JP2012224029A - 製袋装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルム材Fの所定箇所をシールする袋状包装容器の製袋装置100であって、フィルム材Fの表面に設けられた複数のマークMをそれぞれの位置で同時に認識する光学検知手段140と、複数のシール手段171の送り方向の位置を調整するシール位置補正手段180を有すること。
【選択図】図3
Description
このような袋状包装容器は、例えば、下記の特許文献1に示されるように、上下2枚の樹脂製のフィルム材とその両側部に挟み込まれた樹脂製の底材を連続的に送り、送り方向の両側部と、幅方向に延びる所定の間隔の横断部をシールした後、幅方向中央とそれぞれの横断部の中心で切断することで製造される。
それぞれの袋状包装容器は、幅方向中央で切断された切り口が上端の開口となって袋状に形成され、当該開口から内容物が充填された後に当該開口がシールにより密封されるように構成されている。
そのため、樹脂製のフィルム材に施された印刷面に付されたマークによってシールすべき箇所を特定するように構成されており、当該マークをCCDカメラによって撮像してその位置を特定するとともに、間欠送りの際のマーク位置のズレを検出して、間欠送り量および複数のシール手段の間隔を調整している。
この慣性の影響による張力変動を実用上問題のない範囲とするためには、ダンサーロールの移動速度を小さくする必要があり、そのためにフィルム材の送りを高速化できず、生産性の向上が阻害されていた。
さらに、可動部材の振動等が逆に張力変動を発生させる要因となることもあった。
しかしながら、張力変動の吸収のためのダンサーロールの移動量は小さくなるものの往復移動することに変わりはなく、回転速度の変化に対する回転慣性や摩擦については、ダンサーロール一つ分の影響が確実に増加するため、張力変動の多少の改善は可能であっても、フィルム材の送りを高速化するには限界があった。
このため、連続製造中にも、印刷面に付されたマークをCCDカメラによって撮像しマーク位置を検出し監視して、ズレが発生した場合、間欠送り量、およびシール手段の間隔を調整する作業を行わねばならい。そして、この調整のために時間を要することになり、これを自動検出し自動調整するとしても、複雑な構成が必要となるとともにフィルム材の送りを高速化するのが困難であり、生産効率向上の阻害要因となっていた。
前記シール機構が、フィルム材の送り方向に複数のシール手段と、前記光学検知手段により認識された複数のマークの前記フィルム材の送り方向の位置および間隔に応じて、前記シール手段の位置を調整するシール位置補正手段を有するものである。
本発明の一実施例である製袋装置100は、フィルム材Fが原反ロールRから連続的に引き出されて、連続フィード機構110、フィード調節機構160、間欠フィード機構120、切断機構190と順に送られながら袋状包装容器を連続的に製造するように構成されている。
連続フィードロール111の下流には、フィルム材Fを中央で連続的に分割して上下2枚のフィルム材とする分割機構112が設けられ、分割された上下2枚のフィルム材Fは、該分割機構112によって再び水平面に沿うように偏向されて、下流のフィード調節機構160にフィードされる。
このフィード調節機構160の上下に間隔をおいた対称の経路には、図3、図4に示すように、それぞれ、張力検出ロール163、往復揺動可能なダンサーロール161が設けられ、連続送りと間欠送りの間の周期的な送り量の変動によるフィルム材Fのたるみを吸収するとともに、張力変動を低減するように構成されている。
張力検出ロール163は、回転のみ可能なように軸支され、該回転軸にかかる力を張力センサ164によって検出することで、フィルム材Fの張力を検出するように構成されている。
また、本実施例では、重ね合わせロール166の手前から底材Bが供給され、上下2枚のフィルム材Fの両側部に重ね合わせて挟み込むように構成されている。
この、間欠フィード機構120の間欠フィードロール121と前述の重ね合わせロール166との間で、底材Bを挟んで重ね合わされた上下2枚のフィルム材Fが水平に保たれ、この区間に配置された、複数のシール手段171を有するシール機構170によって両側部および所定間隔の幅方向横断部がシールされる。
また、この区間の上流には前方2次元光学センサ141、下流には後方2次元光学センサ142が設けられ光学検知手段140に接続されており、フィルム材F表面に設けられた複数のマークをそれぞれ同時に検知可能にしている。
さらに、間欠フィード機構120の最下流の間欠フィードロール121の下流には、切断機構190が配置され、個々の袋状包装容器Pに切断分離される。
