JP7010250B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
本開示は、ガスセンサに関する。
従来、下記の特許文献1に記載のガスセンサがある。特許文献1に記載のガスセンサには、排ガスが導入される測定室が設けられている。測定室は、第1固体電解質体と、第2固体電解質体とにより挟まれる空間として形成されている。特許文献1に記載のガスセンサは、測定室に導入される排ガス中の酸素を大気に排出しつつ酸素濃度に応じた電流が流れるポンプセルと、酸素排出後のガス成分から窒素酸化物の濃度に応じた電流が流れるセンサセルとを備えている。ポンプセルは、第1固体電解質体と、第1固体電解質体において測定室に面する一方の表面に設けられるポンプ電極と、第1固体電解質体の他方の表面に設けられる基準電極とにより構成されている。センサセルは、第2固体電解質体と、第2固体電解質体において測定室に面する一方の表面に設けられるセンサ電極と、固体電解質体の他方の表面に設けられる基準電極とを有している。センサセルの基準電極は、大気が導入される基準ガス室に配置されている。
特許文献1に記載のガスセンサは、ポンプセル及びセンサセルのそれぞれを流れる電流値を検出する制御回路を更に備えている。センサセルには、排ガス中の酸素濃度の変化に応じてセンサセルの電流値が変化するという酸素濃度依存性が存在する。このセンサセルの電流値における酸素濃度依存性を解消するために、制御回路では、ポンプセルを流れるポンプ電流に基づいて、センサセルの電流値が補正されるようになっている。特許文献1に記載のガスセンサでは、補正されたセンサセルの電流値に基づいて窒素酸化物の濃度が検出される。
ところで、特許文献1に記載のガスセンサにおいては、センサセルの基準電極のみが基準ガス室に配置されているが、ポンプセルの基準電極及びセンサセルの基準電極の両方を基準ガス室に配置することも可能である。しかしながら、このような構造をガスセンサにおいて採用した場合、以下のような課題が生じる可能性がある。
ポンプセルの基準電極が基準ガス室に配置されている場合、排ガス中の酸素がポンプセルにより基準ガス室に排出される。そのため、排ガス中の酸素濃度が急変すると、基準ガス室の酸素濃度も急変することになるため、基準ガス室の酸素濃度が実際の大気の酸素濃度よりも高くなる可能性がある。このようにして基準ガス室の酸素濃度が高くなると、センサ電極と基準電極との間に発生している起電力に変化が生じる。センサ電極と基準電極との間には、それらの静電容量に応じた電荷が蓄えられている。センサ電極と基準電極との間に発生している起電力が変化すると、センサ電極と基準電極との間に蓄えられている電荷にも変化が生じる。これが、センサセルの電流値を変化させる要因となる。このように基準ガス室の酸素濃度の変化に起因してセンサセルの電流値に変化が生じることにより、窒素酸化物の濃度検出値にも変化が生じる。これが、窒素酸化物の濃度検出値に誤差を生じさせる要因となる。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高い精度で特定のガス成分の濃度を検出することが可能なガスセンサを提供することにある。
上記課題を解決するガスセンサは、測定室(101)と、基準ガス室(102)と、第1セル(13)と、第1電流検出部(21)と、第2セル(14)と、第2電流検出部(22)と、演算部(26)と、判定部(24)と、補正部(25)と、を備える。測定室には、排ガスが導入される。基準ガス室には、基準ガスが導入される。第1セルは、測定室に設けられる第1電極(130)と、基準ガス室に設けられる第2電極(17)とを有し、第1電極及び第2電極の間に電圧が印加されることにより、測定室に導入される排ガスに含まれる酸素を除去する。第1電流検出部は、第1電極及び第2電極の間に流れる第1電流を検出する。第2セルは、測定室に設けられる第3電極(140)と、基準ガス室に設けられる第4電極(17)とを有し、第3電極及び第4電極の間に電圧が印加され、第1セルにより酸素が除去された排ガスに含まれる特定のガス成分の濃度に応じた第2電流が流れる。第2電流検出部は、第2電流を検出する。演算部は、第2電流検出部により検出される第2電流検出値に基づいて特定のガス成分の濃度を演算する。判定部は、第1電流検出部により検出される第1電流検出値に基づいて、基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたか否かを判定する。補正部は、判定部により基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定されたとき、第2電流検出値を補正する。
この構成によれば、基準ガス室の酸素濃度に変化が生じた際、第2電流検出値が補正されることにより、基準ガス室の酸素濃度の変化が第2電流検出値に与える影響を小さくすることができる。この補正された第2電流検出値に基づいて特定のガス成分の濃度が演算されることにより、より高い精度で特定のガス成分の濃度を検出することが可能となる。
また、上記課題を解決するガスセンサは、測定室(101)と、基準ガス室(102)と、第1セル(13)と、第1電流検出部(21)と、第2セル(14)と、第2電流検出部(22)と、第3セル(15)と、第3電流検出部(27)と、演算部(26)と、判定部(24)と、補正部(28)と、を備える。測定室には、排ガスが導入される。基準ガス室には、基準ガスが導入される。第1セルは、測定室に設けられる第1電極(130)と、基準ガス室に設けられる第2電極(17)とを有し、第1電極及び第2電極の間に電圧が印加されることにより、測定室に導入される排ガスに含まれる酸素を除去する。第1電流検出部は、第1電極及び第2電極の間に流れる第1電流を検出する。第2セルは、測定室に設けられる第3電極(140)と、基準ガス室に設けられる第4電極(17)とを有し、第3電極及び第4電極の間に電圧が印加され、第1セルにより酸素が除去された排ガスに含まれる特定のガス成分の濃度に応じた第2電流が流れる。第2電流検出部は、第2電流を検出する。第3セルは、測定室に設けられる第5電極(150)と、基準ガス室に設けられる第6電極(17)とを有し、第5電極及び第6電極の間に電圧が印加されることにより、第1セルにより酸素が除去された排ガスに含まれる残留酸素の濃度に応じた第3電流が流れる。第3電流検出部は、第3電流を検出する。演算部は、第2電流検出部により検出される第2電流検出値、及び第3電流検出部により検出される第3電流検出値に基づいて特定のガス成分の濃度を演算する。判定部は、第1電流検出部により検出される第1電流検出値に基づいて、基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたか否かを判定する。補正部は、判定部により基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定されたとき、第2電流検出値及び第3電流検出値の少なくとも一方を補正する。
この構成によれば、基準ガス室の酸素濃度に変化が生じた際、第2電流検出値及び第3電流検出値の少なくとも一方が補正されるため、基準ガス室の酸素濃度の変化が第2電流検出値及び第3電流検出値の少なくとも一方に与える影響を小さくすることができる。そのため、補正された第2電流検出値及び第3電流検出値に基づいて特定のガス成分の濃度を演算することにより、より高い精度で特定のガス成分の濃度を検出することが可能となる。
なお、上記手段、特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示によれば、より高い精度で特定のガス成分の濃度を検出することが可能なガスセンサを提供できる。
以下、ガスセンサの実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
