ところが、上記従来の製袋機においては、横ヒートシールユニットが複数ある場合が多いが、重畳体に施された絵柄等に対して所定の位置で横シールするために、これら複数の横ヒートシールユニットの位置をそれぞれ搬送方向において調整する必要がある。
これまで、ユーザ(作業者)は、絵柄と横ヒートシール位置との間にズレが発生した場合には、作業者が通常の作業位置(デリバリ)から横ヒートシールユニットが設置されている位置まで移動し、手動にて横ヒートシールユニットの位置を修正し、再びデリバリへ戻るという手間が必要となっていた。この横ヒートシールユニットの位置を調整するという手間は容易ではなく、時間、労力、および熟練度が必要とされるために、袋を作製するための時間の短縮化、および効率化が難しく、また、シール位置ズレ検査作業の軽減、およびシール位置ズレの見逃しによるシール位置ズレ不良の削減が難しいという問題点があった。
従って、本発明はこのような問題点を解消することができる袋の製造管理方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、重畳体(1)を搬送しながら前記重畳体(1)をヒートシールして袋を形成する袋の製造管理方法(A)において、前記重畳体(1)の移動量を検出する移動量検出工程(m)と、前記重畳体に設けられたマーク部を検出するマーク検出工程(d)と、前記マーク検出工程(m)の後に、前記重畳体(1)を横ヒートシールする少なくとも一つ以上の横ヒートシール工程(11、b)と、前記移動量検出工程(m)において検出される前記重畳体の移動量と、前記マーク検出工程(d)における前記マーク部の検出タイミングとに基づいて、前記重畳体の伸縮を判断する判断工程(m)と、前記判断工程において判断された前記重畳体の伸縮の状態に応じて前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置を調整する調整工程(m)と、前記マーク検出工程における前記マーク部の検出タイミングにおける当該マーク部の位置情報を演算する演算工程(m)と、前記重畳体の搬送が間欠停止か否かを判断する間欠停止判断工程と、を備え、前記調整工程(m)は、前記演算工程(m)において得られた前記マーク検出工程(d)における前記マーク部の位置情報と、前記横ヒートシール工程(11、b)における横ヒートシール位置情報とに基づき、前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置を調整し、前記調整工程(m)における前記横ヒートシール位置の調整は、前記マーク検出工程(d)における、前記重畳体に設けられた少なくとも二つ以上の前記マーク部における検出タイミングに基づく前記重畳体(1)の伸縮状態に応じて調整され、前記調整工程(m)における前記横ヒートシール工程(11、b)の前記横ヒートシール位置の調整は、少なくとも2つ以上の横ヒートシール位置に対して行なわれ、少なくとも2つ以上の前記横ヒートシール位置に対して行なわれる前記横ヒートシール位置の調整は、前記重畳体(1)の搬送方向における前記横ヒートシール位置の相互の関係が線形関係に調整され、前記演算工程(m)は、前記マーク部の検出の状態と前記間欠停止の判断とに基づき、前記重畳体(1)の伸び又は縮みに応じた前記マーク部の位置情報を演算することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の袋の製造管理方法(A)において、前記演算工程は、前記間欠停止後に前記マーク部の検出がON状態になるまでの時間、又は、前記マーク部の検出がON状態になった後に前記間欠停止するまでの時間に基づき、前記マーク部の位置情報を演算することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の袋の製造管理方法(A)において、前記演算工程は、前記マーク部の位置情報として、複数の前記マーク部の間隔を演算し、当該マーク部の間隔の平均値に基づき、前記重畳体の伸縮量を演算し、前記調整工程は、前記演算工程において得られた前記重畳体の伸縮量と、前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置情報とに基づき、前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置を調整することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、重畳体(1)を搬送しながら前記重畳体(1)をヒートシールして袋を形成する袋の製造管理装置(A)において、前記重畳体(1)の移動量を検出する移動量検出手段(m)と、前記重畳体(1)に設けられたマーク部を検出するマーク検出手段(d)と、前記マーク検出手段(d)による検出の後に、前記重畳体を横ヒートシールする少なくとも一つ以上の横ヒートシール手段(11、b)と、前記移動量検出手段(m)によって検出された前記重畳体の移動量と、前記マーク検出手段(d)によって検出された前記マーク部の検出タイミングとに基づいて、前記重畳体(1)の伸縮を判断する判断手段(m)と、前記判断手段(m)によって判断された前記重畳体(1)の伸縮の状態に応じて前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置を調整する調整手段(m)と、 前記マーク検出手段によって検出された前記マーク部の検出タイミングにおける当該マーク部の位置情報を演算する演算手段(m)と、前記重畳体の搬送が間欠停止か否かを判断する間欠停止判断手段と、を備え、前記調整手段(m)は、前記演算手段によって得られた前記マーク検出手段(m)における前記マーク部の位置情報と、前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置情報とに基づき、前記横ヒートシール手段(11、b)の横ヒートシール位置を調整し、前記調整手段(m)によって調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置調整は、前記マーク検出手段(d)における、前記重畳体に設けられた少なくとも二つ以上の前記マーク部における検出タイミングに基づく前記重畳体(1)の伸縮状態に応じて調整され、前記調整手段(m)において調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置の調整は、少なくとも2つ以上の横ヒートシール手段(11、b)に対して行なわれ、少なくとも2つ以上の前記横ヒートシール位置に対して行なわれる前記横ヒートシール位置の調整は、前記重畳体(1)の搬送方向における前記横ヒートシール位置の相互の関係が線形関係に調整され、前記演算手段(m)は、前記マーク部の検出の状態と前記間欠停止の判断とに基づき、前記重畳体の伸び又は縮みに応じた前記マーク部の位置情報を演算すことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の袋の製造管理装置(A)において、前記演算手段は、前記間欠停止後に前記マーク部の検出がON状態になるまでの時間、又は、前記マーク部の検出がON状態になった後に前記間欠停止するまでの時間に基づき、前記マーク部の位置情報を演算することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の袋の製造管理装置(A)において、前記演算手段は、前記マーク部の位置情報として、複数の前記マーク部の間隔を演算