JP7013902B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンスまたはLEDを含む発光素子(発光ダイオード)を備えた表示装置、及び表示装置基板に関し、特に、タッチセンシング機能を具備する表示装置に関する。
近年、発光素子がマトリクス状に配列されている表示装置の解像度が向上し、薄型化が進んでいる。また、5インチや8インチといった画面サイズを有しかつ高画質が実現可能な、タッチセンシング機能を有する表示装置を備えたモバイル機器、例えば、スマートフォン、タブレットが市販されている。
発光素子は、一対の電極間に電界が与えられた時に、陽極(例えば、上部電極)から注入されるホールと、陰極(例えば、下部電極、画素電極)から注入される電子が再結合することにより励起され、画素単位で発光する。尚、上部電極と下部電極の役割は入れ替えることができる。
特に、有機エレクトロルミネセンス(Organic Electroluminescence。以下、有機ELと記載する)表示装置やLED(Light Emitting Diode)表示装置は、このようなモバイル機器の薄型化に貢献することができる。前記LEDは、画素部に個々配設される、それぞれ赤色、緑色、青色発光のLEDチップを指し、通常マイクロLEDとも呼称される(以下、LEDと記載する)。
特許文献1の段落番号[0036]には、タッチセンシング配線を、銅や金といった金属から形成することが記載されている。しかしながら、銅、銀、金といった銅族元素は、ガラス基板やプラスチックフィルムに対して実用的な密着性を有しておらず、特許文献1には、銅、銀、金といった金属の基板に対する密着性を改善するような実用的技術が提案されていない。
特許文献2においては、視認性を向上し、良好な電気的接続を得るために、黒色層上に銅含有層がインジウム含有層で挟持された構成を有するタッチセンシング配線を備えた黒色基板と、黒色基板の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2においては、有機ELやLED等の発光層を備える表示装置は考慮されておらず、発光層を具備するアレイ基板が適用された表示装置における技術課題は開示されていない。また、その黒色基板において、2組の黒色配線でタッチセンシングを行う構成も開示されていない。有機ELやLEDなど表示装置特有の光反射性の画素電極に関わる問題点も開示されていない。
特許文献3の技術は、偏光板と静電容量式タッチパネルを備える表示装置に関わる。その段落番号[0003]や[0005]には、有機ELパネルでの、問題点が記載されている。具体的には、有機ELパネルの電極の反射光による視認性低下の問題と、カバーガラス(カバー層)のため装置全体の厚さが厚くなり、重くなる問題である。前者の電極からの光反射は、カバーガラスと有機ELパネルとの間に円偏光板を挿入することで解決できる。
しかしながら、円偏光板は高価であると同時に、円偏光板の厚みが加算される問題を抱えている。また、円偏光板の基材は樹脂であるので、タッチセンシング入力時のペンや指などポインタの接触による傷を防ぐ目的で、通常、カバーガラスなどの保護基板を表示装
置の最表面に配設する。高い強度が要求されるカバーガラスは、その密度が2.4(g/cm)前後と高く、例えば、1mmから0.7mm程度のカバーガラスの重さは、画面サイズ6インチ程度の表示装置で20g前後となり表示装置を重く、厚型化している。
一方、酸化物半導体で構成されたチャネル層を備える薄膜トランジスタ(TFT)は、ポリシリコン半導体で構成されたチャネル層を備える薄膜トランジスタと比較して、リーク電流が2桁ほど小さく、省電力のデバイスとして注目され、表示装置の駆動素子としても用いられている。
ポリシリコン半導体を用いた回路形成においても、酸化物半導体を用いた回路形成においても、素子を電気的に接続する導電配線として、アルミニウム配線から銅配線に切り替えることが試みられている。アルミニウムは2.7μΩcm、銅は1.7μΩcmの電気抵抗率(比抵抗)を持ち、より良好な導電性をもつ銅配線が志向されている。
しかしながら、銅配線は銅が拡散しやすく信頼性低下をもたらすこと、及び銅の表面は不動態化せずに銅酸化物が経時的に形成され、銅酸化物の量が増加するといった欠点を有する。銅の表面に形成される銅酸化物の膜厚が増加すると、表面抵抗が高くなり、銅配線を基板等に電気的に実装する工程で問題が生じる。銅配線における銅酸化物の形成は、銅配線の表面抵抗の増加だけでなく、コンタクト抵抗のバラツキを生じ、薄膜トランジスタの閾値電圧(Vth)を変動(バラツキ)させるため好ましくない。
特許文献4においては、電極や配線を構成する導電層が、薄膜トランジスタのチャネル層(酸化物半導体層)と接する領域を有する構成が、特許文献4の図1に開示されている。特許文献4の段落番号[0071]には、2層以上の積層構造を有する導電層の構成要素として、チタン膜などの金属層が示されている。また、段落番号[0058]には、熱処理の温度として400℃以上700℃以下の範囲が開示されている。しかしながら、400℃以上の熱処理温度では、チタン層と銅層あるいは銅合金層とが相互に拡散し、配線抵抗を悪化させる懸念がある。
IGZOと呼称される酸化インジウムと酸化ガリウムと酸化亜鉛とを含む複合酸化物で形成されたチャネル層(酸化物半導体層)においても、結晶化により信頼性を確保するため、400℃から700℃の温度範囲で熱処理を行うことが多い。液晶表示装置等の製造工程では、この熱処理を行うときにチタン及び銅の相互拡散が発生し、銅配線の導電率が大きく悪化することが多い。
具体的に、1.7μΩcmから2.5μΩcmの範囲内にある銅配線の初期の電気抵抗率は、400℃から700℃の温度範囲で熱処理の後に、3.5μΩcmから6μΩcmとなり悪化する。熱処理を行わない場合は、IGZOで形成されたチャネル層において経時変化による閾値電圧(Vth)の変動があり、実用的ではない。
さらに、薄膜トランジスタのソース電極やゲート電極がチタンや銅で形成される場合、チャネル層と接触するチタン等の金属が、チャネル層を形成する酸化物半導体を還元し、トランジスタ特性を低下させることがある。このように、IGZO等で形成されたチャネル層を備える薄膜トランジスタの製造工程では、銅配線やチタン配線の導電率を悪化させない低温プロセスが要求されている。
特許第5864741号公報 特許第5807726号公報 国際公開第2014/167815号パンフレット 特許第6007267号公報
本発明は、有機ELまたはLEDを含む発光素子(発光ダイオード)を備えた表示装置の上記のような諸課題に鑑みてなされたものであって、特に、タッチセンシング機能を具備し、良好な視認性を有するとともに、従来よりも薄く軽い表示装置を提供することを目的とする。さらに好ましくは、電気的接続に優れた表示装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも、第1基板と、複数の第1タッチセンシング配線と、第1透明樹脂層と、複数の第2タッチセンシング配線と、表示機能層と、をこの順で構成してなる表示装置であって、
前記複数の第1タッチセンシング配線は、観察者側からの平面視で、並ぶように平行に第1方向に延在し、前記複数の第2タッチセンシング配線は前記第1方向と直交する第2方向に延在し、
前記第1タッチセンシング配線は、断面視で、第1導電層を第1黒色層と第2黒色層で挟持する3層構成を含み、
前記複数の第2タッチセンシング配線は、断面視で、第2導電層を第3黒色層と第4黒色層とで挟持する3層構成を含み、
前記表示機能層は、観察者側からの平面視で、前記第1タッチセンシング配線と前記第2タッチセンシング配線で区画される画素開口部に発光素子を具備し、
前記発光素子は、少なくとも、第1薄膜トランジスタと、前記第1薄膜トランジスタからの信号を受けるゲート電極を具備する第2薄膜トランジスタとで駆動され、
前記第1基板は、観察者側の上面にカバーガラスを具備せず、かつ、観察者側と反対側の面(裏面)と前記第1タッチセンシング配線との間に、第2透明樹脂層を具備する、
ことを特徴とする表示装置としたものである。
請求項2に記載の発明は、前記第1基板は、モース硬度が6~10の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の表示装置としたものである。
請求項3に記載の発明は、前記第1導電層と、前記第2導電層はいずれも、銅層あるいは銅合金層を導電性金属酸化物層で挟持する3層構成であることを特徴とする請求項1、または2に記載の表示装置としたものである。
請求項4に記載の発明は、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの少なくとも一方は、酸化物半導体で構成されたチャネル層を備え、かつ、前記酸化物半導体はゲート絶縁層と接触する構造を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置としたものである。
請求項5に記載の発明は、前記酸化物半導体は、該酸化物半導体において酸素をカウントしない元素の合計を100at%としたとき、インジウムを40at%以上含み、かつ、アンチモンあるいはビスマスを40at%以上含み、
さらにスカンジウム、イットリウム、ランタン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリウム、ジスプロシウム、エルビウムの1種以上を0.1at%~10at%含む複合酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置としたものである。
請求項6に記載の発明は、前記酸化物半導体は、該酸化物半導体において酸素をカウン
トしない元素の合計を100at%としたとき、インジウムを40at%以上含み、かつ、アンチモンあるいはビスマスを40at%以上含み、
さらにセリウムを0.1at%~10at%含む複合酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置としたものである。
請求項7に記載の発明は、前記ゲート絶縁層は、酸化セリウムを含む複合酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置としたものである。