はじめに、図1に示される第1実施形態のガスセンサ1について説明する。図1に示されるガスセンサ1は、例えば車両の排気通路に配置される。排気通路には、内燃機関から排出される排ガスに含まれる有害物質、例えば一酸化炭素や窒素酸化物を浄化する排気浄化装置が設けられている。ガスセンサ1は、排気浄化装置を通過した排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検出するとともに、検出した窒素酸化物の濃度に応じた信号を出力する。以下では、窒素酸化物を「NOx」とも称する。本実施形態では、NOxが、排ガスに含まれる特定のガス成分に相当する。
<第1実施形態>
はじめに、図1に示される第1実施形態のガスセンサ1について説明する。図1に示されるガスセンサ1は、例えば車両の排気通路に配置される。排気通路には、内燃機関から排出される排ガスに含まれる有害物質、例えば一酸化炭素や窒素酸化物を浄化する排気浄化装置が設けられている。ガスセンサ1は、排気浄化装置を通過した排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検出するとともに、検出した窒素酸化物の濃度に応じた信号を出力する。以下では、窒素酸化物を「NOx」とも称する。本実施形態では、NOxが、排ガスに含まれる特定のガス成分に相当する。
図1に示されるように、ガスセンサ1は、本体部10と、固体電解質体11と、拡散抵抗体12と、ポンプセル13と、センサセル14と、ヒータ16とを備えている。
本体部10は、所定の隙間を有して固体電解質体11を厚さ方向に挟むように配置されている。本体部10と固体電解質体11との間に形成される一方の隙間は、測定室101を形成している。本体部10には、その外周面から測定室101に貫通する導入孔103が形成されている。本体部10と固体電解質体11との間に形成される他方の隙間は、基準ガス室102を形成している。基準ガス室102には、ガスセンサに設けられる大気口を介して基準酸素濃度ガスとしての大気が導入される。
本体部10は、所定の隙間を有して固体電解質体11を厚さ方向に挟むように配置されている。本体部10と固体電解質体11との間に形成される一方の隙間は、測定室101を形成している。本体部10には、その外周面から測定室101に貫通する導入孔103が形成されている。本体部10と固体電解質体11との間に形成される他方の隙間は、基準ガス室102を形成している。基準ガス室102には、ガスセンサに設けられる大気口を介して基準酸素濃度ガスとしての大気が導入される。
拡散抵抗体12は、導入孔103に配置されている。拡散抵抗体12は、アルミナ等の多孔質部材や、細孔を有する部材からなる。拡散抵抗体12は、測定室101内に導入される排気量を制限するために設けられている。
ポンプセル13は、センサセル14よりも導入孔103に近い位置に配置されている。ポンプセル13は、導入孔103から導入される排ガス中の酸素を除去する。本実施形態では、ポンプセル13が第1セルに相当する。
ポンプセル13は、センサセル14よりも導入孔103に近い位置に配置されている。ポンプセル13は、導入孔103から導入される排ガス中の酸素を除去する。本実施形態では、ポンプセル13が第1セルに相当する。
ポンプセル13は、固体電解質体11と、固体電解質体11の測定室101側の表面に配置されるポンプ電極130と、固体電解質体11の基準ガス室102側の表面に配置される共通電極17とにより構成されている。ポンプ電極130は、NOxを分解し難いNOx不活性電極、例えばPt-Au(白金-金)合金により形成される電極からなる。共通電極17は、センサセル14に対応する領域まで延びるように配置されている。ポンプ電極130と共通電極17との間には、ポンプ電圧Vpが印加されている。本実施形態では、ポンプセル13が第1セルに相当し、ポンプ電極130が第1電極に相当し、共通電極17が第2電極に相当する。
ポンプ電極130には、導入孔103を通じて測定室101に導入される排ガスが接触する。ポンプ電極130に排ガス中の酸素が接触すると、ポンプ電極130において酸素イオンが生成される。この酸素イオンは、固体電解質体11内を共通電極17に向かって流れ、共通電極17において電荷を放出して酸素となる。この酸素は、基準ガス室102から大気に放出される。この際の電荷の流れに応じてポンプ電極130と共通電極17との間にポンプ電流Ipが流れる。したがって、ポンプ電流Ipは、ポンプセル13における酸素の除去量、換言すれば排ガス中の酸素濃度に応じた値を示す。本実施形態では、ポンプ電流Ipが第1電流に相当する。
図2に示されるように、センサセル14は、ポンプセル13よりも導入孔103から離間した位置に配置されている。センサセル14は、ポンプセル13を通過した排ガス中のNOx濃度を検出する。本実施形態では、センサセル14が第2セルに相当する。
図1に示されるように、センサセル14は、固体電解質体11と、固体電解質体11の測定室101側の表面に配置されるセンサ電極140と、共通電極17とにより構成されている。センサ電極140は、NOxを分解し易いNOx活性電極、例えばPt-Rh(白金-ロジウム)合金により形成される電極からなる。センサ電極140と共通電極17との間には、センサ電圧Vsが印加されている。本実施形態では、センサセル14が第2セルに相当し、センサ電極140が第3電極に相当し、共通電極17が第4電極に相当する。
図1に示されるように、センサセル14は、固体電解質体11と、固体電解質体11の測定室101側の表面に配置されるセンサ電極140と、共通電極17とにより構成されている。センサ電極140は、NOxを分解し易いNOx活性電極、例えばPt-Rh(白金-ロジウム)合金により形成される電極からなる。センサ電極140と共通電極17との間には、センサ電圧Vsが印加されている。本実施形態では、センサセル14が第2セルに相当し、センサ電極140が第3電極に相当し、共通電極17が第4電極に相当する。
センサ電極140には、ポンプ電極130を通過した排ガス、すなわち酸素が除去された排ガスが接触する。センサ電極140に排ガス中のNOxが接触することにより、センサ電極140においてNOxが窒素及び酸素に分解される。センサ電極140において分解された酸素がセンサ電極140に接触することにより、センサ電極140において酸素イオンが生成される。この酸素イオンは、固体電解質体11内を共通電極17に向かって流れ、共通電極17において電荷を放出して酸素となる。この酸素は、基準ガス室102から大気に放出される。この際の電荷の流れに応じてセンサ電極140と共通電極17との間にセンサ電流Isが流れる。したがって、センサ電流Isは、排ガス中のNOx濃度に応じた値を示す。本実施形態では、センサ電流Isが第2電流に相当する。
このように、本実施形態のガスセンサ1では、基準ガス室102に配置されるポンプセル13及びセンサセル14のそれぞれの電極として共通の電極17が用いられている。
ヒータ16は、本体部10の内部に設けられている。ヒータ16は、通電に基づき発熱することにより固体電解質体11を加熱し、固体電解質体11の温度を活性化温度に保持する。
ヒータ16は、本体部10の内部に設けられている。ヒータ16は、通電に基づき発熱することにより固体電解質体11を加熱し、固体電解質体11の温度を活性化温度に保持する。
図3に示されるように、ガスセンサ1は、各種演算処理やヒータ16の駆動制御等を統括的に行う制御回路20を更に備えている。制御回路20は、各種演算処理として、例えば酸素濃度検出値DO及びNOx濃度検出値DNの演算を行う。具体的には、制御回路20には、ポンプセル13から出力されるポンプ電流Ip、及びセンサセル14から出力されるセンサ電流Isが取り込まれている。制御回路20は、ポンプセル13から出力されるポンプ電流Ip、及びセンサセル14から出力されるセンサ電流Isを検出する。制御回路20により検出されるポンプ電流検出値Ipは、排ガス中の酸素濃度と相関関係がある。また、制御回路20により検出されるセンサ電流検出値Isは、排ガス中のNOx濃度と相関関係がある。これを利用し、制御回路20は、ポンプ電流検出値Ipに基づいて酸素濃度検出値DOを演算するとともに、センサ電流検出値Isに基づいてNOx濃度検出値DNを演算する。制御回路20は、演算された酸素濃度検出値DO及びNOx濃度検出値DNを、車両に搭載される制御装置、例えば車両の内燃機関を制御する制御装置に出力する。