し、当該マーク部の間隔の平均値に基づき、前記重畳体の伸縮量を演算し、前記調整手段は、前記演算手段において得られた前記重畳体の伸縮量と、前記横ヒートシール手段における横ヒートシール位置情報とに基づき、前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置を調整することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、重畳体(1)を搬送しながら前記重畳体(1)をヒートシールして袋を形成する袋の製造管理装置(A)に含まれるコンピュータを、前記重畳体(1)の移動量を検出する移動量検出手段(m)、前記重畳体(1)に設けられたマーク部を検出するマーク検出手段(d)、前記マーク検出手段(d)による検出の後に、前記重畳体(1)を横ヒートシールする少なくとも一つ以上の横ヒートシール手段(11、b)、前記移動量検出手段(m)によって検出された前記重畳体(1)の移動量と、前記マーク検出手段(d)によって検出された前記マーク部の検出タイミングとに基づいて、前記重畳体(1)の伸縮を判断する判断手段(m)、前記判断手段(m)によって判断された前記重畳体(1)の伸縮の状態に応じて前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置を調整する調整手段(m)、前記マーク検出手段によって検出された前記マーク部の検出タイミングにおける当該マーク部の位置情報を演算する演算手段(m)、前記重畳体の搬送が間欠停止か否かを判断する間欠停止判断手段、として機能させ、前記調整手段(m)は、前記演算手段(m)によって得られた前記マーク検出手段(d)における前記マーク部の位置情報と、前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置情報とに基づき、前記横ヒートシール手段(11、b)の横ヒートシール位置を調整し、前記調整手段(m)によって調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置調整は、前記マーク検出手段における、前記重畳体に設けられた少なくとも二つ以上の前記マーク部における検出タイミングに基づく前記重畳体の伸縮状態に応じて調整され、前記調整手段(m)において調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置の調整は、少なくとも2つ以上の横ヒートシール手段(11、b)に対して行なわれ、少なくとも2つ以上の前記横ヒートシール位置に対して行なわれる前記横ヒートシール位置の調整は、前記重畳体(1)の搬送方向における前記横ヒートシール位置の相互の関係が線形関係に調整され、前記演算手段(m)は、前記マーク部の検出の状態と前記間欠停止の判断とに基づき、前記重畳体(1)の伸び又は縮みに応じた前記マーク部の位置情報を演算することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の袋の製造管理装置(A)の制御プログラムにおいて、前記演算手段は、前記間欠停止後に前記マーク部の検出がON状態になるまでの時間、又は、前記マーク部の検出がON状態になった後に前記間欠停止するまでの時間に基づき、前記マーク部の位置情報を演算することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の袋の製造管理装置(A)の制御プログラムにおいて、前記演算手段は、前記マーク部の位置情報として、複数の前記マーク部の間隔を演算し、当該マーク部の間隔の平均値に基づき、前記重畳体の伸縮量を演算し、前記調整手段は、前記演算手段において得られた前記重畳体の伸縮量と、前記横ヒートシール手段における横ヒートシール位置情報とに基づき、前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置を調整することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、重畳体(1)を搬送しながら前記重畳体(1)をヒートシールして袋を形成する袋の製造管理方法(A)において、前記重畳体(1)の移動量を検出する移動量検出工程(m)と、前記重畳体に設けられたマーク部を検出するマーク検出工程(d)と、前記マーク検出工程(m)の後に、前記重畳体(1)を横ヒートシールする少なくとも一つ以上の横ヒートシール工程(11、b)と、前記移動量検出工程(m)において検出される前記重畳体の移動量、および前記マーク検出工程(d)における前記マーク部の検出タイミングとに基づいて、前記重畳体の伸縮を判断する判断工程(m)と、前記判断工程において判断された前記重畳体の伸縮の状態に応じて前記横ヒートシール工程における横ヒートシール位置を調整する調整工程(m)とを備えることから、重畳体(1)の伸縮に伴い、ユーザ(作業者)が作業位置を移動し、手作業で横ヒートシール位置の調整をする必要がなくなり、ユーザの作業負荷(負担)が軽減される。
また、ユーザは、ユーザ自身の作業内容に対して余裕が生まれるので、袋製造工程の速度アップ(コストの低減化)が図ることができるようになる。
さらに、袋の横シール位置の検査作業が大幅に軽減(又は横シール位置の検査作業が無くなる)されるので袋製造工程の速度アップ(コストの低減化)を図ることができるようになった。また、横ヒートシール位置ズレの検査漏れ(横ヒートシール位置のズレが発生している袋の検査見逃し)を削減することができる。
さらに、これまで手作業により横ヒートシール位置を調整していたので横ヒートシール位置の調整が終了するまでに時間がかかっていたが、横ヒートシール位置調整終了までの時間が大幅に短縮された(又はほとんど調整終了までの時間がかからなくなった)ので、大幅に歩留まりが向上する。
さらに、横ヒートシール位置の不良が大幅に削減されるので、大幅に歩留まりが向上する。
さらに、従来から行なわれてきた人手による確認と異なり、機械による自動的な管理が可能となるので、より効率的および確実な管理が可能となる。
さらに、タイミングの検出を行なう位置が、重畳体の搬送方向における横ヒートシールを実施する工程の直前なので、正確に横ヒートシールを実施する付近での重畳体の伸縮を把握することができ、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の袋の製造管理方法(A)において、前記マーク検出工程(d)における前記マーク部の検出タイミングにおける当該マーク部の位置情報を演算する演算工程(m)を、更に備え、前記調整工程(m)は、前記演算工程(m)において得られた前記マーク検出工程(d)における前記マーク部の位置情報、および前記横ヒートシール工程(11、b)における横ヒートシール位置情報に基づき、前記横ヒートシール工程(11、b)における横ヒートシール位置を調整するので、時間(タイミング)による調整方法に比較して、より確実かつ現実の状況に対応した横ヒートシール位置の調整を実施することが可能となった。
さらに、位置情報の検出を行なう位置が、重畳体の搬送方向における横ヒートシールを実施する工程の直前なので、正確に横ヒートシールを実施する付近での重畳体の伸縮を把握することができ、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができる。
