JP7016685B2 - 運転支援装置、運転支援システム、および運転支援方法 - Google Patents

運転支援装置、運転支援システム、および運転支援方法 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、運転支援装置、運転支援システム、および運転支援方法に関する。
従来、車両を運転中の運転者の状態を監視し、運転者の異変を検知した場合に、異変を解消する走行経路を運転者へ提案することによって、運転を支援する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-182242号公報
しかしながら、従来の運転を支援する装置は、運転者の異変を解消する走行経路を一方的に運転者へ提案するに過ぎず、これでは運転者の異変を解消できないことがある。実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、運転者の異変をより確実に解消することができる運転支援装置、運転支援システム、および運転支援方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る運転支援装置は、検知部と、提案部とを備える。検知部は、運転者の異変を検知する。提案部は、前記検知部によって前記異変が検知された場合に、前記異変を解消する特性の走行経路を前記運転者へ提案し、前記特性の走行経路を走行しても前記異変が解消されない場合に、前記走行経路の特性とは異なる特性の走行経路を前記運転者へ提案する。
実施形態の一態様に係る運転支援装置、運転支援システム、および運転支援方法は、運転者の異変をより確実に解消することができる。
図1は、実施形態に係る運転支援装置の構成の一例を示す説明図である。 図2は、実施形態に係る異変判定項目情報の一例を示す説明図である。 図3は、実施形態に係る提案用仮説候補情報の一例を示す説明図である。 図4は、実施形態に係る運転支援装置の動作の一例を示す説明図である。 図5は、実施形態に係る道路特性情報の一例を示す説明図である。 図6は、実施形態に係る運転支援装置の制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施形態に係る運転支援システムの説明図である。 図8は、実施形態に係る運転支援システムにおける道路特性情報の一例を示す説明図である。 図9は、実施形態に係る運転支援システムにおける道路特性情報の変形例を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する運転支援装置、運転支援システム、および運転支援方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施形態に係る運転支援装置は、現在地から設定される目的地までの走行経路を案内するカーナビゲーション機能を備え、走行経路案内中に運転者の状態を監視し、運転者の異変を検知した場合に、異変を解消する可能性のある特性の走行経路を運転者に提案する。
そして、運転支援装置は、提案した特性の走行経路を走行しても運転者の異変が解消されない場合に、先に提案した走行経路の特性とは異なる特性の走行経路を運転者へ提案する。これにより、運転支援装置は、運転者の異変をより確実に解消することができる。
以下では、まず、図1~図6を参照して、実施形態に係る運転支援装置の構成および動作について説明するが、運転支援装置が行う走行経路の提案等は、例えば、車載装置と所定の通信ネットワークによって通信可能なサーバ装置が行ってもよい。かかるサーバ装置と車載装置とを含む運転支援システムについては、図7~図9を参照して後述する。
図1は、実施形態に係る運転支援装置1の構成の一例を示す説明図である。図1に示すように、運転支援装置1は、カメラ31,41、サーモグラフィ32,42、操作表示部33、スピーカ34、およびハンドルセンサ43に接続される。
カメラ31,41は、車室内に設けられて運転者を撮像し、撮像画像の情報を運転支援装置1へ出力する。サーモグラフィ32,42は、車室内に設けられて運転者の体の温度分布を検知し、検知結果を示す情報を運転支援装置1へ出力する。ハンドルセンサ43は、運転者によるハンドルの回転操作量を検知し、検知結果を運転支援装置1へ出力する。
操作表示部33は、タッチパネル機能を備えた画像表示装置であり、ユーザによるタッチ操作を受け付ける機能の他、カーナビゲーション機能の設定画面や、設定された目的地までの走行経路を案内する地図画像を表示する機能等を備える。スピーカ34は、例えば、運転支援装置1から入力される走行経路を案内する音声等を出力する。
運転支援装置1は、制御部10と、記憶部20とを備える。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
制御部10は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する複数の処理部を備える。例えば、制御部10は、検知部11、提案部12、道路特性判定部13、正解度増減部14、兆候状態検知部15、仮説推定部16、および仮説登録部17を備える。
なお、制御部10が備える複数の処理部は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