ところで、このような構成を有するガスセンサ1にあっては、例えば内燃機関で燃料カット制御が行われたような場合、測定室101に導入される排ガスの酸素濃度が急変する可能性がある。測定室101に導入される排ガスの酸素濃度が急変すると、その排ガス中の酸素がポンプセル13によって基準ガス室102に排出されることで、基準ガス室102の酸素濃度も急変する。図4は、基準ガス室102の酸素濃度の変化態様をグラフにより示したものである。
なお、図4において位置P1~P4は、図1に示される位置P1~P4に対応している。すなわち、位置P1は、ポンプセル13において導入孔103に最も近い端部の位置に対応する。位置P2は、ポンプセル13において導入孔103から最も離間した端部の位置に対応する。位置P3は、センサセル14においてポンプセル13に最も近い端部の位置に対応する。位置P4は、センサセル14においてポンプセル13から最も離間した端部の位置に相当する。以下では、基準ガス室102における位置P1から位置P2までの領域、すなわちポンプセル13が配置されている領域を「ポンプセル領域AP」と称する。また、基準ガス室102における位置P3から位置P4までの領域、すなわちセンサセル14が配置されている領域を「センサセル領域AS」と称する。
また、図4において、酸素濃度Cbは、大気の酸素濃度を示すものである。基準ガス室102の酸素濃度は、通常、大気の酸素濃度Cbである。
図4に示されるように、測定室101に導入される排ガスの酸素濃度が急変すると、基準ガス室102の酸素濃度は、まず、一点鎖線L1に示されるように変化する。すなわち、ポンプセル13により基準ガス室102に酸素が排出されるため、基準ガス室102のポンプセル領域APの酸素濃度が、大気の酸素濃度Cbよりも所定値αだけ高い「Cb+α」まで増加する。このとき、基準ガス室102のセンサセル領域ASの酸素濃度は大気の酸素濃度Cbになっている。
図4に示されるように、測定室101に導入される排ガスの酸素濃度が急変すると、基準ガス室102の酸素濃度は、まず、一点鎖線L1に示されるように変化する。すなわち、ポンプセル13により基準ガス室102に酸素が排出されるため、基準ガス室102のポンプセル領域APの酸素濃度が、大気の酸素濃度Cbよりも所定値αだけ高い「Cb+α」まで増加する。このとき、基準ガス室102のセンサセル領域ASの酸素濃度は大気の酸素濃度Cbになっている。
その後、基準ガス室102のポンプセル領域APに存在する酸素がセンサセル領域ASに流れることにより、図4に実線L2で示されるように、センサセル領域ASの酸素濃度も「Cb+α」まで増加する。その後、基準ガス室102の酸素濃度は「Cb+α」で安定することになる。このような基準ガス室102の酸素濃度の変化が、制御回路20により検出されるセンサ電流検出値Isに変化を生じさせる要因となる。
具体的には、基準ガス室102の酸素濃度が大気の酸素濃度Cbに保持されている場合、センサセル14に生じる起電力は略一定値となっている。そのため、センサセル14に実際に加わっている実効電圧は、センサ電圧Vsからセンサセル14の起電力を減算した値となる。
これに対し、図5(A)に示されるように、例えば時刻t10で基準ガス室102の酸素濃度が増加し始めたとすると、センサセル14の起電力に変化が生じる。このセンサセル14の起電力の変化に伴ってセンサセル14の実効電圧にも変化が生じる。センサセル14では、センサ電極140と共通電極17との間にそれらの静電容量に応じた電荷が蓄えられている。そのため、センサセル14の実効電圧に変化が生じると、センサ電極140と共通電極17との間に蓄えられている電荷にも変化が生じる。このようなセンサセル14の電荷の変化により、電荷の変化量に応じた電流がセンサセル14に流れる。これにより、図5(B)に示されるように、時刻t10以降、センサ電流検出値Isは、基準値Iszからピーク値Ispまで一旦低下した後に増加するように変化する。基準値Iszは、基準ガス室102の酸素濃度が変化する直前のセンサ電流検出値Isである。
図5(B)に示されるようにセンサ電流検出値Isが急変することにより、センサ電流検出値Isに基づいて演算されるNOx濃度検出値DNにも、図5(C)に示されるような変化が生じる。すなわち、NOx濃度検出値DNも、基準値DNzからピーク値DNpまで一旦低下した後に増加するように変化する。このとき、図5(C)に二点鎖線で示されるように、実際の排ガスのNOx濃度は基準値DNzから変化していないにも関わらず、NOx濃度検出値DNが急変する。そのため、排ガスのNOx濃度が誤って検出されてしまう。
そこで、本実施形態のガスセンサ1の制御回路20では、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたことが検出された場合には、センサ電流検出値Isを補正するとともに、補正後のセンサ電流検出値Isに基づいてNOx濃度検出値DNを演算することとしている。
具体的には、図6に示されるように、制御回路20は、ポンプ電流検出部21と、センサ電流検出部22と、酸素濃度演算部23と、判定部24と、センサ電流補正部25と、NOx濃度演算部26とを備えている。
ポンプ電流検出部21は、ポンプセル13から出力されるポンプ電流Ipを検出するとともに、検出されたポンプ電流検出値Ipを酸素濃度演算部23及び判定部24に出力する。本実施形態では、ポンプ電流検出部21が第1電流検出部に相当し、ポンプ電流検出値Ipが第1電流検出値に相当する。
ポンプ電流検出部21は、ポンプセル13から出力されるポンプ電流Ipを検出するとともに、検出されたポンプ電流検出値Ipを酸素濃度演算部23及び判定部24に出力する。本実施形態では、ポンプ電流検出部21が第1電流検出部に相当し、ポンプ電流検出値Ipが第1電流検出値に相当する。
酸素濃度演算部23は、ポンプ電流検出部21から出力されるポンプ電流検出値Ipから演算式を用いて酸素濃度検出値DOを演算するとともに、演算された酸素濃度検出値DOを出力する。
判定部24は、ポンプ電流検出値Ipに基づいて基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたか否かを判定する。具体的には、判定部24は、ポンプ電流検出値Ipの時間変化量が所定値以上であることを検知した場合、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定する。判定部24は、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定した場合、その旨をセンサ電流補正部25に通知する。
判定部24は、ポンプ電流検出値Ipに基づいて基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたか否かを判定する。具体的には、判定部24は、ポンプ電流検出値Ipの時間変化量が所定値以上であることを検知した場合、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定する。判定部24は、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定した場合、その旨をセンサ電流補正部25に通知する。
センサ電流検出部22は、センサセル14から出力されるセンサ電流Isを検出するとともに、検出されたセンサ電流検出値Isをセンサ電流補正部25に出力する。本実施形態では、センサ電流検出部22が第2電流検出部に相当し、センサ電流検出値Isが第2電流検出値に相当する。
センサ電流補正部25は、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた旨が判定部24から通知されていない場合には、センサ電流検出部22から出力されるセンサ電流検出値IsをそのままNOx濃度演算部26に出力する。これに対し、センサ電流補正部25は、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた旨が判定部24から通知された場合には、センサ電流検出部22から出力されるセンサ電流検出値Isを補正するとともに、補正後のセンサ電流検出値IscをNOx濃度演算部26に出力する。
