JP2018116053A - 濃度算出装置およびガス検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる濃度算出装置およびガス検出装置を提供する。【解決手段】マルチガス検出装置1は、マルチガスセンサ2と、制御部3と、を備える。制御部3のマイコン190は、補正式を用いてNOx濃度を演算することで、NOx濃度出力に対して補正係数を乗算するとともに、補正加算値を加算することで得られる値を、NOx濃度として演算する。補正係数はアンモニア濃度に応じて値が変更される。補正加算値はアンモニア濃度および二酸化窒素濃度に応じて値が変更される。制御部3は、排気ガスに含まれるアンモニアの影響により第2ポンピング電流Ip2(換言すれば、NOx濃度出力)が変動した場合でも、アンモニアの影響を低減しつつ、窒素酸化物の濃度を演算できる。【選択図】図2
Description
本開示は、濃度算出装置およびガス検出装置に関する。
窒素酸化物の濃度を検出するNOx検出部およびアンモニアの濃度を検出するアンモニア検出部を用いて、被測定ガスに含まれるアンモニア(NH3)、二酸化窒素(NO2)および窒素酸化物(NOx)の各濃度を算出する濃度算出装置が知られている(特許文献1)。
この濃度算出装置では、NOx検出部によるNOx検出値およびアンモニア検出部によるアンモニア検出値と、所定の演算式とを用いて、アンモニア濃度(NH3濃度)、二酸化窒素濃度(NO2濃度)および窒素酸化物濃度(NOx濃度)を算出する。
濃度算出装置は、NOx検出部およびアンモニア検出部とともに、ガス検出装置を構成することができる。
しかしながら、上記従来の濃度算出装置では、被測定ガス中のアンモニアの影響によりNOx検出値が変動した場合には、NOx検出値が窒素酸化物の濃度を正しく表さない状態となるため、窒素酸化物濃度の検出精度が低下する虞がある。
より詳細には、アンモニアとNOxガスは、高温環境下であれば、NH3+NOx=N2+H2Oの式に表されるように反応する。例えば、ガスセンサ素子のガス測定室に流入した被測定ガス中のNOxが、同じくガス測定室に流入した被測定ガス中のNH3と反応する場合がある。このように、NOxがNH3と反応すると、ガス測定室内のNOx濃度自体が被測定ガス中の各ガス濃度に比べ変化(減少)するため、NOx濃度の変化に応じてNOx検出値も変化する。すると、被測定ガス中のNOx濃度の検出精度が低下する虞がある。
本開示は、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる濃度算出装置およびガス検出装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、第1検出部と、第2検出部と、を用いて、被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出装置であって、窒素酸化物濃度演算部を備える。
第1検出部は、被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第1検出値を出力するよう構成されている。第2検出部は、被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて値が変化する第2検出値を出力するよう構成されている。
窒素酸化物濃度演算部は、第1検出値に基づいて窒素酸化物の濃度を演算するよう構成されている。
窒素酸化物濃度演算部は、第1検出値に対して補正係数を乗算することで得られる値を窒素酸化物の濃度として演算する。補正係数は、第2検出値に基づいて値が設定される。
このような濃度算出装置は、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響により第1検出値が変動した場合でも、第1検出値のみではなく補正係数を用いて窒素酸化物の濃度を演算することにより、アンモニアの影響を低減しつつ、窒素酸化物の濃度を演算できる。
とりわけ、補正係数は、少なくともアンモニアの濃度に応じて値が変化する第2検出値に基づいて設定されるため、被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて窒素酸化物の濃度を演算することができ、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
よって、この濃度算出装置によれば、被測定ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
また、本開示では、窒素酸化物濃度演算部は、第1検出値に対して補正係数を乗算するとともに、補正加算値を加算することで得られる値を窒素酸化物の濃度として演算してもよい。補正加算値は、少なくとも第2検出値に基づいて値が設定される。
このような濃度算出装置は、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響により第1検出値が変動した場合でも、第1検出値のみではなく補正係数および補正加算値を用いて窒素酸化物の濃度を演算することにより、アンモニアの影響を低減しつつ、窒素酸化物の濃度を演算できる。とりわけ、補正係数および補正加算値は、それぞれ、少なくともアンモニアの濃度に応じて値が変化する第2検出値に基づいて設定されるため、被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて窒素酸化物の濃度を演算することができ、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
なお、第1検出部は、例えば、測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行うことにより被測定ガス中の酸素濃度に応じて値が変化する第1ポンピング電流が流れる第1ポンピングセルと、第1ポンピングセルにて測定室内における酸素濃度が調整された被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流が流れる第2ポンピングセルと、を備えて構成しても良い。この場合、第2ポンピング電流が第1検出値として利用できる。
次に、本開示の濃度算出装置においては、第2検出値に基づきアンモニア濃度を演算するアンモニア濃度演算部を備えていても良い。このような濃度算出装置は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度、アンモニアの濃度を検出する濃度算出装置として用いられる。
次に、本開示の濃度算出装置においては、第2検出部は、第2検出値として、被測定ガスに含まれるアンモニアに加えて二酸化窒素の濃度に応じて値が変化する第2検出値を出力してもよい。また、本開示の濃度算出装置は、第2検出値に基づいて二酸化窒素の濃度を演算する二酸化窒素濃度演算部を備えてもよい。
このような濃度算出装置は、補正加算値が少なくともアンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度に応じて値が変化する第2検出値に基づいて設定されるため、被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度のみならず二酸化窒素の濃度も加味して窒素酸化物の濃度を演算することができる。これにより、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度の影響を抑えつつ、窒素酸化物の濃度を演算することができるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
次に、本開示の濃度算出装置においては、第1検出部および第2検出部は、一体に形成されたマルチガスセンサとして備えられてもよい。
このようなマルチガスセンサは、第1検出部および第2検出部を一体に備えるため、同一の被測定ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度を検出する用途に利用される。
このようなマルチガスセンサは、第1検出部および第2検出部を一体に備えるため、同一の被測定ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度を検出する用途に利用される。
よって、この濃度算出装置によれば、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度を検出するマルチガスセンサを用いるにあたり、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
