加熱し、生成する水を除去しながら反応させる。このとき、触媒は、使用してもよく、使用しなくてもよい。反応後、得られた反応物から、必要に応じて未反応の脂肪酸やアルコールを除去する。触媒を使用した場合は、触媒も除去する。必要に応じて当該反応物に対して脱色、脱臭などの精製を行い、モノエステルを得る。
本発明に係る固形ワックス組成物に含有させる成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルを構成する一価脂肪酸と一価アルコールとしては、化学合成品であってもよく、植物や微生物等の天然物から採取された油分から精製されたものであってもよい。本発明において用いられる成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルを構成する一価脂肪酸と一価アルコールとしては、サスティナビリティの観点から、植物由来成分であることが好ましい。
本発明に係る固形ワックス組成物を製造する際に用いられる、成分(B)のモノエステルを含有する原料としては、工業的な観点から高純度品である必要は無く、その他の成分との混合物であってもよい。当該原料中の成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルの含有量を下げている原因物質(不純物)としては、例えば、総炭素数40~48のモノエステル以外のモノエステルやワックス成分、成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルの合成又は精製の工程に由来する不純物や夾雑物等が挙げられる。例えば、一価脂肪酸と一価アルコールとをエステル反応させて得られた反応物を、そのまま本発明に係る固形ワックス組成物の原料としてもよく、当該反応物から総炭素数40~48のモノエステル以外の成分を除去した精製物を原料としてもよい。また、植物や微生物等の天然物から採取された油分やこれを改変処理したものであって成分(B)のモノエステルを含有するものを、成分(A)のキャンデリラワックスと混合することによっても、本発明に係る固形ワックス組成物を製造することができる。総炭素数40~48のモノエステルを高濃度で含有する天然物由来の油分としては、例えば、水添ホホバ油等が挙げられる。なお、成分(B)として用いられる水添ホホバ油としては、医薬部外品原料規格2006に記載されている「水素添加ホホバ油(Hydrogeneted Jojoba Oil)」を用いることが好ましい。
本発明に係る固形ワックス組成物を製造する際に用いられる、成分(B)のモノエステルを含有する原料としては、成分(B)のモノエステルの含有量が充分に高いものが好ましい。成分(B)のモノエステルの含有量が高い原料を用いることにより、固形ワックス組成物中の成分(A)と成分(B)の含有量を充分に高めることができ、当該固形ワックス組成物による硬度調整作用と油染み抑制効果をより高められるためである。成分(B)のモノエステルを含有する原料としては、原料の総質量に対する成分(B)のモノエステルの含有量(質量)の割合が、90質量%以上100質量%以下が好ましく、94質量%以上100質量%以下がより好ましく、96質量%以上100質量%以下が最も好ましい。
なお、固形ワックス組成物中、後に説明をする固形油性化粧料中、又はこれらを製造する際に使用する成分(B)のモノエステルを含有する原料中の成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルの含有量は、ガスクロマトグラフィーを利用した分析方法等の従来既知の方法で分析できる。例えば、ガスクロマトグラフィーを利用した分析方法では、成分(B)のモノエステルを含有する原料を測定サンプルとし、この測定サンプルを以下の分析条件においてガスクロマトグラフィー分析し、総炭素数40と48の標準物質のメインピークに相当するリテンションタイムの間に出現するピーク面積の和を、ピーク面積の総和で除した割合が、測定サンプルの総質量に対する成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルの含有量の割合である。
ガスクロマトグラフ条件;
カラム:DB-1ht(アジレント社製)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
昇温速度:15℃/分
カラム温度:50~350℃
標準物質:総炭素数40のモノエステル(例えば、ベヘン酸ステアリル)、総炭素数48のモノエステル(例えば、テトラコサン酸テトラコサニル)
標準物質として用いるベヘン酸ステアリル及びテトラコサン酸テトラコサニルは、例えば、ベヘン酸とステアリルアルコール、又はリグノセリン酸とリグノセリルアルコールを、モル比1:1で、窒素雰囲気下で加熱し、生成する水を除去しながら反応させて得ることができる。標準物質調製のための一価脂肪酸と一価アルコールは、試薬として市販されているもの(例えば、東京化成社製)が使用できる。
本発明に係る固形ワックス組成物に含まれている成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルとしては、1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。本発明に係る固形ワックス組成物としては、成分(B)として、炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルを1種又は2種以上含有していることが好ましく、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ノナデカニル、ベヘン酸アラキジル、ベヘン酸ヘニコシル、ベヘン酸ベヘニル、及び水添ホホバ油からなる群より選択される1種又は2種以上を含有していることがより好ましく、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、及び水添ホホバ油からなる群より選択される1種又は2種以上を含有していることがさらに好ましく、ベヘン酸ベヘニルを含有していることが最も好ましい。
