ところが、出願人が開示している圧縮空気除湿装置には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、出願人が開示している圧縮空気除湿装置では、配電盤、凝縮器および圧縮機が筐体におけるベースにそれぞれ固定されると共に、凝縮器の上に載置された状態で熱交換器が凝縮器に固定され、かつ、その状態の配電盤、冷凍サイクルおよび熱交換器を囲むように4枚の壁面パネル、および天板をそれぞれ配設することでこれらを筐体内に収容することができるように構成されている。この場合、底板と天板との間に4枚の壁面パネルを取り付けた状態においては、熱交換器(導入口および排出口)に接続されている圧縮空気配管が、ベース、各壁面パネル、および天板によって支えられた状態となる。しかしながら、メンテナンスに際して4枚の側面パネルを取り外したときには、圧縮空気配管が、ベース、熱交換器および凝縮器(フード)によって支えられることとなる。このため、熱交換器(特に、上記の圧縮空気配管が接続される導入口や排出口を構成する管の基端部)、および凝縮器(フード)にストレスが加わるおそれがあり、これに起因して、熱交換器(導入口および排出口)や凝縮器(フード)の変形を招くおそれがあるため、これを改善するのが好ましい。
また、出願人が開示している圧縮空気除湿装置では、凝縮器をクリーニングしたり交換したりする際に、凝縮器(フード)に固定されている熱交換器を取り外す必要が生じる。したがって、凝縮器やファンを対象とするメンテナンスの作業効率が悪化しており、この点を改善するのが好ましい。さらに、出願人が開示している圧縮空気除湿装置では、筐体を構成するパネル(板体)の枚数が多いことに起因して、分解や組み立ての作業効率が悪化しており、また、パネルの枚数(筐体を構成する部品の部品点数)が多い分だけ、その製造コストの低減が困難となっているため、この点を改善するのが好ましい。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルの構成部品が破損する事態を回避すると共に、メンテナンスの作業効率を向上させ、かつ製造コストの低減を図り得る圧縮空気除湿装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1記載の圧縮空気除湿装置は、冷凍サイクルと、除湿対象の圧縮空気を導入する導入口、除湿した圧縮空気を排気する排出口、および除湿によって生じたドレン水を排水する排水口がそれぞれ設けられると共に前記冷凍サイクルの蒸発器が収容されて当該導入口から導入した圧縮空気と当該蒸発器内の冷媒との間で熱交換させることで当該導入した圧縮空気に含まれている水分を結露させて除湿する熱交換器と、前記冷凍サイクルおよび前記熱交換器を収容する筐体とを備えた圧縮空気除湿装置であって、前記筐体は、底板、第1側板、第2側板、第3側板、第4側板および天板を備えると共に、前記底板、前記第1側板および前記天板が一体的に形成された第1部材に、前記第2側板、前記第3側板および前記第4側板を取り付け可能に構成され、前記冷凍サイクルにおける冷媒圧縮機および凝縮器と、前記熱交換器とが前記第1部材に固定されている。
また、請求項2記載の圧縮空気除湿装置は、請求項1記載の圧縮空気除湿装置において、前記筐体は、前記第1側板に対向配置される前記第2側板と、前記第3側板および前記第4側板の少なくとも一方とが一体的に形成された第2部材を備えて構成されている。
さらに、請求項3記載の圧縮空気除湿装置は、請求項1または2記載の圧縮空気除湿装置において、前記凝縮器は、凝縮器本体と当該凝縮器本体を収容可能なフードとを備えると共に、当該フードが、前記底板および前記第1側板にそれぞれ固定される固定形態A1と、前記天板および前記第1側板にそれぞれ固定される固定形態A2とのいずれかの固定形態で前記第1部材に固定されている。
また、請求項4記載の圧縮空気除湿装置は、請求項1から3のいずれかに記載の圧縮空気除湿装置において、前記熱交換器は、前記導入口および前記排出口の少なくとも一方が前記天板に固定されると共に前記排水口が前記第1側板に固定される固定形態B1と、前記導入口および前記排出口の少なくとも一方が前記第1側板に固定されると共に前記排水口が前記底板に固定される固定形態B2とのいずれかの固定形態で前記第1部材に固定されている。
さらに、請求項5記載の圧縮空気除湿装置は、請求項1から4のいずれかに記載の圧縮空気除湿装置において、前記冷凍サイクルを動作させるための電装品が取り付けられた電装品取付板を備え、前記電装品取付板は、前記天板および前記第1側板にそれぞれ固定される固定形態C1と、前記底板および前記第1側板にそれぞれ固定される固定形態C2とのいずれかの固定形態で前記第1部材に固定されている。