請求項3に係る発明によれば、請求項2に記載の袋の製造管理方法(A)において、前記調整工程(m)における前記横ヒートシール位置の調整は、前記マーク検出工程(d)における、前記重畳体に設けられた少なくとも二つ以上の前記マーク部における検出タイミングに基づく前記重畳体(1)の伸縮状態に応じて調整されるので、重畳体(1)に突発的な伸縮があった場合であっても複数回の位置情報に基づいて平均的な伸縮情報を抽出することが可能になり、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができ、誤った位置に横ヒートシールを実施することを防止することが可能になる。
請求項4に係る発明によれば、請求項2又は3に記載の袋の製造管理方法(A)において、前記調整工程(m)における前記横ヒートシール工程(11、b)の前記横ヒートシール位置の調整は、少なくとも2つ以上の横ヒートシール位置に対して行なわれるので、重畳体の厚みがあり、横ヒートシールをする場合により多くの熱エネルギーを必要とする袋の製造、および熱伝導率が悪い重畳体から袋を製作する場合である場合には複数の位置において(又は複数の回数に渡って)横ヒートシールを実施する必要がある場合があっても、重畳体の伸縮に伴って、確実に横ヒートシール位置の調整を行なうことが可能となった。
請求項5に係る発明によれば、請求項4に記載の袋の製造管理方法(A)において、少なくとも2つ以上の前記横ヒートシール位置に対して行なわれる前記横ヒートシール位置の調整は、前記重畳体(1)の搬送方向における前記横ヒートシール位置の相互の関係が線形関係に調整されるので、複数の位置に設けられたそれぞれの横ヒートシール工程の位置を個別に調整する場合であっても、横ヒートシール工程が存在する範囲は重畳体の伸縮が均等(一次関数的に伸縮(線形に伸縮))であるとの経験則に基づいて横ヒートシール位置を調整するので、複雑なセンサの配置をする必要がなく、また横ヒートシール位置の演算が簡易化されるので簡易な部材を用いて横ヒートシール位置の調整を実現でき、低コストで確実に横ヒートシール位置の調整ができる。
また、製品となる袋の個別の管理が可能となる。また、従来から行なわれてきた人手による確認と異なり、機械による自動的な管理が可能となるので、より効率的および確実な管理が可能となった。
請求項6に記載の発明によれば、重畳体(1)を搬送しながら前記重畳体(1)をヒートシールして袋を形成する袋の製造管理装置(A)において、前記重畳体(1)の移動量を検出する移動量検出手段(m)と、前記重畳体(1)に設けられたマーク部を検出するマーク検出手段(d)と、前記マーク検出手段(d)による検出の後に、前記重畳体を横ヒートシールする少なくとも一つ以上の横ヒートシール手段(11、b)と、前記移動量検出手段(m)によって検出された前記重畳体の移動量、および前記マーク検出手段(d)によって検出された前記マーク部の検出タイミングとに基づいて、前記重畳体(1)の伸縮を判断する判断手段(m)と、前記判断手段(m)によって判断された前記重畳体(1)の伸縮の状態に応じて前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置を調整する調整手段(m)とを備えることから、重畳体(1)の伸縮に伴い、ユーザ(作業者)が作業位置を移動し、手作業で横ヒートシール位置の調整をする必要がなくなり、ユーザの作業負荷(負担)が軽減される。
また、ユーザは、ユーザ自身の作業内容に対して余裕が生まれるので、袋製造工程の速度アップ(コストの低減化)が図ることができるようになる。
さらに、袋の横シール位置の検査作業が大幅に軽減(又は横シール位置の検査作業が無くなる)されるので袋製造工程の速度アップ(コストの低減化)を図ることができるようになった。また、横ヒートシール位置ズレの検査漏れ(横ヒートシール位置のズレが発生している袋の検査見逃し)を削減することができる。
さらに、これまで手作業により横ヒートシール位置を調整していたので横ヒートシール位置の調整が終了するまでに時間がかかっていたが、横ヒートシール位置調整終了までの時間が大幅に短縮された(又はほとんど調整終了までの時間がかからなくなった)ので、大幅に歩留まりが向上する。
さらに、横ヒートシール位置の不良が大幅に削減されるので、大幅に歩留まりが向上する。
さらに、従来から行なわれてきた人手による確認と異なり、機械による自動的な管理が可能となるので、より効率的および確実な管理が可能となる。
さらに、タイミングの検出を行なう位置が、重畳体の搬送方向における横ヒートシールを実施する工程の直前なので、正確に横ヒートシールを実施する付近での重畳体の伸縮を把握することができ、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の袋の製造管理装置(A)において、前記マーク検出手段(d)によって検出された前記マーク部の検出タイミングにおける当該マーク部の位置情報を演算する演算手段(m)を、更に備え、前記調整手段(m)は、前記演算手段(m)によって得られた前記マーク検出手段(d)における前記マーク部の位置情報、および前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置情報に基づき、前記横ヒートシール手段(11、b)の横ヒートシール位置を調整するので、時間(タイミング)による調整方法に比較して、より確実かつ現実の状況に対応した横ヒートシール位置の調整を実施することが可能となった。
さらに、位置情報の検出を行なう位置が、重畳体の搬送方向における横ヒートシールを実施する工程の直前なので、正確に横ヒートシールを実施する付近での重畳体の伸縮を把握することができ、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の袋の製造管理装置(A)において、前記調整手段(m)によって調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置調整は、前記マーク検出手段(d)における、前記重畳体(1)に設けられた少なくとも二つ以上の前記マーク部における検出タイミングに基づく前記重畳体(1)の伸縮状態に応じて調整されるので、重畳体(1)に突発的な伸縮があった場合であっても複数回の位置情報に基づいて平均的な伸縮情報を抽出することが可能になり、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができ、誤った位置に横ヒートシールを実施することを防止することが可能になる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の袋の製造管理装置(A)において、前記調整手段(m)において調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置の調整は、少なくとも2つ以上の横ヒートシール手段に対して行なわれるので、重畳体の厚みがあり、横ヒートシールをする場合により多くの熱エネルギーを必要とする袋の製造、および熱伝導率が悪い重畳体から袋を製作する場合である場合には複数の位置において(又は複数の回数に渡って)横ヒートシールを実施する必要がある場合があっても、重畳体の伸縮に伴って、確実に横ヒートシール位置の調整を行なうことが可能となった。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の袋の製造管理装置(A)において、少なくとも2つ以上の前記横ヒートシール位置に対して行なわれる前記横ヒートシール位置の調整は、前記重畳体(1)の搬送方向における前記横ヒートシール位置の相互の関係が線形関係に調整されるので、複数の位置に設けられたそれぞれの横ヒートシール工程の位置を個別に調整する場合であっても、横ヒートシール工程が存在する範囲は重畳体の伸縮が均等(一次関数的に伸縮(線形に伸縮))であるとの経験則に基づいて横ヒートシール位置を調整するので、複雑なセンサの配置をする必要がなく、また横ヒートシール位置の演算が簡易化されるので簡易な部材を用いて横ヒートシール位置の調整を実現でき、低コストで確実に横ヒートシール位置の調整ができる。