本発明に係る固形ワックス組成物中の成分(A)と成分(B)の質量比([成分(A)の含有量(質量)]:[成分(B)の含有量(質量)])は、成分(A):成分(B)=45:55~95:5の範囲内であることが好ましく、60:40~80:20の範囲内であることがより好ましく、65:35~75:25の範囲内であることがよりさらに好ましい。成分(A)と成分(B)の含有量比が前記範囲内であることにより、当該固形ワックス組成物を油性成分に混合した場合に、充分な硬度と油染みの抑制効果が得られ、使用感、保存安定性を良好にすることができる。なお、本発明に係る固形ワックス組成物が2種類以上の成分(B)を含有する場合には、「成分(B)の含有量」とは、成分(B)に相当する全てのモノエステルの合計含有量を意味する。本発明に係る固形ワックス組成物中の成分(A)と成分(B)の質量比は、原料として配合した成分(A)と成分(B)の質量比(仕込比)から算出してもよい。
本発明に係る固形ワックス組成物は、特定の含有量比の成分(A)と成分(B)による効果を損なわない限度において、その他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、例えば、成分(B)のモノエステル以外のモノエステルやワックス成分、成分(B)のモノエステルの合成又は精製の工程に由来する不純物や夾雑物等や、機能や特性の付与や改善のための各種添加剤等が挙げられる。当該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
酸化防止剤としては、例えば、油溶性ビタミンC誘導体、トコフェロール類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、及び没食子酸エステル類等が挙げられる。酸化防止剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、及びエチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。防腐剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABA と略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、及び2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)1,3,5-トリアジン、4-tent-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、エチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルヘキシルトリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、オキシベンゾン-3等が挙げられる。紫外線吸収剤は単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る固形ワックス組成物中の成分(A)と成分(B)の含有量としては、組成物の総質量に対する両者の合計量(質量)の割合が、70質量%以上100質量%以下が好ましく、75質量%以上100質量%以下がより好ましく、80質量%以上100質量%以下がさらに好ましく、90質量%以上100質量%以下がよりさらに好ましく、95質量%以上100質量%以下が特に好ましい。組成物全体に対する成分(A)と成分(B)の合計含有量(質量)の割合が前記範囲内であることにより、当該固形ワックス組成物を油性成分に配合した際に、成分(A)と成分(B)による硬度向上効果と油染み抑制効果を充分に発揮することができる。
本発明に係る固形ワックス組成物は、成分(A)と成分(B)を均質に混合可能ないずれの方法を用いて製造してもよく、特別な工程を必要とせずに製造できる。例えば、本発明に係る固形ワックス組成物は、所定の配合比率で、成分(A)と成分(B)を固体状態で均質に混合することにより製造できる。また、所定の配合比率で、成分(A)と成分(B)を加熱溶融して均質した後に冷却することによっても、本発明に係る固形ワックス組成物を製造できる。当該固形ワックス組成物は、加熱溶融後の冷却時に、フレーク状、粒状など任意の形に成型してもよい。
本発明に係る固形ワックス組成物としては、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール85gにこの固形ワックス組成物15gを均一になるよう加熱混合した後に円柱状(直径38mm、深さ17mm)の容器に充填した後に冷却して成形したオイルワックス混合物の硬度が、300g以上であるものが好ましく、300g以上800g以下であるものがより好ましく、400g以上800g以下であるものがさらに好ましく、500g以上800g以下であるものがよりさらに好ましい。この円柱状に成形されたオイルワックス混合物の硬度は、ゲル硬度計(製品名:「SD700」、サン科学社製)を用い、直径5mmの球状プランジャーを2.5mm押し込んだ際の応力(g)として測定される。
本発明に係る固形ワックス組成物としては、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール85gにこの固形ワックス組成物15gを均一になるよう加熱混合した後に冷却したオイルワックス混合物0.5gをろ紙に0.5時間放置した後の油染み面積が、10cm未満であるものが好ましく、7cm未満であるものがより好ましい。オイルワックス混合物0.5gの油染み面積は、オイルワックス混合物をペイントナイフで流動性が出るまで練り込んだ後、0.5gをろ紙(ADVANTEC社製、No.2、直径90mm)の中心に直径10mmの円状になるように乗せ、室温25℃(±2℃)で0.5時間放置した後の油分が染み出してろ紙が変色した面積である。