なお、補正係数および補正加算値の変更に用いる第2検出値としては、第2検出値そのものに限られることはなく、アンモニアの濃度に応じて変化する値であれば任意の値を用いても良い。例えば、第2検出値が被測定ガス中のアンモニア濃度に応じて値が変化する場合、第2検出値に基づいて演算したアンモニア濃度に応じて補正係数及び補正加算値を設定しても良い。または、第2検出値が被測定ガス中のアンモニア濃度及び二酸化窒素の濃度に応じて変化する場合は、第2検出値に基づいて演算したアンモニア濃度及び二酸化窒素濃度に応じて補正係数及び補正加算値を設定しても良い。なお、窒素酸化物濃度を求める際に用いる第1検出値も、第1検出値そのものに限られることなく、窒素酸化物の濃度に応じて変化する値であれば任意の値を用いても良い。
なお、補正係数および補正加算値の変更に用いる第2検出値としては、第2検出値そのものに限られることはなく、アンモニアの濃度に応じて変化する値であれば任意の値を用いても良い。例えば、第2検出値が被測定ガス中のアンモニア濃度に応じて値が変化する場合、第2検出値に基づいて演算したアンモニア濃度に応じて補正係数及び補正加算値を設定しても良い。または、第2検出値が被測定ガス中のアンモニア濃度及び二酸化窒素の濃度に応じて変化する場合は、第2検出値に基づいて演算したアンモニア濃度及び二酸化窒素濃度に応じて補正係数及び補正加算値を設定しても良い。なお、窒素酸化物濃度を求める際に用いる第1検出値も、第1検出値そのものに限られることなく、窒素酸化物の濃度に応じて変化する値であれば任意の値を用いても良い。
次に、本開示の他の態様は、第1検出部と、第2検出部と、濃度算出装置と、を備えるガス検出装置であって、濃度算出装置が上記の濃度算出装置であるガス検出装置である。
このガス検出装置は、上記の濃度算出装置を備えることから、被測定ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
このガス検出装置は、上記の濃度算出装置を備えることから、被測定ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、自動車などの内燃機関に備えられるマルチガス検出装置1について説明する。
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、自動車などの内燃機関に備えられるマルチガス検出装置1について説明する。
マルチガス検出装置1は、車両に搭載され、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物を浄化する尿素SCRシステムに用いられるものである。より具体的には、マルチガス検出装置1は、排気ガスに含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を検出する。以下、マルチガス検出装置1を搭載する車両を自車両という。二酸化窒素および窒素酸化物をそれぞれ、NO2およびNOxともいう。また、SCRは、Selective Catalytic Reductionの略である。
マルチガス検出装置1は、図1に示すマルチガスセンサ2と、図2に示す制御部3とを備える。
マルチガスセンサ2は、NO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度(NH3濃度)を検出するように構成されている。
マルチガスセンサ2は、NO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度(NH3濃度)を検出するように構成されている。
制御部3は、図2に示すように、自車両に搭載された電子制御装置200(ECU200ともいう)と電気的に接続されている。電子制御装置200は、制御部3で算出された排気ガス中のNO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度(NH3濃度)を示すデータを受信し、受信データに基づいてディーゼルエンジンの運転状態の制御処理を実行したり、触媒に蓄積されたNOxの浄化処理を実行したりする。
[1−2.マルチガスセンサ]
マルチガスセンサ2は、図1に示すように、センサ素子部5と、主体金具10と、セパレータ34と、接続端子38とを備える。なお、以下の説明では、マルチガスセンサ2のセンサ素子部5が配置されている側(すなわち、図1の下側)を先端側、接続端子38が配置されている側(すなわち、図1の上側)を後端側という。
マルチガスセンサ2は、図1に示すように、センサ素子部5と、主体金具10と、セパレータ34と、接続端子38とを備える。なお、以下の説明では、マルチガスセンサ2のセンサ素子部5が配置されている側(すなわち、図1の下側)を先端側、接続端子38が配置されている側(すなわち、図1の上側)を後端側という。
センサ素子部5は、軸線O方向に延びる板形状を有する。センサ素子部5の後端には電極端子部5A,5Bが配置されている。図1においては、図示を容易にするために、センサ素子部5に形成された電極端子部を、電極端子部5Aおよび電極端子部5Bのみとしているが、実際には、後述するNOx検出部101、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103が有する電極等の数に応じて複数の電極端子部が形成されている。
主体金具10は、マルチガスセンサ2をディーゼルエンジンの排気管に固定するネジ部11が外表面に形成された筒状の部材である。主体金具10は、軸線O方向に貫通する貫通孔12と、貫通孔12の径方向内側に突出する棚部13とを備える。棚部13は、貫通孔12の径方向外側から中心に向かって先端側へ近づく傾きを有する内向きのテ―パ面として形成されている。
主体金具10は、センサ素子部5の先端側を、貫通孔12から先端側に突出させ、センサ素子部5の後端側を貫通孔12の後端側に突出させた状態で保持する。
主体金具10の貫通孔12の内部には、先端側から後端側に向かって順に、センサ素子部5の径方向周囲を取り囲む筒状の部材であるセラミックホルダ14と、粉末充填層である滑石リング15,16と、セラミックスリーブ17とが積層されている。
主体金具10の貫通孔12の内部には、先端側から後端側に向かって順に、センサ素子部5の径方向周囲を取り囲む筒状の部材であるセラミックホルダ14と、粉末充填層である滑石リング15,16と、セラミックスリーブ17とが積層されている。
セラミックスリーブ17と主体金具10の後端側の端部との間には、加締めパッキン18が配置されている。セラミックホルダ14と主体金具10の棚部13との間には、金属ホルダ19が配置されている。金属ホルダ19は、内部に滑石リング15とセラミックホルダ14が収容され、滑石リング15が圧縮充填されることによって金属ホルダ19と滑石リング15とは気密状に一体化されている。主体金具10の後端側の端部は、加締めパッキン18を介してセラミックスリーブ17を先端側に向かって押し付けるように加締められる部分である。また、滑石リング16が主体金具10の内部で圧縮充填されることで、主体金具10の内周面とセンサ素子部5の外周面との間の気密が確保されている。
主体金具10の先端側の端部には、ガス流通孔付きの外部プロテクタ21およびガス流通孔付きの内部プロテクタ22が設けられている。外部プロテクタ21および内部プロテクタ22は、先端側の端部が閉塞されたステンレス鋼などの金属材料から形成された筒状の部材である。内部プロテクタ22は、センサ素子部5の先端側の端部を覆った状態で主体金具10に溶接され、外部プロテクタ21は、内部プロテクタ22を覆った状態で主体金具10に溶接されている。
主体金具10の後端側の端部外周には、筒状に形成された外筒31の先端側の端部が溶接によって固定されている。さらに、外筒31の後端側の端部である開口には、この開口を閉塞するグロメット32が配置されている。
グロメット32には、リード線41が挿入されるリード線挿入孔33が形成されている。リード線41は、センサ素子部5の電極端子部5Aおよび電極端子部5Bに電気的に接続される。
セパレータ34は、センサ素子部5の後端側に配置された筒状に形成された部材である。セパレータ34の内部に形成された空間は、軸線O方向に貫通する挿入孔35である。セパレータ34の外表面には、径方向外側に突出する鍔部36が形成されている。
セパレータ34の挿入孔35には、センサ素子部5の後端部が挿入され、電極端子部5A,5Bがセパレータ34の内部に配置される。
セパレータ34と外筒31との間には、筒状に形成された金属製の保持部材37が配置されている。保持部材37は、セパレータ34の鍔部36と接触するとともに外筒31の内面と接触することにより、セパレータ34を外筒31に対して固定した状態で保持する。
セパレータ34と外筒31との間には、筒状に形成された金属製の保持部材37が配置されている。保持部材37は、セパレータ34の鍔部36と接触するとともに外筒31の内面と接触することにより、セパレータ34を外筒31に対して固定した状態で保持する。
接続端子38は、セパレータ34の挿入孔35内に配置される部材であり、センサ素子部5の電極端子部5Aおよび電極端子部5Bと、リード線41とをそれぞれ独立に電気的に接続する導電部材である。なお、図1では、図示を容易にするために、2つの接続端子38のみが図示されている。
