以下、本開示の実施形態について説明する。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の例に過ぎない。また、下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の説明における前後上下左右の方向は、説明のために便宜上使用しているに過ぎず、実施形態に係る同軸ケーブル用コンセント1の使用方向を規定する趣旨ではない。
(1)実施形態
図1~図7を参照して、本実施形態に係る同軸ケーブル用コンセント1について説明する。
(1-1)概要
図1を参照して、同軸ケーブル用コンセント1の概要を説明する。
図1に示すように、同軸ケーブル用コンセント1は、各種の信号が入力可能な入力側同軸ケーブルと、各種の信号が出力可能な出力側同軸ケーブルとが接続されるコンセントである。この実施形態では、一例として、同軸ケーブル用コンセント1は、屋内の壁面等に設置されるテレビコンセントとして構成されている。
即ち、同軸ケーブル用コンセント1は、入力側同軸ケーブル2と、第1出力側同軸ケーブル4と、第2出力側同軸ケーブル3と、が接続される。入力側同軸ケーブル2は、外部(例えばテレビ受信アンテナ)からテレビ信号を入力する同軸ケーブルである。第1出力側同軸ケーブル4は、入力したテレビ信号をテレビ受像機に出力する同軸ケーブルである。第2出力側同軸ケーブル3は、入力したテレビ信号を他のテレビコンセントに出力する同軸ケーブルである。
そして、同軸ケーブル用コンセント1は、入力側同軸ケーブル2から入力したテレビ信号を、第1出力側同軸ケーブル4を介してテレビ受像機に出力することができ、また、第2出力側同軸ケーブル3を介して他のテレビコンセントに出力することができる。なお、第2出力側同軸ケーブルは、送り側同軸ケーブルとも呼ばれる。
ここで、入力側同軸ケーブル2、第1出力側同軸ケーブル4、及び、第2出力側同軸ケーブル3の各々は、内部導体(芯線とも言う)と、内部導体を覆う絶縁体と、絶縁体の周囲を覆う外部導体と、外部導体を覆うシースと、を備えている。入力側同軸ケーブル2、第1出力側同軸ケーブル4、及び、第2出力側同軸ケーブル3の各々は、内部導体と外部導体とが、ケーブルの延長方向と直交する断面において同軸状(同心状)に配置されている。内部導体は、例えば銅線を備える。外部導体は、例えば、細い銅線を編んだいわゆる編組線を備える。ただし、外部導体は、アルミ箔を備えてもよいし、編組線とアルミ箔とを備えてもよい。
以後、内部導体を芯線とも記載し、外部導体を編素線とも記載する。また、第1出力側同軸ケーブル4を単に出力側同軸ケーブル4とも記載し、第2出力側同軸ケーブル3を単に出力側同軸ケーブル3とも記載する。
より詳細には、同軸ケーブル用コンセント1は、コンセント本体15と、テレビ出力端子5と、入力側接続部6と、出力側接続部7とを備えている。
コンセント本体15は、同軸ケーブル用コンセント1のうち、テレビ出力端子5、入力側接続部6及び出力側接続部7以外の部分であり、例えば略直方体形に形成されている。
テレビ出力端子5は、テレビ信号をテレビ受像機に出力するための端子であり、例えばF型端子である。テレビ出力端子5は、コンセント本体15の前面に設けられており、テレビ受像機からの第1出力側同軸ケーブル4の端部に設けられたF型接栓が接続される。
入力側接続部6は、入力側同軸ケーブル2の端部が電気的及び機械的に接続される接続部であり、出力側接続部7は、第2出力側同軸ケーブル3の端部が電気的及び機械的に接続される接続部である。入力側接続部6及び出力側接続部7は、一例として、コンセント本体15の左右両側の側面(即ちコンセント本体における一方向の両側の側面)に設けられている。
入力側接続部6は、一例として、入力側同軸ケーブル2を入力側接続部6の下方へ引き出す形に構成されている。同様に、出力側接続部7も、一例として、出力側同軸ケーブル3を出力側接続部7の下方へ引き出す形に構成されている。即ち、出力側接続部から引き出される出力側同軸ケーブルの向きは、入力側接続部から引き出される入力側同軸ケーブルの向きと一致している。
また、同軸ケーブル用コンセント1は、取付部8を備えている。取付部8は、同軸ケーブル用コンセント1を、部屋の壁等に埋め込まれたテレビコンセント用ボックス(以後、ボックスと記載する。)内に取り付ける際に、ボックスの取付部に引っ掛かる部分である。取付部8は、同軸ケーブル用コンセント1の正面の左右両側に設けられている。取付部8は、例えば溝部として形成され、ボックスの取付部は、例えば突起部として形成されている。ボックスの取付部(即ち突起部)が取付部8(即ち溝部)に引っ掛かることで、同軸ケーブル用コンセント1がボックス内に収納されて設置される。
このように構成された同軸ケーブル用コンセント1は、部屋の壁等に埋め込まれたボックス内に収納されて設置される。この設置状態で、テレビ出力端子5は、部屋内に露出されており、テレビ受像機からの同軸ケーブル4の端部のF型端子が接続可能になっている。また、入力側接続部6は、必要に応じて、テレビアンテナ等からの入力側同軸ケーブル2と接続されてテレビ信号を入力する。出力側接続部7は、別のテレビコンセントへの出力側同軸ケーブル3と接続される。
このように接続されることで、同軸ケーブル用コンセント1は、入力側接続部6からテレビ信号を入力し、そのテレビ信号を、テレビ出力端子5からテレビ受像機に出力すると共に出力側接続部7から別の同軸ケーブル用コンセント1に分岐して出力する。
(1-2)詳細
図2を参照して、同軸ケーブル用コンセント1の構成を詳しく説明する。図2に示すように、同軸ケーブル用コンセント1は、ボディ10と、取付用板部11と、化粧端子台12と、回路基板13と、シールドカバー14と、上記のテレビ出力端子5と、上記の入力側接続部6と、上記の出力側接続部7と、を備えている。ボディ10、取付用板部11、化粧端子台12、回路基板13、及びシールドカバー14は、上記のコンセント本体15を構成している。