また、請求項6記載の圧縮空気除湿装置は、請求項1から5のいずれかに記載の圧縮空気除湿装置において、前記第1部材は、前記底板における前記第1側板に接する一辺を除く3つの辺に、上向きに延出するドレンパン用延出片がそれぞれ設けられると共に、前記底板、前記第1側板および3つの前記ドレンパン用延出片によって浅皿状のドレンパンが構成されている。
さらに、請求項7記載の圧縮空気除湿装置は、請求項1から5のいずれかに記載の圧縮空気除湿装置において、前記第1部材は、前記底板における4つの辺のうちの前記第1側板に接する一辺および当該第1側板に接する一辺と対向する一辺の2つを除く各一辺に上向きに延出する上向き延出片がそれぞれ設けられ、前記第1側板における4つの辺のうちの前記底板に接する一辺および前記天板に接する一辺の2つを除く各一辺に当該底板および当該天板の間に向かって横向きに延出する横向き延出片がそれぞれ設けられ、前記天板における4つの辺のうちの前記第1側板に接する一辺および当該第1側板に接する一辺と対向する一辺の2つを除く各一辺に下向きに延出する下向き延出片がそれぞれ設けられると共に、前記上向き延出片における前記横向き延出片側の一辺と当該横向き延出片における当該上向き延出片側の一辺とが当接させられ、前記横向き延出片における前記下向き延出片側の一辺と当該下向き延出片における当該横向き延出片側の一辺とが当接させられている。
請求項1記載の圧縮空気除湿装置によれば、底板、第1側板および天板を一体的に形成した第1部材に、第2側板、第3側板および第4側板を取り付け可能に構成すると共に、冷媒圧縮機、凝縮器および熱交換器を第1部材に固定したことにより、メンテナンス等に際して、導入口および排出口に圧縮空気配管を接続したまま筐体内の冷凍サイクルや熱交換器を剥き出し状態としたとき(第1部材から第2側板、第3側板および第4側板を取り外したとき)に、圧縮空気配管が第1部材によって支えられた状態となるため、出願人が開示している圧縮空気除湿装置のように熱交換器が凝縮器の上に載置された状態で凝縮器に固定されている圧縮空気除湿装置とは異なり、熱交換器や凝縮器(フード)にストレスが加わる事態を好適に回避することができる結果、熱交換器や凝縮器(フード)の破損を確実に回避することができる。また、熱交換器等を取り外すことなく、凝縮器を脱着することができるため、メンテナンスの作業効率を十分に向上させることができる。さらに、筐体の構成部品を少数とすることができるため、筐体(圧縮空気除湿装置)の組み立てや分解を容易に行うことができると共に、製造コストを十分に低減することができる。
請求項2記載の圧縮空気除湿装置によれば、第2側板と、第3側板および第4側板の少なくとも一方とを一体的に形成した第2部材を備えて筐体を構成したことにより、筐体の構成部品をさらに少数とすることができるため、筐体(圧縮空気除湿装置)の組み立てや分解を一層容易に行うことができる。
請求項3記載の圧縮空気除湿装置によれば、フードを底板および第1側板にそれぞれ固定する固定形態A1と、フードを天板および第1側板にそれぞれ固定する固定形態A2とのいずれかの固定形態で第1部材に凝縮器を固定したことにより、固定形態A1を採用した場合には、凝縮器(フード)が筋交いとして機能して底板と第1側板との状態(底板と第1側板とが直交した状態)を維持することができ、固定形態A2を採用した場合には、凝縮器(フード)が筋交いとして機能して第1側板と天板との状態(第1側板と天板とが直交した状態)を維持することができるため、第1部材の変形を回避することができる。
請求項4記載の圧縮空気除湿装置によれば、導入口および排出口の少なくとも一方を天板に固定すると共に排水口を第1側板に固定する固定形態B1と、導入口および排出口の少なくとも一方を第1側板に固定すると共に排水口を底板に固定する固定形態B2とのいずれかの固定形態で第1部材に熱交換器を固定したことにより、固定形態B1を採用した場合には、熱交換器が筋交いとして機能して第1側板と天板との状態(第1側板と天板とが直交した状態)を維持することができ、固定形態B2を採用した場合には、熱交換器が筋交いとして機能して底板と第1側板との状態(底板と第1側板とが直交した状態)を維持することができるため、第1部材の変形を回避することができる。
請求項5記載の圧縮空気除湿装置によれば、天板および第1側板にそれぞれ固定する固定形態C1と、底板および第1側板にそれぞれ固定する固定形態C2とのいずれかの固定形態で電装品取付板を第1部材に固定したことにより、固定形態C1を採用した場合には、電装品取付板が筋交いとして機能して、第1側板と天板との状態(第1側板と天板とが直交した状態)を維持することができ、固定形態C2を採用した場合には、電装品取付板が筋交いとして機能して、底板と第1側板との状態(底板と第1側板とが直交した状態)を維持することができるため、第1部材の変形を回避することができる。