記憶部20は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、異変判定項目情報21、地図情報22、提案用仮説候補情報23、道路特性情報24、および登録用仮説候補情報25を記憶する。異変判定項目情報21については、図2を参照して後述する。地図情報22は、全国の道路地図の情報である。
また、提案用仮説候補情報23については、図3を参照して後述し、登録用仮説候補情報25については、仮説登録部17の説明と合わせて説明する。道路特性情報24については、図5を参照して後述する。
検知部11は、カメラ31およびサーモグラフィ32から入力される情報と、記憶部20に記憶された異変判定項目情報21とに基づいて運転者の状態を監視し、運転者の異変を検知した場合に、その旨を示す情報を提案部12へ出力する。また、検知部11は、運転者の異変が解消したことを検知した場合には、その旨を示す情報を提案部12へ出力する。
ここで、図2を参照し、異変判定項目情報21の一例について説明する。図2は、実施形態に係る異変判定項目情報21の一例を示す説明図である。図2に示すように、異変判定項目情報21は、運転者の異変の種別と、異変の内容と、センシング項目とが対応付けられた情報である。
図2に示す例では、「A」という種別には、「眠気」という異変の内容と、「瞼開口度、眼球運動」というセンシング項目とが対応付けられている。また、「B」という種別には、「居眠り」という異変の内容と、「瞼開口度、頭部運動」というセンシング項目とが対応付けられている。
また、「C」という種別には、「脇見」という異変の内容と、「視線方向」というセンシング項目とが対応付けられている。また、「D」という種別には、「前方不注意」という異変の内容と、「視線方向、眼球運動」というセンシング項目とが対応付けられている。また、「E」という種別には、「発熱」という異変の内容と、「体温」というセンシング項目とが対応付けられている。
検知部11は、運転者が運転席に着座している期間に、例えば、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の種別の順に、カメラ31およびサーモグラフィ32から入力される情報に基づいて、運転者の異変を検知する処理を繰り返し実行する。
例えば、検知部11は、カメラ31から入力される情報に基づいて、運転者の瞼の開口度が所定時間継続して平常時の開口度を下回り、且つ眼球の動きが所定時間継続して停止する場合に、運転者が眠気に襲われていると判定して異変を検知する。
その後、検知部11は、運転者の瞼の開口度が所定時間継続して平常時の開口度となり、且つ眼球が周囲に注意を払う動きを再開する場合に、運転者の眠気が解消したことを検知する。
また、検知部11は、かかる眠気のセンシングが完了した場合に、居眠りのセンシングを行う。例えば、検知部11は、運転者の瞼の開口度が所定時間継続して平常時の開口度を下回り、且つ運転者が周期的に項垂れる姿勢をとる場合に、運転者が居眠り状態になると判定して異変を検知する。
その後、検知部11は、運転者の瞼の開口度が所定時間継続して平常時の開口度となり、且つ運転者が頭を擡げた状態を所定時間継続する場合に、運転者の居眠りが解消したことを検知する。
また、検知部11は、かかる居眠りのセンシングが完了した場合に、脇見のセンシングを行う。例えば、検知部11は、運転者の視線方向が所定時間継続して自車両の進行方向から逸れる場合に、運転者が脇見をしていると判定して異変を検知する。その後、検知部11は、運転者が視線方向を自車両の進行方向に戻した場合に、脇見が解消したことを検知する。
また、検知部11は、かかる脇見のセンシングが完了した場合に、前方不注意のセンシングを行う。例えば、検知部11は、運転者の視線方向が所定時間継続して自車両の進行方向から逸れ、且つ眼球の動きが所定時間継続して停止する場合に、運転者が前方不注意の状態であると判定して異変を検知する。その後、検知部11は、運転者が視線方向を自車両の進行方向に戻した場合に、前方不注意が解消したことを検知する。
また、検知部11は、かかる前方不注意のセンシングが完了した場合に、体温のセンシングを行う。例えば、検知部11は、サーモグラフィ32から入力される情報に基づいて、運転者の体温が平熱を超える場合に、運転者が発熱していると判定して異変を検知する。その後、検知部11は、運転者の体温が平熱に戻れば、発熱が解消したことを検知する。
その後、検知部11は、運転者の眠気、居眠り、脇見、前方不注意、および発熱のセンシングを順次繰り返す。なお、ここでは、検知部11が運転者の眠気、居眠り、脇見、前方不注意、および発熱のセンシングを順次繰り返すこととしたが、検知部11は、運転者の眠気、居眠り、脇見、前方不注意、および発熱のセンシングを並行して常時行う構成であってもよい。
図1へ戻り、検知部11は、運転者の異変を検知した場合に、その旨を示す情報を提案部12へ出力する。また、検知部11は、運転者の異変が解消したことを検知した場合には、その旨を示す情報を提案部12へ出力する。
提案部12は、例えば、操作表示部33から車両の行先となる目的地の設定が行われたことを示す信号が入力された場合に、地図情報22に基づいて現在地から目的地までの走行経路を検索する。