ボディ10は、各構成部品(取付用板部11、化粧端子台12、回路基板13、シールドカバー14、入力側接続部6、出力側接続部7など)が取り付けられる骨格部分である。ボディ10は、金属製である。ボディ10は、平面視で略U字形に形成されており、前面部10aと、左側の側板部10bと、右側の側板部10cと、を備えている。前面部10aは、略矩形の板状である。側板部10b及び側板部10cは、互いに同形同大の略矩形の板状である。側板部10b及び側板部10cの各々は、前面部10aの左右各辺部から後方に向かって延びている。
ボディ10は、前面部10aに、テレビ出力端子5と、複数の嵌合孔17,18と、を備えている。テレビ出力端子5は、前面部10aの中央に設けられており、前方に突出している。各嵌合孔17,18は、前面部10aに取付用板部11を取り付けるための孔であり、前面部10aの周縁に互いに離れて設けられている。嵌合孔17は、例えば、円弧状の長孔であり、前面部10aの4つの角部のうちの互いに対向する2つの角部の付近に1つずつ計2つ設けられている。嵌合孔18は、例えば、円形の開口を有する孔であり、前面部10aの4つの角部のうちの上記2つの角部以外の1つの角部の付近に1つ設けられている。
ボディ10は、各側板部10b,10cの外側主面の各々に、周壁部11b,11cを備えている。各周壁部11b,11cは、側板部10b,10cに垂直に立てられており、側板部10b,10cの周縁部に沿って設けられている。周壁部11b内に入力側接続部6が設けられ、周壁部11c内に出力側接続部7が設けられている。
ボディ10は、各側板部10b,10cの内側主面の各々に、基板ガイドレール20を備えている。基板ガイドレール20は、回路基板13がボディ10内に収納される際に、回路基板13の左右各辺部にスライド可能に嵌合することで、回路基板13をボディ10内の所定位置に案内する部分である。基板ガイドレール20は、各側板部10b、10cの内側主面における上下方向の中央において、内側主面の横幅方向に沿って延びている。基板ガイドレール20は、互いに間隔を空けた上下一対の壁部で構成されており、回路基板13の左右各辺部が、上記の上下一対の壁部の間にスライド可能に嵌合する。
ボディ10は、各側板部10b,10cの内側主面の上縁部及び下縁部の各々に、シールドカバーガイド部21を備えている。シールドカバーガイド部21は、シールドカバー14の裏面の周縁部に当接することで、シールドカバー14の上面部14a及び下面部14bの各々をボディ10の開放上面及び開放下面に配置するように支持する部分である。
各シールドカバーガイド部21は、板部であり、ボディ10の内部側に向かって突出しており、各側板部10b,10cの横幅方向に沿って延びている。各側板部10b,10cの上縁部のシールドカバーガイド部21は、各側板部10b,10cの上端面から少し下がった位置(即ちシールドカバー14の厚さ分、下がった位置)に設けられている。各側板部10b,10cの下縁部のシールドカバーガイド部21は、各側板部10b,10cの下端面から少し上がった位置(即ちシールドカバー14の厚さ分、上がった位置)に設けられている。
各側板部10b,10cの上端面及び下端面の各々の前面部10a側の端部の付近には、段差凹部22が設けられ、段差凹部22の底面には、嵌合穴23が設けられている。段差凹部22は、シールドカバー14の引掛片14dが嵌合する部分であり、段差凹部22の底面は、シールドカバーガイド部21に対して平坦である。嵌合穴23は、引掛片14dの先端部が嵌合する穴である。
取付用板部11は、取付部8を構成するための板部であり、略矩形の板状である。取付用板部11は、端子台嵌合孔26を備えている。端子台嵌合孔26は、化粧端子台12の円筒部122が嵌合する円筒状の孔であり、取付用板部11の主面の中央に貫通状に設けられている。端子台嵌合孔26の内周面には、一対の溝部26aが設けられている。一対の溝部26aは、端子台嵌合孔26の深さ方向に沿って端子台嵌合孔26の表側開口面から裏側開口面側に向かって延びている。一対の溝部26aの各々の裏側開口部側の端部は、端子台嵌合孔26の周方向の一方側に屈曲して屈曲端部を構成している。
取付用板部11の表側主面のうち、左右両側の縁部11aは、左右両側の縁部11a以外の部分である中央部11fに比べて、取付用板部11の厚さ方向に段差状に下がっている。縁部11aと中央部11fとの間の段差側面には、例えば溝状の取付部8が設けられている。
取付用板部11の裏側主面には、複数の嵌合爪(図示省略)が設けられている。各嵌合爪は、ボディ10の前面部10aの各嵌合孔17,18に対応する位置に設けられており、対応する嵌合孔17,18に嵌合する。この嵌合により、取付用板部11は、ボディ10の前面部10aに取り付けられる。この取付状態では、テレビ出力端子5は、端子台嵌合孔26の中央に配置し、左右各側の取付部8はそれぞれ、左右各方向を向いている。
化粧端子台12は、同軸ケーブル用コンセント1の前面を装飾する部材であり、色違いのものが用意されている。化粧端子台12は、端子台本体121と、円筒部122と、を備えている。端子台本体121は、取付用板部11の表側主面の中央部11fと同形同大の略矩形の板状である。端子台本体121の主面の中央には、円形のテレビ出力端子挿通孔28が貫通状に設けられている。
円筒部122は、端子台本体121の裏側主面に設けられており、端子台本体121の裏側に突出している。円筒部122とテレビ出力端子挿通孔28とは、それらの内周面が面一になるように、互いに連通している。円筒部122は、端子台嵌合孔26の内部に嵌合可能に形成されている。円筒部122の外周面には、一対の突起部(図示省略)が設けられている。
円筒部122は、上記の一対の突起部が取付用板部11の一対の溝部26aに沿って移動するように、端子台嵌合孔26に挿入される。そして、化粧端子台12が取付用板部11の表側主面に当接した状態で、円筒部122が一定角度回転されると、上記の一対の突起部が一対の溝部26aの上記の屈曲端部に嵌合する。この嵌合により、化粧端子台12は、取付用板部11の表側主面に取り付けられる。この取付状態では、テレビ出力端子5は、テレビ出力端子挿通孔28の中央に配置している。また、端子台本体121と取付用板部11の中央部11fの各々の輪郭は、互いに一致している。
