1.第1の実施形態
以下、物品収納棚を自動倉庫に適用した実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動倉庫には、物品Wを収納する物品収納棚1と、幅方向Yに沿って走行する搬送台車2と、が設けられている。尚、上下方向Zに沿う上下方向視で物品収納棚1の奥行方向Xに対して直交する方向を幅方向Yと称している。以下、奥行方向Xの一方側(図1における右手前側)を奥行方向第1側X1と称し、その反対側(図1における左奥側)を奥行方向第2側X2と称する。また、幅方向Yの一方側(図1における左手前側)を幅方向第1側Y1と称し、その反対側(図1における右奥側)を幅方向第2側Y2と称する。
図1及び図2に示すように、物品収納棚1は、物品Wを支持する棚体6と、棚体6の奥行方向第1側X1の端部に固定された第1フレーム7と、棚体6の奥行方向第2側X2の端部に固定された第2フレーム8と、第1フレーム7を支持する第1支柱9と、第2フレーム8を支持する第2支柱10と、を備えている。物品収納棚1は、棚体6と第1フレーム7と第2フレーム8とで構成された支持棚3を、上下方向Zに並ぶ状態で複数備えている。
本実施形態では、物品収納棚1として、第1物品収納棚1Aと、第1物品収納棚1Aに対して奥行方向第2側X2に設置された第2物品収納棚1Bと、第1物品収納棚1Aに対して奥行方向第1側X1に設置された第3物品収納棚1Cと、が設けられている。第1物品収納棚1Aでは、第1フレーム7が第1レール13(レール)として用いられ、第2フレーム8が第2レール14として用いられている。また、第2物品収納棚1Bでは、第1フレーム7が第1レール13として用いられている。また、第3物品収納棚1Cでは、第2フレーム8が第2レール14として用いられている。
第1物品収納棚1Aと第2物品収納棚1Bとの間を走行する搬送台車2は、第1物品収納棚1Aの第2フレーム8と第2物品収納棚1Bの第1フレーム7とを、走行するための第1レール13及び第2レール14として用いている。また、第1物品収納棚1Aと第3物品収納棚1Cとの間を走行する搬送台車2は、第1物品収納棚1Aの第1フレーム7と第3物品収納棚1Cの第2フレーム8とを、走行するための第2レール14及び第1レール13として用いている。
図1に示すように、物品保管設備には、物品収納棚1の幅方向第1側Y1に並設された複数の中継コンベヤ16と、中継コンベヤ16の幅方向第1側Y1に並設されたリフト装置17と、が設けられている。物品保管設備では、リフト装置17として、出庫用のリフト装置17と入庫用のリフト装置17とがあり、入庫用のリフト装置17に搬入された物品Wは、当該物品Wを収納する支持棚3に対応する中継コンベヤ16及び搬送台車2によって搬送されて支持棚3に収納される。また、支持棚3に収納されている物品Wは、当該支持棚3に対応する搬送台車2及び中継コンベヤ16によって搬送されて出庫用のリフト装置17から搬出される。
1-1.第1物品収納棚の支持棚
次に、第1物品収納棚1Aの支持棚3について説明する。尚、第1物品収納棚1Aの支持棚3を第1支持棚3A、その第1支持棚3Aが備えている棚体6を第1棚体6Aと称して説明する。
図2及び図3に示すように、第1支持棚3Aは、物品Wを支持する第1棚体6Aと、第1棚体6Aにおける奥行方向第1側X1の端部に固定された第1レール13と、第1棚体6Aにおける奥行方向第2側X2の端部に固定された第2レール14と、を備えている。第1レール13及び第2レール14は、幅方向Yに沿って配置されていると共に、第1レール13及び第2レール14は、搬送台車2が走行する走行面F1を備えている。本実施形態では、第1レール13及び第2レール14における最も上側にある上面によって走行面F1が形成されている。
第1棚体6Aは、奥行方向Xに沿って配置されたフレーム材21と、フレーム材21に支持され且つ物品Wを支持する板状の棚板22と、を備えている。フレーム材21の奥行方向第1側X1の端部が、第1レール13に対して上下方向Zに支持され、フレーム材21の奥行方向第2側X2の端部が、第2レール14に対して上下方向Zに支持されている。このように、フレーム材21は、第1レール13と第2レール14とに亘って架設されている。フレーム材21は、幅方向Yに複数並設されている。
第1支持棚3Aの上方には、物品Wを収納するための収納スペースSが形成されている。収納スペースSは、奥行方向Xに2つ並び且つ幅方向Yに複数(本実施形態では5つ)並ぶ状態で、第1支持棚3Aの上方に形成されている。第1支持棚3Aの棚板22は、第1棚板部22Aと、当該第1棚板部22Aに対して奥行方向第2側X2に設置された第2棚板部22Bと、を有している。つまり、第1支持棚3Aの棚板22は、第1棚板部22Aと第2棚板部22Bとにより奥行方向Xに2分割構成されている。また、第1支持棚3Aの棚板22は、幅方向Yに並ぶ複数(本実施形態では5つ)の棚板部(複数の第1棚板部22A及び複数の第2棚板部22B)を有している。つまり、第1支持棚3Aの棚板22は、幅方向Yに複数に分割構成されている。
複数の第1棚板部22Aの上方及び複数の第2棚板部22Bの上方の夫々に、収納スペースSが形成されている。第1棚板部22Aの上方に形成されている収納スペースSに対しては、第1支持棚3Aに対して奥行方向第1側X1を走行する搬送台車2によって物品Wの収納や取り出しが行われる。また、第2棚板部22Bの上方に形成されている収納スペースSに対しては、第1支持棚3Aに対して奥行方向第2側X2を走行する搬送台車2によって物品Wの収納や取り出しが行われる。
