JP7010974B2 - 電力変換装置および自励振動ヒートパイプの製造方法 - Google Patents

電力変換装置および自励振動ヒートパイプの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自励振動ヒートパイプを適用した電力変換装置および自励振動ヒートパイプの製造方法に関し、鉄道車両用の電力変換装置として好適である。
自励振動ヒートパイプは、一般的に、mmオーダーの一筆書き細径蛇行流路により構成されており、表面張力により液柱と気柱が交互に存在する状態で作動液が封入されている。流路中には、複数の受熱部(高温部)および放熱部(低温部)が交互に設けられており、受熱部における突沸による圧力上昇と、放熱部における凝縮による圧力減少により、液柱と気柱が自励的に振動し、熱の輸送を行う。
自励振動ヒートパイプは、従来のヒートパイプとは異なり、重力による還流を必要としないため、設置姿勢が自由であり、従来のヒートパイプに比べて小型にできるといった利点を持つ。
また、特許文献1には、多孔扁平管の細孔群を、その両端部に近接した部分において相互に連結し、この扁平管が高温部と低温部を多数回往復蛇行するよう再成形した構造の自励振動ヒートパイプが記載されている。
特開平9-14875号公報
本願発明者が、自励振動ヒートパイプを鉄道車両用電力変換装置の冷却装置に適用することについて鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
鉄道車両を駆動する電動機を制御するための電力変換装置は、鉄道車両の床下等に設置されることが一般的であり、電力変換装置向け冷却装置も、同様に、床下等に設置されることが多い。鉄道車両は、野外を走行するため様々な環境下での使用が想定されるだけでなく、速度変化によって外部の温度変化の影響をより強く受けることとなる。そのため、鉄道車両用電力変換装置の冷却装置は、様々な環境下で動作することが求められる。
一方、自励振動ヒートパイプは、流路に接する受熱部と放熱部の数が多い程、重力依存性が小さくなる傾向があるため、一筆書き蛇行流路構造が一般的に採用されている。しかし、自励振動ヒートパイプは流路径が非常に小さいため、一筆書き蛇行流路構造のように流路長が長い構造では、鉄道車両に適用する際に、以下のような課題に直面する。
自励振動ヒートパイプは、作動液が自励振動によって移動することで熱を輸送する。そのため、作動液の移動抵抗が大きいと、作動液が振動しづらくなり冷却性能が低下する。この移動抵抗の大きさは、例えば、作動液の粘度に依存するが、温度が低下すると作動液の粘度は上昇する傾向があるため、低温環境下において自励振動ヒートパイプの冷却性能が低下する、もしくは自励振動ヒートパイプが動作を停止することが懸念される。
このように、冷却性能が低下した場合、冷却風が低温であっても発熱体が十分に冷却されず発熱体の周辺は高温になり、冷却装置が求められる冷却効果を満足できない可能性がある。
また、特許文献1に記載された一筆書き蛇行流路構造では、流路長が長いために低温環境下で粘度の影響を受けやすく、使用可能な温度範囲が十分でないことが懸念される。
そしてまた、自励振動ヒートパイプは、発熱量が小さいときに、気泡が振動しづらい傾向がある。特に、鉄道車両用電力変換装置は、電動機を駆動している時の発熱量は一般的に大きいが、惰行時など電動機を駆動せず発熱量が小さい状態もあり、つまり発熱量の変化幅が大きい。このため、最大発熱量のみを想定して自励振動ヒートパイプの流路長を長く設計したり、流路に分岐を設けて設計した場合、作動液の粘度が上昇する低発熱量での性能が低下する恐れがある。
さらに、一般的な一筆書き蛇行流路構造や、特許文献1のように扁平管が両端部で連結した構造では、鉄道車両の走行時に飛来物の衝突により流路の一部に穴が空いた場合、破損した箇所から作動液が漏れ出し、その影響が全体におよび、自励振動ヒートパイプが動作不能となる不具合が懸念される。このように、特に野外での走行により飛来物の衝突可能性が高い鉄道車両用電力変換装置への適応には、信頼性の面で懸念がある。
本発明の目的は、鉄道車両といった移動体に使用する自励振動ヒートパイプを備える冷却装置として、使用可能な温度範囲を拡大し、かつ、突発的に流路に穴が空いた場合の性能劣化を小さくし、信頼性を向上させることにある。
本発明に係る電力変換装置は、電力変換回路を構成する半導体素子と、半導体素子から発生する熱を冷却する冷却装置とを備え、冷却装置は自励振動ヒートパイプを備え、自励振動ヒートパイプは並列に配置された複数の密閉流路を有することを特徴とする。
本発明によれば、作動液の粘度が上昇する低温環境下においても、作動液の移動抵抗を小さく抑え、自励振動ヒートパイプを備える冷却装置として、使用可能な温度範囲を拡張することができる。また、飛来物の衝突等により一部の流路が破損した場合にも、被害を破損した流路のみの最小限にとどめ、残りを自励振動ヒートパイプとして動作可能とすることにより、冷却性能の劣化を最小限に抑えることができる。