請求項8に記載の発明は、前記1第薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタはいずれも、第3導電層で構成されるゲート電極及びゲート配線を備え、
かつ、第4導電層で構成されるソース電極及びソース配線を備え、
前記第3導電層及び第4導電層はいずれも、銅層あるいは銅合金層を導電性金属酸化物層で挟持する3層構成である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の表示装置としたものである。
請求項9に記載の発明は、前記発光素子は、発光ダイオードである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の表示装置としたものである。
請求項10に記載の発明は、前記発光ダイオードは、上部電極、n型半導体層、発光層、p型半導体層、及び下部電極がこの順で積層された垂直型発光ダイオード(LED)である、ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置としたものである。
本発明に関わる表示装置によれば、有機ELやLEDなどの発光素子を具備する表示装置において、カバーガラスや円偏光板を省く構成を採用でき、タッチセンシング機能を持つ、視認性に優れた、従来よりも薄くて軽い、さらには電気的接続に優れた表示装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る表示装置を示す模式断面図である。 本発明の表示装置に係る第1基板に設けられた第1タッチ配線と第2タッチ配線の全体を示す図であって、観察者側と反対側の面から第1タッチ配線と第2タッチ配線の全体を見た平面図である。(以下、「本発明の表示装置」と記す場合は、第1実施形態及び第2実施形態の両方を含む) 本発明の表示装置に係り、タッチ配線を代表させて、第2タッチ配線をより詳しく示す平面図である。 本発明の表示装置に係り、図1の符号W1の領域を部分拡大し、第1タッチ配線1、第1透明樹脂層11、第2タッチ配線2の積層構造を示す模式断面図である。 本発明の第1実施形態の表示装置が備えるアレイ基板の構造を示す模式断面図である。 本発明の第1実施形態の表示装置を部分拡大し、図5に示す薄膜トランジスタTFTのチャネル層58上に積層されたソース電極53とドレイン電極56の積層構造を説明するための模式断面図である。 本発明の第1実施形態の表示装置に係り、図9の符号W2の領域を部分拡大し、反射電極(画素電極)89の構造を説明するための模式断面図である。 本発明の表示装置に係り、ゲート電極55の構造を説明するための模式断面図である。 本発明の第1実施形態の表示装置に係り、図5の符号Dの領域を部分拡大し、発光素子(LED)の構造を示す模式断面図である。 図9に示す発光素子CHIPの近傍を含めた構造を示す模式断面図である。 本発明の表示装置に係り、2種類の薄膜トランジスタを用いて発光素子を駆動する代表的な回路図である。 本発明の第2実施形態に係る表示装置を示す模式断面図である。 本発明の表示装置を構成する制御部(映像信号制御部、システム制御部、及びタッチセンシング制御部)及び表示部を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら本発明の表示装置の実施形態について説明する。
以下の説明において、同一または実質的に同一の機能及び構成要素には、同一の符号を付し、必要な場合のみ説明を行う。各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。また、必要に応じて、図示が難しい要素、例えば、半導体のチャネル層を形成する複数層の構成、導電層を形成する複数層の構成等の図示や一部の図示が省略されている。また、説明のわかりやすさのため、電気的な回路要素、表示機能層などの図示を簡略化することがある。
以下に述べる各実施形態においては、特徴的な部分について説明し、例えば、通常の表示装置に用いられている構成要素と本実施形態に係る表示装置との差異がない部分については説明を省略することがある。
第1基板や第2基板、第1導電層、第2導電層、第3導電層等、あるいは、第1導電性金属酸化物層及び第2導電性金属酸化物層等に用いられる「第1」や「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付しており、数量を限定しない。第1導電層、第2導電層、第3導電層は配線や電極等の形状に加工されるが、以下の記載で、単に配線や電極と略称することがある。また、第1導電性金属酸化物層及び第2導電性金属酸化物層は、以下の説明において、単に導電性金属酸化物層と略称することがある。
以下の記載において、タッチセンシングに関わる配線、電極、及び信号を、単にタッチ駆動配線、タッチ検出配線、タッチ配線、タッチ電極、及びタッチ信号と称することがある。タッチ配線ユニットは、複数の平行な第1タッチ配線と、絶縁層を介した複数の平行な第2タッチセンシング配線から構成される。これら第1タッチ配線と第タッチ2配線は、平面視で直交する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置DSP1を示す模式断面図であって、図2のタッチ配線の全体を示す平面図のA-A’線に沿う模式断面図である。以下では、観察者Pが表示装置DSP1を観察する方向、すなわち、第1基板41の観察面Sから、その裏面に向けた方向を観察方向OB(図1に示すZ方向とは反対方向)と称している。また、「平面視」とは、観察者Pが表示装置DSP1を観察方向OBから見た平面を意味する。
また、第1タッチ配線1が延在(延線)する方向をX方向(第1方向)と規定し、第1タッチ配線1と直交する第2タッチ配線2が延在(延線)する方向をY方向(第2方向)と規定し、さらに厚さ方向をZ方向と規定する。本発明の第1実施形態の表示装置の表示領域の形状、または画素を規定する開口部(透光部)の形状、表示装置を構成する画素数やタッチ配線の本数は限定されない。
以下、本発明の表示装置を構成する各要素について、第1実施形態を例として説明する。
本発明の表示装置(第1実施形態ではDSP1)では、図1の全体構成から第1基板41と、接着層を兼ねる第2透明樹脂層12を除く部分、すなわち発光素子CHIPを含むアレイ基板100上に、第3、第4の透明樹脂層13、14を介して、第1透明樹脂層11の両面に第1タッチ配線1、第2タッチ配線2を形成した形態を表示装置基板200と呼称する。
[第1基板]
従来の表示装置と異なる、本発明の表示装置(第1実施形態ではDSP1)のひとつの特徴として、図1に示す表示装置DSP1の観察者側の面Sには、偏光板など各種光学機能を有する光学フィルム、及び第1基板41を保護するカバーガラスを載置していない。尚、カバーガラスは一般に、液晶表示装置や有機EL表示装置の観察者側の、透明基板(図1の第1基板41)よりも上方に、円偏光板やタッチセンシングユニットを介して貼り合わせられる高強度のガラス基板であり、表示装置の破損を防ぐ保護ガラスである。
指紋は、指がタッチセンシングユニットに、観察者側の面(表面)から近接、あるいは接触した場合に、指の凹凸に関わる静電容量の分布を2次元画像として検出する。本発明の表示装置は、カバーガラスを具備しないため、指がタッチセンシングユニットに、より近づくことができる。カバーガラスの厚みがないことで指紋の検出に好適となる。
カバーガラスを省く本発明の表示装置の表示面においては、先端が金属であるペンでの入力を前提とし、第1基板41は、ダイヤモンドの硬さを10とするモース硬度で5.5以上の硬さを有する必要がある。特に6~10のモース硬度を有することが好ましい。
一般的なカバーガラスの厚みは、0.5mmから1mmの範囲にある。従って、本発明の表示装置の第1基板41はモース硬度を6~10の範囲内とし、かつ厚みを0.5mmから1mmの範囲とすることで、カバーガラスを省いた構成としても、第1基板41にカバーガラスなみの強度を有する軽い表示装置が得られる。
高精細表示でのアライメントを考慮した場合に、第1基板41の線膨張係数は、例えば、10×10-6/℃から5×10-6/℃の範囲内にあることが好ましい。また、熱放散が必要なLEDや有機ELなどの発光素子を前提とするとき、蓄熱を避けるため、第1基板41の熱伝導率κ(W/m・K)は、1より大きいことが望ましい。通常のガラス基板は0.5~0.8前後であり、これより熱伝導率の良好な強化ガラス、石英基板、サファイアガラスなどが本発明に係る表示装置の第1基板41として好ましい。
[タッチセンシング配線]
(タッチセンシング配線の配置)
図1に示すように、複数の第1タッチ配線1は、Z方向において第1基板41の観察面Sと相対する裏面上に第2透明樹脂層12を介して設けられている。換言すれば、複数の第1タッチ配線1は、複数の第2タッチ配線2上の第1透明樹脂層11上に配設されている。従って、タッチセンシングユニットは、少なくとも、複数の第1タッチ配線1と第1透明樹脂層11と複数の第2タッチ配線2とで構成される。
前記のように、第1基板41は第1タッチ配線1との間に第2透明樹脂層12を具備する。第2透明樹脂層12は、第1基板41と表示装置基板200とを貼り合わせる接着層の役割を果たす。第2透明樹脂層12に用いる材料に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。また、第2透明樹脂層12に接着シートまたはテープを用いてもよい。接着シートとしては、広くOCA(Optical Clear Adhesive)として知られる接着シートが例示される。第2透明樹脂層12は、第1基板41にクラック等が発生した場合に緩衝層の役割も有し、表示装置基板200にあるタッチ配線などの断線のリスクを抑える。
図2は、観察者側と反対側の面から第1タッチ配線と第2タッチ配線の全体を見た平面図である。第1タッチ配線1はY方向に並んでおり、互いに平行にX方向に延在している。第2タッチ配線2は、X方向に並んでおり、互いに平行にY方向に延在している。第1タッチ配線1の端部には、第1端子TM1が設けられている。複数の第1タッチ配線1は、Y方向に並ぶタッチセンシング配線パターンを形成している。第2タッチ配線2の端部には、第2端子TM2が設けられている。複数の第2タッチ配線2は、X方向に並ぶタッチセンシング配線パターンを形成している。
