JP7011815B2 - がんの判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、対象におけるがんの有無の判定および進行がんの検出のための方法ならびにキット等に関する。
対象におけるがんの有無の判定は重要である。特に、対象における進行がんの検出は治療方針を決めるうえで極めて重要である。がんが進行がんであるか否かによって治療戦略が大きく変わってくるからである。進行がんであれば、早急な手術、抗がん剤治療、放射線治療をはじめ疾患の進行を考慮した様々な治療方法を行う必要がある。一方、非進行がんであれば、原発巣に対する手術治療が中心であるが疾患によっては経過観察だけで済む場合もある。これまで一部の癌では非進行がんであっても進行がんと同等に治療を行った結果、逆に費用対効果や患者のQOLが損なわれることが報告されている。
がんの有無の判定および進行がんの検出には、画像検査や病変からの生検や細胞診などの組織採取が用いられているが、これらには人的負担、専門性が求められる。
がん患者の体内に特定のタンパク質に対する自己抗体が生成することが知られている。がん特異的な自己抗体を利用してがんの診断を行う試みがなされている(非特許文献1参照)。また、がん特異的な自己抗体と結合するポリペプチドをがんの検出手段とすることも行われている(特許文献1~3参照)。
本発明者らは、甲状腺がん患者における自己抗体について研究し、甲状腺がん患者の試料からWDR1およびフィブロネクチン1をクローニングした。そして、WDR1のC末端側の断片を用いて抗WDR1抗体力価を測定し、未分化がんおよび乳頭がんの患者の試料において有意に高いことを見出した(非特許文献2参照)。しかし、抗WDR1抗体力価をより正確に測定するためにはさらなる改良が必要であった。また進行がんを効率良く検出することは困難であった。
特開2013-101147号公報 特開2013-101148号公報 特開2013-101149号公報
Minz PJ et al, PNAS 2015, 112:2515-20 Izawa S et al, Clinical Endocrinology 2013, 79:35-42
対象ががんを有するかどうかの判定、および進行がんの検出を高い精度で効率的に行うことが望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。本発明者らは、甲状腺がん患者において抗WDR1抗体および抗フィブロネクチン1抗体の力価が上昇することを見出した。そして抗WDR1抗体力価の測定に適したWDR1部分ペプチド、および抗フィブロネクチン1抗体力価の測定に適したフィブロネクチン1部分ペプチドを見出した。本発明者らは、これらの部分ペプチドを用いて抗WDR1抗体および抗フィブロネクチン1抗体の力価を測定することによって、対象中のがんの有無の判定および進行がんの検出を高い精度で効率良く行えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明は以下のものを提供する。
(1)対象におけるがんの有無を判定する方法であって、
(I):
WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、および
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いて対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定すること、および/または
(II):
フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いて対象由来の試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価を測定すること
を含む方法。
(2)がんが分泌腺組織に生じるがんである、(1)記載の方法。
(3)がんが甲状腺がんである、(2)記載の方法。
(4)がんが進行がんである、(1)~(3)のいずれか記載の方法。
(5)WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを含む、対象におけるがんの有無を判定するためのキット。
(6)がんが分泌腺組織に生じるがんである、(5)記載のキット。
(7)がんが甲状腺がんである、(6)記載のキット。
(8)がんが進行がんである、(5)~(7)のいずれか記載のキット。
(9)WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、および
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いることを特徴とする、対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定する方法。
(10)WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、および
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを含む、抗WDR1抗体の力価を測定するためのキット。
(11)フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種またはそれ以上のペプチドを用いることを特徴とする、対象由来の試料中の抗フィブロネクチン抗体の力価を測定する方法。
(12)フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種またはそれ以上のペプチドを含む、抗フィブロネクチン抗体の力価を測定するためのキット。
本発明によれば、対象ががん、特に腺がん、さらに特別には甲状腺がんを有するかどうかの判定、および進行がんの検出を高い精度で効率的に行うことができる。本願発明は血清を試料とすることができるので、患者への負担も少なく、特別な技能や施設を用いなくてもよい。したがって、本発明によれば、簡単な試験により適切な治療戦略を決定でき、不要な手術を回避できる。そのため、本発明は患者のQOLの向上に資するものである。
