JP2004251627A - 内燃機関のガス濃度検出装置 - Google Patents

内燃機関のガス濃度検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスセンサの個体差や経時変化に基因した検出誤差を低減することである。
【解決手段】ECU22で、内燃機関の運転状態が、運転状態と、ガスセンサ1の検出対象の成分ガスとの対応関係が良好な所定の状態にあるときに、その運転状態に基づいて推定される成分ガスの濃度を基準値として、該基準値とガスセンサ1の実検出値との偏差が減じられるように、ガスセンサ1の検出値を補正する。これにより、ガスセンサの個体差や経時変化に基因した検出誤差が相殺され、検出制度が向上する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のガス濃度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサを備えたガス濃度検出装置は種々の分野で用いられており、例えば、ガスセンサを内燃機関の排気管に設けて、内燃機関本体から排出される排気ガス中の酸素濃度を検出して、空燃比を制御するものが広く普及している。また、今日、排気ガスを再循環せしめるEGR方式のものや、排気管にNOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒を設けたものにおいて、排気ガス規制に対処すべく、排気ガス中のNOの濃度を検出し、これら排気ガスの再循環量の適正化や、NO吸蔵還元型触媒におけるNOの放出時期の適正化を企図したものもある。
【0003】
内燃機関用のガスセンサは、今日、ジルコニア等の酸素イオン導電性の固体電解質材を用いたものが一般的である。例えば、被測定ガスが存在するガスセンサ外部とガスセンサ内部とで酸素が行き来可能にチャンバーが形成され、固体電解質材に1対の電極を形成したセルによりチャンバー内の酸素を汲み出す構造のものがある。酸素は、電極間に電圧を印加して固体電解質材の内部にキャリアとしての酸素イオンを移動させることで汲み出される。NOx を検出可能なものとして、このようなセルを2つ設けて、チャンバ内に臨む電極のうち、一方のセルのものをNOx に対して活性とするとともに、他方のセルのものを不活性として、NOx の濃度に応じて電極表面で消費または生成される酸素の量に応じた差が生じるようにしたものがある。NOx に感応しない前記他方のセル(モニタセル)を設けることで、NOx に感応する前記一方のセル(センサセル)の検出信号に含まれるチャンバ内の残留酸素の影響を排除して、NOx の検出精度を向上させている(特許文献1等参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−202285号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記ガスセンサのように高い検出精度が期待できる検出原理を用いたものでも、ガスセンサの出力特性には個体差があり、それが検出誤差の原因となる。そこで、ガスセンサの個体差を吸収すべく、各ガスセンサごとに、これを組み合わせる制御回路の出力特性を合わせ込み、ガス濃度検出装置全体として個体差が抑制されるようにした状態で出荷していた。
【0006】
この方法はガス濃度の検出精度を確保することができるが、対になるガスセンサと制御回路とを確実に自動車に搭載する必要がある。ところが、ガスセンサが排気管に取り付けられる一方で、制御回路は車室内等に取り付けられるため、生産ラインにおいてガスセンサと制御回路とを同時に組付けられるとは限らず、ガスセンサと制御回路との不整合を回避するために、作業者に過度の注意負担を強いたり、ガスセンサと制御回路との整合性を担保するための作業が別途必要になる。
【0007】
また、故障等でガスセンサの交換が必要になった場合、交換のために用意されたガスセンサと組み合わされる制御回路も一緒に交換してしまう必要があり、交換のコストが大きくなるという問題がある。交換を行う整備工場にガスセンサと制御回路とのセットを備えている必要があるから、市場作業性が悪いという問題もある。
【0008】
また、内燃機関用のガスセンサが取り付けられる排気管は高温の排気ガスが流通し、ガスセンサは過酷な使用環境に置かれる。このため、出荷時にガスセンサと制御回路とで整合性がとれていても、ガスセンサの経時変化により、不整合が生じるおそれもある。
【0009】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、生産ラインにおいて作業者に作業負担を強いたり、ガスセンサと制御回路との整合性を損なうことなく、ガスセンサおよび制御回路を組付けることができ、経時変化に対してもガス濃度の高い検出精度を維持することのできる内燃機関のガス濃度検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、排気ガス中の所定の成分ガスに感応して、排気ガス中の所定成分ガスの濃度に応じた検出信号を出力するガスセンサを有し、前記所定成分ガスの濃度を検出する内燃機関のガス濃度検出装置において
内燃機関の運転状態が予め設定した所定の状態のときに前記ガスセンサの検出値がとるべき値として記憶された値を基準値として、該基準値と、内燃機関の運転状態が前記所定状態のときの前記ガスセンサの実検出値との偏差が減じられるように、前記ガスセンサの検出値を補正する補正係数を設定する補正係数設定手段を具備せしめる。