複数の第1棚板部22A及び複数の第2棚板部22Bの夫々は、それぞれの収納スペースSの奥行方向X及び幅方向Yの大きさに応じて形成されている。本実施形態では、複数の第1棚板部22A及び複数の第2棚板部22Bの夫々は、奥行方向X及び幅方向Yの長さが1つの物品Wを支持可能な長さに形成されている。ここで、大きさが異なる複数種類の物品Wが収納される場合には、それらの中で最大の大きさの物品Wを基準として第1棚板部22A及び第2棚板部22Bの大きさが設定される。例えば、複数の第1棚板部22A及び複数の第2棚板部22Bの夫々の奥行方向Xの長さは、物品Wの奥行方向Xの長さの2倍より小さく、複数の第1棚板部22A及び複数の第2棚板部22Bの夫々の幅方向Yの長さは、物品Wの幅方向Yの長さの2倍より小さい。このような大きさに形成された第1棚板部22A及び第2棚板部22Bは、物品Wを1つのみ支持可能な大きさに形成されている。
図4から図6に示すように、第1棚板部22Aは、フレーム材21に下方から支持されると共に第1レール13に対して上下方向Zに支持されない第1被支持部(被支持部)25と、第1レール13に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止される第1棚被係止部(棚被係止部)26と、を有している。第2棚板部22Bは、フレーム材21に下方から支持されると共に第2レール14に対して上下方向Zに支持されない第2被支持部27と、第2レール14に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止される第2棚被係止部28と、を有している。このように、棚板22は、第1被支持部25、第1棚被係止部26、第2被支持部27、及び第2棚被係止部28を有している。本実施形態では、第1棚板部22Aと第2棚板部22Bとの夫々は、2本のフレーム材21によって下方から支持されている。
詳しくは、第1棚板部22Aは、物品Wを下方から支持する第1物品支持部31と、第1物品支持部31の幅方向Yの両端部から下方に折り曲げられた一対の第1棚板端部32と、を有している。第1物品支持部31は、部分的にフレーム材21によって下方から支持されており、第1物品支持部31の一部によって第1被支持部25が形成されている。また、一対の第1棚板端部32の夫々の奥行方向第1側X1の端部に、第1棚被係止部26が形成されている。
また、第2棚板部22Bは、物品Wを下方から支持する第2物品支持部33と、第2物品支持部33の幅方向Yの両端部から下方に折り曲げられた一対の第2棚板端部34と、を有している。第2物品支持部33は、部分的にフレーム材21によって下方から支持されており、第2物品支持部33の一部によって第2被支持部27が形成されている。また、一対の第2棚板端部34の夫々の奥行方向第2側X2の端部に、第2棚被係止部28が形成されている。
第1棚板部22Aは、フレーム材21を介して第1レール13及び第2レール14に支持されているが、第1レール13及び第2レール14に直接には支持されていない。第2棚板部22Bは、フレーム材21を介して第1レール13及び第2レール14に支持されているが、第1レール13及び第2レール14には直接に支持されていない。このように、棚板22は、フレーム材21を介して第1レール13及び第2レール14に支持されているが、第1レール13及び第2レール14には直接に支持されていない。
第1棚板部22Aは、第1棚被係止部26より奥行方向第2側X2において上方に立ち上がる第1立ち上がり部(立ち上がり部)35を有している。本実施形態では、第1棚板部22Aは、第1物品支持部31の奥行方向第2側X2の端部から上方に折り曲げられた部分を有しており、この上方に折り曲げられた部分によって第1立ち上がり部35が形成されている。この第1立ち上がり部35は、第1物品支持部31の上面よって形成されている物品支持用の支持面F2より上方に突出しており、第1物品支持部31に支持されている物品Wが奥行方向第2側X2に移動することを規制する。
第2棚板部22Bは、第2棚被係止部28より奥行方向第1側X1において上方に立ち上がる第2立ち上がり部36を有している。本実施形態では、第2棚板部22Bは、第2物品支持部33の奥行方向第1側X1の端部から上方に折り曲げられた部分を有しており、この上方に折り曲げられた部分によって第2立ち上がり部36が形成されている。この第2立ち上がり部36は、第2物品支持部33の上面よって形成されている物品支持用の支持面F2より上方に突出しており、第2物品支持部33に支持されている物品Wが奥行方向第1側X1に移動することを規制する。
フレーム材21は、第1レール13に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止される第1レール被係止部(レール被係止部)39と、第2レール14に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止される第2レール被係止部40と、を有している。詳しくは、フレーム材21は、棚板22を下方から支持する棚板支持部41と、棚板支持部41の幅方向Yの両端部から下方に折り曲げられた一対のフレーム端部42と、を有している。一対のフレーム端部42の夫々の奥行方向第1側X1の端部に、第1レール被係止部39が形成されている。また、一対のフレーム端部42の夫々の奥行方向第2側X2の端部に、第2レール被係止部40が形成されている。
本実施形態では、図7に示すように、第1レール被係止部39は、第1レール13により下方から支持されており、この第1レール被係止部39は、第1レール13により下方から支持される第1レール被支持部としても機能している。また、図示は省略するが、第2レール被係止部40は、第2レール14により下方から支持されており、この第2レール被係止部40は、第2レール14により下方から支持される第2レール被支持部としても機能している。
