JP7007886B2 - ガス調整装置、ガス供給システム、ガス調整プログラム - Google Patents

ガス調整装置、ガス供給システム、ガス調整プログラム Download PDF

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Description

本発明は、燃料ガスを、少なくとも燃焼性を担保する指標に基づいて調整するためのガス調整装置、調整された燃料ガスを顧客へ供給するためのガス供給システム、及びガス調整プログラムに関するものである。
所謂都市ガスは、ウォッベ指数(以下、WIという)、及び燃焼速度指数(以下、MCPという)に基づいて、14種類のガス種に分類され、供給業者は、特定したガス種のガスを供給域内の需要家に対して供給している。
需要家へ供給するガスは、WI及びMCPが、ガス種の範囲になるように成分組成を調整する。特に、WIが重要視される。
一般に燃焼器は、予め定められた発熱量やWIとなる成分組成の燃料ガスが供給されることが好ましく、このときに熱効率や燃焼状態が最適となるように設計及び運転調整されている。従って、燃焼器において安定した燃焼を実現するためには供給ガスの発熱量やWIの変動はできるだけ小さい方が好ましい。
近年、例えば、ガス導管が設置されていない地域における都市ガス(都市ガス13A等)の需要増加に伴い、液化天然ガス(以下、LNGという)サテライト基地が建設されている。
LNGサテライト基地は、LNG貯槽(LNGタンク)と、気化器を備えた設備である。LNG供給業者は、LNGローリー車等の輸送手段でLNGを輸送して、一旦LNGタンクに貯蔵する。LNGタンクに貯蔵されたLNGは、気化器によって気化し、気化されたガスが工業団地や住宅等に供給される。
このようなLNGサテライト供給システムでは、燃料ガスの原料である液体燃料の成分組成変動、あるいは、気化器の稼働状況や気化処理負荷の変動等に伴う供給ガスの成分組成変動による発熱量及びWIの変動が起こる場合がある。
このため、調整ガス(例えば、増熱用としてプロパンガス、希釈用として空気)を用いて、供給ガスのWIを最適な値、例えば、適正な燃焼が可能な許容範囲の中間値となるように制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。
需要家先においては、ある一定のWIに制御された燃料ガスを供給し、当該需要家の各熱設備において、必要熱出力に見合うように燃料ガス流量及び燃焼用空気流量を調整して使用することが最も好ましい利用形態となる。
なお、WIを含む組成変動抑制に関する参考として、特許文献2には、バーナへ燃焼用空気を供給するファンとバーナへのガス燃料を供給する燃料供給路とを備え、燃料供給路にはWI測定器、及びガス流量調整弁が設けられ、WI測定器で測定されたガス燃料のWIに基づいてガス流量調整弁の開度を調整して、バーナへの供給熱量を所望に位置することが記載されている。
この特許文献2では、ボイラ毎に燃料ガスの性状を調整するものではなく、測定したWI指数に基づいてガス流量を調整する構成であり、恒久的な燃料ガスのWIの変動抑制(性状調整)にはなっていない。
特開2016-191024号公報 特開2013-92315号公報
変動するWIが高い方向の許容範囲(推定変動幅の最大値)を逸脱して変動するような場合、WIが過多となる傾向がある。
例えば、WIの調整制御を行っているときに、想定変動を超える高WIの燃料ガスが供給されると、制御が追いつかず、設定よりも高WIの燃料ガスが燃焼器へ送り込まれる場合がある。この高WIの燃料ガスは、設定WIの燃料ガスよりも理論空気量が多いため、予め固定的に設定している空気比に基づく燃焼用空気量では、空気量が不足し、当該空気量の不足が不完全燃焼を招く場合がある。
本発明は、目標値よりも高WIの燃料ガスが供給されても、予め固定的に設定された空気比に基づき供給される燃焼用空気の流量を変更することなく、不完全燃焼を抑制することができるガス調整装置、ガス供給システム、及びガス調整プログラムを得ることが目的である。
本発明のガス調整装置は、燃焼器に特定の燃焼性指標の燃料ガスが供給されることを想定して、前記燃焼器毎に予め設定された空気比に基づく流量の燃焼用空気を、前記燃焼器へ供給する燃焼用空気供給手段と、前記燃焼用空気供給手段で燃焼用空気と混合される前であり、かつ前記燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標が、前記特定の燃焼性指標よりも高い場合に、燃焼性指標の差分に相当する低減用であり、かつ前記燃焼用空気の補完用である希釈用の調整ガスを、前記燃焼器へ供給する前の燃料ガスに混合する混合手段と、を有し、前記混合手段が、前記燃料ガスの燃焼性指標の目標値を、燃料ガスの燃焼性指標の推定変動幅の最小値又は当該最小値から所定値を減算した値までの範囲内に設定する設定手段と、前記燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した燃焼性指標が、前記設定手段で設定された目標値となるように、前記燃料ガスに混合する希釈用の調整ガスの流量を制御する流量制御手段と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、燃焼用空気供給手段では、燃焼器に特定の燃焼性指標の燃料ガスが供給されることを想定して設定された空気比に基づく流量の燃焼用空気を、前記燃焼器へ供給する。すなわち、燃焼用空気供給手段による燃焼用空気の流量は、基本的に固定されている。