【0011】
排気ガス中の所定の成分ガスの濃度は、吸気量や燃料噴射等の運転状態に応じたものとなるため、運転状態に基づいてある程度知られる。したがって、運転状態と成分ガスの濃度との対応関係がよい運転状態のときに、そのときの運転状態に基づいて推定される前記基準値と実検出値とを比較すれば、ガスセンサの出力特性の個体差が知られる。したがって、前記基準値と実検出値とから補正係数を設定し、該補正係数に基づいて、実検出値を補正するようにすることで、予めガスセンサと制御回路とを対にしておくことなく、制御回路を個々のガスセンサに適合させることができる。
【0012】
したがって、ガスセンサおよび制御回路の組付けは、ガスセンサと制御回路とでそれぞれ工程の適当な段階で行えばよく、作業者に注意負担を強いずに済む。
【0013】
また、ガスセンサの出力特性が経時変化しても、内燃機関が前記所定の状態のときに補正係数を再設定することにより、前記経時変化を吸収することができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記所定状態はアイドリング状態である構成とする。
【0015】
アイドリング状態では燃料噴射が一定しており、実検出値のばらつきを抑制することができる。
【0016】
請求項3記載の発明では、請求項1または2の発明の構成において、前記成分ガスはNOであり、
前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられており、
かつ、前記所定状態は排気温が予め設定した閾値以下の状態である構成とする。
【0017】
排気温が低くNO吸蔵還元型触媒の温度が低いと、NO吸蔵還元型触媒のNO吸蔵能力は発揮されず、NO吸蔵能力は一定している。したがって、NO吸蔵還元型触媒でNOが吸蔵されることによる実検出値のばらつきを抑制することができる。
【0018】
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3の発明の構成において、前記成分ガスはNOであり、
前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられており、
かつ、前記所定状態は、前記NO吸蔵還元型触媒の回復制御の直前の状態若しくは直後の状態である構成とする。
【0019】
NO吸蔵還元型触媒の回復制御の直前の状態は、NO吸蔵能力が低い側で飽和しており、NO吸蔵還元型触媒でNOが吸蔵されることによる実検出値のばらつきを抑制することができる。また、NO吸蔵還元型触媒の回復制御の直後の状態はNO吸蔵能力が回復されており、NO吸蔵還元型触媒でNOが吸蔵されることによる実検出値のばらつきを抑制することができる。
【0020】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4の発明の構成において、前記内燃機関は排気ガスを再循環せしめるEGR方式のものであり、
前記所定状態は、排気ガスの再循環が非実行の状態であり、
かつ、排気ガスの再循環が非実行であることを除き前記所定状態の条件が成立しているときには、排気ガスの再循環を禁止する排気ガス再循環禁止手段を具備せしめる。
【0021】
内燃機関から排出される排気ガス中のNO濃度がEGRの作用で異なるのが禁止され、実検出値のばらつきを抑制することができる。
【0022】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の発明の構成において、前記成分ガスはNOであり、
前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられ、該NO吸蔵還元型触媒のNO吸蔵能力がこれを回復せしめる回復制御により内燃機関の運転中に回復可能であり、
かつ、前記回復制御が前回実行されてからの前記内燃機関の燃料噴射量の消費量が多いほど、前記基準値が高くなるように前記基準値を再設定する基準値再設定手段を具備せしめる。
【0023】
燃料が消費されるほど、NO吸蔵還元型触媒を流通する排気ガスの積算量が増大し、NO吸蔵能力も低下する。NO吸蔵還元型触媒の回復制御が前回実行されてからの前記内燃機関の燃料噴射量の消費量が多いほど、前記基準値が高くなるように前記基準値を再設定することで、基準値を適正化することができる。
【0024】
請求項7記載の発明では、請求項1ないし6の発明の構成において、前記成分ガスはNOであり、
前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられ、該NO吸蔵還元型触媒のNO吸蔵能力がこれを回復せしめる回復制御により内燃機関の運転中に回復可能であり、
かつ、前記回復制御の回数が多いほど、前記基準値が高くなるように前記基準値を再設定する基準値再設定手段を具備せしめる。
【0025】