センサ素子部5は、NOx検出部101と、第1アンモニア検出部102と、第2アンモニア検出部103を備える。なお、第2アンモニア検出部103は、図2には示されておらず、図3に示されている。第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は、NOx検出部101の長手方向(すなわち、図2の左右方向)における基準電極143と略同位置において、NOx検出部101の幅方向(すなわち、図2の奥行き方向)における位置が互いに異なるように並列に配置されている。このため、図2では、第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103のうち、第1アンモニア検出部102のみを示している。
NOx検出部101は、絶縁層113、セラミック層114、絶縁層115、セラミック層116、絶縁層117、セラミック層118、絶縁層119および絶縁層120が順次積層されて構成されている。絶縁層113,115,117,119,120、および、セラミック層114,116,118は、アルミナを主体として形成されている。
NOx検出部101は、セラミック層114とセラミック層116との間に形成される第1測定室121を備える。NOx検出部101は、第1測定室121に隣接するようにしてセラミック層114とセラミック層116との間に配置された拡散抵抗体122を介して、外部から第1測定室121の内部に排気ガスを導入する。拡散抵抗体122は、アルミナ等の多孔質材料で形成されている。
NOx検出部101は、第1ポンピングセル130を備える。第1ポンピングセル130は、固体電解質層131と、ポンピング電極132,133を備える。
固体電解質層131は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。第1測定室121と接触する領域における一部分のセラミック層114が除去され、セラミック層114の代わりに固体電解質層131が充填(埋設)されている。
固体電解質層131は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。第1測定室121と接触する領域における一部分のセラミック層114が除去され、セラミック層114の代わりに固体電解質層131が充填(埋設)されている。
ポンピング電極132,133は、白金を主体として形成されている。ポンピング電極132は、固体電解質層131において第1測定室121と接触する面上に配置される。ポンピング電極133は、固体電解質層131を挟んでポンピング電極132とは反対側で固体電解質層131の面上に配置される。ポンピング電極133が配置された領域とその周辺の領域の絶縁層113は除去され、絶縁層113の代わりに多孔質体134が充填される。多孔質体134は、ポンピング電極133と外部との間でガス(例えば、酸素)の出入りを可能とする。
NOx検出部101は、酸素濃度検出セル140を備える。酸素濃度検出セル140は、固体電解質層141と、検知電極142と、基準電極143を備える。
固体電解質層141は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。固体電解質層131よりも後端側(すなわち、図2の右側)の領域における一部分のセラミック層116が除去され、セラミック層116の代わりに固体電解質層141が充填(埋設)されている。
固体電解質層141は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。固体電解質層131よりも後端側(すなわち、図2の右側)の領域における一部分のセラミック層116が除去され、セラミック層116の代わりに固体電解質層141が充填(埋設)されている。
検知電極142と基準電極143は、白金を主体として形成されている。検知電極142は、固体電解質層141における第1測定室121と接触する面上に配置される。基準電極143は、固体電解質層141を挟んで検知電極142とは反対側で固体電解質層141の面上に配置される。
NOx検出部101は、基準酸素室146を備える。基準酸素室146は、基準電極143が配置された領域とその周辺の領域の絶縁層117が除去されることにより形成された貫通孔である。
NOx検出部101は、第1測定室121の下流側に第2測定室148を備える。第2測定室148は、検知電極142および基準電極143よりも後端側で固体電解質層141および絶縁層117を貫通して形成される。NOx検出部101は、第1測定室121から排出された排気ガスを第2測定室148の内部に導入する。
NOx検出部101は、第2ポンピングセル150を備える。第2ポンピングセル150は、固体電解質層151と、ポンピング電極152,153を備える。
固体電解質層151は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。基準酸素室146および第2測定室148と接触する領域とその周辺の領域のセラミック層118が除去され、セラミック層118の代わりに固体電解質層151が充填(埋設)されている。
固体電解質層151は、酸素イオン導電性を有するジルコニアを主体として形成されている。基準酸素室146および第2測定室148と接触する領域とその周辺の領域のセラミック層118が除去され、セラミック層118の代わりに固体電解質層151が充填(埋設)されている。
ポンピング電極152,153は、白金を主体として形成されている。ポンピング電極152は、固体電解質層151において第2測定室148と接触する面上に配置される。ポンピング電極153は、基準酸素室146を挟んで基準電極143とは反対側で固体電解質層151の面上に配置される。基準酸素室146の内部において、ポンピング電極153を覆うように多孔質体147が配置されている。
NOx検出部101は、ヒータ160を備える。ヒータ160は、白金を主体として形成され、通電されることで発熱する発熱抵抗体であり、絶縁層119と絶縁層120との間に配置される。
第1アンモニア検出部102は、NOx検出部101の外表面、より具体的には、絶縁層120の上に形成されている。第1アンモニア検出部102は、NOx検出部101における基準電極143と軸線O方向(すなわち、図2の左右方向)に略同位置に配置されている。
第1アンモニア検出部102は、絶縁層120の上に形成される第1基準電極211と、第1基準電極211の表面および側面を覆う第1固体電解質体212と、第1固体電解質体212の表面に形成される第1検知電極213とを備える。同様に、第2アンモニア検出部103は、図3に示すように、絶縁層120の上に形成される第2基準電極221と、第2基準電極221の表面および側面を覆う第2固体電解質体222と、第2固体電解質体222の表面に形成される第2検知電極223とを備える。
第1基準電極211および第2基準電極221は、電極材として白金を主体に構成されており、具体的には、Ptおよび酸化ジルコニウムを含む材料から構成されている。第1固体電解質体212および第2固体電解質体222は、イットリア安定化ジルコニア等の酸素イオン伝導性材料で構成されている。第1検知電極213および第2検知電極223は、電極材として金を主体に構成されており、具体的には、Auおよび酸化ジルコニウムを含む材料から構成されている。なお、第1検知電極213および第2検知電極223の電極材は、アンモニアに対する感度とNOxに対する感度との比が第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103において異なるように、選択されている。
また、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は、多孔質からなる保護層230によって一体に覆われている。保護層230は、第1検知電極213および第2検知電極223への被毒物質の付着を防止するとともに、外部から第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103に流入するアンモニアの拡散速度を調整するものである。このように、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は混成電位式のセンシング部として機能する。
[1−3.制御部]
図2に示すように、制御部3は、制御回路180と、マイクロコンピュータ190(以下、マイコン190)を備える。
図2に示すように、制御部3は、制御回路180と、マイクロコンピュータ190(以下、マイコン190)を備える。
制御回路180は、回路基板上に配置されたアナログ回路である。制御回路180は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、基準電圧比較回路183、Icp供給回路184、Vp2印加回路185、Ip2検出回路186、ヒータ駆動回路187および起電力検出回路188を備える。