また、製品となる袋の個別の管理が可能となる。また、従来から行なわれてきた人手による確認と異なり、機械による自動的な管理が可能となるので、より効率的および確実な管理が可能となった。
請求項11に記載の発明によれば、重畳体(1)を搬送しながら前記重畳体(1)をヒートシールして袋を形成する袋の製造管理装置(A)に含まれるコンピュータを、前記重畳体(1)の移動量を検出する移動量検出手段(m)、前記重畳体(1)に設けられたマーク部を検出するマーク検出手段(d)、前記マーク検出手段(d)による検出の後に、前記重畳体(1)を横ヒートシールする少なくとも一つ以上の横ヒートシール手段(11、b)、前記移動量検出手段(m)によって検出された前記重畳体(1)の移動量、および前記マーク検出手段(d)によって検出された前記マーク部の検出タイミングとに基づいて、前記重畳体(1)の伸縮を判断する判断手段(m)、前記判断手段(m)によって判断された前記重畳体(1)の伸縮の状態に応じて前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置を調整する調整手段(m)、として機能させることから、重畳体(1)の伸縮に伴い、ユーザ(作業者)が作業位置を移動し、手作業で横ヒートシール位置の調整をする必要がなくなり、ユーザの作業負荷(負担)が軽減される。
また、ユーザは、ユーザ自身の作業内容に対して余裕が生まれるので、袋製造工程の速度アップ(コストの低減化)が図ることができるようになる。
さらに、袋の横シール位置の検査作業が大幅に軽減(又は横シール位置の検査作業が無くなる)されるので袋製造工程の速度アップ(コストの低減化)を図ることができるようになった。また、横ヒートシール位置ズレの検査漏れ(横ヒートシール位置のズレが発生している袋の検査見逃し)を削減することができる。
さらに、これまで手作業により横ヒートシール位置を調整していたので横ヒートシール位置の調整が終了するまでに時間がかかっていたが、横ヒートシール位置調整終了までの時間が大幅に短縮された(又はほとんど調整終了までの時間がかからなくなった)ので、大幅に歩留まりが向上する。
さらに、横ヒートシール位置の不良が大幅に削減されるので、大幅に歩留まりが向上する。
さらに、従来から行なわれてきた人手による確認と異なり、機械による自動的な管理が可能となるので、より効率的および確実な管理が可能となる。
さらに、タイミングの検出を行なう位置が、重畳体の搬送方向における横ヒートシールを実施する工程の直前なので、正確に横ヒートシールを実施する付近での重畳体の伸縮を把握することができ、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の袋の製造管理装置(A)の制御プログラムにおいて、前記マーク検出手段(d)によって検出された前記マーク部の検出タイミングにおける当該マーク部の位置情報を演算する演算手段(m)、として更に機能させ、前記調整手段(m)は、前記演算手段(m)によって得られた前記マーク検出手段(m)における前記マーク部の位置情報、および前記横ヒートシール手段(11、b)における横ヒートシール位置情報に基づき、前記横ヒートシール手段(11、b)の横ヒートシール位置を調整するように機能させるので、時間(タイミング)による調整方法に比較して、より確実かつ現実の状況に対応した横ヒートシール位置の調整を実施することが可能となった。
さらに、位置情報の検出を行なう位置が、重畳体の搬送方向における横ヒートシールを実施する工程の直前なので、正確に横ヒートシールを実施する付近での重畳体の伸縮を把握することができ、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項12に記載の袋の製造管理装置(A)の制御プログラムにおいて、前記調整手段(m)によって調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置調整は、前記マーク検出手段(d)における、前記重畳体(1)に設けられた少なくとも二つ以上の前記マーク部における検出タイミングに基づく前記重畳体の伸縮状態に応じて調整されるので、重畳体(1)に突発的な伸縮があった場合であっても複数回の位置情報に基づいて平均的な伸縮情報を抽出することが可能になり、正確に横ヒートシール位置の調整を行なうことができ、誤った位置に横ヒートシールを実施することを防止することが可能になる。
請求項14に記載の発明によれば、請求項12又は13に記載の袋の製造管理装置(A)の制御プログラムにおいて、前記調整手段(m)において調整される前記横ヒートシール手段(11、b)の位置の調整は、少なくとも2つ以上の横ヒートシール手段(11、b)に対して行なわれるので、重畳体の厚みがあり、横ヒートシールをする場合により多くの熱エネルギーを必要とする袋の製造、および熱伝導率が悪い重畳体から袋を製作する場合である場合には複数の位置において(又は複数の回数に渡って)横ヒートシールを実施する必要がある場合があっても、重畳体の伸縮に伴って、確実に横ヒートシール位置の調整を行なうことが可能となった。
請求項15に記載の発明によれば、請求項14に記載の袋の製造管理装置(A)の制御プログラムにおいて、少なくとも2つ以上の前記横ヒートシール位置に対して行なわれる前記横ヒートシール位置の調整は、前記重畳体(1)の搬送方向における前記横ヒートシール位置の相互の関係が線形関係に調整されるので、複数の位置に設けられたそれぞれの横ヒートシール工程の位置を個別に調整する場合であっても、横ヒートシール工程が存在する範囲は重畳体の伸縮が均等(一次関数的に伸縮(線形に伸縮))であるとの経験則に基づいて横ヒートシール位置を調整するので、複雑なセンサの配置をする必要がなく、また横ヒートシール位置の演算が簡易化されるので簡易な部材を用いて横ヒートシール位置の調整を実現でき、低コストで確実に横ヒートシール位置の調整ができる。
また、製品となる袋の個別の管理が可能となる。また、従来から行なわれてきた人手による確認と異なり、機械による自動的な管理が可能となるので、より効率的および確実な管理が可能となった。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<密封袋の製造管理装置の実施形態>
最初に、この袋の製造方法及び装置の一例について図1に基づき説明する。
図1は、袋(被充填物がまだ充填されていないので、袋の少なくとも一辺は開封状態である)を製造する製袋機Aであり、広幅の重畳体の一つであるプラスチックフィルム1が原反2から巻き出され、プラスチックフィルム1は繰り出しローラ3に導かれる。プラスチックフィルム1の基材にはPET(polyethylene terephthalate)ナイロン(nylon)等の材料が使用されており、シーラントにはポリエチレン(polyethylene)、ポリプロピレン(polypropylene)等の材料が使用されている。また、プラスチックフィルム1には絵柄または所定のマークが印刷されている。