NO吸蔵還元型触媒の回復制御が行われるほど、NO吸蔵還元型触媒を流通した排気ガスの積算量が多く、劣化も進行してNO吸蔵能力も低下しているといえる。NO吸蔵還元型触媒の回復制御の回数が多いほど、前記基準値が高くなるように前記基準値を再設定することで、基準値を適正化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のガス濃度検出装置を付設した内燃機関(エンジン)を示す。本エンジンEは例えば自動車に搭載される。図例のものは、過給式の4気筒ディーゼルエンジンであり、各気筒と1対1に対応して設けられたインジェクタ42に高圧燃料を供給するコモンレール41、排気マニホールド51と吸気マニホールド31とを連通するEGR通路61を備えている。エンジンEの各気筒から排出される排気ガスが流通する排気管52には、排気ガスを酸化する酸化触媒54とともに、その上流にNO吸蔵還元型触媒53が設けられている。排気管52の上流部に位置する排気マニホールド51には、NO吸蔵還元型触媒53に吸蔵されたNOを還元せしめるためのHCを供給する排気燃料添加弁43が設けられており、燃料ポンプ44から圧送される燃料を排気マニホールド51内に噴射供給する。
【0027】
ガス濃度検出装置Sのガスセンサ1は、NO吸蔵還元型触媒53と酸化触媒54との間で排気管52に設けられ、車室側に設けられたガスセンサ1の制御回路21と配線用のケーブルにより接続される。制御回路21を構成するマイクロコンピュータでは、ガスセンサ1からの各信号に基づいて排気ガス中の酸素濃度およびNOx 濃度(以下、適宜、ガス濃度という)を演算処理し、その結果をECU22に出力する。ガス濃度の検出結果は、ECU22において、排気燃料添加弁43の制御やEGR量を調整するEGRバルブ62の制御等、種々の制御に供される。
【0028】
ガスセンサ1は図2、図3、図4に示すように、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質材である固体電解質層111,112、アルミナ等の絶縁材料からなる絶縁層113,114,115等が板厚方向に積層する積層構造を有し、面方向に細長の全体形状が与えられている。固体電解質層111,112で挟まれた絶縁層114は一部が板厚方向に打ち抜かれており、固体電解質層111,112の間に、絞り部103を介して互いに連通する2つのチャンバー101,102が形成される。チャンバー101,102はガスセンサ1の長手方向に配置され、ガスセンサ1の先端側の第1のチャンバー101よりもガスセンサ1の基端側の第2のチャンバー102は2倍程度幅広である。
【0029】
各固体電解質層111,112をそれぞれ挟んでチャンバー101,102と反対側には各固体電解質層111,112をダクト壁の一部とする大気ダクト104,105がそれぞれ形成されている。各大気ダクト104,105はガスセンサ1の基端で大気に開放している。第1の大気ダクト104は固体電解質層112を挟んで第1チャンバー104と対向する位置まで伸びており、第2のダクト105は固体電解質層111を挟んで第2チャンバー102と対向する位置まで伸びている。ガスセンサ1が内燃機関に適用される場合には、ガスセンサ1はこれを保持するホルダ部材等とともに排気管の管壁を貫通して設けられて、大気ダクト104,105は排気管52外部と連通し、基準酸素濃度の空間となる。
【0030】
第1のチャンバー101位置で、図2中、上側の固体電解質層111には、これを板厚方向に貫通するピンホール106が形成されており、ピンホール106を介して当該ガスセンサ1の周囲の排気ガスが第1チャンバー101内に導入される。ピンホール106の開口端は多孔質アルミナ等の多孔質拡散層116により覆われており、排気微粒子のチャンバー101内への侵入を防止している。
【0031】
第1チャンバー101位置で固体電解質層112の上下面には固体電解質層112を挟んで対向する1対の電極121,122が形成されており、固体電解質層112と電極121,122とでポンプセル1aが構成される。ポンプセル1aを構成する電極121,122のうち、チャンバー101に面した電極121はNOの分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成されている。以下、適宜、チャンバー101に面した電極121をチャンバー側ポンプ電極121といい、大気ダクト104に面した電極122を大気側ポンプ電極122という。
【0032】
第2チャンバー102位置で固体電解質層111の上下面には、大気ダクト105に面した電極125を共通として、固体電解質層112を挟んで対向する2組の1対の電極123,125、電極124,125が形成されている。固体電解質層111と電極123,125とでモニタセル1bが構成される。また、固体電解質層111と電極124,125とでセンサセル1cが構成される。チャンバー102に面した電極123,124のうち、モニタセル1bの電極123がNOの分解(還元)に不活性なAu−Pt 等の貴金属により構成され、センサセル1cの電極124がNOの分解(還元)に活性なPt 等の貴金属により構成される。以下、適宜、モニタセル1bのチャンバー102に面した電極123をチャンバー側モニタ電極123といい、センサセル1cのチャンバー102に面した電極124をチャンバー側センサ電極124という。また、モニタセル1bとセンサセル1cとに共通の大気ダクト105に面した電極125を大気側センサ/ポンプ電極125という。
【0033】
また、固体電解質層112とともに大気ダクト104のダクト壁をなす絶縁層115には、Pt等の線パターンが埋設されて、ガスセンサ1全体を加熱するヒータ13としてある。ヒータ13は通電によりジュール熱を発生する電気式のものである。
【0034】
