JP6344262B2 - 排気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気中のガス成分の濃度を検出する排気センサに関する。
内燃機関の排気中のガス成分を検出する排気センサとして、NOx(窒素酸化物)濃度を検出する排気センサが知られている。この種の排気センサとしては、特許文献1に記載のセンサがある。特許文献1に記載の排気センサは、測定用の排気が導入される測定室と、測定室内に配置されるポンプセル及びセンサセルとを備えている。ポンプセルは、酸素イオン導電性の固体電解質体と、当該固体電解質体を挟むように配置された一対の電極とを有している。ポンプセルは、一対の電極への通電に基づき測定室内の測定用排気の酸素濃度を調整する。センサセルも、酸素イオン導電性の固体電解質体と、当該固体電解質体を挟むように配置された一対の電極とを有している。センサセルの一対の電極間には所定の電圧が印加されている。一対の電極間には、測定用の排気中のNOx濃度に応じた電流が流れる。特許文献1に記載のNOxセンサは、センサセルの一対の電極間に流れる電流を検出することにより、排気のNOx濃度を検出する。
特許第5367044号公報
ところで、特許文献1のような構造からなる排気センサでは、ポンプセルの一対の電極間には測定用の排気中の酸素濃度に応じた電流が流れる。したがって、ポンプセルの一対の電極間の電流に基づいて排気中の酸素濃度を、換言すれば内燃機関の空燃比を検出することも可能である。しかしながら、ポンプセルの電極が被毒等により劣化すると、ポンプセルの一対の電極間を流れる電流に変化が生じる。このような状況では、内燃機関の空燃比を精度良く検出できないおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、空燃比を精度良く検出することのできる排気センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、内燃機関(2)の排気中のガス成分の濃度を検出する排気センサ(6)は、ポンプセル(626)と、モニタセル(628)と、演算部(11)とを備える。ポンプセルは、排気が導入される測定室(623)内の排気に含まれる酸素をポンピングするとともに、酸素のポンピング量に応じたポンプ電流を、限界電流特性を示す領域で出力する。モニタセルは、ポンプセルを通過した排気に残留する酸素の濃度を検出するとともに、当該排気の残留酸素の濃度に応じたモニタ電流を出力する。演算部は、ポンプセルから限界電流特性を示す領域で出力されるポンプ電流をモニタ電流に基づいて補正し、補正後のポンプ電流に基づいて内燃機関の空燃比を検出する。
ポンプセルの劣化によりポンプセルの酸素排出能力が低下すると、ポンプ電流に変化が生じる。また、ポンプセルを通過した排気中の残留酸素の濃度が増加することになるため、モニタ電流にも変化が生じる。すなわち、劣化に起因するポンプセルの酸素のポンピング量の減少は、モニタ電流の変化として表れる。したがって、上記構成のように、ポンプ電流をモニタ電流に基づいて補正すれば、劣化の影響が排除されたポンプ電流を得ることができる。よって、補正後のポンプ電流に基づいて内燃機関の空燃比を検出すれば、空燃比を精度良く検出することができる。
本発明によれば、空燃比を精度良く検出することができる。
エンジン排気系の概略構成を示すブロック図。 排気センサの一実施形態についてその部分断面構造を示す断面図。 実施形態の排気センサについてそのセンサ素子の断面構造を示す断面図。 図3のIV−IV線に沿った断面構造を示す断面図。 ポンプ電流Ipとポンプ印加電圧Vpとの関係、並びにモニタ電流Im及びモニタ印加電圧Vmとの関係を示すグラフ。 実施形態のSCUにより実行される処理の手順を示すフローチャート。 ポンプセルが劣化した際のポンプ電流Ipとポンプ印加電圧Vpとの関係、並びにモニタ電流Imとモニタ印加電圧Vmとの関係を示すグラフ。 排気センサの変形例についてSCUにより実行される処理の手順を示すフローチャート。 排気センサの他の変形例についてSCUにより実行される処理の手順を示すフローチャート。 排気センサの他の変形例についてSCUにより実行される処理の手順を示すフローチャート。
