JP5209742B2 - センサ制御装置およびセンサ制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、センサを制御するセンサ制御装置およびセンサ制御方法に関する。
従来、内燃機関の排出ガス中の特定ガスとしての窒素酸化物(以下、単に「NOx」と言う。)濃度を検出するセンサが知られている。この種のセンサに接続されるセンサ制御装置として、2系統の増幅回路を用いて前記センサからの出力を広範囲と狭範囲とで各々増幅し、増幅された2信号のうちから一方を選択し、その選択された信号に基づいてNOx濃度を求めるものが提案されている(下記の特許文献1)。この提案のセンサ制御装置によれば、NOx濃度の検出精度を向上することができる。
特開2004−205488号公報
しかしながら、前記センサ制御装置では、2つの増幅回路から制御部(例えばマイクロコンピュータ)への各入力信号がGNDショート(地絡)もしくは駆動電圧(電源電圧)ショートとなる故障を診断することができるが、GNDと駆動電圧との中間域において異常値となる故障を診断することはできないという問題があった。前記中間域において異常値となる故障は、増幅回路の経年劣化や、増幅回路についての実装部品間違い等を原因として発生するもので、前記入力信号が前記中間域で固定値となること、増幅回路のゲインやオフセットが不良となって前記入力信号が望む値と違った値となること等である。
本発明は、増幅回路からの入力信号がGNDと駆動電圧との中間域(以下、GNDとVccとの中間域を単に「中間域」と呼ぶ)において異常値となる故障の診断を、高精度に行うことを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 被測定対象の物理・化学的特性に対応した電気信号値を出力するセンサ部と、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性の第1の検出範囲について第1の増幅率で前記電気信号値を増幅する第1増幅部と、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性についての前記第1の検出範囲と少なくとも一部が重なる第2の検出範囲について第2の増幅率で前記電気信号値を増幅する第2増幅部と、前記第1増幅部からの出力と前記第2増幅部からの出力とに基づいて前記特性を示す値を求め、該値をセンサ検出値として出力する制御部とを備えるセンサ制御装置において、前記第1増幅部からの出力に基づく第1の特性換算値と、前記第2増幅部からの出力に基づく第2の特性換算値とを取得する換算値取得部と、前記第1の検出範囲と第2の検出範囲との重複部分に含まれる所定の範囲を異常診断範囲とし、前記第1および第2の特性換算値のうちの少なくとも一方が前記異常診断範囲に含まれるか否かを判定する換算値判定部と、前記換算値判定部により前記異常診断範囲に含まれると判定されたときに、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値とを対比して、前記第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうちの少なくとも一方で異常が発生したか否かを判定する異常診断部とを備えることを特徴とするセンサ制御装置。
[適用例2] 適用例1に記載のセンサ制御装置であって、前記異常診断部は、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値との差分を算出する差分算出部と、前記算出された差分に基づいて、前記異常の判定を行う異常判定部とを備えるセンサ制御装置。
[適用例3] 適用例2に記載のセンサ制御装置であって、前記差分算出部は、前記差分についての所定期間における積算値を求める積算値算出部を備え、前記異常判定部は、前記積算値が所定値以上となったときに、前記異常である旨の判定を行う構成である、センサ制御装置。
[適用例4] 適用例3に記載のセンサ制御装置であって、前記換算値取得部は、前記所定期間よりも短い時間に設定された所定時間毎に、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値との取得を行う構成であり、前記差分算出部は、前記所定時間毎に、前記換算値取得部により取得された前記第1および第2の特性換算値に基づく前記差分の積算値を、現在から過去に遡る複数回分にわたって算出する構成であり、前記異常判定部は、前記所定時間毎に、前記差分算出部により算出された積算値が所定値以上となったときに、前記異常である旨の判定を行う構成である、センサ制御装置。
[適用例5] 適用例1ないし4のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、前記第2の検出範囲は、前記第1の検出範囲よりも狭く、前記第2の増幅率は、前記第1の増幅率よりも高い、センサ制御装置。
[適用例6] 適用例1ないし5のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取る複数の増幅回路を備え、前記増幅回路の1つが、前記第1の増幅率で前記電気信号値を増幅する第1増幅部を構成し、前記増幅回路のもう1つが、前記第2の増幅率で前記電気信号値を増幅する第2増幅部を構成する、センサ制御装置。
[適用例7] 適用例1ないし5のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取る増幅回路を備え、前記増幅回路は、自身の増幅率の切り換えにより前記第1の増幅率と前記第2の増幅率を選択可能とされ、前記第1増幅部は、前記増幅回路を前記第1の増幅率に設定したときに構成され、前記第2増幅部は、前記増幅回路を前記第2の増幅率に設定したときに構成される、センサ制御装置。
[適用例8] 適用例1ないし7のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、前記特性は、前記被測定対象に含まれる特定ガス濃度である、センサ制御装置。
[適用例9] 被測定対象の物理的特性または化学的特性に対応した電気信号値を出力するセンサ部と、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性の第1の検出範囲について第1の増幅率で前記電気信号値を増幅する第1増幅部と、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性についての前記第1の検出範囲と少なくとも一部が重なる第2の検出範囲について第2の増幅率で前記電気信号値を増幅する第2増幅部とを用いて、前記第1増幅部からの出力と前記第2増幅部からの出力とに基づいて前記特性を示す値を求め、該値をセンサ検出値として出力するセンサ制御方法において、前記第1増幅部からの出力に基づく第1の特性換算値と、前記第2増幅部からの出力に基づく第2の特性換算値とを取得する換算値取得工程と、前記第1の検出範囲と第2の検出範囲との重複部分に含まれる所定の範囲を異常診断範囲とし、前記第1および第2の特性換算値のうちの少なくとも一方が前記異常診断範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記異常診断範囲に含まれると判定されたときに、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値とを対比して、前記第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうちの少なくとも一方で異常が発生したか否かを判定する異常診断工程とを備えることを特徴とするセンサ制御方法。