そして、ポンピング電極132、検知電極142およびポンピング電極152は、基準電位に接続される。ポンピング電極133は、Ip1ドライブ回路181に接続される。基準電極143は、Vs検出回路182とIcp供給回路184に接続される。ポンピング電極153は、Vp2印加回路185とIp2検出回路186に接続される。ヒータ160は、ヒータ駆動回路187に接続される。
Ip1ドライブ回路181は、ポンピング電極132とポンピング電極133との間に電圧Vp1を印加して第1ポンピング電流Ip1を供給するとともに、供給した第1ポンピング電流Ip1を検出する。
Vs検出回路182は、検知電極142と基準電極143との間の電圧Vsを検出し、検出した結果を基準電圧比較回路183へ出力する。
基準電圧比較回路183は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路182の出力(すなわち、電圧Vs)とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路181へ出力する。そしてIp1ドライブ回路181は、電圧Vsが基準電圧と等しくなるように、第1ポンピング電流Ip1の流れる向きと第1ポンピング電流Ip1の大きさとを制御するとともに、第1測定室121内の酸素濃度を、NOxが分解しない程度の所定値に調整する。
基準電圧比較回路183は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路182の出力(すなわち、電圧Vs)とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路181へ出力する。そしてIp1ドライブ回路181は、電圧Vsが基準電圧と等しくなるように、第1ポンピング電流Ip1の流れる向きと第1ポンピング電流Ip1の大きさとを制御するとともに、第1測定室121内の酸素濃度を、NOxが分解しない程度の所定値に調整する。
Icp供給回路184は、検知電極142と基準電極143との間に微弱な電流Icpを流す。これにより、酸素が第1測定室121から固体電解質層141を介して基準酸素室146に送り込まれるため、基準酸素室146は、基準となる所定の酸素濃度に設定される。
Vp2印加回路185は、ポンピング電極152とポンピング電極153との間に、一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加する。これにより、第2測定室148では、第2ポンピングセル150を構成するポンピング電極152,153の触媒作用によって、NOxが解離される。この解離により得られた酸素イオンがポンピング電極152とポンピング電極153との間の固体電解質層151を移動することにより第2ポンピング電流Ip2が流れる。Ip2検出回路186は、第2ポンピング電流Ip2を検出する。
ヒータ駆動回路187は、発熱抵抗体であるヒータ160の一端にヒータ通電用の正電圧を印加するともに、ヒータ160の他端にヒータ通電用の負電圧を印加することにより、ヒータ160を駆動する。
起電力検出回路188は、第1基準電極211と第1検知電極213との間の起電力(以下、第1アンモニア起電力)と、第2基準電極221と第2検知電極223との間の起電力(以下、第2アンモニア起電力)を検出し、検出結果を示す信号をマイコン190へ出力する。
マイコン190は、CPU191、ROM192、RAM193および信号入出力部194を備える。
CPU191は、ROM192に記憶されたプログラムに基づいて、センサ素子部5を制御するための処理を実行する。信号入出力部194は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、Ip2検出回路186、ヒータ駆動回路187および起電力検出回路188に接続される。信号入出力部194は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、Ip2検出回路186および起電力検出回路188からのアナログ信号の電圧値をディジタルデータに変換してCPU191へ出力する。
CPU191は、ROM192に記憶されたプログラムに基づいて、センサ素子部5を制御するための処理を実行する。信号入出力部194は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、Ip2検出回路186、ヒータ駆動回路187および起電力検出回路188に接続される。信号入出力部194は、Ip1ドライブ回路181、Vs検出回路182、Ip2検出回路186および起電力検出回路188からのアナログ信号の電圧値をディジタルデータに変換してCPU191へ出力する。
またCPU191は、信号入出力部194を介してヒータ駆動回路187へ駆動信号を出力することにより、ヒータ160に供給する電力をパルス幅変調により通電制御して、ヒータ160が目標の温度になるようにしている。なお、ヒータ160の通電制御は、NOx検出部101を構成するセル(例えば、酸素濃度検出セル140)のインピーダンスを検出し、検出したインピーダンスが目標値となるように供給電力量を制御する公知の手法によって実現することができる。
またCPU191は、ROM192から各種データを読み込み、第1ポンピング電流Ip1の値、第2ポンピング電流Ip2の値、第1アンモニア起電力の値および第2アンモニア起電力の値から種々の演算処理を行う。
ROM192は、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」、「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」、「第1ポンピング電流−酸素濃度関係式」、「第2ポンピング電流−NOx濃度出力関係式」、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」、「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」を記憶する。
なお、「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」は下記の補正式(1)に相当する。「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」は下記の補正式(2)に相当する。「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」は下記の補正式(3)に相当する。
また、各種データは、上述のように所定の関係式として設定されていてもよいし、センサの出力から各種ガス濃度を算出するものであればよく、例えばテーブルとして設定されていてもよい。その他にも、予めガス濃度が既知のガスモデルを用いて得られた値とされていてもよい。
「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」および「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」は、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103から出力されたアンモニア起電力と、アンモニア濃度出力との関係を表す式である。ここで、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」および「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」は、予め既知のアンモニアガス濃度のモデルガスを用いて定められた関係式である。
「第1ポンピング電流−酸素濃度関係式」は、第1ポンピング電流と、排気ガス中の酸素濃度(O2濃度)との関係を表す式である。「第2ポンピング電流−NOx濃度出力関係式」は、第2ポンピング電流と、NOx濃度出力との関係を表す式である。ここで、「第1ポンピング電流−酸素濃度関係式」及び「第2ポンピング電流−NOx濃度出力関係式」は、予め既知の酸素濃度及びNOx濃度のモデルガスを用いて定められた関係式である。
「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正アンモニア濃度関係式」は、酸素濃度、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を受けた第1,2アンモニア濃度出力と、酸素濃度およびNO2濃度の影響を除去した補正アンモニア濃度との関係を表す式である。「第1アンモニア濃度出力&第2アンモニア濃度出力&酸素濃度−補正NO2濃度関係式」は、酸素濃度、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を受けた第1,2アンモニア濃度出力と、酸素濃度およびアンモニア濃度の影響を除去した補正NO2濃度との関係を表す式である。「NOx濃度出力&補正アンモニア濃度&補正NO2濃度−補正NOx濃度関係式」は、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を受けたNOx濃度出力と、アンモニア濃度およびNO2濃度の影響を除去した補正NOx濃度との関係を表す式である。