回路基板13は、略矩形の板状である。回路基板13には、テレビ出力端子5、入力側接続部6の後述の入力側端子部30、出力側接続部7の後述の出力側端子部70、及び、分岐回路などが実装される。上記の分岐回路は、入力側端子部30に入力されたテレビ信号を2つの分岐信号に分岐し、一方の分岐信号をテレビ出力端子5に出力し、他方の分岐信号を上記の出力側端子部70に出力する。
回路基板13は、ボディ10の開放後面(即ち前面部10a側とは反対側の開放面)からボディ10内に収納される。その際、回路基板13の左辺部13a及び右辺部13bの各々は、ボディ10の左右各側の基板ガイドレール20に沿って移動する。この結果、回路基板13は、基板ガイドレール20によって位置決めされた状態で、ボディ10内に収納される。この収納状態では、回路基板13は、ボディ10の上下方向の中間において、ボディ10の前後方向に沿って平行に配置する。
シールドカバー14は、ボディ10の開放上面、開放下面及び開放後面を覆う部材であり、ボディ10の内部と外部とを電磁的に遮蔽する。シールドカバー14は、金属製の略矩形の薄板が側面視略U字形に加工されて形成されており、上面部14a、下面部14b及び後面部14cを、有している。上面部14a及び下面部14bの各々は、後面部14cの上辺部及び下辺部から前方に延びている。
上面部14aの左右両辺部の前端部、及び、下面部14bの左右両辺部の前端部には、引掛片14dが設けられている。各引掛片14dは、シールドカバー14の左右方向外側に突出し、その先端部は、上面部14a及び下面部14bの対向方向に屈曲している。後面部14cの左右両辺部の中央にも、引掛片14eが設けられている。引掛片14eは、シールドカバー14の左右方向外側に突出し、その先端部は、シールドカバー14の前側に屈曲している。
シールドカバー14は、ボディ10の開放後面側からボディ10に取り付けられる。この取付状態では、シールドカバー14の上面部14a、下面部14b及び後面部14cの各々が、ボディ10の開放上面、開放下面及び開放後面を覆う。また、シールドカバー14の上面部14aの裏面の左右両側の縁部の各々が、ボディ10の開放上面の左右両側のシールドカバーガイド部21に当接する。更に、シールドカバー14の上面部14aの左右両側の各引掛片14dの先端部の各々が、ボディ10の左側の側板部10b及び右側の側板部10cの各々の上端面の嵌合穴23に嵌合する。この結果、シールドカバー14の上面部14aがボディ10の開放上面に位置決めされる。同様の構造で、シールドカバー14の下面部14bもボディ10の開放下面に位置決めされる。
また、シールドカバー14の後面部14cの左右両側の引掛片14eの先端部が、ボディ10の左側の側板部10b及び右側の側板部10cの各々の後端面に設けられた嵌合穴(図示省略)に嵌合する。この嵌合により、シールドカバー14の後面部14cがボディ10の開放後面に位置決めされる。
図3~図7を参照して、入力側接続部6、出力側接続部7、及びボディ10の構成を詳しく説明する。
図3に示すように、入力側接続部6は、入力側端子部30(第1端子部)と、端子板31(第2端子部)と、カバー33と、ねじ34と、導電部材35(第1導電部材351、第2導電部材352、第3導電部材353)と、絶縁カバー38と、を備えている。ねじ34は、カバー33を端子板31に固定する固定構造39の一例である。
また、ボディ10の周壁部11bは、金属製である。周壁部11bは、側板部10bの外側主面から立ち上がる4つの側壁(上壁11b1、下壁11b2、後側壁11b3、前側壁11b4)を一体に備え、側板部10bの横幅方向に長い略四角円筒状に形成されている。
下壁11b2の側板部10bからの高さは、上壁11b1、後側壁11b3、前側壁11b4の各々の側板部10bからの高さよりも低い。
後側壁11b3の先端及び前側壁11b4の先端において、上側の部分には、カバー33の一対の支軸336aを受けるための一対の軸受け11b7,11b8が設けられている。
略四角筒状の周壁部11bの基端側開口は、側板部10cで形成された底部11b9で塞がれている。周壁部11bの底部11b9のうち、周縁部は、それ以外の部分である中央部よりも段状に高くなっている。周壁部11bの底部11b9のうち、中央部に絶縁カバー38が設けられる。底部の周縁部の左縁部及び右縁部の各々には、第1導電部材351及び端子板31を固定するための例えば3つの突起部が設けられている。
周壁部11bの底部11b9には、入力側端子部30が挿通する略矩形の挿通孔111と、絶縁カバー38の裏面の突起部383が嵌合する一対の嵌合孔112と、が設けられている。挿通孔111は、周壁部11bの底部11b9の所定位置(例えば底部における横幅方向の一方側にずれた位置)に設けられている。一対の嵌合孔112は、周壁部11bの底部11b9における横幅方向の両側の位置に設けられている。
入力側端子部30は、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した内部導体が接続される部分である。入力側端子部30は、横長棒状の端子部本体30bと、端子部本体30bの先端部に設けられた一対のばね片30aと、を備えている。一対のばね片30aは、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した内部導体を弾性的に挟むことで、内部導体と電気的及び機械的に接続する。一対のばね片30aは下方に延びている。
入力側端子部30の基端部は、周壁部11bの底部11b9の挿通孔111を挿通してボディ10内に配置され、ボディ10内の回路基板13に電気的及び機械的に接続される。入力側端子部30の先端部(即ち一対のばね片30a)は、周壁部11bの内部に突出される。なお、入力側端子部30の先端部(即ち一対のばね片30a)は、周壁部11bの下壁11b2の先端よりも外側に突出する。この状態で、一対のばね片30aは、下側に突出する。