実施例1における、鉄道車両に搭載された電力変換装置の構成図。 実施例1における、電力変換装置の冷却装置を鉄道車両の進行方向から見た断面図。 実施例1における、電力変換装置の冷却装置の斜視図。 実施例1における、電力変換装置に設けた自励振動ヒートパイプの流路構造の概略図。 実施例1における、電力変換装置に設けた自励振動ヒートパイプの断面構造を示す、図4におけるA-A断面図。 実施例1における、自励振動ヒートパイプが受熱部と放熱部を交互に往復するよう蛇行する場合の構造を示す斜視図。 実施例2における、電力変換装置に搭載される自励振動ヒートパイプの流路構造を示す概略図。 実施例3における、電力変換装置に搭載される自励振動ヒートパイプの作動液封入前段階までの製造工程を示す概略図。 実施例3における、電力変換装置に搭載される自励振動ヒートパイプの製造方法の第四および第五工程を示す、図8におけるB-B断面図。 実施例4における、電力変換装置に搭載される自励振動ヒートパイプの作動液封入前段階までの流路工程を示す概略図。 実施例5における、電力変換装置の構造を示す斜視図。 実施例6における、電力変換装置の構造を示す斜視図。 実施例7における、電力変換装置の構造を示す斜視図。 実施例8における、電力変換装置の構造を示す斜視図。 実施例9における、電力変換装置に設けた自励振動ヒートパイプの流路構造の概略図。 実施例10における、電力変換装置に設けた自励振動ヒートパイプの流路構造の概略図。
実施例では、電力変換回路を構成する半導体素子と、半導体素子から発生する熱を冷却する冷却装置とを備えた鉄道車両用電力変換装置において、冷却装置が、その少なくとも一部が並列に配置された複数の密閉流路を有する自励振動ヒートパイプを備えることを開示する。
また、実施例では、その少なくとも一部が並列に配置された複数の流路の一端を連通させ、複数の流路に同時に作動液を流し込み、連通を解消することにより、その少なくとも一部が並列に配置された複数の密閉流路を作製する、鉄道車両用電力変換装置の冷却装置に用いる自励振動ヒートパイプの製造方法を開示する。
また、実施例では、複数の密閉流路が、自励振動ヒートパイプの長手方向に平行な直線形状であることを開示する。
また、実施例では、複数の密閉流路がU字形状であることを開示する。
また、実施例では、複数の密閉流路が同じ長さであることを開示する。
また、実施例では、自励振動ヒートパイプの長手方向の一端が、圧潰されていることを開示する。また、実施例では、複数の流路を圧潰することにより、その少なくとも一部が並列に配置された複数の密閉流路を作製することを開示する。
また、実施例では、自励振動ヒートパイプが、その長手方向に波型に折り曲げられた構造であることを開示する。
また、実施例では、複数の流路の一端にある仕切り部を除去し、封止部材を接合することにより、複数の流路に作動液を流し込むためのヘッダ部を形成することを開示する。
また、実施例では、波型に折り曲げた自励振動ヒートパイプが受熱部材に支持され、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端が、受熱部材からはみ出すように長い構造であることを開示する。
また、実施例では、波型に折り曲げた自励振動ヒートパイプが受熱部材に支持され、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端が、受熱部材から浮き上がるように折り曲げられた構造であることを開示する。
また、実施例では、波型に折り曲げた自励振動ヒートパイプが受熱部材に支持され、受熱部材が、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端の周辺を切り欠いた構造であることを開示する。
また、実施例では、波型に折り曲げた自励振動ヒートパイプが受熱部材に支持され、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端が、受熱部材の受熱面から鉛直上向きを向いていることを開示する。
また、実施例では、複数の密閉流路の一部が連通されていることを開示する。
以下では、上記およびその他の本発明の新規な特徴と効果について図面を参酌して説明する。なお、図面は、本発明の理解のために用いるものであり、権利範囲を限縮するものではない。
図1は、本実施例における、鉄道車両に搭載された電力変換装置の構成図である。電力変換装置は、鉄道車両200の車体床下等に設けられ、鉄道車両200を駆動する電動機(図示せず)に供給する電力の周波数を変えることにより、電動機の回転速度の制御を行う。
電力変換装置は、複数のパワー半導体モジュール11と電子部品20とを備えたパワーユニット(電力変換回路)と、パワーユニット動作時に発生する熱を冷却する冷却装置とを有する。
図1において、電力変換装置は、例えば、鉄道車両200の車体の底部に吊り下げられた状態で固定されている。
以下、パワーユニットを含む電力変換装置と、パワーユニットを冷却する冷却装置の各構成について説明する。
図2は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置を鉄道車両の進行方向から見た断面図である。矢印101と102は、鉄道車両(図1参照)の進行方向への走行により生じる走行風の方向を示す。鉄道車両は、前後いずれの方向にも移動するので、それに伴って、矢印101または102のいずれかの方向に走行風が生じることになる。
冷却装置は、受熱部材10、自励振動ヒートパイプ12、およびフィン13を有する。
図3は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置の斜視図である。受熱部材10の上面には、パワー半導体モジュール11が、複数個、整列設置されている。受熱部材10は、例えば、アルミニウム合金、鉄、銅、等の金属から成る。パワー半導体モジュール11は、複数のパワー半導体素子を含む。パワー半導体素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等である。
