JP7015121B2 - 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7015121B2 JP7015121B2 JP2017140310A JP2017140310A JP7015121B2 JP 7015121 B2 JP7015121 B2 JP 7015121B2 JP 2017140310 A JP2017140310 A JP 2017140310A JP 2017140310 A JP2017140310 A JP 2017140310A JP 7015121 B2 JP7015121 B2 JP 7015121B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- main component
- concentration
- ceramic
- respect
- dielectric layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。図1で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、直方体形状を有する積層チップ10と、積層チップ10のいずれかの対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。なお、積層チップ10の当該2端面以外の4面のうち、積層方向の上面および下面以外の2面を側面と称する。外部電極20a,20bは、積層チップ10の積層方向の上面、下面および2側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、互いに離間している。
まず、誘電体層11を形成するための誘電体材料を用意する。誘電体層11に含まれるAサイト元素およびBサイト元素は、通常はABO3の粒子の焼結体の形で誘電体層11に含まれる。例えば、BaTiO3は、ペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このBaTiO3は、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得ることができる。誘電体層11を構成するセラミックの合成方法としては、従来種々の方法が知られており、例えば固相法、ゾル-ゲル法、水熱法等が知られている。本実施形態においては、これらのいずれも採用することができる。
次に、得られた誘電体材料に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、フタル酸ジオクチル(DOP)等の可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に例えば厚み0.8μm以下の帯状の誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。
このようにして得られた成型体を、250~500℃のN2雰囲気中で脱バインダ処理した後に、酸素分圧10-5~10-8atmの還元雰囲気中で1100~1300℃で10分~2時間焼成することで、各化合物が焼結して粒成長する。このようにして、積層セラミックコンデンサ100が得られる。
その後、N2ガス雰囲気中で600℃~1000℃で再酸化処理を行ってもよい。
(めっき処理工程)
その後、めっき処理により、外部電極20a,20bに、Cu,Ni,Sn等の金属コーティングを行ってもよい。
(誘電体材料の作製)
チタン酸バリウム粉末(平均粒子径0.15μm)100atm%に対して、Ho濃度が0.4atm%、Mn濃度が0.2atm%、V濃度が0.1atm%、Si濃度が0.6atm%、Mo濃度が0.2atm%となるようにHo2O3、MnCO3、V2O5、SiO2、およびMoO3を秤量し、ボールミルで十分に湿式混合粉砕して誘電体材料を得た。
実施例1においては、チタン酸バリウム粉末(平均粒子径0.2μm)100atm%に対し、Ho濃度が0.4atm%、Mn濃度が0.2atm%、V濃度が0.1atm%、Si濃度が0.6atm%となるように、Ho2O3、MnCO3、V2O5、およびSiO2を秤量した。実施例2においては、さらにMo濃度が0.1atm%となるようにMoO3を秤量した。実施例3においては、さらにMo濃度が0.17atm%となるようにMoO3を秤量した。その後、ボールミルで十分に湿式混合粉砕して逆パターン材料を得た。
誘電体材料に有機バインダとしてブチラール系、溶剤としてトルエン、エチルアルコールを加えてドクターブレード法にて焼結後の誘電体層11の厚みが0.8μmになるようにグリーンシートを作製した。得られたシートに内部電極形成用ペーストをスクリーン印刷して内部電極を形成した。印刷したシートを250枚重ねた。次に、カバー材料に有機バインダとしてブチラール系、溶剤としてトルエン、エチルアルコールを加えてドクターブレード法にて、焼結後の厚みが10μmになるように誘電体カバーシートを作製した。その後、積層した誘電体グリーンシートの上下に誘電体カバーシートをそれぞれ3枚積層して熱圧着させて積層体を得て、所定の形状に切断した。得られた積層体にNi外部電極をディップ法で形成し、N2雰囲気で脱バインダ処理の後、還元雰囲気下(O2分圧:10-5~10-8atm)、1250℃で焼成して焼結体を得た。形状寸法は、長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであった。焼結体をN2雰囲気下800℃の条件で再酸化処理を行った後、めっき処理して外部電極端子の表面にCu,Ni,Snの金属コーティングを行い、積層セラミックコンデンサを得た。なお焼成後においてNi内部電極の厚みは1.0μmであった。
比較例1においては、カバー材料を作製する工程において、チタン酸バリウム粉末(平均粒子径0.15μm)100atm%に対し、Ho濃度が0.4atm%、Mn濃度が0.2atm%、V濃度が0.1atm%、Si濃度が0.6atm%、Mo濃度が0.2atm%となるように、Ho2O3、MnCO3、V2O5、SiO2、およびMoO3を秤量した。その他の条件は実施例1と同様とした。
比較例2においては、誘電体材料を作製する工程において、チタン酸バリウム粉末(平均粒子径0.15μm)100atm%に対して、Ho濃度が0.4atm%、Mn濃度が0.2atm%、V濃度が0.1atm%、Si濃度が0.6atm%となるようにHo2O3、MnCO3、V2O5およびSiO2を秤量し、Mo源を添加しなかった。その他の条件は、実施例1と同様とした。