本発明に係る固形ワックス組成物は、化粧料、医薬部外品、医薬品等の原料として用いることができる。特に、本発明に係る固形ワックス組成物は、優れた硬度調整作用を有し、各種化粧料に対して固形剤として用いることができ、かつ配合した化粧料に優れた保型性と、油染み抑制効果、良好な使用感、保存安定性を付与することができる。このため、当該固形ワックス組成物は、固形油性化粧料の原料として、特にスティック状の口紅等の原料として好適である。
<固形油性化粧料>
本発明に係る固形油性化粧料は、成分(A):キャンデリラワックスと、成分(B):総炭素数40~48のモノエステルとを含有するものであり、該固形化粧料中の成分(A)と成分(B)の質量比([成分(A)の含有量(質量)]:[成分(B)の含有量(質量)])が、成分(A):成分(B)=45:55~95:5であることを特徴とする。本発明に係る固形油性化粧料が含有する成分(A)のキャンデリラワックスと成分(B)のモノエステルは、それぞれ先に説明をした本発明に係る固形ワックス組成物の構成成分である成分(A)のキャンデリラワックスと成分(B)のモノエステルと同じものを使用することができる。
なお、本発明及び本願明細書において、「固形油性化粧料」とは、20℃で液状又はペースト状である油性成分を含有し、かつ常温(20℃)で固形である化粧料を意味する。
本発明に係る固形油性化粧料としては、成分(B)として、炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルを1種又は2種以上含有していることが好ましく、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ノナデカニル、ベヘン酸アラキジル、ベヘン酸ヘニコシル、ベヘン酸ベヘニル、及び水添ホホバ油からなる群より選択される1種以上を含有していることがより好ましく、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、及び水添ホホバ油からなる群より選択される1種以上を含有していることがさらに好ましく、ベヘン酸ベヘニルを含有していることが最も好ましい。また、本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の質量比は、成分(A):成分(B)=45:55~95:5の範囲内であることが好ましく、60:40~80:20の範囲内であることがより好ましく、65:35~75:25の範囲内であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る固形油性化粧料に含有させる成分(B)としては、化学合成品であってもよく、天然物から採取された油分やこれを改変処理したものに含有されているモノエステルであってもよい。また、本発明に係る固形油性化粧料に成分(B)を含有させるために配合される原料としては、高純度の精製品である必要はなく、化学合成反応の反応物の粗精製物であってもよく、植物や微生物等の天然物から採取された油分やこれを改変処理したものであってもよい。当該原料としては、原料の総質量に対する成分(B)の総炭素数40~48のモノエステルの含有量(質量)の割合が、90質量%以上100質量%以下が好ましく、94質量%以上100質量%以下がより好ましく、96質量%以上100質量%以下が最も好ましい。かかる含有量であると、固形油性化粧料の硬度がさらに高くなり、油染みを抑制する効果がさらに発揮されるからである。
本発明に係る固形油性化粧料が有する本発明の効果の大小は、固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)に関連する傾向がある。特に、固形油性化粧料の原料成分から、後に説明をする体質顔料、着色顔料、パール顔料等の粉体成分を除いた成分中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)に、より直接的に影響する。したがって、本発明に係る固形油性化粧料が粉体成分を含有している場合には、当該固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の好ましい合計量(質量)は、固形油性化粧料の原料成分から粉体成分を除いた成分を100質量%として考えるのが適切である。
本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)の割合の下限は、固形油性化粧料の原料成分から粉体成分を除いた成分を100質量%として、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)の下限をかかる量とし、かつ、成分(A)と成分(B)を特定の配合量比で含有させることにより、得られる固形油性化粧料の硬度向上効果及び油染み抑制効果をさらに高めることができる。
また、本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)の割合の上限は、固形油性化粧料の原料成分から粉体成分を除いた成分を100質量%として、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、18質量%以下であることがさらに好ましい。本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)の上限をかかる量とし、かつ、成分(A)と成分(B)を特定の配合量比で含有させることにより、得られる固形油性化粧料を、さらに容易に、好ましい使用感が得られる硬度に調整することができる。