ここで、前記燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標が、前記特定の燃焼性指標よりも高い場合、理論空気量が多くなり(必要な空気流量が多くなり)、固定された燃焼用空気の流量では足りないことになる。
そこで、混合手段では、燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標が、特定の燃焼性指標よりも高い場合に、燃焼性指標の差分に相当する低減用であり、かつ燃焼用空気の補完用である希釈用の調整ガスを、燃焼器へ供給する前の燃料ガスに混合する。
例えば、希釈用の調整ガスとして、燃焼用空気と同等の機能を持つガスを用いることで、燃料ガスの燃焼性指標を適正に低減すると同時に、空気比を予め設定した空気比に維持することができる。
燃料ガスを希釈の一方向で制御するべく、設定手段では、燃料ガスの燃焼性指標の目標値を、燃料ガスの燃焼性指標の推定変動幅の最小値又は当該最小値よりも所定値を減算した値までの範囲内に設定する。
取得手段は、燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標を取得する。流量制御手段では、取得手段で取得した燃焼性指標が目標値となるように、調整ガスの流量を制御する。これにより、燃焼性指標の調整を、希釈用の調整ガスで補完することができる。
例えば、希釈用の調整ガスとして、燃焼用空気と同等の機能を持つガスを用いることで、燃料ガスの燃焼性指標を適正に低減すると同時に、空気比を予め設定した空気比に維持することができる。
本発明において、前記燃料ガスの燃焼性指標は、燃料ガスの原料である液体燃料の成分組成変動、燃料ガスの原料である液体燃料を気化処理する時の気化器の稼働状況、又は燃料ガスを気化処理するときの処理負荷の変動に伴う燃料ガスの成分組成変動から推定される変動幅で変動することを特徴としている。
燃料ガスの燃焼性指標の変動幅が推定できれば、調整ガスによる一方向の調整で済む目標値の設定が容易となる。
本発明において、ガス調整装置が、供給手段によってサテライト設備に供給されて貯留された流体状の原料を気化させた後の燃料ガスを燃焼器へ供給するサテライトガス配管の途中に設けられていることを特徴としている。
サテライト設備に予め流体状の原料を運搬しておき、当該サテライト設備内において、気化後の燃料ガスを燃焼器へ供給するサテライトガス配管にガス調整装置を設けることができる。
本発明において、前記供給手段が、タンクローリーを含む運搬手段、又は、供給元からサテライト設備まで原料を導管によって移送する移送手段であることを特徴としている。
サテライト設備への原料の供給手段としては、原料が例えばLNG(液化天然ガス)の場合、液体であるので、一般的には、タンクローリーに代表される運搬手段によって、所謂陸送される。しかし、供給元からサテライト設備まで、導管を用いて流体状の原料を移送する移送手段であってもよい。
本発明において、ガス調整装置が、貯蔵タンクに貯蔵された流体状の原料を気化させた後の燃料ガスを燃焼器へ供給するガス供給導管の途中に設けられていることを特徴としている。
貯蔵タンクに貯蔵された非気体状の原料を気化させた後、目的の燃焼器へ供給するガス供給導管にガス調整装置を設けることができる。例えば、LNG船が停泊する港湾に貯蔵タンクを設け、貯蔵タンクに一時的に貯蔵された原料を取り出し、気化した直後の導管に、本発明のガス調整装置を設置するようにしてもよい。
本発明のガス供給システムは、上記ガス調整装置と、液体燃料を気化処理することで、燃焼性指標の調整前である燃料ガスを生成し、前記ガス調整装置へ供給する気化処理装置と、前記ガス調整装置により供給された前記燃料ガスを燃焼する燃焼器を備えた燃焼設備と、を有している。
本発明によれば、例えば、燃焼器に特定の燃焼性指標の燃料ガスが供給されることを想定して設定された空気比に基づく流量の燃焼用空気を、燃焼器へ供給する。すなわち、燃焼用空気の流量は、基本的に固定されている。
燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標が、特定の燃焼性指標よりも高い場合に、燃焼性指標の差分に相当する低減用であり、かつ燃焼用空気の補完用である希釈用の調整ガスを、燃焼器へ供給する前の燃料ガスに混合する。
希釈用の調整ガスとして、燃焼用空気と同等の機能を持つガスを用いることで、燃料ガスの燃焼性指標を低減すると同時に、空気比を予め設定した空気比に維持することができる。
以上説明した如く本発明では、目標値よりも高WIの燃料ガスが供給されても、予め固定的に設定された空気比に基づき供給される燃焼用空気の流量を変更することなく、不完全燃焼を抑制することができる。
