JP2016060686A - 酸化物焼結体およびその製造方法、スパッタリング用ターゲット、ならびに半導体デバイス - Google Patents

酸化物焼結体およびその製造方法、スパッタリング用ターゲット、ならびに半導体デバイス Download PDF

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Yoshinori Miyanaga
美紀 宮永
英章 粟田
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英章 粟田
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Kenichi Wataya
研一 綿谷
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Abstract

【課題】特性の高い半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するためのスパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体およびそれを用いて形成される酸化物半導体膜を含む半導体デバイスを提供する。【解決手段】酸化物焼結体は、インジウムと、タングステンと、イットリウムと、を含む酸化物焼結体であって、ビックスバイト型結晶相を80%以上として含み、見かけ密度が6.5g/cm3より大きく8.25g/cm3以下であり、インジウム、タングステンおよびイットリウムの合計に対するタングステンの含有率が0.5原子%より大きく30原子%より小さく、インジウム、タングステンおよびイットリウムの合計に対するイットリウムの含有率が0.5原子%より大きく30原子%より小さい。半導体デバイス10は、酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲット用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜14を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するためのスパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体およびその製造方法、酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲット、スパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含む半導体デバイスに関する。
液晶表示装置、薄膜EL(Electroluminescence:エレクトロルミネッセンス)表示装置、有機EL表示装置などにおいて、半導体デバイスであるTFT(Thin−film transistor:薄膜トランジスタ)のチャネル層として機能する半導体膜として、従来では主として非晶質シリコン膜が使用されてきた。
しかし、近年では、そのような半導体膜として、In−Ga−Zn系複合酸化物(以下、IGZOともいう)を主成分とする酸化物半導体膜が、非晶質シリコン膜に比べてキャリアの移動度が大きいという利点から注目されている。
特開2004−091265号公報(特許文献1)は、酸化物半導体膜をスパッタリング法などにより形成する際に好適に用いられる材料として、主としてインジウムからなりタングステンを含む酸化物焼結体を開示する。
特開2006−347807号公報(特許文献2)は、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法により酸化物透明導電膜を形成する際に好適に用いられる材料として、タングステンを固溶したインジウム酸化物を含有し、タングステンがインジウムに対する原子数比で0.001以上0.034以下含まれ、密度(見かけ密度)が4.0g/cm3以上6.5g/cm3以下である酸化物焼結体を開示する。
特開2004−091265号公報 特開2006−347807号公報
特開2004−091265号公報(特許文献1)に開示される、主としてインジウムからなりタングステンを含む酸化物焼結体を用いて作製した酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイスであるTFTは、OFF電流が1×10-11A程度と高く、駆動電圧を70V程度に高くしないとOFF電流に対するON電流の比を十分に大きくすることができないという問題点があった。
特開2006−347807号公報(特許文献2)に開示される酸化物焼結体は、密度(見かけ密度)が6.5g/cm3以下であるために、酸化物半導体膜を形成するのに最適なスパッタリング法の原料であるスパッタリング用ターゲットとしては用いることができないという問題点があった。
そこで、本発明は上記問題点を解決し、特性の高い半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するためのスパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体およびその製造方法、酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲット、スパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含む半導体デバイスを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る酸化物焼結体は、インジウムと、タングステンと、イットリウムとを含む酸化物焼結体であって、前記酸化物焼結体は、ビックスバイト型結晶相を80面積%以上含み、前記酸化物焼結体は、見かけ密度ρが6.5g/cm3<ρ≦8.25g/cm3であり、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Waは、0.5原子%<Wa<30原子%であり、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Yaは、0.5原子%<Ya<30原子%である、酸化物焼結体である。
本発明の一態様に係るスパッタリング用ターゲットは、上記態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットである。
本発明の一態様に係る半導体デバイスは、上記態様のスパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含む半導体デバイスである。
本発明の一態様に係る酸化物焼結体の製造方法は、上記態様の酸化物焼結体の製造方法であって、イットリウム酸化物粉末およびタングステン酸化物粉末を含む1次混合物を調製する工程と、前記1次混合物を熱処理することにより仮焼粉末を形成する工程と、前記仮焼粉末およびインジウム酸化物粉末を含む2次混合物を調製する工程と、前記2次混合物を成形することにより成形体を形成する工程と、前記成形体を焼結することにより酸化物焼結体を形成する工程とを含み、前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物粉末を形成する工程を含む、酸化物焼結体の製造方法である。
上記態様によれば、特性の高い半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するためのスパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体およびその製造方法、酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲット、スパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含む半導体デバイスを提供できる。
本発明の一態様にかかる半導体デバイスの一例を示す概略図である。ここで、(A)は概略平面図を示し、(B)は(A)のIB−IBにおける概略断面図を示すものである。 本発明の一態様にかかる半導体デバイスの製造方法の一例を示す概略断面図である。
<本発明の実施形態の説明>
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る酸化物焼結体は、インジウムと、タングステンと、イットリウムとを含む酸化物焼結体であって、前記酸化物焼結体は、ビックスバイト型結晶相を80面積%以上含み、前記酸化物焼結体は、見かけ密度ρが6.5g/cm3<ρ≦8.25g/cm3であり、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Waは、0.5原子%<Wa<30原子%であり、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Yaは、0.5原子%<Ya<30原子%である、酸化物焼結体である。
本実施態様の酸化物焼結体は、特性の高い半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するためのスパッタリング用ターゲットとして好適に用いることができる。本明細書中、「半導体デバイスの特性が高い」とは、半導体デバイスのOFFが非常に小さく、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くできることを意味する。