さらに、本発明は、前記適用例9に係るセンサ制御方法の各工程をコンピュータプログラムの各ステップとして実現するコンピュータプログラムの態様で実現することができる。また、このコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
適用例1に係るセンサ制御装置によれば、第1増幅部からの出力と第2増幅部からの出力とに基づいて、被測定対象の物理的特性または化学的特性を示す値が求められる。「物理的特性または化学的特性」とは、物理量または化学量である。さらに、第1増幅部からの出力に基づく第1の特性換算値と、第2増幅部からの出力に基づく第2の特性換算値との対比がなされることで、両特性換算値の少なくとも一方が異常値となったことを知ることができることから、第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうちの少なくとも一方で異常が発生したか否かを判定することができる。したがって、増幅部からの入力信号が中間域において異常値となる故障を高精度に診断することができる。
適用例2に係るセンサ制御装置によれば、第1の特性換算値と第2の特性換算値との差分を利用することで、故障診断の精度をより向上することができる。
適用例3に係るセンサ制御装置によれば、差分の所定期間における積算値を利用することで、故障診断の精度をより向上することができる。
適用例4に係るセンサ制御装置によれば、所定時間毎に、現在から過去に遡る複数回分の差分の積算値が更新されることから、増幅部からの入力が周期性を持つような場合にも確実に異常の判定を行うことができる。
適用例5に係るセンサ制御装置によれば、第1の増幅部からの入力信号は比較的、低増幅率の広範囲なものとなり、第2の増幅部からの入力信号は比較的、高増幅率の低範囲なものとなる。このために、制御部において、特性を広範囲に検出したい場合には、第1の増幅部からの入力信号を採用することで、おおまかな分解能の検出が可能となり、一方、特性をピンポイントで検出したい場合には、第2の増幅部からの入力信号を採用することで、高分解能の検出が可能となる。
第1増幅部と第2増幅部を構成する複数の増幅回路を備える適用例6に係るセンサ制御装置に本発明を適用することで、第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうち少なくとも一方で異常が発生したか否かを高精度に診断することができる。
上記適用例6とは第1増幅部と第2増幅部との具体的構成が異なるが、自身の増幅率の切り換えによって第1増幅部または第2増幅部を構成することになる増幅回路を備える適用例7に係るセンサ制御装置に本発明を適用することで、第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうち少なくとも一方で異常が発生したか否かを高精度に診断することができるといった効果が得られる。
適用例8に係るセンサ制御装置によれば、特定ガス濃度の検出が可能となる。
適用例9に係るセンサ制御方法は、適用例1に係るセンサ制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第1実施例としてのセンサ制御装置5とその周辺を示す概略構成図である。 Ip2検出回路55の回路構成を示す図である。 マイクロコンピュータ60により実行される異常診断処理を示すフローチャートである。 A/D変換値に対する第1および第2のNOx濃度Ip2W、Ip2Nを示すグラフである。 差分蓄積用バッファBFを示す説明図である。 本発明の第2実施例のセンサ制御装置において実行される異常診断処理を示すフローチャートである。 本発明の第3実施例のセンサ制御装置におけるIp2検出回路355の回路構成を示す図である。 本発明の第3実施例のセンサ制御装置において実行される異常診断処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A−1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例としてのセンサ制御装置5とその周辺を示す概略構成図である。図中の1はガスセンサであり、センサ制御装置5はガスセンサ1に接続されている。ガスセンサ1はセンサ素子10を備える。センサ素子10は、先端側部分における内部構造を示す断面図をもって図示しており、図中左側がセンサ素子10の先端側となっている。
ガスセンサ1は、内燃機関の排気ガスが排出される排出経路(図示外)に配置される。ガスセンサ1は、内燃機関の排出ガスを被測定対象とし、被測定対象の化学量としてNOx濃度を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、細長で長尺な板状体の形状を有するセンサ素子10と、ガスセンサ1を排出経路に取り付けるためのハウジング(図示外)とを備える。センサ素子10は、ハウジング内に保持されている。ガスセンサ1からは、センサ素子10の出力する信号を取り出すための信号線が引き出されており、ガスセンサ1とは離れた位置に取り付けられるセンサ制御装置5に電気的に接続されている。
センサ素子10の構造について次に説明する。センサ素子10は、3枚の板状の固体電解質体111,121,131を、間にアルミナ等からなる絶縁体140,145をそれぞれ挟んで層状に形成した構造を有する。固体電解質体131側の外層(図1における下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層162,163を積層し、その間にPtを主体とするヒータパターン164を埋設したヒータ素子161が設けられている。
固体電解質体111,121,131は、固体電解質であるジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。センサ素子10の積層方向において固体電解質体111の両面には、固体電解質体111を挟むように多孔質性の電極112,113がそれぞれ設けられている。電極112,113は、Pt又はPt合金あるいはPtとセラミックスとを含むサーメット等から形成されている。また、電極112,113の表面上には、セラミックスからなる多孔質性の保護層114が設けられている。保護層114は、電極112,113が排気ガスに含まれる被毒性ガス(還元雰囲気)に晒されることにより電極が劣化しないように保護している。
固体電解質体111は、両電極112,113間に電流を流すことで、電極112の接する雰囲気(センサ素子10の外部の雰囲気)と電極113の接する雰囲気(後述する第1測定室150内の雰囲気)との間で酸素の汲み出しおよび汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行うことができる。本実施の形態では、固体電解質体111および電極112,113を、Ip1セル110と称することとする。