図5及び図6に示すように、第1レール13は、幅方向Yに沿って並ぶ状態で第1係止部(係止部)46を複数有している。本実施形態では、図7及び図8に示すように、第1レール13は、幅方向Yに沿う幅方向視で奥行方向第1側X1が開口する角ばったC字状に形成されている。詳しくは、第1レール13は、上下方向Z及び幅方向Yに沿う板状の縦壁部47と、縦壁部47の上端部から奥行方向第1側X1に折り曲げられた走行面形成部48と、縦壁部47の下端部から奥行方向第1側X1に折り曲げられた下部49と、を有している。そして、第1係止部46は、第1レール13の縦壁部47から走行面形成部48に亘って形成されている。また、第1係止部46は、中空の第1レール13を内外に貫通するように形成されており、第1棚被係止部26や第1レール被係止部39が第1係止部46に挿入されている。
図6に示すように、第2レール14は、幅方向Yに沿って並ぶ状態で第2係止部50を複数有している。尚、第2レール14は、第1レール13を奥行方向Xに反転させた形状に形成されている以外は第1レール13と同様に構成されているため、詳しい説明は省略する。
第1係止部46のうち、第1棚被係止部26が係止している第1係止部46は、第1棚被係止部26を幅方向Y及び奥行方向Xに係止する棚板用係止部51として機能している。また、第1係止部46のうち、第1レール被係止部39が係止している第1係止部46は、第1レール被係止部39を幅方向Y及び奥行方向Xに係止するフレーム用係止部52として機能している。本実施形態では、棚板用係止部51とフレーム用係止部52とは別の第1係止部46とされている。つまり、第1レール被係止部39は、第1棚被係止部26とは異なる第1係止部46に係止されている。そのため、第1係止部46には、第1レール被係止部39と第1棚被係止部26とのうちのいずれか一方のみが係止されている。
次に、フレーム材21が第1レール13に係止される構成について説明する。尚、フレーム材21が第2レール14に係止される構成については、フレーム材21が第1レール13に係止される構成を奥行方向Xに反転させた構成である以外は同様に構成されているため、詳しい説明は省略する。
図7に示すように、第1レール被係止部39は、幅方向視で上方に向けて凹入するフレーム凹部53を有している。このフレーム凹部53には、第1レール13の縦壁部47が配置されている。そして、縦壁部47の上方を向く当接面F3は、フレーム凹部53に対して下方から接している。これにより第1レール13によって第1レール被係止部39が下方から支持されている。
図5に示すように、第1レール被係止部39を係止している第1係止部46は、第1レール被係止部39に対して幅方向第1側Y1にある第1部46Aと、第1レール被係止部39に対して幅方向第2側Y2にある第2部46Bと、を有している。第1係止部46は、第1部46Aが第1レール被係止部39に対して幅方向第1側Y1から対向し、第2部46Bが第1レール被係止部39に対して幅方向第2側Y2から対向することで、第1レール被係止部39の幅方向Yの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1レール被係止部39を幅方向Yに係止している構成に含まれる。
図7に示すように、第1レール被係止部39は、第1係止部46に対して奥行方向第1側X1にある第3部39Aと、第1係止部46に対して奥行方向第2側X2にある第4部39Bと、を有している。第1係止部46は、第3部39Aに対して奥行方向第2側X2から対向し、第4部39Bに対して奥行方向第1側X1から対向することで、第1レール被係止部39の奥行方向Xの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1レール被係止部39を奥行方向Xに係止している構成に含まれる。
次に、第1棚板部22Aが第1レール13に係止される構成について説明する。尚、第2棚板部22Bが第2レール14に係止される構成については、第1棚板部22Aが第1レール13に係止される構成を奥行方向Xに反転させた構成である以外は同様に構成されているため、詳しい説明は省略する。
図8に示すように、第1棚被係止部26は、幅方向視で上方に向けて凹入する棚板凹部54を有している。この棚板凹部54には、第1レール13の縦壁部47が配置されている。縦壁部47の当接面F3は、棚板凹部54に対して下方に離間している。つまり、第1レール13は、第1棚被係止部26を下方から支持していない。従って、第1棚被係止部26は、第1レール13に対する上下方向Zへの移動が許容されており、第1レール13を搬送台車2が走行した際に生じた上下方向Zの振動は、棚板22に直接伝達され難くなっている。これにより、棚板22及びその棚板22に支持されている物品Wに伝達される上下方向Zの振動を小さく抑えることができる。
図5に示すように、第1棚被係止部26を係止している第1係止部46は、第1棚被係止部26に対して幅方向第1側Y1にある第1部46Aと、第1棚被係止部26に対して幅方向第2側Y2にある第2部46Bと、を有している。第1係止部46は、第1部46Aが第1棚被係止部26に対して幅方向第1側Y1から対向し、第2部46Bが第1棚被係止部26に対して幅方向第2側Y2から対向することで、第1棚被係止部26の幅方向Yの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1棚被係止部26を幅方向Yに係止している構成に含まれる。