本実施の形態に係る燃料ガスを需要家に共有するためのサテライト基地の概略図である。 本実施の形態に係る燃料ガス調整装置及び燃焼設備の配管、及びWI調整制御のための制御系の構成を示す概略図である。 本発明の効果検証用に、例として想定した7種類(供給ガスA~供給ガスG:いずれも都市ガス13Aグループに属する)のガス性状(WI、MCP)を示したものである。 (A)は第1の実施の形態に係るWIの経時変動特性図、(B)はWI-燃料ガス流量調整特性図である。 (A)は、供給ガス(今回、例として想定した供給ガスA~供給ガスGの7種類のガス)の総発熱量に対する、WIと密度とのそれぞれの関係を示す特性図、(B)は同供給ガスの密度-WIテーブル特性図である。 本実施の形態に係るWI調整制御が実行されるコントローラの概略構成図である。 本実施の形態に係るWI調整制御部で実行されるWI調整(希釈)制御ルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態に係るWIの変動を抑制するための運転管理制御負担を検証するための特性図であり、(A)は供給ガスに対する希釈調整後の燃料ガス組成及び燃料ガス比重特性図、(B)は供給ガスに対する流量特性図、(C)は供給ガスに対する燃焼用空気流量及び燃焼空気比特性図である。 希釈調整特有の特徴を検証するための特性図であり、(A)は供給ガス(今回、例として想定した供給ガスA~供給ガスGの7種類のガス)のWI-理論空気量A特性図、(B)は一般的な燃焼空気比-一酸化炭素CO濃度特性図である。 希釈調整特有の特徴を検証するためのWIの経時変動特性図であり、(A)は想定範囲内でのWI変動時、(B)は想定範囲を超えるWI変動時を示す。 変形例1に係る燃料ガス調整装置の概略図であり、(A)は第1の実施の形態及び第2の実施の形態で適用したものと同様の概略図、(B)はWI計を混合器の上流側に配置した概略図、(C)は混合器の下流側にバイパスを設けてWI計を配置した概略図、(D)は混合器の上流側にバイパスを設けてWI計を配置した概略図である。 変形例2に係る燃料ガス調整装置の概略図であり、(A)は第1の実施の形態及び第2の実施の形態で適用したものと同等の概略図(バッファ無し)、(B)は混合器の下流側にバッファを設けた概略図、(C)は混合器の上流側にバッファを設けた概略図、(D)は混合器の上流側及び下流側にバッファを設けた概略図である。 本実施の形態の変形例3に係る燃料ガス調整装置の設置状態を示す概略図である。 変形例3において、希釈用の調整ガスを用いたWI調整制御(本実施の形態)を実行する燃料ガス調整装置の概略図である。 変形例3において、本実施の形態に準ずる、希釈によるWI調整制御を実行するときのフローチャートである。
図1には、本実施の形態に係る燃料ガスを需要家に供給するためのサテライト基地10の概略図が示されている。
サテライト基地10は、ガス導管が設置されていない地域へ燃料(例えば、LNG)を供給し、所謂都市ガスを生成するための基地である。
都市ガスについて詳細を述べる。
都市ガスは、ウォッベ指数(以下、WIという)、及び燃焼速度指数(以下、MCPという)に基づいて、14種類のガス種に分類され、供給業者は、特定したガス種のガスを供給域内の需要家に対して供給している。
WIは、(1)式で表され、ガスの総発熱量H(MJ/Nm)をガスの空気に対する比重sの平方根で割った数値である。また、MCPは(2)式で表される。
Figure 0007007886000001
ここで、
WI:ウォッベ指数
H:ガスの総発熱量H(MJ/Nm
s:ガス比重(空気=1)
MCP:燃焼速度指数
Si:成分iの燃焼速度
fi:成分iに関わる係数
Ai:ガス中の成分iの体積百分率
K:減衰係数
である。
一例として、メタン(CH)を主成分とするガス種(都市ガス13Aという)は、WIの範囲として、52.7≦WI≦57.2と定められ、MCPの範囲として、35≦MCP≦47と定められている(図3参照)。
図3は、本発明の効果検証用に、例として想定した7種類(供給ガスA~供給ガスG:いずれも都市ガス13Aグループに属する)のガス性状(WI、MCP)を示したものである。
需要家へ供給するガスは、WI及びMCPが、上記した都市ガス13Aのガス種の範囲になるように成分組成が調整され、燃焼設備12(図1参照)へ供給される。
図1に示される如く、サテライト基地10は、LNGタンク14を備える。LNGタンク14には、定期的又は不定期にローリー16がLNGを運搬し、補充するようになっている。なお、LNGタンク14へのLNGの補充は、ローリー16等の移動手段に限定されず、LNGの拠点(例えば、港湾に設けられたLNG貯蔵タンク)から液体のまま搬送する導管を介して補充する供給手段を適用してもよい。
LNGタンク14は、配管18を介して気化器20に接続されて、LNGタンク14に貯蔵されたLNGは、この配管18を介して気化器20に供給される。
気化器20では、LNGを気化して燃料ガスの基となる供給ガスを生成する。
気化器20は、配管22を介して、燃料ガス調整装置24に接続されている。
気化器20によって気化されることで生成された供給ガスは、配管22を介して燃料ガス調整装置24へ供給される。
気化器20によって気化されて得られる供給ガスのガス種は、例えば、都市ガス13Aである。より具体的な組成としては、メタンガスを主成分とし、その他、エタンガス、プロパンガス、ブタンガス等を含有する。
気化器20では、燃料ガスの原料である液体燃料の成分組成変動、あるいは、当該気化器20の稼働状況や気化処理負荷の変動等に伴う供給ガスの成分組成変動により、発熱量及びWIの変動が起こる場合がある(図4(A)参照)。
そこで、燃料ガス調整装置24には、前記気化器20からの配管22とは別に、調整ガスを供給する配管26の一端部が接続されている。