以下、排気センサの一実施形態について説明する。はじめに、図1を参照して、本実施形態の排気センサが用いられるエンジン排気系の概要について説明する。
図1に示されるように、エンジン排気系ESには、ECU(Engine Control Unit)10及びSCU(Sensor Control Unit)11が設けられている。ECU11は、ディーゼルエンジンからなる内燃機関2と、それに繋がるエンジン排気系ESとを制御する装置である。ECU10は、ディーゼルエンジン2の挙動を制御する機能を有している。ECU10は、アクセル開度及びエンジン回転速度に基づいて燃料噴射弁の開度を調整する。
エンジン排気系ESの排気通路20には、ディーゼルエンジン2側から順に、ディーゼル酸化触媒コンバータ4と、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒コンバータ5とが設けられている。ディーゼル酸化触媒コンバータ4は、ディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)40と、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)41とを有している。
ディーゼル酸化触媒コンバータ4は、排気に含まれる有害物質を酸化又は還元により浄化するものであって、特に炭素などからなる粒子状物質(PM)を捕集する装置である。
ディーゼル酸化触媒40は、主としてセラミック製の担体と、酸化アルミニウム、二酸化セリウム及び二酸化ジルコニウムを成分とする酸化物混合物、並びに白金、パラジウム、ロジウムといった貴金属触媒で構成されている。ディーゼル酸化触媒40は、排気に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物などを酸化させ浄化する。また、ディーゼル酸化触媒40は、触媒反応の際に発生する熱により排気温度を上昇させる。
ディーゼルパティキュレートフィルタ41は、多孔質セラミックに白金やパラジウムなどの白金族触媒が担持され、ハニカム構造体で形成される。ディーゼルパティキュレートフィルタ41は、排気中に含まれる粒子状物質をハニカム構造体の隔壁に堆積させる。堆積した粒子状物質は、燃焼によって酸化され浄化される。この燃焼には、ディーゼル酸化触媒40における温度上昇や、添加剤による粒子状物質の燃焼温度低下が利用される。
SCR触媒コンバータ5は、ディーゼル酸化触媒コンバータ4の後処理装置としてNOxを窒素と水に還元する装置であって、選択還元型の触媒であるSCR50を有する。SCR50は、ゼオライト又はアルミナなどの基材表面にPtなどの貴金属を担持した触媒が例示できる。SCR50は、触媒温度が活性温度域にあり、さらに、還元剤としての尿素が添加されているときにNOxを還元浄化するものである。尿素添加のため、SCR触媒コンバータ5の上流側には、尿素添加インジェクタ9が設けられている。
本実施形態では、ディーゼル酸化触媒コンバータ4と尿素添加インジェクタ9との間に排気センサ6が、SCR触媒コンバータ5の下流側に排気センサ7がそれぞれ配置されている。排気センサ6は、SCR触媒コンバータ5通過前の排気に含まれるNOxの濃度D1を検出する。また、排気センサ6は、SCR触媒コンバータ5通過前の排気に含まれる酸素濃度に基づいて内燃機関2の空燃比AFを検出する。排気センサ7は、SCR触媒コンバータ5通過後の排気に含まれるNOxの濃度D2を検出する。
排気センサ6で検出されるNOx濃度D1と、排気センサ7で検出されるNOx濃度D2とに基づき尿素添加インジェクタ9からSCR触媒コンバータ5に対して添加される尿素の量が決定される。より具体的には、排気センサ6においてSCR触媒コンバータ5通過前の排気から検出されるNOx濃度D1に基づいて添加する尿素の量が決定される。また、排気センサ7においてSCR触媒コンバータ5を通過した後の排気から検出されるNOx濃度D2が極力小さい値となるようにフィードバックし、添加する尿素の量を補正する。このように決定された量の尿素が、尿素添加インジェクタ9からSCR50に対して添加されることで、SCR50において排気中のNOxが適正に還元される。このように、排気に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物は、排気センサ6及び排気センサ7を通過した後、テールパイプ(不図示)から外部に排出される。