本実施態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜をチャネル層として半導体デバイスを作製すると、該半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記ビックスバイト型結晶相は、インジウム酸化物を含み、前記ビックスバイト型結晶相は、その少なくとも一部にタングステンおよびイットリウムが固溶していることが好ましい。これにより、本実施態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜をチャネル層として半導体デバイスを作製すると、該半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記酸化物焼結体は、イットリウムおよびタングステンを含む複酸化物結晶相を含むことが好ましい。これにより、本実施態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜をチャネル層として半導体デバイスを作製すると、該半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記酸化物焼結体中のタングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wbは、20原子%<Wb<50原子%であることが好ましい。これにより、本実施態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜をチャネル層として半導体デバイスを作製すると、該半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記酸化物焼結体はさらにジルコニウムを含み、前記酸化物焼結体中のタングステンおよびジルコニウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wcは、30原子%<Wc<60原子%であることが好ましい。これにより、本実施態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜をチャネル層として半導体デバイスを作製すると、該半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記酸化物焼結体は、アルミニウム、チタン、クロム、ハフニウム、シリコン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ガリウム、およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加元素を含み、
前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステン、イットリウムおよび添加元素の合計原子数に対する、前記添加元素の合計含有率Maは、0.1原子%≦Ma≦10原子%であることが好ましい。これにより、本実施態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜をチャネル層として半導体デバイスを作製すると、該半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
本発明の一態様に係るスパッタリング用ターゲットは、上記態様の酸化物焼結体を含む。上記態様の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットは、特性の高い半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するために好適に用いることができる。
本発明の一態様に係る半導体デバイスは、上記態様のスパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含む半導体デバイスである。本態様の半導体デバイスは、上記態様のスパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含むため、高い特性が得られる。ここで述べる半導体デバイスとは、特に制限はないが、上記実施形態のスパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜をチャネル層として含むTFT(薄膜トランジスタ)が好適な例である。
前記酸化物半導体膜は、インジウムと、タングステンと、イットリウムとを含み、前記酸化物半導体膜中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wdは、0.5原子%<Wd<30原子%であり、前記酸化物半導体膜中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Ybは、0.5原子%<Yb<30原子%であることが好ましい。これにより、酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記酸化物半導体膜中のタングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Weは、20原子%<We<50原子%であることが好ましい。これにより、酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
前記酸化物半導体膜はさらにジルコニウムを含み、前記酸化物半導体膜中のタングステンおよびジルコニウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wfは、30原子%<Wf<60原子%であることが好ましい。これにより、酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイスは、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
本発明の一態様に係る酸化物焼結体の製造方法は、上記態様の酸化物焼結体の製造方法であって、イットリウム酸化物粉末およびタングステン酸化物粉末を含む1次混合物を調製する工程と、前記1次混合物を熱処理することにより仮焼粉末を形成する工程と、前記仮焼粉末およびインジウム酸化物粉末を含む2次混合物を調製する工程と、前記2次混合物を成形することにより成形体を形成する工程と、前記成形体を焼結することにより酸化物焼結体を形成する工程とを含み、前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物粉末を形成する工程を含む、酸化物焼結体の製造方法である。
本態様の酸化物焼結体の製造方法は、仮焼粉末を形成する工程において、イットリウム酸化物粉末とタングステン酸化物粉末とを混合し、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムとタングステンとを含む複酸化物粉末を形成することを含むため、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなる。したがって、酸化物焼結体は、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いることができる。
前記1次混合物はさらにジルコニウム酸化物粉末を含み、前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む第2複酸化物粉末を形成する工程を含むことが好ましい。前記仮焼粉末を形成する工程は、イットリウム酸化物粉末とタングステン酸化物粉末とジルコニウム酸化物粉末との前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃以下の温度で熱処理するため、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなる。したがって、酸化物焼結体は、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いることができる。
前記タングステン酸化物粉末は、WO3、WO2、およびWO2.72からなる群より選ばれる少なくとも1つの結晶相を含むことが好ましい。これにより、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなり、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体が得られる。
前記タングステン酸化物粉末のメジアン粒径d50は、0.1μm以上4μm以下が好ましい。これにより、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなり、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体が得られる。
前記第1複酸化物は、WY型結晶相、W15型結晶相およびY(WO型結晶相からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。前記第2複酸化物は、Zr0.50.5YO型結晶相を含むことが好ましい。これにより、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなり、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体が得られる。
<本発明の実施形態の詳細>
[実施形態1:酸化物焼結体]
本実施形態の酸化物焼結体は、インジウムと、タングステンと、イットリウムとを含む酸化物焼結体であって、前記酸化物焼結体は、ビックスバイト型結晶相を80面積%以上含み、前記酸化物焼結体は、見かけ密度ρが6.5g/cm3<ρ≦8.25g/cm3であり、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Waは、0.5原子%<Wa<30原子%であり、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Yaは、0.5原子%<Ya<30原子%である。
本明細書において、ビックスバイト型結晶相とは、ビックスバイト結晶相およびビックスバイト結晶相の少なくとも一部にインジウム(In)以外の金属元素およびシリコン(Si)からなる群より選ばれるの少なくとも1つの元素が固溶した相の総称を意味する。ビックスバイト結晶相は、インジウム酸化物(In23)の結晶相のひとつであり、JCPDSカードの6−0416に規定される結晶構造であり、希土類酸化物C型相(またはC−希土構造相)とも称される。