請求項6記載の圧縮空気除湿装置によれば、底板、第1側板および3つのドレンパン用延出片によって浅皿状のドレンパンを第1部材に構成したことにより、熱交換器や、凝縮器と膨張弁とを接続している冷媒配管の周囲等において結露が生じて結露水が滴り落ちたとしても、この結露水をドレンパンに貯留することができる結果、筐体の外部に結露水が排水されて圧縮空気除湿装置の設置場所が濡れてしまう事態を回避することができる。
請求項7記載の圧縮空気除湿装置によれば、上向き延出片における横向き延出片側の一辺と横向き延出片における上向き延出片側の一辺とを当接させ、横向き延出片における下向き延出片側の一辺と下向き延出片における横向き延出片側の一辺とを当接させたことにより、底板に対して第1側板が倒れるようにして第1部材が変形する事態や、第1側板に対して天板が倒れるようにして第1部材が変形する事態を回避することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る圧縮空気除湿装置の実施の形態について説明する。
最初に、圧縮空気除湿装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す圧縮空気除湿装置1は、「圧縮空気除湿装置」の一例であって、図示しない圧縮空気供給源から圧縮空気を導入し、導入した空気に含まれている水分を除去して(除湿して)排出することができるように構成されている。具体的には、この圧縮空気除湿装置1は、図2,3に示すように、冷凍サイクル2、熱交換器3および配電盤4がケーシング5内に収容されて一体化されている。冷凍サイクル2は、図3に示すように、蒸発器11、冷媒圧縮機12、凝縮器13および膨張弁14を備えて構成されている。蒸発器11は、熱交換器3内に収容されて、膨張弁14から吐出された冷媒によって周囲の圧縮空気(熱交換器3内の圧縮空気)を冷却する。冷媒圧縮機12は、蒸発器11において圧縮空気と熱交換して温度上昇させられた気化冷媒を凝縮器13に向けて圧送する。この場合、本例の圧縮空気除湿装置1では、配電盤4を介して供給される交流電源によって作動する交流モータを備えて冷媒圧縮機12が構成されている。
凝縮器13は、冷媒圧縮機12によって圧送された高温高圧の冷媒を冷却することで凝縮させる(液化させる)。この場合、本例の圧縮空気除湿装置1における凝縮器13は、一例として、金属板で構成されて凝縮器本体13aを覆うフード13bを備えると共に、凝縮器本体13aに送風するためのファン13cがフード13bに取り付けられている。膨張弁14は、一例としてキャピラリチューブで構成されて、蒸発器11内に冷媒を吐出させる。なお、キャピラリチューブで構成された膨張弁に代えて、電子膨張弁で構成された膨張弁を採用することもできる。また、実際の冷凍サイクル2には、蒸発器11と冷媒圧縮機12との間、冷媒圧縮機12と凝縮器13(凝縮器本体13a)との間、および膨張弁14と蒸発器11との間に存在する冷媒配管や、冷媒バイパス回路を構成する冷媒配管等が存在するが、参照する各図においては、圧縮空気除湿装置1の構成についての理解を容易とするために、これら冷媒配管の図示を省略する。
熱交換器3は、冷凍サイクル2の蒸発器11を収容する円筒状の容器体を備えて構成されている。また、図2,3,5に示すように、熱交換器3は、除湿対象の圧縮空気を導入する導入口3a、および除湿した圧縮空気を排気する排出口3bが容器体の上方部位に設けられると共に、除湿によって生じたドレン水を排水する排水口3cが容器体の下方部位に設けられている。さらに、図1,4,5に示すように、熱交換器3の排水口3cには、ドレントラップ3dが取り付けられている。この熱交換器3は、導入口3aから導入した圧縮空気と蒸発器11内の冷媒との間で熱交換させることにより、導入した圧縮空気に含まれている水分を結露させて圧縮空気を除湿する。
配電盤4は、「電装品取付板」の一例であって、図3に示すように、オンスイッチ21a、オフスイッチ21b、運転ランプ22、マグネットコンダクタ23、コンデンサ24、ヒューズボックス25(「冷凍サイクルを動作させるための電装品」の一例)および圧力計26などが取り付けられている。また、この配電盤4には、交流電源ラインに接続するための電源コード27が接続されている。なお、本例の圧縮空気除湿装置1は、一例として単相100Vの交流電源ラインから電力を得て動作するように構成されているが、三相交流電源ライン(例えば、三相200Vの交流電源ライン)から電力を得て動作させるよう構成することもできる。さらに、圧縮空気除湿装置1の仕様によっては、圧縮空気除湿装置1を遠隔操作するための遠隔操作ユニット(図示せず)などのオプション電装品がこの配電盤4に取り付けられる。