端子板31は、カバー33との間で、入力側同軸ケーブル2の端部(例えばこの端部から露出した外部導体2b)をカバー33との間で狭持する部分である。端子板31は、後述のように絶縁カバー38及び第1導電部材351が周壁部11bの底部11b9に設けられた状態で、周壁部11b内において、周壁部11bの底部11b9の周縁部に設けられる(図4参照)。端子板31は、金属製(例えば鉄製)である。端子板31は、周壁部11bの底部11b9を覆う形状(例えば矩形板状)に形成されている。端子板31の左側縁部及び右側縁部には、3つずつ貫通孔31cが設けられている。各貫通孔31cが周壁部11bの底部11b9の周縁部の上記の突起部に嵌合することで、端子板31は、周壁部11bの底部11b9の周縁部(即ちボディ10)に固定される。
端子板31において、その正面から見て左上側の部分には、絶縁カバー38の後述の入力側端子収容部382を通すための挿通孔31aが形成されている。入力側端子収容部382は、挿通孔31aを通って端子板31の表側に垂直に突出する(図4参照)。なお、入力側端子収容部382内には、後述のように入力側端子部30が収容される。端子板31において、挿通孔31aの下方の部分が、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した外部導体と接触する。端子板31の下側中央部分には、ねじ34がねじ込まれるねじ孔31bが設けられている。
第1導電部材351は、ボディ10と端子板33とカバー33との間の電気的な接続を確保する部材である。第1導電部材351は、周壁部11b内において、端子板31と周壁部11bとの間に配置される(図4参照)。より詳細には、第1導電部材351は、端子板31における横幅方向の両側にそれぞれ1つずつ計2つ配置される。即ち、各第1導電部材351は、端子板31における横幅方向の両側の側面と周壁部11bの両側の側壁11b3,11b4との間に配置される。第1導電部材351は、金属製である。第1導電部材351は、中央に開口が形成された金属板を折曲げることで、上下方向から見てL字状に形成されており、横板部3511と縦板部3512とを有する。
第1導電部材351の横板部3511は、周壁部11bの底部11b9の周縁部と端子板31の裏面との間に挟まれて配置される。横板部3511には、端子板31の3つの貫通孔31cのうち、下側の2つの貫通孔31cに対応する位置に、2つの貫通孔3511aが形成されている。各貫通孔3511aが周壁部11bの底部11b9の周縁部の上記の突起部に嵌合することで、第1導電部材351は、端子板31と一緒に周壁部11bの底部11b9の周縁部(即ちボディ10)に固定される。
横板部3511の中央には、切り欠きが形成されている。この切り欠きの部分に、端子板31の裏面に向かって付勢された3つの板ばね3511bが設けられている。これらの板ばね3511bによって、周壁部11bの底部11b9(即ちボディ10)と端子板31との間の電気的な接続を確保することが可能となり、ボディ10と端子板31との間の電磁シールド性を向上させることが可能となる。
第1導電部材351の縦板部3512は、周壁部11bの前側壁11b4と端子板31の前側端面との間、又は、周壁部11bの後側壁11b3と端子板31の後側端面との間に挟まれる(図4参照)。縦板部3512は、中央部分に、横板部3511の切り欠きと連通する矩形の切り欠きが形成されている。縦板部3512の先端から切り欠き内に、弾性を有する板ばね3512aが突出している。板ばね3512aは、周壁部11bの内部側に突出するように付勢されている。即ち、カバー33が閉じられた状態で、板ばね3512aがカバー33の側面に接触する。
この板ばね3512aによって、周壁部11b(即ちボディ10)とカバー33との間の電気的な接続を確保することが可能となり、ボディ10とカバー33との間の電磁シールド性を向上させることが可能となる。また、板ばね3512aが、周壁部11bの後側壁11b3に形成された一対のリブの間に挟まれることで、縦板部3512の上下方向の位置が保持されている。周壁部11bの前側壁11b4及び後側壁11b3の各々の内面には、段差凹部が形成されており、その段差凹部内に、縦板部3512が嵌合されることによっても、縦板部3512の上下方向の位置が保持されている。
なお、周壁部11bの開口をカバー33で閉じた状態では、板ばね3512aがカバー33の側面に接触する(図7参照)。これにより、周壁部11bの両側の側壁11b3,11b4(即ちボディ10)とカバー33の両側の側面との間の電気的な接続を確保することが可能となり、ボディ10とカバー33との間の電磁シールド性を向上させることが可能となる。
絶縁カバー38は、絶縁性を有する材料(例えば樹脂)で形成されており、入力側端子部30と端子板31との間の絶縁を確保する部材である。絶縁カバー38は、略矩形板状の基台部381と、入力側端子収容部382と、突起部383と、を一体に備えている。基台部381は、周壁部11bの底部11b9に配置される部分である。入力側端子収容部382は、基台部381の裏側から表側に凹むように形成されて入力側端子部30を覆う部分である。突起部383は、周壁部11bの底部11b9の嵌合孔112に嵌合する部分である。
入力側端子収容部382は、中空の矩形箱状に形成されており、基台部381の外側主面において、基台部381の外側主面の側に突出するように設けられている。入力側端子収容部382の内部空間は、基台部381を貫通して基台部381の内側主面の側(即ちボディ10の左右方向内側)に開口している。入力側端子収容部382の下面には、入力側端子収容部382内に収容された入力側端子部30のばね片30aに対応する位置に、貫通孔382aが形成されている(図4参照)。
絶縁カバー38は、上述のように、入力側端子部30が回路基板13に実装されて周壁部11bの底部11b9の挿通孔111に通された状態で、周壁部11bの底部11b9の中央部に配置される。この状態で、入力側端子部30の一対のばね片30aは、入力側端子収容部382内に収容されて、貫通孔382aの裏側に対向して配置する。