ビックスバイト型結晶層は、X線回折により同定できる。すなわち、X線回折により、ビックスバイト型結晶相の存在が確認され、各面間隔を測定することができる。
ビックスバイト型結晶相が80面積%以上とは、酸化物焼結体の中でビックスバイト型結晶相が占める割合が80面積%以上である場合を意味する。ビックスバイト型結晶相には、混入が不可避の結晶相が含まれていてもよい。ビックスバイト型結晶相とそれ以外の結晶相との判別方法は、以下のとおりである。
まず、X線回折にてビックスバイト型結晶相の存在と、それ以外の結晶相の存在を確認する。X線回折で確認される相はビックスバイト型結晶相のみの場合もある。ビックスバイト型結晶相のみ確認された場合は、ビックスバイト型結晶相が100面積%であると判断する。
X線回折にてビックスバイト型結晶相の存在と、それ以外の結晶相の存在を確認した場合、酸化物焼結体の一部からサンプルを採取して、サンプルの表面を研磨して平滑にする。続いて、SEM−EDX(エネルギー分散型ケイ光X線分析計を付帯する走査型二次電子顕微鏡)を用いて、サンプルの表面をSEM(走査型二次電子顕微鏡)で観察し、各結晶粒子の金属元素の組成比をEDX(エネルギー分散型ケイ光X線分析計)で分析する。結晶粒子をそれらの結晶粒子の金属元素の組成比の傾向でグループ分けを行ったところ、Y含有率が高い、またはW含有率の高い、もしくはその両方が高い結晶粒子のグループとY含有率およびW含有率が非常に低くIn含有率が高い結晶粒子のグループに分けることができる。Y含有率が高い、またはW含有率の高い、もしくはその両方が高い結晶粒子のグループがその他の結晶相であり、Y含有率およびW含有率が非常に低くIn含有率が高い結晶粒子のグループはビックスバイト型相であるIn23型相であると結論づける。
酸化物焼結体におけるビックスバイト型相の体積割合は、酸化物焼結体の上記断面におけるその断面の面積に対するビックスバイト型相の面積の占める百分率で定義する。本実施形態の酸化物焼結体は、上記で定義されるビックスバイト型相の体積割合が80面積%以上のものを意味する。
本実施形態の酸化物焼結体は、見かけ密度ρが6.5g/cm3<ρ≦8.25g/cm3である。これに対して、特開2006−347807号公報に開示されている酸化物焼結体は、見かけ密度が4.0g/cm3以上6.5g/cm3以下あり、本実施形態の酸化物焼結体に比べて焼結体の見かけ密度が低い。
本実施形態の酸化物焼結体に含まれるビックスバイト型結晶相の理論密度は、インジウム酸化物で形成されるビックスバイト結晶相の理論密度が7.18g/cm3であること、および、かかるビックスバイト結晶相の少なくとも一部にタングステンおよびイットリウムがそれぞれ1.2原子%から30原子%が置換固溶しているビックスバイト型結晶相を考慮すると、最小で7.21g/cm3であり最大で8.25g/cm3であると考えられる。理論密度に対する焼結体の見かけ密度の百分率、すなわち、焼結体の相対密度は、特開2006−347807号公報に開示の酸化物焼結体が48.4%以上90.2%以下と低いのに対し、本実施形態の酸化物焼結体が90.2%より大きく100.0%以下と極めて高い。
焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いる場合、その焼結体の見かけ密度は高ければ高いほど望ましいとされている。焼結体の見かけ密度が低いということは、焼結体中に空孔が多く存在することを意味している。スパッタリング用ターゲットは使用時に表面がアルゴンイオンでエッチングされながら使用される。したがって、焼結体中に空孔が存在すると、成膜中に空孔が露出して内部の気体が放出される。これにより、析出される酸化物半導体薄膜中にターゲットから放出された気体が混入してしまい、膜特性を劣化させる。また、焼結体の見かけ密度が低いと成膜時にノジュールと言われるインジウムの絶縁体がターゲット上に生成し、良好なスパッタ放電が阻害されることが知られている。この観点からも焼結体の見かけ密度が高いことが望まれている。
すなわち、本実施形態の酸化物焼結体は、見かけ密度ρが6.5g/cm3<ρ≦8.25g/cm3と大きいため、半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するためのスパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる。
本実施形態の酸化物焼結体において、酸化物焼結体中のインジウム(In)、タングステン(W)およびイットリウム(Y)の合計原子数に対するタングステン(W)の含有率Wa(式W/(In+W+Y)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Inはインジウムの原子数、Yはイットリウムの原子数である。)が0.5原子%<Wa<30原子%であり、酸化物焼結体中のインジウム(In)、タングステン(W)およびイットリウム(Y)の合計原子数に対するイットリウム(Y)の含有率Ya(式Y/(In+W+Y)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Inはインジウムの原子数、Yはイットリウムの原子数である。)が0.5原子%<Ya<30原子%である。かかる酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス(たとえば、TFT)は、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
上記の観点から、Waの値は、0.5原子%<Wa<10原子%が好ましく、0.5原子%<Wa<6原子%がさらに好ましい。また、上記の観点から、Yaの値は、0.5原子%<Ya<20原子%が好ましく、0.5原子%<Ya<12原子%がさらに好ましい。
Waの値が0.5原子%以下の場合、かかる酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス(たとえば、TFT)は、OFF電流が増加してしまい、OFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。Waの値が30原子%以上の場合、かかる酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス(たとえば、TFT)は、ON電流が低下もしくは、低い駆動電圧ではOFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。
Yaの値が0.5原子%以下の場合、かかる酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス(たとえば、TFT)は、OFF電流が増加してしまい、OFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。Yaの値が30原子%以上の場合、かかる酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイスであるTFTは、ON電流が低下もしくは、低い駆動電圧ではOFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。
本実施形態の酸化物焼結体において、ビックスバイト型結晶相は、インジウム酸化物を主成分として含み、かつビックスバイト型結晶相の少なくとも一部に固溶しているタングステンおよびイットリウムを含むことが好ましい。これにより、かかる酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス(たとえば、TFT)は、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
インジウム酸化物とは、Inを意味する。また、ビックスバイト型結晶相の少なくとも一部にタングステンおよびイットリウムが固溶しているとは、ビックスバイト結晶相を有するインジウム酸化物の結晶格子中の少なくとも一部に、タングステンおよびイットリウムが、置換型にて固溶している形態、または結晶格子間に侵入型で固溶している形態、または置換型と侵入型の両方の形態を同時にもって固溶している形態を意味する。
本実施形態の酸化物焼結体は、タングステンおよびイットリウムがビックスバイト型結晶相の少なくとも一部に固溶しているため、JCPDSカードの6−0416に規定される面間隔よりも、広くなったり、狭くなったりする。X線回折では、ピーク位置が高角度側にシフトしたり、低角度側にシフトしたりする。かかるピークシフトとともに、SEM−EDX(エネルギー分散型ケイ光X線分析計を付帯する走査型二次電子顕微鏡)やTEM−EDX(エネルギー分散型ケイ光X線分析計を付帯する透過型二次電子顕微鏡)により面分析を行ない、インジウムとタングステンとイットリウムとが混在する領域が存在する場合に、ビックスバイト型結晶相に固溶していることが推定できる。したがって、結晶粒がインジウムとタングステンとイットリウムとを含む酸化物であり、かつ、X線回折により算出される面間隔により、タングステンおよびイットリウムがビックスバイト型結晶相に固溶していることが推定できる。
また、ICP(誘導結合プラズマ)質量分析、SEM−EDX、その他の元素同定方法を用いて、存在元素の同定を行い、インジウムと共にイットリウム、タングステンの存在が確認されたのにもかかわらず、X線回折ではイットリウムの酸化物、タングステンの酸化物、イットリウムとタングステンの複酸化物が確認されない場合は、タングステンもしくはイットリウムがビックスバイト型結晶相に固溶していると判断する。
本実施形態の酸化物焼結体は、前記酸化物焼結体中に、イットリウムとタングステンとを少なくとも含む複酸化物結晶相を含むことは、酸化物焼結体の焼結密度を向上する観点から、好ましい。
