以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
はじめに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る充填包装装置1について説明する。
充填包装装置1は、フィルム材12が巻きつけられた原反ロール11を回転可能に支持する支持手段10と、ガイドロール13、14と、折返し手段15と、縦シール手段16と、横シール手段17と、充填手段18と、カッターロール19とを備える。充填包装装置1は、後述するように、フィルム材12から得られた包装袋に内容物を充填して包装体を得るために用いられる。
フィルム材12は、例えば基材層及びシーラント層の少なくとも2層を積層した積層フィルムを含む。基材層は、例えば二軸延伸したナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリプロピレンフィルム等により構成される。シーラント層は、低密度ポリエチレン樹脂又はその他の各種ポリエチレン樹脂等により構成される。包装体では、シーラント層が内側となるように折り返されており、シーラント層同士がヒートシールにて溶着されている。フィルム材は、基材層とシーラント層との間に単層又は複数層の中間層を有してもよい。これにより、フィルム材12には、ガスバリア性、強度、耐寒性又は耐ピンホール性等の機能が付加される。中間層は、例えばガスバリア性の高い各種蒸着フィルム、耐ピンホール性の高い各種ナイロンフィルム又はアルミ箔等の金属箔等により構成される。
支持手段10は、略一定幅のフィルム材12をロール状に形成した原反ロール11を回転可能に支持する。原反ロール11から繰り出されたフィルム材12は、ガイドロール13、14を順次通過した後に、折返し手段15に送られる。
本明細書における「上流」とは、フィルム材12の走行方向の逆方向を示し、「下流」とは、フィルム材12の走行方向の順方向を示す。また、「縦方向」とは、フィルム材12の走行方向を示し、「横方向」とは、フィルム材12の幅方向を示す。また、本実施形態において、「手前側」とは、折返し手段15の下流において、二つ折りにされたフィルム材12が重なる方向から見て手前側を意味し、図1において紙面手前側である。また、「奥側」とは、前記手前側の逆側である。
折返し手段15は、原反ロール11の下流に設けられる。フィルム材12は、折返し手段15によりシーラント材が内側になるように幅方向に二つ折りにされる。図3Bも参照して、二つ折りにされたフィルム材12は、折返し部12a及び一対の遊端部12b、12cを有する。折返し部12aは、フィルム材12の折られた部分である。一対の遊端部12b、12cは、二つ折りにされる前のフィルム材12の幅方向両端部に対応する。折返し手段15としては、折返しガイド151等が挙げられる。折返しガイド151は、図3A、Bに示すように、フィルム材12と接触する。
縦シール手段16は、折返し手段15の下流に設けられる。縦シール手段16は、二つ折りにされたフィルム材12の遊端部12b、12c同士を、フィルム材12の走行方向に縦シールする。これにより、図3Aも参照して、フィルム材12には、折返し部12a及び走行方向に延在する縦シール部(図中の斜線部)が形成され、フィルム材12は筒状となる。縦シール手段16としては、例えば一対の縦シールロールが挙げられる。一対の縦シールロールは、フィルム材12を折り返して重ね合せた遊端部12b、12c同士をフィルム材12の走行方向に連続的に加熱及び加圧する。これにより、遊端部におけるシーラント材同士が熱溶着して縦シール部が形成され、フィルム材12は筒状となる。なお、縦シール手段16としては、一対の縦シールロールの他、一対のシール板等、一般に知られている種々のシール手段を用いてもよい。
横シール手段17は、縦シール手段16の下流に設けられる。横シール手段17は、縦シールされたフィルム材12を幅方向に横シールする。このようにして、フィルム材12を走行させながら、折返し部と縦シール部との間をフィルム材12の幅方向に延在する横シール部が順次形成される。横シール手段17としては、例えば一対の横シールロールが挙げられる。一対の横シールロールは、縦シールされたフィルム材12を幅方向に加熱及び加圧することにより、横シール部を形成する。横シール手段17は、一対の横シールロールの下流に、もう一対の横シールロールを有することもできる。この場合、横シール部が再押圧され、横シールが確実になる。なお、横シール手段17としては、一対の横シールロールの他、一対のシール板等、一般に知られている種々のシール手段を用いてもよい。