本実施形態では、尿素添加インジェクタ9とSCR触媒コンバータ5との間に温度センサ8が設けられている。温度センサ8は、排気温度TOを検出する。
排気センサ6、排気センサ7、及び温度センサ8のそれぞれの出力は、SCU11に取り込まれている。SCU11は、SCR触媒コンバータ5通過前の排気に含まれるNOxの濃度D1、SCR触媒コンバータ5通過後の排気に含まれるNOxの濃度D2、空燃比AF、及び排気温度TOを検出するとともに、必要なデータをECU10に送信している。ECU10及びSCU11は、CAN(Controller Area Network)バス12に繋がっており、CANバス12を介して情報通信を行っている。SCU11は、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、及び記憶装置を含むものである。本実施形態では、SCU11が演算部に相当する。
次に、図2を参照して、排気センサ6及び排気センサ7の具体的な構造について説明する。排気センサ6及び排気センサ7は同一の構成であるため、排気センサ6を例にとってその構成を説明する。
図2に示されるように、排気センサ6は、本体部60と、素子カバー61と、センサ素子62とを有している。
本体部60は、軸線mを中心に円柱状をなしている。センサ素子62は本体部60の軸方向一端部601から軸線mに沿って突出するように設けられている。センサ素子62は細長い板状の部材からなる。センサ素子62は、本体部60の内部に配置された図示しない筒状絶縁体により保持されている。また、図示は省略するが、本体部60は、基準酸素濃度ガスとしての大気が導入される大気口を有している。
素子カバー61はセンサ素子62の周囲を覆うように本体部60の一端部601に固定されている。素子カバー61は、内側に配置される内側カバー610と、内側カバー610の外側に配置される外側カバー611とを有する内外二重構造をなしている。内側カバー610の内部空間は、センサ素子62を収容する内側区画室63を構成する。内側カバー610と外側カバー611との間の内部空間は外側区画室64を構成する。内側カバー610は、内側区画室63と外側区画室64とを連通する複数の貫通孔612を有している。外側カバー611は、排気通路20の内部空間と外側区画室64とを連通する複数の貫通孔613を有している。すなわち、排気通路20を流れる排気は、外側カバー611の貫通孔613を介して外側区画室64に導入される。また、外側区画室64に導入された排気は、内側カバー610の貫通孔612を介して内側区画室63に導入される。
次に、図3及び図4を参照して、センサ素子62の具体的な構造について説明する。図3は、センサ素子62の断面構造を示したものである。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面構造を示したものである。
図3に示されるように、センサ素子62は、遮蔽層620と、固体電解質体621と、拡散抵抗体622とを備えている。
固体電解質体621は板状の部材であって、軸線mに沿って延びるように配置されている。固体電解質体621は、酸化ジルコニア等の酸素イオン伝導性固体電解質材料により構成されている。
遮蔽層620は、所定の隙間を隔てて固体電解質体621を厚さ方向に挟むように配置されている。遮蔽層620と固体電解質体621との間に形成される一方の隙間は測定室623を構成し、他方の隙間は大気室624を構成している。遮蔽層620は、センサ素子62の内側区画室63と測定室623とを連通する導入孔625を有している。すなわち、測定室623には、導入孔625を介して内側区画室63内の排気が導入される。大気室624には、図示しない本体部60の大気口を介して基準酸素濃度ガスとしての大気が導入される。