ケーシング5は、「筐体」の一例であって、冷凍サイクル2、熱交換器3および配電盤4を収容可能に金属板で箱状に形成されている。具体的には、図3に示すように、ケーシング5は、底板32、側板33(右側板:「第1側板」の一例)および天板34が一体的に形成された側面視コ字状のベース部31(「第1部材」の一例)と、側板36(左側板:「第2側板」の一例)および側板37(背面板(背板):「第3側板」の一例)が一体的に形成されて平面視L字状に形成された遮蔽部35(「第2部材」の一例)と、側板38(正面板:「第4側板」の一例)とを備えて構成されている。この場合、本例のケーシング5では、ベース部31に遮蔽部35および側板38が取り付けられることにより、冷凍サイクル2、熱交換器3および配電盤4を収容する箱体が形成される(「第1部材」に、「第2側板、第3側板および第4側板」を取り付け可能な構成の一例)。
また、底板32における4つの辺のうちの側板33に接する一辺を除く3つの辺には、上向きに延出する延出片41a〜41cがそれぞれ設けられている。この場合、本例のケーシング5では、底板32における延出片41bが形成されている一辺が「第1側板に接する一辺と対向する一辺」に相当し、かつ延出片41a〜41cの3つが「ドレンパン用延出片」に相当すると共に、延出片41a,41cの2つは「上向き延出片」としても機能する。また、側板33における4つの辺のうちの底板32に接する一辺および天板34に接する一辺の2つを除く各一辺には、底板32および天板34の間に向かって横向きに延出する延出片42a,42b(「横向き延出片」の一例)がそれぞれ設けられている。さらに、天板34における4つの辺のうちの側板33に接する一辺を除く3つの辺には、下向きに延出する延出片45a〜45cがそれぞれ設けられている。この場合、本例のケーシング5では、天板34における延出片45bが形成されている一辺が「第1側板に接する一辺と対向する一辺」に相当すると共に、延出片45a,45cの2つが「下向き延出片」に相当する。
また、図6に示すように、このベース部31では、延出片41aにおける延出片42a側の一辺と延出片42aにおける延出片41a側の一辺とが当接させられている。さらに、このベース部31では、延出片41a,42aと同様にして、延出片41cにおける延出片42b側の一辺と延出片42bにおける延出片41c側の一辺とが当接させられている。これにより、このケーシング5では、側板33が底板32に対して矢印D1の向きで倒れるようなベース部31の変形が生じ難くなっている。また、このベース部31では、延出片41a,42aの当接部位が溶接されると共に、延出片41c,42bの当接部が溶接されている。これにより、このケーシング5では、側板33が底板32に対して矢印D2の向きで倒れるようなベース部31の変形が生じ難くなっている。
さらに、図7に示すように、このベース部31では、延出片42aにおける延出片45a側の一辺と延出片45aにおける延出片42a側の一辺とが当接させられている。また、このベース部31では、延出片42a,45aと同様にして、延出片42bにおける延出片45c側の一辺と延出片45cにおける延出片42b側の一辺とが当接させられている。これにより、このケーシング5では、天板34が側板33に対して矢印E1の向きで倒れるようなベース部31の変形が生じ難くなっている。また、このベース部31では、延出片42a,45aの当接部位が溶接されると共に、延出片42b,45cの当接部が溶接されている。これにより、このケーシング5では、天板34が側板33に対して矢印E2の向きで反り上がるようなベース部31の変形が生じ難くなっている。
また、図3に示すように、側板33における凝縮器13の取り付け部位(凝縮器本体13aと対向する部位)には、ケーシング5内に外気を導入するための開口部43が設けられると共に、ケーシング5内への異物の侵入を防止するための網板33aが開口部43に取り付けられている。また、側板33には、熱交換器3の排水口3cをケーシング5の外部に引き出すための挿通用孔44が設けられている。さらに、天板34には、熱交換器3の導入口3aおよび排出口3bをケーシング5の外部に引き出すための挿通用孔46a,46bが設けられている。また、このケーシング5では、底板32、側板33および各延出片41a〜41cによって、ベース部31の下方部位に浅皿状のドレンパン51が形成されている。さらに、図1,2,4,5に示すように、底板32には、一対の脚32aが取り付けられている。