次に、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力から、NO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度を求める演算処理について説明する。この演算処理は、マイコン190のCPU191において実行される。
CPU191は、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力が入力されると、酸素濃度、NOx濃度出力、第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力を求める演算処理を行う。具体的には、ROM192から「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」、「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」、「第1ポンピング電流Ip1−酸素濃度関係式」、「第2ポンピング電流Ip2−NOx濃度出力関係式」を呼び出し、これらの関係式を用いて酸素濃度および各濃度出力を算出する処理を行う。
なお、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」および「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」は、第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103が使用環境中で出力し得るアンモニア起電力の全範囲において、被測定ガス中のアンモニア濃度とアンモニア検出部のアンモニア濃度出力とが概ね直線関係になるように設定された式である。このような換算式でもって換算することによって、後の補正式において、傾き及びオフセットの変化を利用した計算を可能とする。
そして、酸素濃度、NOx濃度出力、第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力が求められると、CPU191は、以下に説明する補正式を用いた演算を行うことで、排気ガス中のアンモニア濃度、NO2濃度およびNOx濃度を求める。
補正式(1):x=F(A,B,D)
=(eA−c)*(jB−h−fA+d)/(eA−c−iB+g)+fA−d
補正式(2):y=F’(A,B,D)
=(jB−h−fA+d)/(eA−c−iB+g)
補正式(3):z=a*C+b
補正式(4):a=f(x)
=1/(1−γx)
補正式(5):b=f’(x,y)
=δxy/(1−γx)−βx/(1−γx)−αy/(1−γx)+y
ここで、xはアンモニア濃度であり、yはNO2濃度であり、zはNOx濃度である。また、Aは第1アンモニア濃度出力であり、Bは第2アンモニア濃度出力であり、CはNOx濃度出力であり、Dは酸素濃度である。そして、式(1)のFは、xが(A,B,D)の関数であることを表し、式(2)のF’は、yが(A,B,D)の関数であることを表す。さらに、a,bは補正値(補正係数、補正加算値)であり、アンモニア濃度、NO2濃度を用いて計算される補正値(すなわち、xおよびyによって決まる補正値)である。式(4)のfは、aが(x)の関数であることを表し、式(5)のf’は、bが(x,y)の関数であることを表す。α,β,γ,δは、NOx検出部101の特性に基づいて定まる係数である。c,d,e,f,g,h,i,jは酸素濃度Dを用いて計算される係数(すなわち、Dによって決まる係数)である。
=(eA−c)*(jB−h−fA+d)/(eA−c−iB+g)+fA−d
補正式(2):y=F’(A,B,D)
=(jB−h−fA+d)/(eA−c−iB+g)
補正式(3):z=a*C+b
補正式(4):a=f(x)
=1/(1−γx)
補正式(5):b=f’(x,y)
=δxy/(1−γx)−βx/(1−γx)−αy/(1−γx)+y
ここで、xはアンモニア濃度であり、yはNO2濃度であり、zはNOx濃度である。また、Aは第1アンモニア濃度出力であり、Bは第2アンモニア濃度出力であり、CはNOx濃度出力であり、Dは酸素濃度である。そして、式(1)のFは、xが(A,B,D)の関数であることを表し、式(2)のF’は、yが(A,B,D)の関数であることを表す。さらに、a,bは補正値(補正係数、補正加算値)であり、アンモニア濃度、NO2濃度を用いて計算される補正値(すなわち、xおよびyによって決まる補正値)である。式(4)のfは、aが(x)の関数であることを表し、式(5)のf’は、bが(x,y)の関数であることを表す。α,β,γ,δは、NOx検出部101の特性に基づいて定まる係数である。c,d,e,f,g,h,i,jは酸素濃度Dを用いて計算される係数(すなわち、Dによって決まる係数)である。
なお、補正式(3)〜(5)は、NOx濃度出力(=C)と各ガス濃度(アンモニア濃度(=x)、NO2濃度(=y)、NO濃度(=u))との関係を表す関係式(6)に基づいて定められる。式(6)を式変形してNO濃度(=u)を表すと関係式(7)となる。また、NOx濃度(z)は、NO2濃度(=y)およびNO濃度(=u)とを用いた関係式(8)で表される。これらのことから、式(8)に式(7)を代入すると、上記の式(3)〜(5)が得られる。
関係式(6):C=u+αy+βx−γxu−δxy
=(1−γx)*u+αy+βx−δxy
関係式(7):u=(C+δxy−βx−αy)/(1−γx)
=C/(1−γx)+δxy/(1−γx)−βx/(1−γx)−αy/(1−γx)
関係式(8):z=u+y
なお、NOx検出部101は、二酸化窒素(NO2)および一酸化窒素(NO)を含む窒素酸化物(NOx)を検出できる特性を有するが、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響によりNOx濃度出力(=C)が変動することがある。このような影響を考慮した場合、NOx濃度出力(=C)は、アンモニア濃度(=x)、二酸化窒素濃度(=y)および一酸化窒素濃度(=u)を用いて、上記の関係式(6)で表すことができる。
=(1−γx)*u+αy+βx−δxy
関係式(7):u=(C+δxy−βx−αy)/(1−γx)
=C/(1−γx)+δxy/(1−γx)−βx/(1−γx)−αy/(1−γx)
関係式(8):z=u+y
なお、NOx検出部101は、二酸化窒素(NO2)および一酸化窒素(NO)を含む窒素酸化物(NOx)を検出できる特性を有するが、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響によりNOx濃度出力(=C)が変動することがある。このような影響を考慮した場合、NOx濃度出力(=C)は、アンモニア濃度(=x)、二酸化窒素濃度(=y)および一酸化窒素濃度(=u)を用いて、上記の関係式(6)で表すことができる。
よって、この式(6)に基づいて定められた補正式(3)〜(5)を用いることで、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響を考慮した上で、NOx濃度(=z)を得ることができる。このようにして得られたNOx濃度は、アンモニアの影響による誤差が抑制されている。
CPU191は、上述の補正式(1)〜(5)に、第1アンモニア濃度出力、第2アンモニア濃度出力、NOx濃度出力および酸素濃度を代入して演算することによって、排気ガス中のアンモニア濃度、NO2濃度およびNOx濃度を求める。
なお、補正式(1)および補正式(2)は、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103の特性に基づいて定まる式であり、補正式(3)〜(5)はNOx検出部101の特性に基づいて定まる式である。また補正式(1)〜(5)は、あくまでも補正式の一例を示したものであり、ガス検知特性に応じて、他の補正式および係数等を適宜使用してもよい。また、補正は、連続的に値を更新する形態に限られることとはなく、離散的(ステップ的)に値を更新する形態であっても良い。例えば、上記式により補正値をCPUの処理サンプリング毎に更新してもよいし、所定のインターバル長さや、ガス濃度範囲に応じて更新タイミングを変更してもよい。
なお、マイクロコンピュータ190の各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROMが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部3を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。また、マイクロコンピュータが実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