図3は、タッチ配線を代表させて、第2タッチ配線をより詳しく説明するための平面図である。複数の第2タッチ配線は、センス配線2Aと、引き出し配線2Bから成っている。センス配線2AはX方向に並んでおり、互いに平行にY方向に延在している。センス配線2Aは、額縁部72において、引き出し配線2Bと接続されている。引き出し配線2Bは額縁部72でY方向に並んでおり、互いに平行にX方向に延在している。引き出し配線2Bの端部には、第2端子TM2が設けられている。
複数の第1タッチ配線1の各々と、複数の第2タッチ配線2の各々は、電気的に独立している。図2において、複数の第タッチ1配線1と複数の第2タッチ配線2とによって区画されている領域は画素PXである。複数の画素PXは、有効表示領域70の点線内においてマトリクス状に配置されている。画素PXにおける開口部(透光部)の形状は、長方形パターン、正方形パターン、平行四辺形パターン等であってもよい。さらに、画素PXにおける開口部(透光部)の配列がモアレ対策を施した配列、ジグザク状の配列であってもよい。
第1タッチ配線1と第2タッチ配線2は、一方がタッチ駆動電極として用いられ、他方がタッチ検出電極として用いられるが、これらの役割は入れ替え可能であり、第1タッチ配線1と第2タッチ配線2のどちらか一方をタッチ駆動電極とし、他方をタッチ検出電極として用いることができる。
また、第1タッチ配線1と第2タッチ配線2の全てをタッチセンシングに用いなくてもよい。複数の第1タッチ配線1及び複数の第2タッチ配線2のうち、タッチセンシングに用いる配線密度を減らし、タッチセンシングに用いない配線をフローティング(電気的に浮いた状態とする)として間引いてもよい。すなわち、間引き駆動を行ってもよい。
第1タッチ配線を間引き駆動する場合について説明する。まず、全ての第1タッチ配線を複数のグループに区分する。グループの数は、全ての第1タッチ配線の数より少ない。一つのグループを構成する配線数が、例えば、6本であるとすると、全ての配線(6本)のうち、例えば2本の配線を選択する。一つのグループにおいては、選択された2本の配線を用いてタッチセンシングが行われ、残りの4本の配線における電位がフローティング電位に設定される。表示装置は複数のグループを有するので、上記のように配線の機能が定義されているグループ毎にタッチセンシングを行うことができる。同様に、第2タッチ配線2においても、間引き駆動を行ってもよい。
タッチに用いられるポインタが、指である場合とペンである場合とは、接触あるいは近接するポインタの面積や容量が異なる。こうしたポインタの大きさによって、間引く配線の本数を調整できる。ペンや針先など先端が細いポインタでは、配線の間引き本数を減らして高密度のタッチセンシング配線のマトリクスを用いることが好ましい。指紋認証時にも高密度のタッチセンシング配線のマトリクスを用いることが好ましい。
上述した間引き駆動におけるフローティングパターンは、グランド(筐体等)と電気的に接続するように切り替えることもできる。タッチセンシングのS/N比を改善させるため、タッチセンシングの信号が検出された際に、薄膜トランジスタ等の駆動素子の信号配線を一時グランド(筐体等)に接地してもよい。
タッチセンシング制御で検出される静電容量をリセットするために必要な時間が比較的長いタッチ配線、すなわち、タッチセンシングにおける時定数(容量と抵抗値の積)が大きいタッチ配線を用いる場合がある。この場合、例えば、タッチ配線の配列において、奇数行の配線と偶数行の配線とを交互にタッチセンシングに利用し、時定数の大きさを調整する駆動を行ってもよい。
(タッチセンシング配線の断面構造)
図4は、本発明の表示装置に係る第1基板41に設けられた第1タッチ配線1、第1透明樹脂層11、及び第2タッチ配線2の積層を示す図であって、図1における符号W1の領域を部分拡大した模式断面図である。
第1タッチ配線1は、第1黒色層23と第1導電層25と第2黒色層24が順に積層された構成を有している。第2タッチ配線2は、第3黒色層26と第2導電層28と第4黒色層27とが順に積層された構成を有している。それぞれ黒色層は、同じ黒色材料で形成されている。第2導電層28は、第1導電層25と同じ構成を有する。すなわち、第1タッチ配線1及び第2タッチ配線2は同じ層構造を有する。
第1タッチ配線1及び第2タッチ配線2は、各々観察者方向に第2黒色層24及び第4黒色層27を備えることから、平面視で格子状に直交する第1タッチ配線1と第2タッチ配線2は、ブラックマトリクスとして機能し、表示コントラストを向上し、視認性を向上させる。
また、第1タッチ配線1及び第2タッチ配線2は、各々発光素子CHIP(図1参照)の方向(すなわち観察者方向と逆方向)に第1黒色層23、第3黒色層26を備える。発光素子CHIPは、LED素子である場合も、有機EL素子である場合も可視域に感度を有するフォトダイードであるので、強度の可視光入射があると誤動作やコントラスト低下を生じることがある。第2導電層28や第1導電層25の構成に含まれる金属層20上に黒色層23、26の形成がない場合、発光素子CHIPなどの発光が、金属層20で反射し、隣接する発光素子CHIPに強い光となって入射する。第1タッチ配線1及び第2タッチ配線2の各々の、発光素子CHIP方向に備えた黒色層23、26は、この光反射を抑制し誤動作やコントラスト低下を防ぎ、視認性を向上させる。これらの黒色層23、26は、発光素子CHIPを駆動する薄膜トランジスタTFT(図5参照)への光入射を防ぐ効果も有する。
(黒色層)
黒色層は、例えば、黒色の色材を分散させた着色樹脂で構成されている。黒色層を金属酸化物で形成すると、おおよそ10%から30%の可視域の光反射率となり、かつ可視域においてフラットな反射率を得にくく着色して見える。黒色層を着色樹脂で構成する本実施形態では、黒色層とガラス等の基板や、透明樹脂層との間の界面における可視光の反射率は略3%以下に抑えられ、高い視認性が得られる。
黒色の色材としては、カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノブラシ、或いは、複数の有機顔料の混合物が適用可能である。例えば、黒色の色材全体の量に対して50質量%以上の割合で、すなわち主な色材としてカーボンを用いることができる。反射色を調整するため、青もしくは赤等の有機顔料を黒色の色材に添加して
用いることができる。出発材料である感光性黒色塗布液に含まれるカーボンの濃度を調整する(カーボン濃度を下げる)ことにより、フォトリソグラフィ工程での黒色層の再現性を向上させることができる。
(導電性金属酸化物層)
金属層20は、銅、銅合金、銀、銀合金、アルミニウム合金など導電性の良好な金属で形成できる。銅や銅合金あるいは銀や銀合金は導電率が高く、配線材料として好ましい。熱伝導性の良好な銅配線、あるいは銅合金を含む配線を用いることが特に好ましい。しかしながら、銅合金の表面には、導電性を有しない銅酸化物が経時的に形成され、電気的なコンタクトが困難となることがある。銀や銀合金は、硫化物や酸化物を形成しやすい。
また、タッチ配線は、その端子部で電気的な実装を行うことがある。この実装では、低い接触抵抗を要求され、タッチ配線はオーミックコンタクト(電圧が電流に比例する抵抗値が一定の接触)が可能であることが要求される。
そこで、第1導電層25及び第2導電層28の一部を構成する金属層20を、図4のように、導電性金属酸化物層21、22で挟持することが好ましい。換言すれば、第1導電層25や第2導電層28の構造として、第1導電性金属酸化物層21、金属層20、及び第2導電性金属酸化物層22で構成された3層構造を採用することが好ましい。さらに、第1導電性金属酸化物層21と金属層20との界面、または第2導電性金属酸化物層22と金属層20との界面に、ニッケル、亜鉛、インジウム、チタン、モリブデン、タングステン等、銅と異なる金属やこれらの金属の合金層を挿入してもよい。
本発明の表示装置に係る第1導電層25、第2導電層28は、実装に不可欠なオーミックコンタクトが容易に得られるため、コンタクトホールを利用した多層配線に適用することができる。導電性金属酸化物層の膜厚は、例えば10nmから100nmの範囲から選択できる。銅合金層の膜厚は、例えば100nmから500nmの範囲から選択できる。これらの導電性金属酸化物層や銅合金層の成膜は、スパッタリング等の真空成膜が好ましい。電気的実装のため、端子部の銅合金層の部分には、メッキを施してもよい。導電性金属酸化物層は銅や銅合金の密着性不足をカバーし、樹脂やガラスなど無機物などとの密着性を改善する効果も有する。
第1導電性金属酸化物層21及び第2導電性金属酸化物層22の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化錫、酸化ガリウム、及び酸化ビスマスから構成される群より選択される2種以上の金属酸化物を含む複合酸化物を採用することができる。特に、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ガリウムのような酸への溶解性の高い酸化物を、酸化インジウムを基材とする導電性金属酸化物に加えた複合酸化物を採用することが好ましい。これにより、エッチング性の良好な第1導電性金属酸化物層21及び第2導電性金属酸化物層22を得ることができる。
酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ガリウムのような酸への溶解性の高い酸化物を加えることで、導電性金属酸化物層のエッチングレートと、銅層や銅合金層とのエッチングレートを合わせることが可能となり、銅層や銅合金層が導電性金属酸化物によって挟持された構成を有する配線のウエットエッチングでの加工性を向上できる。また、これらの複合酸化物の組成を調整することで、仕事関数の値を調整することができ、発光層のキャリア放出性を調整することができる。発光層のキャリア放出性の調整のため、酸化タングステンや酸化モリブデンなどを加えた複合酸化物を用いることが好ましい。
第1導電性金属酸化物層21及び第2導電性金属酸化物層22にインジウム(In)を
