以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1~図10はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の畦防水壁10は、図1~図3、図10に示すように、平坦なほ場12と、ほ場12よりも低い位置にある平坦なほ場14の間に形成された畦16の地中に設けられたもので、漏水防止材料11が投入されて構築されている。なお、ほ場12,14は、例えば水田であり、稲の栽培時期には灌漑水18が貯められている。ほ場12,14は、表面の耕土20の下にすき床22があり、その下に心土24がある。すき床22は、トラクターや耕転機の重さで押し固められた部分であり、心土24側への水の浸透を抑制する役割を有している。
畦防水壁10は、畦16を挟んで高い方のほ場12側の法面もしくは畦16の中央部に沿って設けられ、垂直方向の下端部は、すき床22を貫通して、心土24に達している。畦防水壁10は、例えばほ場12の表面より約20cm上がった畦16の法面に、深さ80~100cmで、心土24中の30cm程度の深さに形成されている。畦防水壁10は、畦16の長手方向に沿って長く連続して設けられている。畦16の長手方向に交差する幅は狭くてもよく、例えば5~10cm程度の幅である。漏水防止材料11の上端部は耕土20の表面よりわずかに下に位置し、耕土20aで薄く覆われている。
漏水防止材料11はベントナイト13である。ベントナイト13は、海底・湖底に堆積した火山灰や溶岩が変質することで出来上がった粘土鉱物の一種である。成分構成としてはモンモリナイトという鉱物を主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含んでいる。膨潤性、増粘性、吸水性等を有しており、吸水によって膨潤し高い遮水性を持つ。ベントナイトは完全無機鉱物であり腐敗することが無い。ベントナイト13は、耕土20に含まれる水分を吸収し膨潤してクリーム状態となり、高い不透水性を有するものとなる。従って、もぐら等により畦防水壁10に穴や亀裂ができても、クリーム状の漏水防止材料11が流動して自然に穴や亀裂を塞ぐ。これにより、図1に示すように、高いほ場12から低いほ場14への、耕土20中の灌漑水18や雨水の流れを止めることができる。
次に、畦防水壁10の施工装置27について説明する。畦16に畦防水壁10の溝26を掘削する時は、ブレーカ仕様のバックホウ28を使用し、バックホウ28の油圧式打ち込み装置であるブレーカアタッチメント30に、図4に示す掘削プレート32を吊り下げる。吊り下げ部材は、後述するチェーン84やワイヤ等である。バックホウ28は、例えば0.45m3級バックホウである。バックホウ28のブレーカアタッチメント30には、チェーン84で吊り下げた掘削プレート32をガイドして、正確な位置をブレーカアタッチメント30の打ち込み用のロッド52が打つように保持するガイド部材70が固定されている。
ここで、掘削プレート32について図4に基づいて説明する。掘削プレート32は、一定の厚みを有する金属製の板本体34と、板本体34の正面34aと背面34fに取り付けられた耕土付着防止板である樹脂板36と、板本体34の上面34bに取り付けられたプレートカバー38を、組み立てて設けている。
先ず、板本体34について図5に基づいて説明する。板本体34は、例えば鉄製であり、一定の厚みを有する矩形の板体であり、大きさは、例えば長さ1.65m、巾0.75m、厚さ12mmである。板本体34は、長手方向が垂直となるように保持して使用される。なお、板本体34の長手方向と巾方向を含む広い面積の正面34aは、通常は図2に示すようにバックホウ28のブームとアームが連結されブレーカアタッチメント30が揺動する回転軸の挿通方向に対して平行となる。