そして、この配置状態で、上述のように、端子板31が周壁部11bの底部11b9の周縁部に設けられる。これにより、絶縁カバー38は、周壁部11bの底部11b9と端子板31との間に配置され、入力側端子収容部382は、端子板31の挿通孔31aを通って端子板31の外側に突出する(図4参照)。この状態では、絶縁カバー38(特に入力側端子収容部382)は、入力側端子部30と端子板31との間に介在して、入力側端子部30と端子板31との間の絶縁を確保する。また、入力側端子収容部382の貫通孔382aは、周壁部11bの下壁11b2よりも外側に配置する。これにより、周壁部11bの下側から、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した内部導体2aを、入力側端子収容部382の貫通孔382aに挿入して、入力側端子収容部382内の一対のばね片30aに接続することが可能である。
カバー33は、入力側接続部6に接続された入力側同軸ケーブル2の端部を被覆し、かつ、上述のように、端子板31との間で入力側同軸ケーブル2の端部を狭持する部分である。カバー33は、金属製(例えば亜鉛ダイキャスト製)であり、周壁部11bの開口を覆うように周壁部11bに取り付けられる(図7参照)。カバー33は、周壁部11bに対して回転可能に取り付けられており、周壁部11bの開口を開閉することが可能である。
カバー33は、主面壁331と、4つの側壁(上壁332、下壁333、後側壁334、前側壁335)と、を一体に備えている。4つの側壁は、主面壁331の4辺から主面壁331の裏側に向かって立てられている。カバー33の裏面は、開口している。
カバー33の主面壁331は、上下方向の中央に横方向に延びる段差を有する階段状に形成されている。即ち、主面壁331は、板状の上半部分336と、上半部分336の下縁に沿って上半部分336の裏側に突出する板状の段差部分337と、段差部分337の先端縁に沿って下方に突出する板状の下半部分338と、を備えている。
上半部分336の上端の両側には、カバー33の横幅方向外側に突出する支軸336aが形成されている。両側の支軸336aは、周壁部11bの軸受け11b7,11b8に保持される。支軸336aが軸受け11b7,11b8に保持された状態では、カバー33は、支軸336aの周りで回転可能に周壁部11bに支持される(図6参照)。
ここにおいて、軸受け11b7,11b8の各々は、支軸336aを回転可能に支持する溝部と、その溝部と連通し、支軸336aの直径よりも小さい幅の開口部を有する。開口部の幅が支軸336aの直径よりも小さいため、支軸336aの軸受け11b7,11b8からの脱落が防止される。また、軸受け11b7,11b8と支軸336aとの接触により、周壁部11b(即ちボディ10)とカバー33との電気的な接触が確保されており、同軸ケーブル用コンセント1の電磁シールド性が向上する。
下半部分338の横幅方向の中央には、ねじ34を通すための貫通孔338aが形成されている(図5参照)。段差部分337の横幅方向の中央には、ねじ34の頭を避けるように凹み337a(図7参照)が形成されている。
カバー33の下壁333は、主面壁331の下半部分338の下端よりもやや上方の位置から、主面壁331の裏側に突出している。即ち、主面壁331の下半部分338の一部(下端部)が、いわゆる庇状となっている。
図5を参照して、カバー33について更に詳しく説明する。
図5に示すように、カバー33の下半部分338には、第1保持凹部338bが形成されている。第1保持凹部338bは、入力側端子部30に接続された入力側同軸ケーブル2の端部(例えばこの端部から露出した外部導体)を、端子板31との間で保持する部分である。
第1保持凹部338bは、下半部分338の横幅方向の一方側に偏った位置(即ちカバー33が周壁部11bの開口を覆った状態で入力側同軸ケーブル2の端部に対応する位置)に形成されている。第1保持凹部338bは、下半部分338の裏面において上下方向に沿って延びた半円筒形(即ち筒を縦半分に割った形)に形成されている。
第1保持凹部338bの長手方向に直交する断面の形状は、カバー33の裏側に向かって凹状に湾曲した円弧形(例えば半円形)に形成されている。第1保持凹部338bの下端は、カバー33の下壁333で開放し、第1保持凹部338bの上端は、段差部分337で開放している。第1保持凹部338bの横幅方向の幅(開口幅)は、入力側同軸ケーブル2の外径とほぼ同じ(やや大きい)である。
第1保持凹部338bには、半円筒形(即ち略円筒を縦半分に割った形)に形成され、弾性を有する第2導電部材352が配置されている。第2導電部材352は、第1保持凹部338bと入力側同軸ケーブル2の端部(例えばこの端部から露出した外部導体)との間に介在し、その間を塞ぐ部材である。第2導電部材352には、位置決めのための複数の貫通孔が形成されている。第1保持凹部338bには、第2導電部材352の貫通孔に挿入される複数の突起が設けられている。第2導電部材352の貫通孔に第1保持凹部338bの突起が挿入されることで、第2導電部材352は、第1保持凹部338bに位置決めされる。また、第2導電部材352は、例えば突起を対応する貫通孔に嵌め込むことで、カバー33に固定されている。
カバー33の上壁332には、上壁332の長手方向に沿って2つの切り欠き(第1切り欠き332a,332b)が形成されている。第1切り欠き332a及び第2切り欠き332bは、上壁332の長手方向に沿って並んでいる。第1切り欠き332a及び第2切り欠き332bは、カバー33の正面から見て、カバー33の横幅の中心を通り上下に延びる中心軸線に対して、互いに左右対称な位置に形成されている。第1切り欠き332aは、上壁332において、第1保持凹部338bと上下方向に対応する位置に形成されている。
第1切り欠き332aは、カバー33を支軸336a周りで回転させるときに、絶縁カバー38の入力側端子収容部382が通過できる大きさに形成されている。第2切り欠き332bは、第1切り欠き332aと同じ大きさに形成されている。
カバー33の上壁332には、2つの導電部材35(2つの第3導電部材353)が設けられている。第3導電部材353は、カバー33を閉じたときに周壁部11bの上壁11b1に接触して、周壁部11b(即ちボディ10)とカバー33との間の電気的な接続を確保する部材である。一方の第3導電部材353は、カバー33の上壁332において、第1切り欠き332aに対応する位置に設けられている。他方の第3導電部材353は、カバー33の上壁332において、第2切り欠き332bに対応する位置に設けられている。