含む場合、接触抵抗低減のため、インジウムの量は50at%より多く含有させることが望ましい。ここで、at%の値は複合酸化物中の酸素原子をカウントしていない。
[アレイ基板の構造]
次に、本発明の表示装置を構成するアレイ基板の構造について、第1実施形態を例として説明する。尚、アレイ基板に含まれる薄膜トランジスタTFT、発光素子CHIPについては別途詳細に説明する。
アレイ基板100(図1参照)の基板である第2基板42としては、透明基板に限定する必要はなく、例えば、第2基板42に適用可能な基板として、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板、シリコン、炭化シリコンやシリコンゲルマニウムなどの半導体基板、あるいはポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリカーボネートなどの樹脂基板等が挙げられる。透明であってもよいし、不透明な基板、着色した基板であってもよい。
第1基板41とともに第2基板42としても、熱伝導率が1W/(m・K)以上の熱伝導率の高い基板を適用することで、LEDの一種である後述の垂直型発光ダイオードから生じる熱を好適に拡散することができる。熱伝導率が1W/(m・K)以上の熱伝導率の高い基板としては、石英基板やサファイア基板が挙げられる。
図5に示すように、アレイ基板100においては、第4絶縁層17、第4絶縁層17上に形成された薄膜トランジスタTFT(楕円点線部)、第4絶縁層17及び薄膜トランジスタTFTを覆うように形成された第3絶縁層16、薄膜トランジスタTFTのチャネル層58に対向するように第3絶縁層16上に形成されたゲート電極55、第3絶縁層16及びゲート電極55を覆うように形成された第2絶縁層15、及び第2絶縁層15上に形成された第1平坦化層31が、第2基板42上に順に積層されている。
第1平坦化層31には、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極56に対応する位置にコンタクトホール93が形成されている。また、第1平坦化層31上には、チャネル層58に対応する位置にバンク94が形成されている。断面視において互いに隣り合うバンク94の間の領域、すなわち平面視においてバンク94に囲まれた領域には、第1平坦化層31の上面、コンタクトホール93の内部、及びドレイン電極56を覆うように反射電極89(画素電極)が形成されている。尚、反射電極89は、バンク94の上面には形成されていなくてもよい。反射電極89は、導電性の接合層77を介して発光素子CHIPの下部電極88と電気的に接続されている。
コンタクトホール93の内部を埋めるように、かつ、反射電極89を覆うように、第2平坦化層32が形成されている。第2平坦化層32上には、ITO等の透明導電膜76が形成されている。透明導電膜76には、発光素子CHIPを構成する上部電極87が接続されている。さらに、透明導電膜76上には後述の第6配線6が形成されている。
バンク94の材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラックフェノール樹脂等の有機樹脂を用いることができる。バンク94には、さらに酸化シリコン、酸窒化シリコン等の無機材料を積層してもよい。
第1平坦化層31及び第2平坦化層32の材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド樹脂等を用いてもよい。低誘電率材料(low-k材料)を用いることもできる。
尚、視認性向上のため、第1平坦化層31、第2平坦化層32、第3平坦化層33(図1参照)、あるいは第2基板42のいずれかが、光散乱の機能を有してもよい。あるいは第2基板42の上方に光散乱層を形成してもよい。
図5、図9、図10に示されるように、発光素子CHIPを構成する下部電極88は、接合層77を介して反射電極89と電気的に接続されている。反射電極89は、発光素子CHIPの駆動素子である薄膜トランジスタTFTと、コンタクトホール93を介して接続されている。
接合層77としては、例えば150℃から340℃の温度範囲内で、発光素子CHIPの下部電極88と反射電極89とを融着させ、電気的な接続ができる導電性材料を適用できる。この導電性材料としては、銀やカーボン、グラファイトなどの導電性骨材(Conductive filler)を熱フロー性樹脂に分散してもよい。あるいは、接合層77はIn(インジウム)、InBi合金、InSb合金、InSn合金、InAg合金、InGa合金、SnBi合金、SnSb合金など、あるいはこれらの金属の3元系、4元系である低融点金属を用いて形成できる。
前記の低融点金属は、後述のように反射電極89の表層を形成する導電性金属酸化物に対する濡れ性が良いため、下部電極88と反射電極89とのおおよそのアライメントを行った後、下部電極88と反射電極89とを自己整合的に融着させることができる。融着に必要なエネルギーとしては、熱、加圧、電磁波、レーザー光や、これらと超音波の併用など、種々のエネルギーが用いられる。
(薄膜トランジスタTFTの構造)
薄膜トランジスタは、図5に示すアレイ基板100の模式断面図中に、符号TFTで示している。図6に示すように、薄膜トランジスタTFTは、チャネル層58と、チャネル層58の両端部にソース電極53とドレイン電極56とが積層された構造を有する。
より具体的には、薄膜トランジスタTFTは、チャネル層58の一端(第一端、図6におけるチャネル層58の左端)に接続されたドレイン電極56と、チャネル層58の他端(第二端、図6におけるチャネル層58の右端)に接続されたソース電極53と、第3絶縁層16を介してチャネル層58に対向配置されたゲート電極55とを備える。後述するように、チャネル層58は酸化物半導体で構成され、ゲート絶縁層である第3絶縁層16と接触している。薄膜トランジスタTFTは、発光素子CHIPを駆動する。
ソース電極53とドレイン電極56は、同一工程において同時に形成され、同じ構成の導電層(本願では第3導電層と呼称する)からなる。かつ、図6に示すように、ソース電極53及びドレイン電極56の構造として、いずれも金属層20を、第1導電性金属酸化物層97と第2導電性金属酸化物層98で挟持する3層構成とすることが好ましい。
第1導電性金属酸化物層97及び第2導電性金属酸化物層98は、銅や銀に対するバリア性を持つ。導電性金属酸化物によって銅配線や銀配線が挟持された構成においては、銅や銀のマイグレーション等による薄膜トランジスタの劣化を抑制することができ、薄膜トランジスタ向けの高導電性の配線として好ましい。
図5では、薄膜トランジスタTFTを構成するチャネル層58、ドレイン電極56、及びソース電極53が第4絶縁層17上に形成されている構造を示しているが、本発明の表示装置はこのような構造に限定しない。第4絶縁層17を設けずに、第2基板42上に薄膜トランジスタTFTを直接形成してもよい。また、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタを適用してもよい。
薄膜トランジスタTFTの閾値電圧(Vth)の安定化、あるいは安定したノーマリーオフのトランジスタ特性を得るために、バックゲート電極を設けてもよい。図5に示すゲート電極55に対向するようにチャネル層58の反対側、例えば、第4絶縁層17と第2基板42との界面に金属膜をパターニングすることで、バックゲート電極を形成することができる。
バックゲート電極を金属膜で形成することで、チャネル層58に向かう外部光の入射を防止し、安定した「正(プラス)」の閾値電圧(Vth)を得ることができる。尚、バックゲート電極には、通常、負の電圧を印加する。ゲート電極55とバックゲート電極との間に形成される電界によって、チャネル層58を電気的に取り囲むことができる。この電界により、薄膜トランジスタTFTのドレイン電流を大きくすることができ、薄膜トランジスタTFTのオフ電流であるリーク電流をさらに小さくできる。従って、薄膜トランジスタTFTに求められるドレイン電流に対して、薄膜トランジスタTFTの幾何学的な大きさを小さくでき、半導体回路としての集積度を向上できる。
ゲート電極55の下部に位置する第3絶縁層16は、ゲート電極55と同じ幅を有する絶縁層であってもよい。この場合、例えば、ゲート電極55をマスクとして用いたドライエッチングを行い、ゲート電極55の周囲の第3絶縁層16を除去する。これによって、ゲート電極55と同じ幅を有する絶縁層を形成することができる。ゲート電極55をマスクとして用いて絶縁層をドライエッチングにて加工する技術は、トップゲート構造の薄膜トランジスタにおいて、一般に自己整合と称される。
(チャネル層を形成する酸化物半導体)
本発明の表示装置でチャネル層を形成する酸化物半導体は、主材として、酸化インジウム、及び酸化アンチモンあるいは酸化ビスマスを含有し、酸化物半導体において酸素をカウントしない元素の合計を100at%とすると、インジウム及びアンチモンの含有量が各々40at%以上である複合酸化物とする。あるいは、インジウム及びビスマスの含有量が各々40at%以上である複合酸化物とする。
酸化インジウムの融点は、1910℃とされ、酸化ガリウムの融点は1740℃とされ、酸化亜鉛の融点は1980℃とされており、いずれの場合も融点が1700℃以上の高温域にある。このため、複合酸化物の結晶化温度も高いと推定される。このような高融点の酸化物と比較し、酸化アンチモンの融点は656℃とされる。無機酸化物の結晶化温度は、経験的にその酸化物の融点の1/2あるいは2/3とされている。
一方、酸化錫を10wt%程度含む酸化インジウム膜やITO膜(酸化インジウムと酸化錫の複合酸化物による透明導電膜)の結晶化温度は、200℃付近にある。従って、融点の低い酸化アンチモンを酸化インジウムと合わせて含む複合酸化物とすることで、その複合酸化物の結晶化温度を下げることができる。尚、酸化物の融点については、岩波理化学辞典第4版(岩波書店)の記載を用いた。
本発明の表示装置に係る酸化物半導体は、180℃から340℃の低温アニーリングで結晶化させることができるので、熱処理による銅配線の導電率の低下を改善することができる。すなわち、本発明の表示装置では、結晶化温度の低い複合酸化物を採用することができる。