ヒータ13は制御回路21からの給電で発熱し、制御回路21は、温度に依存する電極121,122間等のインピーダンスを演算して、該インピーダンスが、固体電解質層111,112の活性温度に対応する所定値になるように、ヒータ13への通電量を調整する。前記インピーダンスを求める手段は、例えばセル1a〜1cに印加電圧を所定量変化させてそのときの電流変化から求める手段が採用し得る。
【0035】
制御回路21はポンプセル1aに大気側ポンプ電極122側を正として電極121,122間に電圧を印加するようになっている(以下、適宜、電極121,122間に印加される電圧をポンプセル電圧VP という)。また、電極121,122間に流れる電流(以下、適宜、ポンプセル電流IP という)を検出するようになっている。ガスセンサ1の周囲を流れる排気ガスが多孔質拡散層116およびピンホール106を通って第1チャンバー101に導入されると、排気ガス中の酸素がチャンバ側ポンプ電極122で分解、イオン化して固体電解質層111を通り大気ダクト104へと排出される。このとき、第1チャンバー101内への酸素の流入はピンホール106の流通抵抗が支配的となっている。ポンプセル電圧VP を後述するように限界電流域に設定すれば、ポンプセル電流IP から排気ガス中の酸素濃度が知られる。チャンバ側ポンプ電極121がNOの分解に不活性であるからNOは第1チャンバー101内に残留する。
【0036】
印加電圧は、ポンプセル電流IP に基づいて制御される。図5は、ポンプセル1aの特性を示すもので、ポンプセル電流IP がポンプセル電圧VP に依存しない領域が限界電流域である。制御回路2は、常に限界電流域で作動し得るように、図中、一点鎖線で示すポンプセル電流IP とポンプセル電圧VPとの関係を予めROMにマップとして記憶しておき、ポンプセル電圧VP を設定する。
【0037】
排気ガスは第1チャンバー101から絞り部103を介して第2チャンバー102へと拡散するから、第2チャンバー102には酸素濃度が低下した被測定ガスである排気ガスが存在している。
【0038】
また、制御回路21は、モニタセル1b、センサセル1cに対し、それぞれ大気側センサ/ポンプ電極125側を正として、電極123,125間および電極124,125間に電圧を印加する(以下、適宜、電極123,125間に印加される電圧をモニタセル電圧VM 、電極124,125間に印加される電圧をセンサセル電圧VS という)。また、電極123,125間に流れる電流(以下、モニタセル電流IM という)および電極124,125間に流れる電流(以下、センサセル電流IS という)を検出する。モニタセル電圧VM 、センサセル電圧VS の印加により、各セル1b,1cではチャンバー102内の余剰酸素が大気ダクト105へと排出される。モニタセル電圧VM 、センサセル電圧VS の電圧値を適当に選んでモニタセル1b、センサセル1cに、それぞれ限界電流を流す。ここで、第2チャンバー102に面した電極123,124のうち、チャンバ側センサ電極124のみがNOの分解に対して活性であるから、センサセル電流IS の方がモニタセル電流IM よりも、チャンバ側センサ電極124においてNOが分解することで生じる酸素イオンの分、電流値が多くなる。モニタセル電流IM とセンサセル電流IS との差に基づいて排気ガスのNO濃度が得られることになる。
【0039】
なお、ポンプセル電流IP 、モニタセル電流IM 、センサセル電流IS はいずれも、各セル1a〜1c用の電圧印加回路に、セル1a〜1cに直列に抵抗器を接続し、該抵抗器の電圧降下として読み得る。
【0040】
また、排気管52には、NO吸蔵型還元触媒53の直下流で排気温度を検出する排気温センサ4が設けられており、ECU22に入力せしめてある。
【0041】
このように、基本的には、NO濃度は、モニタセル電流IM とセンサセル電流IS との差分で得られるが、同じNO濃度であっても、モニタセル電流IM とセンサセル電流IS との差分がガスセンサ1の個体差や経時変化によってばらつき、誤差の原因となる。ECU22では、かかる誤差を軽減すべく制御回路21からのNO濃度の出力(以下、適宜、センサNO出力という)NOxsに対し補正を行うようになっている。
【0042】
図6にECU22で実行される検出ルーチンを示す。ステップS101〜S103は補正のための係数kNOを学習し更新するか否かを判定するための処理で、ステップS101では、アイドル運転状態か否かを判定する。ステップS102では、排気温が予め設定した閾値Toff 以下か否かを判定する。ステップS103では、S被毒回復制御の直前か否かを判定する。
【0043】
S被毒回復制御は、排気燃料添加弁43による排気ガスへの燃料の添加を連続して実行するもので、NO吸蔵型還元触媒53に供給される燃料の酸素濃度をストイキ付近まで下げ、NO吸蔵型還元触媒53に堆積したSを放出する。これにより、NOの吸蔵能力を回復せしめる。Sの堆積量は、燃料の消費量とともに増大するから、Sの堆積が解消された時点、すなわち、前回S被毒回復制御を行った時点からの燃料の消費量を演算し、燃料消費量が所定量に達した時点で、S被毒回復制御を行うように、S被毒回復制御を実行するタイミングが設定してある。燃料の消費量は、各燃料噴射における燃料噴射量の指令値を積算することで、求め得る。
【0044】
ステップS101〜S103がすべて肯定判断されると、ステップS104以降の、学習値の更新を伴うNO出力NOxsの補正処理がなされ、否定判断されると、ステップS108以降の、学習値の更新を伴わないNO出力NOxsの補正処理がなされる。
【0045】