そして、繰り出しローラ3によってプラスチックフィルム1が搬送され、広幅のプラスチックフィルム1がその長さ方向中心線に沿って2つ折りされ、スリットされる。さらに、スリットされた2枚のプラスチックフィルム1が上方および下方に分離される。その後、各プラスチックフィルム1が水平の送り経路に導かれ、先行送りローラ14によって互いに重ね合わされる。
先行送りローラ14は、プラスチックフィルム1を間欠送りするためのもので、一対のゴムローラからなり、サーボモータ(図示せず)に連結されており、プラスチックフィルム1は各ゴムローラ間に挟まれ、一定の送りピッチPをもって間欠送りされる。
先行送りローラ14の下流には、マークセンサgが設けられており、重畳体としてのプラスチックフィルム1に設けられた絵柄等のマークを検出する。
マークセンサgによるプラスチックフィルム1に設けられた絵柄等のマーク部検出タイミングに基づいて、下記に説明する縦シールユニットf1中の縦ヒータ10aおよび縦シールユニットf2中の縦ヒータ10bの設置位置を図示しないモータによって調整する(詳細は特許文献1参照)。
また、マークセンサgの下流におけるプラスチックフィルム1の送り経路には、縦シールユニットf1および縦シールユニットf2が設置され、縦シールユニットf1中には縦ヒータ10aがプラスチックフィルム1の搬送方向に設けられ、縦シールユニットf2中には縦ヒータ10bがプラスチックフィルム1の搬送方向に設けられている。
縦ヒータ10はプラスチックフィルム1を加熱し、縦シールするためのヒータであり、所定形状のシール面を有する。したがって、縦ヒータ10によってプラスチックフィルム1が加熱され、縦シールされたとき、プラスチックフィルム1に縦シール部分12が形成され、その形状は縦ヒータ10のシール面と対応する。
そして縦ヒータ10の下流に、中間送りローラ12、および中間送りローラ12の下流に先行検出手段としてのマークセンサdが設けられている。
中間送りローラ12は、プラスチックフィルム1を間欠送りするためのもので、一対のゴムローラからなり、サーボモータ(図示せず)に連結されており、プラスチックフィルム1は各ゴムローラ間に挟まれ、一定の送りピッチPをもって間欠送りされる。
マークセンサdは、プラスチックフィルム1に印刷された絵柄またはプラスチックフィルム1に印刷された所定のマークを検出する。マークセンサdは、画像センサ(エリアセンサ)等のプラスチックフィルム1に印刷された絵柄、およびマーク等の濃淡を検出できるセンサであればどのような種類のセンサでも使用することが可能である。
マークセンサdの下流には横シールユニットb1、横シールユニットb2および横シールユニットb3が、マークフィルムの搬送方向と直角に交わる方向に設置されている。また、横シールユニットb1内には横ヒータ11a, 横シールユニットb2内には横ヒータ11b,および横シールユニットb3内には横ヒータ11cがプラスチックフィルム1の搬送方向と直角に交わる方向に設けられている。
横ヒータ11a,11b,および11cは、中間送りローラ12によってプラスチックフィルム1が搬送される所定の送りピッチP間隔で並べられており、プラスチックフィルム1が所定のピッチPで間欠送りされるたびに、横ヒータ11a,11b,および11cは、プラスチックフィルム1に対してそれぞれ横ヒートシールを実施する。
従って、プラスチックフィルム1は、横ヒータ11a,11b,および11cの場所に、中間送りロール12によって間欠送りされるたびに、プラスチックフィルムの同一部分又は同一部分の周囲が複数回にわたって横シールされる。
横ヒータ11a,11b,および11cはプラスチックフィルム1を加熱し、横シールするためのものであるので、一定幅のシール面を有する。したがって、横ヒータ11によってプラスチックフィルム1が加熱され、横シールされたとき、プラスチックフィルム1に横シール部分13が形成され、横シール部分13は一定幅をもつ。
横シールユニットb1よりも下流には後続検出手段としてのマークセンサcが設けられている。
マークセンサcは、プラスチックフィルム1に印刷された絵柄またはプラスチックフィルム1に印刷された所定のマークを検出する。また、マークセンサcは、画像センサ等のプラスチックフィルム1に印刷された絵柄、およびマーク等の濃淡を検出できるセンサであればどのような種類のセンサでも使用することが可能である。
上述したマークセンサcおよびマークセンサdの距離は予め定められており(又は予め定められた基準点からマークセンサcおよびマークセンサdまでの距離が予め定められている。)、マークセンサcおよびマークセンサdがプラスチックフィルム1に印刷された絵柄またはプラスチックフィルム1に印刷された所定のマークを検出するタイミングに基づいて、プラスチックフィルム1に伸縮が発生したか否かを判断手段としての演算制御部mが判断する(詳細は後述する)。
マークセンサcの下流には、後続送りローラ15、および後続送りローラ15の下流にプラスチックフィルム1を搬送方向に直角に切断する切断手段としてのギロチン刃等の切断手段が設けられている。
後続送りローラ15は、プラスチックフィルム1を間欠送りするためのもので、一対のゴムローラからなり、サーボモータ(図示せず)に連結されており、プラスチックフィルム1は各ゴムローラ間に挟まれ、一定の送りピッチPをもって間欠送りされる。
ギロチン刃等の切断手段は、プラスチックフィルム1の搬送方向に直角な方向にプラスチックフィルム1を切断することにより、一つの袋(被充填物がまだ充填されていないので、袋の少なくとも一辺は開封状態である)を切り分ける。切り分けられた袋は、後の工程において充填物が充填される。
次に、図2を用いて、製袋機Aにおけるマークセンサc、マークセンサd、横シールユニットb1、横シールユニットb2、および横シールユニットb3の位置情報の検出方法と、マークセンサc、マークセンサd、横シールユニットb1、横シールユニットb2、および横シールユニットb3位置の移動方法について説明する。
マークセンサdにはワイヤーが接続され、ワイヤーはワイヤーエンコーダh1に接続されている。ワイヤーエンコーダh1は、ワイヤーの引き出し量に対応してエンコーダパルスを入出力インターフェースlに出力する。入出力インターフェースlは入力されたエンコーダパルスを演算制御部mに出力し、演算制御部mは入力されたエンコーダパルスから、マークセンサの位置情報を演算する。
例えば、ワイヤーエンコーダh1のエンコーダパルスの1パルスが0.01mmに対応する場合に、演算制御部mにワイヤーエンコーダh1のエンコーダパルスが10パルス入力された場合には、演算制御部mはマークセンサcが0.01×10=0.1mm移動したこと演算し、演算制御部mはマークセンサcが0.1mm移動したと判断する。マークセンサcがプラスチックフィルム1の搬送方向に対して、順方向に移動したか、逆方向に移動したかはエンコーダパルスと共に入力される正負信号(詳細は省略する。)に基づいて演算制御部mが判断する。
また、マークセンサdは、プラスチックフィルム1に印刷された絵柄等のマークを検出すると検出信号を入出力インターフェースnに出力する。入出力インターフェースnは入力された検出信号を演算制御部mに出力する。
一方、演算制御部mは中間送りローラ12の回転速度(プラスチックフィルム1の搬送速度)を制御している。また、演算制御部mは中間送りローラ12を駆動しているサーボモータ(図示せず)の回転数を示すパルス信号を中間送りローラ12を駆動しているサーボモータ(図示せず)から入力しているので、プラスチックフィルム1の移動量を検出(演算)することができる。また、演算制御部mには図示しないタイマーが内蔵されているので、単位時間当たりのサーボモータ(図示せず)の回転数(単位時間当たりのプラスチックフィルム1の移動量)を演算することができる。