板本体34の厚さは上述のように12mmであるが、上端部に位置する上面34bから15cmの一定幅の部分は、56mmの均一な厚みを有する肉厚の保持部40となっている。保持部40は、板本体34のその他の厚み12mmの部分から、22mmの厚みを増す段部を正面34aと背面34fに形成して設けられ、図5において紙面の右に位置する右側面34dと、左に位置する左側面34eに達する矩形となる。
板本体34の上面34bとは反対側の下端34cには、下端34cから15cmの一定幅の部分は25mmの厚みを有する肉厚の打ち込み部42となる。打ち込み部42は、25mmの厚みに形成され、板本体34の正面34aと背面34fに段部を形成して設けられ、右側面34dと左側面34eに達する矩形となる。打ち込み部42は、下端34c側の例えば5cm程度の部分が、下端34cに近づくほど薄くなるテーパ面に形成され、下端34cが鋭利に尖っている。
保持部40と打ち込み部42の間には、上下方向に沿ってリブ44が設けられている。リブ44は4本設けられ、右側面34dと左側面34eに沿って1本ずつ設けられ、その間に2本設けられている。4本のリブ44は、正面34a又は背面34fからの突出量は、打ち込み部42側が小さく保持部40側が大きくなように傾斜している。例えば、打ち込み部42側の突出量は5.75mmであり、保持部40側の突出量は22mmである。
板本体34の、保持部40と打ち込み部42、リブ44以外の部分には、図8に示すように、樹脂板36を取り付ける雌ネジ孔部46が複数個設けられ、雌ネジ孔部46は雌ネジが切られて、正面34aと背面34fを貫通している。
保持部40の上面34bには、ブレーカアタッチメント30に吊り下げるためのチェーン84を取り付ける取付突起48が設けられ、右側面34dまたは左側面34eに連接する端部に位置している。取付突起48は、板本体34の厚みと同じ12mmの厚みの小さい板体であり、正面34aを見た時に半円形状に上方に突出する形状であり、中央にチェーン84を連結する連結具が挿通される穴が貫通して設けられている。また、保持部40の、上面34bから少し下方に離れた位置には、プレートカバー38を取り付けるボルトが差し込まれる挿通孔50が2個設けられている。一対の挿通孔50は、右側面34d又は左側面34eから等間隔の位置に設けられ、上下方向に長い長丸に形成されている。
板本体34の上面34bには、ブレーカアタッチメント30の打ち込み用のロッド52が衝突するプレートカバー38が設けられている。ここで、プレートカバー38について、図6に基づいて説明する。プレートカバー38は、板本体34の上面34bの長手方向の中心付近を上方からコの字形に挟持する形状であり、板本体34の上面34bに重ねられ一方向に長い矩形である天面部38aと、天面部38aの側縁部に連続し天面部38aに対して略直角に下方に延出する一対の側面部38bとで形成されている。
プレートカバー38には、補強用のリブ54が各所に設けられている。例えば、一対の側面部38bの下端部には、側面部38bに対して略直角に外側に突出するリブ54aが設けられている。リブ54aは、天面部38aを見た時に、側面部38bの下端部に沿う長さの中間部分の突出量が大きくなるような三角形状となっている。天面部38aには、天面部38aの端部近傍に、天面部38aに対して略直角に上方に突出するリブ54bが各々設けられている。リブ54bは、天面部38aの長手方向に沿う中心線に沿って設けられた板体状であり、側面部38bを見た時に台形状となっている。天面部38aには、リブ54bに略直角に交差して連続するリブ54cが設けられている。リブ54cは、天面部38aと側面部38bに連続し、下端部はリブ54aに達し上端部はリブ54bに連続している。なお、リブ54bの両側に、同形状のリブ54cが対向して設けられている。