パワー半導体モジュール11は、グリース等の部材(図示せず)を介して、ねじ等(図示せず)によって、受熱部材10の一面(上面)に固定される。
受熱部材10においてパワー半導体モジュール11を設置する側の面(図3の上側)には、図1に示すように密閉されたケースであるインバータ箱21が設けられ、当該ケース内には、フィルタコンデンサおよび、IGBTまたはMOSFETを駆動するための回路等の電気部品20が設置されている。
また、受熱部材10においてパワー半導体モジュール11を設置する面の反対側の面(図3の下側)には、放熱部3が設けられる。
放熱部3は、例えば、自励振動ヒートパイプ12、アルミニウム合金等からなる波型のフィン13により構成される。フィン13は、本実施例では波型のフィンを用いているが、その他のフィンを用いることもできる。図2に示す自励振動ヒートパイプ12は、板状のヒートパイプをヒートパイプの長手方向に波型に折り曲げた形状としている。
受熱部材10、自励振動ヒートパイプ12およびフィン13のそれぞれは、ロウ付け等によって固定される。
図4は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置として用いる自励振動ヒートパイプの流路構造を示す概略図である。自励振動ヒートパイプ12は、並行並列に整列した、各列で相互に連通の無い密閉された複数の作動液流路1により構成されている。作動液流路1の間には仕切り部4が設けられている。流路径および仕切り部4の幅は、それぞれmmオーダーであり、流路長は流路径に比べて十分に長い。
図5は、図4に示す自励振動ヒートパイプの断面構造を、図4のA-A断面として示す図である。自励振動ヒートパイプ12の厚みは、熱伝導性や加工のしやすさからmmオーダー程度に設定される。
一般的に、自励振動ヒートパイプは流路径が非常に小さいことから、作動液の移動抵抗が粘度上昇の影響を受けやすく、低温環境下での粘度上昇の影響が懸念される。しかし、本実施例のような流路構造では、密閉流路が自励振動ヒートパイプ12の面内方向に蛇行ターン部分をもたない。このように、自励振動ヒートパイプ12の密閉流路に蛇行ターン部分が存在しないこと、また流路長が短いことから、一筆書き蛇行流路構造の従来技術に比べて作動液の移動抵抗が小さくなり、気柱と液柱が動きやすくなり、冷却性能の向上が図れる。さらに、本実施例のような流路構造では、一筆書き蛇行流路構造の従来技術に比べて、作動液の移動抵抗を小さくできるため、冷却装置として使用可能な温度範囲が広がる。
また、作動液の移動抵抗が小さいことから、気泡が振動しづらい小さな発熱量領域でも自励振動ヒートパイプとして動作せしめることができる。これにより、鉄道車両用電力変換装置のように大電力を扱うに当たっては最大熱輸送量を想定するが、惰行時といった発熱量が小さい場合にも対応させることが可能であり、すなわち、発熱量の範囲が広い場合にも適用できる。
また、自励振動ヒートパイプは、作動液流路1の周囲の肉厚が薄いため、飛来物の衝突等により破損する可能性が高い。しかし、本実施例のような相互に連通の無い複数の流路を持つ流路構造は、自励振動ヒートパイプ12のどこか一箇所が破損した場合にも、被害を穴の空いたなどの破損した流路のみにとどめ、残りの流路は、自励振動ヒートパイプとして動作し続けさせることにより、冷却性能の劣化を低減させる役割を果たしている。
また、本実施例において、冷却性能は、連通のない密閉流路の場合と同等程度である。そのため、流路単位の平均的な冷却性能を見積もることができる。これにより、全流路のうちで破損した流路本数の割合や、流路本数を増減させたときの冷却性能の変化を推定できる。
図6は、本実施例における自励振動ヒートパイプが、受熱部と放熱部とを交互に往復する蛇行構造である場合の斜視図である。自励振動ヒートパイプ12が、受熱部2と放熱部3とを交互に往復するよう蛇行し、波型に折り曲げられた形状である一例を示している。
蛇行ピッチおよび蛇行の幅は、一定であり、受熱部2は、受熱部材10と接触できるよう平面とする。ここで、蛇行ピッチとは、自励振動ヒートパイプ12の隣り合う蛇行ターン同士の距離のことをいう。また、蛇行の幅とは、自励振動ヒートパイプ12の受熱部2から、放熱部3の先端部分までの距離のことをいう。
放熱部3は、受熱部材と接触している部分以外であり、自励振動ヒートパイプ12の間に自然対流や車両走行風等を取り込むことにより放熱を行う。
以上の構造とすることにより、一つの流路中に複数の受熱部と放熱部とが交互に存在する構造となるため、自励振動ヒートパイプとして動作させることができる。また、自励振動ヒートパイプ12の受熱部2は、受熱部材10や発熱体に取り付けやすい構造を有している。
また、受熱部2と放熱部3との間に、流路外部と受熱も放熱も行わないが熱の輸送は行う断熱部が存在してもよい。受熱部2と放熱部3との間の距離は、作動液の振動により受熱部2の作動液が放熱部3に到達する程度に短い必要がある。
自励振動ヒートパイプに用いる作動液としては、例えば、水、アルコール類、ブタン等の炭化水素類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロエーテル類、ハイドロフルオロオレフィン類、パーフルオロケトン類等を用いる。
特に、鉄道車両用電力変換装置の冷却装置に自励振動ヒートパイプを適用する場合に、作動液としては、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)類であるR1336mzz(Z)が望ましい。以下に、R1336mzz(Z)の利点について述べる。