すなわち、サーボモータ(図示せず)の単位時間当たりの回転数、および予め定められている中間送りローラ12の径、並びに中間送りローラ12とサーボモータのギア比を用いて、演算制御部mはプラスチックフィルム1の単位時間当たりの移動量を演算することができる。ここで、中間送りローラ12の径、及び中間送りローラ12とサーボモータのギア比は演算制御部mに内部に存在する図示しない記憶部に予め記憶されている。
従って、演算制御部mは、プラスチックフィルム1の単位時間当たりの移動量(プラスチックフィルム1の搬送速度)とマークセンサdの位置におけるプラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークの検出タイミングに基づいて、プラスチックフィルム1の伸縮を判断することが可能となる(詳細はフローチャートに基づいて説明する)。
マークセンサdと同様に横シールユニットb3、横シールユニットb2、横シールユニットb1、およびマークセンサcにもワイヤーが接続され、ワイヤーはワイヤーエンコーダhに接続されている(横シールユニットb3はワイヤーを介してワイヤーエンコーダh2に接続され、横シールユニットb2はワイヤーを介してワイヤーエンコーダh3に接続され、横シールユニットb1はワイヤーを介してワイヤーエンコーダh4に接続され、マークセンサcはワイヤーを介してワイヤーエンコーダh5に接続されている。)。ワイヤーエンコーダhは、ワイヤーの引き出し量に対応してエンコーダパルスを入出力インターフェースnに出力する。入出力インターフェースnは入力されたエンコーダパルスを演算制御部mに出力し、演算制御部mは入力されたエンコーダパルスの数から、横シールユニットb3、横シールユニットb2、横シールユニットb1、およびマークセンサcのそれぞれの位置情報を演算する。
次に、横ヒータ11の位置調整(プラスチックフィルム1の搬送方向への横ヒータ11の移動方法)について説明する。
演算制御部mは、入出力インターフェースn、横シールユニットbに備えられたモータi並びにピニオンj、およびラックkを介して、横シールユニットb内に設けられた(固定された)横ヒータ11の位置をプラスチックフィルム1の搬送方向と直角に交わる方向に、プラスチックフィルム1の伸縮の割合に対応して移動させる。
モータiおよびピニオンjは、横シールユニットbに備えられている(固定されている)ので、モータiが演算制御部mの命令に基づいて回転すると、ピニオンjが回転し、ピニオンjがラックk上をプラスチックフィルム1の搬送方向に移動する。するとピニオンjと固定されたシールユニットbが、ピニオンjの回転と共にラックk上をプラスチックフィルム1の搬送方向または搬送方向と逆方向へ移動する。
移動したシールユニットbの位置は前述したように、横シールユニットbに固定されたワイヤーの引き出し量に応じてワイヤーエンコーダhから発生するエンコーダパルスの数を、演算制御部mが入出力インターフェースnを介して入力することにより演算制御部mにおいて演算される。
次に、図3を用いて、本実施形態における横シールユニットbに固定された横ヒータ11(横ヒータ11a、横ヒータ11b、および横ヒータ11c)の設置位置の調整方法について説明する。
ステップS1において、製袋機Aに設置される前のプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄間または隣接する所定マーク間の位置情報の初期値をαとして、演算制御部m内の図示しない記憶部に記憶する。初期値αはプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄間または隣接する所定マーク間の実測値でもよいし、設計値であってもよい。
ステップS2において、演算制御部mは、間欠駆動されている製袋機Aが停止したか否かを判断する。間欠駆動されている製袋機Aが停止していない場合(ステップS2:NO)には、再びステップS2に戻る。また、間欠駆動されている製袋機Aが停止した場合(ステップS2:YES)には、ステップS3に進む。
ステップS3において、演算制御部mはプラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークの位置情報を取得する。プラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークの位置情報は、マークセンサdがプラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークを検出したタイミングから、プラスチックフィルム1の搬送方向において、次のプラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークを検出したタイミングまでの2つのタイミング(2つのタイミングの時間間隔)と、演算制御部mがプラスチックフィルム1を(先行送りローラ14によって)搬送している速度と、によって演算制御部mによって演算される。
例えば、連続して(隣接する)プラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークを検出した時間間隔(2つのタイミングの時間間隔)が0.5秒であった場合において、先行送りローラ14によって搬送されているプラスチックフィルム1の搬送速度が20cm/秒である場合には、連続したプラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークの間隔は、0.5(秒)×20(cm/秒)=10(cm)となる。
また、シールユニットb1、シールユニットb2、およびシールユニットb3の位置情報をシールユニットb1、シールユニットb2、およびシールユニットb3に接続されたワイヤーの引き出し量に対応してワイヤーエンコーダhから出力されるエンコーダパルスに基づいて、演算制御部mが演算する。
ステップS4において、マークセンサdが検出したプラスチックフィルム1に印刷されている隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔(時間情報)(又は隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔と、演算制御部mが速度制御しているプラスチックフィルム1の搬送速度とから演算されたプラスチックフィルム1に印刷された絵柄間または所定のマーク間の位置間隔(位置情報))が、間欠動作している製袋機Aにおける前回間欠動作が停止した場合のプラスチックフィルム1に印刷された絵柄間または所定のマーク間の時間間隔(又は隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔と、演算制御部mが速度制御しているプラスチックフィルム1の搬送速度とから演算されたプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄間または隣接する所定のマーク間の位置間隔(位置情報))とを比較して、予め定められた値以上、時間間隔又は位置間隔が変化していた場合(例えば、時間間隔(時間情報)では約0.15秒以上変化していた場合、又は位置間隔(位置情報)が、約0.5mm以上変化していた場合)には、マークセンサdにおける絵柄又はマーク等の位置がずれている(ステップS4:YES)と、演算制御部mは判断してステップS4に進む。また、製袋機Aが間欠動作時において前回停止した場合のプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔(又は隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔と、演算制御部mが速度制御しているプラスチックフィルム1の搬送速度とから演算されたプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄間または隣接する所定のマーク間の位置間隔)とを比較して、予め定められた値以上変化していない場合(ステップS4:NO)には、ステップS2に進む。
