JP7018189B2 - 歯科医療用エアドライヤ - Google Patents
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Description
前者の歯科医療ユニットは診療室内に設置される一方、コンプレッサ及びエアドライヤは、診療室から離れた機械室内に設置されるのが一般的である。
そして、コンプレッサから出力されたエアは、エアドライヤによって乾燥エアとされ、床下などに敷設された配管を通して診療室内の歯科医療ユニットに供給される。
しかしながら、従来、歯科医療に用いるエアドライヤは、既存の汎用ドライヤを流用するのが一般的で、設置性やメンテナンス性に対し配慮が十分とは言えなかった。
また、ケースを側方へ取り外す構造になっている場合もあり、内部メンテナンスなどの際にケースを取り外せるように、壁面などから離して設置しなければならない、という不具合も生じていた。
これらの不具合の改善は、ドライヤの方式によらず望まれる。
1) エア入力口と、
前記エア入力口から供給されたエアを除湿する除湿部と、
前記除湿部で除湿したドライエアを出力するエア出力口と、
前記エア入力口,前記除湿部,及び前記エア出力口を覆う筐体と、を備え、
前記筐体は、一の方向の一方側に配置された第1のカバーと、他方側に配置された着脱可能な第2のカバーと、を有し、
前記除湿部は、前記第1のカバーで覆われ、
前記エア入力口及び前記エア出力口は、前記第2のカバーで覆われることを特徴とする歯科医療用エアドライヤである。
2) 前記除湿部は冷凍式であり、前記除湿部からのドレンを外部に排出するドレン接続口が前記第2のカバーで覆われることを特徴とする1)に記載の歯科医療用エアドライヤである。
3) 前記エア入力口に前記エアを供給する第1の管を接続する方向と、前記エア出力口から前記ドライエアを出力する第2の管を接続する方向と、が、前記一の方向に交差する同じ向きとなることを特徴とする1)又は2)に記載の歯科医療用エアドライヤである。
4) 前記一の方向から見たときに、前記第1の管を接続する位置と、前記第2の管を接続する位置と、が、異なる位置にあることを特徴とする3)に記載の歯科医療用エアドライヤである。
5) 前記同じ向きとなる側に前記一の方向に延びると共に前記筐体が取り付けられるベースプレートを有し、
前記ベースプレートは、前記一の方向の一方側に、前記第1の管及び前記第2の管との両方を通過可能に縁部から切り込まれた切り込み部を有することを特徴とする3)又は4)に記載の歯科医療用エアドライヤである。
6) 前記ベースプレートを下側とする姿勢で使用する床置き式であると共に、前記ベースプレートは、使用状態で床との間に隙間を形成する突出部を備え、
前記第1及び第2の管を、前記切り込み部を通して前記隙間に配管可能とされていることを特徴とする5)に記載の歯科医療用エアドライヤである。
図1は、歯科医療現場(歯科医院など)におけるエアドライヤ51の概略の設置状態を説明するための模式図である。
歯科医療現場において、治療室R1には歯科治療ユニット21が設置されている。歯科治療ユニット21は、患者用椅子21aと、エアで動作する治療用ツールを有する治療装置21bと、を備えている。
歯科治療ユニット21とエア供給システム22とは、床下などに敷設されたエア配管23で接続されている。
治療現場が大規模な場合、エア供給システム22が、複数の歯科治療ユニット21に対し並列的にエアを供給する場合もある。
従って、エア配管23を通り歯科治療ユニット21に供給されるエアは、エアドライヤ51から送出されたドライエアである。
エアドライヤ51は床或いは棚などに置いて使用するいわゆる床置きタイプである。
説明の便宜上、上下前後左右の各方向を、図2及び図3に矢印で規定する。
上下方向は、エアドライヤ51の設置状態での天地方向に対応し、前方は意匠上、使用者に向く面としてデザインされた面の方向である。
前カバー5は、後述のように、使用者により簡単に着脱可能とされている。図4は、前カバー5を取り外した状態のエアドライヤ51を、右前斜め上方から見た斜視図である。
図5は、エアドライヤ51の冷媒回路及び空気流路を説明するための回路図である。図5では、冷媒の流れ方向が実線矢印で示され、エアの流れ方向が破線矢印で示されている。
以下、図1~図5を参照して、エアドライヤ51の構成を説明する。