そして、提案部12は、自車両周辺の地図画像に検索した走行経路を重畳させた案内画像を操作表示部33へ出力して表示させることによって走行経路を案内する。さらに、提案部12は、走行経路を案内する音声情報をスピーカ34から出力させる。
また、提案部12は、当初検索した走行経路を自車両が走行中に、運転者の異変が検知されたことを示す情報が検知部11から入力されると、運転者の異変を解消する可能性のある特性の走行経路を検索して運転者へ提案する。
かかる提案部12は、運転者の異変の種別毎に、各異変を解消する複数種類の仮説を含む提案用仮説候補情報23を記憶部20に記憶しており、これらの仮説に基づいて運転者の異変を解消する可能性のある特性の走行経路を運転者へ提案する。このとき、提案部12は、後に詳述する道路特性情報24を参照し、運転者の異変を解消できる可能性が高い走行経路を選択して運転者に提案する。
その後、提案部12は、提案した走行経路を走行しても、運転者の異変が解消されない場合に、異変が解消されなかった走行経路を提案した根拠となった仮説とは別の仮説に基づいて運転者の異変を解消する可能性のある別の特性の走行経路を運転者へ再度提案する。これにより、提案部12は、より確実に運転者の異変を解消することができる。
ここで、図3を参照して提案用仮説候補情報23の一例について説明し、図4を参照して検知部11、提案部12、および正解度増減部14の動作の一例について説明する。図3は、実施形態に係る提案用仮説候補情報23の一例を示す説明図である。図4は、実施形態に係る運転支援装置1の動作の一例を示す説明図である。
図3に示すように、提案用仮説候補情報23は、異変の種別と、異変が解消される仮説と、仮説の正解度とが対応付けられた情報である。図3に示す例では、種別A(眠気)に対して3つの仮説が対応付けられている。
1つめの仮説は、「ワインディングロードの走行により眠気が解消する」という仮説であり、正解度が「90」である。2つ目の仮説は、「道幅が狭い道路の走行により眠気が解消する」という仮説であり、正解度が「75」である。3つ目の仮説は、「走行経験の少ない道路の走行により眠気が解消する」という仮説であり、正解度が「50」である。
また、種別B(居眠り)に対しては、2つの仮説が対応付けられている。1つ目の仮説は、「景色が頻繁に変化する道路の走行により居眠りが解消する」という仮説であり、正解度が「80」である。2つ目の仮説は、「縦揺れが大きな道路の走行により居眠りが解消する」という仮説であり、正解度が「75」である。
なお、ここでは図示を省略しているが、提案用仮説候補情報23では、種別C(脇見)、種別D(前方不注意)、および種別E(発熱)に対しても、それぞれ複数の仮説と、仮説の正解度とが対応付けられる。
提案部12は、検知部11によって運転者の異変が検知された場合に、提案用仮説候補情報23を参照し、正解度に応じた優先順位で選択する仮説に基づく特性の走行経路を提案する。
例えば、提案部12は、提案用仮説候補情報23において、検知部11によって検知された異変の種別に対応付けられた仮説のうち正解度が最高の仮説を選択する。そして、提案部12は、選択した仮説に基づき、異変を解消する可能性がある特性の走行経路を選択して運転者へ提案する。
その後、提案部12は、提案した走行経路を車両が走行した場合の異変の解消結果を検知部11から取得し、正解度増減部14へ出力する。例えば、提案部12は、今回の走行経路を提案した根拠となった仮説と、提案した走行経路を走行したことによって異変が解消したか否かを示す情報とを正解度増減部14へ出力する。
正解度増減部14は、記憶部20に記憶された提案用仮説候補情報23における正解度を、その正解度に対応付けられた仮説に基づく特性の走行経路を走行した場合の異変の解消結果に応じて増減する。
例えば、正解度増減部14は、異変が解消された場合、提案部12から入力される仮説の提案用仮説候補情報23における正解度に「5」を加算し、異変が解消されなかった場合に、正解度から「10」を減算する。正解度の値は、例えば、初期値を「50」、最大値を「100」、最小値を「0」とする。
これにより、提案用仮説候補情報23で各仮説に対応付けられる正解度は、各仮説に基づいて選択された特性の走行経路の走行による異変の解消結果に応じて、その都度、更新される。
なお、異変が解消された場合に、正解度増減部14が正解度に加算する値、および異変が解消されなかった場合に、正解度増減部14が正解度から減算する値は、それぞれ個別に任意の値を設定することが可能である。
このように、正解度に加算する値、および正解度から減算する値を個別に可変とすることにより、提案部12が選択する仮説の優先順位の入れ替え感度を任意に設定することができる。
提案部12は、異変が検知されたときに正解度が最高の仮説に基づく特性の走行経路をその都度提案する。これにより、運転支援装置1は、的確に運転者の異変を解消することができる。
例えば、図4に示すように、運転支援装置1は、は、自車両Vがカーナビゲーション機能によって当初に検索された走行経路R1を走行中に、運転者の眠気を検知した場合、提案用仮説候補情報23を参照する。