NOx濃度演算部26は、センサ電流補正部25から出力されるセンサ電流検出値Is又は補正後のセンサ電流検出値Iscに変換係数Bを乗算することによりNOx濃度検出値DNを演算するとともに、演算されたNOx濃度検出値DNを出力する。
次に、図7を参照して、判定部24及びセンサ電流補正部25により実行される処理の手順について具体的に説明する。なお、図7に示される処理において、フラグFの初期値は「0」に設定されている。また、図7に示される処理は、所定の演算周期で繰り返し実行される。
次に、図7を参照して、判定部24及びセンサ電流補正部25により実行される処理の手順について具体的に説明する。なお、図7に示される処理において、フラグFの初期値は「0」に設定されている。また、図7に示される処理は、所定の演算周期で繰り返し実行される。
図7に示されるように、センサ電流補正部25は、まず、ステップS10の処理として、フラグFの値が「0」であるか否かを判断する。センサ電流補正部25は、ステップS10の処理で肯定判断した場合には、すなわちフラグFの値が「0」である場合には、センサ電流検出値Isを補正する必要がないと判断する。この場合、ステップS10に続くステップS11の処理として、判定部24が、ポンプ電流検出値Ipの単位時間当たりの変化量dIpを取得する。具体的には、判定部24は、現在から所定時間前までの期間に検出されたポンプ電流検出値Ipに基づいてポンプ電流検出値の時間変化量dIpを演算する。
判定部24は、ステップS11に続くステップS12の処理として、ポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定値dIth以上であるか否かを判断する。所定値dIthは、ポンプ電流検出値Ipが急変しているか否かを判定することができるように予め実験等により求められており、制御回路20の記憶装置に記憶されている。本実施形態では、ステップS12の処理が、ポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定範囲外であるか否かを判断する処理に相当する。
判定部24は、ステップS12の処理で否定判断した場合には、すなわちポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定値dIth以下である場合には、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じていないと判定して、一連の処理を終了する。
一方、判定部24は、ステップS12の処理で肯定判断した場合には、すなわちポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定値dIthを超えている場合には、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じていると判定する。この場合、判定部24は、ステップS13の処理として、フラグFを「1」に設定する。図7に示される処理では、このフラグFを「1」に設定する処理が、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた旨をセンサ電流補正部25に通知する処理に相当する。
一方、判定部24は、ステップS12の処理で肯定判断した場合には、すなわちポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定値dIthを超えている場合には、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じていると判定する。この場合、判定部24は、ステップS13の処理として、フラグFを「1」に設定する。図7に示される処理では、このフラグFを「1」に設定する処理が、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた旨をセンサ電流補正部25に通知する処理に相当する。
センサ電流補正部25は、ステップS13に続くステップS14の処理として、センサ電流の基準値Iszを取得する。例えば基準ガス室102の酸素濃度が図5(A)に示されるように変化した場合、ポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定値dIthを超えていると判定される時期は、時刻t10の直後の時刻t11となる。この場合、時刻t11から所定時間T1前の時刻t12にセンサ電流検出部22により検出されたセンサ電流検出値Isがセンサ電流の基準値Iszとして取得される。図7に示されるように、センサ電流補正部25は、ステップS14の処理を実行した後、図7に示される処理を一旦終了する。
その後、所定の演算周期が経過した後に図7に示される処理が再び実行されると、フラグFが「1」に設定されているため、センサ電流補正部25は、ステップS10の処理で否定判断する。この場合、センサ電流補正部25は、ステップS15の処理として、センサ電流検出値Isが基準値Isz未満であるか否かを判断する。センサ電流補正部25は、ステップS15の処理で肯定判断した場合には、すなわちセンサ電流検出値Isが基準値Isz未満である場合には、ステップS16の処理として、センサ電流検出値Isを補正する。
具体的には、センサ電流補正部25は、以下の式f1に基づいてセンサ電流検出値Isを補正することにより、補正後のセンサ電流検出値Iscを演算する。
Isc=Isz+(Is-Isz)×K (f1)
なお、補正係数Kは、予め定められている。補正係数Kは、ガスセンサ1の製造後に行われる校正検査で設定される。校正検査では、ガスセンサ1に検査用ガスが導入されることにより、ガスセンサ1の出力値の検査等が行われる。補正係数Kを決定する際には、まず、NOx濃度が一定に設定された環境下、又はNOx濃度が零に設定された環境下でガスセンサ1に導入される検査用ガスの酸素濃度を変化させることにより、図5(B)に示されるようなセンサ電流検出値Isの推移を取得する。これにより、基準値Isz及びピーク値Ispを取得する。補正係数Kは、このようにして校正検査時に取得される基準値Isz及びピーク値Ispから以下の式(f2)に基づいて設定される。
Isc=Isz+(Is-Isz)×K (f1)
なお、補正係数Kは、予め定められている。補正係数Kは、ガスセンサ1の製造後に行われる校正検査で設定される。校正検査では、ガスセンサ1に検査用ガスが導入されることにより、ガスセンサ1の出力値の検査等が行われる。補正係数Kを決定する際には、まず、NOx濃度が一定に設定された環境下、又はNOx濃度が零に設定された環境下でガスセンサ1に導入される検査用ガスの酸素濃度を変化させることにより、図5(B)に示されるようなセンサ電流検出値Isの推移を取得する。これにより、基準値Isz及びピーク値Ispを取得する。補正係数Kは、このようにして校正検査時に取得される基準値Isz及びピーク値Ispから以下の式(f2)に基づいて設定される。
K=a×Isp/Isz (f2)
なお、「a」は調整係数であって、任意に設定される。このようにして校正検査時に設定された補正係数Kが制御回路20の記憶装置に記憶されている。センサ電流補正部25は、図7に示されるステップS16の処理において、記憶装置に記憶された補正係数Kを用いて上記の式f1により補正後のセンサ電流検出値Iscを演算するとともに、演算された補正後のセンサ電流検出値IscをNOx濃度演算部26に出力する。
なお、「a」は調整係数であって、任意に設定される。このようにして校正検査時に設定された補正係数Kが制御回路20の記憶装置に記憶されている。センサ電流補正部25は、図7に示されるステップS16の処理において、記憶装置に記憶された補正係数Kを用いて上記の式f1により補正後のセンサ電流検出値Iscを演算するとともに、演算された補正後のセンサ電流検出値IscをNOx濃度演算部26に出力する。
その後、センサ電流検出値Isが基準値Isz未満である期間、ステップS16の処理が所定の周期で実行されるため、センサ電流検出値Isの補正が継続して行われることになる。