前記酸化物焼結体中のタングステン(W)と、イットリウム(Y)の合計原子数に対するタングステン(W)の含有率Wb(式W/(W+Y)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Yはイットリウムの原子数である。)が20原子%<Wb<50原子%であることが好ましい。これにより、酸化物焼結体の焼結密度を向上することができる。Wbの値は、20原子%<Wb<50原子%がより好ましく、24原子%<Wb<45原子%がさらに好ましい。
前記酸化物焼結体はジルコニウム(Zr)を含み、前記酸化物焼結体中のタングステン(W)とジルコニウム(Zr)の合計原子数に対するタングステン(W)の含有率Wc(式W/(W+Zr)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Zrはジルコニウムの原子数である。)が30原子%<Wc<60原子%であることが好ましい。これにより、酸化物焼結体の焼結密度を向上することができる。Wcの値は、40原子%<Wc<55原子%がより好ましく、45原子%<Wc<55原子%がさらに好ましい。
前記酸化物焼結体は、アルミニウム、チタン、クロム、ハフニウム、シリコン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ガリウム、およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加元素を含み、前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステン、イットリウムおよび添加元素の合計原子数に対する、前記添加元素の合計含有率Maは、0.1原子%≦Ma≦10原子%であることが好ましい。これにより、酸化物焼結体を用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス(たとえば、TFT)について、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。かかる観点から、上記添加元素の含有率は、0.1原子%≦Ma≦5原子%がより好ましく、0.1原子%≦Ma≦1原子%以下がさらに好ましい。
Al、Ti、Cr、Ga、Hf、Si、V、およびNbの少なくとも1種類の添加元素の含有率が0.1原子%以上のとき、その酸化物焼結体を用いて得られる酸化物半導体を含む半導体デバイスのOFF電流が低くなる効果がある。一方、添加元素の含有率が10原子%より大きくなると、半導体デバイスのON電流が低くなる傾向がある。
Mo、Ta、およびBiの少なくとも1種の添加元素の含有率が0.1原子%以上のとき、その酸化物焼結体を用いて得られる酸化物半導体を含む半導体デバイスのON電流が高くなる効果がある。一方、添加元素の含有率が10原子%より大きくなると、半導体デバイスのOFF電流が高くなる傾向がある。
[実施形態2:酸化物焼結体の製造方法]
本実施形態の酸化物焼結体の製造方法は、実施形態1の酸化物焼結体の製造方法であって、イットリウム酸化物粉末およびタングステン酸化物粉末を含む1次混合物を調製する工程と、前記1次混合物を熱処理することにより仮焼粉末を形成する工程と、前記仮焼粉末およびインジウム酸化物粉末を含む2次混合物を調製する工程と、前記2次混合物を成形することにより成形体を形成する工程と、前記成形体を焼結することにより酸化物焼結体を形成する工程とを含み、前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物粉末を形成する工程を含む。
本実施形態の酸化物焼結体の製造方法は、仮焼粉末を形成する工程において、イットリウム酸化物粉末とタングステン酸化物粉末を含む1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の低い温度で熱処理することにより、仮焼粉末としてイットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物粉末を形成することを含むため、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなり、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体が得られる。
イットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物は、酸素が欠損したり、金属が置換していたりしていても構わない。熱処理温度が550℃未満の場合は、イットリウムとタングステンとを含む複酸化物粉末が得ることが困難である。一方、熱処理温度が1200℃以上の場合、イットリウムとタングステンとを含む複酸化物粉末が分解、飛散してしまうか、粉末の粒径が大きくなりすぎ、使用が困難である。
イットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物は、WY型結晶相、W15型結晶相、およびY(WO型結晶相からなる群より選ばれる少なくとも一つ含むことが、酸化物焼結体の見かけ密度を高くする観点から好ましい。WY型結晶相は、空間群P2/c(13)にて表される結晶構造を有し、ICDDカードの01−073−0118に規定される結晶構造を有するタングステン酸イットリウム化合物結晶相である。Y(WO型結晶相は、空間群Pnca(60)にて表される結晶構造を有し、ICDDカードの01−070−4480に規定される結晶構造を有するタングステン酸イットリウム化合物結晶相である。これらの結晶系を示せば、酸素が欠損したり、金属が固溶していたりしていて、格子定数が変化していても構わない。W15型結晶相は、ICDDカードの15−0473に規定される結晶構造を有するタングステン酸イットリウム化合物結晶相である。これらの結晶系を示せば、酸素が欠損したり、金属が固溶していたりしていて、格子定数が変化していても構わない。
前記1次混合物はさらにジルコニウム酸化物粉末を含み、前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む第2複酸化物粉末を形成する工程を含むことが好ましい。これにより、酸化物焼結体の見かけ密度が高くなり、スパッタリング用ターゲットとして好適に用いられる酸化物焼結体を得ることができる。
イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む第2複酸化物は、酸素が欠損したり、金属が置換していたりしていても構わない。熱処理温度が550℃以下の場合は、イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む複酸化物粉末が得られず、1200℃以上の場合、イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む複酸化物粉末が分解、飛散してしまうか、粉末の粒径が大きくなりすぎて使用が困難である。
イットリウム酸化物粉末と、タングステン酸化物粉末と、ジルコニウム酸化物粉末との1次混合物を、酸素を含む雰囲気にて550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、仮焼粉末としてイットリウムと、タングステンと、ジルコニウムを含む第2複酸化物粉末を形成することにより、酸化物焼結体の焼結密度をより向上することができる。かかる酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲットを用いて形成された酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイスについて、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができる。
イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む第2複酸化物は、Zr0.50.5YO型結晶相であることが、酸化物焼結体の見かけ密度を高くする観点から好ましい。Zr0.50.5YO型結晶相は、空間群I41/aO2(88)にて表される結晶構造を有し、Mater.Res.Bull.(2010)45,97−102に報告される結晶構造を有するタングステン酸イットリウム化合物結晶相である。これらの結晶系を示せば、酸素が欠損したり、金属が固溶していたりしていて、格子定数が変化していても構わない。
タングステン酸化物粉末は、結晶相として、WO3、WO2、およびWO2.72からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが、酸化物焼結体の見かけ密度を高くする観点から好ましい。かかる観点から、タングステン酸化物粉末は、WO3粉末、WO2粉末、およびWO2.72粉末からなる群から選ばれる少なくとも1つの粉末からなることがさらに好ましい。
タングステン酸化物粉末のメジアン粒径d50は、酸化物焼結体の見かけ密度を高くする観点から、0.1μm以上4μm以下が好ましく、0.2μm以上2μm以下がより好ましく、0.3μm以上1.5μm以下がさらに好ましい。ここで、メジアン粒径d50は、BET比表面積測定により求めた値である。メジアン粒径d50が0.1μm未満の場合、粉末のハンドリングが困難で、イットリウム酸化物粉末およびタングステン酸化物粉末と均一に混合することが難しい。メジアン粒径d50が4μmより大きい場合、イットリウム酸化物粉末と混合後、酸素を含む雰囲気にて550℃以上1200℃未満の温度にて熱処理した後に得られるイットリウムとタングステンとを含む複酸化物粉末の粒径も大きくなってしまい、酸化物焼結体の見かけ密度を高くすることが難しい。
本実施形態の酸化物焼結体の製造方法は、特に制限はないが、効率よく実施形態1の酸化物焼結体を形成する観点から、たとえば、以下の工程を含む。
1.原料粉末を準備する工程