充填手段18は、その充填口が縦シール手段16の下流、且つ横シール手段17の上流に位置するように設けられる。充填手段18は、縦シールされたフィルム材12の内側に液体等の内容物を充填する。充填手段18としては、例えばノズル等が挙げられる。
カッターロール19は、横シール手段17の下流に設けられる。カッターロール19は、内容物が充填され、前述した横シール部の中間部を切断する。このようにして、フィルム材12から、折返し部と、縦シール部と、2箇所の横シール部とにより画定される収容空間を有する包装体が製造される。なお、収容空間には液体等の内容物が収容されている。
図2も参照して、充填包装装置1は、さらに第1の検出手段20と、第2の検出手段21と、ずれ低減手段24(一例として、後述するエッジ検出用センサ22及び蛇行調整手段23等を含む)と、制御手段25と、入出力手段26と、記憶手段27とを備える。
第1の検出手段20は、縦シール手段16の下流に設けられる。第1の検出手段20は、縦シールされたフィルム材12の端部の第1の基準位置からの第1のずれを検出する。
図3Aは、縦シールされたフィルム材12を走行方向に沿って上流から下流に向かって見た図であり、奥側のフィルム材12が手前側のフィルム材12よりも長いときの例である。第1の基準位置Aは、任意の手法により決定可能である。例えば、第1の基準位置Aは、本生産を開始する前にフィルム材12を予め走行させ、耳ずれの程度が実用上許容可能であるときの縦シールされたフィルム材12の端部の位置に基づいて決定可能であるが、これに限定されない。ここで、フィルム材12は、充填包装装置1が備える折返しガイド151によって、折返し部12aを基点として幅方向に引っ張られている。このため、縦シールされたフィルム材12の端部12d(即ち、縦シール部側の端部)の位置は、フィルム材12の幅方向に沿って、フィルム材12の折返し部12aからの距離の関数として表わすことができる。したがって、第1のずれとしては、例えば、本生産を開始した後のフィルム材12の端部12dの位置Bの座標と、前述した第1の基準位置Aの座標との差分(以下、「第1のずれ量Δ」)が挙げられる。
第1の検出手段20としては、例えば透過型センサ等が挙げられる。図3Aを参照して、透過型センサは、例えば光源部30、及びフィルム材12を挟んで光源部30と対向する受光部31を有する。光源部30からの光がフィルム材12により遮られると、受光部31のうちフィルム材12で遮られた部分では受光する光の強度が弱まる。したがって、透過型センサにより、縦シールされたフィルム材12の端部12cの位置を検知することができる。なお、第1の検出手段20は、接触式又は非接触式に限定されず、カメラや超音波等を用いたものでもよい。
第1の検出手段20は、横シール手段17の上流に設けることが好ましい。これにより、内容物を充填した後若しくは充填中のフィルム材12のバタつき、又は包装袋の膨らみ(Z値)が増すことによるエッジの絞り込みの影響を抑制した状態で、第1のずれを検出することができる。
第2の検出手段21は、縦シール手段16の上流に設けられる。第2の検出手段21は、例えば第1のずれが所定基準よりも大きい場合に、遊端部のうち少なくとも一方の第2の基準位置からの第2のずれを検出することができる。ただし、これに限定されず、第2の検出手段は、上述した第2のずれを常に検出してもよい。
図3Bは、縦シールされる前のフィルム材12を走行方向に沿って上流から下流に向かって見た図であり、奥側のフィルム材12が手前側のフィルム材12よりも長いときの例である。第2の基準位置は、任意の手法により決定可能である。例えば、第2の基準位置Cは、本生産を開始する前にフィルム材12を走行させ、耳ずれの程度が実用上許容可能であるときの二つ折りにされたフィルム材12の手前側の遊端部の位置に基づいて決定可能である(以下、この場合の第2の基準位置Cを「手前側基準位置C」という)、及び/又は、二つ折りにされたフィルム材12の奥側の遊端部の位置Dに基づいて決定可能である(以下、この場合の第2の基準位置Dを「奥側基準位置D」という)。ただし、これらに限定されない。