センサ電流検出値Isが基準値Isz以上になると、センサ電流補正部25は、ステップS15の処理で否定判断する。これにより、判定部24は、ステップS17の処理において、フラグFを「0」に設定する。これ以降、ステップS16の処理が実行されなくなる。すなわち、センサ電流補正部25は、センサ電流検出値Isの補正を行わずに、センサ電流検出値IsをそのままNOx濃度演算部26に出力する。
センサ電流検出値Isが基準値Isz以上になると、センサ電流補正部25は、ステップS15の処理で否定判断する。これにより、判定部24は、ステップS17の処理において、フラグFを「0」に設定する。これ以降、ステップS16の処理が実行されなくなる。すなわち、センサ電流補正部25は、センサ電流検出値Isの補正を行わずに、センサ電流検出値IsをそのままNOx濃度演算部26に出力する。
以上説明した本実施形態のガスセンサ1によれば、以下の(1)~(4)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた際、センサ電流検出値Isが補正されることにより、基準ガス室102の酸素濃度の変化がセンサ電流検出値Isに与える影響を小さくすることができる。よって、補正後のセンサ電流検出値Iscに基づいてNOx濃度検出値DNが演算されることにより、より高い精度でNOx濃度を検出することが可能となる。
(1)基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた際、センサ電流検出値Isが補正されることにより、基準ガス室102の酸素濃度の変化がセンサ電流検出値Isに与える影響を小さくすることができる。よって、補正後のセンサ電流検出値Iscに基づいてNOx濃度検出値DNが演算されることにより、より高い精度でNOx濃度を検出することが可能となる。
(2)判定部24は、ポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定範囲外であることに基づいて、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定する。このような構成によれば、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたか否かを容易に判定することが可能となる。
(3)センサ電流補正部25は、上記の式f2に示されるような、基準ガス室102の酸素濃度が急変した際のセンサ電流検出値Isの変化量に応じた補正係数Kを予め有している。センサ電流補正部25は、センサ電流検出値Isを補正する際に、補正係数Kを用いてセンサ電流検出値Isを補正する。このような構成によれば、センサ電流検出値Isを容易に補正することが可能となる。また、補正係数Kは、各ガスセンサ1の校正検査時に個別に設定されるため、ガスセンサ1の個体差に起因するNOx濃度検出値DNの演算誤差を小さくすることが可能である。
(4)センサ電流補正部25は、判定部24により基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定される直前にセンサ電流検出部22により検出されるセンサ電流検出値Isを基準値Iszとして取得する。また、センサ電流補正部25は、判定部24により基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定された後、センサ電流検出値Isが基準値Isz未満である期間、補正を実行する。このような構成によれば、基準ガス室102の酸素濃度の変化がセンサ電流検出値Isに影響を与えている期間にセンサ電流検出値Isが補正されるようになるため、より適切なタイミングでNOx濃度検出値DNの検出誤差を抑制することができる。
(変形例)
次に、第1実施形態のガスセンサ1の変形例について説明する。
図8に示されるように、本変形例のガスセンサ1では、センサ電流補正部25が、ステップS10の処理で否定判断した場合、ステップS16の処理として、センサ電流検出値Isを補正する。続いて、センサ電流補正部25が、ステップS18の処理として、フラグFが「1」に設定された時点から所定時間が経過したか否かを判断する。その後、センサ電流補正部25は、フラグFが「1」に設定された時点から所定時間が経過した場合、ステップS18の処理で肯定判断する。これにより、判定部24は、ステップS17の処理として、フラグFを「0」に設定する。フラグFが「0」に設定されることにより、センサ電流補正部25は、センサ電流検出値Isの補正を行わずに、センサ電流検出値IsをそのままNOx濃度演算部26に出力するようになる。
次に、第1実施形態のガスセンサ1の変形例について説明する。
図8に示されるように、本変形例のガスセンサ1では、センサ電流補正部25が、ステップS10の処理で否定判断した場合、ステップS16の処理として、センサ電流検出値Isを補正する。続いて、センサ電流補正部25が、ステップS18の処理として、フラグFが「1」に設定された時点から所定時間が経過したか否かを判断する。その後、センサ電流補正部25は、フラグFが「1」に設定された時点から所定時間が経過した場合、ステップS18の処理で肯定判断する。これにより、判定部24は、ステップS17の処理として、フラグFを「0」に設定する。フラグFが「0」に設定されることにより、センサ電流補正部25は、センサ電流検出値Isの補正を行わずに、センサ電流検出値IsをそのままNOx濃度演算部26に出力するようになる。
このような構成によれば、フラグFが「1」に設定された時点、すなわち基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定された時点から所定時間が経過するまでの期間、センサ電流検出値Isの補正が実行される。これにより、所定時間の長さを適宜調整することにより、より的確にNOx濃度検出値DNの検出誤差を抑制することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、ガスセンサ1の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態のガスセンサ1との相違点を中心に説明する。
測定室101に導入された排ガス中の酸素をポンプセル13により完全に除去することができなかった場合、その残留酸素がセンサ電極140に接触する可能性がある。このような場合、センサセル14には、NOx濃度だけでなく、残留酸素の濃度に応じたセンサ電流Isが流れるため、センサ電流Isに基づいて演算されるNOx濃度に誤差が生じてしまう。
次に、ガスセンサ1の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態のガスセンサ1との相違点を中心に説明する。
測定室101に導入された排ガス中の酸素をポンプセル13により完全に除去することができなかった場合、その残留酸素がセンサ電極140に接触する可能性がある。このような場合、センサセル14には、NOx濃度だけでなく、残留酸素の濃度に応じたセンサ電流Isが流れるため、センサ電流Isに基づいて演算されるNOx濃度に誤差が生じてしまう。
そこで、本実施形態のガスセンサ1は、図9及び図10に示されるように、ポンプセル13及びセンサセル14に加え、排ガス中の残留酸素を検出するためのモニタセル15を更に備えている。モニタセル15は、センサセル14と並ぶように配置されている。
図9に示されるように、モニタセル15は、固体電解質体11と、固体電解質体11の測定室101側の表面に配置されるモニタ電極150と、共通電極17とにより構成されている。モニタ電極150は、NOxを分解し難いNOx不活性電極、例えばPt-Au(白金-金)合金により形成される電極からなる。モニタ電極150と共通電極17との間には、モニタ電圧Vmが印加されている。本実施形態では、モニタセル15が第3セルに相当し、モニタ電極150が第5電極に相当し、共通電極17が第6電極に相当する。
図9に示されるように、モニタセル15は、固体電解質体11と、固体電解質体11の測定室101側の表面に配置されるモニタ電極150と、共通電極17とにより構成されている。モニタ電極150は、NOxを分解し難いNOx不活性電極、例えばPt-Au(白金-金)合金により形成される電極からなる。モニタ電極150と共通電極17との間には、モニタ電圧Vmが印加されている。本実施形態では、モニタセル15が第3セルに相当し、モニタ電極150が第5電極に相当し、共通電極17が第6電極に相当する。