そして、第1棚被係止部26の幅方向Yの厚みは、第1係止部46の第1部46Aと第2部46Bとの幅方向Yの間隔より小さい。そのため、第1棚被係止部26と第1部46Aとの間や第1棚被係止部26と第2部46Bとの間には隙間が形成されている。従って、第1棚被係止部26は、第1レール13に対する幅方向Yへの移動が許容されており、第1レール13を搬送台車2が走行した際に生じた幅方向Yの振動は、棚板22に直接伝達され難くなり、棚板22及びその棚板22に支持されている物品Wに伝達される幅方向Yの振動を小さく抑えることができる。
図8に示すように、第1棚被係止部26は、第1係止部46に対して奥行方向第1側X1にある第5部26Aと、第1係止部46に対して奥行方向第2側X2にある第6部26Bと、を有している。第1係止部46は、第5部26Aに対して奥行方向第2側X2から対向し、第6部26Bに対して奥行方向第1側X1から対向することで、第1棚被係止部26の奥行方向Xの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1棚被係止部26を奥行方向Xに係止している構成に含まれる。
そして、第1棚被係止部26の第5部26Aと第6部26Bとの奥行方向Xの間隔は、第1レール13の第1係止部46における第1棚被係止部26の奥行方向Xの移動を規制している部分の奥行方向Xの厚み(縦壁部47の奥行方向Xの厚み)より大きい。そのため、第1棚被係止部26の第5部26Aと第1係止部46との間や第1棚被係止部26の第6部26Bとの間には隙間が形成されている。従って、第1棚被係止部26は、第1レール13に対する奥行方向Xへの移動が許容されており、第1レール13を搬送台車2が走行した際に生じた奥行方向Xの振動は、棚板22に直接伝達され難くなり、棚板22及びその棚板22に支持されている物品Wに伝達される奥行方向Xの振動を小さく抑えることができる。
1-2.第2物品収納棚の支持棚
次に、第2物品収納棚1Bの支持棚3について説明する。尚、第2物品収納棚1Bの支持棚3を第2支持棚3Bと称し、その第2支持棚3Bが備えている棚体6を第2棚体6Bと称して説明する。また、第2支持棚3Bについて、第1支持棚3Aと異なる構成を中心に説明し、同様に構成されている部分については説明を省略する。
図9及び図10に示すように、第2支持棚3Bは、物品Wを支持する第2棚体6Bと、第2棚体6Bにおける奥行方向第1側X1の端部に固定された第1フレーム7と、第2棚体6Bにおける奥行方向第2側X2の端部に固定された第2フレーム8と、を備えている。尚、第2支持棚3Bは、第1フレーム7を第1レール13として用いているものの、第2フレーム8を第2レール14としては用いていない。
第2棚体6Bは、フレーム材21と棚板22とを備えている。フレーム材21の奥行方向第1側X1の端部が、第1レール13に対して上下方向Zに支持され、フレーム材21の奥行方向第2側X2の端部が、第2フレーム8に対して上下方向Zに支持されている。このように、フレーム材21は、第1レール13と第2フレーム8とに亘って架設されている。
第2支持棚3Bの上方には、物品Wを収納するための収納スペースSが形成されている。収納スペースSは、奥行方向Xに1つ並び、幅方向Yに複数並ぶ状態で、第2支持棚3Bの上方に複数形成されている。図1に示すように、第2支持棚3Bの棚板22は、第1棚板部22Aと第2棚板部22Bとのうちの第1棚板部22Aのみを有している。つまり、第2支持棚3Bの棚板22は、奥行方向Xには分割構成されていない。ただし、第2支持棚3Bの棚板22は、幅方向Yに並ぶ複数の棚板部(複数の第1棚板部22A)を有しており、幅方向Yに複数に分割構成されている。
図9及び図10に示すように、第2支持棚3Bのフレーム材21は、第1レール被係止部39と、第2フレーム8に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止される第3レール被係止部61と、を有している。詳しくは、一対のフレーム端部42の夫々の奥行方向第1側X1の端部に、第1レール被係止部39が形成されている。一対のフレーム端部42の夫々の奥行方向第2側X2の端部に、第3レール被係止部61が形成されている。
図10に示すように、第2フレーム8は、幅方向Yに沿って並ぶ状態で第3係止部62を複数有している。本実施形態では、図9に示すように、第2フレーム8は、幅方向Yに沿う幅方向視で矩形状に形成されている。詳しくは、第2フレーム8は、第1側壁部63と、第1側壁部63に対して奥行方向第2側X2にある第2側壁部64と、第1側壁部63の上端と第2側壁部64の上端とに亘る上壁部65と、第1側壁部63の下端と第2側壁部64の下端とに亘る下壁部66と、を有している。そして、第3係止部62は、第2フレーム8の第1側壁部63から上壁部65に亘って中空の第2フレーム8を内外に貫通するように形成されている。
次に、フレーム材21が第2フレーム8に係止される構成について説明する。
図9に示すように、第1側壁部63は、第3レール被係止部61に対して下方から接している。これにより、第2フレーム8によって第3レール被係止部61が下方から支持されている。第1係止部46は、第1レール被係止部39に対して幅方向Yの両側から対向することで、第1レール被係止部39の幅方向Yの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第3レール被係止部61を幅方向Yに係止している構成に含まれる。