本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)の割合は、固形油性化粧料の原料成分から粉体成分を除いた成分の総質量を100質量%として、5質量%以上25質量%以下が好ましく、8質量%以上25質量%以下がより好ましく、10質量%以上25質量%以下がさらに好ましい。また、本発明に係る固形油性化粧料中の成分(A)と成分(B)の合計量(質量)は、固形油性化粧料の原料成分から粉体成分を除いた成分を100質量%として、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上18質量%以下がさらに好ましく、10質量%以上18質量%以下がよりさらに好ましい。
本発明に係る固形油性化粧料は、成分(A)と成分(B)に加えて、次に説明をする油性成分を含有する。本発明に係る固形油性化粧料が含有する油性成分は、20℃で液状、ペースト状、固形状のいずれの形状であってもよい。また、本発明に係る固形油性化粧料が含有する油性成分としては、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。ただし、20℃で液状又はペースト状の油性成分を少なくとも1種含有する必要がある。例えば、2種類以上の油性成分を含有する場合には、20℃で液状又はペースト状の油性成分と、20℃で固形状の油性成分の両方を含有していてもよい。本発明に係る固形油性化粧料が含有する油性成分としては、20℃で液状又はペースト状の油性成分のみからなることが好ましく、20℃で液状の油性成分(液状油)のみからなることがより好ましい。
前記油性成分は、成分(A)及び成分(B)以外の油性成分であって、例えば、炭化水素、脂肪酸エステル、トリグリセライド、脂肪酸、高級アルコール、シリコーンオイル、フッ素系オイル及びこれらの誘導体等が用いられ、具体的には、ヒマシ油、オリーブ油、アボガド油、パーム油、カカオ油、流動パラフィン、流動分岐パラフィン、ワセリン、スクワラン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸へキシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソトリデシル、デカイソステアリン酸ポリグリセリル、2-オクチルドデカノール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、オレイルアルコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
本発明に係る固形油性化粧料中の当該油性成分の含有量(質量)の割合は、固形油性化粧料全体の総質量に対して、10~95質量%が好ましく、50~95質量%がより好ましく、70~90質量%がさらに好ましい。
本発明に係る固形油性化粧料は、特定の含有量比の成分(A)と成分(B)による効果を損なわない限度において、成分(A)と成分(B)と前記油性成分の他に、その他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、例えば、紛体、界面活性剤が挙げられる。
粉体としては、体質顔料、着色顔料、パール顔料を用いることができる。
体質顔料としては、例えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料及びこれらの複合粉体;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、シリコーン樹脂、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、Nε-ラウロイル-L-リジン、長鎖アルキルリン酸金属塩、N-モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、金属セッケン等からなる有機粉体、及びこれらの複合粉体;上記無機粉体と有機粉体との複合粉体等が挙げられる。なお、これらの粉体の粒子形状は、球状、板状、針状、粒状及び不定形等いずれの形状でもよい。
着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料、タール系色素、レーキ顔料等の有機顔料、カルミン等の天然色素等が挙げられる。
パール顔料としては、雲母、合成金雲母等を酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素、紺青、酸化クロム、カルミン、有機顔料等の着色剤で被覆したパール顔料等を用いることができる。これらの粉体は、通常の方法により、撥水処理、撥水・撥油化処理等の各種表面処理を施して用いても良い。
これらの粉体は、1種又は2種以上を組合せて、本発明に係る固形油性化粧料中に、固形油性化粧料の全組成の総質量に対して5~50質量%含有されることが好ましい。
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等を、1種又は2種以上組合せて用いることができる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルカノールアミド、アミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルサッカライド、α-モノアルキルグリセリルエーテル、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、ジメチルポリシロキサン・モノアルキルグリセリルエーテル共重合体等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、脂肪族炭化水素基を有する第1級、第2級、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、β-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