第3導電部材353は、金属製である。第3導電部材353は、略半円筒形(即ち略円筒を縦半分に割った形)の基部353aと、基部353aの上縁から上方に延びる一対の板状の連結部353bと、各連結部353bの上縁から左又は右に延びる、計4つの板ばね部353cと、を有する。
第3導電部材353の基部353aは、中央に貫通孔が設けられている。カバー33の上半部分336の裏面には、第3導電部材353の貫通孔に挿入する突起が設けられている。第3導電部材353の貫通孔に、カバー33の上半部分336の突起が挿入されることで、第3導電部材353の基部353aは、カバー33に位置決めされる。また、第3導電部材353の基部353aは、例えば突起を貫通孔に嵌め込むことで、カバー33に固定されている。
第3導電部材353の連結部353bは、基部353aと板ばね部353cとを機械的及び電気的に接続している。第3導電部材353の板ばね部353cは、弾性を有する。板ばね部353cは、カバー33の上壁332の切り欠き(第1切り欠き332a、第2切り欠き332b)の側辺(右辺又は左辺)に対応する位置から、切り欠きと離れる向きに延びている。板ばね部353cの先端は、カバー33を閉じたときに周壁部11bの上壁11b1に接触する。この接触により、ボディ10とカバー33との間の電気的な接続を確保することが可能となり、ボディ10とカバー33との間の電磁シールド性を向上させることができる。
図4~図7を参照して、入力側接続部6に入力側同軸ケーブル2を接続する接続手順を説明する。
図4に示すように、カバー33を開けた状態で、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した内部導体2aを、絶縁カバー38の入力側端子収容部382の貫通孔382aを通して、入力側端子部30の一対のばね片30aの間に挿入する。そして、カバー33を支軸336a周りに回転させてカバー33を閉じる(図6参照)。そして、ねじ34を、カバー33の貫通孔338aを挿通して端子板31のねじ孔31bにねじ込む(図3参照)。この結果、図7に示すように、カバー33が閉状態でボディ10に固定される。即ち、端子板31がボディ10に固定されているため、カバー33は、端子板31にねじ止めされることで、ボディ10に固定される。
この固定状態では、入力側同軸ケーブル2の端部がカバー33の第1保持凹部338bと端子板31との間に狭持される。従って、入力側同軸ケーブル2の端部が入力側接続部6に機械的に接続される。この機械的な接続により、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した内部導体2aと入力側端子部30との電気的な接続を確保することができる。また、入力側同軸ケーブル2の端部から露出した外部導体2bと端子板31との電気的な接続を確保することができる。また、カバー33による入力側同軸ケーブル2の端部(即ちこの端部から露出した内部導体2a及び外部導体2b)の被覆(即ち電磁シールト゛)を確保することができる。即ち、ねじ34でカバー33を端子板31に固定するだけで、入力側同軸ケーブル2の内部導体2a及び外部導体2bの各々をねじで固定しない。この結果、電磁シールド性を確保しつつ、入力側同軸ケーブル2を入力側接続部6に接続する接続作業の負担を軽減することができる。
また、上記の固定状態では、第1導電部材351の板ばね部3512aによって、周壁部11cの側壁とカバー33の側面とが電気的に接続される(図7参照)。これにより、周壁部11b(ボディ10)とカバー62との間の電気的な接続を確保することが可能となり、ボディ10とカバー33との間の電磁シールド性を向上させることが可能となる。
また、第2導電部材352により、入力側同軸ケーブル2の端部と第1保持凹部338bとの間の隙間が塞がれる。従って、同軸ケーブル用コンセント1の電磁シールド性を更に向上させることが可能となる。
また、第3導電部材353の板ばね部353cによって、周壁部11cの上壁11b1とカバー33の上壁332とが電気的に接続される(図7参照)。これにより、周壁部11b(ボディ10)とカバー62との間の電気的な接続を確保することが可能となり、ボディ10とカバー33との間の電磁シールド性を向上させることが可能となる。
次に図3を参照して、出力側接続部7について説明する。出力側接続部7は、入力側接続部6と同様に構成されている。即ち、出力側接続部7は、出力側端子部70(第1端子部)と、端子板71(第2端子部)と、カバー73と、ねじ74と、導電部材75(第1導電部材751、第2導電部材752、第3導電部材753)と、絶縁カバー78と、を備えている。ねじ74は、カバー73を端子板71に固定する固定構造79の一例である。
出力側接続部7の出力側端子部70、端子板71、カバー73、ねじ74、及び絶縁カバー78の各々の各々は、入力側接続部6の入力側端子部30、端子板31、カバー33、ねじ34、及び絶縁カバー38と同様に構成されている。また、出力側接続部7の導電部材75(第1導電部材751、第2導電部材752、第3導電部材753)は、入力側接続部6の導電部材35(第1導電部材351、第2導電部材352、第3導電部材353)と同様に構成されている。このため、出力側接続部7の詳細な説明は省略する。
また、出力側接続部7が取り付けられる周壁部11cも、周壁部11bと同様に構成されている。このため、周壁部11bの詳細な説明も省略する。
また、出力側接続部7への第2出力側同軸ケーブル3の接続手順も、入力側接続部6への入力側同軸ケーブル2の接続手順と同様であるため、詳細な説明を省略する。
(2)変形例
(2-1)変形例1
上記の実施形態では、入力側接続部6から入力側同軸ケーブル2が引き出される向き(即ち入力側接続部6の向き)と、出力側接続部7から第2出力側同軸ケーブル3が引き出される向き(即ち出力側接続部7の向き)とは、ともに下向きで同じ向きであった。しかし、それらの向きは、下向きに限定されず、例えば上向き又は横向きなど、どの向きに向けられてもよい。