ベースプレート1の下面1aの四隅には、それぞれフット1bが取り付けられている。フット1bにより、下面1aは床FLから高さHa(図3)だけ離隔し、下面1aと床FLとの間に底空間Vaが形成されている。高さHaは、後述する入出力接続群HRを構成する各管(ホース)の外径よりも大きく設定されている。
後カバー6は、左右側面それぞれの上部及び下後部において、複数の孔が並設された通気孔群6a1及び6a2を有している。
後部収容室Rbは、さらに、既述の棚壁4によって後下部収容室Rb1と後上部収容室Rb2とに区画されている。
すなわち、後下部収容室Rb1は、ベースプレート1と区画壁2と後部壁3と棚壁4とに囲まれて形成され、後上部収容室Rb2は、区画壁2と後部壁3と後カバー6と棚壁4とに囲まれて形成される。
図5に示されるように、エアドライヤ51の冷媒回路ACには、コンプレッサ31,第1熱交換器としての凝縮器32,蒸発器34が直列に配置されている。
以下、それぞれについて詳述する。
蒸発器34では、熱交換パイプ34pがコイル状に形成されている。熱交換パイプ34pは、径方向内外に二重流路構造とされている。
蒸発器34に供給された液体冷媒は、外側流路34aに流入する。その流入の際、流路断面積が拡張するようになっているので膨張して降温し、低圧低温の液体冷媒となって外側流路34aを流れる。
一方、内側流路34bには、エア入力口41から第2熱交換器としての空気間熱交換器36を経て供給された空気が液体冷媒と逆方向に流れる。
エア入力口41に流入する空気は、前段のシステム用エアコンプレッサ22aで圧縮された高温高圧の空気である。
外側経路36aには、エア入力口41から高温の空気が流入し、内側経路36bには、ドレンセパレータ35で気液分離した低温のドライエアが流入する。
そのため、高温の空気と、低温のドライエアとの間で熱交換が行われ、ドライエアは昇温してほぼ常温のドライエアとしてエア出力口42から出力する。
図5に示される回路例では、配管経路T2と配管経路T3との間で熱交換を行い、配管経路T2内の液体冷媒を一部蒸発させてその蒸発熱で冷媒を過冷却状態にするエコノマイザ33が設けられている。
通常、使用者の作業頻度が低く、熱交換が行われる凝縮器32,蒸発器34,及び空気間熱交換器36を、除湿部Dとして後部収容室Rb内に配置している。
具体的には、後部収容室Rbの後下部収容室Rb1に凝縮器32を配置し、後上部収容室Rb2に、コイル状の蒸発器34及び空気間熱交換器36を、蒸発器34が下となるように設置している。
ドレンセパレータ35は後上部収容室Rb2に配置され、ドレンセパレータ35に接続されたドレン管T4pが、区画壁2の中央部から前方に延出している。
ドレン管T4pは、前部収容室Rf内においてオートドレン39に接続されている。
オートドレン39から出力されたドレンは、ドレンホース39aの途中に設けられ、操作パネル部7(詳細後述)に配置されたドレンコック39bを経て、ドレン排出ホース39cによって外部に排出される。
コンプレッサ31は、ベースプレート1上に、一部が後下部収容室Rb1内に収まるよう設置され、上面から配管経路T1の管T1pが引き出されて区画壁2を通り後下部収容室Rb1の凝縮器32に接続されている。また、コンプレッサ31の側部には、配管経路T3における管T3pが、後上部収容室Rb2の蒸発器34から区画壁2を通り接続されている。
操作パネル部7には、電源スイッチ7a、運転表示ランプ7b、蒸発温度計7c、ドレンコック39bが配置されている。
ドレンコック39bは、オートドレン39の下流側に配置された開閉弁であり、通常は開状態とされている。ドレンコック39bは、オートドレン39などに不具合が生じエアが漏れて歯科治療ユニット21へのエア供給が停止してしまう場合などにおいて、緊急措置として手動で閉状態にしてエア漏れを止め、そのエア供給を継続できるようにするため設けられている。
操作パネル部7の電源スイッチ7aには、電源コード40の一端側が接続され、外部の電源から電源コード40を介してエアドライヤ51に電源が供給される。
前部収容室Rf内において、エア出力口42には、出力ホース42bが接続される。接続部の下流側直後には、レギュレータ42aが接続されている。
そして、入出力接続群HRを接続するエアドライヤ51側の接続部位が、前カバー5を外した状態ですべて露出するようになっている。