モニタ電極150には、ポンプ電極130により酸素が除去された排ガスが接触する。排ガス中の残留酸素がモニタ電極150に接触することにより、モニタ電極150において酸素イオンが生成される。この酸素イオンは、固体電解質体11内を共通電極17に向かって流れ、共通電極17において電荷を放出して酸素となる。この酸素は、基準ガス室102から大気に放出される。この際の電荷の流れに応じてモニタ電極150と共通電極17との間にモニタ電流Imが流れる。したがって、モニタ電流Imは、排ガス中の残留酸素の濃度に応じた値を示す。本実施形態では、モニタ電流Imが第3電流に相当する。
図3に破線で示されるように、制御回路20には、モニタセル15から出力されるモニタ電流Imが取り込まれている。制御回路20は、モニタセル15から出力されるモニタ電流Imを検出する。制御回路20により検出されるモニタ電流検出値Imは、排ガス中の残留酸素の濃度と相関関係がある。また、制御回路20により検出されるセンサ電流検出値Isは、排ガス中のNOx濃度及び残留酸素の濃度と相関関係がある。これを利用し、制御回路20は、センサ電流検出値Isからモニタ電流検出値Imを減算するとともに、その減算値に基づいて排ガス中のNOx濃度を検出する。
具体的には、図11に示されるように、制御回路20は、モニタ電流検出部27を備えている。また、制御回路20は、センサ電流補正部25に代えて、モニタ電流補正部28を備えている。
モニタ電流検出部27は、モニタセル15から出力されるモニタ電流Imを検出するとともに、検出されたモニタ電流検出値Imをモニタ電流補正部28に出力する。本実施形態では、モニタ電流検出部27が第3電流検出部に相当し、モニタ電流検出値Imが第3電流検出値に相当する。
モニタ電流検出部27は、モニタセル15から出力されるモニタ電流Imを検出するとともに、検出されたモニタ電流検出値Imをモニタ電流補正部28に出力する。本実施形態では、モニタ電流検出部27が第3電流検出部に相当し、モニタ電流検出値Imが第3電流検出値に相当する。
モニタ電流補正部28は、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた旨が判定部24から通知されていない場合には、モニタ電流検出部27から出力されるモニタ電流検出値ImをそのままNOx濃度演算部26に出力する。これに対し、モニタ電流補正部28は、基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた旨が判定部24から通知された場合には、モニタ電流検出部27から出力されるモニタ電流検出値Imを補正するとともに、補正後のモニタ電流検出値ImcをNOx濃度演算部26に出力する。
NOx濃度演算部26は、センサ電流検出値Isからモニタ電流Imを減算した減算値、又はセンサ電流検出値Isから補正後のモニタ電流検出値Imcを減算した減算値を演算する。NOx濃度演算部26は、その減算値に変換係数Bを乗算することによりNOx濃度検出値DNを演算するとともに、演算したNOx濃度検出値DNを出力する。
次に、図12を参照して、判定部24及びモニタ電流補正部28により実行される処理の手順について具体的に説明する。なお、図12に示される処理において、フラグFの初期値は「0」に設定されている。また、図12に示される処理は、所定の演算周期で繰り返し実行される。図12に示される処理において、図7に示される処理と同一の処理については同一の符号を付すことにより重複する説明は省略する。
図12に示されるように、判定部24は、ステップS12の処理で肯定判断した場合、すなわちポンプ電流検出値の時間変化量dIpが所定値dIthを超えている場合には、ステップS20の処理として、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im未満であるか否かを判断する。図13(A),(B)に示されるように、例えば時刻t10で基準ガス室102の酸素濃度が増加し始めたとすると、センサセル14と同様の原理により、モニタ電流検出値Imに変化が生じる。具体的には、基準ガス室102の酸素の濃度の変化に伴ってモニタセル15の起電力が変化することにより、時刻t10以降、モニタ電流Imが基準値Imzからピーク値Impまで一旦低下した後に増加する。基準値Imzは、基準ガス室102の酸素濃度が変化する直前のモニタ電流Imである。図13(B)に示されるようにセンサ電流検出値Is及びモニタ電流検出値Imが変化することにより、それらから演算されるNOx濃度検出値DNが図13(C)に示されるように変化する。
図13(B)に示されるように、センサ電流検出値Isは通常、モニタ電流検出値Imよりも大きい値を示している。しかしながら、基準ガス室102の酸素濃度の変化に起因して各電流検出値Is,Imが変化した場合、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Imよりも小さい値を示す。その後、基準ガス室102の酸素濃度が「Cb+α」に収束するに従って、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Imよりも大きい値を示すようになる。したがって、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im未満である場合には、基準ガス室102の酸素濃度が増加している状況であると判定することが可能である。
図12に示されるように、判定部24は、ステップS20の処理で肯定判断した場合には、すなわちセンサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im未満である場合には、基準ガス室の酸素濃度が変化していると判定する。この場合、判定部24は、ステップS13の処理として、フラグFを「1」に設定する。
モニタ電流補正部28は、ステップS13に続くステップS21の処理として、モニタ電流の基準値Imzを取得する。例えば基準ガス室102の酸素濃度が図13(A)に示されるように変化した場合、時刻t11から所定時間T1前の時刻t12にモニタ電流検出部27により検出されたモニタ電流検出値Imがモニタ電流の基準値Imzとして取得される。モニタ電流補正部28は、ステップS21の処理を実行した後、図12に示される処理を一旦終了する。
その後、所定の演算周期が経過した後に図7に示される処理が再び実行されると、フラグFが「1」に設定されているため、モニタ電流補正部28は、ステップS10の処理で肯定判断する。この場合、モニタ電流補正部28は、ステップS22の処理において、モニタ電流検出値Imが基準値Imz未満であるか否かを判断する。モニタ電流補正部28は、ステップS22の処理において肯定判断した場合には、すなわちモニタ電流検出値Imが基準値Imz未満である場合には、ステップS23の処理として、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im未満であるか否かを判断する。モニタ電流補正部28は、ステップS23の処理で肯定判断した場合には、すなわちセンサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im未満である場合には、ステップS24の処理として、モニタ電流検出値Imを補正する。
具体的には、モニタ電流補正部28は、以下の式f3に基づいてモニタ電流検出値Imを補正することにより、補正後のモニタ電流検出値Imcを演算する。
Imc=Imz+(Im-Imz)×Km (f3)
なお、補正係数Kmは、予め定められている。補正係数Kmは、ガスセンサ1の製造後に行われる校正検査で設定される。補正係数Kmを決定する際には、まず、NOx濃度が零に設定された環境下でガスセンサ1に導入される検査用ガスの酸素濃度を変化させることにより、図13(B)に示されるようなセンサ電流検出値Is及びモニタ電流検出値Imの推移を取得する。補正係数Kmは、このようにして校正検査時に取得されるセンサ電流検出値Is及びモニタ電流検出値Imから以下の式(f4)に基づいて設定される。