酸化物半導体の結晶化の有無を確認するには、低温アニーリングを行った後、TEM(透過型電子顕微鏡)等の観察方法により少なくとも3nmより大きい結晶粒を観察できればよい。但し、薄膜トランジスタに用いるチャネル層の厚みは、3nmから80nmと極めて薄い範囲から選択されるので、明確な結晶化を確認し難い。酸化インジウムと酸化アンチモンを主材とする本発明の表示装置に係る酸化物半導体においては、低温アニーリング後に明確な結晶化を確認できない場合も、実用的かつ半導体特性が安定した薄膜トランジスタとすることができる。低温アニーリングは、大気、あるいは酸素を含む雰囲気下で実施することができる。
酸化インジウムと酸化アンチモンの比率は、20%程度の差異があってもよいが、1:1の比率に近いことが望ましい。酸化アンチモンは、酸化アンチモンを含有する複合酸化物ターゲットを用いたスパッタリングで昇華しやすい。このため、出発材料である複合酸化物ターゲットの組成においては、酸化アンチモンリッチとすることで、スパッタリング成膜された複合酸化物の膜として、酸化インジウムと酸化アンチモンの比率を1:1に近づけることができる。前記複合酸化物ターゲットとして、酸化インジウム及び酸化アンチモンとは価数が異なる酸化錫をキャリアドーパントとしてさらに添加して、導電性の高いスパッタリングターゲットを用い、キャリア濃度が向上した酸化物半導体を成膜してもよい。
但し、キャリア濃度が高くなりすぎると、例えば、キャリア濃度が1×1018cm-3を超える場合、複合酸化物で形成されたチャネル層を有するトランジスタの閾値電圧(Vth)がマイナスとなりやすい(ノーマリーオンとなりやすい)。このため、キャリア濃度が9×1017cm-3未満となるよう酸化錫の添加量を調整することが望ましい。また、酸化錫の添加量に限らず、酸化物の添加量を調整することで、酸化物半導体のキャリア濃度を調整することもできる。例えば、酸化インジウムの組成比を高くすることは、キャリア移動度を向上しやすい。
表示機能層がLEDや有機ELのような発光ダイオードの場合、キャリア濃度が1×1012cm-3未満となると、画素である発光ダイオードの発光に十分な電流供給ができなくなる恐れがある。従って、チャネル層としての酸化物半導体のキャリア濃度は、1×1012cm-3以上であることが望ましい。
キャリア濃度やキャリア移動度については、上記複合酸化物の成膜条件(導入ガスに用いられる酸素ガス、基板温度、成膜レート等)、成膜後のアニール条件、及び複合酸化物の組成等を調整することで、所望のキャリア濃度やキャリア移動度を得ることができる。
また、酸化インジウム、及び酸化アンチモンあるいは酸化ビスマスのみの組成で形成する酸化物半導体では酸素欠損が生じやすい。 酸化物半導体の酸素欠損を減らすため、酸化状態の安定剤として、さらに、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化ガドリウム、酸化ジスプロシウム、あるいはここに記載していない希土類元素を酸化物半導体に添加することが考えられる。
本発明の表示装置でチャネル層を形成する酸化物半導体は、上記のように、インジウム及びアンチモン、あるいはインジウム及びビスマスの含有量が各々40at%以上の複合酸化物であること加えて、さらにスカンジウム、イットリウム、ランタン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリウム、ジスプロシウム、エルビウムの1種以上を0.1at%~10at%含む複合酸化物であることが好ましい。
若しくは、前記のように、インジウム及びアンチモン、あるいはインジウム及びビスマスの含有量が各々40at%以上の複合酸化物であること加えて、さらに酸化安定剤として、セリウムを0.1at%~10at%含む複合酸化物であることが好ましい。セリウムの含有量が0.1at%未満である場合は、酸素欠損を十分に補うことができない。セ
リウムの含有量が10at%を超える場合では、340℃以下のアニール温度で結晶化することが難くなる。あるいは、セリウムの含有量が10at%を超えた複合酸化物ターゲットの導電性は大きく低下し、直流スパッタリングによる成膜が難しくなる。尚、酸化アンチモンや酸化セリウムは、酸化ガリウムや酸化インジウムとは異なり、廉価に入手できるので産業価値が高い。
酸化セリウム(CeO)は、Ce4+とCe3+との酸化還元電位差が小さく、その酸化還元反応が可逆的に起こりやすい。例えば、酸化雰囲気下では酸素を取り込みやすく、還元雰囲気下では酸素を放出しやすい。この相互変換は、模式的に、例えば、
CeO <=> CeO2-x + “O
と表現できる。“O”は、酸化力の強いスーパーオキシドと呼称できるものである。また、複合酸化物中での挙動として、CeOは過剰な電子(キャリア)を取り込むことができると想定される。従って、酸化物半導体膜の、酸素欠損に基づく過剰な電子濃度を抑制しやすい。酸化物半導体、あるいは、後述するゲート絶縁層中の酸化セリウムはその酸化力を利用するために、CeOであることが望ましい。
酸化インジウムと酸化アンチモンと酸化セリウムの複合酸化物は、このような複合酸化物で構成されたターゲットを用いたスパッタリングで成膜でき、その際にアルゴンベースガス中に若干量の酸素ガスを導入することで、酸素欠損の少ない酸化物半導体膜を得ることができる。
前記スパッタリング成膜では、基板温度を室温(例えば25℃)とし、チャネル層となる酸化物半導体膜のパターンを形成した後、例えば大気中において180℃から340℃の範囲でアニーリングを行うことでさらに酸素欠損を減らし、かつ耐酸性の高い酸化物半導体膜とすることができる。アニーリングは、ソース電極等の電極パターンを形成した後に実施してもよく、さらに、後述のゲート絶縁層等の絶縁層を積層した後に行ってもよい。
酸化物半導体の電気的特性、移動度や電子濃度を調整するために、チャネル層58の、特に厚み方向に、酸化インジウム濃度や酸化セリウムの濃度を変化させてもよい。また、酸化セリウムの濃度が異なる複数層を用いてチャネル層58を形成してもよい。あるいは、ソース電極等のウエットエッチング加工性を拡げるため、チャネル層58の表面層における組成を酸化セリウムリッチとすることで、チャネル層58の耐酸性を高めることができる。チャネル層58上にエッチングストッパ層を積層してもよいが、酸化セリウムを含む複合酸化物薄膜は、180℃以上のアニーリングで耐酸性の高い膜となるため、エッチングストッパ層の挿入は不必要となり、エッチングストッパ層形成工程を省くことができる。
前記アニーリング温度は、180℃から340℃の範囲でよく、200℃より高い温度のほうがより好ましい。ソース電極等のパターン形成前に、例えば、220℃前後のプレアニールを実施することで、酸化物半導体層のエッチャントへの耐性を向上できる。このプレアニールは、ソース電極形成のための導電層の成膜前に実施してもよい。
酸化物半導体で形成されるチャネル層58の材料は、単結晶、多結晶、微結晶、微結晶とアモルファスとの混合体のいずれでもよい。ここで、微結晶とは、例えば、スパッタリング装置にて成膜された非晶質の酸化物半導体を、180℃以上340℃以下の範囲で熱処理した微結晶状の酸化物半導体膜をいう。あるいは、成膜時の基板温度を200℃前後に設定した状態で成膜された微結晶状の酸化物半導体膜をいう。
チャネル層58は、異なる酸化物半導体が積層された積層構造であってもよい。ソース電極とドレイン電極の最小の間隔によって決定されるトランジスタのチャネル長は、10nm以上10μm以下、例えば、20nmから0.5μmとすることが好ましい。
(電極、電極とチャネル層の界面、電極間の界面)
以下、ソース電極、ドレイン電極などの電極、電極とチャネル層の界面、及び電極間の界面等について説明し、本発明の表示装置が良好な電気的接続を有することを示す。
図6は、本発明の第1実施形態の表示装置DSP1を部分拡大し、図5に示す薄膜トランジスタTFTのチャネル層上に積層されたソース電極53とドレイン電極56の積層構造を説明するための模式断面図である。図6に示すように、ソース電極53は第3導電層で形成する第3配線3から延出する延出線で構成され、第3配線3の延出線の第2導電性金属酸化物層98はチャネル層58の端部(右端)と重畳し、電極界面となる重畳部35が形成されている。同様に、ドレイン電極56は第4配線4(図5参照)から延出する延出線で構成され、第4配線の延出線の第2導電性金属酸化物層98(図示略)はチャネル層58の端部(左端)と重畳し、電極界面となる重畳部36が形成されている。
チャネル層58の重畳部35、36の断面、ソース電極53、ドレイン電極56、ゲート電極55の各々図示されている電極断面には、図示上、テーパ形状が形成されていないが、断線等を避ける目的でテーパ形状(傾斜形状)が形成されていることが望ましい。
チャネル層58と第2導電性金属酸化物層98との界面でのコンタクト抵抗は小さく、オーミックコンタクトが得られる。これは第2導電性金属酸化物層98の導電率が高いため、実質的に高移動度の導電性金属酸化物がチャネル層58上に形成されていることによる。すなわち、第2導電性金属酸化物層98がチャネル層58の高移動度の半導体層の役割を果たす。この結果、トランジスタ特性を向上させることができる。
図6に示すコンタクトホール93では、反射電極(画素電極)89が、上層として第1導電性金属酸化物層97を備えるドレイン電極56と接触している。反射電極89は、図7で示すように、第1平坦化層31上に形成され、可視光の反射率に優れる銀または銀合金層99がドレイン電極56と同様の導電性金属酸化物層97、98で挟持された3層構成を有し、反射電極89の第2導電性金属酸化物層98と、ドレイン電極56の第1導電性金属酸化物層97とはそれぞれ導電性金属酸化物であるので、オーミックコンタクトが可能である。オーミックコンタクトは、半導体特性の向上及び消費電力の低減に寄与する。
また、前記の構成により、銀のマイグレーションを抑制することが可能となる。銀合金層を光反射性の画素電極に適用する場合、銀合金層の膜厚は、例えば100nmから500nmの範囲から選択できる。必要に応じて、膜厚は500nmより厚く形成してもよい。反射電極89を構成する銀合金層99には、合金元素としてカルシウムを加えてもよい。