ステップS104以降の処理について説明する。ステップS104は排気ガス再循環禁止手段としての処理で、EGRカットをする。
【0046】
ステップS105〜S107は補正係数設定手段としての処理で、ステップS105では、目標NO出力NOxtrgを式(1)にしたがって算出する。式中、NOxin は、前記ステップS101〜S104の条件をすべて満たす状態において、予め所定の基準となるガスセンサを例えばエンジンの排気マニホールド51の直下流に設置して、実験的に求めたNO出力NOxsであり、例えば同一形式のエンジンに付設されるガス濃度検出装置に共通のデータが格納される。また、kNOxcatは、排気マニホールド51から排出されるNOのうち、ガスセンサ1の直上流に位置するNO吸蔵型還元触媒53で吸着し、ガスセンサ1のある下流へは流下しないNOの割合を示すもので、学習値の更新を行うタイミングをS被毒回復制御の直前(ステップS103)に限っているので、例えば、0.1が予め記憶される。
NOxtrg=NOxin ×(1−kNOxcat)・・・(1)
【0047】
ステップS106では、制御回路21からのセンサNO出力NOxsを読み込む。
【0048】
ステップS107では、補正係数kNOを式(2)にしたがって算出する。
kNO=NOxtrg/NOxs・・・(2)
【0049】
ステップS110では、センサNO出力NOxsおよび補正係数kNOに基づいて式(3)を演算し、演算結果を補正後のセンサNO出力(以下、適宜、補正後出力という)NOxsr とする。
NOxsr =kNO×NOxs・・・(3)
【0050】
ステップS111では、補正係数kNOをkNOxoldとしてメモリに記憶する。kNOxoldの初期値は例えば1とする。これにより学習ルーチンが終了となる。
【0051】
ステップS101〜S103のいずれかが否定判断されたときには、前記のごとくステップS108以降の、学習値の更新を伴わないNO出力NOxsの補正処理が実行される。ステップS108では、制御回路からのセンサNO出力NOxsを読み込み、ステップS109で、補正係数kNOを、メモリに記憶されたkNOxoldの値に設定し、前記ステップS110に進む。
【0052】
排気ガス中のNOの濃度は、吸気量や燃料噴射等の運転状態に応じたものとなるため、運転状態に基づいてある程度知られる。したがって、運転状態とNOの濃度との対応関係が特によい運転状態のときに、そのときの運転状態に基づいて推定される基準値である目標NO出力NOxtrgと実検出値であるセンサNO出力NOxsとを比較すれば、ガスセンサ1の出力特性の個体差が知られる。したがって、目標NO出力NOxtrgとセンサNO出力NOxsとから、目標NO出力NOxtrgと補正後出力NOxsr との偏差が相殺するように補正係数kNOを設定し、該補正係数kNOに基づいて、センサNO出力NOxsを補正することにより、予めガスセンサ1、制御回路21およびECU22を対にしておくことなく、制御回路21およびECU22を、これと組み合わされるガスセンサ1に適合させることができる。
【0053】
したがって、ガスセンサ1、制御回路21およびECU22の組付けは、ガスセンサ1と、制御回路21およびECU22とでそれぞれ工程の適当な段階で行えばよく、作業者に注意負担を強いずに済む。
【0054】
また、ガスセンサ1の出力特性が経時変化しても、エンジンEがステップS101〜S103の条件を満たすときに補正係数kNOを更新することにより、前記経時変化を吸収することができる。
【0055】
また、補正係数kNOを更新する条件(ステップS101〜S103、およびステップS104)について説明する。ステップS101はアイドリング状態であることを要求するが、アイドリング状態では燃料噴射が一定しており、これにより、センサNO出力NOxsのばらつきを抑制することができる。
【0056】
また、ステップS102は、排気温が予め設定した閾値Toff 以下であることを要求するが、排気温が低いとNO吸蔵還元型触媒53のNO吸蔵能力も低く、NO吸蔵還元型触媒でNOが吸蔵されることによるセンサNO出力NOxsのばらつきを抑制することができる。
【0057】
また、ステップS103は、NO吸蔵還元型触媒53の回復制御の直前の状態であることを要求するが、NO吸蔵還元型触媒53の回復制御の直前の状態は、NO吸蔵能力が略失われて飽和しており、NO吸蔵還元型触媒53でNOが吸蔵されることによる実検出値のばらつきを抑制することができる。
【0058】
また、ステップS104は、前記ステップS101〜S103の条件を満たしたときに、さらにEGRをオフとしているが、EGRの作用で排気マニホールド51から排出される排気ガス中のNO濃度が異なるのが禁止され、実検出値のばらつきを抑制することができる。
【0059】
なお、前記ステップS101〜S104をすべて実行する必要はなく、要求される補正係数の精度に応じてその一部若しくは全部を、補正係数kNOを更新するか否かの条件の中に入れる必要はない。
【0060】