固体電解質体121は、絶縁体140を挟んで固体電解質体111と対向するように配置されている。固体電解質体111と同様に、センサ素子10の積層方向における固体電解質体121の両面には、固体電解質体121を挟むように多孔質性の電極122,123がそれぞれ設けられている。電極122,123は、第1測定室150の固体電解質体121側において、第1測定室150の内側と外側とに設けられている。電極122,123は、Pt又はPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメット等から形成されている。電極122は、固体電解質体111と向き合う側の面に形成されている。
固体電解質体111と固体電解質体121との間には、小空間としての第1測定室150が形成されている。第1測定室150は、排気経路内を流通する排気ガスが、センサ素子10内に最初に導入される小空間である。第1測定室150内には、前述の固体電解質体111側の電極113と、固体電解質体121側の電極122とが配置されている。また、第1測定室150のセンサ素子10における先端側には、第1測定室150内外の仕切りとして、第1測定室150内への排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質性の第1拡散抵抗部151が設けられている。同様に、第1測定室150のセンサ素子10における後端側には、後述する第2測定室160につながる開口部141と第1測定室150との仕切りとして、排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する第2拡散抵抗部152が設けられている。
両電極122,123は、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極122の接する第1測定室150内の雰囲気と、電極123の接する後述する基準酸素室170内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生する。本実施の形態では、固体電解質体121および両電極122,123を酸素濃度検知セル(以下、単に「Vsセル」と言う。)120と言う。即ち、Vsセル120は、第1測定室150の内側と外側とに設けられた電極122,123を備える。
固体電解質体131は、絶縁体145を挟んで固体電解質体121と対向するように配置されている。固体電解質体131のうちで固体電解質体121側に面する側の表面には、多孔質性の電極132,133が離間して設けられている。多孔質性の電極132,133は、Pt又はPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメット等から形成されている。
また、固体電解質体131と固体電解質体121との間には、絶縁体145が配置されておらず、独立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。基準酸素室170内には、電極132と、Vsセル120の電極123とが配置されている。尚、電極132と120の電極123とに挟まれた基準酸素室170の空間には、セラミック製の多孔質体が充填されている。
さらに、固体電解質体131と固体電解質体111との間には、絶縁体145が配置されておらず、独立した小空間としての第2測定室160が形成されている。第2測定室160は、絶縁体145により、基準酸素室170と隔てられている。そして、第2測定室160に連通するように、固体電解質体121および絶縁体140のそれぞれに開口部125,141が設けられており、前述したように、第1測定室150と開口部141とが、間に第2拡散抵抗部152を挟んで接続されている。
固体電解質体131および両電極132,133は、前記のIp1セル110と同様に、絶縁体145により隔てられた雰囲気(電極132の接する基準酸素室170内の雰囲気と、電極133の接する第2測定室160内の雰囲気)間にて酸素の汲み出しを行うことができるものであり、本実施の形態ではIp2セル130と称することとする。Ip1セル110の第1測定室150側の電極113、Vsセル120の第1測定室150側の電極122、Ip2セル130の第2測定室160側の電極133は、基準電位に接続されている。
センサ制御装置5の構成について次に説明する。センサ制御装置5は、ガスセンサ1のセンサ素子10と電気的に接続されている。センサ制御装置5は、マイクロコンピュータ60と、電気回路部58を構成主体としている。
マイクロコンピュータ60は、公知の構成のCPU61,RAM62,ROM63,信号入出力部64,A/Dコンバータ65および図示外のタイマクロックを備えている。CPU61は、RAM62およびROM63と通信するとともに、信号入出力部64を介してECU90と通信し、信号入出力部64およびA/Dコンバータ65を介して電気回路部58と通信する。ECU90からマイクロコンピュータ60には、例えば、内燃機関への燃料供給に関する情報が入力される。
電気回路部58は、基準電圧比較回路51,Ip1ドライブ回路52,Vs検出回路53,Icp供給回路54,Ip2検出回路55,Vp2印加回路56,およびヒータ駆動回路57を備える。電気回路部58は、マイクロコンピュータ60による制御を受けて、ガスセンサ1のセンサ素子10を用いた排気ガス中のNOx濃度の検出を行う。
Icp供給回路54は、Vsセル120の電極122,123間に電流Icpを供給し、第1測定室150内から基準酸素室170内への酸素の汲み出しを行う。Vs検出回路53は、電極122,123間の電圧Vsを検出するための回路であり、その検出結果を基準電圧比較回路51に対し出力する。基準電圧比較回路51は、Vs検出回路53により検出された電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路52に対し出力している。
Ip1ドライブ回路52は、Ip1セル110の電極112,113間にIp1電流を供給するための回路である。Ip1ドライブ回路52は、基準電圧比較回路51によるVsセル120の電極122,123間の電圧Vsの比較結果に基づいて、電圧Vsが予め設定された基準電圧と略一致するように、Ip1電流の大きさや向きを調整する。その結果、Ip1セル110では、第1測定室150内からセンサ素子10外部への酸素の汲み出し、あるいはセンサ素子10外部から第1測定室150内への酸素の汲み入れが行われる。換言すると、Ip1セル110では、Ip1ドライブ回路52による通電制御に基づき、Vsセル120の電極122,123間の電圧が一定値(基準電圧の値)に保たれるように、第1測定室150内における酸素濃度の調整が行われる。
Vp2印加回路56は、Ip2セル130の電極132,133間へ電圧Vp2(例えば450mV)を印加するための回路であり、第2測定室160内から基準酸素室170への酸素の汲み出しを制御する。Ip2検出回路55は、Ip2セル130の電極133から電極132に流れた電流Ip2の値の検出を行う回路である。