拡散抵抗体622は導入孔625に配置されている。拡散抵抗体622は、アルミナ等の多孔質部材、又は細孔を有する部材からなる。拡散抵抗体622は、測定室623に導入される排気量を制限する。これにより、一定量の排気が測定室623内に導入されるため、NOxや空燃比の検出精度を高めることができる。
センサ素子62は、固体電解質体621の測定室623側の表面に設けられているポンプ電極626a、センサ電極627a、及びモニタ電極628aを備えている。ポンプ電極626a及びセンサ電極627aは、この順で導入孔625に近い側から順に配置されている。図4に示されるように、モニタ電極628aは、センサ電極627aに対して軸線mに直交する方向に並べて配置されている。ポンプ電極626a及びモニタ電極628aは、Pt−Au合金(白金−金合金)等のNOxを分解し難いNOx不活性電極からなる。センサ電極627aは、Pt−Rh合金(白金−ロジウム合金)等のNOxを分解し易いNOx活性電極からなる。図3に示されるように、固体電解質体621の大気室624側の表面には、固体電解質体621を挟んでポンプ電極626aに対向配置されるポンプ電極626b、センサ電極627aに対向配置されるセンサ電極627b、及びモニタ電極628aに対向配置されるモニタ電極628bが設けられている。
ポンプ電極626a,626b及び固体電解質体621はポンプセル626を構成する。ポンプセル626は測定室623内の排気に含まれる酸素をポンピングする。具体的には、ポンプ電極626aとポンプ電極626bとの間には電圧Vpが印加されており、測定室623内の排気に含まれる酸素がポンプ電極626aに接触すると酸素イオンに変換される。この酸素イオンは、固体電解質体621内をポンプ電極626bに向かって流れ、ポンプ電極626bにおいて電荷を放出して酸素となり、大気室624から大気中に排出される。この際の電荷の流れに応じてポンプ電極626aとポンプ電極626bとの間にはポンプ電流Ipが流れる。したがって、ポンプ電流Ipは、ポンプセル626における酸素のポンピング量に応じた値、換言すれば排気中の酸素濃度に応じた値を示している。
図5は、ポンプ印加電圧Vpとポンプ電流Ipとの関係を示したV−I特定図である。図5に実線m10で示されるように、ポンプ電流Ipは、ポンプ印加電圧Vpの変化に対してほとんど変化しない、いわゆる限界電流特性を有している。センサ素子62では、予め定められたポンプ印加電圧Vpとポンプ電流Ipとの関係から、ポンプ電流Ipが限界電流となるようにポンプ印加電圧Vpが設定されている。
なお、ポンプセル626では、ポンプ印加電圧Vpを増減させることにより、後段のセンサ電極627a及びモニタ電極628aに到達する排気中の残留酸素の量を増減させることができる。以下、ポンプ電極626aを通過してセンサ電極627a及びモニタ電極628aに到達する排気中の残留酸素を「排気中の残留酸素」と略記する。
また、図4に示されるように、ポンプ電極626aは、センサ電極627a及びモニタ電極628aよりも大きい表面積(電極面積)を有している。これは、排気中の酸素をより排出し易くするためである。
図3に示されるように、センサ電極627a,627b及び固体電解質体621はセンサセル627を構成する。センサセル627は、ポンプ電極626aを通過した排気中のNOx濃度を検出する。具体的には、排気中のNOxがセンサ電極627aに接触すると、窒素と酸素とに分解される。センサ電極627aとセンサ電極627bとの間にはセンサ印加電圧Vsが印加されており、センサ電極627aにおいて分解された酸素、及び排気中の残留酸素は、センサ電極627aから電荷を受け取って酸素イオンとなる。この酸素イオンは、固体電解質体621内をセンサ電極627bに向かって流れ、センサ電極627bにおいて酸素となり、大気室624から大気中に排出される。この際の電荷の流れに応じてセンサ電極627aとセンサ電極627bとの間にはセンサ電流Isが流れる。したがって、センサ電流Isは、排気中のNOx濃度及び残留酸素の濃度に応じた値を示している。