酸化物焼結体の原料粉末として、インジウム酸化物粉末(たとえばIn23粉末)、タングステン酸化物粉末(たとえばWO3粉末、WO2.72粉末、WO2粉末)、イットリウム酸化物粉末(たとえばY粉末)、ジルコニウム酸化物粉末(例えばZrO粉末)など、酸化物焼結体を構成する金属元素およびSi(必要ですか?)の酸化物粉末を準備する。タングステン酸化物粉末としてはWO3粉末だけでなく、WO2.72粉末、WO2粉末などのようなWO3粉末に比べて酸素が欠損した化学組成を有する粉末を原料として用いることが、酸化物焼結体の焼結密度をより向上する観点から好ましい。かかる観点から、WO2.72粉末、WO2粉末を原料として用いることがより好ましい。原料粉末の純度は、酸化物焼結体への意図しない金属元素およびSiの混入を防止し安定した物性を得る観点から、99.9質量%以上の高純度であることが好ましい。
また、タングステン酸化物粉末のメジアン粒径d50は、0.1μm以上4μm以下であることが、酸化物焼結体の見かけ密度を高くする観点から、好ましい。
2.1次混合物を調製する工程
まず、上記原料粉末の内、タングステン酸化物粉末(WO3粉末と、WO2.72粉末およびWO2粉末の少なくともいずれか)と、イットリウム酸化物粉末(Y粉末)とを粉砕混合する。このとき、酸化物焼結体の結晶相として、WY型結晶相を得たい場合は原料粉末としてタングステン酸化物粉末とイットリウム酸化物粉末とを、たとえばモル比で1:1の割合で混合する。W15型結晶相を得たい場合は、原料粉末としてタングステン酸化物粉末とイットリウム酸化物粉末とを、たとえばモル比で2:3の割合で混合する。Y(WO結晶相を得たい場合は、原料粉末としてタングステン酸化物粉末とイットリウム酸化物粉末とを、たとえばモル比で3:1の割合で混合する。
または、タングステン酸化物粉末(WO3粉末と、WO2.72粉末およびWO2粉末の少なくともいずれか)と、イットリウム酸化物粉末(Y粉末)と、ジルコニウム粉末(ZrO粉末)とを粉砕混合する。このとき、酸化物焼結体の結晶相として、Zr0.50.5YO型結晶相を得たい場合は原料粉末としてタングステン酸化物粉末と、イットリウム酸化物粉末と、ジルコニウム酸化物粉末とを、たとえばモル比で1:1:1の割合で混合する。
前記原料粉末を粉砕混合する方法には、特に制限はなく、乾式および湿式のいずれの方式であってもよく、具体的には、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミルなどを用いて粉砕混合される。このようにして、原料粉末の1次混合物が得られる。ここで、湿式の粉砕混合方式を用いて得られた混合物の乾燥には、自然乾燥やスプレードライヤなどの乾燥方怯が好ましく用いられ得る。
3.1次混合物を熱処理することにより仮焼粉末を形成する工程
次に、得られた1次混合物を熱処理(仮焼)する。1次混合物の仮焼温度は、仮焼物の粒径が大きくなりすぎて焼結体の見かけ密度が低下することがないように1200℃未満であることが好ましい。仮焼生成物としてWY型結晶相、Y(WO型結晶相、W15型結晶相、Zr0.50.5YO型結晶相を得るためには550℃以上であることが好ましい。仮焼温度は550℃以上、1100℃未満であることが好ましく、700℃以上1000℃以下がより好ましい。このようにして、WY型結晶相、Y(WO型結晶相、W15型結晶相、Zr0.50.5YO型結晶相を含む仮焼粉末が得られる。仮焼雰囲気は、酸素を含む雰囲気であればよいが、大気圧もしくは大気よりも加圧された大気雰囲気もしくは酸素を25面積%以上含む酸素−窒素混合雰囲気が好ましい。また、生産性が高い観点から大気圧−大気雰囲気がより好ましい。
4.仮焼粉末を含む原料粉末の2次混合物を調製する工程
次に、得られた仮焼粉末と、上記原料粉末の内のIn23粉末とを、1次混合物を調整する工程と同様の方法により、粉砕混合する。このようにして、原料粉末の2次混合物が得られる。
5.2次混合物を成形することにより成形体を形成する工程
次に、得られた2次混合物を成形する。2次混合物を成形する方法は、特に制限はないが、焼結体の見かけ密度を高くする点から、一軸プレス法、CIP(冷間静水圧処理)法、キャスティング法などが好ましい。このようにして、成形体が得られる。
6.成形体を焼結することにより酸化物焼結体を形成する工程
次に、得られた成形体を焼結する。ホットプレス焼結法は用いない。成形体の焼結温度は、特に制限はないが、形成する酸化物焼結体の見かけ密度を6.5g/cm3より大きくする点から、900℃以上1200℃以下が好ましい。また、焼結雰囲気は、特に制限はないが、酸化物焼結体の構成結晶の粒径が大きくなることを防いでクラックの発生を防止する観点から、大気圧かつ大気雰囲気が好ましい。このようにして、本実施形態の酸化物焼結体が得られる。
[実施形態3:スパッタリング用ターゲット]
本実施形態のスパッタリング用ターゲットは、実施形態1の酸化物焼結体を含む。本実施形態のスパッタリング用ターゲットは、TFT特性の高い半導体デバイスの酸化物半導体膜をスパッタリング法で形成するために好適に用いられる。TFT特性向上の観点から、本実施形態のスパッタリング用ターゲットは、実施形態1の酸化物焼結体からなることが好ましい。
[実施形態4:半導体デバイス]
図1を参照して、本実施形態の半導体デバイス10は、実施形態1の酸化物焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いるスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜14を含む。本実施形態の半導体デバイスは、実施形態1の酸化物焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含むため、高い特性を有する。
本実施形態の半導体デバイス10は、特に限定はされないが、たとえば、実施形態1の酸化物焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜14をチャネル層として含むTFT(薄膜トランジスタ)である。本実施形態の半導体デバイス10の一例であるTFTは、上記実施形態の酸化物焼結体をターゲットとして用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜14をチャネル層として含むため、そのOFF電流が低くなるとともに、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比が高くなる。
本実施形態の半導体デバイス10であるTFTは、より具体的には、図1に示すように、基板11と、基板11上に配置されたゲート電極12と、ゲート電極12上に絶縁層として配置されたゲート絶縁膜13と、ゲート絶縁膜13上にチャネル層として配置された酸化物半導体膜14と、酸化物半導体膜14上に互いに接触しないように配置されたソース電極15およびドレイン電極16とを含む。
本実施形態の半導体デバイス10であるTFTにおいて、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くする観点から、酸化物半導体膜14中のインジウム(In)、タングステン(W)およびイットリウム(Y)の合計原子数に対するタングステンの含有率Wd(式W/(In+W+Y)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Inはインジウムの原子数、Yはイットリウムの原子数である。)を0.5原子%<Wd<30原子%であり、酸化物半導体膜14中のインジウム(In)、タングステン(W)およびイットリウム(Y)の合計原子数に対するイットリウムの含有率Yb(式Y/(In+W+Y)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Inはインジウムの原子数、Yはイットリウムの原子数である。)が0.5原子%<Yb<30原子%であることが好ましい。ここで、酸化物半導体膜14の化学組成すなわち各種元素の含有率は、RBS(ラザフォード後方散乱分析)により測定する。
また、上記の観点から、Wdの値は、0.5原子%<Wd<10原子%がより好ましく、0.5原子%<Wd<6原子%がさらに好ましい。また、上記の観点から、Ybの値は、0.5原子%<Yb<20原子%がより好ましく、0.5原子%<Yb<12原子%がさらに好ましい。
Wdの値が0.5原子%以下の場合、酸化物半導体膜14をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、OFF電流が増加してしまい、OFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。一方、Wdの値が30原子%以上の場合、酸化物半導体膜14をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、ON電流が低下もしくは、低い駆動電圧ではOFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。
Ybの値が0.5原子%以下の場合、酸化物半導体膜14をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、OFF電流が増加してしまい、OFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。Ybの値が30原子%以上の場合、酸化物半導体膜14をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、ON電流が低下もしくは、低い駆動電圧ではOFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。
本実施形態の半導体デバイス10であるTFTにおいて、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くする観点から、酸化物半導体膜14に含まれるタングステン(W)と、イットリウム(Y)の合計原子数に対するタングステンの含有率We(式W/(W+Y)で表される値、式中Wはタングステンの原子数、Yはイットリウムの原子数である。)が20原子%<We<50原子%であることが好ましく、25原子%<We<40原子%であることがより好ましく、25原子%<We<38原子%であることがさらに好ましい。ここで、酸化物半導体膜14の化学組成すなわち各種元素の含有率は、RBS(ラザフォード後方散乱分析)により測定する。