図1は、WDR1-2ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図2は、WDR1-9ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図3は、WDR1-16ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図4は、WDR1-21ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図5は、WDR1-24ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図6は、WDR1-33ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図7は、WDR1-37ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図8は、フィブロネクチン1-19ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図9は、フィブロネクチン1-27ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図10は、フィブロネクチン1-30ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清、Cが良性甲状腺結節患者血清、Dが自己免疫性甲状腺疾患患者血清、Eが正常コントロール対象血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図11は、フィブロネクチン1-20ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=7)、非進行甲状腺がん患者血清(n=4)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。 図12は、フィブロネクチン1-29ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=7)、非進行甲状腺がん患者血清(n=4)との反応をELISAにて検討した結果を示すグラフである。縦軸は450nmにおける吸光度を示し、横軸において、Aが進行甲状腺がん患者血清、Bが非進行甲状腺がん患者血清を示す。バーの高さは平均値、カッコ内の数値は標準偏差を示す。
本発明者らは、WDR1タンパク質の遺伝子をクローニングし、その結果得られたアミノ酸配列に基づいてWDR1タンパク質の部分ペプチドを多数合成し、抗WDR1抗体力価の測定に使用可能なWDR1部分ペプチドの候補を見出した(WDR1-2、WDR1-9、WDR1-16、WDR1-21、WDR1-24、WDR1-33、WDR1-37)。これらのWDR1部分ペプチドのアミノ酸配列を以下に示す。
WDR1-2:Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser(配列番号:1)
WDR1-9:Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser(配列番号:2)
WDR1-16:Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala(配列番号:3)
WDR1-21:Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val(配列番号:4)
WDR1-24:Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr(配列番号:5)
WDR1-33:Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn(配列番号:6)
WDR1-37:Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu(配列番号:7)
本発明者らは、フィブロネクチン1タンパク質の遺伝子をクローニングし、その結果得られたアミノ酸配列に基づいてフィブロネクチン1タンパク質の部分ペプチドを多数合成し、抗フィブロネクチン1抗体力価の測定に使用可能なフィブロネクチン1部分ペプチドの候補を見出した(フィブロネクチン1-19、フィブロネクチン1-20、フィブロネクチン1-27、フィブロネクチン1-29、フィブロネクチン1-30)。これらのフィブロネクチン1部分ペプチドのアミノ酸配列を以下に示す。
フィブロネクチン1-19:Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile(配列番号:8)
フィブロネクチン1-20:Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly(配列番号:9)
フィブロネクチン1-27:Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser(配列番号:10)
フィブロネクチン1-29:Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile(配列番号:11)
フィブロネクチン1-30:Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys(配列番号:12)
本発明者らは、上記WDR1部分ペプチドまたはその変異体を用いて対象由来の試料中の抗WDR1抗体力価を調べることにより、対象におけるがんの存在を高精度で判定できることを見出した。また本発明者らは、上記WDR1部分ペプチドまたはその変異体を用いた場合に、進行がんを効率的に検出できることも見出した。
さらに本発明者らは、上記フィブロネクチン1部分ペプチドまたはその変異体を用いて対象由来の試料中の抗フィブロネクチン1抗体力価を調べることにより、対象におけるがんの存在を高精度で判定できることを見出した。また本発明者らは、上記フィブロネクチン1部分ペプチドまたはその変異体を用いた場合に、進行がんを効率的に検出できることも見出した。
したがって、本発明は、1の態様において、
対象におけるがんの有無を判定する方法であって、
(I):
WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、および
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いて対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定すること、あるいは
(II):
フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いて対象由来の試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価を測定すること
を含む方法
を提供する。
対象は哺乳動物であり、その種類は特に限定されない。好ましくは、対象はヒトである。
対象由来の試料は、対象のいずれの部位、組織に由来するものであってもよい。対象の血清由来の試料が好ましい。
WDR1部分ペプチドは、WDR1タンパク質の一部分の連続したアミノ酸残基からなるペプチドである。WDR1タンパク質はいずれの生物種に由来するものであってもよいが、好ましくは、試料を採取する対象と同じ生物種由来のものである。WDR1タンパク質のアミノ酸配列は公知である。