モニタ電極628a,628b及び固体電解質体621はモニタセル628を構成する。図4に示されるように、モニタ電極628aはセンサ電極627aと略同一の表面積を有している。モニタセル628は排気中の残留酸素の濃度を検出する。具体的には、モニタ電極628aとモニタ電極628bとの間にはモニタ印加電圧Vmが印加されており、排気中の残留酸素がモニタ電極628aに接触すると酸素イオンに変換される。この酸素イオンは、固体電解質体621内をモニタ電極628bに向かって流れ、モニタ電極628bにおいて電荷を放出して酸素となり、大気室624から大気中に排出される。この際の電荷の流れに応じてモニタ電極628aとモニタ電極628bとの間にはモニタ電流Imが流れる。したがって、モニタ電流Imは残留酸素の濃度に応じた値を示している。
センサ素子62は、遮蔽層620の内部に配置されるヒータ640を備えている。ヒータ640は、通電に基づき熱を発することにより固体電解質体621を加熱し、固体電解質体621の温度を活性化温度まで上昇させる。
センサ素子62は、ポンプ電流Ipを検出するポンプ電流検出部630と、センサ電流Isを検出するセンサ電流検出部631と、モニタ電流Imを検出するモニタ電流検出部632と、固体電解質体621の抵抗値を検出する抵抗検出部633とを備えている。ポンプ電流検出部630、センサ電流検出部631、モニタ電流検出部632、及び抵抗検出部633のそれぞれの出力は、排気センサ6の出力としてSCU11に取り込まれている。SCU11は、ポンプ電流検出部630、センサ電流検出部631、及びモニタ電流検出部632によりそれぞれ検出されるポンプ電流Ip、センサ電流Is、及びモニタ電流Imに基づいて排気中のNOx濃度D1及び空燃比AFを演算する。
次に、SCU11によるNOx濃度D1及び空燃比AFの演算方法について詳しく説明する。
上述の通り、センサ電流Isは、排気中のNOx濃度D1及び残留酸素の濃度に応じた値を示している。また、モニタ電流Imは、残留酸素の濃度に応じた値を示している。したがって、センサ電流Isからモニタ電流Imを減算すれば、排気中のNOx濃度に応じた電流値を得ることが可能である。そこで、SCU11は、センサ電流Isからモニタ電流Imを減算し、その減算値に基づいてNOx濃度D1を演算する。
また、ポンプ電流Ipは、排気中の酸素濃度に応じた値を示している。また、モニタ電流Imは、ポンプセル626において検出されずに排気中に残留した酸素濃度に応じた値を示している。したがって、モニタ電流Imに基づいてポンプ電流Ipを増量補正すれば、排気中の酸素濃度に応じた、換言すれば空燃比AFに応じた電流値を得ることができる。但し、ポンプ電極626aの表面積とモニタ電極628aの表面積とが異なるため、ポンプセル626とモニタセル628とでは酸素の検出感度が異なる。そこで、SCU11は、モニタ電流Imに補正係数Kを乗算することでモニタ電流Imを補正し、補正後のモニタ電流Imrとポンプ電流Ipとを加算した値に基づいて空燃比AFを演算する。
具体的には、図6に示されるように、SCU11は、まず、車両に搭載された各種センサに基づいて車両状態量を検出し(ステップS1)、検出された車両状態量に基づいて排気センサ6を作動させることが可能であるか否かを判断する(ステップS2)。例えばSCU11は、温度センサ8により検出される排気温度TOが閾値温度以上になることをもって、排気センサ6を起動させることが可能であると判断する。なお、閾値温度は、排気通路20内が乾燥しているか否かを判断することができるように予め実験等を通じて設定されている。SCU11は、排気センサ6を作動させることが不可能な場合には(ステップS2:NO)、ステップS1の処理に戻る。
SCU11は、排気センサ6を作動させることが可能な場合には(ステップS2:YES)、ポンプセル626及びモニタセル628が活性化状態であるか否かを判断する(ステップS3)。例えばSCU11は、抵抗検出部633により検出される固体電解質体621の抵抗値が閾値以下であることをもってポンプセル626及びモニタセル628が活性化状態であると判断する。
SCU11は、ポンプセル626及びモニタセル628が活性化状態である場合には(ステップS3:YES)、ポンプ電流Ip、モニタ電流Im、補正係数Kから以下の式f1に基づいて補正後のポンプ電流Iprを演算する(ステップS4)。なお、補正係数Kは、ポンプセル626とモニタセル628との間の酸素検出感度の差に応じて設定される値であり、予め実験等を通じて設定されている。