ヒータ駆動回路57は、固体電解質体111,121,131の温度を所定の温度に保たせるための回路である。ヒータ駆動回路57は、CPU61により制御され、ヒータ素子161のヒータパターン164へ電流を流し、固体電解質体111,121,131(換言すると、Ip1セル110,Vsセル120,Ip2セル130)の加熱を行う。ヒータパターン164は、ヒータ素子161内で繋がる一本の電極パターンであり、一方の端部が接地され、他方の端部がヒータ駆動回路57に接続されている。ヒータ駆動回路57は、固体電解質体111,121,131が狙いとする温度になるように、ヒータパターン164をPWM通電制御して当該ヒータパターン164に電流を流す制御を行う。
前記構成のセンサ制御装置5によって、ガスセンサ1のセンサ素子10を用いた排気ガス中のNOx濃度の検出が行われる。次に、ガスセンサ1を用いたNOx濃度の検出の際の動作について説明する。
前述のように、ガスセンサ1のセンサ素子10を構成する固体電解質体111,121,131は、ヒータ駆動回路57から駆動電流が流されたヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。加熱により狙いとする温度となったIp1セル110,Vsセル120およびIp2セル130は、以下のように動作する状態になる。
排気経路(図示外)内を流通する排気ガスは、第1拡散抵抗部151による流通量の制限を受けつつ第1測定室150内に導入される。ここで、Vsセル120には、Icp供給回路54により電極123側から電極122側へ微弱な電流Icpが流される。このため排気ガス中の酸素は、負極側となる第1測定室150内の電極122から電子を受け取ることができ、電子を受け取った酸素は酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、電極122,123間で電流Icpが流されることによって、第1測定室150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれる。
Vs検出回路53では、電極122,123間の電圧Vsが検出される。検出された電圧Vsは、基準電圧比較回路51により基準電圧(例えば、425mV)と比較されて、その比較結果がIp1ドライブ回路52に対し出力される。ここで、電極122,123間の電位差が基準電圧425mV付近で一定となるように、第1測定室150内の酸素濃度を調整すれば、第1測定室150内の排気ガス中の酸素濃度は所定値(例えば、10−8〜10−9atm)に近づくこととなる。
そこで、Ip1ドライブ回路52では、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、電極112側が負極となるようにIp1セル110にIp1電流を流す。その結果、Ip1セル110では、センサ素子10外部から第1測定室150内へ酸素の汲み入れが行われる。一方、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip1ドライブ回路52は、電極113側が負極となるようにIp1セル110にIp1電流を流す。その結果、Ip1セル110では、第1測定室150内からセンサ素子10外部へ酸素の汲み出しが行われる。このときのIp1電流の大きさと、流れる向きとに基づき、排気ガス中の酸素濃度の検出が可能である。
第1測定室150において酸素濃度が調整された排気ガスは、第2拡散抵抗部152を介し、第2測定室160内に導入される。第2測定室160内で電極133と接触した排気ガス中のNOxは、電極133を触媒としてN2とO2に分解(還元)される。そして分解された酸素は、電極133から電子を受け取り、酸素イオンとなって(解離して)固体電解質体131内を流れ、電極123(基準酸素室170)内に移動する。そして、固体電解質体131内を流れる酸素イオンの量に応じたIp2電流、即ちIp2セル130を流れるIp2電流は、NOx濃度に略比例することから、このIp2電流に基づきNOx濃度の検出が可能となる。
A−2.Ip2検出回路の構成:
Ip2検出回路55は、前述したように、Ip2セル130の電極133から電極132に流れた電流Ip2の値の検出を行う回路であるが、本実施例では、電流Ip2の値は、2通りの値でもって検出される。Ip2検出回路55の詳細な回路構成について次に説明する。
図2は、Ip2検出回路55の回路構成を示す図である。図示するように、センサ素子10の正側端子である電極132にはバッファ201および電流検出抵抗器202を介して前述したVp2印加回路56が接続されている。
電流検出抵抗器202の両端のA点およびB点には、第1の差動増幅回路210と第2の差動増幅回路220とが接続されており、第1および第2の差動増幅回路210,220の出力OP1,OP2がマイクロコンピュータ60に入力される。なお、センサ素子10および電流検出抵抗器202が、適用例1における「センサ部」に相当する。
第1および第2の差動増幅回路210,220は並列な関係を有し、第1および第2の差動増幅回路210,220のそれぞれは、オペアンプ211、221と4本の抵抗器212〜215、222〜225とを備えた周知のものである。なお、第2の差動増幅回路220側のオペアンプ221の+入力ピンには、前記抵抗器225とバッファ226を介して1.389Vの電圧が加えられている。オペアンプ211、221はバッテリ電源を降圧した一定の駆動電圧(例えば5V)にて駆動される。
前記の構成により、第1の差動増幅回路210は、増幅率(Gain)が10倍、オフセット(Offset)が0Vとなっている。第2の差動増幅回路220は、増幅率が24倍、オフセットが1.389Vとなっている。前記第1および第2の差動増幅回路210,220の出力OP1,OP2(センサ素子10に流れる電流の値を表す電圧信号)は、マイクロコンピュータ60のA/Dコンバータ65に入力される。
第1の差動増幅回路210の出力OP1は、NOx濃度の予め定められた広範囲(例えば0〜700[ppm])でA/Dコンバータ65の作動電圧範囲内(例えば0〜5V)に収まることから、第1の差動増幅回路210により、広範囲において適正なる信号出力が実現できる。一方、第2の差動増幅回路220の出力OP2は、NOx濃度の予め定められた狭範囲(例えば−100〜200[ppm])でA/Dコンバータ65の作動電圧範囲内に収まることから、第2の差動増幅回路220により、狭範囲において適正なる信号出力が実現できる。
なお、前記「広範囲」が適用例1における「第1の検出範囲」に相当し、第1の差動増幅回路210が適用例1における「第1増幅部」に相当する。また、前記「狭範囲」が適用例1における「第2の検出範囲」に相当し、第2の差動増幅回路220が適用例1における「第2増幅部」に相当する。
A−3.NOx濃度の検出:
図1に戻って、マイクロコンピュータ60に備えられるCPU61は、A/Dコンバータ65から出力される第1および第2のデジタル信号、すなわち、第1および第2の差動増幅回路210,220の出力OP1,OP2のA/D変換値を取り込み、両A/D変換値のうちから択一的に選択されたA/D変換値に基づいてNOx濃度(NOx濃度換算値)を算出する。詳しくは、第1の差動増幅回路210の出力OP1のA/D変換値に所定値(センサ素子10に応じて予め定められた定数)を乗算することにより第1のNOx濃度(NOx濃度換算値)を求め、この第1のNOx濃度が前記狭範囲に含まれないときには、前記第1のNOx濃度をNOx濃度の最終的なセンサ検出値として出力する。一方、第1のNOx濃度が前記狭範囲に含まれるときには、第2の差動増幅回路220の出力OP2のA/D変換値に前記所定値を乗算することにより第2のNOx濃度(NOx濃度換算値)を求め、その第2のNOx濃度をNOx濃度の最終的なセンサ検出値として出力する。