WDR1部分ペプチドは変異体であってもよい。WDR1部分ペプチドの変異体は、WDR1部分ペプチドを構成する1個ないし数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されている、あるいは1個ないし数個のアミノ酸残基が欠失または付加されているペプチドをいう。数個とは1個~6個であってもよく、好ましくは1個~3個、より好ましくは1個または2個、さらに好ましくは1個である。アミノ酸残基の置換は、保存的アミノ酸置換が好ましい。保存的アミノ酸置換は公知である。
WDR1部分ペプチドの変異体は誘導体であってもよい。誘導体化としてはリン酸化、アミド化、アセチル化、アルキル化、標識化などが例示されるが、これらに限定されない。標識としては放射性標識、蛍光標識、発光標識、ペプチドタグ、酵素、抗体などが例示されるが、これらに限定されない。
WDR1部分ペプチド、その変異体または誘導体はチップやその他の担体に固定化されていてもよい。
WDR1部分ペプチドの変異体または誘導体は、元のWDR1部分ペプチドと同等の特性を有するものであり、例えば、元のWDR1部分ペプチドと同等のWDR1自己抗体に対する特異性または力価測定精度を有するものであってもよい。
WDR1部分ペプチドは公知の方法にて得ることができきる。公知のペプチド合成方法を用いてWDR1部分ペプチドを得てもよい。WDR1部分ペプチドの変異体および誘導体も公知の方法を用いて製造することができる。
フィブロネクチン1部分ペプチドは、フィブロネクチン1タンパク質の一部分の連続したアミノ酸残基からなるペプチドである。フィブロネクチン1タンパク質はいずれの生物種に由来するものであってもよいが、好ましくは、試料を採取する対象と同じ生物種由来のものである。フィブロネクチン1タンパク質のアミノ酸配列は公知である。
フィブロネクチン1部分ペプチドは変異体であってもよい。フィブロネクチン1部分ペプチドの変異体は、フィブロネクチン1部分ペプチドを構成する1個ないし数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されている、あるいは1個ないし数個のアミノ酸残基が欠失または付加されているペプチドをいう。数個とは1個~6個であってもよく、好ましくは1個~3個、より好ましくは1個または2個、さらに好ましくは1個である。アミノ酸残基の置換は、保存的アミノ酸置換が好ましい。保存的アミノ酸置換は公知である。
フィブロネクチン1部分ペプチドの変異体は誘導体であってもよい。誘導体化としてはリン酸化、アミド化、アセチル化、アルキル化、標識化などが例示されるが、これらに限定されない。標識としては放射性標識、蛍光標識、発光標識、ペプチドタグ、酵素、抗体などが例示されるが、これらに限定されない。
フィブロネクチン1部分ペプチド、その変異体または誘導体はチップやその他の担体に固定化されていてもよい。
フィブロネクチン1部分ペプチドの変異体または誘導体は、元のフィブロネクチン1部分ペプチドと同等の特性を有するものであり、例えば、元のフィブロネクチン1部分ペプチドと同等のフィブロネクチン1自己抗体に対する特異性または力価測定精度を有するものであってもよい。
フィブロネクチン1部分ペプチドは公知の方法にて得ることができきる。公知のペプチド合成方法を用いてフィブロネクチン1部分ペプチドを得てもよい。フィブロネクチン1部分ペプチドの変異体および誘導体も公知の方法を用いて製造することができる。
上記方法において、WDR1部分ペプチドおよび/またはフィブロネクチン1部分ペプチドを単独で用いてもよい。これらのペプチドを2種以上組み合わせて用いることにより、がんの有無の判定および進行がんの検出を高い精度で効率的に行うことができる。
上記方法にて有無を判定されるがんはいずれの種類のがんであってもよいが、好ましくは、甲状腺、副甲状腺、副腎、ランゲルハンス島、精巣、卵巣、乳腺、前立腺など(これらに限定されない)の分泌腺組織に生じるがんであり、より好ましくは甲状腺がんである。
本発明のWDR1部分ペプチドまたはその変異体、およびフィブロネクチン1部分ペプチドまたはその変異体を用いて抗WDR1抗体力価および抗フィブロネクチン1抗体力価を測定すると、良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清と比較して、進行がんおよび非進行がん患者血清におけるこれらの抗体力価が高い。さらに、非進行がん患者血清と比較して、進行がん患者血清におけるこれらの抗体力価が高い。これらより、本発明の部分ペプチドまたはその変異体を用いて、対象におけるがんの有無の判定、および進行癌の検出を高い精度で効率良く行えることがわかる。
試料中の抗WDR1抗体の力価が高いほど、対象ががんを有する可能性が高く、しかもがんが進行がんである可能性があると判定することができる。試料中の抗WDR1抗体の力価の高低を判定する基準として、がんを有していない対象または良性の腫瘍または疾患を有する対象の試料中の抗WDR1抗体力価を用いてもよい。
試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価が高いほど、対象ががんを有する可能性が高く、しかもがんが進行がんである可能性があると判定することができる。試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価の高低を判定する基準として、がんを有していない対象または良性の腫瘍または疾患を有する対象の試料中の抗フィブロネクチン1抗体力価を用いてもよい。
上記方法により進行がんを高い精度で効率よく検出することができる。進行がんを検出する場合、試料中の抗WDR1抗体の力価の高低を判定する基準として、非進行がんを有する対象の試料中の抗WDR1抗体力価を用いてもよい。進行がんを検出する場合、試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価の高低を判定する基準として、非進行がんを有する対象の試料中の抗フィブロネクチン1抗体力価を用いてもよい。進行癌の検出において、WDR1-33ペプチドを用いることが好ましい。
抗体力価の測定は当業者に公知である。例えばELISA法を用いて抗体力価を測定してもよい。
進行がんは、ある程度進行したがんをいう。典型的にはステージII以上のがんをいう。非進行がんは、進行がんよりも進行していないがんをいう。典型的にはステージI以下のがんをいう。進行がんの例として、甲状腺がんの場合には、ステージII以上の濾胞上皮がん(乳頭がん、濾胞がん)および未分化がんが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、さらなる態様において、
WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを含む、対象におけるがんの有無を判定するためのキット
を提供する。本発明のキットはさらに抗WDR1抗体力価および/または抗フィブロネクチン1抗体力価を測定するための手段を含んでいてもよく、例えばELISA用試薬や器具を含んでいてもよい。通常は、キットに取扱説明書が添付される。本発明のキットを用いて、がんの有無の判定および進行がんの検出を高い精度で効率的に行うことができる。