第2のずれとしては、例えば本生産を開始した後のフィルム材12の手前側遊端部12bが、手前側基準位置Cに対して折返し部12a側に位置するか、又は手前側基準位置Cに対して折返し部12aの逆側に位置するかを示す情報を含むことができる。以下、簡単のため、本生産を開始した後のフィルム材12の手前側遊端部12bが手前側基準位置Cに対して折返し部12aの逆側に位置する場合を「手前側フィルム材が長い」と定義する。同様に、第2のずれとしては、例えば本生産を開始した後のフィルム材12の奥側遊端部12cが奥側基準位置Dに対して折返し部12a側に位置するか、又は奥側基準位置Dに対して折返し部12aの逆側に位置するかを示す情報を含むこともできる。以下、同様に本生産を開始した後のフィルム材12の奥側遊端部12cが奥側基準位置Dに対して折返し部12aの逆側に位置する場合を「奥側フィルム材が長い」と定義する。前述したとおり、図3Bは「奥側フィルム材が長い」場合を示す。耳ずれをより精度良く低減するためには、第2のずれを表わす指標として、「手前側フィルム材の長さ」及び「奥側フィルム材の長さ」の両方を用いることが好ましい。
第2の検出手段21としては、例えば反射型センサ等が挙げられる。図3Bを参照して、反射型センサは、手前側受光部を兼ねた手前側光源部32と、奥側受光部を兼ねた奥側光源部33と、二つ折りにされたフィルム材12の間に設けられた手前側反射板34及び奥側反射板35と有する。手前側光源部32からの光は、手前側反射板34により反射され、手前側受光部により反射光として受光される。この際、反射光が手前側のフィルム材12により遮られると、手前側受光部のうちフィルム材12で遮られた部分では受光する反射光の強度が弱まる。これにより、フィルム材12の遊端部12bの位置が検知される。同様に、奥側光源部33からの光は、奥側反射板35により反射され、奥側受光部により反射光として受光される。この際、反射光が奥側のフィルム材12により遮られると、奥側受光部のうちフィルム材12で遮られた部分では受光する反射光の強度が弱まる。これにより、フィルム材12の遊端部12cの位置が検知される。なお、手前側反射板34及び奥側反射板35は一体であってもよい。また、第2の検出手段21は、接触式又は非接触式に限定されず、カメラや超音波等を用いたものでもよい。
なお、縦シール手段16の直後に第1の検出手段20を配置し、縦シール手段16の直前に第2の検出手段21を配置することが好ましい。
充填包装装置1は、いわゆる縦型の充填包装装置であり、横型の充填包装装置に比べて、充填時にフィルム材12にかかる重力、又は折返しガイド151との接触等の影響を受けやすい。また、縦シールは、縦シールロールの汚れやフィルム材12の厚みのばらつき等の影響を受けやすい。このため、フィルム材12に縦シールを施す前に、フィルム材12の遊端部12b、12c同士がずれていない場合であっても、縦シールされたフィルム材12では耳ずれが発生する場合がある。逆に、フィルム材12に縦シールを施す前に、フィルム材12の遊端部12b、12c同士がずれている場合であっても、縦シールされたフィルム材12では耳ずれが発生しない場合がある。したがって、充填包装装置1は、縦シール手段16の上流に設けられた第2の検出手段21のみならず、縦シール手段16の下流に設けられた第1の検出手段20を備えることが肝要である。これにより、縦シール前のフィルム材12の遊端部12b、12c同士のずれを確認するのみならず、縦シール後のフィルム材12における耳ずれの有無を確認することができる。その結果、耳ずれを精度良く低減することが可能となる。
制御手段25は、1つ以上のプロセッサを含む。詳細は後述するが、制御手段25は充填包装装置1の各種動作を制御する。制御手段25は、有線又は無線によって、第1の検出手段20、第2の検出手段21、ずれ低減手段24、入出力手段26、及び記憶手段27に通信接続される。
入出力手段26は、例えばユーザが第1の基準位置、第2の基準位置、及び所定基準を設定するためのタッチパネル等のインタフェースである。
記憶手段27は、例えばメモリであって、充填包装装置1の各種動作に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。これらの情報には、第1の基準位置、第2の基準位置、所定基準、第1のずれ、及び第2のずれ等が含まれる。
ずれ低減手段24は、第1のずれが所定基準よりも大きい場合に、第1のずれ及び第2のずれに基づいて、第1のずれを低減するための処理(以下、「ずれ低減処理」)を実行する。以下、ずれ低減手段24について具体的に説明する。
(第1の具体例)
ずれ低減手段24として、駆動手段と、エッジ検出用センサ22と、蛇行調整手段23とが挙げられる。
駆動手段としては、例えばモータ等が挙げられる。駆動手段は、制御手段25に通信接続されると共に、例えば後述するエッジ検出用センサ22を載置したステーに接続される。この場合、駆動手段は、ステーごとエッジ検出用センサ22をフィルム材12の幅方向に沿って、すなわちフィルム材12の奥側又は手前側に移動させることができる。