Ipr=Ip+K×Im (f1)
SCU11は、ステップS4に続いて、演算された補正後のポンプ電流Iprに基づいて内燃機関2の空燃比AFを演算する(ステップS5)。
なお、SCU11は、図6に示される処理を所定の演算周期で繰り返し実行する。
次に、本実施形態の排気センサ6の動作例について説明する。なお、ここでは、ポンプ印加電圧Vp、モニタ印加電圧Vm、及びセンサ印加電圧Vsが同一の電圧値V1に設定されている場合について例示する。
ポンプセル626の酸素排出能力が高い場合には、モニタ電極628aに酸素がほとんど到達しない。そのため、図5に実線m20で示されるように、モニタ電流Imがほとんど零を示す。この状態で、ポンプ電極626aの被毒等によりポンプセル626の酸素排出能力が低下すると、図7に示されるように、ポンプセル626のV−I特性が一点鎖線m10から実線m11へと変化する。すなわち、ポンプ電流Ipが低下する。このポンプ電流Ipの低下により、ポンプ電流Ipのみに基づいて空燃比AFを演算すると、空燃比AFを誤検出するおそれがある。
一方、モニタセル628に到達する酸素は、ポンプ電流Ipの低下分だけ増加することになる。そのため、モニタセル628のV−I特性は二点鎖線m20から実線m21へと変化する。すなわち、劣化に起因するポンプセル626の酸素ポンピング量の減少は、モニタ電流Imの増加として表れることになる。本実施形態のSCU11は、このモニタ電流Imの増加分に応じた値をポンプ電流Ipに加算することによりポンプ電流Ipを補正しているため、空燃比AFをより精度良く検出することができる。
以上説明した排気センサ6によれば、以下の(1)及び(2)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)SCU11は、モニタ電流Imに基づいてポンプ電流Ipを補正し、補正後のポンプ電流Iprに基づいて内燃機関2の空燃比AFを演算することとした。これにより、より精度良く空燃比AFを演算することができる。
(2)SCU11は、モニタ電流Imに補正係数Kを乗算した値をポンプ電流Ipに加算することにより、ポンプ電流Ipを補正することとした。これにより、空燃比AFに対応した補正後のポンプ電流Iprをより精度良く得ることができるため、空燃比AFの演算精度を高めることができる。
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・モニタ電流Imに基づくポンプ電流Ipの補正方法は適宜変更可能である。
・上記実施形態のSCU11は、図6に示されるステップS3の処理においてポンプセル626及びモニタセル628が活性化状態であるか否かを一括で判断したが、この判断はポンプセル626及びモニタセル628毎に個別に行ってもよい。この場合、例えば図8に示されるように、SCU11は、ステップS2の処理で排気センサ6を作動させることが可能であると判断した場合(ステップS2:YES)、まず、ポンプセル626が活性化状態であるか否かを判断する(ステップS10)。また、SCU11は、ポンプセル626が活性化状態である場合には(ステップS10:YES)、モニタセル628が活性化状態であるか否かを判断する(ステップS11)。SCU11は、ポンプセル626が活性化状態であるが(ステップS10:YES)、モニタセル628が活性化状態でない場合には(ステップS11:YES)、ポンプ電流Ipのみに基づいて内燃機関2の空燃比AFを演算する(ステップS12)。また、SCU11は、ポンプセル626が活性化状態であって(ステップS10:YES)、且つモニタセル628も活性化状態である場合には(ステップS11:YES)、ステップS4及びS5の処理を実行する。このような構成によれば、ポンプセル626及びモニタセル628の活性化状態に応じたより適切な空燃比AFを演算することができる。