一般的な薄膜トランジスタにおいては、モリブデンやチタンといった高融点金属層と画素電極のITOとが接触する構成が採用されることが多い。これらの高融点金属は、表面に自身の金属酸化物を形成するため、電気的なコンタクトでは難点を有する。また、コンタクトホール内における電気的接合においてショットキーバリアを形成した場合に、薄膜トランジスタの閾値電圧(Vth)に悪影響を与えることがある。
前記のように、接触する電極面が、酸化された銅表面であったり、あるいはアルミニウムであったりする場合、オーミックコンタクトが難しくなる。アルミニウムは、ITOなど導電性金属酸化物と物理的な密着性も不十分である。本発明の表示装置で採用されている新規な3層の電極構成は、このようにオーミックコンタクトが可能な配線構造を提供す
ることができる。
また、導電配線の構成として、従来技術であるCu/Tiの2層積層構造、あるいはTi/Cu/Tiの3層積層構造を採用する場合、Ti層に含まれやすい水素が酸化物半導体(チャネル層)に悪影響を与えやすい。具体的には、Ti層から放出される水素が薄膜トランジスタのチャネル長に変化を与え、トランジスタ特性を変化させることがある。本発明の表示装置に係る導電配線は、Ti層を用いずに、金属層が導電性金属酸化物層によって挟持された構成を有するため、水素に起因する悪影響は極めて少ない。
図8は、本発明の表示装置を構成するゲート電極55(ゲート配線も同様)の構造を示す模式断面図である。ゲート電極55は、図6のソース電極53、ドレイン電極56と同様に、第1導電性金属酸化物層97と第2導電性金属酸化物層98で挟持される金属層20の構造により、第4導電層として構成される。ソース電極53、ドレイン電極56を構成する第3導電層は第4絶縁層17上に形成されるが、第4導電層は第3絶縁層16上に形成される。従って、第3導電層と第4導電層は異なるレイヤとして形成される。
断面視でゲート電極55の端部に露出する金属層20の表面を、インジウムを含む複合酸化物で覆うこともできる。あるいは、窒化珪素や窒化モリブデン等の窒化物や酸窒化物でゲート電極55の端部を含むようにゲート電極55の全体を覆ってもよい。あるいは、ゲート絶縁層である第3絶縁層16と同じ組成を有する絶縁膜を50nmより厚い膜厚で積層してもよい。同様に、ソース電極53ヤドレイン電極56を構成する第3配線、第4配線の端部を含むよう窒化珪素や窒化モリブデン等の窒化物や酸窒化物で覆ってもよい。
ゲート電極55の形成方法として、ゲート電極55の形成に先立って、薄膜トランジスタTFTのチャネル層58の直上に位置する第3絶縁層16のみにドライエッチング等を施し、第3絶縁層16の厚さを薄くすることもできる。第3絶縁層16と接触するゲート電極55の界面に、電気的性質の異なる酸化物半導体をさらに挿入してもよい。あるいは、第3絶縁層16を酸化セリウムや酸化ガリウムを含む絶縁性の金属酸化物層で形成してもよい。
ゲート電極55を構成する金属層20に銅合金を採用する場合、銅に対し0.1at%以上4at%以下の範囲内の金属元素或いは半金属元素を添加することが好ましい。このような元素を銅に添加することによって、銅のマイグレーションを抑制することができるという効果が得られる。特に、銅層の結晶(グレイン)内で銅原子の一部と置換することによって銅の格子位置に配置できる元素と、銅層の結晶粒界に析出して銅のグレイン近傍の銅原子の動きを抑制する元素とを共に銅に添加することが好ましい。あるいは、銅原子の動きを抑制するためには銅原子より重い(原子量の大きな)元素を銅に添加することが好ましい。加えて、銅に対し0.1at%から4at%の範囲内の添加量で、銅の導電率が低下しにくい添加元素を選択することが好ましい。さらに、スパッタリング等の真空成膜を考慮すると、スパッタリング等の成膜レートが銅に近い元素が好ましい。このように元素を銅に添加する技術は、銅を銀やアルミニウムに置き換えた場合にも適用することができる。
(ゲート絶縁層)
チャネル層58が接触するゲート絶縁層(第3絶縁層)16(図6参照)として機能する絶縁層材料としては、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化サマリウム、あるいはこれらの材料を混合して得られた絶縁層等を採用できる。
酸化セリウムは誘電率が高く、複合酸化物を構成する酸化物の1つとして酸化セリウムを採用した場合、非晶質状態であっても高い誘電率を保持しやすい。このため、ゲート絶縁層としても、酸化セリウムを含む複合酸化物を採用することは好ましい。
酸化セリウムは、酸素の貯蔵と放出を行いやすい。このため、酸化物半導体(チャネル層)と酸化セリウム(ゲート絶縁層)とが接触する構造を採用することで、酸化セリウムから酸化物半導体へ酸素を供給し、酸化物半導体の酸素欠損を避けることができ、安定したチャネル層を実現することができる。SiN等の窒化物をゲート絶縁層に用いる構成では、上記のような作用が発現しにくい。
LEDや有機EL素子の駆動は、一方向の電流駆動が一般的である。この場合、電流ストレス耐性や正バイアスのストレス耐性が要求される。酸化セリウムを少なくとも含むゲート絶縁層はストレス耐性が高く、LEDや有機EL素子の駆動を担う薄膜トランジスタに好適である。
また、ゲート絶縁層の材料は、セリウムシリケート(CeSiOx)に代表されるランタノイド金属シリケートを含んでもよい。あるいは、ランタンセリウム複合酸化物、ランタンセリウムシリケート、さらにはセリウム酸化窒化物、セリウム酸化物を含んでもよい。
ゲート絶縁層の構造として、単層膜以外に、混合膜、或いは多層膜が採用されてもよい。混合膜や多層膜を採用する場合、上記の絶縁層材料から選択された材料によって混合膜や多層膜を形成することができる。例えば、チャネル層に接触する形で酸化セリウムの単層膜を1nmから3nmで配設し、さらに前記の混合膜や多層膜を積層してもよい。また、セリウムあるいは酸化セリウムの濃度勾配を有する酸化セリウム混合膜を用いてもよい。
ゲート絶縁層の膜厚は、例えば、2nm以上300nm以下の範囲内から選択可能な膜厚である。酸化物半導体でチャネル層を形成する場合、酸素が多く含まれる成膜雰囲気とし、チャネル層と接触するゲート絶縁層の界面を形成することができ、酸化物半導体層(チャネル層)の酸素欠損を減らすことができる。
(発光素子CHIPの構造)
本発明の第1実施形態の表示装置DSP1に搭載される発光素子CHIPは表示機能層であり、LEDの一種である垂直型発光ダイオード(後述)により構成され、図5に示すように、第2基板42上の複数の画素の各々に設けられている。
発光層としては、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、窒化ガリウム(GaN)、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、リン化ガリウム(GaP)など、無機材料からなる化合物半導体の単層や積層構成を用いる。
発光層は、単一の化合物半導体で構成されてもよく、単一量子井戸構造あるいは多量子井戸構造を有していてもよい。発光素子CHIPは、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードをマトリクス状に配置することができる。さらに、近赤外発光ダイオードを加えてもよい。あるいは単色発光ダイオードの発光素子上に、波長変換部材として量子ドット層を積層してもよい。
図9は、図5の符号Dの領域を部分拡大し、発光素子CHIPの構造を示す模式断面図である。発光素子CHIPは、下部電極88上に、p型半導体層91、発光層92、n型半導体層90、及び上部電極87がこの順で積層された構成を有する。すなわち、発光層92を挟持するn型半導体層90及びp型半導体層91の各々に対向する面の外側に、上部電極87及び下部電極88が配設されている。
発光素子CHIPが、前記のような厚み方向の積層構造を有するLEDであるとき、本願では垂直型発光ダイオードと呼称する。LEDの構造が、断面視で角錐形状等の異型である場合、垂直型発光ダイオードに含めない。一方、LEDの構造において片側の面に陽極と陰極の電極が並ぶように形成される構造、換言すれば、水平方向に電極が並ぶように形成される構造を水平型発光ダイオードと呼称する。
図10は、図9に示す発光素子CHIPの近傍を含めた構造を示す模式断面図であって、透明導電膜76と上部電極87との接続状態を示す図である。発光素子CHIP上において、透明導電膜76は上部電極87と重なっており、電気的に接続されている。発光素子CHIPの角部71は、第2平坦化層32で覆われている。発光素子CHIP上には、第2平坦化層32と上部電極87とが重なる重なり部74が形成されており、上部電極87上において第2平坦化層32は凹部形状を有している。
重なり部74は、角部71において透明導電膜76と上部電極87との間に位置しており、例えば、5°から70°の角度θで上部電極87の面に対して傾斜している。このように重なり部74が傾斜を有することで、透明導電膜76の断線を防ぐことができる。重なり部74が形成されていない状態では、透明導電膜76が断線し易くなり、発光素子CHIPの点灯不良が生じる懸念がある。
前記のような凹部形状を有する第2平坦化層32を形成する方法や、発光素子CHIPに重なる重なり部74を形成する方法としては、周知のフォトリソグラフィが採用できる。さらに、フォトリソグラフィの手法に加え、ドライエッチング技術を適用してもよい。
発光素子CHIPの形状は、平面視で、例えば1辺の長さが3μmから500μmの正方形形状が適用できる。ただし、正方形や矩形以外の形状が適用されてもよい。あるいは、1辺の大きさを500μm以上としてもよい。
画素PXには、1個、あるいは2個以上の発光素子を実装してもよい。発光素子CHIPの実装では、例えば、正方形形状の発光素子CHIPの向きを、90度単位でランダムに回転させて実装することができる。ランダムに実装することで、発光層のわずかなバラツキから生じる画面全体の色ムラ、輝度ムラを軽減できる。
発光素子CHIPに適用できるn型半導体90やp型半導体91としては、周期律表のII族からVI族の元素の化合物やこれらの窒化物や酸化物が挙げられる。例えば、GaNにInやII族元素またはIV族元素をドープした半導体、GaP、GaInP、AlGaInPなど、さらにはZnOにIII族元素をドープした半導体などが挙げられる。例えば、発光効率の高い近紫外域発光のInGaN/GaNの構造を用いてもよい。バイオテンプレート技術に、さらに中性ビームエッチング技術を併用してナノピラー構造としたInGaN/GaNを用いてもよい。