天面部38aには、一対のリブ54bの間の中央部分に、当接板56が設けられている。当接板56は、天面部38aと同じ幅であり天面部38aとほぼ同じ厚さを有する矩形の板体である。当接板56と天面部38aには、6個のネジ穴が同じ位置に貫通して設けられ、スタッドボルト58が螺合され、さらにスタットボルト58が当接板56に溶接され、当接板56を天面部38aに固定している。当接板56は、例えば安価で強靭なボロン鋼で作られている。なお、プレートカバー38は、例えば高張力鋼であるヒルティン鋼等で作られている。スタッドボルトで固定する方法以外に、高強度溶接にて、剛溶接してもよく、鋳物で一体に鋳造しても良い。これにより、プレートカバー38の長寿命化が図られる。一対の側面部38bには、長手方向の両端部に近い位置に、挿通孔60が設けられている。挿通孔60は、プレートカバー38を板本体34に取り付けた時に、板本体34の挿通孔50に一致して連通するものであり、挿通孔50は、上下方向に長い長丸であり、長径は挿通孔50の長径よりも長く形成されている。
なお、プレートカバー38を板本体34に取り付けるときは、板本体34の上面34bに、天面部38aをのせる。この時、プレートカバー38の天面部38aと、板本体34の上面34bの間に、一定の厚みの衝撃吸収部材62を挟む。衝撃吸収部材62は、例えば耐久性が高く靱性、緩衝性を有するステンレス板等の金属が好ましく、耐衝撃性があればウレタン等の樹脂でも良い。厚みは例えば2~3cmの板体である。挿通孔60は、衝撃吸収部材62を挟んでプレートカバー38を板本体34に取り付けた時に挿通孔50に一致する。衝撃吸収部材62は、ここでは、プレートカバー38の天面部38aに接着剤等で固定しているが、板本体34の上面34bに固定しても良い。
板本体34の正面34aと背面34fには、樹脂板36が取り付けられている。ここで、樹脂板36について図7に基づいて説明する。樹脂板36は、耕土が付着しにくい材料又は表面性状であれば良く、例えばポリアセタールのPOM(例えばポリプラスチックス社製、商品名ジェラコン)等で作られ、厚みは例えば6mmである。樹脂板36は、板本体34の正面34a又は背面34fの、一対のリブ44と、保持部40と打ち込み部42で囲まれた上下に長い矩形の区画に嵌合される形状にカットされている。なお、この上下に長い径の区画は3個あり、樹脂板36は正面34aと背面34fに各3個ずつ取り付けられている。左右に位置する2個は互いに左右方向の幅が等しく、中央に位置する1個はそれよりも左右方向の幅が少し長い。
各樹脂板36には、正面34aと背面34fを貫通して設けられた雌ネジ孔部46と一致する複数個のテーパ孔部64が形成されている。樹脂板36は、図8に示すように、雄ネジ皿ボルト66と、以下に述べるように特殊構造の雌ネジ付特殊皿ボルト68で、板本体34に取り付けている。雄ネジ皿ボルト66は、雄ネジが形成され、雌ネジ付特殊皿ボルト68には、ボルトの雄ネジと同心状に円筒部がボルト先端から形成され、この円筒部の内周面には雄ネジ皿ボルト66の雄ネジが螺合する雌ねじが、同軸に形成されている。各テーパ孔部64は、雄ネジ皿ボルト66と雌ネジ付特殊皿ボルト68の頭部に一致するテーパ面を有して孔が形成されている。
この実施形態では、板本体34の正面34aと背面34fに各々樹脂板36を取り付けた状態では、掘削プレート32の厚みは24mmとなる。これは、打ち込み部42側ではリブ44とほぼ面一となり、保持部40側ではリブ44よりも低い。
次に、バックホウ28のブレーカアタッチメント30にチェーン84で吊り下げられた掘削プレート32をガイドするガイド部材70について、図9に基づいて説明する。ガイド部材70は、ブレーカアタッチメント30の下端部分を下方からコの字形に包む形状であり、ブレーカアタッチメント30の下端面に重ねられる矩形の底面部70aと、底面部70aの側縁部に連続し底面部70aに対して略直角に上方に延出する一対の側縁部70bとで形成されている。ガイド部材70をブレーカアタッチメント30に取り付ける方向は、一対の側縁部70bがバックホウ28のブームとアームが連結される回転軸の挿通方向に対して平行となる向きにする。側縁部70bは、底面部70aに連接する方向の幅が底面部70aより少し長く、底面部70aの両側に少し張り出している。