Weの値が50原子%以上の場合、酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、OFF電流が増加してしまい、OFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい望ましくない。Weの値が20原子%以下の場合、酸化物半導体膜14をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、ON電流が低下もしくは、低い駆動電圧ではOFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。
本実施形態の半導体デバイス10であるTFTにおいて、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くする観点から、酸化物半導体膜14に含まれるタングステン(W)と、ジルコニウム(Zr)の合計原子数に対するタングステンの含有率Wf(式W/(W+Zr)で表される、式中Wはタングステンの原子数、Zrはジルコニウムの原子数である。)が30原子%<Wf<60原子%であることが好ましく、50原子%<Wf<58原子%であることがより好ましく、46原子%<Wf<54原子%であることがさらに好ましい。ここで、酸化物半導体膜14の化学組成すなわち各種元素の含有率は、RBS(ラザフォード後方散乱分析)により測定する。
Wfの値が60原子%以上の場合、酸化物半導体膜をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTにおいて、OFF電流が増加してしまい、OFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい望ましくない。Wfの値が30原子%以下の場合、酸化物半導体膜14をチャネル層として含む半導体デバイス10であるTFTについて、そのON電流が低下もしくは、低い駆動電圧ではOFF電流に対するON電流の比が小さくなってしまい好ましくない。
(半導体デバイスの製造方法)
図2を参照して、本実施形態の半導体デバイス10の製造方法を説明する。本実施形態の半導体デバイス10の製造方法は特に制限はないが、効率よく高特性の半導体デバイスを製造する観点から、基板11上にゲート電極12を形成する工程(図2(A))、ゲート電極12上に絶縁層としてゲート絶縁膜13を形成する工程(図2(B))と、ゲート絶縁膜13上にチャネル層として酸化物半導体膜14を形成する工程(図2(C))と、酸化物半導体膜14上にソース電極15およびドレイン電極16を互いに接触しないように形成する工程(図2(D))と、を含むことが好ましい。
1.ゲート電極を形成する工程
図2(A)を参照して、基板11上にゲート電極12を形成する。基板11は、特に制限はないが、透明性、価格安定性、および表面平滑性を高くする点から、石英ガラス基板、無アルカリガラス基板、アルカリガラス基板などが好ましい。ゲート電極12は、特に制限はないが、耐酸化性が高くかつ電気抵抗が低い点から、Mo電極、Ti電極、W電極、Al電極、Cu電極などが好ましい。ゲート電極12の形成方法は、特に制限はないが、基板の主面上に大面積で均一に形成できる点から、真空蒸着法、スパッタリング法などが好ましい。
2.ゲート絶縁膜を形成する工程
図2(B)を参照して、ゲート電極12上に絶縁層としてゲート絶縁膜13を形成する。ゲート絶縁膜13は、特に制限はないが、絶縁性が高い点から、SiOx膜、SiNx膜などが好ましい。ゲート絶縁膜13の形成方法は、特に制限はないが、ゲート電極が形成された基板の主面上に大面積で均一に形成できる点および絶縁性を確保する点から、プラズマCVD(化学気相堆積)法などが好ましい。
3.酸化物半導体膜を形成する工程
図2(C)を参照して、ゲート絶縁膜13上にチャネル層として酸化物半導体膜14を形成する。酸化物半導体膜14は、特性の高い半導体デバイス10を製造する観点から、実施形態1の酸化物焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用いてスパッタリング法により形成する。ここで、スパッタリング法とは、成膜室内に、ターゲットと基板とを対向させて配置し、ターゲットに電圧を印加して、希ガスイオンでターゲットの表面をスパッタリングすることにより、ターゲットからターゲットを構成する原子を放出させて基板(上記のゲート電極およびゲート絶縁膜が形成された基板も含む。)上に堆積させることによりターゲットを構成する原子で構成される膜を形成する方法をいう。
4.ソース電極およびドレイン電極を形成する工程
図2(D)を参照して、酸化物半導体膜14上にソース電極15およびドレイン電極16を互いに接触しないように形成する。ソース電極15およびドレイン電極16は、特に制限はないが、耐酸化性が高く、電気抵抗が低く、かつ酸化物半導体膜との接触電気抵抗が低い点から、Mo電極、Ti電極、W電極、Al電極、Cu電極などが好ましい。ソース電極15およびドレイン電極16を形成する方法は、特に制限はないが、酸化物半導体膜が形成された基板の主面上に大面積で均一に形成できる点から、真空蒸着法、スパッタリング法などが好ましい。ソース電極15およびドレイン電極16を互いに接触しないように形成する方法は、特に制限はないが、酸化物半導体膜が形成された基板の主面上に大面積で均一なソース電極とドレイン電極のパターンを形成できる点から、フォトレジストを使ったエッチング法による形成が好ましい。
(試料1〜試料8)
1.粉末原料の準備
タングステン酸化物粉末(種類および粒径は表1の「タングステン酸化物」欄に示す。純度:99.99質量%)と、Y粉末(メジアン粒径d50:1.0μm、純度:99.99質量%)と、In23粉末(メジアン粒径d50:1.0μm、純度:99.99質量%)とを、表1に示すモル混合比率で準備した。
2.原料粉末の1次混合物の調製
まず、ボールミルに、準備した原料粉末の内、タングステン酸化物粉末とY粉末とを入れて、10時間粉砕混合することにより原料粉末の1次混合物を調製した。タングステン酸化物粉末とY粉末との混合比は、表1に記載のモル混合比率とした。上記の粉砕混合の際の分散媒としてエタノールを用いた。得られた原料粉末の1次混合物は大気中で乾燥させた。
3.1次混合物の熱処理による仮焼粉末の形成
次に、得られた原料粉末の1次混合物を、アルミナ製坩堝に入れて、大気雰囲気中で900℃の温度で5時間仮焼した。仮焼温度は、結晶相が形成される温度であれば、低い方が好ましい。温度が低いと、仮焼粉の粒径を小さくすることができる。このようにして、複酸化物としてWY型相を含む仮焼粉末が得られた。
4.仮焼粉末を含む原料粉末の2次混合物の調製
次に、得られた仮焼粉末を、準備した原料粉末であるIn23粉末とともにポットへ投入し、さらに12時間粉砕混合ボールミルに入れて、12時間粉砕混合することにより原料粉末の2次混合物を調製した。上記の粉砕混合の際の分散媒としてエタノールを用いた。得られた混合粉末はスプレードライで乾燥させた。
5.2次混合物の成形による成形体の形成
次に、得られた2次混合物を、プレスにより成形し、さらにCIPにより室温(5℃〜30℃)の静水中で190MPaの圧力で加圧成形して、直径100mmで厚さ約9mmの円板状の成形体を得た。
6.成形体の焼結による酸化物焼結体の形成
次に、得られた成形体を大気圧−大気雰囲気中にて表1に示す焼結温度で8時間焼成し、これによって酸化物焼結体が得られた。
7.酸化物焼結体の物性評価
得られた酸化物焼結体の見かけ密度はアルキメデス法により求めた。結果を表1に示す。
得られた酸化物焼結体の結晶相の同定は、酸化物焼結体の一部からサンプルを採取して、粉末X線回折法よる結晶解析により行なった。X線としてはCuのKα線を用いて、結晶相の同定を行った。酸化物焼結体に存在する結晶相を表1の「存在結晶相」の欄に示す。
得られた酸化物焼結体にビックスバイト型結晶相が存在することの確認は、X線回折にて行った。X線回折で確認される相はビックスバイト型結晶相のみの場合、およびビックスバイト型結晶相およびそれ以外の結晶相が存在する場合があった。ビックスバイト型結晶相のみが確認された場合は、ビックスバイト型結晶相が100面積%であると判断した。
X線回折にてビックスバイト型結晶相およびそれ以外の結晶相の存在が確認された場合、ビックスバイト型相であるIn23型相が80面積%以上である確認は、以下のようにして同定した。
酸化物焼結体の一部からサンプルを採取して、サンプルの表面を研磨して平滑にした。続いて、SEM−EDXを用いて、サンプルの表面をSEMで観察し、各結晶粒子の金属元素の組成比をEDXで分析した。結晶粒子をそれらの結晶粒子の金属元素の組成比の傾向でグループ分けを行ったところ、YとW含有率の高い結晶粒子のグループとY含有率およびW含有率が非常に低くIn含有率が高い結晶粒子のグループに分けることができた。Y含有率およびW含有率の高い結晶粒子のグループはビックスバイト以外の結晶相であり、Y含有率およびW含有率が非常に低くIn含有率が高い結晶粒子のグループはビックスバイト型結晶相であるIn23型結晶相であると結論づけた。
ビックスバイト型結晶相中の固溶体の有無は、X線回折においてピーク位置がJCPDSカードの6−0416に示されるピーク位置とずれていることにより確認した。結果を表1に示す。
得られた酸化物焼結体中のインジウム(I)、イットリウム(Y)、およびタングステン(W)の含有量は、ICP質量分析法により測定した。インジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wa、およびインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Yaをそれぞれ原子%で算出した。また、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wbを原子%で算出した。結果を表2に示す。