また、kNOxcatは、前記のごとく、排気マニホールド51から排出されるNOのうち、ガスセンサ1の直上流に位置するNO吸蔵型還元触媒53で吸着し、ガスセンサ1のある下流へは流下しないNOの割合であり、S被毒回復制御の直前(ステップS103)に限っているので、0.1としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、S被毒回復制御の直後は、S被毒回復制御の直前と同様に、NO吸蔵能力が一定しているので、ガスセンサ1のある下流へは流下しないNOの割合も一定しており、ガスセンサ1の実検出値のばらつきを抑制することができる。この場合は、NO吸蔵能力が高いことから、ガスセンサ1のある下流へは流下しないNOの割合が高く、例えば0.9とすることができ、S被毒回復制御の直前か否かを判定するステップS103に代えて、S被毒回復制御の直後か否かを判定することになる。
【0061】
なお、ステップS103でS被毒回復制御の直前または直後のいずれについてもステップ104に進むようにし、目標NO出力(NOxtrg)の算出(ステップS105)に先立ってS被毒回復制御の直前か直後かによってkNOxcatを0.1か0.9のいずれかに設定するのもよく、補正係数kNOの更新機会が増えて、さらにNO濃度の検出精度を向上することができる。
【0062】
また、前記のごとくガスセンサ1の実検出値はNO吸蔵型還元触媒53のNO吸蔵能力に依存するため、NO吸蔵能力が変動が知られれば、これに基づいて補正係数kNOを更新し、さらに高精度化を図ることができる。この場合、S被毒回復制御の直前や直後ではなくとも、補正係数kNOの更新を行い得る。図7はNO吸蔵型還元触媒53の吸蔵能力、前回S被毒回復制御が行われてからの燃料消費量、S被毒回復制御の実施回数、Sの堆積量を、燃料消費量積算値に対して示している。S被毒回復制御によりS被毒が解消された後、燃料の消費量が積算するに応じてSの堆積量も再び増大していき、一方、NO吸蔵能力は低下していくことは既述のとおりであり、前回S被毒回復制御からの燃料消費量とNO吸蔵能力とは相関を有する。また、NO吸蔵能力は、S被毒回復制御を行うことで鋸波状の経時変化を示すが、NO吸蔵型還元触媒53の経時劣化によりS被毒回復制御により回復するNO吸蔵能力のレベルは、漸次低下していく。
【0063】
この回復後のNO吸蔵能力のレベルの低下は、特にNO吸蔵型還元触媒53を流通する排気ガスの積算量が多いほど進行していると考えられるから、図例のようにS被毒回復制御の回数に応じて進行する。したがって、前回S被毒回復制御からの燃料消費量の各値およびS被毒回復制御の回数の各値に一つのkNOxcatが対応する二次元マップをECUに予め記憶しておき、マップにしたがってkNOxcatを適宜、変更するようにするのもよい。燃料消費量が多いほどNO吸蔵能力が低下して、ガスセンサ1のある下流へは流下しないNOの割合は小さくなり、S被毒回復制御の回数が多いほどNO吸蔵型還元触媒53の劣化の進行によりNO吸蔵能力が低下して、ガスセンサ1のある下流へは流下しないNOの割合は小さくなるから、マップは図8に示すように、kNOxcatが、前回S被毒回復制御からの燃料消費量が多いほど小さく、S被毒回復制御の回数が多いほど小さくなるように与えられる。
【0064】
基準値再設定手段としてのECUは、前回S被毒回復制御からの燃料消費量を、各燃料噴射における噴射量指令値を積算することで算出するとともに、S被毒回復制御の回数を、NO吸蔵型還元触媒53が新品とみなせる状態から、S被毒回復制御が実行されるごとにカウントしていく。そして、NOの検出ルーチンにおいて、前記マップにしたがってkNOxcatを設定する。図6で説明すると、ステップS103を省略して、ステップS105に先立ち前記前回S被毒回復制御からの燃料消費量およびS被毒回復制御の回数を読み込み、kNOxcatを設定する。
【0065】
他の変形例について説明する。前記実施形態では、ポンプセル電圧VP をポンプセル電流IP に基づいて印加電圧マップにしたがって設定する、図9に示す制御方式をとっているが、図10に示すように、モニタセル電流IM に基づいて、モニタセル電流IM が所定値をとるようにポンプセル電圧VM をフィードバック制御するものにも本発明は適用することができる。
【0066】
また、センサ構造についても図例のものに限られない。図11は本発明を適用し得るガスセンサの一例を示すもので、このガスセンサ1Aは、ジルコニア等の固体電解質材である固体電解質層151,152,153、多孔質アルミナ等の絶縁材料からなる律速層154、アルミナ等の絶縁材料からなる絶縁層155等が板厚方向に積層する積層構造を有し、面方向に細長の全体形状が与えられている。
【0067】
固体電解質層152および律速層154は固体電解質層151と固体電解質層153とで挟まれた同じ層を形成しており、ガスセンサの先端側に律速層154が位置し、基端側に固体電解質層152が位置する。固体電解質層152および律速層154は、一部が板厚方向に打ち抜かれており、固体電解質層151,152の間に、ガスセンサ1Aの長手方向に配置された2つのチャンバー141,142が形成されている。律速層154は、ガスセンサの先端側で第1のチャンバー141にガスセンサ1A外部の被測定ガスを導入するとともに、第1のチャンバー141と第2のチャンバー142との境界部で両チャンバー141,142を連通せしめている。
【0068】
固体電解質層153を挟んでチャンバー141,142と反対側には固体電解質層153をダクト壁の一部とする大気ダクト143が形成されている。大気ダクト143は先端側が固体電解質層153を挟んで第1チャンバー141と対向する位置まで伸び、ガスセンサ1Aの基端で大気に開放している。ガスセンサ1Aが内燃機関に適用される場合には、ガスセンサ1Aがこれを保持するホルダ部材等とともに排気管の管壁を貫通して設けられて、大気ダクト143が排気管外部と連通する。