界面活性剤としては、その他、レシチン類、大豆サポニン等を用いてもよい。レシチン類としては、レシチン、水添レシチン、水酸化レシチン、リゾレシチン、水添リゾレシチン等が挙げられる。また、水添レシチンとしては、例えば、水添大豆リン脂質、水添菜種リン脂質、水添卵黄リン脂質等が挙げられる。
本発明に係る固形油性化粧料は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に一般的に添加される添加剤や、水等を含有させることができる。当該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、紫外線吸収剤、一価アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、pH調整剤、無機塩又は有機酸塩、キレート剤、ビタミン類、有機溶剤、香料、各種エキス、紫外線散乱剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、及び紫外線吸収剤としては、前記と同様のものを用いることができる。
一価アルコールとしては、低級アルコールであってもよく、高級アルコールであってもよい。低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。また、高級アルコールとしては、例えば、セタノール(セチルアルコール、パルミチルアルコール)、ステアリルアルコール(オクタデシルアルコール)、イソステアリルアルコール(イソオクタデカノール)、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール等が挙げられる。一価アルコールとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール(1,3-ブタンジオール)、ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)、ネオペンチレングリコール(2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール)、イソプレングリコール(3-メチル-1,3-ブタンジオール)、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン等が挙げられる。多価アルコールとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
水溶性増粘剤としては、天然の水溶性高分子であってもよく、半合成の水溶性高分子であってもよく、合成の水溶性高分子であってもよい。本発明に係る固形油性化粧料に含有させる水溶性増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
天然の水溶性高分子としては、例えば、寒天、グルコマンナン、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等の微生物系高分子、及びコラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。
半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、及びアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等が挙げられる。
合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、及びカチオンポリマー等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。pH調整剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。有機酸塩としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩や、アスコルビン酸及びその塩や、アスコルビン酸誘導体及びその塩等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸塩、及びヒドロキシエタンジホスホン酸等が挙げられる。キレート剤は単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、ビタミンK及びそれらの誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
エキス類としては、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出エキスなどが挙げられる。
本発明に係る固形油性化粧料は、従来公知の化粧料の製造方法により、製造することができる。例えば、成分(A)と成分(B)と油性成分とを含む全ての原料を混合し、所望の形状に成形することにより製造できる。原料成分は全て一度に混合してもよく、順次混合してもよい。成分(A)と成分(B)はそれぞれ別々の原料として配合してもよく、本発明に係る固形ワックス組成物を原料としてもよい。また、混合時には、均一に混合するため、必要に応じて加熱溶融させた状態で混合してもよい。
本発明に係る固形油性化粧料の形状は特に限定されるものではなく、所望の製品品質に応じて適宜決定することができる。例えば、成分(A)と成分(B)とその他の成分を全て均一になるように加熱混合した後、得られた液状又はペースト状の混合物を、所望の形状にするための容器に充填して冷却する。これにより、所望の形状の固形油性化粧料が得られる。本発明に係る固形油性化粧料としては、スティック状のものが好ましい。