上記したように、フレーム材21は、第1レール13及び第2レール14に下方から支持されているのに対して、棚板22は、フレーム材21に下方から支持されており、第1レール13や第2レール14によって下方から支持されていない。そのため、第1レール13や第2レール14を搬送台車2が走行した際に生じた上下方向Zの振動は、棚板22に直接伝達されるのではなくフレーム材21を介して棚板22に伝達される。そして、その振動は、フレーム材21に対して棚板22が相対的に上下方向Zに移動することで減衰されるため、棚板22及びその棚板22に支持されている物品Wに伝達される上下方向Zの振動を小さく抑えることができる。
2.第2の実施形態
次に、物品収納棚1の第2の実施形態について、図11から図13を用いて説明する。本実施形態では、フレーム材21が第1レール13に係止される構成、第1棚板部22Aが第1レール13に係止される構成、第2棚板部22Bが第2レール14に係止される構成が、上記第1の実施形態とは異なる。以下では、本実施形態に係るこれらの構成について、上記第1の実施形態との相違点を中心として説明する。なお、特に説明しない点については、上記第1の実施形態と同様とする。
図12及び図13に示すように、第1レール13は、幅方向Yに沿って配置されて上面が走行面F1を形成している主レール材71と、主レール材71に対して、奥行方向第2側X2に位置して主レール材71に固定された補強材72と、を備えている。本実施形態では、主レール材71が、第1支柱9に支持されており、補強材72は、図示しない締結部材を用いて主レール材71に固定されている。
主レール材71は、幅方向視で奥行方向第1側X1に向けて開口する角ばったC字状に形成されている。詳しくは、主レール材71は、上下方向Z及び幅方向Yに沿う板状の主レール部74と、主レール部74の上端部から奥行方向第1側X1に折り曲げられた上レール部75と、主レール部74の下端部から奥行方向第1側X1に折り曲げられた下レール部76と、を有している。そして、主レール材71の主レール部74から上レール部75に亘って第1挿入部77が形成されている。この第1挿入部77は、中空の主レール材71を内外に貫通するように形成されていると共に、幅方向Yに沿って複数形成されている。
補強材72は、幅方向視で奥行方向第2側X2に向けて開口する角ばったC字状に形成されている。詳しくは、補強材72は、上下方向Z及び幅方向Yに沿う板状の主補強部79と、主補強部79の上端部から奥行方向第2側X2に折り曲げられた上補強部80と、主補強部79の下端部から奥行方向第2側X2に折り曲げられた下補強部81と、を有している。そして、補強材72の主補強部79と上補強部80とに亘って第2挿入部82が形成されている。この第2挿入部82は、中空の補強材72を内外に貫通するように形成されると共に、幅方向Yに沿って複数形成されている。
第1挿入部77と第2挿入部82とは、幅方向Yにおいて同じ位置に形成されており、第1挿入部77と第2挿入部82とは連通している。そして、第1挿入部77と第2挿入部82とにより、第1係止部46が形成されている。
図示は省略するが、第2レール14は、幅方向Yに沿って配置されて上面が走行面F1を形成している主レール材71と、主レール材71に対して、奥行方向第1側X1に位置して主レール材71に固定された補強材72と、を備えている。尚、第2レール14は、第1レール13を奥行方向Xに反転させた形状に形成されている以外は同様に構成されているため、詳しい説明は省略する。
次に、フレーム材21が第1レール13に係止される構成について説明する。尚、フレーム材21が第2レール14に係止される構成については、フレーム材21が第1レール13に係止される構成を奥行方向Xに反転させた構成である以外は同様に構成されているため、詳しい説明は省略する。
図12に示すように、第1レール被係止部39は、幅方向視で上方及び奥行方向第2側X2に凹入する切欠き部73を有している。この切欠き部73により、第1レール被係止部39は、補強材72における主補強部79に接しないように構成されている。そして、本実施形態では、フレーム材21の棚板支持部41が、補強材72の上補強部80に対して上方から接している。これにより、フレーム材21は、第1レール13の補強材72によって下方から支持されている。つまり、本実施形態では、補強材72の上補強部80が、フレーム材21を下方から支持する支持部として機能する。
そして、第1係止部46を構成する第1挿入部77と第2挿入部82とのうち、補強材72が備える部分である第2挿入部82が、第1レール被係止部39に対して幅方向第1側Y1及び幅方向第2側Y2から対向することで、第1レール被係止部39の幅方向Yの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第2挿入部82が第1レール被係止部39を幅方向Yに係止している構成に含まれる。また、補強材72の主補強部79が、第1レール被係止部39に対して奥行方向第2側X2から対向することで、第1レール被係止部39の奥行方向Xの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1レール被係止部39を奥行方向第1側X1に係止している構成に含まれる。このように、本実施形態では、第1係止部46を構成する第2挿入部82及びその周辺部分が、フレーム用係止部及び棚板用係止部として機能する。
次に、第1棚板部22Aが第1レール13に係止される構成について説明する。尚、第2棚板部22Bが第2レール14に係止される構成については、第1棚板部22Aが第1レール13に係止される構成を奥行方向Xに反転させた構成である以外は同様に構成されているため、詳しい説明は省略する。