下部電極88の構成材料としては、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金を適用することができる。さらに、下部電極88の構成として、図7の反射電極89のように、銀あるいは銀合金層99が導電性金属酸化物層97、98によって挟持された3層構成を適用してもよい。下部電極88の構成の一部には、Ti層、Cr層、Pt層、AuGe層、Pd層、Ni層、TiW層、Mo層などの金属層を導入してもよい。尚、平面視で下部電極88の面積割合を減らすことにより、半透過型や透過型の表示装置を実現することができる。
上部電極87は、導電性金属酸化物で形成された層を含む構成が好ましい。特に、少なくとも上部電極87の上面(表層)78(図9参照)が導電性金属酸化物で形成されていることが好ましい。上部電極87は発光素子CHIPの光の出射面外の領域で、銅層あるいは銅合金層が導電性金属酸化物で挟持された構造を有する第6配線6と電気的に接続される(図5参照)。上部電極87の上面78は光の出射面となるので、透明な導電性金属酸化物層の面積比率が大きいことが望ましい。
上部電極87、下部電極88に用いる導電性金属酸化物の材料としては、既述の、タッチ配線、及び薄膜トランジスタの電極や配線に用いる第1導電性金属酸化物層、第2導電性金属酸化物層と同様の材料を用いることができる。
上部電極87の構成として、例えば、膜厚10nmの銀合金層が膜厚40nmの導電性金属酸化物で挟持された透明導電膜を採用することができる。銀合金層の膜厚を、9nmから15nmの範囲に設定し、導電性金属酸化物によって銀合金層が挟持された3層積層構造を用いることが好ましい。この3層構成では高い光の透過率の上部電極87を実現することができる。このような透明導電膜の屈折率は高いことが好ましいため、導電性金属酸化物に高い屈折率を持つ酸化セリウムを加えることができる。
(2種類の薄膜トランジスタを積層した構造)
後述の発光素子を駆動する回路を説明する前提として、2種類の薄膜トランジスタ(第1薄膜トランジスタ、第2薄膜トランジスタ)を、それぞれ上層、下層のレイヤとして積層した構造を説明する。この場合、下層に位置する薄膜トランジスタとして、ポリシリコン半導体で形成されたチャネル層を備える薄膜トランジスタを用いる。上層に位置する薄膜トランジスタとしては酸化物半導体で形成されたチャネル層を備える薄膜トランジスタを用いる。
前記のような2種類の薄膜トランジスタが積層された平面視の構造では、マトリクス状にそれぞれの薄膜トランジスタが配置される。この構造においては、ポリシリコン半導体によって高い移動度が得られ、酸化物半導体によって低リーク電流を実現できる。すなわち、ポリシリコン半導体のメリットと酸化物半導体のメリットの両方を共に活かすことができる。
酸化物半導体もしくはポリシリコン半導体を、例えば、p/n接合をもつ相補型のトランジスタの構成に用いることができ、あるいは、n型接合のみを有する単チャネル型トランジスタの構成にて用いることができる。酸化物半導体の積層構造として、例えばn型酸化物半導体と、このn型酸化物半導体と電気的特性が異なるn型酸化物半導体とが積層された積層構造を採用してもよい。積層されるn型酸化物半導体においては、下地のn型半導体のバンドギャップを、上層に位置するn型半導体のバンドギャップとは異ならせることができる。
酸化物半導体で形成されたチャネル層を備える薄膜トランジスタでは、チャネル層の上面が、異なる酸化物半導体で覆われた構成を採用してもよい。あるいは、例えば、結晶性のn型酸化物半導体上に、微結晶の(非晶質に近い)酸化物半導体が積層された積層構造を採用してもよい。
(駆動回路構成)
画素PXは、図2に示すように、第1配線(タッチ配線)1と第2配線(タッチ配線)2とで区画されており、有効表示領域70において複数の画素PXはマトリクス状に配置
されている。
図11は、本発明の表示装置に係り、2種類の薄膜トランジスタ(スイッチングトランジスタ及び駆動トランジスタ)を用いた、発光素子を駆動する代表的な回路図である。図11においては、各画素PXは、映像の信号線である第3配線(ソース配線)3と、走査線である第5配線(ゲート配線)5とで区画されている。図2と図11より、第2配線2と第3配線3は平行にY方向に延在している。第1配線1と第5配線5は平行にX方向に延在している。
図11に示すように、第3配線3と第5配線5とで区画される画素PX内には、第1薄膜トランジスタ61、第2薄膜トランジスタ62、発光素子85(図5では発光素子CHIPに相当)、容量素子79などが配置されている。
図11に示す第2薄膜トランジスタ62は、(図5ではソース電極53を介して、)第1電源線51(本回路では第4配線(ドレイン配線)4が相当する)と接続されている。第1電源線51は、発光素子85に電力を供給する給電線である。第2電源線52は、図5のように、第6配線6及び透明導電膜76を介して、発光素子CHIPを構成する上部電極87と接続する。第2電源線52は、定電位に維持されており、例えばグランド(筐体等)に接地されてもよい。
第1薄膜トランジスタ61は、第3配線3と第5配線5とに電気的に接続されている。
第2薄膜トランジスタ62は、第1薄膜トランジスタ61、及び第1電源線51(第4配線4)と電気的に接続され、かつ、第1薄膜トランジスタ61からの信号を受けて発光素子85を駆動する。
図11は、アレイ基板100(図5参照)上に配設される主な電気的要素を示しているが、図11に示す薄膜トランジスタ61、62以外に、さらに容量のリセット処理を行う薄膜トランジスタなどをスイッチング素子とし、リセット信号線をアレイ基板100上に形成することができる。
第5配線5(走査線)はシフトレジスタを含む走査駆動回路82(後述の図13では映像信号制御部121に相当)に接続され、第3配線3(信号線)はシフトレジスタ、ビデオライン、アナログスイッチを含む映像信号回路81(図13では映像信号制御部121に相当)に接続されている。すなわち、映像信号回路81及び走査駆動回路82は、表示機能層である発光素子85を制御する制御部として機能する。
複数の画素PXの各々においては、第5配線5からのゲート信号、及び第3配線3からの映像信号を受けて第1薄膜トランジスタ61がオンとなると、画素駆動の第2薄膜トランジスタ62のゲート電極55(図5参照)にオンの信号が入力される。それに伴い、第2薄膜トランジスタ62のチャネル層58(図5参照)を介して第4配線4(第1電源線51)から発光素子85に電流が供給され、電流量に応じて画素PX(発光素子85)が発光する。尚、図5、図6に図示する薄膜トランジスタTFTは第2薄膜トランジスタであり、第1薄膜トランジスタは、Y軸に垂直な別の断面に存在するため、図示しない。
要約すれば、スイッチングトランジスタである第1薄膜トランジスタ61からの信号(ドレイン電極からの出力)は、ゲート電極55(図5参照)に出力される。駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ62はゲート電極55からの信号を受け、第1電源線51を通して発光素子85に電流を供給し、電流量に応じて発光素子85が発光する。
尚、本発明の表示装置では、図11の第1配線1、第2配線2、第3配線3、第4配線
4、及び第5配線5の位置関係を限定するものではない。例えば、第4配線4と第3配線3は、第1配線1と平行であってもよく、この場合、第5配線5は、第2配線2と平行となる。
<第2実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施形態の表示装置について説明する。
第2実施形態は、発光素子として有機ELを採用するものである。第2実施形態の図面においては、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る表示装置DSP2を示す模式断面図である。第1実施形態と同様、第2実施形態の第1基板41の表裏の面には、いずれも電気的な配線は形成されない。また、第1タッチ配線1と第2タッチ配線2とで構成されるタッチセンシング機能に関わる説明は、第1実施形態と同じであるので省略する。第2基板42に適用可能な基板についても第1実施形態と同じである。
平坦化層31についても第1実施形態と同様であり、薄膜トランジスタTFT(以下、この段落では図5参照)のドレイン電極56に対応する位置にコンタクトホール93が形成されている。また、平坦化層31上には、チャネル層58に対応する位置にバンク94が形成されている。断面視において互いに隣り合うバンク94の間の領域、すなわち、平面視においてバンク94に囲まれた領域においては、平坦化層31の上面、コンタクトホール93の内部、及びドレイン電極56を覆うように下部電極88(画素電極)が形成されている。尚、下部電極88は、バンク94の上面には形成されていなくてよい。
第2実施形態に係る表示装置DSP2では、図12の積層部30(楕円点線部)に示すように、平坦化層31、バンク94、及び下部電極88を覆うようにホール注入層Hが形成され、ホール注入層H上には、順に有機ELによる発光層92、上部電極87が積層されている。さらにその上にカラーフィルタ層CFが形成されている。
カラーフィルタ層CFは、例えば、赤色画素Rと緑色画素Gと青色画素Bをインクジェットなどの方法で塗布形成する。加えて、透明画素(白色Wに相当)を形成してもよい。これらの着色画素は、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料を感光性レジストに分散して、通常のフォトリソグラフィの手法で形成してもよい。カラーフィルタ層を形成する位置は、下部電極88上から第1基板41との間であればよく、形成位置を限定するものでない。
(本発明の表示装置の機能構成)
図13は、本発明の表示装置(第1~第2実施形態に共通)を構成する制御部及び表示部を示すブロック図である。図13に示すように、本発明の表示装置は、表示部110と、表示部110及びタッチセンシング機能を制御するための制御部120とを備えている。