なお、図3に示す説明図では、間欠フィードロール121を間欠フィード機構120の最下流に設けているが、図1、図2に示すように上流にもう一つ設けて連動させても良く、さらに適宜の場所に複数設けても良い。
また、張力変動やフィルム材Fの搬送時の振動、装置全体の振動に起因して、フィルム材Fの蛇行や斜行が発生する場合がある。
そこで、本実施例では、張力変動を吸収し、フィルム材Fの伸び率を特定して装置の調整を可能とし、これらの変動を少なくして安定的に動作させるとともに、フィルム材Fの蛇行や斜行を修正し、前述したフィルム材Fの張力変動、あるいは蛇行や斜行によるシールの位置ズレを防止するための構成を有しており、以下にその構成について説明する。
まず、フィード調節機構160の下流に設けられた光学検知手段140で検知される所定の張力下のフィルム材Fのピッチ(後述する)で間欠送りする間欠フィードロール121の駆動速度・タイミングが、送り量調節手段130に設定されるとともに、当該送り量調節手段130の設定に対応して、ダンサーロール161の往復揺動速度・揺動幅・タイミング、および、連続フィードロール111の駆動速度が、張力制御手段165に設定される。
送り量調節手段130は、間欠フィードモータ122を制御して設定された駆動速度・タイミングで間欠フィードロール121を駆動する。
張力制御手段165は、揺動駆動手段162を制御して設定された往復揺動速度・揺動幅・タイミングでダンサーロール161を揺動するとともに、連続フィードモータ113を制御して設定された駆動速度で連続フィードロール111を駆動する。
また、張力制御手段165は、張力センサ164からの信号を入力とし、揺動駆動手段162の揺動幅の両端での揺動方向の切替タイミングの指令を出力として、入力信号の最大値および最小値を差が小さくなるようにPID等のフィードバック制御を行ってもよい。このことで、間欠フィードロール121の間欠駆動とダンサーロール161の揺動のタイミングのズレに起因する張力変動をさらに小さくすることが可能となる。
なお、フィードバック制御の方式や、制御演算で用いる定数、ゲイン等の諸設定は、張力の平均値を収束することが可能であれば、装置全体の特性、制御装置の演算速度やコストパフォーマンス等を考慮して適宜定めれば良い。
さらに、後述する光学検知手段140で検知されたフィルム材Fの伸びに関する情報と張力センサ164の出力とを演算処理してフィードバック制御に用いても良い。このことで、張力に関する情報を複数得ることができるため、さらに張力の変動を小さくできる。
光学検知手段140は、前方2次元光学センサ141および後方2次元光学センサ142によって撮像された画像を表示および演算処理するように構成されている。
前方2次元光学センサ141および後方2次元光学センサ142はCCDカメラからなり、間欠フィード機構120によってフィルム材Fが水平にフィードされる区間においてフィルム材の表面を撮像できるように距離を置いて配置され、それぞれ間欠フィード機構120の他の構成との位置関係が正確に設定されている。
袋状包装容器の製造開始時に、まず、後方2次元光学センサ142によって張力がかかった状態のフィルム材Fの表面を撮像しながら、間欠送りの初期位置が設定される。この作業は、作業者が撮像された画像をモニタで目視しながら行っても良く、間欠フィードロール121が光学検知手段140によって検知された情報に基づいて自動制御されても良い。
そして、張力がかかった状態のフィルム材Fが停止している状態で前方2次元光学センサ141および後方2次元光学センサ142によって同時に撮像され、該撮像された画像から光学検知手段140によってマークMの位置が特定されることで袋状包装容器の複数ピッチ(n個)の距離Lnが検出され、それを除算することで袋状包装容器1個分のピッチL1が算出される。
当該算出されたピッチL1は、光学検知手段140から送り量調節手段130に間欠送り1回分の送り量として出力される。
また、算出されたピッチL1に応じて、後述する複数のシール手段171の位置および間隔が設定される。
また、2次元光学センサによって2次元画像が撮像されるため、フィルム材Fの幅方向のマークMの位置も特定可能であり、光学検知手段140は、該位置情報からフィルム材Fの斜行や蛇行を検出して、後述する斜行補正手段150に補正のための指令を出力する。
また、複数ピッチの距離Lnからの除算で袋状包装容器1個分のピッチL1が算出されるため、前方2次元光学センサ141および後方2次元光学センサ142の解像度のn倍の精度で正確に袋状包装容器1個分のピッチL1を算出することができ、後述する複数のシール手段171の位置および間隔を正確に設定することができ、型替え時に試験稼動と袋状包装容器の検査という作業を繰り返す必要がなくなる。