本実施の形態では、調整ガスは、希釈調整の一方向であり、例えば、空気が適用される。配管26の他端部には、図示しない送風機等が接続され、常時供給可能となっている。この希釈用の調整ガス(例えば、空気)を用いることで、供給ガスのWIは、図4(A)の推定変動幅の最小値WImin又は誤差を見込んだ場合は、それ以下(WImin+β、βが負の数)を目標として制御される。βは、特に限定されるものではないが、一般的に適用されるガス種(ここでは、都市ガス13A)のWIの平均値の10%以下程度とすれば、実用的には問題ない。
図1に示される如く、燃料ガス調整装置24は、配管28を介して燃焼設備12に接続されている。燃料ガス調整装置24では、供給ガスに対して希釈用の調整ガスを供給することで、WIが調整された燃料ガスを、配管28を介して燃焼設備12へ供給する。
図2は、本実施の形態に係る燃料ガス調整装置24及び燃焼設備12の配管、及びWI調整制御のための制御系の構成を示す概略図である。
図2に示される如く、燃焼設備12は、燃焼器30によって燃料ガスを燃焼させる設備である。燃焼設備12としては、ガスタービン、ガスエンジン、又は工業炉等が挙げられる。
燃焼器30には、それぞれ燃料ガス調整装置24からの配管28から分岐された燃料ガス分岐管32と、燃焼用空気を供給する配管34から分岐された空気分岐管36とが接続されており、燃焼器30毎に予め定めた燃焼量および燃焼空気比によって燃焼させる。
この燃焼量および燃焼空気比の調整のため、各燃料ガス分岐管32には燃料ガス調整弁38が設けられると共に、燃焼用空気を供給する配管34には、空気調整弁40が設けられている。
燃料ガス調整弁38は、供給ガスの性状(特に、WI)によって調整されるものであり、図4(B)に示される如く、WIが小さい値であればあるほど、流量を増やす(多くする)ことで、適正な燃焼量に調整される。なお、本実施の形態では、WIを推定変動幅の最小値WImin又は誤差を見込んだ場合は、それ以下(WImin+β、βは負の数)とするため(例えば、WI=50MJ/Nm)、当該WIに見合った燃料ガス流量Qgが設定される。
(燃料ガス調整装置24)
図2に示される如く、燃料ガス調整装置24は、混合器42を備えている。混合器42は、ベンチュリーミキサー等が適用可能である。なお、電磁弁等の開閉制御によってガスを混合する構造であってもよい。
混合器42の主流入口42Aには、気化器20(図1参照)からの配管22が接続されている。また、混合器42の副流入口42Bには、希釈用の調整ガスを導入する配管26が接続されている。また、この配管26には、流量調整部44が介在されており、混合器42へ送出する希釈用の調整ガスの流量が調整されるようになっている。流量調整部44は、コントローラ50に接続されている。
混合器42では、主流入口42Aから導入した供給ガスと、前記流量調整部44で調整されて副流入口42Bから導入した希釈用の調整ガスとを混合し、燃料ガスを生成する。
一方、混合器42の流出口42Cには、燃焼設備12に燃料ガスを供給する配管28が接続されている。
ここで、混合器42の下流側の配管28には、WIを検出するためのWI計46が介在されている。WI計は、WIを直接検出可能である。
なお、WI計に代えて、燃料ガスの変数Xを検出するための検出器(X/M)を適用してもよい。変数Xとは、検出対象を示す変数の総称であり、最終的に、WI(ウォッベ指数)を取得可能な変数Xであればよい。X/Mとしては、WIと相関のある密度を検出する密度計及び発熱量計等が適用可能である。すなわち、相関のある変数X(密度及び発熱量等)から、予め記憶した換算テーブルに基づき、WIを間接的に取得可能である。
図5(A)は、供給ガス(今回、例として想定した供給ガスA~供給ガスGの7種類のガス(図3参照))の総発熱量に対する、WIと密度とのそれぞれの関係を示す特性図である。図5(A)からもわかるように、総発熱量に対して、WI及び密度はそれぞれほぼ正比例の関係となっている。言い換えれば、WIと密度との間にも相関関係を持っていることがわかる。
そこで、例えば、検出器(X/M)の変数Xを密度とした場合、図5(B)に示されるようなテーブル(密度-WIテーブル)を予め準備し、記憶しておくことで、WI計46に代わる検出器で密度を検出し、密度-WIテーブルに基づき、WIを取得することができる。
なお、WIを取得可能であれば、間接的に検出する対象は、密度及び発熱量に限定されるものではなく、燃料ガスの組成の一部又は全部を分析するアナライザ等であってもよい。燃料ガスの組成の一部とは、WIに最も影響を及ぼし、かつ変動幅が大きいプロパンガスの含有率等が挙げられる。
WI計46は、コントローラ50に接続されている。
図6に示される如く、コントローラ50は、マイクロコンピュータ52を有し、マイクロコンピュータ52は、CPU52A、RAM52B、ROM52C、入出力部(I/O)52D、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス52Eを備えている。
I/O52Dには、ユーザインターフェイス(UI)54及びHDD(ハードディスクドライブ)56が接続されている。UI54は、例えば操作部54A及び表示部54Bを備え、操作部54Aではユーザからの指示を受け付け、表示部54Bでは処理状況(燃料ガスの生成状況)を報知する。なお、UI54としては、操作部54Aと表示部54Bとが一体となったタッチパネルを適用してもよい。
また、I/O52Dには、入力系デバイスとしてWI計46が接続され、出力系として流量調整部44が接続されている。