8.ターゲットの作製
得られた酸化物焼結体を、直径3インチ(76.2mm)で厚さ5.0mmのターゲットに加工した。
9.半導体デバイスの作製
(1)ゲート電極の形成
図2(A)を参照して、まず、基板11として50mm×50mm×厚さ0.6mmの合成石英ガラス基板を準備し、その基板11上にスパッタリング法によりゲート電極12として厚さ100nmのMo電極を形成した。
(2)ゲート絶縁膜の形成
図2(B)を参照して、次に、ゲート電極12上にプラズマCVD法によりゲート絶縁膜13として厚さ200nmの非晶質のSiOx膜を形成した。
(3)酸化物半導体膜の形成
図2(C)を参照して、次に、ゲート絶縁膜13上に、各試料の酸化物焼結体から加工されたターゲットを用いたDC(直流)マグネトロンスパッタリング法により、厚さ35nmの酸化物半導体膜14を形成した。ここで、ターゲットの直径3インチ(76.2mm)の平面がスパッタ面であった。
具体的には、スパッタリング装置(図示せず)の成膜室内の水冷している基板ホルダ上に、上記ゲート電極12およびゲート絶縁膜13が形成された基板11をゲート絶縁膜13が露出されるように配置した。上記ターゲットをゲート絶縁膜13に対向するように90mmの距離で配置した。成膜室内を6×10-5Pa程度の真空度として、ターゲットを以下のようにしてスパッタリングした。
まず、ゲート絶縁膜13とターゲットとの間にシャッターを入れた状態で、成膜室内へAr(アルゴン)ガスとO2(酸素)ガスとの混合ガスを0.6Paの圧力まで導入した。混合ガス中のO2ガス含有率は25面積%であった。ターゲットに120WのDC電力を印加してスパッタリング放電を起こし、これによってターゲット表面のクリーニング(プレスパッタ)を10分間行なった。
次いで、同じターゲットに120WのDC電力を印加して、成膜室内の雰囲気をそのまま維持した状態で、上記シャッターを外すことにより、ゲート絶縁膜13上に酸化物半導体膜14を成膜した。なお、基板ホルダに対しては、特にバイアス電圧は印加されておらず、水冷がされているのみであった。このとき、酸化物半導体膜14の厚さが10nmとなるように成膜時間を設定した。このようにして、酸化物焼結体から加工されたターゲットを用いたDC(直流)マグネトロンスパッタリング法により酸化物半導体膜14が形成された。かかる酸化物半導体膜14は、半導体デバイス10であるTFT(薄膜トランジスタ)においてチャネル層として機能することになった。
次に、形成された酸化物半導体膜14の一部をエッチングすることにより、ソース電極形成用部14s、ドレイン電極形成用部14d、およびチャネル部14cを形成した。ここで、ソース電極形成用部14sおよびドレイン電極形成用部14dの主面の大きさを80μm×80μm、チャネル長さCL(図1(A)および(B)ならびに図2を参照して、チャネル長さCLとは、ソース電極15とドレイン電極16との間のチャネル部14cの距離をいう。CLが15μm、チャネル幅CW(図1(A)および(B)ならびに図2を参照して、チャネル幅CWとは、チャネル部14cの幅をいう。)が30μm、とした。このとき、半導体デバイスである薄膜トランジスタ(TFT)が75mm×75mmの基板主面内に3mm間隔で縦25個×横25個配置されるように、図1および図2に記載されたチャネル部が75mm×75mmの基板主面内に3mm間隔で縦25個×横25個配置された。
上記の酸化物半導体膜14の一部のエッチングは、具体的には、体積比でリン酸:酢酸:硝酸=87:10:3であるエッチング水溶液を調製し、ゲート電極12、ゲート絶縁膜13および酸化物半導体膜14がこの順に形成された基板11を、そのエッチング水溶液に浸漬することにより、行なった。このとき、エッチング水溶液は、ホットバス内で45℃に昇温されていた。
(4)ソース電極およびドレイン電極の形成
図2(D)を参照して、次に、酸化物半導体膜14上にソース電極15およびドレイン電極16を互いに分離して形成した。
具体的には、酸化物半導体膜14のソース電極形成用部14sおよびドレイン電極形成用部14dの主面のみが露出するように、酸化物半導体膜14上にレジスト(図示せず)を塗布、露光および現像した。酸化物半導体膜14のソース電極形成用部14sおよびドレイン電極形成用部14dのそれぞれの主面上に、スパッタリング法により、ソース電極15である厚さが100nmのMo電極とドレイン電極16である厚さが100nmのMo電極とを互いに分離して形成した。その後、酸化物半導体膜14上のレジストを剥離した。このようなソース電極15、ドレイン電極16としてのMo電極は、半導体デバイス10である薄膜トランジスタ(TFT)が75mm×75mmの基板主面内に3mm間隔で縦25個×横25個配置されるように、一つのチャネル部14cに対してソース電極15、ドレイン電極16を各1つずつ配置した。これにより、半導体デバイス10として、酸化物半導体膜14をチャネル層として備えるTFTを製造した。
次に、得られた半導体デバイス10であるTFTを窒素雰囲気中150℃で10分間処理した。
10.半導体デバイスの特性評価
半導体デバイス10であるTFTの特性を以下のようにして評価した。まず、ゲート電極12、ソース電極15およびドレイン電極16に測定針を接触した。ソース電極15とドレイン電極16との間に4Vのソース−ドレイン間電圧Vdsを印加し、ソース電極15とゲート電極12との間に印加するソース−ゲート間電圧Vgsを−10Vから15Vに変化させて、そのときのソース−ドレイン間電流Idsを測定した。ソース−ゲート間電圧Vgsが−5Vのときのソース−ドレイン間電流IdsをOFF電流と定義した。各試料におけるOFF電流の値を表2に示す。ソース−ゲート間電圧Vgsが15Vのときのソース−ドレイン間電流IdsをON電流と定義して、表2に示す。
酸化物半導体膜中のインジウム(I)、イットリウム(Y)、およびタングステン(W)の含有量は、RBSにより測定した。インジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wd、およびインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Ybをそれぞれ原子%で算出した。また、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Weも原子%で算出した。結果を表2に示す。
Figure 2016060686
Figure 2016060686
(試料9〜試料12)
1.粉末原料の準備
タングステン酸化物粉末(種類および粒径は表1の「タングステン酸化物」欄に示す。純度:99.99質量%)と、Y粉末(メジアン粒径d50:1.0μm、純度:99.99質量%)と、In23粉末(メジアン粒径d50:1.0μm、純度:99.99質量%)と、ZrO2粉末(メジアン粒径d50:1.2μm、純度:99.99質量%)とを、表1に示すモル混合比率で準備した。
2.原料粉末の1次混合物の調製
まず、ボールミルに、準備した原料粉末の内、タングステン酸化物粉末と、Y粉末と、ZrO2粉末とを入れて、10時間粉砕混合することにより原料粉末の1次混合物を調製した。タングステン酸化物粉末と、Y粉末と、ZrOのモル混合比は、表1に記載のモル混合比率とした。上記の粉砕混合の際の分散媒としてエタノールを用いた。得られた原料粉末の1次混合物は大気中で乾燥させた。
3.1次混合物の仮焼による仮焼粉末の形成
次に、得られた原料粉末の1次混合物を、アルミナ製坩堝に入れて、大気雰囲気中で850℃の温度で5時間仮焼した。仮焼温度は、結晶相が形成される温度であれば、低い方が好ましい。温度が低いと、仮焼粉の粒径を小さくすることができる。このようにして、複酸化物結晶相としてZr0.50.5YO型相を含む仮焼粉末が得られた。
4.仮焼粉末を含む原料粉末の2次混合物の調製
次に、得られた仮焼粉末を、準備した原料粉末であるIn23粉末とともにポットへ投入し、さらに12時間粉砕混合ボールミルに入れて、12時間粉砕混合することにより原料粉末の2次混合物を調製した。上記の粉砕混合の際の分散媒としてエタノールを用いた。得られた混合粉末はスプレードライで乾燥させた。
5.2次混合物の成形による成形体の形成
次に、得られた2次混合物を、試料1の場合と同様にして、直径100mmで厚さ約9mmの円板状の成形体を得た。
6.成形体の焼結による酸化物焼結体の形成
次に、得られた成形体を大気圧−大気雰囲気中にて表1に示す焼成温度で8時間焼成し、これによって酸化物焼結体が得られた。
7.酸化物焼結体の物性評価
試料1と同様の方法で、酸化物焼結体の見かけ密度の測定、結晶相の同定、固溶体の有無の確認、得られた酸化物半導体膜に含まれるインジウム、イットリウム、ジルコニウムおよびタングステンの含有量の測定、および得られた酸化物焼結体に含まれるタングステンの原子価を測定した。
なお、結晶相の同定では、X線回折にてビックスバイト型結晶相の存在と、それ以外の結晶相の存在を確認した場合、ビックスバイト型結晶相であるIn23型結晶相が80面積%以上である確認は、以下のようにして同定した。
酸化物焼結体の一部からサンプルを採取して、サンプルの表面を研磨して平滑にした。続いて、SEM−EDXを用いて、サンプルの表面をSEMで観察し、各結晶粒子の金属元素の組成比をEDXで分析した。結晶粒子をそれらの結晶粒子の金属元素の組成比の傾向でグループ分けを行ったところ、YとWとZrの含有率の高い結晶粒子のグループとZr含有率およびW含有率およびZr含有率が非常に低くIn含有率が高い結晶粒子のグループに分けることができた。YとWとZrの含有率の高い結晶粒子のグループはビックスバイト以外の結晶相であり、Zr含有率およびW含有率およびY含有率が非常に低くIn含有率が高い結晶粒子のグループはビックスバイト型結晶相であるIn23型結晶相であると結論づけた。
8.ターゲットの作製
得られた酸化物焼結体を、直径3インチ(76.2mm)で厚さ5.0mmのターゲットに加工した。