本発明に係る固形油性化粧料の種類としては、口紅、リップグロス、リップクリーム、リップライナー、アイシャドウ、ルースパウダー、アイブロウ、アイライナー、頬紅、固型白粉、油性ファンデーション、コンシーラーなどが挙げられる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明についてさらに詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に何ら限定されるものではない。
<総炭素数40~48のモノエステルの含有量の測定>
以降の実施例において、総炭素数40~48のモノエステルの含有量は、以下の分析条件において、ガスクロマトグラフィー分析を行い、総炭素数40と48の標準物質のメインピークに相当するリテンションタイムの間に出現するピーク面積の和を、ピーク面積の総和で除した割合として求めた。
ガスクロマトグラフ条件;
カラム:DB-1ht(アジレント社製)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
昇温速度:15℃/分
カラム温度:50~350℃
標準物質:総炭素数40のモノエステル(例えば、ベヘン酸ステアリル)、総炭素数48のモノエステル(例えば、テトラコサン酸テトラコサニル)
[合成例1]ベヘン酸ベヘニル
ベヘン酸340g、ベヘニルアルコール326gを窒素雰囲気下、250℃15時間加熱し、生成する水を除去しながら反応させて、合成例1のモノエステルを得た。得られたモノエステル中の総炭素数40~48のモノエステル含有量は99.6質量%であった。
[合成例2]ベヘン酸ステアリル
ベヘン酸340g、ステアリルアルコール270gを窒素雰囲気下、250℃15時間加熱し、生成する水を除去しながら反応させて、合成例2のモノエステルを得た。得られたモノエステル中の総炭素数40~48のモノエステル含有量は92.8質量%であった。
[合成例3]ステアリン酸ステアリル
ステアリン酸284g、ステアリルアルコール270gを窒素雰囲気下、250℃15時間加熱し、生成する水を除去しながら反応させて、合成例3のモノエステルを得た。得られたモノエステル中の総炭素数40~48のモノエステル含有量は0.0質量%であった。
[合成例4]トリベヘン酸グリセリル
ベヘン酸340g、グリセリン31.5gを窒素雰囲気下、250℃15時間加熱し、生成する水を除去しながら反応させて、合成例4のエステルを得た。得られたエステル中の総炭素数40~48のモノエステル含有量は0.0質量%であった。
[実施例1~15、比較例1~10]オイルワックス混合物
表1~5に示す処方にて、固形ワックス組成物に液状油を混合したオイルワックス混合物を製造し、硬度及び油染みを評価した。評価結果を表1~5に示す。なお、実施例1、及び13~15は参考例である。表中の成分欄の数値は、「質量%」を意味する。また、表中「(A)」、「(B)」は、それぞれ、本発明に係る固形ワックス組成物の成分(A)及び成分(B)に相当することを意味する。また。表1~3中の「(A):(B)」は、各サンプルの成分(A)と成分(B)の含有量比を示し、表4~5中の「(A):(B)」は、各サンプルの成分(A)又は成分(A’)と成分(B)又は成分(B’)との含有量比を示す。
<オイルワックス混合物の原料>
表1~5のオイルワックス混合物の原料として、キャンデリラワックスはミツバ貿易製の「精製キャンデリラワックスSR-2」を、カルナウバワックスはセラリカ野田製の「精製カルナウバワックス NC-1810」を、パラフィンワックスは日本精蝋製の「パラフィン155」を、ベヘン酸ベヘニルは合成例1で合成したものを、ベヘン酸ステアリルは合成例2で合成したものを、水添ホホバ油は日光ケミカルズ製の「NIKKOL ホホバワックス」(炭素数40~48のモノエステル含有量:94.0質量%)を、ステアリン酸ステアリルは合成例3で合成したものを、トリベヘン酸グリセリルは合成例4で合成したものを、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオールは日清オイリオグループ製の「サラコスPR-85」を、トリエチルヘキサノインは日清オイリオグループ製の「T.I.O」を、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールは日清オイリオグループ製の「エステモールN-01」を、水添ポリデセンは日清オイリオグループ製の「ノムコートHP-30」を、それぞれ用いた。なお、表中のベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、及び水添ホホバ油の欄の括弧内の数値は、炭素数40~48のモノエステルとしての配合量(配合量に炭素数40~48のモノエステル含有量の比率を乗じた量)を示す。
<オイルワックス混合物の製造>
具体的には、成分(A)及び(A’)と、成分(B)及び(B’)とを、100℃に加熱して溶融混合した後に冷却して、固形ワックス組成物を得た。その後、得られた固形ワックス組成物に液状油を100℃の加熱状態で撹拌混合し、これをポリカーボネート製容器(直径38mm、深さ17mm)に流し込み、室温まで冷却して、円柱状のオイルワックス混合物を製造した。
<硬度の評価>
ゲル硬度計(製品名:「SD700」、サン科学社製)を用い、前記ポリカーボネート製容器内のオイルワックス混合物に、直径5mmの球状プランジャーを2.5mm押し込んだ際の応力(g)を硬度とした。
硬度の評価基準;
A: 硬度が600g以上
B: 硬度が500g以上、600g未満
C: 硬度が300g以上、500g未満
D: 硬度が200g以上、300g未満
E: 硬度が200g未満
<油染みの評価>