このように構成された制御部3を備えるマルチガス検出装置1は、NOx検出部101と第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103とを備えるマルチガスセンサ2を用いて、排気ガスに含まれるアンモニア、NO2およびNOxの濃度を算出する。
[1−4.NOx検出部の特性]
次に、NOx検出部101の特性について説明する。
一酸化窒素濃度(NO濃度(=u))が異なる5種類の被測定ガスにおいて、アンモニア濃度を変化させた場合に、NOx検出部101を用いて算出されるNOx濃度出力(=C)の算出結果を、図4のグラフおよび表に示す。なお、各グラフの「傾き、切片」を算出すると共に、一酸化窒素濃度(NO濃度)が0[ppm]の場合を基準とした「傾きの変化量(=Δ傾き)」を算出して、表にまとめた。
次に、NOx検出部101の特性について説明する。
一酸化窒素濃度(NO濃度(=u))が異なる5種類の被測定ガスにおいて、アンモニア濃度を変化させた場合に、NOx検出部101を用いて算出されるNOx濃度出力(=C)の算出結果を、図4のグラフおよび表に示す。なお、各グラフの「傾き、切片」を算出すると共に、一酸化窒素濃度(NO濃度)が0[ppm]の場合を基準とした「傾きの変化量(=Δ傾き)」を算出して、表にまとめた。
同様に、二酸化窒素濃度(NO2濃度(=y))が異なる5種類の被測定ガスにおいて、アンモニア濃度を変化させた場合に、NOx検出部101を用いて算出されるNOx濃度出力(=C)の算出結果を、図5のグラフおよび表に示す。なお、各グラフの「傾き、切片」を算出すると共に、二酸化窒素濃度(NO2濃度)が0[ppm]の場合を基準とした「傾きの変化量(=Δ傾き)」を算出して、表にまとめた。
また、上記の算出結果に基づいて、NOx濃度に対する「アンモニア(NH3)/窒素酸化物(NOx)相対感度比」を、図6に示す。なお、相対感度比は、上記グラフの傾きに応じた値となることから、NOx濃度に対する一酸化窒素濃度(NO濃度)の傾きの相関関係、およびNOx濃度に対する二酸化窒素濃度(NO2濃度)の傾きの相関関係を、図6に示している。
そして、図6に示す結果に基づいて、NOx濃度に対する「アンモニア(NH3)/窒素酸化物(NOx)相対感度比から変化量を差し引いた値」を、図7に示す。具体的には、NOx濃度が0[ppm]の場合の相対感度比を基準として「相対感度比の差分値」を「アンモニア(NH3)/窒素酸化物(NOx)相対感度比から変化量を差し引いた値」として算出した。
図4〜図7に示す算出結果から判るように、NOx検出部101を用いて算出されるNOx濃度出力は、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響を受けて値が変動する。そして、上記算出結果から判るように、アンモニアの影響の大きさは、一酸化窒素濃度(NO濃度)への影響と、二酸化窒素濃度(NO2濃度)への影響とでは、それぞれ異なる大きさとなる。
このようなNOx検出部101の特性を踏まえると、NOx濃度出力(=C)は、上記の式(6)で表すことができる。
よって、上述の通り、式(6)に基づいて定められた補正式(3)〜(5)を用いることで、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響を考慮した上でNOx濃度(=z)を得ることができ、このNOx濃度は、アンモニアの影響による誤差が抑制されている。
よって、上述の通り、式(6)に基づいて定められた補正式(3)〜(5)を用いることで、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響を考慮した上でNOx濃度(=z)を得ることができ、このNOx濃度は、アンモニアの影響による誤差が抑制されている。
[1−5.効果]
以上説明したように、本実施形態のマルチガス検出装置1は、マルチガスセンサ2と、制御部3と、を備える。
以上説明したように、本実施形態のマルチガス検出装置1は、マルチガスセンサ2と、制御部3と、を備える。
マルチガスセンサ2は、センサ素子部5を備えており、センサ素子部5は、NOx検出部101と、アンモニア検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)と、を備えている。
制御部3は、NOx検出部101と、アンモニア検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)と、を用いて、排気ガス(被測定ガス)に含まれるアンモニア、二酸化窒素および窒素酸化物の濃度を算出する。
NOx検出部101は、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度に応じて値が変化する第2ポンピング電流Ip2を出力するよう構成されている。第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103は、それぞれ、排気ガスに含まれるアンモニアおよび二酸化窒素の濃度に応じて値が変化するアンモニア起電力を出力するよう構成されている。
制御部3のマイコン190は、「第2ポンピング電流Ip2−NOx濃度出力関係式」に基づいて、検出した第2ポンピング電流Ip2に対応するNOx濃度出力(=C)を演算する。
また、制御部3のマイコン190は、「第1アンモニア起電力−第1アンモニア濃度出力関係式」および「第2アンモニア起電力−第2アンモニア濃度出力関係式」に基づいて、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103からそれぞれ出力されたアンモニア起電力に対応する第1アンモニア濃度出力(=A)および第2アンモニア濃度出力(=B)を演算する。
そして、マイコン190は、得られた第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力と、補正式(1)に基づいて、アンモニア濃度(=x)を演算する。また、マイコン190は、得られた第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力と、補正式(2)に基づいて、二酸化窒素濃度(=y)を演算する。
また、マイコン190は、補正式(3)を用いてNOx濃度を演算することで、NOx濃度出力(=C)に対して補正係数aを乗算するとともに、補正加算値bを加算することで得られる値を、NOx濃度として演算する。このとき、補正係数aは、式(4)に示すように、アンモニア濃度に基づいて値が算出される。また、補正加算値bは、式(5)に示すように、アンモニア濃度および二酸化窒素濃度に基づいて値が算出される。
このような構成の制御部3は、排気ガスに含まれるアンモニアの影響により第2ポンピング電流Ip2(換言すれば、NOx濃度出力(=C))が変動した場合でも、NOx濃度出力のみではなく補正係数aおよび補正加算値bを用いて窒素酸化物の濃度を演算することにより、アンモニアの影響を低減しつつ、窒素酸化物の濃度を演算できる。
とりわけ、補正係数aおよび補正加算値bは、それぞれ、少なくともアンモニアの濃度に基づいて値が設定(変更)されるため、排気ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて窒素酸化物の濃度を演算することができ、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
よって、この制御部3によれば、排気ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響による誤差を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
また、この制御部3では、補正加算値bがアンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度に基づいて値が設定(変更)される。このため、排気ガスに含まれるアンモニアの濃度のみならず二酸化窒素の濃度も加味して窒素酸化物の濃度を演算することができる。
これにより、制御部3は、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度の影響を抑えつつ、窒素酸化物の濃度を演算することができるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
次に、マルチガス検出装置1においては、NOx検出部101およびアンモニア検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)は、一体に形成されたマルチガスセンサ2として備えられている。