エッジ検出用センサ22は、原反ロール11の下流、且つ折返し手段15の上流に設けられる。エッジ検出用センサ22は、フィルム材12のエッジを検出する。例えば、エッジ検出用センサ22は、フィルム材12の両端の位置を検出することができるよう、フィルム材12の幅方向に延在して設置される透過型センサ又は超音波式センサである。エッジ検出用センサ22は、前述したステーに載置することができ、ステーと共に移動することができる。なお、ステー及びエッジ検出用センサ22は、連続的に移動することも可能であるが、所定の移動ピッチ毎に非連続的に移動することも可能である。当該移動ピッチは、入出力手段26にて設定可能である。
蛇行調整手段23は、原反ロール11の下流、且つエッジ検出用センサ22の上流に設けられる。蛇行調整手段23は、エッジ検出用センサ22に通信接続される。蛇行調整手段23は、任意の位置を基準として、フィルム材12の位置を制御することができる。例えば、蛇行制御手段23は、エッジ検出用センサ22の幅方向中央とフィルム材12の幅方向中央とが一致するように、フィルム材12の位置を制御することができる。蛇行制御手段23としては、例えばエッジ・ポジション・コントローラ等が挙げられるが、これに限られない。
(第2の具体例)
ずれ低減手段24として、折返し手段15の下流、且つ縦シール手段16の上流に設けられた耳ずれガイド36が挙げられる。なお、耳ずれガイド36は、これに限られず、例えば図1に示すように、折返し手段15の下流、且つ第2の検出手段21の上流に設けてもよい。また、耳ずれガイド36は、第2の検出手段21の下流、且つ縦シール手段16の上流に設けてもよい。
駆動手段は、例えば耳ずれガイド36に接続されたモータ等が挙げられる。駆動手段は、制御手段25に通信接続され、耳ずれガイド36の角度を変化させる。
耳ずれガイド36は、フィルム材12を挟み込むことが可能な形状であれば特に限定されず、任意の形状を有することができる。例えば、耳ずれガイド36は、走行方向に沿って上流から下流に向かって見た場合に、「U」、「コ」、又は「V」の字型等の断面を有してもよい。また、耳ずれガイド36は、フィルム材12の走行方向に平行に配置した板であってもよい。耳ずれガイド36は、フィルム材12の一対の遊端部12b、12cを耳ずれガイド36の両端部の間にてガイドする。本明細書において「耳ずれガイドの角度」とは、耳ずれガイド36を走行方向に沿って上流から下流に向かって見た場合に、耳ずれガイド36とフィルム材12とのなす角度に対応する。また、フィルム材12の手前側を「正の方向」と定義し、フィルム材12の奥側を「負の方向」と定義する。すなわち、耳ずれガイド36の角度は、正又は負の方向に変化することができる。そして、耳ずれガイド36の角度が正の方向に変化すると手前側フィルム材が長くなる。一方、耳ずれガイド36の角度が負の方向に変化すると奥側フィルム材が長くなる。
(第3の具体例)
ずれ低減手段24として、駆動手段と、原反ロール11とが挙げられる。
駆動手段は、例えばモータ等が挙げられる。駆動手段は、制御手段25に通信接続され、原反ロール11をフィルム材12の幅方向に沿って、すなわちフィルム材12の奥側又は手前側に移動させる。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る充填包装装置1が実行する方法の例について説明する。
ステップS100:前述した第1の基準位置、第2の基準位置、及び所定基準を設定する。例えば、第1の基準位置、第2の基準位置、及び所定基準は、ユーザ操作により入出力手段26から制御手段25に入力され、記憶手段27に保存される。
ステップS101:続いて、第1の検出手段20は、縦シールされたフィルム材12の端部12dの第1の基準位置からの第1のずれを検出する。例えば、第1の検出手段20は、ステップS101を実行するに際し、記憶手段27に保存された第1の基準位置を取得する。また、検出された第1のずれは、記憶手段27に保存される。
ステップS102:続いて、制御手段25は、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かを判定する。第1のずれが所定基準よりも大きいとき(ステップS102-Yes)、ステップS103に進む。一方、第1のずれが所定基準よりも大きくないとき(ステップS102-No)、制御手段25は充填包装装置1の制御を終了する。