本発明は、さらなる態様において、
WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)またはその変異体、
WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)または変異体、
WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)またはその変異体、
WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)またはその変異体、
WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)またはその変異体、
WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)またはその変異体、および
WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7)またはその変異体
からなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いることを特徴とする、対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定する方法
を提供する。本発明の方法を用いることにより、抗WDR1抗体の力価を高い精度で測定することができる。
本発明は、もう1つの態様において、
1種またはそれ以上の上記ペプチドまたはその変異体を含む、対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定するためのキット
を提供する。本発明のキットはさらに抗WDR1抗体力価を測定するための手段を含んでいてもよく、例えばELISA用試薬や器具を含んでいてもよい。通常は、キットに取扱説明書が添付される。本発明のキットを用いることにより、抗WDR1抗体の力価を高い精度で測定することができる。
本発明は、さらなる態様において、
フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)またはその変異体、
フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)またはその変異体、
フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)またはその変異体、
フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)またはその変異体、および
フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12)またはその変異体
からなる群より選択される1種またはそれ以上のペプチドを用いることを特徴とする、対象由来の試料中の抗フィブロネクチン抗体の力価を測定する方法
を提供する。本発明の方法を用いることにより、抗フィブロネクチン1抗体の力価を高い精度で測定することができる。
本発明は、もう1つの態様において、
1種またはそれ以上の上記ペプチドまたはその変異体を含む、対象由来の試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価を測定するためのキット
を提供する。本発明のキットはさらに抗フィブロネクチン1抗体力価を測定するための手段を含んでいてもよく、例えばELISA用試薬や器具を含んでいてもよい。通常は、キットに取扱説明書が添付される。本発明のキットを用いることにより、抗フィブロネクチン1抗体の力価を高い精度で測定することができる。
以下に実施例を示して本発明をより詳細かつ具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1:WDR1部分ペプチドを用いる対象中のがんの有無の判定および進行がんの検出
(1)WDR1部分ペプチドの選定
本発明者らは、以前、GST結合組み換えWDR1を用いて抗体力価の測定を行ったが、以下のような課題があった。すなわち、WDR1の構造上、疎水性領域に富み、大腸菌、酵母などを用いた発現系にて安定した抗原蛋白の供給が困難であった。また、GST結合タンパクからGSTを切り離すとWDR1が不安定化するため、コントロールとしてGSTを用いることが必須であった。さらに、GST結合WDR1の精製には、封入体の破砕や透析の処理が必要となり、長期保存で断片化が生じるなど、長期保存にも問題があった。
そこで本発明者らは、WDR1の立体構造予測に基づいて、WDR1抗体との反応性が期待される領域を網羅する合成ペプチドライブラリーを作製した。ペプチドの長さは、WDR1に対する選択性および特異性、合成のしやすさ、合成品の純度等を考慮して、試行錯誤の末、約10~約15アミノ酸が好ましいと考えられた。
作製したペプチドライブラリーを、Izawa S et al, Clinical Endocrinology 2013, 79:35-42において陽性コントロールとして用いた血清を含む抗WDR1高力価陽性の検体、および良性甲状腺結節の患者血清を含む検体と反応させ、前者が統計学的に有意に高値を示すペプチドを選定した。その結果、以下のWDR1部分ペプチドを選定した:
WDR1-2:Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser(配列番号:1)
WDR1-9:Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser(配列番号:2)
WDR1-16:Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala(配列番号:3)
WDR1-21:Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val(配列番号:4)
WDR1-24:Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr(配列番号:5)
WDR1-33:Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn(配列番号:6)
WDR1-37:Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu(配列番号:7)。
(2)対象血清試料中の抗WDR1抗体力価と対象におけるがんの有無および進行がんの存在との関連性
対象血清試料中のWDR1抗体力価はELISA法により測定した。以下にELISA法の手順を説明する。
(i)ペプチドプレートの作製
ペプチド濃度が10μg/mLとなるように0.1Mカーボネートバッファー(pH9.6)にて希釈し、プレートへ塗布し、4℃で一晩静置にて反応させた。反応後、0.01% Tween/PBSにて3回洗浄し、0.5%ヤギ血清、0.2%ゼラチン/PBSにてブロッキングした(室温、1時間以上反応)。その後0.01%Tween/PBSにて洗浄した。