ROM52C(又はHDD56)には、WI調整制御プログラムが記憶されており、このCPU52Aは、このWI調整制御プログラムに従って動作する。すなわちコントローラ50のマイクロコンピュータ52は、例えば、ROM52Cに記憶されたWI調整制御プログラムをCPU52Aで実行させることで、WI調整制御部58(図2参照)として機能する。
CPU52Aでは、WI計46で検出したWI(検出対象がWI以外の変数Xの場合は、間接的にWIを取得可能な密度、発熱量等)の情報に基づき、燃料ガスが予め設定した目標のWIとなるように、供給ガスに混合する希釈用の調整ガスの流量を設定し、流量調整部44を制御する。
なお、本実施の形態では、汎用的なマイクロコンピュータ52を用いてWI調整制御を実行するようにしたが、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用デバイスやプログラマブルロジックデバイス等のハードウェア構成で実現してもよいし、複数種類のハードウェア構成の組み合わせで実現してもよい。
本実施の形態では、例として、混合ガスのWIの設定目標値WIsを、供給ガスのWIの推定変動幅以下であり、都市ガス13AグループのWI範囲を逸脱した50MJ/Nmに設定している(図4(A)参照)。
この設定目標値WIsは、供給ガスのWIの推定変動幅の最小値WIminであってもよいし(WIs←WImin)、最小値WIminに所定のマイナス誤差βを加算した値WImin+βであってよい(WIs←WImin+β、βは負の数)。マイナス誤差βは、供給ガスのWIの変動幅の許容誤差であることに加え、WIの調整制御を希釈の一方向とするために設定されるものである。
以下に、本実施の形態の作用を図7のフローチャートに従い説明する。
図7は、WI調整制御部58で実行されるWI調整(希釈)制御ルーチンを示すフローチャートである。このWI調整制御部58の処理は、汎用性のあるマイクロコンピュータ52のCPU52Aにおいて実行されるWI調整制御プログラムとして処理されることを示す。なお、ASIC等、専用のロジックが組み込まれたデバイスをWI調整制御部58として適用してもよい。
まず、初期設定として、ステップ200では、供給ガスのガス種から、WIの許容される変動幅の最小値WIminを取得し、ステップ202へ移行する。ステップ202では、設定目標値WIsを、ステップ200で取得した最小値WIminとし(WIs←WImin)、ステップ204へ移行する。なお、設定目標値WIsは、最小値WIminに所定のマイナス誤差βを加算した値WImin+βであってよい(WIs←WImin+β)。ステップ204では、WIsを記憶することで、初期設定が終了し、ステップ206へ移行する。
なお、ステップ200~ステップ204の初期設定は必須ではなく、設定目標値WIsが既に記憶された状態で、ステップ206から処理を開始するようにしてもよい。
ステップ206では、供給ガスの供給が開始されたか否か、すなわち、LNGタンク14からLNGが送出されて、気化器20による気化が開始され、供給ガスが生成されたか否かを判断し、肯定判定されるまで待機する。ステップ206で肯定判定されると、ステップ208へ移行して、WI計46により供給ガスのWIを検出する。
なお、WI計46以外の検出器(X/M)を用いた場合は、検出対象(例えば、密度、発熱量等)を検出後に予め記憶された換算テーブルを読み出してWIを得るようにすればよい。
次のステップ210では、予め記憶した設定目標値WIsを読み出し、次いで、ステップ212へ移行して、設定目標値WIsと検出値WIとの差分ΔWIを演算する(ΔWI=WI-WIs)。本実施の形態では、検出値>設定目標値WIsであるため、差分ΔWIは必ず正の数となる。なお、逆に差分ΔWIが負の数である場合は、何らかのエラー(システムエラー、供給ガスのWI許容範囲逸脱等)が考えられるため、警報を発するようにしてもよい。
警報と同時に、差分ΔWI値の度合いにより、システムの稼働を停止するか否かを定めておき、差分ΔWIが極めて小さい負の数であり、システムの稼働を継続する場合は、演算結果である差分ΔWI(負の数)を「0」とするプログラムを組み込んでおけば、システムは継続稼働可能である。
次のステップ214では、ステップ212で演算された差分ΔWIに基づき、希釈用の調整ガスの流量を決定し、次いでステップ216へ移行して、流量調整部44を制御して、希釈用の調整ガス(例えば、空気)の流量を調整する。調整された希釈用の調整ガスは混合器42へ送出される。
これにより、燃料ガスのWI値は、設定目標値WIsに維持されて、燃焼設備12へ送出される。
次のステップ218では、供給が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ208へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ218で肯定判定された場合はこのルーチンは終了する。
以下に、本実施の形態における、WIの変動を抑制するための運転管理制御負担について検証する(図8参照)
供給ガス(今回例示する供給ガスA~供給ガスGの7種類のガス:図3参照)のWIの変動に対して、設定する目標値WIsを50.0(MJ/Nm)に設定する。
希釈用の調整ガスとして、空気を使用して、検出値WIに応じて希釈する。
図8(A)に示される如く、供給ガスA~供給ガスGの各種供給ガスが、設定した目標値WIsの50.0(MJ/Nm)とするために必要な空気の混合割合と、混合後のガス(燃料ガス)の総発熱量と比重を比較すると、空気希釈割合が高いほど混合後のガス(燃料ガス)の総発熱量及び比重はそれぞれ上昇することがわかる。