Imc=Imz+(Im-Imz)×Km (f3)
なお、補正係数Kmは、予め定められている。補正係数Kmは、ガスセンサ1の製造後に行われる校正検査で設定される。補正係数Kmを決定する際には、まず、NOx濃度が零に設定された環境下でガスセンサ1に導入される検査用ガスの酸素濃度を変化させることにより、図13(B)に示されるようなセンサ電流検出値Is及びモニタ電流検出値Imの推移を取得する。補正係数Kmは、このようにして校正検査時に取得されるセンサ電流検出値Is及びモニタ電流検出値Imから以下の式(f4)に基づいて設定される。
Km=a×Is/Im (f4)
なお、「a」は調整係数であって、任意に設定される。このようにして校正検査時に設定された補正係数Kmが制御回路20の記憶装置に記憶されている。モニタ電流補正部28は、図13に示されるステップS24の処理において、記憶装置に記憶された補正係数Kmを用いて上記の式f3により補正後のモニタ電流検出値Imcを演算するとともに、演算された補正後のモニタ電流検出値ImcをNOx濃度演算部26に出力する。
なお、「a」は調整係数であって、任意に設定される。このようにして校正検査時に設定された補正係数Kmが制御回路20の記憶装置に記憶されている。モニタ電流補正部28は、図13に示されるステップS24の処理において、記憶装置に記憶された補正係数Kmを用いて上記の式f3により補正後のモニタ電流検出値Imcを演算するとともに、演算された補正後のモニタ電流検出値ImcをNOx濃度演算部26に出力する。
その後、モニタ電流補正部28は、モニタ電流検出値Imが基準値Imz以上になった場合には、ステップS22の処理で否定判断する。また、モニタ電流補正部28は、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im以上になった場合には、ステップS23の処理で否定判断する。モニタ電流補正部28がステップS22の処理で否定判断した場合、又はステップS23の処理で否定判断した場合には、判定部24は、ステップS17として、フラグFを「0」に設定する。これ以降、ステップS24の処理が実行されなくなる。すなわち、モニタ電流補正部28は、モニタ電流検出値Imの補正を行わないため、モニタ電流検出値ImをそのままNOx濃度演算部26に出力する。
以上説明した本実施形態のガスセンサ1によれば、第1実施形態の上記の(2)に示される作用及び効果に加え、以下の(5)~(7)に示される作用及び効果を得ることができる。
(5)基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた際、モニタ電流検出値Imが補正されることにより、基準ガス室102の酸素濃度の変化がモニタ電流検出値Imに与える影響を小さくすることができる。よって、補正後のモニタ電流検出値Imcに基づいてNOx濃度検出値DNが演算されることにより、より高い精度でNOx濃度を検出することが可能となる。
(5)基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じた際、モニタ電流検出値Imが補正されることにより、基準ガス室102の酸素濃度の変化がモニタ電流検出値Imに与える影響を小さくすることができる。よって、補正後のモニタ電流検出値Imcに基づいてNOx濃度検出値DNが演算されることにより、より高い精度でNOx濃度を検出することが可能となる。
(6)モニタ電流補正部28は、上記の式f4に示されるように、基準ガス室102の酸素濃度が急変した際のセンサセル14及びモニタセル15の出力比の関係を示す補正係数Kmを予め有しており、この補正係数Kmを用いてモニタ電流検出値Imを補正する。このような構成によれば、モニタ電流検出値Imを容易に補正することが可能となる。また、補正係数Kmは、各ガスセンサ1の校正検査時に個別に設定されるため、ガスセンサ1の個体差に起因するNOx濃度検出値DNの演算誤差を小さくすることが可能である。
(7)モニタ電流補正部28は、判定部24により基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定された後、センサ電流検出値Isがモニタ電流検出値Im以上であると判断するまでの期間、補正を実行する。このような構成によれば、基準ガス室102の酸素濃度の変化がモニタ電流検出値Imに影響を与えている期間にモニタ電流検出値Imが補正されるようになるため、より適切なタイミングでNOx濃度検出値DNの検出誤差を抑制することができる。
<他の実施形態>
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第2実施形態のガスセンサ1では、モニタ電流検出値Imを補正するという方法に代えて、センサ電流検出値Isを補正してもよい。また、モニタ電流検出値Im及びセンサ電流検出値Isの両方を補正することも可能である。
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第2実施形態のガスセンサ1では、モニタ電流検出値Imを補正するという方法に代えて、センサ電流検出値Isを補正してもよい。また、モニタ電流検出値Im及びセンサ電流検出値Isの両方を補正することも可能である。
・第2実施形態のモニタ電流補正部28は、図12に示されるステップS23の処理として、基準ガス室102の酸素濃度が平衡状態に達したか否かを判断してもよい。モニタ電流補正部28は、例えばポンプ電流検出値の時間変化量dIpを用いることにより、基準ガス室102の酸素濃度が平衡状態に達したか否かを判断することが可能である。モニタ電流補正部28は、基準ガス室102の酸素濃度が平衡状態に達していない場合には、ステップS23の処理で肯定判断し、ステップS24の処理として、モニタ電流検出値Imを補正する。モニタ電流補正部28は、基準ガス室102の酸素濃度が平衡状態に達した場合には、ステップS23の処理で否定判断する。この場合、判定部24は、ステップS17の処理として、フラグFを「0」に設定する。このような構成であっても、第2実施形態のガスセンサ1と同一又は類似の作用及び効果を得ることが可能である。
・各実施形態の判定部24は、図7及び図12のステップS12の処理に示されるように、ポンプ電流検出値の時間変化量dIpに基づいて基準ガス室102の酸素濃度の変化を検知するものであったが、ポンプ電流検出値Ipそのものに基づいて基準ガス室102の酸素濃度の変化を検知してもよい。具体的には、判定部24は、ポンプ電流検出値Ipが所定範囲外であることに基づいて基準ガス室102の酸素濃度に変化が生じたと判定してもよい。
・第1実施形態のガスセンサ1は、共通電極17に代えて、ポンプセル13の電極及びセンサセル14の基準電極を別々に有するものであってもよい。また、第2実施形態のガスセンサ1は、共通電極17に代えて、ポンプセル13の電極、センサセル14の電極、モニタセル15の電極を別々に有するものであってもよい。
・本開示に記載の制御回路20及びその制御方法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ又は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された1つ又は複数の専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の制御回路20及びその制御方法は、1つ又は複数の専用ハードウェア論理回路を含むプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の制御回路20及びその制御方法は、1つ又は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと1つ又は複数のハードウェア論理回路を含むプロセッサとの組み合わせにより構成された1つ又は複数の専用コンピュータにより、実現されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。専用ハードウェア論理回路及びハードウェア論理回路は、複数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路により実現されてもよい。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