a)R1336mzz(Z)は臨界温度が170℃程度であることから、パワー半導体モジュール11を170℃程度まで上昇させて使用する際にも、自励振動ヒートパイプ12の冷却性能を維持することができる。
b)R1336mzz(Z)は塩素を含有していないことから、アルミニウム合金に対し化学的に安定しており、自励振動ヒートパイプ12の材質としてアルミニウム合金を用いる際には、流路内から自励振動ヒートパイプ12を腐食させることなく、長期間にわたり冷却性能を維持することができる。
c)R1336mzz(Z)は不燃性、低毒性であることから、飛来物の衝突等により一部の流路が破損し、作動液が大気中に放出された場合においても安全性を確保することができる。
d)R1336mzz(Z)は他の一部の作動液で必要な脱気工程を必要としないため、自励振動ヒートパイプ12を製造する際の工程を少なくすることができる。
なお、R1336mzz(Z)の代わりに、R1224yd(Z)、R1234yf、R1234ze(E)、R1123、R1234ze(Z)、R1336mzz(E)、R1233zd(Z)またはR1233zd(Z)などのHFO類を用いてもよい。HFO類は地球温暖化係数およびオゾン層破壊係数が低いことから、飛来物の衝突等により一部の流路が破損し作動液が大気中に放出された場合においても環境への影響を小さくすることができる。
次に、本実施例における冷却装置の動作について説明する。
パワー半導体素子が動作することによって生じる損失は熱となる。
パワー半導体素子から生じた熱は、受熱部材10を経て自励振動ヒートパイプ12に伝えられる。
自励振動ヒートパイプ12のうち、受熱部材10と接触している複数箇所の受熱部2で作動液流路1に封入された作動液が突沸して圧力上昇を起こす。それにより作動液が流路内で振動することで、熱は自励振動ヒートパイプ12の放熱部3の先端へと伝えられる。
さらに、放熱部3にフィン13が取り付けられている場合、自励振動ヒートパイプ12からフィン13に熱が伝えられ、鉄道車両が走行することにより生じる走行風101または102がフィン13の間を通過することにより、フィン13や自励振動ヒートパイプ12の表面から空気へと放熱される。
本実施例の構成により、冷却装置として使用可能な温度範囲および発熱量の範囲が広がるだけでなく、冷却装置の一部が飛来物の衝突等により破損した場合に従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置に比べて冷却装置全体の性能劣化を小さくして信頼性を向上させることができる。さらには、流路単位の冷却性能を見積もることができるため、全流路のうち破損した流路本数や、流路本数を変更したときの冷却性能を推定することができる。
本実施例は、実施例1と異なり、独立した密閉流路で作動液流路1をU字型としているものである。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図7は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置として用いる自励振動ヒートパイプの流路構造を示す概略図である。並列して平行に配置された流路が、自励振動ヒートパイプ12の長手方向の一方端部で連通されており、略U字型の密閉流路群が形成されている。
なお、作動液流路1の連通箇所は、自励振動ヒートパイプ12の途中でもよい。また、各密閉流路の連通箇所が統一されていなくてもよい。
さらに、一つの自励振動ヒートパイプ12の中に、実施例1のような相互に連通の無い1列の密閉流路群と、本実施例のような2列以上で相互に連通された密閉流路群とが混在してもよい。
本実施例により、従来技術に比べて、連通している各密閉流路の流路長が短いことから、冷却装置の一部が飛来物の衝突等により破損した場合に、従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置に比べて冷却装置全体の性能劣化を低減できる。
同一の密閉流路群を複数含む場合には、流路群単位の冷却性能を見積もることができ、全流路群のうち破損した流路群の数や流路群の数を増減した際の冷却性能を推定できる。
また、冷却風が出入りする面付近の流路長を短くする等、流路群を構成する流路の列数、流路長および流路群の配置を変更することにより、冷却装置の破損による性能劣化を低減できる。
本実施例は、実施例1および2に係る自励振動ヒートパイプの製造方法である。
図8は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置として用いる自励振動ヒートパイプの作動液を封入する前段階までの流路を製造する工程を示す概略図である。以下では、平行に並列して配置された相互に連通の無い複数の密閉された流路を有する自励振動ヒートパイプ12の流路構造を製造する方法の一例を示す。
図8(a)は、本実施例における流路製造の第一工程を示している。まず、長手方向に平行に並列して配置された多数の貫通孔31を有する多穴管30を準備する。
図8(b)は、本実施例における流路製造の第二工程を示している。多穴管30の一端を、多穴管30と同じ厚みと幅を持つ、板状または角状の封止部材32を、ロウ付けまたは溶接等の接合手段により接合し、封止する。または、多穴管30の一端を圧潰することにより封止してもよい。