このNOx濃度の算出の処理により、NOx濃度をピンポイントで検出したい(換言すれば、NOx濃度を低濃度側にて高精度に検出したい)場合には、第2の差動増幅回路220の出力OP2に基づくA/D変換値を採用することで、高分解能の検出が可能となる。なお、マイクロコンピュータ60と、マイクロコンピュータ60のCPU61により実行される前記NOx濃度の算出の処理とが、適用例1における「制御部」に相当する。
A−4.異常診断:
前記構成のセンサ制御装置5に備えられるマイクロコンピュータ60は、さらに、センサ制御装置5の異常診断を行う。この異常診断について、以下に詳述する。
図3は、マイクロコンピュータ60のCPU61により実行される異常診断処理を示すフローチャートである。この異常診断処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。処理が開始されると、CPU61は、まず、センサ素子10がセンシング可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、センサ素子10に備えられる固体電解質体111,121,131の温度が所定値以上であること、センサ素子10の電源電圧が所定値以上であること等の条件を全て満たすか否かから、センサ素子10がセンシング可能な状態にあるか否かを判定する。
ステップS110で、センサ素子10がセンシング可能な状態にないと判定されると、CPU61は、予め用意された差分蓄積用バッファをクリアし(ステップS120)、その後、「リターン」に抜けて、この異常診断処理を一旦終了する。なお、差分蓄積用バッファについては後述する。
一方、ステップS110で、センサ素子10がセンシング可能な状態にあると判定されたときには、CPU61は、A/Dコンバータ65から出力される第1および第2のデジタル信号、すなわち、第1および第2の差動増幅回路210,220の出力OP1,OP2のA/D変換値を取り込み、出力OP1のA/D変換値に所定値を乗算し、出力OP2のA/D変換値に所定値を乗算することにより第1および第2のNOx濃度(NOx濃度換算値)Ip2W、Ip2Nを求める(ステップS130)。なお、上記の所定値は、センサ素子10に応じて予め定められた定数である。
図4は、A/D変換値に対する第1および第2のNOx濃度Ip2W、Ip2Nを示すグラフである。グラフの縦軸が第1および第2の差動増幅回路210,220の出力OP1,OP2のA/D変換値であり、グラフの横軸がNOx濃度である。グラフ中の実線が第1のNOx濃度Ip2Wを示し、一点鎖線が第2のNOx濃度Ip2Nを示す。グラフに示すように、第1のNOx濃度Ip2Wは、広範囲について増幅率が10倍、オフセットが0Vとなっており、第2のNOx濃度Ip2Nは、狭範囲について増幅率が24倍、オフセットが1.389Vとなっている。
図3に戻って、ステップS130の実行後、CPU61は、第1および第2のNOx濃度Ip2W、Ip2Nの少なくとも一方が異常診断範囲ZNに含まれるか否かを判定する(ステップS140)。異常診断範囲ZNは、図4に示すように、第1の差動増幅回路210の出力OP1に基づく広範囲と第2の差動増幅回路220の出力OP2に基づく狭範囲との重複部分に含まれる所定の範囲で、本実施例では、例えば50〜100[ppm]である。ステップS140で、第1および第2のNOx濃度Ip2W、Ip2Nの少なくとも一方が異常診断範囲ZNに含まれないと判定された場合には、「リターン」に抜けて、処理を一旦終了する。
一方、ステップS140で、第1および第2のNOx濃度Ip2W、Ip2Nの少なくとも一方が異常診断範囲ZNに含まれると判定されたときには、CPU61は、第2のNOx濃度Ip2Nから第1のNOx濃度Ip2Wを減算して差分Dを算出する(ステップS150)。なお、本実施例では、第1および第2のNOx濃度IpW、Ip2NのいずれもNOx濃度換算された値であるため、第1のNOx濃度Ip2Wから第2のNOx濃度Ip2Nを減算して差分Dを算出しても差し支えない。続いて、CPU61は、ステップS150で算出した差分Dを差分蓄積用バッファに記憶する(ステップS160)。差分蓄積用バッファはRAM62(図1)に用意されたもので、詳しくは次の通りのものである。
図5は、差分蓄積用バッファBFを示す説明図である。図示するように、差分蓄積用バッファBFは、16個のフィールドFD1〜FD16を備え、16回分の差分Dを蓄積することが可能となっている。図中最も左側のフィールドFD1に最新の差分D(0)が格納され、図中右に向かって順に一つずつ世代(サンプリング回数)が古い差分D(−1)、D(−2)、…、D(−14)が格納され、図中最も右側のフィールドFD16に15代前の差分D(−15)が格納されている。
図3のステップS160の実行の都度に、フィールドFD1〜FD15に記憶された各内容を1フィールドだけ右側にシフトし、図中最も左側のフィールドFD1にステップS150で算出した差分Dを記憶する。この結果、差分蓄積用バッファBFには、過去16回分(サンプル分)の差分Dが常に更新されて記憶されることになる。
続いて、CPU61は、差分蓄積用バッファBFに格納されている各世代の差分D、すなわち、D(0)からD(−15)までを足し合わせる(積算する)ことにより、差分積算値Dintを算出する(ステップS170)。その後、CPU61は、差分積算値Dintが所定値Di0以上であるか否かを判定する(ステップS180)。所定値Di0は、ノイズや、回路ばらつきを考慮して予め定めた定数であり、例えば200[ppm]である。
ステップS180で、差分積算値Dintが所定値Di0以上であると判定された場合
に、CPU61は、診断結果を「異常」であると確定する(ステップS190)。なお、この診断結果は、例えば、ECU90に送信する等して外部に通知する。ステップS190の実行後、「リターン」に抜けて、この異常診断処理を一旦終了する。一方、ステップS180で、差分積算値Dintが所定値Di0を下回ると判定された場合には、CPU61は、ステップS190を実行することなく、すなわち、異常診断結果は「正常」である旨を維持したまま、「リターン」に抜けて、この異常診断処理を一旦終了する。
前記異常診断処理において、CPU61と、CPU61により実行されるステップS130の処理とが、適用例1における「換算値取得部」に相当する。また、CPU61と、CPU61により実行されるステップS140の処理とが、適用例1における「換算値判定部」に相当する。CPU61と、CPU61により実行されるステップS150ないしS190の処理とが、適用例1における「異常診断部」に相当する。
A−5.実施例効果:
以上詳述したように第1実施例のセンサ制御装置5によれば、第1の差動増幅回路210の出力OP1に基づく第1のNOx濃度Ip2Wと、第2の差動増幅回路220の出力OP2に基づく第2のNOx濃度Ip2Nとの少なくとも一方が異常診断範囲ZNに含まれるときに、第1のNOx濃度Ip2Wと第2のNOx濃度Ip2Nとの差分D(本実施例では、差分D=第2のNOx濃度Ip2N−第1のNOx濃度Ip2W)を求め、その差分Dの現在から過去に遡る16サンプル分を差分蓄積用バッファBFに記憶し、これら差分Dの積算値(差分積算値)Dintを求め、その差分積算値Dintが所定値Di0以上となったときに、診断結果が「異常」であると確定するように構成されている。第1の差動増幅回路210を含む信号系統と第2の差動増幅回路220を含む信号系統とのうちの少なくとも一方で異常(故障)が発生すると、第1のNOx濃度Ip2Wと第2のNOx濃度Ip2Nとの差分Dが大きくなり、差分積算値Dintは大きくなることから、上述したように、差分積算値Dintが所定値Di0以上となったかを判定することで、差動増幅回路210、220からの入力信号が中間域において異常値となる故障を高精度に診断することができる。
また、第1実施例のセンサ制御装置5によれば、差分蓄積用バッファBFを用いた構成により、第1のNOx濃度Ip2Wと第2のNOx濃度Ip2Nとを取り込む毎に、新しい側の16サンプル分の差分Dの差分積算値Dintを求めることができることから、差動増幅回路210、220からの入力信号が周期性を持つような場合にも確実に異常の判定を行うことができる。
B.第2実施例:
図6は、本発明の第2実施例のセンサ制御装置において実行される異常診断処理を示すフローチャートである。第2実施例のセンサ制御装置は、第1実施例のセンサ制御装置5と比較して、異常診断処理の内容が相違するだけで、その他のソフトウェアの構成や、ハードウェアの構成は同一である。この異常診断処理は、第1実施例の図3に対応したものであり、図6に示すように、マイクロコンピュータのCPUは、第1実施例と同じステップS110、S130、S140、S150の処理を実行する。
ステップS150で差分Dを算出した後、CPUは、差分Dが所定値D0以上であるか否かを判定する(ステップS260)。所定値D0は、ノイズや、回路ばらつきを考慮し
て予め定めた定数であり、例えば20[ppm]である。ステップS260で、差分Dが所定値D0以上であると判定された場合には、CPUは、カウンタ値CNTを値1だけインクリメントする(ステップS270)。カウンタ値CNTは、差分Dが所定値D0以上となった回数をカウントするためのもので、ステップS260で、差分Dが所定値D0を下回ると判定されたときに、クリアされる(ステップS220)。
ステップS270でカウンタ値CNTをインクリメントした後、CPUは、カウンタ値CNTが値10以上であるか否かを判定し(ステップS280)、値10以上であると判定された場合に、CPUは、診断結果を「異常」であると確定する(ステップS190)。このステップS190の処理は第1実施例と同一の処理である。その後、「リターン」に抜けて、この異常診断処理を一旦終了する。一方、ステップS280で、カウンタ値CNTが値10を下回ると判定された場合には、CPUは、ステップS190を実行することなく、「リターン」に抜けて、この異常診断処理を一旦終了する。
また、ステップS110で、センサ素子10がセンシング可能な状態にないと判定されたときには、CPUは、「リターン」に抜けて、この異常診断処理を一旦終了する。
以上のように構成された第2実施例のセンサ制御装置によれば、第1実施例と同様に、第1の差動増幅回路からの出力に基づく第1のNOx濃度Ip2Wと、第2の差動増幅回路からの出力に基づく第2のNOx濃度Ip2Nとの差分に基づいて、異常診断を行っていることから、第1実施例と同様に、差動増幅回路からの入力信号が中間域において異常値となる故障を高精度に診断することができるという効果を奏する。
C.第3実施例:
本発明の第3実施例のセンサ制御装置について、以下に説明する。第3実施例のセンサ制御装置は、第1実施例のセンサ制御装置5と比較して、Ip2検出回路の構成および異常診断処理の内容が相違するものであり、その他の構成は同一である。図7は、第3実施例のIp2検出回路355の回路構成を示す図であり、差動増幅回路(第3の差動増幅回路)320が1つからなり、この第3の差動増幅回路320が自身の増幅度を切り換え可能に構成されてなる点で第1実施例のセンサ制御装置5とは構成が異なる。なお、図7では、図1と共通する要素(具体的には、センサ素子10、Vp2印加回路56、バッファ201、電流検出抵抗器202、マイクロコンピュータ60、A/Dコンバータ65)については、同一の番号にて表記している。
第3実施例におけるIp2検出回路355では、電流検出抵抗器202の両端のA点およびB点に対して第3の差動増幅回路320が接続されており、第3の差動増幅回路320の出力OP3がマイクロコンピュータ60のA/Dコンバータ65に入力される。この第3の差動増幅回路320において、オペアンプ321の非反転入力端子(+入力ピン)には、抵抗器324を介して上記A点の電位が、さらにスイッチSW2を介して1.389Vまたは0Vの出力がオフセット電圧(オフセット)として加えられるようになっている。つまり、スイッチSW2が抵抗器325に接続される場合には、抵抗器325、バッファ326を介して1.389Vがオペアンプ321の+入力ピンに加えられる一方、スイッチSW2が抵抗器315に接続される場合には、抵抗器315を介して0Vがオペアンプ321の+入力ピンに加えられる。
また、第3の差動増幅回路320において、オペアンプ321の反転入力端子(−入力ピン)には、抵抗器322を介して上記B点の電位が、さらに抵抗器323を介して、オペアンプ321自身の出力が加えられている。なお、この抵抗器323とは並列に、スイッチSW1と抵抗器313とが直列接続された回路が接続されている。このため、スイッチSW1のON/OFFを行うことにより、オペアンプ221の−入力ピンとオペアンプ321自身の出力との間に介在する帰還抵抗の抵抗値を、抵抗器323の抵抗値と、抵抗器323,313の並列接続の合成値のいずれかに切り換えることができる。この切り換えにより、第3の差動増幅回路320の増幅率(ゲイン)を、第1の増幅率(10倍)と第2の増幅率(24倍)のいずれかに切り換えることができる。
なお、第3の差動増幅回路320は、マイクロコンピュータ60からの指令に基づき、スイッチSW1がスイッチSW2と同期して切り換えられるよう構成されており、具体的には、スイッチSW1がONすると共にスイッチSW2が抵抗器315に接続することにより、増幅率が10倍、オフセットが0Vとなり、スイッチSW2がOFFすると共にスイッチSW2が抵抗器325に接続することにより、増幅率が24倍、オフセットが1.389Vとなる。第3の差動増幅回路320の増幅率が10倍に切り換えられているときの出力OP3は、NOx濃度の予め定められた広範囲でA/Dコンバータ65の作動電圧範囲内(例えば0〜5V)に収まることから、広範囲において適正なる信号出力が実現できる。一方、第3の作動増幅回路320の増幅度が24倍に切り換えられているときの出力OP3は、NOx濃度の予め定められた狭範囲でA/Dコンバータ65の作動電圧範囲内に収まることから、狭範囲において適正なる信号出力が実現できる。
次いで、Ip2検出回路355を備える第3実施例のセンサ制御装置において、マイクロコンピュータ60が実行するセンサ制御装置の異常診断について説明する。