(ii)血清試料中のWDR1抗体力価の測定
血清試料を0.5%ヤギ血清、0.2%ゼラチン/PBSにて1/500希釈し、(i)のペプチドプレートで4℃、1時間、静置にて反応させた。反応後、0.01% Tween/PBSにて3回洗浄した。二次抗体(Anti-Human IgG (H+L),HRP Conjugate/Promega)を0.5%ヤギ血清、0.2%ゼラチン/PBSにて1/5000希釈し、ペプチドプレートで室温、1時間、静置にて反応させた。反応後、0.01% Tween/PBSにて3回洗浄した。酵素基質液(TMB+/Dako)と反応させ、室温で10分静置して発色させた。1N硫酸にて反応を停止させ、450nmの吸光度を測定した。
(3)結果
WDR1-2ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。進行甲状腺がんは未分化がん(9例)およびステージII以上の進行甲状腺乳頭がん(7例)であった(フィブロネクチン1-20ペプチドおよびフィブロネクチン1-29ペプチドを用いた実験を除き、以下の実験でも同じ)。非進行甲状腺がんはステージIの甲状腺乳頭がんであった(以下の実験でも同じ)。自己免疫性甲状腺疾患はバセドウ病(10例)および慢性甲状腺炎(5例)であった(以下の実験でも同じ)。結果を図1に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-2ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
WDR1-9ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図2に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-9ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
WDR1-16ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図3に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-16ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
WDR1-21ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図4に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-21ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
WDR1-24ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図5に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-24ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
WDR1-33ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図6に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価の約2倍であった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-33ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんの検出に好適であることがわかった。
WDR1-37ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図7に示す。進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のWDR1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してWDR1抗体力価は低値であった。これらの結果から、WDR1-37ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
実施例2:フィブロネクチン1部分ペプチドを用いる対象中のがんの有無の判定および進行がんの検出
(1)フィブロネクチン1部分ペプチドの選定
本発明者らは、以前、組み換えフィブロネクチン1を用いて抗体力価の測定を行ったが、WDR1の場合と同様、タンパクの製造上の問題や長期保存性に関する問題があった。
そこで本発明者らは、WDR1の場合と同様の手法にて、以下のフィブロネクチン1部分ペプチドを選定した:
フィブロネクチン1-19:Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile(配列番号:8)
フィブロネクチン1-20:Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly(配列番号:9)
フィブロネクチン1-27:Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser(配列番号:10)
フィブロネクチン1-29:Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile(配列番号:11)
フィブロネクチン1-30:Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys(配列番号:12)。
(2)対象血清試料中の抗フィブロネクチン1抗体力価と対象におけるがんの有無および進行がんの存在との関連性
実施例1にて説明したELISA法により、甲状腺患者の血清試料中の抗フィブロネクチン1抗体力価を測定した。
(3)結果
フィブロネクチン1-19ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図8に示す。進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してフィブロネクチン1抗体力価は低値であった。これらの結果から、フィブロネクチン1-19ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
フィブロネクチン1-27ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図9に示す。進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してフィブロネクチン1抗体力価は低値であった。これらの結果から、フィブロネクチン1-27ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