一方、側板36には、ケーシング5内の空気を外部に排気するための複数の通気孔47が設けられている。この場合、前述したように、ベース部31の側板33には、ケーシング5内に外気を導入するための開口部43が設けられている。したがって、本例の圧縮空気除湿装置1では、ファン13cの作動に伴って開口部43からケーシング5内に外気が導入され、この外気が凝縮器本体13aを通過して温度上昇した後に、冷媒圧縮機12等からの排熱によって温度上昇した空気と共にファン13cを介して通気孔47からケーシング5の外部に排気されることとなる。また、側板38には、ケーシング5内に収容された配電盤4におけるオンスイッチ21aおよびオフスイッチ21bの操作や、運転ランプ22および圧力計26の視認を可能とするための開口部48が設けられている。
この圧縮空気除湿装置1では、冷媒圧縮機12、凝縮器13、熱交換器3および配電盤4がケーシング5のベース部31にそれぞれ固定されている。具体的には、この圧縮空気除湿装置1では、図2,5に示すように、冷媒圧縮機12がケーシング5のベース部31における底板32に固定されている。また、この圧縮空気除湿装置1では、図2,4に示すように、フード13bが底板32および側板33にそれぞれ固定されることで凝縮器13がベース部31に固定されている(「固定形態A1」の一例)。これにより、この圧縮空気除湿装置1では、凝縮器13(フード13b)が筋交いとして機能して、底板32および側板33の状態(底板32と側板33とが直交している状態)が崩れるようなベース部31の変形が生じ難くなっている。
さらに、この圧縮空気除湿装置1では、図2,4,5に示すように、導入口3aおよび排出口3bの双方が天板34の挿通用孔46a,46bを挿通させられた状態で天板34に固定されると共に、排水口3cが側板33の挿通用孔44を挿通させられた状態で側板33に固定されることで熱交換器3がベース部31に固定されている(「固定形態B1」の一例)。また、この圧縮空気除湿装置1では、図2,4に示すように、配電盤4が天板34および側板33にそれぞれ固定されることでベース部31に固定されている(「固定形態C1」の一例)。これにより、この圧縮空気除湿装置1では、熱交換器3および配電盤4が筋交いとして機能して、側板33および天板34の状態(側板33と天板34とが直交している状態)が崩れるようなベース部31の変形が生じ難くなっている。
この圧縮空気除湿装置1の組立てに際しては、一例として、まず、ベース部31の底板32に一対の脚32a,32aをそれぞれ取り付ける。次いで、凝縮器本体13aにフード13bを取り付けると共にフード13bにファン13cを取り付けることによって凝縮器13を組み立てた後に、底板32および側板33にフード13bを固定することによってベース部31に凝縮器13を固定する。なお、ファン13cについては、凝縮器本体13aに取り付けた状態のフード13bを底板32および側板33に固定した後にフード13bに取り付けてもよい。次いで、天板34の挿通用孔46a,46bに導入口3aおよび排出口3bを挿通させた状態で導入口3aおよび排出口3bを天板34に固定すると共に、側板33の挿通用孔44に排水口3cを挿通させた状態で排水口3cを側板33に固定することによってベース部31に熱交換器3を固定する。次いで、ベース部31の底板32に冷媒圧縮機12を固定する。続いて、熱交換器3内の蒸発器11、冷媒圧縮機12、凝縮器13(凝縮器本体13a)および膨張弁14を図示しない冷媒配管によって相互に接続する。
次いで、側板33および天板34に固定するようにしてベース部31に配電盤4を固定する。この際には、配電盤4に接続されている電源コード27を側板33から外部に引き出す。続いて、配電盤4の各電装部品を冷媒圧縮機12や、凝縮器13のファン13cにそれぞれ接続すると共に、蒸発器11における冷媒出口と冷媒圧縮機12における冷媒吸入口とを接続する冷媒配管に配電盤4の圧力計26を接続する。次いで、ベース部31の延出片41b,45bに側板36を当接させ、かつベース部31の延出片41c,42b,45cに側板37を当接させるようにしてベース部31に遮蔽部35を取り付ける。続いて、ベース部31の延出片41a,42a,45aおよび遮蔽部35の側板36に当接させるようにしてベース部31および遮蔽部35に側板38を取り付ける。これにより、ケーシング5が完成すると共に、冷凍サイクル2、熱交換器3および配電盤4がケーシング5内に収容される。
この場合、この圧縮空気除湿装置1では、出願人が開示している圧縮空気除湿装置(ベース、4つの壁面パネルおよび天板の6つで構成された筐体を有する圧縮空気除湿装置)とは異なり、主として、ベース部31、遮蔽部35および側板38の3つのパーツでケーシング5が構成されているため、ケーシング5を容易に組み立てることが可能となっている。この後、ケーシング5(ベース部31)の側板33から引き出されている排水口3cにドレントラップ3dを取り付けることにより、圧縮空気除湿装置1が完成する。