また、入力側接続部6から入力側同軸ケーブル2が引き出される向きと、出力側接続部7から第2出力側同軸ケーブル3が引き出される向きとは、互いに同じ向きであったが、互いに異なる向きであってもよい。例えば、入力側接続部6から入力側同軸ケーブル2が引き出される向きが上向きで、出力側接続部7から第2出力側同軸ケーブル3が引き出される向きが下向きであってもよい。
なお、入力側接続部6から入力側同軸ケーブル2が引き出される向きとは、入力側接続部6の入力側端子収容部382の貫通孔382aの向きである。同様に、出力側接続部7から出力側同軸ケーブル3が引き出される向きとは、出力側接続部7の出力側端子収容部の貫通孔の向きである。
(2-2)変形例2
また、上記の実施形態の入力側接続部6において、2つの第3導電部材353のうち、入力側端子収容部382に対応しない方の第3導電部材353は無くてもよい。また、2つの切り欠き332のうち、入力側端子収容部382に対応しない方の切り欠き332bも無くてもよい。出力側接続部7についても同様である。
(2-3)変形例3
また、上記の実施形態において、出力側接続部7に接続可能な第2出力側同軸ケーブル3の本数は1本であるが、出力側端子部71及び出力側端子収容部などの個数を増やすことで、複数の第2出力側同軸ケーブル3が出力側接続部7に接続できるようにしてもよい。
(2-4)変形例4
また、上記の実施形態の入力側接続部6では、ねじ34をカバー33の貫通孔338aを通して端子板31のねじ孔31bにねじ込むことで、カバー33を閉状態に固定した。これに対し、端子板31のねじ孔31bを貫通孔(ねじ山の無い孔)に変更して、周壁部11bの底部11b9にねじ孔を設ける。そして、ねじ34をカバー33の貫通孔338a及び端子板31の上記の貫通孔を通して、周壁部11bの底部11b9の上記のねじ孔にねじ込む。このように、カバー33を閉状態に固定してもよい。出力側接続部7についても同様である。
(2-5)変形例5
また、上記の実施形態では、入力側接続部6のねじ34と出力側接続部7のねじ74とは、互いに別のねじであった。即ち、入力側接続部6のカバー33及び出力側接続部7のカバー73は、異なるねじで閉状態で固定されたが、図8に示すように、入力側接続部6のカバー33と出力側接続部7のカバー73とを、1本のねじ8aで閉状態に固定してもよい。
より詳細には、図8に示すように、入力側接続部6において、端子板31のねじ孔31bを貫通孔に変更し、周壁部11bの底部11b9に貫通孔を設ける。同様に、出力側接続部7において、端子板71のねじ孔を貫通孔に変更し、周壁部11cの底部に貫通孔を設ける。そして、1本のねじ8aを、出力側接続部7のカバー73の貫通孔、端子板71の上記の貫通孔、及び周壁部11cの底部の上記の貫通孔を順に通って、ボディ10の内部に通す。そして更に、1本のねじ8bを、ボディ10の内部から、入力側接続部6の周壁部11bの底部11b9の上記の貫通孔、端子板31の上記の貫通孔、及び、カバー33の貫通孔338aを順に通す。そして、ねじ8aの先端部にナット8bを締結する。この構成によれば、1本のねじ8aで、入力側接続部6のカバー33と出力側接続部7のカバー73とを閉状態に固定することができる。
なお、一本のねじは、入力側接続部6側から挿入して出力側接続部7から突出させてもよい。また、ナット8bの代わりに、入力側接続部6のカバー33にねじ孔を設け、そのねじ孔にねじ8aの先端部をねじ込んでもよい。
(2-6)変形例6
また、上記の実施形態では、入力側接続部6のカバー33及び出力側接続部7のカバー73をねじで閉状態に固定した。これに対し、図9に示すように、断面略U字形の閉塞具40を用いて、入力側接続部6のカバー33及び出力側接続部7のカバー73を閉状態に固定してもよい。
より詳細には、図9に示すように、閉塞具40は、金属製又は樹脂製であり、主面部40aと両側の側面部40b,40cとを有している。主面部40a及び側面部40b,40cの各々は、略矩形の板状である。両側の側面部40b,40cは、主面部40aの両側の辺部から、主面部40aの裏面側に略直角に立ち上がっている。主面部40aには、ねじ41が通る貫通孔が設けられており、ボディ10の上面には、ねじ41がねじ込まれるねじ孔が設けられている。
閉塞具40をボディ10の上側からボディ10の外側に嵌合させる。この状態で、両側の側面部40b,40cの各々は、各カバー33,73の各々の表側主面(例えば上半部分)に接触し、主面部40aはボディ10の上面に接触する。そして、ねじ41を閉塞具40の貫通孔を通してボディ10のねじ孔にねじ込む。これにより、閉塞具40がボディ10に固定され、閉塞具40によって各カバー33,73が閉状態に固定される。なお、閉塞具40及びねじ41は、固定構造39,79の一例である。
(3)態様
以上、説明した実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)は、入力側接続部(6)と、出力側接続部(7)と、を備える。入力側接続部(6)は、入力側同軸ケーブル(2)が接続される。出力側接続部(7)は、出力側同軸ケーブル(3)が接続される。入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)の各々は、第1端子部(30,70)と、第2端子部(31,71)と、カバー(33,73)と、固定構造(39,79)と、を有する。第1端子部(30,70)は、入力側同軸ケーブル(2)の内部導体(2a)又は出力側同軸ケーブル(3)の内部導体と電気的に接続される。第2端子部(31,71)は、第1端子部(30,70)とは電気的に絶縁され、入力側同軸ケーブル(2)の外部導体(2b)又は出力側同軸ケーブル(3)の外部導体と電気的に接続される。カバー(33,73)は、第1端子部(30,70)と電気的に絶縁され、かつ第2端子部(31,71)と電気的に接続されており、入力側同軸ケーブル(2)の端部又は出力側同軸ケーブル(3)の端部を覆う。固定構造(39,79)は、第2端子部(31,71)とカバー(33,73)とを固定する。