すなわち、エアドライヤ51において、入出力接続群HRを接続する接続部位は、前部収容室Rf内に配置されると共に、入出力接続群HRを、上下方向の同じ向きである下方へ延びる(垂れる)よう接続して切り込み部1dから底空間Vaへ引き出せるようになっている。
入出力接続群HRは、底空間Vaへ引き出された後、図4に示されるように前方に引き出してもよいし、左右いずれかの側方に引き出してもよい。もちろん、後方へ引き出すこともできる。
また、入出力接続群HRが下面1aから下方の底空間Vaに引き出せるので、エアドライヤ51の左右の側面や後面に入出力の接続部がない。
そのため、エアドライヤ51は、設置において壁面との間に配管スペースを確保する必要はなく、エア供給システム22のシステム用エアコンプレッサ22aや他の機器との近接配置も可能である。
これにより、エアドライヤ51は、省スペースで設置が可能である。
それぞれの位置は、左側から軸線CL42,CL43,CL41上にあり、左右方向をX軸とすると、図7において各X軸方向の位置は、互いに離隔したX2,X3,X1で示される。
また、エアドライヤ51は、前後に区画された二つの部屋として、後部収容室Rb及び前部収容室Rfが形成され、作業者側となる前部収容室Rf内に、設置時及びメンテナンス時に作業対象となる部位及び部材がまとめて配置されている。
そして、前部収容室Rfを覆う前カバー5は、前方、上方、又は前斜め上方の、実質一平面上に移動させて着脱することができるようになっている。
そのため、エアドライヤ51は、壁面や他装置との近接設置が可能であり、設置した状態で前カバー5を取り外してメンテナンス等を行うことができる。
これにより、エアドライヤ51は、省スペースで設置及びメンテナンスが容易になっている。
図8及び図9には、エアドライヤ51におけるエア出力口42に近接接続されたレギュレータ42aの下流側に、オイルミストフィルタ43と除菌フィルタ44とをこの順に直列接続した例が示されている。
変形例1のエアドライヤ52では、エアドライヤ51に対し、レギュレータ42aにオイルミストフィルタ43を付加接続する配管経路T5が設けられる。
配管経路T5は、レギュレータ42aの下流側直後に接続されたL型継手42cから下方に引き出されオイルミストフィルタ43の後面に接続された管T5p(図9)を含む。
オイルミストフィルタ43の下端にはミストドレンホース43dが下方に延びる(垂れる)ように接続され、オイルミストなどの分離液が排出される。
除菌フィルタ44において、エアは除菌処理がされて前面から出力する。また、除菌フィルタ44の下端には除菌ドレンホース44d(図8)が下方に延びる(垂れる)ように接続されドレンが排出される。
除菌フィルタ44は、前面に、経路を下方に偏向させるL型継手44cが接続されており、このL型継手を通して濾過されたエアが出力される。
L型継手44cには、出力エアホース44bが下方に延びる(垂れる)ように接続される。
また、図8に示された例では、切り込み部1dからすべて前方に引き出されているが、底空間Vaに引き出された後の引き出し方向は任意である。
変形例2のエアドライヤ53は、図10に示されるように、エアドライヤ51における前カバー5の替わりに前カバー75を備えている。
詳しくは、前カバー5が、エア入力口41及びエア出力口42を覆うカバーであるのに対し、前カバー75は、エア入力口41及びエア出力口42の少なくとも一方を外部に露出させるカバーである。
図10に示された例において、前カバー75は、エア入力口41,エア出力口42,及びオートドレン39を外部に露出する一方、コンプレッサ31及び切り込み部1d周辺を覆う高さの低い箱状のカバーとなっている。前カバー75を用いる場合、メンテナンス等の作業の便宜のため、前カバー75の前面部75aを前方側から装脱可能な構造にしておくとよい。
これにより、エアドライヤ53は、省スペースで設置できメンテナンスが容易である。
この場合も壁面や他装置との近接設置が可能であり、メンテナンスも容易である。また、図7を参照して説明した入出力接続群HRの接続及び引き回しは、エアドライヤ51などと同じであり、出力ホース42b,ドレンホース39a,及び供給ホース41bの接続及び引き回しにおいて互いに干渉しにくく、引き出し方向も上下方向として揃っているため、それぞれ着脱作業が容易である。