実施例1~3および比較例1,2に対してHALT(高温加速寿命試験:Highly Accelerated Limit Test)不良率および容量取得率を測定した。HALT不良率の測定においては、125℃-12Vdc-120min-100個のHALT試験を実施し、ショート不良率5%未満を合格(○)とし、5%以上10%未満を△とし、10%以上を不合格(×)とした。容量取得率の測定においては、容量をLCRメーターにて測定した。この測定値と、誘電体材料の誘電率(予め誘電体材料のみでφ=10mm×T=1mmの円板状焼結体を作製して容量を測定し、誘電率を算出)、内部電極の交差面積、誘電体セラミック層厚み、積層枚数から計算される設計値を比較し、容量取得率(測定値/設計値×100)が95%~105%のものを合格(○)とした。
11 誘電体層
12 内部電極層
13 カバー層
20a,20b 外部電極
100 積層セラミックコンデンサ
Claims (7)
- セラミックを主成分としVを含む誘電体層と、内部電極層と、が交互に積層され、略直方体形状を有し、積層された複数の前記内部電極層が交互に対向する2端面に露出するように形成された積層構造と、
前記積層構造の積層方向の上面および下面の少なくともいずれか一方に設けられ、前記誘電体層と主成分が同じでVを含むカバー層と、を備え、
前記カバー層における主成分セラミックに対するMo濃度は、前記誘電体層における主成分セラミックに対するMo濃度よりも低いことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。 - 前記カバー層の主成分セラミックおよび前記誘電体層の主成分セラミックは、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記誘電体層におけるV濃度と、前記カバー層におけるV濃度とが同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 主成分セラミック粒子を含みVを含むグリーンシート上に、金属導電ペーストの第1パターンを配置する第1工程と、
前記第1工程によって得られた積層単位を、前記第1パターンの配置位置が交互にずれるように複数積層する第2工程と、
前記第2工程によって得られたセラミック積層体の積層方向の上面および下面の少なくともいずれか一方に主成分セラミック粒子を含みVを含むカバーシートを配置して焼成する第3工程と、を含み、
前記カバーシートにおける主成分セラミックに対するMo濃度を、前記グリーンシートにおける主成分セラミックに対するMo濃度よりも低くすることを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 前記カバーシートにおける主成分セラミックに対するV濃度を、前記グリーンシートにおける主成分セラミックに対するV濃度と同じにすることを特徴とする請求項4記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
- 前記カバーシートにおける主成分セラミックに対するMo濃度は、0.2atm%未満であることを特徴とする請求項5記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
- 前記グリーンシートおよび前記カバーシートの主成分セラミックは、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017140310A JP7015121B2 (ja) | 2017-07-19 | 2017-07-19 | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 |
TW107123839A TWI814730B (zh) | 2017-07-19 | 2018-07-10 | 積層陶瓷電容器及其製造方法 |
KR1020180081417A KR102492594B1 (ko) | 2017-07-19 | 2018-07-13 | 적층 세라믹 콘덴서 및 그 제조 방법 |
CN201810782204.3A CN109285698B (zh) | 2017-07-19 | 2018-07-17 | 多层陶瓷电容器及其制造方法 |
US16/039,171 US10964481B2 (en) | 2017-07-19 | 2018-07-18 | Multilayer ceramic capacitor and manufacturing method thereof |
US17/179,154 US11631540B2 (en) | 2017-07-19 | 2021-02-18 | Multilayer ceramic capacitor of barium titanate ceramic doped with molybdenum and manufacturing method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017140310A JP7015121B2 (ja) | 2017-07-19 | 2017-07-19 | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019021817A JP2019021817A (ja) | 2019-02-07 |
JP7015121B2 true JP7015121B2 (ja) | 2022-02-02 |
Family
ID=65353244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017140310A Active JP7015121B2 (ja) | 2017-07-19 | 2017-07-19 | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7015121B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7026648B2 (ja) | 2019-02-08 | 2022-02-28 | 株式会社アルファ | 車両のドアハンドル装置 |
JP2021100020A (ja) * | 2019-12-20 | 2021-07-01 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002043162A (ja) | 2000-07-26 | 2002-02-08 | Tokin Ceramics Corp | 非還元性誘電体材料の製造方法 |
JP2007173714A (ja) | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Kyocera Corp | 積層セラミックコンデンサおよびその製法 |
WO2012114877A1 (ja) | 2011-02-23 | 2012-08-30 | 株式会社 村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