このとき、運転支援装置1は、図3に示す提案用仮説候補情報23が記憶されている場合、種別A(眠気)に対応付けられた複数の仮説のうち、正解度が「90」で最高の1つ目の仮説に基づき、ワインディングロードR2を提案する(ステップS11)。
これにより、運転者は運転支援装置1の提案に従う場合、ワインディングロードR2を走行する。その後、運転支援装置1は、眠気解消に失敗した場合、図3で種別A(眠気)に対応付けられた1つ目の仮説の正解度を減少させて「80」とする。運転支援装置1は、次に、この時点で正解度が最高である1つ目の仮説に基づき、ワインディングロードR2を提案する(ステップS12)。
その後、運転支援装置1は、眠気解消に失敗した場合、1つ目の仮説の正解度をさらに減少させて「70」とする。その結果、図3で種別A(眠気)に対応付けられた2つ目の仮説の正解度「75」が最高になり、正解度が最高の仮説が逆転する(ステップS13)。
かかる場合、運転支援装置1は、この時点で正解度が最高である図3で種別A(眠気)に対応付けられた2つ目の仮説に基づき、道幅が狭い道路R3を提案する(ステップS14)。
その後、運転支援装置1は、道幅が狭い道路R3の走行により眠気解消に成功した場合、図3で種別A(眠気)に対応付けられた2つ目の仮説の正解度を増大させて「80」とする(ステップS15)。そして、運転支援装置1は、当初の走行経路R1へ案内する(ステップS16)。
このように、運転支援装置1は、運転者の異変を検知した場合に、提案用仮説候補情報23を参照し、提案用仮説候補情報23の中で正解度が最高の仮説、つまり、検知した異変を解消する可能性が最大の仮説を選択する。
そして、運転支援装置1は、選択した仮説に基づく特性の走行経路を提案する。例えば、運転支援装置1は、上記したように、運転者の眠気を検知した場合、走行経路としてワインディングロードR2を提案することにより、カーブの走行で運転者に作用する遠心力によって眠気の解消を試みる。
その結果、運転支援装置1は、運転者の異変解消に成功した場合、今回選択した仮説の正解度を増大させる。一方、運転支援装置1は、異変解消に失敗した場合には、今回選択した仮説の正解度を減少させる。
このように、運転支援装置1は、運転者や運転中の状況毎に異なる異変の解消に有効な仮説の傾向に応じて、提案用仮説候補情報23における仮説の正解度を動的に変更する。そして、運転支援装置1は、異変解消に失敗した場合には、仮説の正解度が更新された提案用仮説候補情報23を再度参照する。
このとき、運転支援装置1は、前回選択した仮説の正解度が今回も依然として最高である場合には、今回も前回と同じ仮説に基づく特性の走行経路を再度提案する。また、運転支援装置1は、前回選択した仮説の正解度が更新により最高でなくなった場合、その時点で正解度が最高の仮説、つまり、前回選択した仮説とは異なり現時点で異変を解消する可能性が最大の仮説を選択し、その仮説に基づく特性の走行経路を提案する。
例えば、運転支援装置1は、眠気を解消させる特性(例えば、「カーブ走行時に遠心力が作用する特性」)に関する仮説では眠気が解消されない場合、この特性とは異なる特性(例えば、走行中に、「上下運動を伴う特性」、「景色が頻繁に変化する特性」、図3に示す例では、「道幅が狭く運転者に圧迫感を与える特性」)に関する仮説により走行経路を提案する。これにより、運転支援装置1は、次回以降に運転者の異変を検知した場合に、高い確率で運転者の異変を解消することができる。
また、運転支援装置1は、1トリップの期間内で異変を解消できなかった仮説については、正解度が最高点でも選択対象から除外する構成であってもよい。ただし、運転支援装置1は、次回以降のトリップでは、前回のトリップで選択対象から除外した仮説も選択対象とする。
これにより、運転支援装置1は、いつもであれば異変の解消に効果的な仮説であっても、ある日の1トリップの走行では例外的に異変が解消しないような場合に、そのトリップに限り異変が解消しなかった仮説を選択の対象外とすることができる。
また、運転支援装置1は、今回の1トリップの走行で異変が解消せず、選択対象外とした仮説であっても、いつもであれば異変の解消に効果的な仮説については、次回以降のトリップで選択対象となるので、次回以降に異変を解消できる確率を高めることができる。
なお、かかる構成の場合、運転支援装置1は、ナビゲーション機能によって目的地が設定されてから、目的地へ到着するまでの期間を1トリップの期間と判定する。また、運転支援装置1は、車両のエンジンが長期間オフとなった場合に、1トリップの走行が終了したと判定する。また、運転支援装置1は、車両のエンジンが短期間オフとなった場合には、休憩の可能性があるため、1トリップの走行が終了したとは判定しない。
図1へ戻り、提案部12は、運転者の異変を解消する走行経路を運転者へ提案した場合、そのときの運転者の異変を示す種別と、提案した走行経路を示す情報と、走行経路を提案して運転者の異変が解消したか否かを示す情報とを道路特性判定部13へ出力する。
道路特性判定部13は、提案部12から入力される情報に基づいて、道路特性情報24の作成および更新を行う。ここで、図5を参照し、道路特性情報24の一例について説明する。図5は、実施形態に係る道路特性情報24の一例を示す説明図である。