このようなマルチガスセンサ2は、NOx検出部101およびアンモニア検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)を一体に備えるため、同一の排気ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度を検出する用途に利用される。
よって、このマルチガス検出装置1によれば、排気ガス中の窒素酸化物の濃度、アンモニアの濃度および二酸化窒素の濃度を検出するマルチガスセンサ2を用いるにあたり、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
そして、このマルチガス検出装置1は、制御部3を備えることで、排気ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響による誤差を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
[1−6.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
マルチガス検出装置1がガス検出装置に相当し、制御部3が濃度算出装置に相当し、NOx検出部101が第1検出部に相当し、アンモニア検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)が第2検出部に相当する。
ここで、文言の対応関係について説明する。
マルチガス検出装置1がガス検出装置に相当し、制御部3が濃度算出装置に相当し、NOx検出部101が第1検出部に相当し、アンモニア検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)が第2検出部に相当する。
式(3)〜(5)を用いてNOx濃度を演算するマイコン190が窒素酸化物濃度演算部に相当し、式(1)を用いてアンモニア濃度を演算するマイコン190がアンモニア濃度演算部に相当し、式(2)を用いて二酸化窒素濃度を演算するマイコン190が二酸化窒素濃度演算部に相当する。
[2.第2実施形態]
[2−1.全体構成]
第2実施形態として、第1実施形態における補正式(3)〜(5)に代えて、補正式(9)〜(10)を用いてNOx濃度を演算するマルチガス検出装置について説明する。なお、第2実施形態のマルチガス検出装置は、第1実施形態と同様の制御部およびマルチガスセンサを備えて構成されており、第1実施形態と比べてハードウェア構成は同様である。第2実施形態に関する以下の説明では、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
[2−1.全体構成]
第2実施形態として、第1実施形態における補正式(3)〜(5)に代えて、補正式(9)〜(10)を用いてNOx濃度を演算するマルチガス検出装置について説明する。なお、第2実施形態のマルチガス検出装置は、第1実施形態と同様の制御部およびマルチガスセンサを備えて構成されており、第1実施形態と比べてハードウェア構成は同様である。第2実施形態に関する以下の説明では、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
[2−2.制御部で実行される演算処理]
第2実施形態のうち、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力から、NO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度を求める演算処理について説明する。この演算処理は、マイコン190のCPU191において実行される。
第2実施形態のうち、第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2、第1アンモニア起電力および第2アンモニア起電力から、NO2濃度、NOx濃度およびアンモニア濃度を求める演算処理について説明する。この演算処理は、マイコン190のCPU191において実行される。
そして、酸素濃度、NOx濃度出力、第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力が求められると、CPU191は、上述の補正式(1)および(2)を用いた演算を行うことで、排気ガス中のアンモニア濃度、NO2濃度を求めるとともに、以下に説明する補正式を用いた演算を行うことで、排気ガス中のNOx濃度を求める。
補正式(9): z=p*C+q
補正式(10):p=f’’(x)
=1/(1−mx)
補正式(11):q=f’’’(x)
=−kx/(1−mx)
ここで、xはアンモニア濃度であり、zはNOx濃度である。また、CはNOx濃度出力である。さらに、p,qは補正値(補正係数、補正加算値)であり、アンモニア濃度を用いて計算される補正値(すなわち、xによって決まる補正値)である。そして、式(10)のf’’は、pが(x)の関数であることを表し、式(11)のf’’’は、qが(x)の関数であることを表す。k,mは、NOx検出部101の特性に基づいて定まる係数である。
補正式(10):p=f’’(x)
=1/(1−mx)
補正式(11):q=f’’’(x)
=−kx/(1−mx)
ここで、xはアンモニア濃度であり、zはNOx濃度である。また、CはNOx濃度出力である。さらに、p,qは補正値(補正係数、補正加算値)であり、アンモニア濃度を用いて計算される補正値(すなわち、xによって決まる補正値)である。そして、式(10)のf’’は、pが(x)の関数であることを表し、式(11)のf’’’は、qが(x)の関数であることを表す。k,mは、NOx検出部101の特性に基づいて定まる係数である。
なお、補正式(9)〜(11)は、NOx濃度出力(=C)と各ガス濃度(アンモニア濃度(=x)、NOx濃度(=z))との関係を表す関係式(12)に基づいて定められる。式(12)を式変形してNOx濃度(=z)を表すと関係式(13)となる。そして、式(12)に基づき得られる式(13)に基づいて、上記の式(9)〜(11)が得られる。
関係式(12):C=z+kx−mxz
=(1−mx)*z+kx
関係式(13):z=(C−kx)/(1−mx)
=C/(1−mx)−kx/(1−mx)
なお、NOx検出部101は、窒素酸化物(NOx)を検出できる特性を有するが、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響によりNOx濃度出力(=C)が変動することがある。このような影響を考慮した場合、NOx濃度出力(=C)は、アンモニア濃度(=x)および窒素酸化物濃度(=z)を用いて、上記の関係式(12)で表すことができる。
=(1−mx)*z+kx
関係式(13):z=(C−kx)/(1−mx)
=C/(1−mx)−kx/(1−mx)
なお、NOx検出部101は、窒素酸化物(NOx)を検出できる特性を有するが、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響によりNOx濃度出力(=C)が変動することがある。このような影響を考慮した場合、NOx濃度出力(=C)は、アンモニア濃度(=x)および窒素酸化物濃度(=z)を用いて、上記の関係式(12)で表すことができる。
よって、この式(12)に基づいて定められた補正式(9)〜(11)を用いることで、被測定ガスに含まれるアンモニアの影響を考慮した上で、NOx濃度(=z)を得ることができる。このようにして得られたNOx濃度は、アンモニアの影響による誤差が抑制されている。
CPU191は、上述の補正式(1),(2),(9)〜(11)に、第1アンモニア濃度出力、第2アンモニア濃度出力、NOx濃度出力および酸素濃度を代入して演算することによって、排気ガス中のアンモニア濃度、NO2濃度およびNOx濃度を求める。
なお、補正式(1)および補正式(2)は、第1アンモニア検出部102および第2アンモニア検出部103の特性に基づいて定まる式であり、補正式(9)〜(11)はNOx検出部101の特性に基づいて定まる式である。また補正式(1),(2),(9)〜(11)は、あくまでも補正式の一例を示したものであり、ガス検知特性に応じて、他の補正式および係数等を適宜使用してもよい。
このように構成された第2実施形態の制御部3を備えるマルチガス検出装置1は、NOx検出部101と第1アンモニア検出部102と第2アンモニア検出部103とを備えるマルチガスセンサ2を用いて、排気ガスに含まれるアンモニア、NO2およびNOxの濃度を算出する。
[2−3.効果]
以上説明したように、本第2実施形態のマルチガス検出装置1は、マルチガスセンサ2と、制御部3と、を備える。
以上説明したように、本第2実施形態のマルチガス検出装置1は、マルチガスセンサ2と、制御部3と、を備える。
そして、制御部3のマイコン190は、得られた第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力と、補正式(1)に基づいて、アンモニア濃度(=x)を演算する。また、マイコン190は、得られた第1アンモニア濃度出力および第2アンモニア濃度出力と、補正式(2)に基づいて、二酸化窒素濃度(=y)を演算する。