WO2012117945A1 (ja) | 2011-03-03 | 2012-09-07 | 株式会社 村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
WO2014148373A1 (ja) | 2013-03-19 | 2014-09-25 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
JP2016127120A (ja) | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサ |
JP2017228737A (ja) | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサ、セラミック粉末、およびそれらの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101701049B1 (ko) * | 2015-08-07 | 2017-01-31 | 삼성전기주식회사 | 적층 세라믹 전자부품 및 적층 세라믹 전자부품의 제조방법 |
-
2017
- 2017-07-19 JP JP2017140310A patent/JP7015121B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002043162A (ja) | 2000-07-26 | 2002-02-08 | Tokin Ceramics Corp | 非還元性誘電体材料の製造方法 |
JP2007173714A (ja) | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Kyocera Corp | 積層セラミックコンデンサおよびその製法 |
WO2012114877A1 (ja) | 2011-02-23 | 2012-08-30 | 株式会社 村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
WO2012117945A1 (ja) | 2011-03-03 | 2012-09-07 | 株式会社 村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
WO2014148373A1 (ja) | 2013-03-19 | 2014-09-25 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミックコンデンサ |
JP2016127120A (ja) | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサ |
JP2017228737A (ja) | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサ、セラミック粉末、およびそれらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019021817A (ja) | 2019-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6955363B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
KR102648161B1 (ko) | 적층 세라믹 콘덴서 및 그 제조 방법 | |
TWI814730B (zh) | 積層陶瓷電容器及其製造方法 | |
JP7424740B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP6823975B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP6996867B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP6986360B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP6986361B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP2019102766A (ja) | セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JP6823976B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
US11721483B2 (en) | Multilayer ceramic capacitor | |
JP2018056239A (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP2018139253A (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP7015121B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP7421313B2 (ja) | セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JP2022188286A (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP2020202245A (ja) | セラミック電子部品の製造方法 | |
JP7169069B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP2021082644A (ja) | セラミック電子部品の製造方法 | |
JP2022055716A (ja) | セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JP2021158276A (ja) | セラミック原料粉末、セラミック電子部品の製造方法、およびセラミック原料粉末の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200707 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210427 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210525 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220121 |