この構成によれば、同軸ケーブル(2,3)の内部導体が第1端子部(30,70)に電気的に接続され、かつカバー(33,73)によって同軸ケーブル(2,3)の内部導体及び外部導体が覆われる。この状態で、固定構造(39,79)でカバー(33,73)が第2端子部(31,71)に固定される。これにより、カバー(33,73)と第2端子部(31,71)との間に同軸ケーブル(2,3)の端部が挟まれて、同軸ケーブル(2,3)の端部が入力側接続部(6)又は出力側接続部(7)に機械的に接続される。
この機械的な接続により、同軸ケーブル(2,3)の内部導体と第1端子部(30,70)との電気的な接続を確保することができる。また、同軸ケーブル(2,3)の外部導体と第2端子部(31,71)との電気的な接続を確保することができる。また、カバー(33,73)による同軸ケーブル(2,3)の端部(より詳細にはこの端部から露出した内部導体及び外部導体)の被覆(即ち電磁シールト゛)を確保することができる。即ち、固定構造(39,79)でカバー(33,73)を第2端子部(31,71)に固定するだけで、同軸ケーブル(2,3)の内部導体及び外部導体の各々をねじで固定しない。この結果、電磁シールド性を確保しつつ、同軸ケーブル(2,3)を入力側接続部(6)又は出力側接続部(7)に接続する接続作業の負担を軽減することができる。
第2の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)では、第1の態様において、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)の各々は、ボディ(10)と、導電部材(351,353,751,753)と、を更に有する。ボディ(10)は、導電性を有し、第2端子部(31,71)と電気的に接続され、第1端子部(30,70)及び第2端子部(31,71)を収容し、カバー(33,73)で覆われる開口を有する。導電部材(351,353,751,753)は、カバー(33,73)とボディ(10)との間の隙間に配置され、カバー(33,73)とボディ(10)とを電気的に接続する。
この構成によれば、カバー(33,73)によってボディ(10)の開口が閉じられる。この状態で、導電部材(351,353,751,753)がカバー(33,73)とボディ(10)との間の隙間に配置されてカバー(33,73)とボディ(10)とを電気的に接続する。このため、カバー(33,73)とボディ(10)との間の電気的な接触を十分に確保することができ、この結果、カバー(33,73)とボディ(10)との間の電磁シールド性を向上させることができる。
第3の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)では、第2の態様において、導電部材(351,353,751,753)は、弾性を有する。
この構成によれば、カバー(33,73)とボディ(10)との間に寸法誤差があっても、導電部材(351,353,751,753)の弾性によって寸法誤差を吸収することができる。この結果、カバー(33,73)とボディ(10)との電気的な接触を十分に確保することができる。
第4の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、固定構造(39,79)は、ねじ(34,74,8a,41)を含む。
この構成によれば、第2端子部(31,71)とカバー(33,73)とがねじを用いて固定されるため、簡単な固定構造でカバー(33,73)を第2端子部(31,71)に固定することができる。
第5の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)では、第4の態様において、入力側接続部(6)のねじと出力側接続部(7)のねじとは、1本のねじ(8a)である。
この構成によれば、1本のねじ(8a)を用いて、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)の各々においてカバー(33,73)を第2端子部(31,71)に固定することができる。この結果、同軸ケーブル(2,3)を入力側接続部(6)又は出力側接続部(7)に接続する接続作業の負担を、より一層、軽減することができる。
第6の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)は、第1~第5のいずれかの態様において、コンセント本体(15)を更に備える。コンセント本体(15)は、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)が設けられる。入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)は、コンセント本体(15)における一方向の両側の面に設けられている。
この構成によれば、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)は、コンセント本体(15)における一方向の両側の面に設けられるため、入力側接続部(6)と出力側接続部(7)とを互いに十分な間隔を空けてコンセント本体(15)に設けることができる。この結果、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)の各々から引き出された同軸ケーブル(2,3)が互いに干渉することを防止することができる。
第7の態様の同軸ケーブル用コンセント(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、出力側接続部(7)から出力側同軸ケーブル(3)が引き出される向きは、入力側接続部(6)から入力側同軸ケーブル(2)が引き出される向きとは異なる。
この構成によれば、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)の各々に応じて、最適な方向に同軸ケーブル(2,3)を引き出すことができる。この結果、入力側接続部(6)及び出力側接続部(7)の各々から、同軸ケーブル(2,3)を無理に曲げることなく、同軸ケーブル(2,3)を引き出すことができる。