また、図8(B)に示される如く、例えば、供給ガスFの供給時に、燃料ガス調整弁38の開度を調整してガス流量を設定し、燃焼器30の燃焼量Ipを125kWとなるようにした場合、供給ガスF以外の供給ガスにおいて燃焼量Ip=125kWとなるために必要な燃料ガス(混合ガス)の流量はそれぞれ異なるが、図示のとおり、燃料ガス調整弁38の開度を一定(供給ガスFの供給時に設定した開度)としても、実際に流れる燃料ガス(混合ガス)の流量も、必要な燃料ガス(混合ガス)流量と同様に変化し、ほぼ必要流量の燃料ガス(混合ガス)が流れるため、供給ガスのWIが変動しても、燃焼量Ip=125kWは維持される。
さらに、図8(C)に示される如く、例えば、供給ガスFの供給時に、空気調整弁40の開度を調整して燃焼用空気流量を燃焼空気比λが1.2となるようにした場合、供給ガスF以外の供給ガスにおいて燃焼空気比λが1.2となるために必要な燃焼空気流量は異なるが、送風機から供給される燃焼空気流量が一定(供給ガスFの供給時に設定した流量)状態で運転した場合でも、供給ガスのWIに応じて、予め当該供給ガスに混合されている希釈空気も燃焼に使用されるため、供給ガスのWIが変動した場合でも燃焼空気比λは、設定値(燃焼空気比λ=1.2)とほぼ一定となる。
(WI調整制御が希釈制御である場合の特有の特徴)
図9(A)に示される如く、供給ガスのWIが変動する場合、燃焼に必要な理論空気量Aが変動する。このとき、本実施の形態によるWI調整制御(希釈用ガス(例えば空気)による一方向制御)を実行することで、供給ガスのWIの変動状況によらず、空気比一定の燃焼が継続される。
また、一般に燃焼空気比λは、CO(一炭化酸素)排出量と熱効率を考慮して適正な値に設定される。すなわち、CO(一炭化酸素)排出量が許容範囲内に抑制され(0に近く)、かつ、排ガス損失を最小限に抑制するために充分に低い燃焼空気比λに設定する(図9(B)の点線位置参照)。
ここで、図10(A)に示される如く、通常想定されるWIの変動状況(図4(A)と同一)に対して、想定を超えるWI変動が発生した場合を考える。
まず、比較例として、WI調整制御が、増熱制御のみの場合、想定以上のWIになると、希釈できないため、設定目標値WIs以上の燃料ガスが供給される。このとき、燃料ガスの理論空気量Aは増加するため、燃焼空気比λが低下し、空気不足による不完全燃焼発生(CO上昇)のリスクが高まる可能性を持つ(図9(B)の左向き矢印A参照)。このため、例えば、想定WI変動範囲を拡大するといった制御が必要となる。
これに対して、本実施の形態のように、WI調整制御が希釈制御のみの場合、想定以下のWIになると増熱制御はできないため、設定目標値WIs以下の燃料ガスが供給されることになる(図10(B)の点線○印領域参照)。
このとき、燃料ガスの理論空気量Aは低下するため、燃焼空気比λは上昇することになる(図9(B)の右向き矢印B参照)。しかし、図9(B)に示される如く、CO排出性能が担保(排出COが充分抑制)されている範囲内での燃焼空気比変化となるため、CO上昇のリスクを回避することが可能となる。
すなわち、本実施の形態の希釈用の調整ガスは、WIの目標値へ制御するためのWI低減用であると共に、燃焼設備12の燃焼器30に供給する燃焼用空気の補完用として兼用されるため、別途、不完全燃焼改善対策を施す必要がない。
以上説明したように、本実施の形態では、WIの変動を抑制するための運転管理制御負担を軽減することができる。
また、本実施の形態によれば、混合ガスのWIの設定目標値WIsを、供給ガスのWIの変動幅の最小値WImin、或いは、最小値WIminに所定のマイナス誤差βを加算した値WImin+βとした。このため、許容範囲で変動する供給ガスのWIを設定目標値WIsに制御する場合、全て希釈となり、希釈用ガス(例えば、空気)を混合ガスに混合させる設備があればよい。言い換えれば、増熱用の調整ガスを混合ガスに混合させる設備が不要となるため、混合ガスのWIの変動幅の中間値等でWIを一定に制御する場合に比べて、WI制御用設備を簡素化することができる。
(本実施の形態共通の変形例)
以下に、本実施の形態において適用可能な変形例を示す。
「変形例1(WI計46配置形態)」
変形例1は、WI計46の配置位置が異なる構成である。図11(A)は、本実施の形態での適用例(基本構成)を示している。
この基本構成に対して、図11(B)に示される如く、WI計46を混合器42の上流側に配置してもよい。この場合、混合器42の下流側にもWI計46を残し、混合器42の上流及び下流でWIを検出するようにしてもよい。
また、図11(C)に示される如く、混合器42の下流側の配管28にバイパス管28Aを設け、当該バイパス管28AにWI計46を設けてもよい。
さらに、図11(D)に示される如く、混合器42の上流側の配管22にバイパス管22Aを設け、当該バイパス管22AにWI計46を設けてもよい。この場合、混合器42の下流側にもバイパス管28A及びWI計46を残し、混合器42の上流及び下流でWIを検出するようにしてもよい。
「変形例2(バッファの追加構成)」
変形例2は、配管系にガス(混合ガス及び/又は燃料ガス)の過度な性状変動を緩和吸収するバッファを設けた構成である。図12(A)は、本実施の形態での適用例(バッファ無し構成)を示している。