図8は、マイクロコンピュータ60のCPUにより実行される異常診断処理を示すフローチャートである。第3実施例のセンサ制御装置では、当該センサ制御装置が起動された後に、この異常診断処理が割り込み処理によって定期的に実行されるようになっている。異常診断処理が実行されると、CPUは、まず、センサ素子10がセンシング可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS310)。この判定は、第1実施例に示すステップS110の処理と同一であるため、説明は省略する。
ステップS310で、センサ素子10がセンシング可能な状態にないと判定されると、CPUはこの異常診断処理を終了する。一方、ステップS310で、センサ素子10がセンシング可能な状態にあると判定されたときには、CPUは、第3の差動増幅回路320の増幅率を24倍(第2の増幅率)に設定するために、スイッチSW1をOFFし、スイッチSW2を抵抗器325に接続するように指令する(ステップS320)。これにより、第3の差動増幅回路320は、増幅率が24倍、オフセットが1.389Vに設定される。そして、ステップS330に進み、第3の差動増幅回路320の出力OP3のA/D変換値を取り込み、出力OP3のA/D変換値に所定値を乗算して第2のNOx濃度(NOx濃度換算値)Ip2Nを求める。
ステップS330の実行後、CPUは、第2のNOx濃度Ip2Nが異常診断範囲ZN(図4参照)に含まれるか否かを判定する(ステップS340)。ステップS340にて、第2のNOx濃度Ip2Nが異常診断範囲ZNに含まれないと判定されると、CPUは異常診断処理を終了する。一方、ステップS340で、第2のNOx濃度Ip2Nが異常診断範囲ZNに含まれると判定されたときには、ステップS350に進み、CPUは、第3の差動増幅回路320の増幅率を10倍(第1の増幅率)に設定するために、スイッチSW1をONし、スイッチSW2を抵抗器315に接続するように指令する。これにより、第3の差動増幅回路320は、増幅率が10倍、オフセットが0Vに設定される。そして、ステップS360に進み、第3の差動増幅回路320の出力OP3のA/D変換値を取り込み、出力OP3のA/D変換値に所定値を乗算して第1のNOx濃度(NOx濃度換算値)Ip2Wを求める。
ステップS360の実行後、CPUは、第2のNOx濃度Ip2Nから第1のNOx濃度Ip2Wを減算して差分Dを算出する(ステップS370)。続いて、ステップS370にて、算出した差分Dを、異常を判定するために設定された所定値D0(例えば、200[ppm])以上であるか否かを判定する処理を行う。ステップS370にて、差分Dが所定値D0以上であると判定された場合には、CPUは、診断結果を「異常」とする(ステップS390)。なお、この診断結果は、例えば、ECUに送信等して外部に通知する。一方、ステップS390にて、差分値Dが所定値D0を下回ると判定された場合には、CPUはステップS390を実行することなく、この異常診断処理を終了する。
以上のように構成された第3実施例のセンサ制御装置によれば、第3の差動増幅回路320の増幅率が異なった状態で得られる第1のNOx濃度Ip2Wと第2のNOx濃度Ip2Nとの差分に基づいて異常診断を行っていることから、差動増幅回路からの入力信号が中間域において異常値となる故障を高精度に診断することができるという効果を奏する。
C.変形例:
・第1変形例:
前記第1〜第3実施例では、第1のNOx濃度Ip2Wと、第2のNOx濃度Ip2Nとの差分Dに基づいて、異常診断を行っているが、これに換えて、前記第1のNOx濃度Ip2Wと第2のNOx濃度Ip2Nとの比率に基づいて異常診断を行う構成としてもよい。例えば、前記比率を求めて、比率が異常を判定するための所定値以上であるときに異常であると判定する構成とすることができる。さらに、前記差分や比率に基づく構成に限定される必要もなく、第1のNOx濃度Ip2Wと第2のNOx濃度Ip2Nとを対比する構成であれば、どのような手法によるものでもよい。
・第2変形例:
前記第1および第2実施例では、異常判定を行うに際し、第1および第2のNOx濃度Ip2W、Ip2Nの少なくとも一方が異常診断範囲ZNに含まれるか否かを判定していたが、これに換えて、第1のNOx濃度Ip2Wが異常診断範囲ZNに含まれるか否かを判定する(第2のNOx濃度Ip2Nについては特に判定しない)構成としてもよいし、あるいは、第2のNOx濃度Ip2Nが異常診断範囲ZNに含まれるか否かを判定する(第1のNOx濃度Ip2Wについては特に判定しない)構成としてもよい。前記第1および第2実施例では、第1の差動増幅回路210を含む信号系統と第2の差動増幅回路220を含む信号系統との双方の異常診断を行うことができ、この第2変形例では、異常診断範囲ZNに含まれると判断されたNOx濃度Ip2側の差動増幅回路を含む信号系統の異常診断を行うことができる。
・第3変形例:
前記第1〜第3実施例では、第1の検出範囲としての広範囲(0〜700[ppm])と、第2の検出範囲としての狭範囲(−100〜200[ppm])とが一部分で重なる構成としていたが、これに換えて、狭範囲を例えば0〜200[ppm]として、広範囲が狭範囲を内包する構成としてもよい。さらに、第1および第2実施例では、第1の差動増幅回路210はゲインが10倍、オフセットが0Vであり、第2の差動増幅回路220はゲインが24倍、オフセットが1.389Vである構成を採り、また、第3実施例では第3の差動増幅回路320を、ゲインが10倍、オフセットが0Vの状態と、ゲインが24倍、オフセットが1.389Vの状態とで切り替える構成を採るようにしたが、これらゲインおよびオフセットは、第1の検出範囲と第2の検出範囲とを一部分で重ならせることができれば、どのような値とすることもできる。
・第4変形例:
前記第1実施例では、差分蓄積用バッファBFに16個のフィールドFD1〜FD16を設け、現在から過去に遡る16サンプル分の差分を積算する構成としたが、これに換えて、他の数のサンプル分を積算する構成としてもよい。なお、この場合には、差分積算値Dintについての閾値Di0は、その数に応じた、第1実施例とは異なった値となる。
・第5変形例:
センサ制御装置5が制御するガスセンサ1、およびガスセンサ1が備えるセンサ素子10の構成は適宜変更可能である。例えば、本実施形態のガスセンサ1(センサ素子10)は、図1において、第1測定室150の下側にVsセル120を備えていたが、Vsセル120を備えないガスセンサを制御するセンサ制御装置に、本発明を適用してもよい。
・第6変形例:
前記第1〜第3実施例では、NOx濃度を検出可能なガスセンサ1に適用する構成であったが、これに換えて、化学量として酸素濃度、あるいは、HC濃度やCO濃度を検出可能とするガス濃度センサに適用する構成としてもよい。さらに、自動車用以外のガス濃度検出装置に用いることや、排ガス以外のガスを被検出ガス(例えば、吸気ガス)とすることも可能である。また、ガス濃度センサに限る必要もなく、例えば、被測定対象液体中に含まれる特定成分の濃度等の他の化学量を検出する構成としてもよい。さらに、化学量に限る必要もなく、物理量、例えば、被測定対象ガスの温度や圧力を検出するセンサに適用する構成とすることもできる。
前記実施例および各変形例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしても良い。
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明はこれらの実施例および各変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