図8(c)は、本実施例における流路製造の第三工程を示している。封止部材32と反対側の流路端において、各流路を隔てる仕切り部4の一部を隣接する流路同士が連通するように除去し、連通流路34を形成する。
図8(d)は、本実施例における流路製造の第四工程を示している。自励振動ヒートパイプの両端のうち作動液の封入口とする側に、多穴管30と同じ厚みと幅を持つ板状または角状の封止部材33を、ロウ付けまたは溶接等の接合手段により接合して、連通流路34を含むヘッダ部35を形成する。
図8(e)は、本実施例における流路製造の第五工程を示している。ヘッダ部35に作動液封入口5を取り付ける。作動液封入口5は、流路径と同等の径を持つ中空管であり、連通流路34と連通する。連通流路34と連通するのであれば、流路の一つを延長させたものでもよい。
ここで、上記した第四および第五工程を、多穴管30に対して、作動液封入口が既に取り付けられた状態の封止部材を溶接し、連通流路34を含むヘッダ部35を形成する工程に置き換えてもよい。
特許文献1に記載される蛇行流路の製造方式では、多穴管の両端の各流路を隔てる仕切り部の一部を一つおきに除去する工程が含まれる。
一方、本実施例における流路製造方法では、各流路を隔てる隔壁の一部を除去する必要がある部分は、多穴管の片側のみであり、また、連通流路34の製造時には、多穴管の流路の一列目と最終列の内側の隔壁をすべて除去すればよい。
以上のように、本実施例における流路製造方法は、特許文献1よりも流路製造が容易であるため、コストと時間を抑えられる。
また、連通流路34の先に作動液封入口5を設けることにより、一度にすべての流路に作動液を封入できる。
連通流路34と連通している各流路長が等しい場合、すべての流路に一様に作動液を流し込むことができ、冷却装置として動作する際に、各流路の冷却性能を同等にせしめる。
さらに、流路長が短いため、特許文献1よりも短時間で作動液の封入作業を終えることができる。
次に、図8で示す流路製造の工程により製造した自励振動ヒートパイプを用いて冷却装置を製造する際の工程の一例を示す。
第一の工程として、自励振動ヒートパイプ12に対して、往復幅やピッチを等しくし、かつ受熱部材と接触するための平面を有するように、複数回蛇行させる形に曲げる。
第二の工程として、自励振動ヒートパイプ12の受熱部を形成する片方の先端部に受熱部材10を接触させ、自励振動ヒートパイプ間にフィン13を取り付ける。
第三の工程として、作動液封入口5を通じて自励振動ヒートパイプ12の流路内に作動液を必要量封入する。
図9は、上記した自励振動ヒートパイプを用いて冷却装置を製造する工程の第四および第五の工程に関し、図8のB-B断面を示す図である。図9では、前記第三の工程を経てヘッダ部35において作動液流路を封止した後に、相互に連通の無い複数の密閉流路を製造する場合の工程を示す。
図9(a)および(b)は、上記した冷却装置製造の第四の工程を示している。(a)に示すように、ヘッダ部35を連通流路34のすべてが潰れるように、連通流路の圧潰位置36において、万力等の工具により圧潰する。圧潰したヘッダ部35は、(b)に示すような形状となる。
図9(c)および(d)は、上記した冷却装置製造の第五の工程を示している。(c)に示すように、圧潰したヘッダ部35を内側へ折り曲げ、自励振動ヒートパイプ12の端に近い、折り曲げた後の圧潰位置37で圧潰する。最終的に、圧潰したヘッダ部の形状は、(d)のようになる。なお、作動液封入口5(図示せず)は、折り曲げて圧潰する前または後に除去する。
以上のとおり、冷却装置を製造する際に、流路端を圧潰し、折り曲げた後再び圧潰することにより、流路の密閉性が高くなり、流路端からの冷媒漏れを防ぐ構造とすることができる。
なお、上記した流路製造の方法および冷却装置製造の方法のすべてあるいは一部を、相互に連通のある複数の流路群(実施例2の流路構造)を製造する際に適用してもよい。
本実施例により、流路製造時に高い技術を必要としないため時間とコストを抑えることができ、連通流路により作動液の封入回数を減らすことができる。また、冷却装置製造の際に、流路端を圧潰し折り曲げて再び圧潰することにより、流路の密閉性が高くなり、流路端からの冷媒漏れを防ぐことができる。
本実施例は、実施例3と異なり、作動液の封入口側の端部を、作動液封入口および連通流路付きの封止部材により封止する自励振動ヒートパイプの製造方法である。以下、実施例1乃至3との相違点を中心に説明する。
図10は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置として用いる自励振動ヒートパイプの作動液を封入する前段階までの流路製造の工程を示す概略図である。
図10(a)および(b)は、本実施例における流路製造の第一および第二工程を示している。両工程は、実施例3の第一および第二工程と同様である。
図10(c)および(d)は、本実施例における流路製造の第三工程を示している。作動液の封入口5側の端部を、多穴管と材質、厚みおよび幅が同じで、作動液封入口および連通流路付きの封止部材38により封止して、連通流路34を含むヘッダ部を形成する。作動液封入口および連通流路付きの封止部材38は、板型または角型の部材から連通流路部分を除去する等の方法によって製造する。
本実施例により、流路製造時に、実施例3と比べて流路間の隔壁を除去する工程(実施例3の第三工程)を省くことができ、接合のみによって構成される。これにより、時間とコストを抑えることができ、連通流路により作動液を封入する回数を減らすことができる。また、連通流路を形成した部材を接合するため、連通流路径が一定となり、作動液を各流路に封入する際に、流路間の作動液封入率のばらつきが小さくなる。