このバッファ無し構成に対して、図12(B)に示される如く、混合器42の下流側(さらに、WI計46の下流側)にバッファ60を設けてもよい。
また、図12(C)に示される如く、混合器42の上流側の配管22にバッファ62を設けてもよい。
さらに、図12(D)に示される如く、混合器42の下流側の配管28にバッファ60を設けると共に、混合器42の上流側の配管22にバッファ62を設けてもよい。
バッファ60、62はそれぞれ、ガスの過度な性状変動を緩和吸収する緩衝装置として機能する容器等であればよい。
「変形例3(燃料ガス調整装置24及びその周辺機器の設置場所)」
本実施の形態では、燃料ガス調整装置24(及び気化器20の機器)が、サテライト基地10に設置された場合を示している。すなわち、当該サテライト基地10のLNGタンク14に、ローリー16によってLNGを運搬する形態とし、サテライト基地10に設けられた燃焼設備12の燃焼器30(ガス需要家)へ供給する。
これに対して、変形例3では、燃料ガス調整装置24及びその周辺機器を、調整前の原料を貯蔵する搬送元に設置し、当該搬送元で調整後の燃料ガスを、ガス導管を介して、遠隔の燃焼設備12へ供給する形態とした。
図13は、変形例3に係る燃料ガス調整装置24の周辺設備の概略図である。
燃料ガス調整装置24の拠点が、LNGタンカー70が着岸及び離岸する港湾領域72に設置されている。
LNGを積載したLNGタンカー70が、港湾領域72の港72Aに着岸すると、LNGタンカー70の輸送タンク70Tと、港72Aに設置されたLNG貯蔵タンク74との間を着脱可能な配管75(図13では、点線矢印で図示)で接続する。
これにより、輸送タンク70T内のLNGが、貯蔵タンク74へ移送され、貯蔵される。なお、拠点(貯蔵タンク74の設置場所)は、港湾領域72に限定されるものではないが、サテライト基地におけるLNGタンク14(図1参照)とは、貯蔵量や供給するガス需要家先の限定等の条件に差異において一線を画するものである。
貯蔵タンク74と燃料ガス調整装置24との間は、配管18によって接続されている。このため、貯蔵タンク74に貯蔵されたLNGは、配管18を介して燃料ガス調整装置24へ供給される。
燃料ガス調整装置24、気化器20、当該気化器20で気化し供給ガスを燃料ガス調整装置24へ送る配管22、並びに、燃料ガス調整装置24に調整ガス(希釈用ガス)を供給する配管26の構成は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一である。このため、変形例3においては、燃料ガス調整装置24を中心とした、WI調整制御のための各構成の詳細な説明は省略する。
図13に示す変形例3の設備は、前述した本実施の形態(希釈によるWI調整制御)に適用可能である(変形例1及び変形例2においても同様)。
図14は、変形例3において、希釈用の調整ガスを用いたWI調整制御(本実施の形態)を実行する燃料ガス調整装置24の概略図である。
なお、変形例3における燃料ガス調整装置24は、本実施の形態で説明した燃料ガス調整装置24と同一構成であり、異なる構成は、燃料ガス調整装置24からWIが調整された後の燃料ガスを排出口に、ガス導管76が接続されている点である。
変形例3では、サテライト基地が存在しない燃焼設備12(図13参照)に燃料ガスを供給する形態である。言い換えれば、LNGは、貯蔵タンク74から排出された直後に港湾領域72において気化され、ガス導管76を介して、目的の燃焼設備12に供給される。
図15は、変形例3において、本実施の形態に準ずる、希釈によるWI調整制御を実行するときのフローチャートである。なお、図7(本実施の形態)と同一処理については、同一のステップ番号を付す。
まず、初期設定として、ステップ200Aでは、原料であるLNGのガス種から、WIの許容される推定変動幅の最小値WIminを取得し、ステップ202へ移行する。ステップ202では、設定目標値WIsを、ステップ200Aで取得した最小値WIminとし(WIs←WImin)、ステップ204へ移行する。なお、設定目標値WIsは、最小値WIminに所定のマイナス誤差βを加算した値WImin+βであってよい(WIs←WImin+β)。ステップ204では、WIsを記憶することで、初期設定が終了し、ステップ206へ移行する。
なお、ステップ200A~ステップ204の初期設定は必須ではなく、設定目標値WIsが既に記憶された状態で、ステップ206から処理を開始するようにしてもよい。
ステップ206では、供給ガスの供給が開始されたか否か、すなわち、LNGタンク14からLNGが送出されて、気化器20による気化が開始され、供給ガスが生成されたか否かを判断し、肯定判定されるまで待機する。ステップ206で肯定判定されると、ステップ208へ移行して、WI計46により供給ガスのWIを検出する。
なお、WI計以外の検出器(X/M)を用いた場合は、検出対象(例えば、密度、発熱量等)を検出後に予め記憶された換算テーブルを読み出してWIを得るようにすればよい。
次のステップ210では、予め記憶した設定目標値WIsを読み出し、次いで、ステップ212へ移行して、設定目標値WIsと検出値WIとの差分ΔWIを演算する(ΔWI=WI-WIs)。変形例3では、検出値>設定目標値WIsであるため、差分ΔWIは必ず正の数となる。なお、逆に差分ΔWIが負の数である場合は、何らかのエラー(システムエラー、供給ガスのWI許容範囲逸脱等)が考えられるため、警報を発するようにしてもよい。