図5に示すように、道路特性情報24は、運転者に生じる異変の種別毎に、リンクNo.、距離・時間、基本指数、特性1、および特性2等が対応付けられた情報である。リンクNo.は、全国の道路を所定距離、分岐点、交差点等で分割した各道路区間のそれぞれに割り当てられた各区間固有の識別番号である。また、距離・時間は、各道路区間の距離、および、各道路区間を法定速度で走行する場合に要する走行時間である。
基本指数は、各道路区間を車両で走行することによって運転者の異変が解消される難易度である。つまり、基本指数は、値が大きいほど、対応するリンクNo.が割り当てられた道路区間を走行しても、対応付けられた種別の異変が解消され難いことを示す。基本指数は、初期値として、例えば、「2.0」が設定され、道路特性判定部13によって「1.0」~「3.0」の範囲で値が変更される。
特性1および特性2等は、各仮説において走行経路に要求される特性の程度の高さを示す値であり、「0」~「0.8」の範囲で仮説毎に設定される。以下、特性1および特性2等を総称する場合には、「特性補正値」と記載する。かかる特性補正値は、対応付けられる仮説において走行経路に要求される特性の程度が高いほど大きな値となる。
例えば、特性1は、「ワインディングロードの走行により眠気が解消する」という仮説に対応付けられている場合、カーブの数が多く、カーブの曲率半径が小さい走行経路ほど値が大きくなる。また、例えば、特性2は、「道幅が狭い道路の走行により眠気が解消する」という仮説が対応付けられている場合、道幅が狭い走行経路ほど値が大きくなる。
道路特性判定部13は、提案部12から入力される情報に基づいて、道路特性情報24における基本指数を更新する。例えば、道路特性判定部13は、図5に示す道路特性情報24の上から2番目のリンクNo.が割り当てられた道路を自車両Vが走行した結果、運転者の眠気が解消しなかった場合、基本指数の初期値「2.0」に「0.1」を加算して「2.1」に更新する。
また、道路特性判定部13は、図5に示す道路特性情報24の上から3番目のリンクNo.が割り当てられた道路を自車両Vが走行した結果、運転者の眠気が解消した場合、基本指数の初期値「2.0」から「0.1」を減算して「1.9」に更新する。そして、提案部12は、運転者の異変が検知された場合に、かかる道路特性情報24に基づいて選択した走行経路を提案する。
図1へ戻り、提案部12の説明を続ける。提案部12は、運転者の異変を解消する可能性のある走行経路を提案する場合に、地図情報22を参照し、異変を解消する仮説に基づいて複数の走行経路を検索する。
このとき、提案部12は、道路特性情報24を参照し、今回選択した仮説が対応付けられた特性補正値と基本指数とに基づいて補正指数を算出する。提案部12は、下記式(1)によって補正指数を算出する。
(補正指数)=(基本指数)―(特性補正値)・・・・(1)
なお、前述したように、基本指数は、「1.0」~「3.0」までの値であり、特性補正値は、「0」~「0.8」までの値である。このため、基本指数は、最小値である「1.0」から特性補正値の最大値である「0.8」を差し引いても「0.2」となり、「0」以下となることはない。
そして、提案部12は、算出した補正指数が最小の走行経路を運転者へ提案する。これにより、運転支援装置1は、今回選択した仮説において走行経路に要求される特性の程度が最大の走行経路を選択することができるので、運転者の異変を解消する可能性がより高い走行経路を提案することができる。
次に、兆候状態検知部15、仮説推定部16、仮説登録部17、および登録用仮説候補情報25について説明する。前述したように、提案部12は、運転者の異変が検知された場合に、提案用仮説候補情報23から正解度が最高の仮説を選択し、その仮説に基づく特性の走行経路を提案する。
このため、提案用仮説候補情報23に含まれる各仮説は異変の解消に大きく影響する。提案用仮説候補情報23に含まれる各仮説は、高い確率で異変解消に成功することができれば、変更の必要はないが、運転者によって異変の解消に有効な仮説の傾向が異なるため、運転者の傾向に応じて変更することが望ましい。
そこで、運転支援装置1は、兆候状態検知部15、仮説推定部16、および仮説登録部17を備え、登録用仮説候補情報25を記憶する。兆候状態検知部15は、異変の兆候状態を検知する。仮説推定部16は、兆候状態検知部15の検出結果に基づき、異変と異変の兆候緩和傾向がある走行経路の特性との関係を仮説として推定する。
そして、仮説登録部17は、仮説推定部16によって推定される仮説のうち、異変の解消に有効な新たな仮説を提案部12が提案する走行経路の選択に使用する仮説の候補として提案用仮説候補情報23へ登録する。また、仮説登録部17は、異変の解消に有効でなくなった仮説を提案用仮説候補情報23から削除する。
具体的には、兆候状態検知部15は、カメラ41、サーモグラフィ42、およびハンドルセンサ43から入力される情報に基づいて、運転者に起こる異変の兆候状態を検知する。このとき、兆候状態検知部15は、図2に示す異変判定項目情報21を参照し、異変判定項目情報21に含まれる全ての種別の異変について、異変の兆候状態を検知する。
なお、兆候状態検知部15は、検知部11によって異変の検知に使用されるカメラ31およびサーモグラフィ32から運転者の情報を取得して、異変の兆候状態を検知する構成であってもよい。つまり、検知部11および兆候状態検知部15は、カメラ31とサーモグラフィ32を共用する構成であってもよい。かかる構成の場合、カメラ41およびサーモグラフィ42は不要となる。