図13に示すように、第1棚被係止部26は、幅方向視で上方に向けて凹入する棚板凹部54を有している。この棚板凹部54には、補強材72の主補強部79に配置されている。主補強部79の当接面F3は、棚板凹部54に対して下方に離間している。つまり、第1レール13は、第1棚被係止部26を下方から支持していない。
図13に示すように、第1棚被係止部26を係止している第1係止部46は、第1棚被係止部26に対して幅方向第1側Y1及び幅方向第2側Y2から対向することで、第1棚被係止部26の幅方向Yの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1棚被係止部26を幅方向Yに係止している構成に含まれる。また、第1係止部46は、第1棚被係止部26に対して奥行方向第2側X2及び奥行方向第1側X1から対向することで、第1棚被係止部26の奥行方向Xの移動を規制している。本実施形態では、このような構成も、第1係止部46が第1棚被係止部26を奥行方向Xに係止している構成に含まれる。
そして、第1棚被係止部26の第5部26Aと第6部26Bとの奥行方向Xの間隔は、第1レール13の第1係止部46における第1棚被係止部26の奥行方向Xの移動を規制している部分の奥行方向Xの厚み(主補強部79の奥行方向Xの厚み)より大きい。そのため、第1棚被係止部26の第5部26Aと第1係止部46との間や第1棚被係止部26の第6部26Bとの間には隙間が形成されている。従って、第1棚被係止部26は、第1レール13に対する奥行方向Xへの移動が許容されており、第1レール13を搬送台車2が走行した際に生じた奥行方向Xの振動は、棚板22に直接伝達され難くなり、棚板22及びその棚板22に支持されている物品Wに伝達される奥行方向Xの振動を小さく抑えることができる。
本実施形態では、図13に示すように、第1棚被係止部26は、第1挿入部77及び第2挿入部82の双方に挿入されており、図12に示すように、第1レール被係止部39は、第1挿入部77と第2挿入部82とのうちの第2挿入部82のみに挿入されている。そして、第1挿入部77の下端は第2挿入部82の下端より下方にあり、第1挿入部77に挿入された第1棚被係止部26は、主レール部74に対して上方に離間しており、主レール材71に対して上下方向Zに支持されていない。
3.その他の実施形態
次に、物品収納棚のその他の実施形態について説明する。
(1)上記実施形態では、第1レール被係止部39を、第1棚被係止部26とは異なる第1係止部46に係止する構成を例として説明した。しかし、第1棚被係止部26や第1レール被係止部39を係止する構成はこれに限定されない。例えば、図14に示すように、第1レール被係止部39を、第1棚被係止部26と同じ第1係止部46に係止してもよい。この実施形態では、第1係止部46のうち、第1棚被係止部26と第1レール被係止部39とが係止している第1係止部46は、棚板用係止部51及びフレーム用係止部52として機能している。また、第1係止部46のうち、第1棚被係止部26と第1レール被係止部39とのうちの第1レール被係止部39のみが係止している第1係止部46は、フレーム用係止部52としてのみ機能している。
(2)上記実施形態では、1つの棚板部(第1棚板部22A及び第2棚板部22B)で1つの物品Wを支持する構成を例として説明した。しかし、1つの棚板部で複数の物品Wを支持する構成としてもよい。例えば、棚板部を幅方向Yに複数の収納スペースSに対応する大きさに形成して、1つの棚板部で幅方向Yに並ぶ複数の物品Wを支持するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、第1棚被係止部26が、第1レール13に対して奥行方向Xと幅方向Yとの双方に係止される構成とした。しかし、第1棚被係止部26が、第1レール13に対して奥行方向Xと幅方向Yとのうちの奥行方向Xにのみ係止される構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、棚板22を、第2フレーム8に係止させると共に第2フレーム8に対して上下方向Zに支持されない構成とした。しかし、棚板22の第2フレーム8に対する構成はこれに限定されない。例えば、第2フレーム8を第2レール14として用いない場合に、棚板22を、第2フレーム8に上方から接触させて第2フレーム8に支持される構成としてもよく、また、棚板22を、第2フレーム8に固定する構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、フレーム材21を、第1フレーム7及び第2フレーム8に係止させる構成とした。しかし、フレーム材21の第1フレーム7及び第2フレーム8に対する構成はこれに限定されない。例えば、フレーム材21を第1フレーム7及び第2フレーム8の一方又は双方に固定する構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、棚板22が、第1物品支持部31の奥行方向第2側X2の端部から上方に折り曲げた部分を有し、この上方に折り曲げた部分によって第1立ち上がり部35を形成する構成とした。また、棚板22が、第2物品支持部33の奥行方向第1側X1の端部から上方に折り曲げた部分を有し、この上方に折り曲げた部分によって第2立ち上がり部36を形成する構成とした。しかし、棚板22が第1立ち上がり部35や第2立ち上がり部36を有する構成はこれに限定されない。例えば、第1物品支持部31(第2物品支持部33)の上面に規制部材を固定させて、この規制部材によって第1立ち上がり部35(第2立ち上がり部36)を形成する構成としてもよい。また、棚板22が第1立ち上がり部35や第2立ち上がり部36を有しない構成としてもよい。