また、警報と同時に、差分ΔWI値の度合いにより、システムの稼働を停止するか否かを定めておき、差分ΔWIが極めて小さい負の数であり、システムの稼働を継続する場合は、演算結果である差分ΔWI(負の数)を「0」とするプログラムを組み込んでおけば、システムは継続稼働可能である。
次のステップ214では、ステップ210で演算された差分ΔWIに基づき、希釈用の調整ガスの流量を決定し、次いでステップ216へ移行して、流量調整部44を制御して、希釈用の調整ガス(例えば、空気)の流量を調整する。調整された希釈用の調整ガスは混合器42へ送出される。
これにより、燃料ガスのWI値は、設定目標値WIsに維持されて、燃焼設備12へ送出される。
次のステップ218では、供給が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ208へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ218で肯定判定された場合はこのルーチンは終了する。
なお、上記で説明した全ての形態(本実施の形態、及び変形例1~変形例3)において、ガス(気体)の管路の途中に、意図的に臭いを付ける付臭器を取り付け、例えば、ガス漏れ等を無臭ガスよりも迅速に検知することが好ましい。
10 サテライト基地
12 燃焼設備
14 LNGタンク
16 ローリー
18 配管
20 気化器
22 配管
24 燃料ガス調整装置
26 配管(混合手段)
28 配管
30 燃焼器
32 燃料ガス分岐管
34 配管(燃焼用空気供給手段)
36 空気分岐管(燃焼用空気供給手段)
38 燃料ガス調整弁
40 空気調整弁(燃焼用空気供給手段)
42 混合器(混合手段)
42A 主流入口
42B 副流入口
42C 流出口
44 流量調整部(流量制御手段)
46 WI計(取得手段)
50 コントローラ(流量制御手段)
52 マイクロコンピュータ
52A CPU
52B RAM
52C ROM
52D I/O(入出力部)
52E バス
54 ユーザインターフェイス(UI)
54A 操作部(設定手段)
54B 表示部
56 HDD(ハードディスクドライブ)
58 WI調整制御部(流量制御手段)
60 バッファ
62 バッファ
70 LNGタンカー
70T 輸送タンク
72 港湾領域
72A 港
74 貯蔵タンク
76 ガス導管

Claims (7)

  1. 燃焼器に特定の燃焼性指標の燃料ガスが供給されることを想定して、前記燃焼器毎に予め設定された空気比に基づく流量の燃焼用空気を、前記燃焼器へ供給する燃焼用空気供給手段と、
    前記燃焼用空気供給手段で燃焼用空気と混合される前であり、かつ前記燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標が、前記特定の燃焼性指標よりも高い場合に、燃焼性指標の差分に相当する低減用であり、かつ前記燃焼用空気の補完用である希釈用の調整ガスを、前記燃焼器へ供給する前の燃料ガスに混合する混合手段と、を有し、
    前記混合手段が、
    前記燃料ガスの燃焼性指標の目標値を、燃料ガスの燃焼性指標の推定変動幅の最小値又は当該最小値から所定値を減算した値までの範囲内に設定する設定手段と、
    前記燃焼器に供給する前の燃料ガスの燃焼性指標を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得した燃焼性指標が、前記設定手段で設定された目標値となるように、前記燃料ガスに混合する希釈用の調整ガスの流量を制御する流量制御手段と、
    を備えることを特徴とするガス調整装置。
  2. 前記燃料ガスの燃焼性指標は、燃料ガスの原料である液体燃料の成分組成変動、燃料ガスの原料である液体燃料を気化処理する時の気化器の稼働状況、又は燃料ガスを気化処理するときの処理負荷の変動に伴う燃料ガスの成分組成変動から推定される変動幅で変動することを特徴とする請求項1記載のガス調整装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載のガス調整装置が、
    供給手段によってサテライト設備に供給されて貯留された流体状の原料を気化させた後の燃料ガスを燃焼器へ供給するサテライトガス配管の途中に設けられていることを特徴とするガス調整装置。
  4. 前記供給手段が、タンクローリーを含む運搬手段、又は、供給元からサテライト設備まで原料を導管によって移送する移送手段であることを特徴とする請求項3記載のガス調整装置。
  5. 請求項1又は請求項2記載のガス調整装置が、
    貯蔵タンクに貯蔵された流体状の原料を気化させた後の燃料ガスを燃焼器へ供給するガス供給導管の途中に設けられていることを特徴とするガス調整装置。
  6. 請求項1~請求項5の何れか1項に記載のガス調整装置と、
    液体燃料を気化処理することで、燃焼性指標の調整前である燃料ガスを生成し、前記ガス調整装置へ供給する気化処理装置と、
    前記ガス調整装置により供給された前記燃料ガスを燃焼する燃焼器を備えた燃焼設備と、
    を有するガス供給システム。
  7. コンピュータを、
    請求項1~請求項5の何れか1項に記載のガス調整装置における制御部として機能させるためのガス調整プログラム。
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