【0069】
第1チャンバー141位置で固体電解質層151の上下面には固体電解質層151を挟んで対向する1対の電極161,162が形成されており、固体電解質層151と電極161,162とでポンプセル1dが構成される。ポンプセル1dを構成する電極161,162のうち、チャンバー141に面した電極161はNOの分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成されている。
【0070】
また、第1チャンバー141および大気ダクト143位置で固体電解質層153の上下面には固体電解質層153を挟んで対向する1対の電極163,165が形成されており、固体電解質層153と電極163,165とでモニタセル1eが構成される。モニタセル1eを構成する電極163,165のうち、チャンバー141に面した電極163はNOの分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成されている。なお、大気ダクト143に面した電極165は第2チャンバー142位置まで伸びる、電極163よりも長い電極であり、後述するセンサセル1f、別のポンプセル1gと共通の電極である。
【0071】
第2チャンバー142位置で固体電解質層153の上下面には、固体電解質層153を挟んで対向する1対の電極164,165が形成されている。固体電解質層153と電極164,165とでセンサセル1fが構成される。
【0072】
また、第2チャンバー142に面して固体電解質層151には、電極166が形成されており、固体電解質層151横網153と電極166,165とで別のポンプセル1gが構成される。この別のポンプセル1gはセンサセル1fと同様に、一方の電極164,166が第2チャンバー142に面し、他方の電極165が大気ダクト143に面した構造となっている。
【0073】
第2チャンバー142に面した電極164,166のうち、センサセル1fの電極164はNOの分解(還元)に活性なPt等の貴金属により構成され、別のポンプセル1gの電極166がNOの分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成される。
【0074】
また、固体電解質層153とともに大気ダクト143のダクト壁をなす絶縁層155には、図2のものと同様にPt等の線パターンが埋設されて、ガスセンサ全体を加熱するヒータ17としてある。
【0075】
このガスセンサ1Aでは、モニタセル1eで発生する起電圧(以下、適宜、モニタセル起電圧という)VM1に基づいて、該モニタセル起電圧VM1が基準電圧となるように、すなわち、第1チャンバー141内の酸素濃度が一定かつ低濃度となるように、ポンプセル1dの印加電圧がフィードバック制御され、第1チャンバー141内の酸素が排出される。第1チャンバー141と連通する第2チャンバー142内の酸素も同程度に排出される。
【0076】
そして、第2チャンバー142内に残った酸素が別のポンプセル1gにより排出される。センサセル1fには、第2チャンバー142に面した電極164におけるNOの分解に基因した電流が流れる。この電流は第2チャンバー142内のNOの濃度に応じたものとなる。
【0077】
かかる構造のガスセンサ1Aでは、NO濃度は電流差(IS −IP2)から得られ、酸素濃度はポンプセル電流IP1から得られることになる。ガスセンサ1Aにおいても、その個体差や経時変化に基因した誤差を、エンジンの運転状態が所定状態のときの実検出値との偏差が減じられるように、ガスセンサ1Aの検出値を補正する補正係数を設定することで、低減することができる。
【0078】
あるいは、図12に示すガスセンサにも適用することができる。ガスセンサ1Bは、電極の構成以外は図11のものと同じである。電極は、図11の電極163を省略した構成となっている。そして、固体電解質層151とこれを挟む電極161,162とにより第1のポンプセル1dが構成され、固体電解質層151〜153と電極162,165とにより第1のモニタセル1hが構成される。第1のモニタセル1hで発生する起電圧(以下、適宜、モニタセル起電圧という)VM1に基づいて、該モニタセル起電圧VM1が基準電圧となるように、すなわち、第1チャンバー141内の酸素濃度が一定かつ低濃度となるように、第1ポンプセル1dの電極161,162間への印加電圧がフィードバック制御され、第1チャンバー141内の酸素が排出される。
【0079】
また、固体電解質層151とこれを挟む電極166,162とにより第2のポンプセル1iが構成され、固体電解質層151〜153と電極166,165とにより第2のモニタセル1jが構成される。第2のモニタセル1jで発生する起電圧(以下、適宜、モニタセル起電圧という)VM2に基づいて、該モニタセル起電圧VM2が基準電圧となるように、すなわち、第2チャンバー142内の酸素濃度が一定かつ低濃度となるように、第2ポンプセル1iの電極166,162間への印加電圧がフィードバック制御され、第2チャンバー142内の酸素が排出される。
【0080】
固体電解質層153とこれを挟む電極164,165とによりセンサセル1fが構成され、第2チャンバー142に面した電極164におけるNOの分解に基因した電流が流れる。この電流は第2チャンバー142内のNOの濃度に応じたものとなる。
【0081】