1:ガスセンサ
13:ポンプセル(第1セル)
14:センサセル(第2セル)
15:モニタセル(第3セル)
17:共通電極(第2電極、第4電極、第6電極)
21:ポンプ電流検出部(第1電流検出部)
22:センサ電流検出部(第2電流検出部)
24:センサ電流補正部(判定部)
26:NOx濃度演算部(演算部)
27:モニタ電流検出部(第3電流検出部)
28:モニタ電流補正部(補正部)
101:測定室
102:基準ガス室
130:ポンプ電極(第1電極)
140:センサ電極(第3電極)
150:モニタ電極(第5電極)
13:ポンプセル(第1セル)
14:センサセル(第2セル)
15:モニタセル(第3セル)
17:共通電極(第2電極、第4電極、第6電極)
21:ポンプ電流検出部(第1電流検出部)
22:センサ電流検出部(第2電流検出部)
24:センサ電流補正部(判定部)
26:NOx濃度演算部(演算部)
27:モニタ電流検出部(第3電流検出部)
28:モニタ電流補正部(補正部)
101:測定室
102:基準ガス室
130:ポンプ電極(第1電極)
140:センサ電極(第3電極)
150:モニタ電極(第5電極)
Claims (9)
- 排ガスが導入される測定室(101)と、
基準ガスが導入される基準ガス室(102)と、
前記測定室に設けられる第1電極(130)と、前記基準ガス室に設けられる第2電極(17)とを有し、前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧が印加されることにより、前記測定室に導入される排ガスに含まれる酸素を除去する第1セル(13)と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に流れる第1電流を検出する第1電流検出部(21)と、
前記測定室に設けられる第3電極(140)と、前記基準ガス室に設けられる第4電極(17)とを有し、前記第3電極及び前記第4電極の間に電圧が印加され、前記第1セルにより酸素が除去された排ガスに含まれる特定のガス成分の濃度に応じた第2電流が流れる第2セル(14)と、
前記第2電流を検出する第2電流検出部(22)と、
前記第2電流検出部により検出される第2電流検出値に基づいて特定のガス成分の濃度を演算する演算部(26)と、
前記第1電流検出部により検出される第1電流検出値に基づいて、前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたか否かを判定する判定部(24)と、
前記判定部により前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定されたとき、前記第2電流検出値を補正する補正部(25)と、を備える
ガスセンサ。 - 排ガスが導入される測定室(101)と、
基準ガスが導入される基準ガス室(102)と、
前記測定室に設けられる第1電極(130)と、前記基準ガス室に設けられる第2電極(17)とを有し、前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧が印加されることにより、前記測定室に導入される排ガスに含まれる酸素を除去する第1セル(13)と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に流れる第1電流を検出する第1電流検出部(21)と、
前記測定室に設けられる第3電極(140)と、前記基準ガス室に設けられる第4電極(17)とを有し、前記第3電極及び前記第4電極の間に電圧が印加され、前記第1セルにより酸素が除去された排ガスに含まれる特定のガス成分の濃度に応じた第2電流が流れる第2セル(14)と、
前記第2電流を検出する第2電流検出部(22)と、
前記測定室に設けられる第5電極(150)と、前記基準ガス室に設けられる第6電極(17)とを有し、前記第5電極及び前記第6電極の間に電圧が印加されることにより、前記第1セルにより酸素が除去された排ガスに含まれる残留酸素の濃度に応じた第3電流が流れる第3セル(15)と、
前記第3電流を検出する第3電流検出部(27)と、
前記第2電流検出部により検出される第2電流検出値、及び前記第3電流検出部により検出される第3電流検出値に基づいて特定のガス成分の濃度を演算する演算部(26)と、
前記第1電流検出部により検出される第1電流検出値に基づいて、前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたか否かを判定する判定部(24)と、
前記判定部により前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定されたとき、前記第2電流検出値及び前記第3電流検出値の少なくとも一方を補正する補正部(28)と、を備える
ガスセンサ。 - 前記判定部は、前記第1電流検出値の時間変化量が所定範囲外であることに基づいて、前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定する
請求項1又は2に記載のガスセンサ。 - 前記判定部は、前記第1電流検出値が所定範囲外であることに基づいて、前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定する
請求項1又は2に記載のガスセンサ。 - 前記補正部は、前記基準ガス室の酸素濃度が急変した際の第2電流検出値の変化量に応じた補正係数を予め有しており、前記第2電流検出値を補正する際に、前記補正係数を用いて前記第2電流検出値を補正する
請求項1~4のいずれか一項に記載のガスセンサ。 - 前記補正部は、前記基準ガス室の酸素濃度が急変した際の前記第2セル及び前記第3セルの出力比の関係を示す補正係数を予め有しており、前記補正係数を用いて前記第2電流検出値及び前記第3電流検出値の少なくとも一方を補正する
請求項2に記載のガスセンサ。 - 前記補正部は、前記判定部により前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定された時点から所定時間が経過するまでの間、補正を実行する
請求項1~6のいずれか一項に記載のガスセンサ。 - 前記補正部は、
前記判定部により前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定される直前に前記第2電流検出部により検出された第2電流検出値を基準値として取得するとともに、
前記判定部により前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定された後、前記第2電流検出値が前記基準値未満である期間、補正を実行する
請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記判定部は、前記第1電流検出値の時間変化量が所定値以上であって、且つ前記第2電流検出値が前記第3電流検出値よりも小さいことに基づいて、前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定し、
前記補正部は、前記判定部により前記基準ガス室の酸素濃度に変化が生じたと判定された後、前記第2電流検出値が前記第3電流検出値以上であると判断するまでの期間、又は前記基準ガス室の酸素濃度が平衡状態に達したと判断するまでの期間、補正を実行する
請求項2に記載のガスセンサ。
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WO2015030165A1 (ja) | 2013-08-30 | 2015-03-05 | 株式会社デンソー | ガス濃度検出装置 |
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