ここでの異変の兆候状態とは、検知部11によって異変とまでは判定されないが、異変が起こる予兆がある状態である。兆候状態検知部15は、例えば、検知部11による異変検知の判定基準を緩和した判定基準に基づき、異変の兆候の有無を判定するとともに、兆候の程度についても判定する。
そして、兆候状態検知部15は、異変の兆候を検知した場合に、兆候を検知した異変の種別、および兆候状態の程度を示す情報を仮説推定部16へ出力する。また、兆候状態検知部15は、異変の兆候を検知しない場合には、その旨を示す情報を仮説推定部16へ出力する。
仮説推定部16は、兆候状態検知部15から入力される情報と、操作表示部33から取得する現在走行中の道路の特性を示す情報とに基づいて、異変と異変の兆候緩和傾向がある走行経路の特性との関係を仮説として推定する。かかる、仮説推定部16は、走行中の運転者に異変の兆候が現れない特性の道路、あるいは、異変の兆候が緩和される特性の道路に基づいて、異変を解消する仮説を推定する。
例えば、仮説推定部16は、信号機が多く設置される道路の走行中に、運転者に脇見の兆候が現れない場合、「信号機が多く設置される道路の走行により脇見が解消する」という仮説を推定する。また、例えば、スクールゾーンの走行中に、運転者の前方不注意の兆候が緩和される場合、「スクールゾーンの走行により前方不注意が解消する」という仮説を推定する。
そして、仮説推定部16は、提案用仮説候補情報23と同様に、異変の種別と、推定した仮説と、仮説の確からしさを示す正解度とを対応付け、登録用仮説候補情報25として記憶部20に記憶させる。その後、仮説推定部16は、兆候状態検知部15から順次入力される情報に基づいて、正解度増減部14と同様に、登録用仮説候補情報25における正解度を増減させて更新する。
仮説登録部17は、登録用仮説候補情報25を参照し、登録用仮説候補情報25に含まれる仮説のうち、ある程度の確からしさとなった仮説を提案部12が提案する走行経路の選択に使用する仮説の候補として提案用仮説候補情報23に登録する。例えば、仮説登録部17は、登録用仮説候補情報25で正解度が「50」に達した仮説を提案用仮説候補情報23に登録する。
また、仮説登録部17は、提案用仮説候補情報23を参照し、提案用仮説候補情報23に含まれる仮説のうち、正解度が所定値(例えば、「20」)を下回った仮説を提案用仮説候補情報23から除外する。
なお、仮説登録部17は、提案用仮説候補情報23から除外した仮説を登録用仮説候補情報25に登録し、正解度が「50」に達した場合に、再度、提案用仮説候補情報23に登録することもできる。
これにより、運転支援装置1は、運転者によって異なる異変の解消に有効な仮説の傾向に応じた異変を解消することができる可能性が高い仮説が登録された提案用仮説候補情報23を生成することができる。
したがって、運転支援装置1は、運転者の異変を検知した場合に、かかる提案用仮説候補情報23から選択した仮説に基づく特性の走行経路を提案することによって、より高い確率で運転者の異変を解消することができる。
次に、図6を参照し、実施形態に係る運転支援装置1の制御部10が実行する処理の一例について説明する。図6は、実施形態に係る運転支援装置1の制御部10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
制御部10は、運転者が自車両Vの運転席に着座している間、図6に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、図6に示すように、制御部10は、まず、種別Aの異変をセンシングする(ステップS101)。
そして、制御部10は、運転者の異変を検知したか否かを判定する(ステップS102)。制御部10は、異変を検知しない場合(ステップS102,No)、処理をステップS109へ移す。また、制御部10は、異変を検知したと判定した場合(ステップS102,Yes)、正解度が最高の仮説を選択する(ステップS103)。
そして、制御部10は、ステップS103で選択した仮説に適合し、補正指数が最小の走行経路を提案する(ステップS104)。その後、制御部10は、異変の解消に成功したか否かを判定する(ステップS105)。
そして、制御部10は、異変の解消に成功しなかった(失敗した)と判定した場合(ステップS105,No)、ステップS103で選択した仮説の正解度を減少させる(ステップS110)。続いて、制御部10は、道路特性情報24を更新し(ステップS111)、処理をステップS103へ移す。
また、制御部10は、異変の解消に成功したと判定した場合(ステップS105,Yes)、ステップS103で選択した仮説の正解度を増大させる(ステップS106)。続いて、制御部10は、道路特性情報24を更新し(ステップS107)、全種別の異変のセンシングが完了したか否かを判定する(ステップS108)。
そして、制御部10は、全種別の異変のセンシングが完了していないと判定した場合(ステップS108,No)、次の種別の異変をセンシングして(ステップS109)、処理をステップS102へ移す。また、制御部10は、全種別の異変のセンシングが完了したと判定した場合(ステップS108,Yes)、処理を終了し、再度ステップS101から処理を開始する。