(7)上記実施形態では、被係止部(第1棚被係止部26、第2棚被係止部28、第1レール被係止部39、及び第2レール被係止部40)を、第1レール13又は第2レール14に対して奥行方向X及び幅方向Yへの移動を許容しつつ第1レール13又は第2レール14に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止する構成とした。しかし、被係止部を、第1レール13又は第2レール14に対して奥行方向X及び幅方向Yの一方又は双方への移動を許容することなく第1レール13又は第2レール14に対して奥行方向X及び幅方向Yに係止する構成としてもよい。
具体的には、例えば、上記第1の実施形態では、図8に示すように、第1棚被係止部26の第5部26Aと第6部26Bとの奥行方向Xの間隔を、縦壁部47の奥行方向Xの厚みより大きくすることで、第1棚被係止部26を、第1レール13に対して奥行方向Xへの移動を許容しつつ第1レール13に対して奥行方向Xに係止する構成とした。しかし、第1棚被係止部26の第5部26Aと第6部26Bとの奥行方向Xの間隔を、縦壁部47の奥行方向Xの厚みと同じ又はわずかに大きくすることで、第1棚被係止部26を、第1レール13に対する奥行方向Xの移動を許容することなく第1レール13に対して奥行方向Xに係止する構成としてもよい。
また、例えば、上記第1の実施形態では、図5に示すように、第1棚被係止部26の幅方向Yの厚みを、第1係止部46の第1部46Aと第2部46Bとの幅方向Yの間隔より小さくすることで、第1棚被係止部26を、第1レール13に対して幅方向Yへの移動を許容しつつ第1レール13に対して幅方向Yに係止する構成とした。しかし、第1棚被係止部26の幅方向Yの厚みを、第1係止部46の第1部46Aと第2部46Bとの幅方向Yの間隔と同じ又はわずかに大きくすることで、第1棚被係止部26を、第1レール13に対する幅方向Yの移動を許容することなく第1レール13に対して幅方向Yに係止する構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、第1棚板部22Aと第2棚板部22Bとの夫々を、2本のフレーム材21によって下方から支持する構成を例示した。しかし、これに限定されない。例えば、第1棚板部22Aと第2棚板部22Bとの夫々を、3本のフレーム材21によって下方から支持する構成とする等、第1棚板部22Aや第2棚板部22Bを支持するフレーム材21の本数は適宜変更してもよい。
(9)上記実施形態では、第1レール13及び第2レール14における最も上側にある上面によって走行面F1を形成する構成を例示した。しかし、これに限定されない。例えば、第1レール13を幅方向視で階段状に形成し、第1レール13における最も上側にある上面以外の面によって走行面F1を形成する構成でもよく、第1レール13を幅方向視で角ばったC字状に形成して第1レール13の内側に位置する面によって走行面F1を形成する構成でもよい。
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
4.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品収納棚の概要について説明する。
物品収納棚は、物品を支持する棚体と、前記棚体における奥行方向の一方側である奥行方向第1側の端部に固定されたレールと、を備え、上下方向に沿う上下方向視で前記奥行方向と直交する方向を幅方向として、前記レールは、前記幅方向に沿って配置されていると共に、物品を搬送する搬送台車が走行する走行面を備え、前記棚体は、前記奥行方向に沿って配置されたフレーム材と、前記フレーム材に支持され且つ物品を支持する板状の棚板と、を備え、前記フレーム材の前記奥行方向第1側の端部が、前記レールに対して前記上下方向に支持され、前記棚板は、前記フレーム材に下方から支持されると共に前記レールに対しては前記上下方向に支持されない被支持部と、前記レールに対して前記奥行方向に係止される棚被係止部とを有している。
この構成によれば、棚板は、フレーム材に下方から支持されているが、レールには下方から支持されていない。そのため、レールの走行面を搬送台車が走行した際に生じた上下方向の振動は、フレーム材を介して棚板に伝達されるものの棚板には直接伝達されない。つまり、レールの走行面を搬送台車が走行した際に生じたレールの上下方向の振動は、レールからフレーム材、棚板の順に伝達された後に、棚板に支持された物品に伝達される。また、棚板は、フレーム材に対して上方に移動することが規制されておらず、棚体は、フレーム材に対して相対的に上下方向に移動することが可能となっている。そのため、レールの上下方向の振動は、棚体がフレーム材に対して相対的に上下方向に移動することで減衰させることができ、物品に振動が伝達され難くできる。
また、棚被係止部のレールに対する奥行方向の係止には、棚被係止部がフレーム材に対して奥行方向に移動することを許容する係止と、棚被係止部がフレーム材に対して奥行方向に移動することを許容しない係止と、が含まれる。棚被係止部のレールに対する奥行方向の係止を、棚被係止部がフレーム材に対して奥行方向に移動することを許容する係止とした場合には、棚体は、フレーム材に対して相対的に奥行方向に移動することが可能となる。そのため、レールの奥行方向の振動を、棚体がフレーム材に対して相対的に奥行方向に移動することで減衰させることができる。従って、この場合には、物品に伝達される上下方向の振動に加えて奥行方向の振動も小さく抑えることができる。
ここで、前記棚被係止部は、前記レールに対して前記幅方向にも係止されていると好適である。