本実施例は、自励振動ヒートパイプを受熱部材に支持する構造に特徴を有する。以下、実施例1乃至4との相違点を中心に説明する。
図11は、本実施例における、冷却装置を含めた電力変換装置の構造を示す斜視図であり、自励振動ヒートパイプの作動液封入口側の端部構造の一例を示している。自励振動ヒートパイプ12の作動液封入口5を設けた側の端部を、受熱部材10の端部からはみ出す程度に長くして設置している。
以上のとおり、自励振動ヒートパイプ12の作動液封入側の一端を、受熱部材10からはみ出す程度に長くした形状とすることにより、自励振動ヒートパイプ12の作動液封入口5を設けた側の端部を圧潰や接合により作業する際に、作業工具を用いるための空間を確保できる。これにより、冷却装置を含めた電力変換装置を製造する時の時間とコストを抑えることができる。
本実施例は、実施例5と異なり、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端が、受熱部材から浮き上がるように折り曲げられた形状であることを特徴とする。以下、実施例1乃至5との相違点を中心に説明する。
図12は、本実施例における、冷却装置を含めた電力変換装置の構造を示す斜視図であり、本実施例における自励振動ヒートパイプの作動液封入口側の端部構造の一例を示している。自励振動ヒートパイプ12の作動液封入口5を設けた側の端部を、受熱部材10から離れる方向として受熱部材10と垂直方向に一回曲げ、さらに受熱部材10と並行方向に一回曲げることにより、作動液封入口5を設けた側の端部を受熱部材10から浮かせた構造にしている。
以上のとおり、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端を、受熱部材から浮き上がるように折り曲げた形状とすることにより、自励振動ヒートパイプ12の作動液封入口5を設けた側の端部を圧潰や接合により作業する際に、作業工具を用いるための空間を確保できる。これにより、冷却装置を含めた電力変換装置を製造する時の時間とコストを抑えることができる。
本実施例は、実施例5および6と異なり、受熱部材が、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端の周辺を切り欠いた構造であることを特徴とする。以下、実施例1乃至6との相違点を中心に説明する。
図13は、本実施例における、冷却装置を含めた電力変換装置の構造を示す斜視図であり、自励振動ヒートパイプを支持する受熱部材の構造の一例を示している。受熱部材10の作動液封入口5を設けた側の端部周辺を切り欠いた構造としている。
以上のとおり、受熱部材10が、自励振動ヒートパイプ12の作動液封入側の一端の周辺が切り欠いた構造であることにより、作動液封入口5を設けた側の自励振動ヒートパイプ12の端部を圧潰や接合により作業をする際に、作業工具を用いるための空間を確保できる。これにより、冷却装置を含めた電力変換装置を製造する時の時間とコストを抑えることができる。
本実施例は、実施例5乃至7と異なり、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の端部が、受熱部材の受熱面から鉛直上向きの構造であることを特徴とする。以下、実施例1乃至7との相違点を中心に説明する。
図14は、本実施例における、冷却装置を含めた電力変換装置の構造を示す斜視図であり、自励振動ヒートパイプの構造と受熱部材との位置関係を示している。
自励振動ヒートパイプ12の端部は、放熱部側に設けられ、作動液封入口5は、自励振動ヒートパイプ12の端部の先に受熱部材10と反対方向に設置されている。作動液封入口5は、放熱部側であれば、自励振動ヒートパイプ12のどの位置に取り付けられてもよい。
以上のとおり、自励振動ヒートパイプの作動液封入側の端部が、受熱部分から鉛直上向きに浮き上がった構造であることにより、作動液封入口5を設けた側の自励振動ヒートパイプ12の端部を圧潰や接合により作業をする際に、作業工具を用いるための空間を確保できる。これにより、冷却装置を含めた電力変換装置を製造する時の時間とコストを抑えることができる。
本実施例は、実施例1と異なり、独立した密閉流路で作動液流路1の一部が連通されていることを特徴とする。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図15は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置として用いる自励振動ヒートパイプの流路構造を示す概略図である。
平行して並列に配置された作動液流路1が、自励振動ヒートパイプ12の長手方向の両側端部で連通され、2列以上の作動液流路1から成る密閉流路群を形成し、この密閉流路群を並列に複数配置することにより、一つの自励振動ヒートパイプ12の内部に複数の密閉流路群を形成する。
なお、作動液流路1の連通箇所は、図15に示すように両端に限らず片端でもよく、自励振動ヒートパイプ12の途中でもよい。また、各密閉流路の連通箇所が統一されていなくてもよい。
さらに、一つの自励振動ヒートパイプ12の中に、実施例1のような相互に連通の無い1列の密閉流路と、本実施例のような2列以上で相互に連通された密閉流路群とが混在してもよい。
本実施例により、従来技術に比べて流路長が短いことから、冷却装置の一部が飛来物の衝突等により破損した場合に、従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置に比べて冷却装置全体の性能劣化を小さくできる。