ステップS5において、ステップS3において演算制御部mが演算したプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔または位置間隔を演算制御部m内にある記憶部(図示せず)に、演算制御部mが記憶する。
ステップS6において、ステップS3において演算されたプラスチックフィルム1に印刷された隣接する絵柄または隣接する所定のマークの時間間隔または位置間隔に基づいて、演算制御部mは、横ヒートシール11a、横ヒートシール11b、及び横ヒートシール11cの(プラスチックフィルム1の伸縮に対応した)新たな位置を演算する。
基準となる位置(基準点(g:0点位置))は、マークセンサcよりも下流に任意に設定することができる。例えば、ワイヤーエンコーダhの設置位置を基準点とすると、マークセンサcの位置は図2においてx1となり、マークセンサdの位置は図2においてx2となり、マークセンサcとマークセンサdとの間のプラスチックフィルム1の伸縮率(絵柄等の伸縮率)が一定だと仮定すると、横ヒートシール11aの位置を調整した後の新たな位置x3’は、以下の式によって演算制御部mによって演算される。
(数1)
x3’= (絵柄等の伸縮率)×(x3−x1)+x1(図2参照) ・・・(式1)
x3’(横ヒートシール11aの位置調整した後の新位置)は上記の式(1)を用いて、演算制御部mによって演算される。
式1における絵柄等の伸縮率は、隣接する絵柄または隣接する所定のマークの位置間隔をα、その次の間欠動作(プラスチックフィルム1がピッチPだけ移動した後)後の新たな隣接する絵柄または隣接する所定のマークの位置間隔をα’ とすると、下記式2によって示される。
(数2)
(絵柄等の伸縮率)=((x2−x1)+α’)/((x2−x1)+α)・・・(式2)
従って、プラスチックフィルム1が伸縮した後に横ヒートシール11aの位置を調整した後の新たな位置x3’は下記式3によって、演算制御部mによって演算される。
(数3)
x3’= (((x2−x1)+α’)/((x2−x1)+α))×(x3−x1)+x1
・・・(式3)
同様に、プラスチックフィルム1が伸縮した後に横ヒートシール11bの位置を調整すべき、新たな位置x4’は下記式4によって、演算制御部mによって演算される。
(数4)
x4’= (((x2−x1)+α’)/((x2−x1)+α))×(x4−x1)+x1
・・・(式4)
同様に、プラスチックフィルム1が伸縮した後に横ヒートシール11cの位置を調整すべき、新たな位置x5’は下記式5によって、演算制御部mによって演算される。
(数5)
x5’= (((x2−x1)+α’)/((x2−x1)+α))×(x5−x1)+x1
・・・(式5)
ステップS7において、演算制御部mは、モータiを入出力インターフェースnを介して回転させ、横ヒートシール11の位置を移動させる。
具体的には、横ヒートシール11aは、シールユニットb1内に固定されているので、図2において説明したようにシールユニットb1に固定されているモータi1を回転させ、シールユニットb1に固定されている横ヒートシール11aの位置をx3’へ移動させる。位置x3’の位置情報の認識は、ワイヤーエンコーダhを介して、演算制御部mが認識する。これは、モータi1の回転量だけを、演算制御部mが横ヒートシール11aの移動量と推定してしまうと、モータi1の回転量にはピニオンj1のバックラッシュ誤差が含まれていないので、横ヒートシール11aを正確にx3’の位置に移動できないことがあるからである。
同様に、横ヒートシール11bは、シールユニットb2内に固定されているので、図2において説明したようにシールユニットb2に固定されているモータi2を回転させ、シールユニットb2に固定されている横ヒートシール11bの位置をx4’へ移動させる。位置x4’の認識は、ワイヤーエンコーダhを介して、演算制御部mが認識する。
また、横ヒートシール11cは、シールユニットb3内に固定されているので、図2において説明したようにシールユニットb3に固定されているモータi3を回転させ、シールユニットb3に固定されている横ヒートシール11cの位置をx5’へ移動させる。位置x5’の認識は、ワイヤーエンコーダhを介して、演算制御部mが認識する。
ステップS8において、演算制御部8は製袋機Aの製袋作業が終了したか否かを判断する。製袋機Aの製袋作業が終了していない場合(ステップS8:NO)には、ステップS2に進む。製袋機Aの製袋作業が終了した場合(ステップS8:YES)には、処理を終了する。
製袋作業の終了は、ユーザが図示しない製袋機Aのスイッチ等を操作することによって演算制御部mが検知するようにしてもよいし、演算制御部m内の図示しない記憶部に製袋すべき数、時間等の製袋終了情報が記憶されており、製袋終了情報を処理プログラムがチェックするように構成されていてもよい。
上記実施形態においては、プラスチックフィルム1の伸縮量を、一つの隣接する絵柄間隔または隣接する所定のマーク間隔に基づいて演算したが、本願はこれに限定されるわけではない。例えば、任意の回数の隣接する絵柄間隔または隣接する所定のマーク間隔を計測および演算し、任意の回数の隣接する絵柄間隔または隣接する所定のマーク間隔の平均値を基に、シールユニットb1、シールユニットb2、およびシールユニットb3の新たな設置位置を演算するように構成することもできる。
また、隣接する絵柄間隔または隣接する所定のマーク間隔は、製袋機Aが間欠停止する度に、演算される必要はなく、隣接する絵柄間隔または隣接する所定のマーク間隔が予め定められた値以上になった場合に、隣接する絵柄間隔または隣接する所定のマーク間隔の平均値を演算し、その平均値に基づいて、プラスチックフィルム1の伸縮量を演算するように構成することもできる。
また、絵柄間隔または所定のマーク間隔は、隣接している必要はなく、予め定められた絵柄の数又はマークの数の間隔に基づいて、プラスチックフィルム1の伸縮量を演算するように構成することもできる。
本実施形態においては、マークセンサc、シールユニットb1、シールユニットb2、シールユニットb3およびマークセンサdの位置をワイヤーエンコーダhによって演算するように説明したが、本願はこれに限定されるわけではなく、様々な測定手段を用いることが可能であり、例えば、リニアスケール等を用いて、センサc、並びにセンサdおよび各シールユニットbの位置を演算する構成にすることも可能である。
また、シールユニットbの位置を調整する方法はモータiに限定されるわけではなくボールネジ等で移動できるようにしてもよい。