また、マイコン190は、補正式(9)を用いてNOx濃度を演算することで、NOx濃度出力(=C)に対して補正係数pを乗算するとともに、補正加算値qを加算することで得られる値を、NOx濃度として演算する。このとき、補正係数pは、式(10)に示すように、アンモニア濃度に基づいて値が算出される。また、補正加算値qは、式(11)に示すように、アンモニア濃度に基づいて値が算出される。
このような構成の制御部3は、排気ガスに含まれるアンモニアの影響により第2ポンピング電流Ip2(換言すれば、NOx濃度出力(=C))が変動した場合でも、NOx濃度出力のみではなく補正係数aおよび補正加算値bを用いて窒素酸化物の濃度を演算することにより、アンモニアの影響を低減しつつ、窒素酸化物の濃度を演算できる。
とりわけ、補正係数pおよび補正加算値qは、それぞれ、少なくともアンモニアの濃度に基づいて値が設定(変更)されるため、排気ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて窒素酸化物の濃度を演算することができ、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
よって、この制御部3によれば、排気ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響による誤差を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
そして、このマルチガス検出装置1は、制御部3を備えることで、排気ガスに含まれる窒素酸化物濃度を検出するにあたり、アンモニアの影響による誤差を抑制できるため、窒素酸化物濃度の検出精度の低下を抑制できる。
[2−4.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
式(9)〜(11)を用いてNOx濃度を演算するマイコン190が窒素酸化物濃度演算部に相当し、式(1)を用いてアンモニア濃度を演算するマイコン190がアンモニア濃度演算部に相当し、式(2)を用いて二酸化窒素濃度を演算するマイコン190が二酸化窒素濃度演算部に相当する。
ここで、文言の対応関係について説明する。
式(9)〜(11)を用いてNOx濃度を演算するマイコン190が窒素酸化物濃度演算部に相当し、式(1)を用いてアンモニア濃度を演算するマイコン190がアンモニア濃度演算部に相当し、式(2)を用いて二酸化窒素濃度を演算するマイコン190が二酸化窒素濃度演算部に相当する。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、センサとして、NOx検出部およびアンモニア検出部が一体に形成されたマルチガスセンサを備える形態について説明したが、このような形態に限られることはない。具体的には、NOx検出部を備えるセンサと、アンモニア検出部を備えるセンサと、を個別に備える形態であってもよい。
また、上記実施形態では、アンモニア検出部として、2つの検出部(第1アンモニア検出部102、第2アンモニア検出部103)を備える構成について説明したが、1つの検出部で構成されたアンモニア検出部を備える形態であってもよい。
上記実施形態では、補正係数および補正加算値を第2ポンピング電流Ip2から求められるアンモニア濃度との所定の関係式から算出していたが、第2ポンピング電流Ip2に基づいて設定されるものであればよく、算出方法も関係式を用いる方法に限定されない。例えば第2ポンピング電流Ip2と補正係数および補正加算値の関係がテーブルとして設定されていてもよい。また、上記実施形態では、NOx検出部により検出される第2ポンピング電流Ip2に直接補正係数を乗算するのではなく、「第2ポンピング電流−NOx濃度出力関係式」を用いてNOx濃度出力を算出し、このNOx濃度出力に補正係数を乗算しNOx濃度を求めているが、このような形態に限られることはない。例えば、Ip2値にNOx濃度に換算する為の所定値と補正係数とを両方直接乗算して、一度にNOx濃度を求めても良い。
次に、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
上述したマイコン190の他、当該マイコン190を構成要素とするシステム、当該マイコン190としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、濃度算出方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…マルチガス検出装置、2…マルチガスセンサ、3…制御部、5…センサ素子部、101…NOx検出部、102…第1アンモニア検出部、103…第2アンモニア検出部、190…マイクロコンピュータ(マイコン)、191…CPU、192…ROM、193…RAM。
Claims (7)
- 被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第1検出値を出力する第1検出部と、
前記被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて値が変化する第2検出値を出力する第2検出部と、
を用いて、前記被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出装置であって、
前記第1検出値に基づいて前記窒素酸化物の濃度を演算する窒素酸化物濃度演算部を備え、
前記窒素酸化物濃度演算部は、前記第1検出値に対して、前記第2検出値に基づいて設定される補正係数を乗算することで得られる値を前記窒素酸化物の濃度として演算する、
濃度算出装置。 - 前記窒素酸化物濃度演算部は、前記第1検出値に対して前記補正係数を乗算するとともに、補正加算値を加算することで得られる値を前記窒素酸化物の濃度として演算し、
前記補正加算値は、少なくとも前記第2検出値に基づいて設定される、
請求項1に記載の濃度算出装置。 - 前記第2検出値に基づいて前記アンモニアの濃度を演算するアンモニア濃度演算部を備える、
請求項1または請求項2に記載の濃度算出装置。 - 前記第2検出部は、前記第2検出値として、前記被測定ガスに含まれるアンモニアに加えて二酸化窒素の濃度に応じて値が変化する前記第2検出値を出力し、
前記第2検出値に基づいて前記二酸化窒素の濃度を演算する二酸化窒素濃度演算部を備える、
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の濃度算出装置。
- 前記第1検出部および前記第2検出部は、一体に形成されたマルチガスセンサとして備えられる、
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の濃度算出装置。 - 被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第1検出値を出力する第1検出部と、
前記被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて値が変化する第2検出値を出力する第2検出部と、
を用いて、前記被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出装置であって、
前記第1検出値に基づいて前記窒素酸化物の濃度を演算する窒素酸化物濃度演算部と、
前記第2検出値に基づいて前記アンモニアの濃度を演算するアンモニア濃度演算部と、
を備え、
前記窒素酸化物濃度演算部は、前記第1検出値に対して補正係数を乗算することで得られる値を前記窒素酸化物の濃度として演算し、
前記補正係数は、少なくとも前記アンモニアの濃度に応じて値が変更される、
濃度算出装置。 - 被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度に応じて値が変化する第1検出値を出力する第1検出部と、
前記被測定ガスに含まれるアンモニアの濃度に応じて値が変化する第2検出値を出力する第2検出部と、
前記第1検出部および前記第2検出部を用いて、前記被測定ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を算出する濃度算出装置と、
を備えるガス検出装置であって、
前記濃度算出装置は、請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の濃度算出装置である、ガス検出装置。
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-
2018
- 2018-01-10 JP JP2018001931A patent/JP2018116053A/ja active Pending
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