この構成によれば、棚体がレールに対して奥行方向に加えて幅方向にも係止されていることで、棚板がレールに対して奥行方向や幅方向に移動することを規制できる。従って、レールの上下方向の振動が棚体に支持されている物品に伝達されることを小さく抑えつつ、棚体が幅方向や奥行方向に移動することを規制できる。
また、棚被係止部のレールに対する幅方向の係止には、棚被係止部がフレーム材に対して幅方向に移動することを許容する係止と、棚被係止部がフレーム材に対して幅方向に移動することを許容しない係止と、が含まれる。棚被係止部のレールに対する幅方向の係止を、棚被係止部がフレーム材に対して幅方向に移動することを許容する係止とした場合には、棚体は、フレーム材に対して相対的に幅方向に移動することが可能となる。そのため、レールの幅方向の振動を、棚体がフレーム材に対して相対的に幅方向に移動することで減衰させることができる。従って、この場合には、物品に伝達される上下方向の振動に加えて幅方向の振動も小さく抑えることができる。
また、前記奥行方向第1側の反対側を奥行方向第2側として、前記棚板は、前記棚被係止部より前記奥行方向第2側において上方に立ち上がる立ち上がり部を有していると好適である。
この構成によれば、棚板に支持されている物品が立ち上がり部に当接することで、物品が棚板に対して奥行方向第2側に移動することを規制できる。これによって、物品の位置が奥行方向第2側にずれることを防止できる。
また、前記レールとしての第1レールに加えて、前記棚体における前記奥行方向第2側の端部に固定された第2レールを更に備え、前記棚板は、前記被支持部としての第1被支持部、前記棚被係止部としての第1棚被係止部、及び前記立ち上がり部としての第1立ち上がり部を有する第1棚板部と、当該第1棚板部に対して前記奥行方向第2側に設置された第2棚板部と、により前記奥行方向に2分割構成され、前記第2棚板部は、前記フレーム材に下方から支持されると共に前記第2レールに対しては前記上下方向に支持されない第2被支持部と、前記第2レールに対して前記奥行方向に係止される第2棚被係止部と、前記第2棚被係止部より前記奥行方向第1側において上方に立ち上がる第2立ち上がり部と、を有していると好適である。
この構成によれば、第1棚板部に対して、奥行方向第1側から物品を収容することができ、第2棚板部に対して、奥行方向第2側から物品を収容することができる。このように、棚板に対して、奥行方向第1側と奥行方向第2側と双方から物品を収容することができる。また、第1棚板部及び第2棚板部は、いずれもフレーム材に下方から支持されているが、レールに対しては下方から支持されていない。また、第1棚板部と第2棚板部とが分割されていることにより、第1レールからの振動が第2棚板部に伝達され難く、第2レールからの振動が第1棚板部に伝達され難くなっている。そのため、第1レールの走行面を搬送台車が走行した際に生じた第1レールの上下方向の振動や、第2レールの走行面を搬送台車が走行した際に生じた第2レールの上下方向の振動が、物品に伝達され難くできる。また、第1棚板部に支持されている物品が第1立ち上がり部に当接することで、物品が第1棚板部に対して奥行方向第2側に移動することを規制でき、第2棚板部に支持されている物品が第2立ち上がり部に当接することで、物品が第2棚板部に対して奥行方向第1側に移動することを規制できる。
また、前記フレーム材は、前記レールに対して前記奥行方向に係止されるレール被係止部を有し、前記レールは、前記幅方向に並ぶ状態で複数の係止部を有し、前記棚被係止部は、前記レール被係止部と同じ前記係止部に係止されていると好適である。
この構成によれば、棚被係止部を、レール被係止部と同じ係止部に係止することで、棚被係止部に対して専用の係止部をレールに備える必要がない。そのため、レールに形成する係止部の数を減らすことができ、レールの構成の簡素化やレール強度の確保を図ることができる。
また、1つの物品を収納するための収納スペースが、前記幅方向に複数並んで配置され、前記棚板は、複数の棚板部を備え、複数の前記棚板部は、前記収納スペースの前記幅方向の大きさに応じた幅に形成されて、前記収納スペースのそれぞれに対応して前記幅方向に複数に並んで配置されていると好適である。
この構成によれば、棚板部を、幅方向に並ぶ複数の収納スペースに対応する幅に形成した場合に比べて、レールからの振動が伝達される幅を小さくしてレールからの振動伝達を少なくすることができる。また、棚板部の幅方向の大きさを小さくできるため、棚板部を設置し易くなる。
また、前記奥行方向第1側の反対側を奥行方向第2側として、前記レールは、前記幅方向に沿って配置されて上面が前記走行面を形成している主レール材と、前記主レール材に対して前記奥行方向第2側に位置して前記主レール材に固定された補強材と、を備え、前記フレーム材は、前記レールに係止されるレール被係止部を有し、前記補強材は、前記フレーム材を下方から支持する支持部と、前記レール被係止部を前記幅方向及び前記奥行方向に係止するフレーム用係止部と、前記棚被係止部を前記幅方向及び前記奥行方向に係止する棚板用係止部と、を有すると好適である。
この構成によれば、レールを、主レール材と補強材とを備えて構成することで、レールを、主レール材と補強材とのうちの主レール材のみを備えた構成する場合に比べて、レールの強度を高めることができる。そして、補強材に支持部、フレーム用係止部及び棚板用係止部を備えることで、補強材によってフレーム材を下方から支持することができると共に、補強材によってレール被係止部及び棚被係止部を係止できる。また、補強材を、主レール材に対して奥行方向第2側に位置するように主レール材に固定することで、補強材が走行台車の走行の邪魔になり難くなると共に、フレーム材の支持及び棚板の係止が行い易くなる。