例えば、制御手段25は、ステップS102を実行するに際し、記憶手段27に保存された第1のずれ及び所定基準を取得する。所定基準は、ステップS100にてユーザにより設定することができる。
走行中のフィルム材12は、耳ずれに影響を及ぼさない程度にハンチングを起こすことがあり、安定した制御を実施するためにはハンチングを無視することが好ましい。そこで、ステップS102では、制御手段25は、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かの判定を複数回行うことが好ましい。すなわち、制御手段25は、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かを判定する。続いて、フィルム材12を走行させた後に、制御手段25は、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かを再び判定する。そして、いずれの判定においても、第1のずれが所定基準よりも大きいとき、制御手段25は、第1のずれが所定基準よりも大きいと判定して、ステップS103に進む。一方、いずれかの判定において、第1のずれが所定基準よりも大きくないとき、制御手段25は充填包装装置1の制御を終了する。なお、フィルム材12の走行距離については、入出力手段26にて設定することができる。
ステップS103:ステップS102で第1のずれが所定基準よりも大きいとき(ステップS102-Yes)、第2の検出手段21は、フィルム材12の遊端部12b、12cのうち少なくとも一方の第2の基準位置からの第2のずれを検出する。好ましくは、第2の検出手段21は、フィルム材12の両遊端部12b、12cの第2の基準位置からの第2のずれを検出する。例えば、第2の検出手段21は、ステップS103を実行するに際し、記憶手段27に保存された第2の基準位置を取得する。また、検出された第2のずれは、記憶手段27に保存される。
ステップS104:続いて、ずれ低減手段24は、第1のずれ及び第2のずれに基づいて、ずれ低減処理を実行する。ここで、制御手段25は、ステップS104を実行するに先立って、第1のずれ及び第2のずれに基づいて、ずれ低減処理を実行するために必要な情報を導出してもよい。また、ずれ低減手段24は、当該ずれ低減処理を実行するために必要な情報を制御手段25から取得してもよい。以下、ずれ低減処理を具体的に説明する。
(第1の処理例)
図5を参照して、第1の処理例は、ずれ低減手段24として、駆動手段と、エッジ検出用センサ22と、蛇行調整手段23とを採用する場合の処理例である。本処理は、ステップS104(図4参照)において実行される。
第1の処理例では、第1のずれとして前述した第1のずれ量Δを採用し、第2のずれとして前述した第2のずれ方向を採用する。この場合、ずれ低減処理を実行するために必要な情報として、エッジ検出用センサ22の移動量及び移動方向を採用することができる。エッジ検出用センサ22の移動量については、例えば第1のずれ量Δが大きいほど、大きくしてもよい。エッジ検出用センサ22の移動方向は、第2のずれ方向に基づいて、制御手段25により算出される。具体的には、エッジ検出用センサ22の移動方向は、手前側フィルム材が長い場合にはフィルム材12の奥側方向となり、奥側フィルム材が長い場合にはフィルム材12の手前側方向となる。これら移動量及び移動方向は記憶手段27に保存される。
ステップS200:制御手段25は、手前側フィルム材が長いか否かを判定する。手前側フィルム材が長いとき(ステップS200-Yes)、ステップS201に進む。手前側フィルム材が長くないとき(ステップS200-No)、ステップS202に進む。
ステップS201:ステップS200で手前側フィルム材が長いとき(ステップS200-Yes)、駆動手段は、記憶手段27からエッジ検出用センサ22の移動量及び移動方向(フィルム材12の奥側方向)を取得する。そして、駆動手段は、ステーごとエッジ検出用センサ22をフィルム材12の奥側に当該移動量だけ移動させる。そして、蛇行調整手段23は、任意の位置を基準として、フィルム材12の位置を移動させる。その後、ステップS205に進む。
ステップS202:ステップS200で手前側フィルム材が長くないとき(ステップS200-No)、制御手段25は、奥側フィルム材が長いか否かを判定する。奥側フィルム材が長いとき(ステップS202-Yes)、ステップS203に進む。奥側フィルム材が長くないとき(ステップS202-No)、ステップS204に進む。