硬度測定用に調製したサンプルの一部をシャーレに約5g秤取り、ペイントナイフで流動性が出るまで練り込むことにより、油染み評価測定用サンプルを得た。油染み評価測定用サンプル0.5gを、ろ紙(ADVANTEC社製、No.2、直径90mm)の中心に直径10mmの円状になるように乗せ、室温25℃(±2℃)で0.5時間放置した後、写真撮影した。油分が染み出してろ紙が変色した面積を、画像処理で算出した。画像処理ソフトには、ImageJを使用した。
油染みの評価基準;
A: 油染みが6cm未満
B: 油染みが6cm以上、7cm未満
C: 油染みが7cm以上、10cm未満
D: 油染みが10cm以上、15cm未満
E: 油染みが15cm以上
Figure 0007018898000001
Figure 0007018898000002
Figure 0007018898000003
Figure 0007018898000004
Figure 0007018898000005
この結果、成分(A)のキャンデリラワックスと成分(B)のベヘン酸ベヘニルを45:55~95:5で含有する固形ワックス組成物が配合された実施例1~11のオイルワックス混合物は、液状油の種類にかかわらず、硬度が300g以上と充分に硬く、かつ油染みも少なかった。特に、成分(B)以外のモノエステルが共に配合された実施例6~8のオイルワックス混合物でも、成分(B)のモノエステルのみを含有する実施例1~5と同程度に良好な硬度と油染みし難さを備えていたことから、成分(A)と成分(B)を45:55~95:5の範囲内で配合することにより得られる硬度向上効果及び油染み抑制効果は、その他の成分の影響をあまり受けず、様々な組成の化粧料でも同様に発揮されるであろうことがわかった。また、実施例12~15の結果から、成分(B)として、ベヘン酸ステアリルや水添ホホバ油を用いた場合でも、ベヘン酸ベヘニルと同様の効果が得られることが確認された。
一方で、成分(A)以外のワックスを配合した比較例1及び2のオイルワックス混合物では、油染みが酷く、特に、カルナウバワックスを配合した比較例1では、硬度もかなり低かった。また、成分(B)以外のエステルを配合した比較例3~6のオイルワックス混合物では、硬度がかなり低かった。特に、キャンデリラワックスにステアリン酸ステアリルを配合した比較例3~5では、ステアリン酸ステアリルの配合量を増大させても硬度改善効果は全く観察されなかったことから、この硬度改善効果は、キャンデリラワックスと成分(B)の特定のモノエステルとの組み合わせでのみ得られる効果であることがわかった。
また、成分(A)のキャンデリラワックスと成分(B)のベヘン酸ベヘニルの配合量が45:55~95:5の範囲外である比較例7~10のオイルワックス混合物も、硬度が不充分であった。特に、成分(A)と成分(B)の含有量比が40:60である比較例8で、当該含有量比が50:50の実施例1のオイルワックス混合物よりも顕著に硬度が低く、また、当該含有量比が95:5である比較例9で、当該含有量比が90:10の実施例5のオイルワックス混合物よりも顕著に硬度が低かった。
[実施例16、比較例11~12]スティック状リップクリーム
表6に示す処方にて、スティック状のリップクリームを製造し、保存安定性と使用感を評価した。結果を表6に示す。なお、表中の成分欄の数値は、質量%を意味する。
<スティック状リップクリームの原料>
表6のスティック状リップクリームの原料として、トリエチルヘキサノインは日清オイリオグループ製の「T.I.O」を、リンゴ酸ジイソステアリルは日清オイリオグループ製の「コスモール222」を、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2は日清オイリオグループ製の「コスモール42V」を、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2は日清オイリオグループ製の「コスモール43V」を、水添ポリイソブテンは日油製の「パールリーム18」を、キャンデリラワックスはミツバ貿易製の「精製キャンデリラワックスSR-2」を、ベヘン酸ベヘニルは合成例1で合成したものを、マイクロクリスタリンワックスはSONNEBORN社製の「マルチワックスW445」を、パラフィンワックスは日本精蝋製の「パラフィン155」を、それぞれ用いた。
<製造>
表6に示す成分(A)、成分(B)を100℃に加熱し、溶融混合した後に冷却して、固形ワックス組成物を得た。得られた固形ワックス組成物にその他の成分を加え、100℃の加熱状態で攪拌混合し、これを砲弾型の口紅金型へ流し込み、室温まで冷却し、スティック状のリップクリームを得た。なお、使用感を評価する上で、硬度が同等程度になるようにワックス量を調整し、成分合計が100質量%になるように、液状油の一つであるトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2の配合量で調整した。
<保存安定性の評価>
各リップクリームについて、硬度の変化を指標として、保存安定性を評価した。具体的には、製造直後のリップクリームの硬度(a)と、5℃で12時間保存後、40℃で12時間保存するという工程を繰り返し行うサイクル保存試験を2週間行った後のリップクリームの硬度(b)を測定し、変化率[(b)/(a)]を求めた。変化率が大きいほど、保存安定性が高いと評価した。
<使用感の評価>
各リップクリームに対して、専門パネル5名により、「油染みのしにくさ」、「つきの良さ」、「のびの良さ」、「つやの高さ」の各項目について、市販リップクリームに対して「優れている」、「同等」、「劣っている」の3段階で比較した。結果を表6に示す。
使用感の評価基準;
A: 5名中3名以上が市販リップクリームよりも「優れている」と評価した。
B: AにもCにも該当しない。
C: 5名中3名以上が市販リップクリームよりも「劣っている」と評価した。
Figure 0007018898000006