なお、これまで運転支援装置1が運転者の異変を検知した場合に、異変を解消する可能性のある走行経路を運転者へ提案する場合について説明したが、車載装置と所定の通信ネットワークによって通信可能なサーバ装置が運転支援装置1に代わって走行経路を提案してもよい。
次に、図7~図9を参照し、サーバ装置が車両の運転者へ運転経路を提案する運転支援システムについて説明する。図7は、実施形態に係る運転支援システム100の説明図である。図8は、実施形態に係る運転支援システム100における道路特性情報の一例を示す説明図である。図9は、実施形態に係る運転支援システム100における道路特性情報の変形例を示す説明図である。
図7に示すように、運転支援システム100は、例えば、インターネット等の通信ネットワークNを介して複数の車両C1~Cnと通信可能に接続されるサーバ装置101を備える。各車両C1~Cnは、カーナビゲーション機能を備える。
また、各車両C1~Cnは、図1に示すものと同様のカメラ31、サーモグラフィ32、および検知部11を備える。さらに、各車両C1~Cnは、図1に示すものと同様の異変判定項目情報21を記憶している。
各車両C1~Cnの検知部11は、運転支援装置1と同様に、カメラ31およびサーモグラフィ32から入力される情報に基づいて、運転者の異変をセンシングする。そして、例えば、車両C1の検知部11は、運転者の異変を検知した場合に、運転者の状態をサーバ装置101へ送信する(ステップS21)。このとき、検知部11は、運転者に異変が生じたことと、異変の種別とをサーバ装置101へ送信する。
サーバ装置101は、図1に示すものと同様の提案部12および道路特性判定部13を備える。また、サーバ装置101は、図1に示すものと同様に地図情報22、提案用仮説候補情報、および道路特性情報を記憶している。
ただし、サーバ装置101が記憶している提案用仮説候補情報は、各車両C1~Cnの運転者毎の提案用仮説候補情報である。また、サーバ装置101が記憶している道路特性情報は、図8に示すように、基本指数の桁数だけが図5に示すものとは異なる。
そして、サーバ装置101は、上述した運転支援装置1と同様に、運転者の異変を解消する可能性のある走行経路を車両C1の運転者へ提案する(ステップS22)。その後、車両C1の検知部11は、運転者の異変が解消するまで運転者の状態をサーバ装置101へ送信する。
サーバ装置101は、走行経路を提案しても車両C1の運転者の異変が解消しない場合、運転者の異変が解消するまで、上述した運転支援装置1と同様に、別の仮説に基づいて異変を解消する他の特性の走行経路を運転者へ提案する。
そして、サーバ装置101は、運転者の異変が解消した場合に、提案用仮説候補情報、および道路特性情報を蓄積して記憶する(ステップS23)。このとき、サーバ装置101は、例えば、図8に示す道路特性情報の上から2番目のリンクNo.が割り当てられた道路を車両C1が走行した結果、運転者の異変が解消しなかった場合、基本指数の初期値「2.000」に「0.001」を加算して「2.001」に更新する。
また、サーバ装置101は、図8に示す道路特性情報の上から3番目のリンクNo.が割り当てられた道路を車両C1が走行した結果、運転者の眠気が解消した場合、基本指数の初期値「2.000」から「0.001」を減算して「1.999」に更新する。
また、サーバ装置101は、他の車両から走行経路を提案した結果を取得した場合にも、同様に道路特性情報を更新する。これにより、道路特性情報の基本指数は、多数の運転者の経験が反映され、統計的に信頼性の高い基本指数となる。
そして、サーバ装置101は、このような多数の運転者の経験が反映された信頼性の高い道路特性情報を他車両(例えば、車両Cn)への経路提案に使用する(ステップS24)。これにより、サーバ装置101は、より確実に車両C1の運転者の異変を解消することができる。
なお、図8に示す道路特性情報は一例である。サーバ装置101は、例えば、図9に示す道路特性情報を使用して各車両C1~Cnへ提案する走行経路を決定することもできる。図9に示す道路特性情報は、複数の各グループNo.に、それぞれ複数のリンクNo.および時間・距離が対応付けられており、各グループNo.には、それぞれ一つの基本指数が対応付けられている。
各グループNo.は、それぞれ道路の属性を識別する識別情報である。ここでの属性は、例えば、高速道路、道幅が狭い道路、ワインディングロード、峠道等といった道路を大別した種類である。このため、グループNo.が同じ複数の道路は、全て同じ属性の道路である。
かかる道路特性情報では、サーバ装置101が、いずれかのリンクNo.の道路について基本指数を更新した場合、その道路と同一のグループNo.が割り当てられている他の全道路の基本指数に変更が反映される。
サーバ装置101は、かかる道路特性情報を使用することで、運転者に提案する走行経路を検索する場合に、参照する基本指数の数を大きく低減することができるため、走行経路の検索に要する処理負荷を大幅に低減することができる。
上述した実施形態では、各運転支援装置1が運転者の異変の兆候状態に基づいて新たな仮説を推定して登録用仮説候補情報25を生成して記憶しておき、正解度が所定値に達した仮説を提案用仮説候補情報23へ登録したが、これは一例である。