また、この圧縮空気除湿装置1によって圧縮空気を除湿する際には、一例として、まず、圧力供給源に接続されている圧縮空気配管に導入口3aを接続すると共に、処理後の圧縮空気を供給すべき供給先に接続されている圧縮空気配管に排出口3bを接続する。次いで、ドレントラップ3dに排水用配管を接続すると共に、電源コード27を交流電源ラインに接続する。この状態においてオンスイッチ21aを操作すると、冷凍サイクル2が動作して熱交換器3内の蒸発器11の温度低下に伴い、導入口3aから熱交換器3内に導入された圧縮空気に含まれている水分が熱交換器3内において結露して、ドレン水として圧縮空気から分離する結果、圧縮空気が除湿されると共に、処理された(除湿された)圧縮空気は、排出口3bから圧縮空気配管を介して供給先に供給され、圧縮空気から分離されたドレン水は、排水口3cからドレントラップ3dおよび排水用配管を介して図示しない排水溝などに排水される。
この場合、この圧縮空気除湿装置1では、前述したように、底板32、側板33および各延出片41a〜41cによって、ベース部31の下方部位に浅皿状のドレンパン51が形成されている。したがって、熱交換器3の周囲や、低温の冷媒が通過させられる冷媒配管の周囲等において大気中(ケーシング5内の空気中)に含まれる水分が結露し、この結露水が熱交換器3や冷媒配管等から滴り落ちたとしても、滴り落ちた結露水は、ドレンパン51内に貯留された状態となる。
一方、圧縮空気除湿装置1のメンテナンスに際しては、交流電源ラインから電源コード27を切り離した状態において、導入口3aおよび排出口3bに対する圧縮空気配管の接続や、排水用配管に対する排水口3cの接続を維持したまま作業する。具体的には、まず、ベース部31および遮蔽部35から側板38を取り外すと共に、ベース部31から遮蔽部35を取り外す。これにより、ケーシング5内に収容されている冷凍サイクル2、熱交換器3および配電盤4が剥き出し状態となる。
この場合、この圧縮空気除湿装置1では、前述したように、導入口3aおよび排出口3bが天板34に固定されると共に、排水口3cが側板33に固定されることによってベース部31に熱交換器3が固定されている。したがって、この圧縮空気除湿装置1では、ベース部31から側板38や遮蔽部35(側板36,37)を取り外した状態においても、導入口3aおよび排出口3bに接続されている圧縮空気配管の重量が導入口3aおよび排出口3b(導入口3aおよび排出口3bを構成しているパイプ)を介して天板34に加わり、結果として、両圧縮空気配管がベース部31によって支えられた状態となる結果、熱交換器3における導入口3aや排出口3bを構成する管の基端部、熱交換器3の本体部分(円筒状の容器体部分)、および凝縮器13にストレスが加わる事態が回避される。また、この圧縮空気除湿装置1では、前述したように、フード13bが底板32および側板33に固定されることで凝縮器13がベース部31に取り付けられている。したがって、出願人が開示している従来の圧縮空気除湿装置とは異なり、クリーニングや交換を目的として凝縮器13(フード13b)を取り外す際に、他の構成要素(熱交換器3等)を取り外すことなく、凝縮器13(フード13b)だけをベース部31から取り外すことが可能となっている。
また、メンテナンス作業を完了した際には、ベース部31の延出片41b,45bに側板36を当接させ、かつベース部31の延出片41c,42b,45cに側板37を当接させるようにしてベース部31に遮蔽部35を取り付けると共に、ベース部31の延出片41a,42a,45aおよび遮蔽部35の側板36に当接させるようにしてベース部31および遮蔽部35に側板38を取り付ける。この場合、この圧縮空気除湿装置1では、上記したように、主として、ベース部31、遮蔽部35および側板38の3つのパーツでケーシング5が構成されている。このため、この圧縮空気除湿装置1では、メンテナンス作業に先立ってケーシング5を容易に分解する(冷凍サイクル2、熱交換器3および配電盤4を容易に剥き出し状態とする)ことが可能となっており、また、メンテナンス作業の完了後にもケーシング5を容易に組み立てることが可能となっている。