エアドライヤ51~54は、筐体10の内部が、前部収容室Rfと後部収容室Rbとに区分され、入出力の配管の接続部(少なくとも、入力エアの接続部と出力ドライエアの接続部)が前部収容室Rf内に配置されている。また、エアドライヤ51~54は、各接続部にホース類が下方に向け接続され、ベースプレート1の切り込み部1dからベースプレート1と設置面(床FL)との間の底空間Vaに引き出せるようになっている。
1a 下面、 1b フット(突出部)、 1c フランジ
1d 切り込み部
2 区画壁、 3 後部壁、 4 棚壁
5,75 前カバー、 5a 開口部
6 後カバー、 6a1,6a2 通気孔群
7 操作パネル部
7a 電源スイッチ、 7b 運転表示ランプ、 7c 蒸発温度計
10 筐体
21 歯科治療ユニット、 21a 患者用椅子、 21b 治療装置
22 エア供給システム、 22a システム用エアコンプレッサ
23 エア配管
31 コンプレッサ
32 凝縮器(第1熱交換器)、 32a ファン
33 エコノマイザ
34 蒸発器
34a 外側流路、 34b 内側流路、 34p 熱交換パイプ
35 ドレンセパレータ
36 空気間熱交換器(第2熱交換器)
36a 外側経路、 36b 内側経路、 36p 熱交換パイプ
37 アキュムレータ
39 オートドレン
39a ドレンホース、 39b ドレンコック
39c ドレン排出ホース、 39d L型継手
40 電源コード
41 エア入力口
41a ストレーナ、 41b 供給ホース、 41c L型継手
42 エア出力口
42a レギュレータ、 42b 出力ホース、 42c L型継手
43 オイルミストフィルタ 43d ミストドレンホース
44 除菌フィルタ
44b 出力エアホース、 44d 除菌ドレンホース
51~54 エアドライヤ
AC 冷媒回路、 AR 空気流路
CL41,CL42,CL43,CL44 軸線
D 除湿部
FL 床、 Ha 高さ
HR,HR1 入出力接続群
N1~N3,Na1 ねじ
P1~P3 接続位置
R1 治療室、 R2 機械室
Rb 後部収容室、 Rb1 後下部収容室、 Rb2 後上部収容室
Rf 前部収容室
T1~T3,T5 配管経路
T1p,T2p,T5p 管、 T6p 中継管、 T4p ドレン管
Va 底空間、 Vb 後部空間、 Vf 前部空間
Claims (6)
- エア入力口と、
前記エア入力口から供給されたエアを除湿する除湿部と、
前記除湿部で除湿したドライエアを出力するエア出力口と、
前記エア入力口,前記除湿部,及び前記エア出力口を覆う筐体と、を備え、
前記筐体は、一の方向の一方側に配置された第1のカバーと、他方側に配置された着脱可能な第2のカバーと、を有し、
前記除湿部は、前記第1のカバーで覆われ、
前記エア入力口及び前記エア出力口は、前記第2のカバーで覆われることを特徴とする歯科医療用エアドライヤ。 - 前記除湿部は冷凍式であり、前記除湿部からのドレンを外部に排出するドレン接続口が前記第2のカバーで覆われることを特徴とする請求項1記載の歯科医療用エアドライヤ。
- 前記エア入力口に前記エアを供給する第1の管を接続する方向と、前記エア出力口から前記ドライエアを出力する第2の管を接続する方向と、が、前記一の方向に交差する同じ向きとなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の歯科医療用エアドライヤ。
- 前記一の方向から見たときに、前記第1の管を接続する位置と、前記第2の管を接続する位置と、が、異なる位置にあることを特徴とする請求項3記載の歯科医療用エアドライヤ。
- 前記同じ向きとなる側に前記一の方向に延びると共に前記筐体が取り付けられるベースプレートを有し、
前記ベースプレートは、前記一の方向の一方側に、前記第1の管及び前記第2の管との両方を通過可能に縁部から切り込まれた切り込み部を有することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の歯科医療用エアドライヤ。 - 前記ベースプレートを下側とする姿勢で使用する床置き式であると共に、前記ベースプレートは、使用状態で床との間に隙間を形成する突出部を備え、
前記第1及び第2の管を、前記切り込み部を通して前記隙間に配管可能とされていることを特徴とする請求項5記載の歯科医療用エアドライヤ。
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