制御部120は、公知の構成を有し、映像信号制御部121(第一制御部)と、タッチセンシング制御部122(第二制御部)と、システム制御部123(第三制御部)とを備えている。
映像信号制御部121は、表示部110における画像表示を制御する。具体的に、映像信号制御部121は、アレイ基板100(図5参照。以下、第1実施形態の符号で示す)に設けられた上部電極87と下部電極88との間に供給される電圧(画素駆動電圧)を制御することで、上部電極及び下部電極によって挟持された発光層92(図9参照)の発光(画素駆動)を制御する。このような画素駆動は、アレイ基板100上にアレイ状に設け
られた複数の発光層92の各々に対して行われ、表示部110に画像が表示される。
タッチセンシング制御部122は、例えば、第2タッチ配線2(図1参照)にタッチセンシング駆動電圧を印加し、第1タッチ配線1と第2タッチ配線2との間に生じる静電容量Cの変化を検出する。
システム制御部123は、映像信号制御部121及びタッチセンシング制御部122を制御し、画素駆動と、タッチ駆動による静電容量の変化の検出とを交互に行いタッチの有無やタッチの位置を検出する。すなわち、システム制御部123は、時分割駆動により、表示部110における画像表示(画素駆動)と、タッチセンシング駆動とを行うことが可能である。
システム制御部123は、画素駆動及びタッチセンシング駆動の周波数を互いに異ならせて上述の駆動を行う機能を有してもよいし、画素駆動及びタッチセンシング駆動の電圧を互いに異ならせて上述の駆動を行う機能を有してもよい。
このような機能を有するシステム制御部123においては、例えば、表示装置が拾ってしまう外部環境からのノイズの周波数を検知し、ノイズ周波数とは異なるタッチセンシング駆動周波数を選択する。これによって、ノイズの影響を軽減することができる。また、このようなシステム制御部123においては、指やペン等のポインタの走査速度に合わせたタッチセンシング駆動周波数を選定することもできる。
上記のタッチセンシング機能や表示機能(発光素子の駆動を含む)を制御する電子回路、2次電池などを含む制御部、アンテナユニット等は、第2基板42(図1及び図12参照)の裏面BK側に配置し、これらを筐体として保持する第3基板(図示せず)を設置することができる。第3基板は第2基板同様、透明であってもよく、不透明な基板、着色した基板であってもよい。
第3基板として、第1基板41(図1参照)と同様に、モース硬度が6~10の範囲内にあり、かつ0.5mmから1mmの範囲内にある基板を用いることで、カバーガラスを省いた構成としても、モバイル機器として必要な強度を有し、かつ軽い電子機器を提供できる。
第2基板42の厚みは、軽量化の観点から、第1基板や第3基板の厚みより薄くすることができ、例えば0.1mmから0.4mmの厚みとすることができる。第1基板、第2基板、第3基板の線膨張係数は、高精細表示でのアライメントを考慮した場合、10×10-6/℃から5×10-6/℃の範囲内にあることが望ましい。
本発明の好ましい実施形態を詳細に説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、及びその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は上述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
本発明の表示装置は、種々の応用が可能である。本発明の表示装置が適用可能な電子機器としては、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払
い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器等が挙げられる。
1 第1配線(タッチ配線)
2 第2配線(タッチ配線)
2A センス配線
2B 引き出し配線
3 第3配線(ソース配線)
4 第4配線(ドレイン配線)
5 第5配線(ゲート配線)
6 第6配線
11 第1透明樹脂層
12 第2透明樹脂層
13 第3透明樹脂層
14 第4透明樹脂層
15 第2絶縁層
16 第3絶縁層(ゲート絶縁層)
17 第4絶縁層
28 第2導電層
27 第4黒色層
20 金属層
21 第1導電性金属酸化物層
22 第2導電性金属酸化物層
23 第1黒色層
24 第2黒色層
25 第1導電層
26 第3黒色層
30 積層部
31 第1平坦化層
32 第2平坦化層
33 第3平坦化層
35 36 重畳部
41 第1基板
42 第2基板
50 表示機能層
51 第1電源線
52 第2電源線
53 ソース電極
55 ゲート電極
56 ドレイン電極
58 チャネル層
61 第1薄膜トランジスタ
62 第2薄膜トランジスタ
70 有効表示領域
71 角部
72 額縁部
74 重なり部
76 透明導電膜
77 接合層
78 上面
79 容量素子
81 映像信号回路(映像信号制御部)
82 走査駆動回路(映像信号制御部)
85 発光素子
87 上部電極
88 下部電極
89 反射電極(画素電極)
90 n型半導体層
91 p型半導体層
92 発光層
93 コンタクトホール
94 バンク
97 第1導電性金属酸化物層
98 第2導電性金属酸化物層
99 銀合金層
110 表示部
120 制御部
121 映像信号制御部
122 タッチセンシング制御部
123 システム制御部
100 300 第2基板(アレイ基板)
200 400 表示装置基板
DSP1、DSP2 表示装置
P 観察者
S 観察面
F 第1面
BK 裏面
C 静電容量
TFT 薄膜トランジスタ
CHIP 発光素子
PX 画素
TM1 第1端子
TM2 第2端子
L チャネル長
CF カラーフィルタ
H ホール注入層
R 赤着色層
G 緑着色層
B 青着色層

Claims (10)

  1. 少なくとも、第1基板と、複数の第1タッチセンシング配線と、第1透明樹脂層と、複数の第2タッチセンシング配線と、表示機能層と、をこの順で構成してなる表示装置であって、
    前記複数の第1タッチセンシング配線は、観察者側からの平面視で、並ぶように平行に第1方向に延在し、前記複数の第2タッチセンシング配線は前記第1方向と直交する第2方向に延在し、
    前記第1タッチセンシング配線は、断面視で、第1導電層を第1黒色層と第2黒色層で挟持する3層構成を含み、
    前記複数の第2タッチセンシング配線は、断面視で、第2導電層を第3黒色層と第4黒色層とで挟持する3層構成を含み、
    前記表示機能層は、観察者側からの平面視で、前記第1タッチセンシング配線と前記第2タッチセンシング配線で区画される画素開口部に発光素子を具備し、
    前記発光素子は、少なくとも、第1薄膜トランジスタと、前記第1薄膜トランジスタからの信号を受けるゲート電極を具備する第2薄膜トランジスタとで駆動され、
    前記第1基板は、観察者側の上面にカバーガラスを具備せず、かつ、観察者側と反対側の面(裏面)と前記第1タッチセンシング配線との間に、第2透明樹脂層を具備する
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 前記第1基板は、モース硬度が6~10の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第1導電層と、前記第2導電層はいずれも、銅層あるいは銅合金層を導電性金属酸化物層で挟持する3層構成であることを特徴とする請求項1、または2に記載の表示装置。
  4. 前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの少なくとも一方は、酸化物半導体で構成されたチャネル層を備え、かつ、前記酸化物半導体はゲート絶縁層と接触する構造を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
  5. 前記酸化物半導体は、該酸化物半導体において酸素をカウントしない元素の合計を100at%としたとき、インジウムを40at%以上含み、かつ、アンチモンあるいはビスマスを40at%以上含み、
    さらにスカンジウム、イットリウム、ランタン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリウム、ジスプロシウム、エルビウムの1種以上を0.1at%~10at%含む複合酸化物である、ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記酸化物半導体は、該酸化物半導体において酸素をカウントしない元素の合計を100at%としたとき、インジウムを40at%以上含み、かつ、アンチモンあるいはビスマスを40at%以上含み、
    さらにセリウムを0.1at%~10at%含む複合酸化物である、ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  7. 前記ゲート絶縁層は、酸化セリウムを含む複合酸化物である、ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  8. 前記1第薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタはいずれも、第3導電層で構成されるゲート電極及びゲート配線を備え、
    かつ、第4導電層で構成されるソース電極及びソース配線を備え、
    前記第3導電層及び第4導電層はいずれも、銅層あるいは銅合金層を導電性金属酸化物層で挟持する3層構成である、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の表示装置。
  9. 前記発光素子は、発光ダイオードである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の表示装置。
  10. 前記発光ダイオードは、上部電極、n型半導体層、発光層、p型半導体層、及び下部電極がこの順で積層された垂直型発光ダイオード(LED)である、ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
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