このように、この圧縮空気除湿装置1によれば、底板32、側板33および天板34を一体的に形成したベース部31に、側板36〜38を取り付け可能に構成すると共に、冷媒圧縮機12、凝縮器13および熱交換器3をベース部31に固定したことにより、メンテナンス等に際して、導入口3aおよび排出口3bに圧縮空気配管を接続したままケーシング5内の冷凍サイクル2や熱交換器3を剥き出し状態としたとき(ベース部31から遮蔽部35(側板36,37)や側板38を取り外したとき)に、圧縮空気配管がベース部31によって支えられた状態となるため、出願人が開示している圧縮空気除湿装置のように熱交換器が凝縮器の上に載置された状態で凝縮器に固定されている圧縮空気除湿装置とは異なり、熱交換器3や凝縮器13(フード13b)にストレスが加わる事態を好適に回避することができる結果、熱交換器3や凝縮器13(フード13b)の破損を確実に回避することができる。また、熱交換器3等を取り外すことなく、凝縮器13を脱着することができるため、メンテナンスの作業効率を十分に向上させることができる。さらに、ケーシング5の構成部品を少数とすることができるため、ケーシング5(圧縮空気除湿装置1)の組み立てや分解を容易に行うことができると共に、製造コストを十分に低減することができる。
また、この圧縮空気除湿装置1によれば、側板36,37を一体的に形成した遮蔽部35を備えて筐体を構成したことにより、ケーシング5の構成部品をさらに少数とすることができるため、ケーシング5(圧縮空気除湿装置1)の組み立てや分解を一層容易に行うことができる。
さらに、この圧縮空気除湿装置1によれば、フード13bを底板32および側板33にそれぞれ固定する「固定形態A1」でベース部31に凝縮器13を固定したことにより、凝縮器13(フード13b)が筋交いとして機能して、底板32と側板33との状態(底板32と側板33とが直交した状態)を維持することができるため、ベース部31の変形を回避することができる。
また、この圧縮空気除湿装置1によれば、導入口3aおよび排出口3bの少なくとも一方(本例では、双方)を天板34に固定すると共に排水口3cを側板33に固定する「固定形態B1」でベース部31に熱交換器3を固定したことにより、熱交換器3が筋交いとして機能して、側板33と天板34との状態(側板33と天板34とが直交した状態)を維持することができるため、ベース部31の変形を回避することができる。
さらに、この圧縮空気除湿装置1によれば、天板34および側板33にそれぞれ固定する「固定形態C1」で配電盤4をベース部31に固定したことにより、配電盤4が筋交いとして機能して、側板33と天板34との状態(側板33と天板34とが直交した状態)を維持することができるため、ベース部31の変形を回避することができる。
また、この圧縮空気除湿装置1によれば、底板32、側板33および延出片41a〜41cによって浅皿状のドレンパン51をベース部31に構成したことにより、熱交換器3や、低温の冷媒が通過させられる冷媒配管の周囲等において結露が生じて結露水が滴り落ちたとしても、この結露水をドレンパン51に貯留することができる結果、ケーシング5の外部に結露水が排水されて圧縮空気除湿装置1の設置場所が濡れてしまう事態を回避することができる。
さらに、この圧縮空気除湿装置1によれば、延出片41aにおける延出片42a側の一辺と延出片42aにおける延出片41a側の一辺とを当接させ、延出片42aにおける延出片45a側の一辺と延出片45aにおける延出片42a側の一辺とを当接させると共に、延出片41cにおける延出片42b側の一辺と延出片42bにおける延出片41c側の一辺とを当接させ、延出片42bにおける延出片45c側の一辺と延出片45cにおける延出片42b側の一辺とを当接させたことにより、底板32に対して側板33が倒れるようにしてベース部31が変形する事態や、側板33に対して天板34が倒れるようにしてベース部31が変形する事態を回避することができる。
なお、「圧縮空気除湿装置」の構成は、上記の圧縮空気除湿装置1の構成に限定されない。例えば、フード13bを底板32および側板33にそれぞれ固定する「固定形態A1」でベース部31に凝縮器13を固定した圧縮空気除湿装置1を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、フード13bを天板34および側板33にそれぞれ固定する「固定形態A2」でベース部31に凝縮器13を固定することもできる(図示せず)。このような構成を採用した「圧縮空気除湿装置」によれば、凝縮器13(フード13b)が筋交いとして機能して、側板33と天板34との状態(側板33と天板34とが直交した状態)を維持することができるため、ベース部31の変形を回避することができる。