・ポンプセル626のV−I特性、及びモニタセル628のV−I特性は、空燃比がリッチ及びリーンのいずれであるかに応じて変化する。そこで、空燃比がリッチである場合と、空燃比がリーンである場合とで補正係数Kを変更してもよい。具体的には、図9に示されるように、SCU11は、ポンプセル626及びモニタセル628が活性化状態である場合には(ステップS3:YES)、内燃機関2の空燃比がリッチであるか否かを判断する(ステップS20)。SCU11は、内燃機関2の空燃比がリッチである場合には(ステップS20:YES)、補正係数Kを第1設定値K1に設定する(ステップS21)。一方、SCU11は、内燃機関2の空燃比がリッチでない場合(ステップS20:NO)、すなわち内燃機関2の空燃比がリーンである場合には、補正係数Kを第2設定値K2に設定する(ステップS22)。なお、第1設定値K1は、空燃比がリッチである場合にモニタ電流Imに基づくポンプ電流Ipの補正を精度良くできるように予め実験等を通じて設定されている。また、第2設定値K2は、空燃比がリーンである場合にモニタ電流Imに基づくポンプ電流Ipの補正を精度良くできるように予め実験等を通じて設定されている。このような構成によれば、より精度良く空燃比AFを演算することができる。
・ポンプセル626のV−I特性、及びモニタセルのV−I特性は、排気温度によっても変化する。そこで、SCU11は、排気温度に基づいて補正係数Kを変更してもよい。具体的には、図10に示されるように、SCU11は、ポンプセル626及びモニタセル628が活性化状態である場合には(ステップS3:YES)、温度センサ8により排気温度TOを検出するとともに(ステップS30)、検出された排気温度TOに基づいて補正係数Kを設定する(ステップS31)。具体的には、SCU11は、排気温度TOと補正係数Kとの関係を示すマップを有しており、当該マップから排気温度TOに基づいて補正係数Kを設定する。なお、排気温度TOと補正係数Kとの関係を示すマップは予め実験等を通じて作成されている。このような構成によれば、より精度良く空燃比AFを演算することができる。
・上記実施形態では、ポンプ印加電圧Vp、モニタ印加電圧Vm、及びセンサ印加電圧Vsが同一の電圧値V1に設定されている場合の動作例について説明したが、各電圧Vp,Vm,Vsは異なる値に設定されていてもよい。また、ポンプ印加電圧Vpを空燃比AFに応じて可変設定してもよい
・本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置や条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
2:内燃機関(ディーゼルエンジン)
6:排気センサ
11:SCU(演算部)
623:測定室
626:ポンプセル
628:モニタセル

Claims (4)

  1. 内燃機関(2)の排気中のガス成分の濃度を検出する排気センサ(6)であって、
    前記排気が導入される測定室(623)内の排気に含まれる酸素をポンピングするとともに、酸素のポンピング量に応じたポンプ電流を、限界電流特性を示す領域で出力するポンプセル(626)と、
    前記ポンプセルを通過した排気に残留する酸素の濃度を検出するとともに、当該排気の残留酸素の濃度に応じたモニタ電流を出力するモニタセル(628)と、
    前記ポンプセルから限界電流特性を示す領域で出力される前記ポンプ電流を前記モニタ電流に基づいて補正し、補正後のポンプ電流に基づいて前記内燃機関の空燃比を検出する演算部(11)と、を備えることを特徴とする排気センサ。
  2. 請求項1に記載の排気センサにおいて、
    前記演算部は、前記モニタ電流に所定の補正係数を乗算した値を前記ポンプ電流に加算することにより、前記ポンプ電流を補正することを特徴とする排気センサ。
  3. 請求項2に記載の排気センサにおいて、
    前記演算部は、前記内燃機関の空燃比がリーン及びリッチのいずれであるかを判断し、前記内燃機関の空燃比がリーンである場合と、前記内燃機関の空燃比がリッチである場合とで前記補正係数を変更することを特徴とする排気センサ。
  4. 請求項2又は3に記載の排気センサにおいて、
    前記演算部は、排気温度に基づいて前記補正係数を変更することを特徴とする排気センサ。
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