ステップS203:ステップS202で奥側フィルム材が長いとき(ステップS202-Yes)、駆動手段は、記憶手段27からエッジ検出用センサ22の移動量及び移動方向(フィルム材12の手前側方向)を取得する。そして、駆動手段は、ステーごとエッジ検出用センサ22をフィルム材12の手前側に当該移動量だけ移動させる。そして、蛇行調整手段23は、任意の位置を基準として、フィルム材12の位置を移動させる。その後、ステップS205に進む。
ステップS204:ステップS202で奥側フィルム材が長くないとき(ステップS202-No)、入出力手段26は、制御手段25からの信号を受信して、例えばタッチパネル等にエラーメッセージを表示することによりユーザに警告する。その後、ステップS200に進む。
ステップS205:続いて、第1の検出手段20は、図4のステップS101と同様にして、縦シールされたフィルム材12の端部12dの第1の基準位置からの第1のずれを再び検出する。なお、ステップS201又はステップS203を実行してからステップS205を実行するまでの時間は、フィルム材12の走行速度、及び第1の検出手段20とエッジ検出用センサとの間のフィルム材12の走行距離を考慮して、入出力手段26にて適宜設定することができる。
ステップS206:続いて、制御手段25は、図4のステップS102と同様にして、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かを判定する。第1のずれが所定基準より大きいとき(ステップS206-Yes)、ステップS200に進む。一方、第1のずれが所定基準より大きくないとき(ステップS206-No)、ステップS104(図4参照)に戻る。そして、制御手段25は、充填包装装置1の制御を終了する。このようにして、自動運転により耳ずれを精度良く低減することができる。
(第2の処理例)
第2の処理例は、ずれ低減手段24として、駆動手段と、耳ずれガイド36とを採用する場合の処理例である。本処理は、ステップS104(図4参照)において実行される。
第2の処理例では、第1のずれとして前述した第1のずれ量Δを採用し、第2のずれとして前述した第2のずれ方向を採用する。この場合、ずれ低減処理を実行するために必要な情報として、耳ずれガイド36の角度の変化量及び方向を採用することができる。耳ずれガイド36の角度の変化量については、例えば第1のずれ量Δが大きいほど、大きくしてもよい。また、耳ずれガイド36の角度の変化方向(正又は負)は、第2のずれ方向に基づいて、制御手段25により算出される。具体的には、耳ずれガイド36の角度の変化方向は、手前側フィルム材が長い場合には負の方向となり、奥側フィルム材が長い場合には正の方向となる。これら変化量及び変化方向は記憶手段27に保存される。
ステップS300:制御手段25は、手前側フィルム材が長いか否かを判定する。手前側フィルム材が長いとき、ステップS301に進む。手前側フィルム材が長くないとき、ステップS302に進む。
ステップS301:ステップS300で手前側フィルム材が長いとき、駆動手段は、記憶手段27から耳ずれガイド36の角度の変化量および変化方向を取得して、耳ずれガイド36の角度を負の方向に当該変化量だけ変化させる。その後、ステップS305に進む。
ステップS302:ステップS300で手前側フィルム材が長くないとき、制御手段25は、奥側フィルム材が長いか否かを判定する。奥側フィルム材が長いとき、ステップS303に進む。奥側フィルム材が長くないとき、ステップS304に進む。
ステップS303:ステップS302で奥側フィルム材が長いとき、駆動手段は、記憶手段27から耳ずれガイド36の角度の変化量および変化方向を取得して、耳ずれガイド36の角度を正の方向に当該変化量だけ変化させる。その後、ステップS305に進む。
ステップS304:ステップS302で奥側フィルム材が長くないとき、入出力手段26は、制御手段25からの信号を受信して、例えばタッチパネル等にエラーメッセージを表示することによりユーザに警告する。その後、ステップS300に進む。
ステップS305:続いて、第1の検出手段20は、図4のステップS101と同様にして、縦シールされたフィルム材12の端部12dの第1の基準位置からの第1のずれを再び検出する。なお、ステップS301又はステップS303を実行してからステップS305を実行するまでの時間は、フィルム材12の走行速度、及び第1の検出手段20と耳ずれガイド36との間のフィルム材12の走行距離を考慮して、入出力手段26にて適宜設定することができる。