例えば、解像度が0.1mmの2次元光学センサを一つだけ用いて検知した場合、複数のシール手段171が10個並べられていると両端のシール手段171の位置のズレは10ピッチで最大1mmとなってしまうが、二つの2次元光学センサを10ピッチ分離した位置に配置すると、両端のシール手段171の位置のズレは10ピッチで最大0.1mmとなり、初期設定で充分な許容誤差範囲に収まる。
なお、2次元画像から袋状包装容器に必要な文字や図柄を画像処理して位置を演算することも可能であり、特定のマークMの印刷を省略することも可能である。
また、本実施例では2次元光学センサを2つとしたが、さらに多数設けても良い。
斜行補正手段150は、間欠フィードロール121をフィルム材Fの幅方向中心を通り該フィルム材Fに直交する軸線を中心に旋回させるように構成されている。
間欠フィードロール121は、間欠フィードロール支持台124に回転可能に支持され、間欠フィードロール支持台124に固定された間欠フィードモータ122により回転駆動される。
また、間欠フィードロール121の上方には、間欠フィード押さえロール123が設けられ、間欠フィードロール121と間欠フィード押さえロール123でフィルム材Fを挟んで間欠送りするように構成されている。
なお、図示する本実施例においては、間欠フィードロール支持台124上の間欠フィードロール121の下流側にフィルム抑え部126が設けられ、下流側の張力等の調整も可能となるように構成されている。
回転支持軸151は、間欠フィードロール121の幅方向中心で且つ回転中心軸の直下に設けられている。
ベース台154の幅方向一方の端部側には斜行補正モータ152が設けられ、該斜行補正モータ152によって回転される偏心カム153が、間欠フィードロール支持台124と係合するように構成されており、斜行補正モータ152を正逆回転することによって、間欠フィードロール支持台124が回転支持軸151を中心に旋回するように構成されている。
なお、ベース台154の上面には、複数の載置片127が設けられ、間欠フィードロール支持台124が褶動可能に載置されてその重量を支えている。
また、ベース台154と間欠フィードロール支持台124は、固定ボルト125でその位置関係を規制可能に構成されている。この固定ボルト125の締め付けにより旋回時、固定時を使い分けても良く、また、間欠フィードロール支持台124の旋回角度は0.1°以下と極めて微小であるため、弾性の範囲で旋回可能に固定ボルト125の締め付けを行っても良い。
なお、図1、図2に示す実施例では、間欠フィードロール121が間欠フィード機構120の区間に2個設けられており、斜行補正手段150は少なくとも最下流の間欠フィードロール121に設けられれば良いが、両方の間欠フィードロール121に斜行補正手段150を設けることで、間欠フィード機構120の全区間においてさらに精密な斜行補正を行うことが可能となる。
本実施例におけるシール機構170で使用される複数のシール手段171は、熱によってフィルム材Fおよび底材Bの必要箇所を熱融着するヒートシール手段であり、袋状包装容器のピッチLに対応した間隔で配置されて、間欠フィード機構120による間欠送りによって、同一箇所が複数のシール手段171によって熱による圧着を複数回繰り返すことで融着されるように構成されている。
図9乃至図11には、フィルム材Fの幅方向に延びる箇所を熱圧着するシール手段171の1つが示されている。
シール手段171は、下部枠173と上部枠172とを有しており、それぞれに下部熱圧着部179および上部熱圧着部178が平行して設けられている。上部枠172はフィルム材Fの送り方向に移動自在に駆動ビーム177に接続され該下部枠173に対して垂直方向に上下動する。これにより、該下部熱圧着部179と該上部熱圧着部178がフィルム材Fを挟むことで熱圧着が行われる。
また、スライドレール174に平行に2本のラックレール182が設けられており、下部枠173下方側面には、該ラックレール182と噛み合う2つのピニオンギヤ181、および、該ピニオンギヤ181を駆動するピニオン駆動モータ183が設けられており、これらによってシール位置補正手段180が構成されている。
本実施例では、2つのピニオンギヤ181は下部枠173下方側面に回転可能に支持されたシール手段駆動軸184に固定され、該シール手段駆動軸184の一方の端部がピニオン駆動モータ183に連結されている。
この構成により、前述した光学検知手段140で算出された袋状包装容器1個分のピッチL1に応じてピニオン駆動モータ183が駆動され、複数のシール手段171の位置および間隔が設定される。