また、同一の密閉流路群を複数含む場合には、流路群単位の冷却性能を見積もることができ、さらに、全流路群のうち破損した流路群の数や流路群の数を増減した際の冷却性能を推定できる。
ここで、冷却性能に関しては、少なくとも隣り合う流路との連通部分を有することから、単体の密閉流路に限ってみると連通のない構造の実施例1と比べて、飛来物の衝突等により破損した際の冷却性能の若干の劣化は免れないが、同じ面積当たりでは、並列する流路本数を多く取ることができることから、全体的には実施例1と大差ない冷却性能を得ることができる。また、一筆書き蛇行流路構造の従来技術に比べて、依然として流路長が短く、作動液の移動抵抗が小さいことから、冷却装置として使用可能な温度範囲を広く取ることができる。
さらに、冷却風が出入りする面付近の流路長を短くするなど、流路群を構成する流路の列数、流路長や流路群の配置を変更することにより、冷却装置の破損による性能劣化を小さくできる。
図16は、本実施例における、電力変換装置の冷却装置として用いる自励振動ヒートパイプの流路構造を示す概略図である。
本実施例は、実施例9と異なり、一つの自励振動ヒートパイプ12の内部で、平行して並列に配置される作動液流路1が、自励振動ヒートパイプ12の長手方向の両側端部で2列以上連通されて一つの密閉流路を形成し、この自励振動ヒートパイプ12を複数個設置したものである。
なお、作動液流路1の連通箇所は、図16に示すように両端に限らず片端でもよく、自励振動ヒートパイプ12の途中でもよい。また、各密閉流路の連通箇所が統一されていなくてもよい。
さらに、複数個設置した自励振動ヒートパイプ12の中に、実施例1のような相互に連通の無い1列の密閉流路を複数配置した自励振動ヒートパイプ12と、本実施例のような2列以上で相互に連通された密閉流路群を有する自励振動ヒートパイプ12とが混在してもよい。
本実施例により、従来技術に比べて流路長が短いことから、冷却装置の一部が飛来物の衝突等により破損した場合に、従来の自励振動ヒートパイプ冷却装置に比べて冷却装置全体の性能劣化を小さくできる。
また、同一の密閉流路群を有する自励振動ヒートパイプ2を複数個備える場合には、自励振動ヒートパイプ単位の冷却性能を見積もることができ、全ての自励振動ヒートパイプのうち破損した自励振動ヒートパイプの数や自励振動ヒートパイプの数を増減した際の冷却性能を推定できる。
ここで、冷却性能に関しては、少なくとも隣り合う流路との連通部分を有することから、単体の密閉流路に限ってみると連通のない構造の実施例1と比べて、飛来物の衝突等により破損した際の冷却性能の若干の劣化は免れないが、同じ面積当たりでは、並列する流路本数を多く取ることができることから、全体的には実施例1と大差ない冷却性能を得ることができる。また、一筆書き蛇行流路構造の従来技術に比べて、依然として流路長が短く、作動液の移動抵抗が小さいことから、冷却装置として使用可能な温度範囲を広く取ることができる。さらに、単体の自励振動ヒートパイプ12が、実施例1や実施例9に比べてコンパクトなサイズとなることから、設置箇所のスペースに柔軟に対処することが可能である。
また、冷却風が出入りする面付近の流路長を短くするなど、流路群を構成する流路の列数、流路長や流路群の配置を変更することにより、冷却装置の破損による性能劣化を小さくできる。
1:作動液流路
2:受熱部
3:放熱部
4:仕切り部
5:作動液封入口
10:受熱部材
11:パワー半導体モジュール
12:自励振動ヒートパイプ
13:フィン
20:電気部品
21:インバータ箱
30:多穴管
31:貫通孔
32:封止部材
33:作動液封入口側の封止部材
34:連通流路
35:ヘッダ部
36:連通流路の圧潰位置
37:折り曲げた後の圧潰位置
38:作動液封入口および連通流路付き封止部材
101、102:走行風の方向
200:鉄道車両

Claims (20)

  1. 電力変換回路を構成する半導体素子と、
    前記半導体素子から発生する熱を冷却する冷却装置と
    を備える電力変換装置において、
    前記冷却装置は、自励振動ヒートパイプおよび受熱部材を用いて構成され、
    前記自励振動ヒートパイプは、自らの長手方向に平行で並列に2列以上配置した直線形状の作動液流路を当該長手方向の両側端部で連通して形成した密閉流路群が並列に複数配置され、さらに自らの長手方向に波型に折り曲げられた構造であり、
    前記受熱部材は、前記半導体素子が自らの片面に設置され、前記波型に折り曲げられた前記自励振動ヒートパイプの当該波型の一方側の頂部部分が平面として前記片面の反対面に接触して当該自励振動ヒートパイプを支持する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載された電力変換装置において、
    前記密閉流路群は、前記自励振動ヒートパイプの長手方向に同じ長さである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2に記載された電力変換装置において、
    前記自励振動ヒートパイプは、自らの長手方向の一端が圧潰された構造を有する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載された電力変換装置において、
    前記自励振動ヒートパイプは、前記複数個並列に配置した前記密閉流路群の少なくとも1つが連通の無い1列の前記作動液流路で形成され、前記連通して形成した前記密閉流路群と混在した構造である