1…ガスセンサ
5…センサ制御装置
10…センサ素子
51…基準電圧比較回路
52…Ip1ドライブ
53…Vs検出回路
54…Icp供給回路
55,355…Ip2検出回路
56…Vp2印加回路
57…ヒータ駆動回路
58…電気回路部
60…マイクロコンピュータ
61…CPU
62…RAM
63…ROM
64…信号入出力部
65…A/Dコンバータ
90…ECU
111、131…固体電解質体
112、113、132、133…電極
130…Ip2セル
150…第1測定室
151…第1拡散抵抗部
152…第2拡散抵抗部
160…第2測定室
201…バッファ
202…電流検出抵抗器
210…第1の差動増幅回路
211…オペアンプ
220…第2の差動増幅回路
221…オペアンプ
226…バッファ
320…第3の差動増幅回路
321…オペアンプ
Ip2W…第1のNOx濃度
Ip2N…第2のNOx濃度
D…差分
Dint…差分積算値
BF…差分蓄積用バッファ
ZN…異常診断範囲
SW1,SW2…スイッチ

Claims (9)

  1. 被測定対象の物理的特性または化学的特性に対応した電気信号値を出力するセンサ部と、
    前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性の第1の検出範囲について第1の増幅率で前記電気信号値を増幅する第1増幅部と、
    前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性についての前記第1の検出範囲と少なくとも一部が重なる第2の検出範囲について第2の増幅率で前記電気信号値を増幅する第2増幅部と、
    前記第1増幅部からの出力と前記第2増幅部からの出力とに基づいて前記特性を示す値を求め、該値をセンサ検出値として出力する制御部と
    を備えるセンサ制御装置において、
    前記第1増幅部からの出力に基づく第1の特性換算値と、前記第2増幅部からの出力に基づく第2の特性換算値とを取得する換算値取得部と、
    前記第1の検出範囲と第2の検出範囲との重複部分に含まれる所定の範囲を異常診断範囲とし、前記第1および第2の特性換算値のうちの少なくとも一方が前記異常診断範囲に含まれるか否かを判定する換算値判定部と、
    前記換算値判定部により前記異常診断範囲に含まれると判定されたときに、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値とを対比して、前記第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうちの少なくとも一方で異常が発生したか否かを判定する異常診断部と
    を備えることを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ制御装置であって、
    前記異常診断部は、
    前記第1の特性換算値と第2の特性換算値との差分を算出する差分算出部と、
    前記算出された差分に基づいて、前記異常の判定を行う異常判定部と
    を備えるセンサ制御装置。
  3. 請求項2に記載のセンサ制御装置であって、
    前記差分算出部は、
    前記差分についての所定期間における積算値を求める積算値算出部を備え、
    前記異常判定部は、
    前記積算値が所定値以上となったときに、前記異常である旨の判定を行う構成である、
    センサ制御装置。
  4. 請求項3に記載のセンサ制御装置であって、
    前記換算値取得部は、
    前記所定期間よりも短い時間に設定された所定時間毎に、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値との取得を行う構成であり、
    前記差分算出部は、
    前記所定時間毎に、前記換算値取得部により取得された前記第1および第2の特性換算値に基づく前記差分の積算値を、現在から過去に遡る複数回分にわたって算出する構成であり、
    前記異常判定部は、
    前記所定時間毎に、前記差分算出部により算出された積算値が所定値以上となったときに、前記異常である旨の判定を行う構成である、センサ制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、
    前記第2の検出範囲は、前記第1の検出範囲よりも狭く、
    前記第2の増幅率は、前記第1の増幅率よりも高い、センサ制御装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、
    前記センサ部から出力される電気信号値を受け取る複数の増幅回路を備え、
    前記増幅回路の1つが、前記第1の増幅率で前記電気信号値を増幅する第1増幅部を構成し、前記増幅回路のもう1つが、前記第2の増幅率で前記電気信号値を増幅する第2増幅部を構成する、センサ制御装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、
    前記センサ部から出力される電気信号値を受け取る増幅回路を備え、前記増幅回路は、自身の増幅率の切り換えにより前記第1の増幅率と前記第2の増幅率を選択可能とされ、前記第1増幅部は、前記増幅回路を前記第1の増幅率に設定したときに構成され、前記第2増幅部は、前記増幅回路を前記第2の増幅率に設定したときに構成される、センサ制御装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のセンサ制御装置であって、
    前記特性は、前記被測定対象に含まれる特定ガス濃度である、センサ制御装置。
  9. 被測定対象の物理的特性または化学的特性に対応した電気信号値を出力するセンサ部と、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性の第1の検出範囲について第1の増幅率で前記電気信号値を増幅する第1増幅部と、前記センサ部から出力される電気信号値を受け取り、前記特性についての前記第1の検出範囲と少なくとも一部が重なる第2の検出範囲について第2の増幅率で前記電気信号値を増幅する第2増幅部とを用いて、前記第1増幅部からの出力と前記第2増幅部からの出力とに基づいて前記特性を示す値を求め、該値をセンサ検出値として出力するセンサ制御方法において、
    前記第1増幅部からの出力に基づく第1の特性換算値と、前記第2増幅部からの出力に基づく第2の特性換算値とを取得する換算値取得工程と、
    前記第1の検出範囲と第2の検出範囲との重複部分に含まれる所定の範囲を異常診断範囲とし、前記第1および第2の特性換算値のうちの少なくとも一方が前記異常診断範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程により前記異常診断範囲に含まれると判定されたときに、前記第1の特性換算値と第2の特性換算値とを対比して、前記第1増幅部を含む信号系統と第2増幅部を含む信号系統とのうちの少なくとも一方で異常が発生したか否かを判定する異常診断工程と
    を備えることを特徴とするセンサ制御方法。
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