登録用仮説候補情報25の情報量が多ければ多いほど、異変を解消することができる可能性が高い新たな仮説を登録した提案用仮説候補情報23を生成することが可能となる。このため、例えば、サーバ装置101が複数の車両C1~Cnから収集する情報に基づいて登録用仮説候補情報を生成してもよい。
具体的には、サーバ装置101は、通信可能な全ての車両C1~Cnの運転支援装置1から各運転者の状態を示す情報および各車両C1~Cnが走行中の道路に関する情報を収集する。その後、サーバ装置101は、運転支援装置1が備える兆候状態検知部15、仮説推定部16、および仮説登録部17が実行する処理と同様の処理を行うことに追よって、ビッグデータの登録用仮説候補情報を生成する。
そして、サーバ装置101は、ビッグデータの登録用仮説候補情報に含まれる仮説のうち、正解度が所定値に達した仮説を登録した提案用仮説候補情報を生成し、各車両C1~Cnの運転支援装置1へ提供する。
各運転支援装置1は、サーバ装置101から提供される提案用仮説候補情報における仮説の正解度を、運転者によって異なる異変の解消に有効な仮説の傾向に応じて増減させながら、異変を検知した場合に正解度が最高の仮説に基づく走行経路を提案する。これにより、各運転支援装置1は、より確実に運転者の異変を解消することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 運転支援装置
10 制御部
11 検知部
12 提案部
13 道路特性判定部
14 正解度増減部
15 兆候状態検知部
16 仮説推定部
17 仮説登録部
20 記憶部
21 異変判定項目情報
22 地図情報
23 提案用仮説候補情報
25 登録用仮説候補情報
24 道路特性情報
31,41 カメラ
32,42 サーモグラフィ
33 操作表示部
34 スピーカ
43 ハンドルセンサ
100 運転支援システム
101 サーバ装置
V 自車両

Claims (7)

  1. 運転者の異変を検知する検知部と、
    前記検知部によって前記異変が検知された場合に、前記異変を解消する特性の走行経路を前記運転者へ提案し、前記特性の走行経路を走行しても前記異変が解消されない場合に、前記走行経路の特性とは異なる特性の走行経路を前記運転者へ提案する提案部と
    を備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記提案部は、
    所定の仮説に基づいて前記異変を解消する特性の走行経路を提案し、前記走行経路を走行しても前記異変が解消されない場合に、前記仮説とは別の仮説に基づいて前記異変が解消する特性の走行経路を提案する
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記仮説と当該仮説の正解度とが対応付けられる情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された正解度を、当該正解度に対応付けられた前記仮説に基づく特性の走行経路を走行した場合の前記異変の解消結果に応じて増減する正解度増減部と
    を有し、
    前記提案部は、
    前記正解度に応じた優先順位で選択する前記仮説に基づく特性の走行経路を提案する
    ことを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  4. 前記異変の兆候状態を検知する兆候状態検知部と、
    前記兆候状態検知部の検出結果に基づき、前記異変と当該異変の兆候緩和傾向がある走行経路の特性との関係を仮説として推定する仮説推定部と、
    前記仮説推定部によって推定される仮説を前記提案部が提案する走行経路の選択に使用する前記仮説の候補として登録する仮説登録部と
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の運転支援装置。
  5. 前記仮説登録部は、
    前記正解度が所定値を下回った場合、当該正解度に対応付けられた前記仮説を前記仮説の候補から除外する
    ことを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
  6. 運転者の異変を検知する検知部を備える車載装置と、
    前記車載装置から前記異変が検知されたことを示す検知情報を取得した場合に、前記異変を解消する特性の走行経路を前記運転者へ提案し、前記特性の走行経路を走行しても前記異変が解消されない場合に、前記走行経路の特性とは異なる特性の走行経路を前記運転者へ提案するサーバ装置と
    を備えることを特徴とする運転支援システム。
  7. 運転支援装置の制御部が実行する運転支援方法であって、
    運転者の異変を検知する検知工程と、
    前記検知工程によって前記異変が検知された場合に、前記異変を解消する特性の走行経路を前記運転者へ提案し、前記特性の走行経路を走行しても前記異変が解消されない場合に、前記走行経路の特性とは異なる特性の走行経路を前記運転者へ提案する提案工程と
    を含むことを特徴とする運転支援方法。
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