さらに、プラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークの位置は、上記実施形態においては、演算制御部mが制御するプラスチックフィルム1の搬送速度とセンサdが検出するプラスチックフィルム1の絵柄または所定のマークの検出タイミングに基づいて、絵柄間隔または所定のマーク間隔として演算したが、マークセンサdに画像センサ等のエリアセンサを使用し、エリアセンサが検知する(エリアセンサは撮像する)エリア内での絵柄または所定のマークの位置変動に基づいて、プラスチックフィルム1の伸縮量を演算するように構成してもよい。
次に図4に基づいて、プラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークの位置を求める演算手法について説明する。
ステップS9において、演算制御部mは、製袋機Aが間欠停止をした状態、又はマークセンサdがON状態(プラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークを検出した状態)になったか否かを検出する。製袋機Aが間欠停止をしない状態、又はマークセンサdがON状態になっていない場合(ステップS9:NO)には、ステップS9の判断をもう一度繰り返す。製袋機Aが間欠停止をした状態、又はマークセンサdがON状態になった場合(ステップS9:YES)には、ステップS10に進む。
ステップS10において、演算制御部mは、製袋機Aが間欠停止をしたのか、マークセンサdがON状態になったのかを検出する。製袋機Aが間欠停止をした場合(ステップS10:YES)にはステップS11に進む。製袋機Aが間欠停止をしていない場合(ステップS10:NO、(マークセンサdがON状態になった))にはステップS12に進む。
ステップS11において、演算制御部mは、先行送りローラ14のサーボモータ(図示せず)から出力されたパルス信号を入力(パルス信号の数をカウントする。)し、サーボモータの回転数を取得する。先行送りローラ14のサーボモータ(図示せず)から出力されたパルス信号のカウントは、予め決められたタイミング(例えば、前回に間欠停止したタイミング、今回の間欠停止前にマークセンサdがON状態になったタイミング、今回の間欠停止後にマークセンサdがON状態になったタイミング、または、製袋機Aが動作しているある時刻であってもよい)から開始する。
一つのパルス信号は、サーボモータの回転数を示すので、演算制御部mがパルス信号の数をカウントすることによって、演算制御部mはサーボモータの回転数を認識することができる。例えば、先行送りローラ14のサーボモータ(図示せず)から出力された一つのパルス信号が、先行送りローラ14のサーボモータ(図示せず)の1/10回転であることが予め定められている場合に、演算制御部mが先行送りローラ14のサーボモータ(図示せず)から出力された10個のパルス信号をカウントした場合には、演算制御部mはサーボモータ(図示せず)が一回転したことを認識(演算)することができる(1/10(回転/パルス)×10(パルス)=1(回転))。
ステップS12において、演算制御部mは、先行送りローラ14のサーボモータから出力されたパルス信号を入力(パルス信号の数をカウントする。)し、サーボモータの回転数を取得する。先行送りローラ14のサーボモータ(図示せず)から出力されたパルス信号のカウントは、予め決められたタイミング(例えば、前回にマークセンサdがON状態になったタイミング、今回のマークセンサdがON状態になる前に間欠停止したタイミング、今回のマークセンサdがON状態になった後に間欠停止したタイミング、または、製袋機Aが動作しているある時刻(この場合の時刻はステップS11における時刻と同時刻である。)であってもよい)から開始する。ステップS11での説明と同様に、一つのパルス信号は、サーボモータの回転数を示すので、演算制御部mがパルス信号の数をカウントすることによって、演算制御部mはサーボモータの回転数を認識することができる。
ステップS13において、製袋機Aが間欠停止をする時までにサーボモータから出力されたパルス信号の数、マークセンサdがON状態になるまでにサーボモータから出力されたパルス信号の数、中間送りローラの半径または直径、フィルム送りローラとサーボモータとのギア比から、絵柄または所定のマークの位置情報を制御部mは演算する。
例えば、プラスチックフィルム1が伸びている場合には、製袋機Aが間欠停止した後にマークセンサがON状態になる。製袋機Aが間欠停止した後にマークセンサがON状態になるまでに、サーボモータから出力されたパルス信号の数が4個(例えば、サーボモータが一回転する毎に20パルス出力される場合)である場合であって、フィルム送りローラとサーボモータとのギア比が16対1、中間送りローラ12の半径が5cmである場合には、(4(パルス数)×1/20(回転/パルス))×(1/10(ギア比))×(2×10(cm)×π)=0.4π(cm)、の距離だけ絵柄が印刷されるべき位置(設計値)からずれている(プラスチックフィルム1が伸びている)ことになる。これらの演算は演算制御部mで実行される。
また、プラスチックフィルム1が縮んでいる場合には、マークセンサがON状態になった後に製袋機Aが間欠停止する。マークセンサがON状態になった後に製袋機Aが間欠停止するまでに、サーボモータから出力されたパルス信号の数が2個(例えば、サーボモータが一回転する毎に20パルス出力される場合)である場合であって、フィルム送りローラとサーボモータとのギア比が16対1、中間送りローラ12の半径が5cmである場合には、(2(パルス数)×1/20(回転/パルス))×(1/10(ギア比))×(2×10(cm)×π)=0.2π(cm)、の距離だけ絵柄が印刷されるべき位置(設計値)からずれている(プラスチックフィルム1が縮んでいる)ことになる。これらの演算は演算制御部mで実行される。
このように、ステップS13において演算されたプラスチックフィルム1の伸縮に基づく絵柄位置の印刷ずれに対応して、横ヒートシール位置のずれを防止するために、演算制御部mは、入出力インターフェースn、モータi、ピニオンjを介して横ヒータ11の位置をプラスチックフィルム1の搬送方向に平行な方向に前後させる(横シールユニットbの位置を移動させる)。
例えば、プラスチックフィルム1が伸びている場合には、演算制御部mが、横ヒータ11a、横ヒータ11b、および横ヒータ11cの位置を、プラスチックフィルム1の搬送方向とは逆方向にプラスチックフィルム1の伸び量に対応した値を(ステップS6にて演算される)移動させる。
また、プラスチックフィルム1が縮んでいる場合には、演算制御部mが、横ヒータ11a、横ヒータ11b、および横ヒータ11cの位置を、プラスチックフィルム1の搬送方向と同じ方向にプラスチックフィルム1の伸び量に対応した値を(ステップS6にて演算される)移動させる。
以上説明したように、プラスチックフィルム1の伸縮の度合いを、製袋機Aの間欠タイミング、及びマークセンサdの検出タイミングに基づいて、プラスチックフィルム1に印刷された絵柄または所定のマークのズレ量(時間情報または位置情報として)を把握し、演算することができる。
なお、図3および4における動作手順を、ハードディスク等の記録媒体に予め記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して予め記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該汎用のマイクロコンピュータ等を実施形態に係わるCPUとして機能させることも可能である。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。