9.半導体デバイスの作製
資料と同様の方法で、半導体デバイスであるTFTを作製した。
10.半導体デバイスの特性評価
試料1と同様の方法で、半導体デバイスであるTFTの特性として、ソース−ゲート間電圧Vgsが−5Vのときのソース−ドレイン間電流IdsをOFF電流の値、そのOFF電流の値に対するソース−ゲート間電圧Vgsが15Vのときのソース−ドレイン間電流IdsをON電流を測定した。結果を表2に示す。
酸化物半導体膜中のインジウム、イットリウム、およびタングステンの含有量、酸化物半導体膜に含まれるタングステンの原子価および結合エネルギーのピーク位置を、試料と1同様にして測定した。結果を表2に示す。
(試料13〜試料26)
原料粉末の2次混合物の調製の際に、原料粉末として、仮焼物およびIn23粉末の他に、表1の試料13〜試料26に示すように、添加元素を含む酸化物粉末(Al23、TiO2、Cr23、Ga23、HfO2、SiO2、V25、Nb23、ZrO、MoO2、Ta23またはBi23から選ばれる。表1の「添加元素含有酸化物」に、種類を示す。)を添加したこと以外は、試料1と同様の方法で、酸化物焼結体を作製した。添加元素を含む酸化物粉末のモル混合比率を表1に示した。得られた酸化物焼結体をターゲットに加工して、かかるターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により形成された酸化物半導体膜を含む半導体デバイスであるTFTを作製した。
得られた酸化物焼結体および酸化物半導体膜の物性ならびに半導体デバイスであるTFTの特性を、試料1と同様の方法で測定した。なお、酸化物焼結体については、酸化物焼結体中の添加元素の含有量をRBSにより測定した。インジウム、タングステン、イットリウムおよび添加元素の合計原子数に対する添加元素の含有率Maを原子%で算出した。結果を表2に示す。
(試料27〜試料34)
酸化物焼結体の作製の際、原料粉末の混合物を調製した後、仮焼をすることなく、原料粉末の混合物を成形し焼結したこと以外は、試料1と同様の方法で、酸化物焼結体を作製してターゲットに加工して、かかるターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により形成された酸化物半導体膜を含む半導体デバイスであるTFTを作製した。仮焼をすることなく、原料粉末の混合物を成形し焼結したことにより、複酸化物結晶相の生成がないことを確認した。試料27〜試料34の間は、WO2.72粉末もしくはWO2粉末、Y粉末もしくはZrO2粉末、およびIn23粉末のモル混合比率ならびに焼結温度が異なった。
得られた酸化物焼結体および酸化物半導体膜の物性ならびに半導体デバイスであるTFTの特性を、試料1と同様の方法で測定した。結果を表2に示す。
試料1〜試料26で作製されたTFT(薄膜トランジスタ)は、OFF電流が1×10−12以下と非常に小さく、低い駆動電圧でOFF電流に対するON電流の比を高くすることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
10 半導体デバイス
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 酸化物半導体膜
14c チャネル部
14d ドレイン電極形成用部
14s ソース電極形成用部
15 ソース電極
16 ドレイン電極

Claims (17)

  1. インジウムと、タングステンと、イットリウムとを含む酸化物焼結体であって、
    前記酸化物焼結体は、ビックスバイト型結晶相を80面積%以上含み、
    前記酸化物焼結体は、見かけ密度ρが6.5g/cm3<ρ≦8.25g/cm3であり、
    前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Waは、0.5原子%<Wa<30原子%であり、
    前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Yaは、0.5原子%<Ya<30原子%である、酸化物焼結体。
  2. 前記ビックスバイト型結晶相は、インジウム酸化物を含み、
    前記ビックスバイト型結晶相は、その少なくとも一部にタングステンおよびイットリウムが固溶している、請求項1に記載の酸化物焼結体。
  3. 前記酸化物焼結体は、イットリウムおよびタングステンを含む複酸化物結晶相を含む、請求項1または請求項2に記載の酸化物焼結体。
  4. 前記酸化物焼結体中のタングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wbは、20原子%<Wb<50原子%である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の酸化物焼結体。
  5. 前記酸化物焼結体はさらにジルコニウムを含み、前記酸化物焼結体中のタングステンおよびジルコニウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wcは、30原子%<Wc<60原子%である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の酸化物焼結体。
  6. 前記酸化物焼結体は、アルミニウム、チタン、クロム、ハフニウム、シリコン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ガリウム、およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加元素を含み、
    前記酸化物焼結体中のインジウム、タングステン、イットリウムおよび添加元素の合計原子数に対する、前記添加元素の合計含有率Maは、0.1原子%≦Ma≦10原子%である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の酸化物焼結体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の酸化物焼結体を含むスパッタリング用ターゲット。
  8. 請求項7に記載のスパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリング法により形成した酸化物半導体膜を含む半導体デバイス。
  9. 前記酸化物半導体膜は、インジウムと、タングステンと、イットリウムとを含み、
    前記酸化物半導体膜中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wdは、0.5原子%<Wd<30原子%であり、
    前記酸化物半導体膜中のインジウム、タングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するイットリウムの含有率Ybは、0.5原子%<Yb<30原子%である、請求項8に記載の半導体デバイス。
  10. 前記酸化物半導体膜中のタングステンおよびイットリウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Weは、20原子%<We<50原子%である、請求項8または請求項9に記載の半導体デバイス。
  11. 前記酸化物半導体膜はさらにジルコニウムを含み、前記酸化物半導体膜中のタングステンおよびジルコニウムの合計原子数に対するタングステンの含有率Wfは、30原子%<Wf<60原子%である、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
  12. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の酸化物焼結体の製造方法であって、
    イットリウム酸化物粉末およびタングステン酸化物粉末を含む1次混合物を調製する工程と、
    前記1次混合物を熱処理することにより仮焼粉末を形成する工程と、
    前記仮焼粉末およびインジウム酸化物粉末を含む2次混合物を調製する工程と、
    前記2次混合物を成形することにより成形体を形成する工程と、
    前記成形体を焼結することにより酸化物焼結体を形成する工程とを含み、
    前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムとタングステンとを含む第1複酸化物粉末を形成する工程を含む、
    酸化物焼結体の製造方法。
  13. 前記1次混合物はさらにジルコニウム酸化物粉末を含み、
    前記仮焼粉末を形成する工程は、前記1次混合物を、酸素含有雰囲気において550℃以上1200℃未満の温度で熱処理することにより、イットリウムと、タングステンと、ジルコニウムとを含む第2複酸化物粉末を形成する工程を含む、
    請求項12に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  14. 前記タングステン酸化物粉末は、WO3、WO2、およびWO2.72からなる群より選ばれる少なくとも1つの結晶相を含む、請求項12または請求項13に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  15. 前記タングステン酸化物粉末のメジアン粒径d50は、0.1μm以上4μm以下である、請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  16. 前記第1複酸化物は、WY型結晶相相、W15型結晶相およびY(WO型結晶相からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の酸化物焼結体の製造方法。
  17. 前記第2複酸化物は、Zr0.50.5YO型結晶相を含む、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の酸化物焼結体の製造方法。
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