フィブロネクチン1-30ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=16)、非進行甲状腺がん患者血清(n=8)、良性甲状腺結節患者血清(n=14)、自己免疫性甲状腺疾患患者血清(n=15)および正常コントロール対象血清(n=7)との反応をELISAにて検討した。結果を図10に示す。進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価が最も高く、次に非進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価が高かった。良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してフィブロネクチン1抗体力価は低値であった。これらの結果から、フィブロネクチン1-30ペプチドは、高い精度で甲状腺がんを検出でき、しかも進行がんを効率的に検出できることがわかった。
フィブロネクチン1-20ペプチドおよびフィブロネクチン1-29ペプチドについても同様に実験を行い、上記と同様の結果を得た。
フィブロネクチン1-20ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=7)、非進行甲状腺がん患者血清(n=4)との反応をELISAにて検討した。進行甲状腺がんは未分化がん(3例)およびステージII以上の進行甲状腺乳頭がん(4例)であった。結果を図11に示す。進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価は非進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価より高かった。この結果から、フィブロネクチン1-20ペプチドは、進行がんを効率的に検出できることがわかった。また、良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してフィブロネクチン1抗体力価は低値であったことから(データ示さず)、フィブロネクチン1-20ペプチドは、甲状腺がんの検出に使用できることがわかった。
フィブロネクチン1-29ペプチドと、進行甲状腺がん患者血清(n=7)、非進行甲状腺がん患者血清(n=4)との反応をELISAにて検討した。進行甲状腺がんは未分化がん(3例)およびステージII以上の進行甲状腺乳頭がん(4例)であった。結果を図12に示す。進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価は非進行甲状腺がん患者血清のフィブロネクチン1抗体力価より高かった。この結果から、フィブロネクチン1-29ペプチドは、進行がんを効率的に検出できることがわかった。また、良性甲状腺結節患者血清、自己免疫性甲状腺疾患患者血清および正常コントロール対象血清では、進行甲状腺がん患者血清および非進行甲状腺がん患者血清と比較してフィブロネクチン1抗体力価は低値であったことから(データ示さず)、フィブロネクチン1-29ペプチドは、甲状腺がんの検出に使用できることがわかった。
本発明は、がんの診断キットの製造、がんの研究などにおいて利用可能である。
配列番号:1はWDR1-2ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:2はWDR1-9ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:3はWDR1-16ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:4はWDR1-21ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:5はWDR1-24ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:6はWDR1-33ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:7はWDR1-37ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:8はフィブロネクチン1-19ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:9はフィブロネクチン1-20ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:10はフィブロネクチン1-27ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:11はフィブロネクチン1-29ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号:12はフィブロネクチン1-30ペプチドのアミノ酸配列である。

Claims (8)

  1. 対象における甲状腺がんの有無を判定するための方法であって、
    (I):
    WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)、
    WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)、
    WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)、
    WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)、
    WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)、
    WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)、および
    WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7
    らなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いて対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定すること、および/または
    (II):
    フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)、
    フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)、
    フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)、
    フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)、および
    フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12
    らなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いて対象由来の試料中の抗フィブロネクチン1抗体の力価を測定すること
    を含む方法。
  2. 甲状腺がんが進行がんである、請求項記載の方法。
  3. WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)、
    WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)、
    WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)、
    WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)、
    WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)、
    WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)、
    WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7
    フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)、
    フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)、
    フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)、
    フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)、および
    フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12
    らなる群より選択される1種または2種のペプチドを含む、対象における甲状腺がんの有無を判定するためのキット。
  4. 甲状腺がんが進行がんである、請求項記載のキット。
  5. WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)、
    WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)、
    WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)、
    WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)、
    WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)、
    WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)、および
    WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7
    らなる群より選択される1種または2種のペプチドを用いることを特徴とする、対象由来の試料中の抗WDR1抗体の力価を測定する方法。
  6. WDR1-2ペプチド(Ser-Phe-Ala-Gly-Lys-Gly-His-Thr-Asn-Gln-Val-Ser)(配列番号:1)、
    WDR1-9ペプチド(Val-Arg-Tyr-Thr-Ser-Leu-Met-Leu-Arg-Asp-Tyr-Ser)(配列番号:2)、
    WDR1-16ペプチド(Pro-Lys-Cys-Val-Ala-Val-Gly-Pro-Gly-Gly-Tyr-Ala)(配列番号:3)、
    WDR1-21ペプチド(Phe-Ser-Ile-Asp-Asn-Pro-Gly-Tyr-Glu-Pro-Glu-Val)(配列番号:4)、
    WDR1-24ペプチド(Glu-Gly-Lys-Leu-Leu-Glu-Ala-Lys-Gly-Pro-Val-Thr)(配列番号:5)、
    WDR1-33ペプチド(Val-Phe-Ser-Val-Ala-Asp-Gly-Tyr-Ser-Glu-Asn-Asn)(配列番号:6)、および
    WDR1-37ペプチド(Met-Met-Val-Tyr-Val-Trp-Thr-Leu-Ser-Asp-Pro-Glu)(配列番号:7
    らなる群より選択される1種または2種のペプチドを含む、抗WDR1抗体の力価を測定するためのキット。
  7. フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)、
    フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)、
    フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)、
    フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)、および
    フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12
    らなる群より選択される1種またはそれ以上のペプチドを用いることを特徴とする、対象由来の試料中の抗フィブロネクチン抗体の力価を測定する方法。
  8. フィブロネクチン1-19ペプチド(Arg-Thr-Ile-Lys-Pro-Asp-Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile)(配列番号:8)、
    フィブロネクチン1-20ペプチド(Val-Arg-Ser-Tyr-Thr-Ile-Thr-Gly-Leu-Gln-Pro-Gly)(配列番号:9)、
    フィブロネクチン1-27ペプチド(Ser-Asn-Leu-Arg-Phe-Leu-Ala-Thr-Thr-Pro-Asn-Ser)(配列番号:10)、
    フィブロネクチン1-29ペプチド(Leu-Leu-Val-Ser-Trp-Gln-Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile)(配列番号:11)、および
    フィブロネクチン1-30ペプチド(Pro-Pro-Arg-Ala-Arg-Ile-Thr-Gly-Tyr-Ile-Ile-Lys)(配列番号:12
    らなる群より選択される1種またはそれ以上のペプチドを含む、抗フィブロネクチン抗体の力価を測定するためのキット。
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