かかる構造のガスセンサ1Bでは、NO濃度はセンサセル電流IS から得られ、酸素濃度はポンプセル電流IP1から得られることになる。ガスセンサ1Bにおいても、その個体差や経時変化に基因した誤差を、エンジンの運転状態が所定状態のときの実検出値との偏差が減じられるように、ガスセンサ1Aの検出値を補正する補正係数を設定することで、低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス濃度検出装置を付設したエンジンの構成図である。
【図2】前記ガス濃度検出装置を構成するガスセンサの要部断面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】前記ガスセンサの作動を説明するグラフである。
【図6】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガス濃度検出の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の別のガス濃度検出装置の作動状態を説明するタイミングチャートである。
【図8】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータに格納されるマップの図である。
【図9】前記ガスセンサの制御方式を示す図である。
【図10】前記ガスセンサの別の制御方式を示す図である。
【図11】前記ガスセンサの変形例を示す要部断面図である。
【図12】前記ガスセンサの別の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
E エンジン
S ガス濃度検出装置
1,1A,1B ガスセンサ
21 制御回路
22 ECU(補正係数設定手段)
43 燃料添加弁
52 排気管
53 NO吸蔵還元型触媒

Claims (7)

  1. 排気ガス中の所定の成分ガスに感応して、排気ガス中の所定成分ガスの濃度に応じた検出信号を出力するガスセンサを有し、前記所定成分ガスの濃度を検出する内燃機関のガス濃度検出装置において
    内燃機関の運転状態が予め設定した所定の状態のときに前記ガスセンサの検出値がとるべき値として記憶された値を基準値として、該基準値と、内燃機関の運転状態が前記所定状態のときの前記ガスセンサの実検出値との偏差が減じられるように、前記ガスセンサの検出値を補正する補正係数を設定する補正係数設定手段を具備せしめたことを特徴とする内燃機関のガス濃度検出装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関のガス濃度検出装置において、前記所定状態はアイドリング状態である内燃機関のガス濃度検出装置。
  3. 請求項1または2いずれか記載の内燃機関のガス濃度検出装置において、前記成分ガスはNOであり、
    前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられており、
    かつ、前記所定状態は排気温が予め設定した閾値以下の状態である内燃機関のガス濃度検出装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の内燃機関のガス濃度検出装置において、前記成分ガスはNOであり、
    前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられており、
    かつ、前記所定状態は、前記NO吸蔵還元型触媒の回復制御の直前の状態若しくは直後の状態である内燃機関のガス濃度検出装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の内燃機関のガス濃度検出装置において、前記内燃機関は排気ガスを再循環せしめるEGR方式のものであり、
    前記所定状態は、排気ガスの再循環が非実行の状態であり、
    かつ、排気ガスの再循環が非実行であることを除き前記所定状態の条件が成立しているときには、排気ガスの再循環を禁止する排気ガス再循環禁止手段を具備せしめた内燃機関のガス濃度検出装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の内燃機関のガス濃度検出装置において、前記成分ガスはNOであり、
    前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられ、該NO吸蔵還元型触媒のNO吸蔵能力がこれを回復せしめる回復制御により内燃機関の運転中に回復可能であり、
    かつ、前記回復制御が前回実行されてからの前記内燃機関の燃料噴射量の消費量が多いほど、前記基準値が高くなるように前記基準値を再設定する基準値再設定手段を具備せしめた内燃機関のガス濃度検出装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の内燃機関のガス濃度検出装置において、前記成分ガスはNOであり、
    前記内燃機関の排気管には前記ガスセンサよりも上流側に、NOを吸蔵可能なNO吸蔵還元型触媒が設けられ、該NO吸蔵還元型触媒のNO吸蔵能力がこれを回復せしめる回復制御により内燃機関の運転中に回復可能であり、
    かつ、前記回復制御の回数が多いほど、前記基準値が高くなるように前記基準値を再設定する基準値再設定手段を具備せしめた内燃機関のガス濃度検出装置。
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