ステップS306:続いて、制御手段25は、図4のステップS102と同様にして、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かを判定する。第1のずれが所定基準より大きいとき、ステップS300に進む。一方、第1のずれが所定基準より大きくないとき、ステップS104(図4参照)に戻る。そして、制御手段25は、充填包装装置1の制御を終了する。このようにして、自動運転により耳ずれを精度良く低減することができる。
(第3の処理例)
第3の処理例は、ずれ低減手段24として、駆動手段と、原反ロール11とを採用する場合の処理例である。本処理は、ステップS104(図4参照)において実行される。
第3の処理例では、第1のずれとして前述した第1のずれ量Δを採用し、第2のずれとして前述した第2のずれ方向を採用する。この場合、ずれ低減処理を実行するために必要な情報として、原反ロール11の移動量及び移動方向を採用することができる。原反ロール11の移動量については、例えば第1のずれ量Δが大きいほど、大きくしてもよい。原反ロール11の移動方向は、第2のずれ方向に基づいて制御手段25により算出される。具体的には、原反ロール11の移動方向は、手前側フィルム材が長い場合にはフィルム材12の奥側方向となり、奥側フィルム材が長い場合にはフィルム材12の手前側方向となる。算出された移動量及び移動方向は、記憶手段27に保存される。
ステップS400:制御手段25は、手前側フィルム材が長いか否かを判定する。手前側フィルム材が長いとき、ステップS401に進む。手前側フィルム材が長くないとき、ステップS402に進む。
ステップS401:ステップS400で手前側フィルム材が長いとき、駆動手段は、記憶手段27から原反ロール11の移動量及び移動方向(フィルム材12の奥側方向)を取得して、原反ロール11をフィルム材12の奥側方向に当該移動量だけ移動させる。その後、ステップS405に進む。
ステップS402:ステップS400で手前側フィルム材が長くないとき、制御手段25は、奥側フィルム材が長いか否かを判定する。奥側フィルム材が長いとき、ステップS403に進む。奥側フィルム材が長くないとき、ステップS404に進む。
ステップS403:ステップS402で奥側フィルム材が長いとき、駆動手段は、記憶手段27から原反ロール11の移動量及び移動方向(フィルム材12の手前側方向)を取得して、原反ロール11をフィルム材12の手前側方向に当該移動量だけ移動させる。その後、ステップS405に進む。
ステップS404:ステップS402で奥側フィルム材が長くないとき、入出力手段26は、制御手段25からの信号を受信して、例えばタッチパネル等によりエラーメッセージを表示することによりユーザに警告する。その後、ステップS400に進む。
ステップS405:続いて、第1の検出手段20は、図4のステップS101と同様にして、縦シールされたフィルム材12の端部12dの第1の基準位置からの第1のずれを再び検出する。なお、ステップS401又はステップS403を実行してからステップS405を実行するまでの時間は、フィルム材12の走行速度、及び第1の検出手段20と原反ロール11との間のフィルム材12の走行距離を考慮して、入出力手段26にて適宜設定することができる。
ステップS406:続いて、制御手段25は、図4のステップS102と同様にして、第1のずれが所定基準よりも大きいか否かを判定する。第1のずれが所定基準より大きいとき、ステップS400に進む。一方、第1のずれが所定基準より大きくないとき、ステップS104(図4参照)に戻る。そして、制御手段25は、充填包装装置1の制御を終了する。このようにして、自動運転により耳ずれを精度良く低減することができる。
以上、本発明を諸図面や実施形態に基づき説明したが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
例えば、ステップS104におけるずれ低減処理では、前述した第1乃至第3の処理例から選択された2つ以上の処理例を組み合わせて実行してもよい。
また、図1乃至5を参照して、第1の処理例において、制御手段25は、ステップS201又はステップS202にてエッジ検出用センサ22を移動させることにより、ステップS205にて検出される第1のずれの量(以下、「今回のずれ量」)が、ステップS101にて検出させる第1のずれの量(以下、「前回のずれ量」)よりも大きいか否かを判定してもよい。そして、今回のずれ量が前回のずれ量よりも大きい場合には、ステップS201又はステップS202にて移動させた方向とは逆方向にエッジ検出用センサ22を移動させるフィードバック制御を行ってもよい。これにより、耳ずれをさらに精度よく低減することが可能となる。なお、第2及び第3の処理例においても同様のフィードバック制御を行うことが可能である。