なお、フィルム材Fの送り方向の両側部をシールするためのシール手段(図1および図2に示す、上流側のシール機構170に設けられたもの)においても、下部枠を幅方向に連結する横断部材に、上記の構成を採用することで、同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の一実施例を示したが、本発明はこれに限るものでなく、間欠フィード機構が、間欠送りの送り量調節手段と、フィルム材の表面の複数のマークをそれぞれの位置で同時に認識する光学検知手段とを有し、シール機構が、フィルム材の送り方向に複数のシール手段と、光学検知手段により認識された複数のマークのフィルム材の送り方向の位置および間隔に応じて、シール手段の位置を調整するシール位置補正手段を有するものであれば、その具体的な構成はいかなるものであっても良い。
110 ・・・ 連続フィード機構
111 ・・・ 連続フィードロール
112 ・・・ 分割機構
113 ・・・ 連続フィードモータ
120 ・・・ 間欠フィード機構
121 ・・・ 間欠フィードロール
122 ・・・ 間欠フィードモータ
123 ・・・ 間欠フィード押さえロール
124 ・・・ 間欠フィードロール支持台
125 ・・・ 固定ボルト
126 ・・・ フィルム抑え部
127 ・・・ 載置片
130 ・・・ 送り量調節手段
140 ・・・ 光学検知手段
141 ・・・ 前方2次元光学センサ
142 ・・・ 後方2次元光学センサ
150 ・・・ 斜行補正手段
151 ・・・ 回転支持軸
152 ・・・ 斜行補正モータ
153 ・・・ 偏心カム
154 ・・・ ベース台
160 ・・・ フィード調節機構
161 ・・・ ダンサーロール
162 ・・・ 揺動駆動手段
163 ・・・ 張力検出ロール
164 ・・・ 張力センサ
165 ・・・ 張力制御手段
166 ・・・ 重ね合わせロール
170 ・・・ シール機構
171 ・・・ シール手段
172 ・・・ 上部枠
173 ・・・ 下部枠
174 ・・・ スライドレール
175 ・・・ スライダー
177 ・・・ 駆動ビーム
178 ・・・ 上部熱圧着部
179 ・・・ 下部熱圧着部
180 ・・・ シール位置補正手段
181 ・・・ ピニオンギヤ
182 ・・・ ラックレール
183 ・・・ ピニオン駆動モータ
184 ・・・ シール手段駆動軸
190 ・・・ 切断機構
F ・・・ フィルム材
M ・・・ マーク
R ・・・ ロール原反
B ・・・ 底材
Claims (6)
- フィルム材を連続送りする連続フィードロールを備えた連続フィード機構と、フィルム材を間欠送りする間欠フィードロールを備えた間欠フィード機構と、前記間欠フィード機構により送られるフィルム材の所定箇所をシールするシール機構とを有し、
前記間欠フィード機構が、間欠送りの送り量調節手段と、前記フィルム材の表面の複数のマークをそれぞれの位置で同時に認識する光学検知手段とを有し、
前記シール機構が、フィルム材の送り方向に複数のシール手段と、前記光学検知手段により認識された前記マークの前記フィルム材の送り方向の位置に応じて、前記シール手段の位置を調整するシール位置補正手段を有することを特徴とする製袋装置。 - 前記光学検知手段が、前記間欠フィード機構の上方に送り方向に間隔をおいて設けられた複数の2次元光学センサからなり、前記フィルム材が停止中に表面に設けられたマークの2次元位置を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製袋装置。
- 前記送り量調節手段が、前記複数の2次元光学センサにより認識されたマークの前記フィルム材の送り方向の位置の情報に応じて、間欠送りの1回あたりの量を決定するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の製袋装置。
- 前記シール位置補正手段が、前記複数の2次元光学センサにより認識されたマークの前記フィルム材の送り方向の位置の情報に応じて、前記複数のシール手段の送り方向の間隔を調整するよう構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の製袋装置。
- 前記複数の2次元光学センサが、前記フィルム材の複数回の間欠送り量に相当する間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の製袋装置。
- 前記シール位置補正手段が、前記フィルム材の送り方向に延びるように設けられたラックレールと、各シール手段に設けられ前記ラックレールに噛み合うピニオンギヤと、各シール手段に設けられ前記ピニオンギヤを駆動するピニオン駆動モータからなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製袋装置。
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