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載された電力変換装置において、
    前記冷却装置は、前記自励振動ヒートパイプを複数個備える
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項に記載された電力変換装置において、
    前記自励振動ヒートパイプの作動液封入側となる前記自励振動ヒートパイプの長手方向の一端が、前記受熱部材の端部からはみ出す長さを有する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項に記載された電力変換装置において、
    前記自励振動ヒートパイプの作動液封入側となる前記自励振動ヒートパイプの長手方向の一端が、前記受熱部材から浮き上がった折り曲げ構造を有する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項に記載された電力変換装置において、
    前記受熱部材は、前記自励振動ヒートパイプの作動液封入側の一端の周辺を切り欠いた構造を有する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項に記載された電力変換装置において、
    前記自励振動ヒートパイプの作動液封入側となる前記自励振動ヒートパイプの長手方向の一端が、前記受熱部材の受熱面から鉛直上向きとなる構造を有する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載された電力変換装置において、
    前記自励振動ヒートパイプに封入される作動液が、ハイドロフルオロオレフィン類である
    ことを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載された電力変換装置を搭載する鉄道車両
  12. 請求項11に記載された鉄道車両において、
    前記自励振動ヒートパイプの前記長手方向が、当該鉄道車両の進行方向に対して垂直で
    ある
    ことを特徴とする鉄道車両。
  13. 冷却装置に用いる自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    当該自励振動ヒートパイプを構成する流路として、平行に並列して配置された複数の流路の一端を連通させる第1の工程と、
    前記連通させた複数の流路の一端から前記複数の流路に作動液を流し込む第2の工程と、
    前記複数の流路の一端の連通部分を機械的に除去して、平行に並列して配置された複数の密閉流路を形成する第3の工程と
    を有する自励振動ヒートパイプの製造方法。
  14. 請求項13に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記第3の工程で機械的に除去するとは、前記連通させた複数の流路の一端を圧潰することである
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
  15. 請求項13または14に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記第1の工程として、前記複数の流路の一端にある仕切り部を除去し当該一端に封止部材を接合することで、前記複数の流路の一端を連通させたヘッダ部を形成する
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
  16. 請求項15に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記第2の工程として、前記ヘッダ部に作動液封入口を取り付けて当該作動液封入口から前記ヘッダ部に前記作動液を流し込む
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
  17. 請求項13~16のいずれか1項に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記複数の密閉流路は、当該自励振動ヒートパイプの長手方向に平行な直線形状である
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
  18. 請求項13~16のいずれか1項に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記複数の密閉流路は、当該自励振動ヒートパイプの長手方向にU字形状である
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
  19. 請求項13~18のいずれか1項に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記複数の密閉流路は、当該自励振動ヒートパイプの長手方向に同じ長さである
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
  20. 請求項13~19のいずれか1項に記載された自励振動ヒートパイプの製造方法において、
    前記作動液が、ハイドロフルオロオレフィン類である
    ことを特徴とする自励振動ヒートパイプの製造方法。
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