また、図6を参照して、上述した実施形態に係る充填包装装置1は、以下の方法を実行することもできる。図6では、ずれ低減手段24として上述した第1の具体例を適用する場合を説明するが、これに限定されず、ずれ低減手段24として上述した第2及び第3の具体例を適用することもできる。
ステップS500:制御手段25は、充填包装装置1の運転を開始する。
ステップS501:続いて、制御手段25は、充填手段18によって充填を開始する。
ステップS502:続いて、第1の基準位置、第1のずれ量の下限値及び停止値、並びに第2の基準位置を設定する。
ステップS503:続いて、本生産を開始する。
ステップS504:続いて、制御手段25は、第1の検出手段20によって第1のずれを検出する。具体的には、第1の検出手段20は、第1のずれとして上述した第1のずれ量を検出する。
ステップS505:続いて、制御手段25は、第1のずれ量の現在値が第1のずれ量の下限値よりも大きいか否かを判断する。第1のずれ量の現在値が第1のずれ量の下限値よりも大きいとき(ステップS505-Yes)、ステップS506に進む。第1のずれ量の現在値が第1のずれ量の下限値よりも大きくないとき(ステップS505-No)、ステップS513に進む。ここで、ステップS505では、フィルム材12が所定の距離だけ走行する間に、第1のずれ量の現在値が第1のずれ量の下限値よりも大きいと制御手段25が複数回判断したときに、ステップS506に進んでもよい。
ステップS506:ステップS505で第1のずれ量の現在値が第1のずれ量の下限値よりも大きいとき(ステップS505-Yes)、制御手段25は、第1のずれ量の現在値が停止値よりも小さいか否かを判断する。第1のずれ量の現在値が停止値よりも小さいとき(ステップS506-Yes)、ステップS507に進む。第1のずれ量の現在値が停止値よりも小さくないとき(ステップS506-No)、ステップS514に進む。
ステップS507:ステップS506で第1のずれ量の現在値が停止値よりも小さいとき(ステップS506-Yes)、制御手段25は、第2の検出手段21によって第2のずれを検出する。具体的には、第2の検出手段21は、第2のずれとして上述した第2のずれ方向を検出する。
ステップS508:続いて、制御手段25は、手前側フィルム材が長いか否かを判定する。手前側フィルム材が長いとき(ステップS508-Yes)、ステップS509に進む。手前側フィルム材が長くないとき(ステップS508-No)、ステップS510に進む。
ステップS509:ステップS508で手前側フィルム材が長いとき(ステップS508-Yes)、駆動手段は、記憶手段27からエッジ検出用センサ22の移動量及び移動方向(フィルム材12の奥側方向)を取得する。そして、駆動手段は、ステーごとエッジ検出用センサ22をフィルム材12の奥側に当該移動量だけ移動させる。そして、蛇行調整手段23は、任意の位置を基準として、フィルム材12の位置を移動させる。その後、ステップS513に進む。
ステップS510:ステップS508で手前側フィルム材が長くないとき(ステップS508-No)、制御手段25は、奥側フィルム材が長いか否かを判定する。奥側フィルム材が長いとき(ステップS510-Yes)、ステップS511に進む。奥側フィルム材が長くないとき(ステップS510-No)、ステップS512に進む。
ステップS511:ステップS510で奥側フィルム材が長いとき(ステップS510-Yes)、駆動手段は、記憶手段27からエッジ検出用センサ22の移動量及び移動方向(フィルム材12の手前側方向)を取得する。そして、駆動手段は、ステーごとエッジ検出用センサ22をフィルム材12の手前側に当該移動量だけ移動させる。そして、蛇行調整手段23は、任意の位置を基準として、フィルム材12の位置を移動させる。その後、ステップS513に進む。
ステップS512:ステップS510で奥側フィルム材が長くないとき(ステップS510-No)、ユーザに警告する。その後、ステップS513に進む。
ステップS513:続いて、制御手段25は、例えばユーザ操作に応じて、充填包装装置1の運転を停止するか否かを判断する。充填包装装置1の運転を停止しないとき(ステップS513-No)、ステップS504に進む。充填包装装置1の運転を停止するとき(ステップS513-Yes)、本生産を終了する。
ステップS514:ステップS506で第1のずれ量の現在値が停止値よりも小さくないとき(ステップS506-No)、制御手段25は充填包装装置1の運転を強制停止する。