実施例16のリップクリームは、スティック状化粧料として十分な硬度を有し、使用時に油染みが少なく、使用感が良好で、保存安定性も良好であった。リップクリームは、温度変化を繰り返すと硬度が低下し、使用時にスティックが折れる問題が起きる可能性があるが、本発明に係る固形ワックス組成物を配合した固形油性化粧料では、保存時の硬度の低下が起きにくく、この懸念が低いことが確認された。
[処方例1]口紅(スティックタイプ)
<口紅(スティックタイプ)の原料>
表7の口紅の原料として、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルは日清オイリオグループ製の「サラコス5418V」を、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは日清オイリオグループ製の「O.D.O」を、水添ポリイソブテンは日油製の「パールリーム18」を、リンゴ酸ジイソステアリルは日清オイリオグループ製の「コスモール222」を、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2は日清オイリオグループ製の「コスモール43V」を、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルは日清オイリオグループ製の「コスモール168ARV」を、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリルは日清オイリオグループ製の「ノムコートLAH」を、キャンデリラワックスはミツバ貿易製の「精製キャンデリラワックスSR-2」を、ベヘン酸ベヘニルは合成例1で合成したものを、それぞれ用いることができる。
<製造>
表7に示す原料のうち、キャンデリラワックス、ベヘン酸ベヘニルを100℃に加熱し、溶融混合した後に冷却して、固形ワックス組成物を得る。この固形ワックス組成物にその他成分を加え、90℃で加熱混合して充分に均一にした後に、減圧にて脱泡し、金型に流し込む。その後、20℃まで冷却することで口紅(スティックタイプ)を得ることができる。この場合、口紅の粉体成分(赤色201号、赤色202号、及び雲母チタン)を除いた全量に対する、キャンデリラワックスとベヘン酸ベヘニルの合計含有量の割合は、約17質量%となる。
Figure 0007018898000007
[処方例2]口紅(スティックタイプ)
表8の処方にて、処方例1と同様にして、口紅(スティックタイプ)を製造することができる。この場合、口紅の粉体成分(赤色201号、赤色202号、及び酸化チタン)を除いた全量に対する、キャンデリラワックスとベヘン酸ベヘニル、水添ホホバ油の合計含有量の割合は、約17質量%となる。
<口紅(スティックタイプ)の原料>
表8の口紅の原料として、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールは日清オイリオグループ製の「エステモールN-01」を、フェニルトリメチコンは東レ・ダウコーニング製の「SH556 Fluid」を、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチルは日清オイリオグループ製の「サラコスDP-518N」を、水添ポリイソブテンは日油製の「パールリーム24」を、リンゴ酸ジイソステアリルは日清オイリオグループ製の「コスモール222」を、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルは日清オイリオグループ製の「コスモール168M」を、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチルは日清オイリオグループ製の「コスモール168EV」を、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルは日清オイリオグループ製の「サラコスWO-6」を、キャンデリラワックスはミツバ貿易製の「精製キャンデリラワックスSR-2」を、ベヘン酸ベヘニルは合成例1で合成したものを、それぞれ用いることができる。
Figure 0007018898000008
[処方例3]油性ファンデーション
表9の処方にて、金型を金皿に代えた以外は処方例1と同様にして、油性ファンデーションを製造することができる。この場合、油性ファンデーションの粉体成分(酸化チタン、カオリンタルク、ナイロンパウダー、酸化鉄(黒)、酸化鉄(黄)、及びベンガラ)を除いた全量に対する、キャンデリラワックスとベヘン酸ベヘニルの合計含有量の割合は、約17質量%となる。
<油性ファンデーションの原料>
表9の油性ファンデーションの原料として、エチルヘキサン酸セチルは日清オイリオグループ製の「サラコス816T」を、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2は日清オイリオグループ製の「コスモール43V」を、キャンデリラワックスはミツバ貿易製の「精製キャンデリラワックスSR-2」を、ベヘン酸ベヘニルは合成例1で合成したものを、それぞれ用いることができる。
Figure 0007018898000009

Claims (1)

  1. 成分(A):キャンデリラワックスと、成分(B):炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪酸と炭素数18~22の一価の直鎖飽和脂肪アルコールとのモノエステルであって、且つ総炭素数40~48のモノエステルとを含有する固形化粧料(ただし、水添ホホバ油、及びホホバアルコールと脂肪酸とのエステル化生成物をいずれも含まない)であり、該固形化粧料中の成分(A)と成分(B)の質量比が、成分(A):成分(B)=57:43~90:10であり、前記モノエステルが、ベヘン酸ベヘニル、又はベヘン酸ステアリルである、固形油性化粧料。
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