また、導入口3aおよび排出口3bを天板34に固定すると共に排水口3cを側板33に固定する「固定形態B1」でベース部31に熱交換器3を固定した圧縮空気除湿装置1を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、導入口3aおよび排出口3bの少なくとも一方(一例として、双方)を側板33に固定すると共に排水口3cを底板32に固定する「固定形態B2」でベース部31に熱交換器3を固定することもできる(図示せず)。このような構成を採用した「圧縮空気除湿装置」によれば、熱交換器3が筋交いとして機能して、底板32と側板33との状態(底板32と側板33とが直交した状態)を維持することができるため、ベース部31の変形を回避することができる。
また、導入口3aおよび排出口3bの双方を天板34に固定すると共に排水口3cを側板33に固定する形態(「固定形態B1」の一例)や、導入口3aおよび排出口3bの双方を側板33に固定すると共に排水口3cを底板32に固定する形態(「固定形態B2」の一例)に代えて、導入口3aおよび排出口3bのいずれか一方を天板34に固定すると共に、導入口3aおよび排出口3bの他方を側板33に固定し、かつ排水口3cを側板33および底板32のいずれかに固定する形態(「固定形態B1」または「固定形態B2」の他の一例)を採用してベース部31に熱交換器3を固定することもできる(図示せず)。このような構成を採用した「圧縮空気除湿装置」においても、上記の測定装置1等と同様の効果を奏することができる。
さらに、天板34および側板33にそれぞれ固定する「固定形態C1」で配電盤4をベース部31に固定した圧縮空気除湿装置1を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、底板32および側板33にそれぞれ固定する「固定形態C2」で配電盤4をベース部31に固定することもできる(図示せず)。このように構成した「圧縮空気除湿装置」によれば、配電盤4が筋交いとして機能して、底板32と側板33との状態(底板32と側板33とが直交した状態)を維持することができるため、ベース部31の変形を回避することができる。
また、「ドレンパン用延出片」および「上向き延出片」に相当する延出片41a,41cと、「ドレンパン用延出片」に相当する延出片41bとを底板32の3つの辺に設けた例について説明したが、ドレンパン構造を必要としない場合には、底板32に延出片41bを設けず、かつ、延出片41a,41cに代えて、底板32において側板37,38が取り付けられる各一辺における側板33とは反対側の部位を延出させずに側板33側の部位だけを上向きに延出させた「上向き延出片」(図示せず)を設けることもできる。さらに、延出片42a,42bに代えて、「底板」側および「天板」側だけを横向きに延出させた「横向き延出片」(図示せず)を側板33に設けることもできる。また、天板34に延出片45bを設けず、かつ、延出片45a,45cに代えて、天板34において側板37,38が取り付けられる各一辺における側板33側の部位だけを下向きに延出させた「下向き延出片」(図示せず)を天板34に設けることもできる。これらの構成を採用した場合においても、上記の圧縮空気除湿装置1と同様に「第1部材」の変形を十分に回避することができる。
また、側板33を「第1側板」として、底板32、側板33および天板34によって「第1部材」に相当するベース部31を構成した例について説明したが、側板36を「第1側板」として、底板32、側板36および天板34によって「第1部材」に相当するベース部(図示せず)を構成することもできる。このような構成を採用する場合においては、一例として、圧縮空気除湿装置1の内部構造を、側板38の側(または側板37の側)から見て左右反転すればよい。さらに、側板37を「第1側板」として、底板32、側板37および天板34によって「第1部材」に相当するベース部(図示せず)を構成したり、側板38を「第1側板」として、底板32、側板38および天板34によって「第1部材」に相当するベース部(図示せず)を構成したりすることもできる。これらの構成を採用した場合においても、上記の圧縮空気除湿装置1と同様の効果を奏することができる。
また、側板36,37(「第2側板」および「第3側板」)が一体的に形成された平面視L字状の遮蔽部35を「第2部材」として備えてケーシング5(筐体)を構成した例について説明したが、このような構成に代えて、側板36,38(「第2側板」および「第4側板」)が一体的に形成された平面視L字状の部材(図示せず)を「第2部材」として備えて「筐体」を構成したり、側板36〜38(「第2側板」、「第3側板」および「第4側板」)が一体的に形成された平面視コ字状の部材(図示せず)を「第2部材」として備えて「筐体」を構成したりすることもできる。このような構成を採用した場合においても、上記のケーシング5を備えた圧縮空気除湿装置1と同様の効果を奏することができる。また、「第2側板」、「第3側板」および「第4側板」をそれぞれ別体に形成して「筐体」を構成することもできる。