底面部70aには、下方に突出する一対のガイド面部72が設けられている。ガイド面部72は、側縁部70bに対して平行な板体であり、プレートカバー38を上方から僅かなゆとりを有して挟持するように一対設けられ、一対のガイド面部72の間隔は、プレートカバー38の一対の側面部38bよりわずかに外側に位置する長さである。ガイド面部72の基端部は底面部70aと同じ長さであり、先端に近づくにつれて小さくなる台形状である。ガイド面部72の、底面部70aから先端までの長さは、側縁部70bの底面部70aから、反対側の先端までの長さよりも少し短い。一対のガイド面部72の間には、ガイド面部72の基端部と先端との間の中間程度の位置に、一対のガイド面部72を補強する横面部74が設けられている。横面部74は、基端部は底面部70aに連続し、先端はガイド面部72の突出長さの半分程度の位置に達している。一対のガイド面部72と一対の横面部74は、互いに連続して四角錐の筒状となる。横面部74の、底面部70aと反対側の先端縁は円弧状にくぼんだ形状であり、底面部70aから見た時に、図9(c)に示すように、一対の横面部74の先端縁が互いに連続して円形の空隙となる。この空隙は、バックホウ28のブレーカアタッチメント30のロッド52が挿通して外側に突出する。
ガイド部材70には、補強用のリブ76が設けられている。リブ76は、側縁部70bと底面部70a、ガイド面部72に連続して設けられ、側縁部70bと底面部70a、ガイド面部72に対して直角に外側に突出する板体である。リブ76は、側縁部70bの上方の端部と、ガイド面部72の先端との間の中間部分が外側に突出するような三角形状となっている。リブ76は左右、つまり両方の側縁部70bに各々3個設けられ、3個は互いに所定間隔を開けて平行に設けられている。
側縁部70bには、リブ76の位置よりも外側で角部に近い位置に、4個の挿通孔78が形成されている。挿通孔78は、バックホウ28のブレーカアタッチメント30に取り付けた時に、ボルト80を一対の側縁部70bの対向する位置の挿通孔78に挿通して外側からナット82を締めて、ブレーカアタッチメント30を挟持して固定するものである。
次に、畦防水壁10の施工方法について、図2、図3に基づいて全体的な流れを説明する。畦防水壁10の施工には、畦16のほ場12側の法面に、掘削プレート32を垂直に、バックホウ28のブレーカアタッチメント30で打ち込む。その後、掘削プレート32を引き上げながら、掘削プレート32をプレート面と直交する方向にバックホウ28のアームを揺動させて溝26を広げるように形成し、この溝26の中に漏水防止材料11を投入する。漏水防止材料11は顆粒状のベントナイト13であり、耕土20の水分を吸収し膨潤し、クリーム状態となって不透水性が高くなる。漏水防止材料11は、粉末状のベントナイト13でも良いが、軽くて舞い上がり易いため、顆粒状のものが好ましい。そして、投入した漏水防止材料11の表面に耕土20aをかけ、畦16の表面の耕土20と連続するように整える。工期は、例えば施工長が150mで1~2日であり、極めて短い。
この実施形態の畦防水壁10の施工装置27の使用方法について、以下に詳しく説明する。先ず、バックホウ28のブレーカアタッチメント30に、ガイド部材70を固定する。固定する方法は、ブレーカアタッチメント30の下端面に底面部70aを重ね、バックホウ28のブームとアームが連結されブレーカアタッチメント30が揺動する回転軸の挿通方向に対して平行となる側面に側縁部70bを重ねてコの字形に覆い、前述のように、一対の側縁部70bの、互いに対向する挿通孔78に一本のボルト80を挿通して外側からナット82を締め、ブレーカアタッチメント30を挟持して固定する。ボルト80は計4本使用する。
この後、掘削プレート32を組み立てる。先ず、板本体34の上面34bに、衝撃吸収部材62を介してプレートカバー38をコの字形で覆うように載せ、板本体34の挿通孔50と、プレートカバー38の挿通孔60を一致させ、図示しないボルト等で固定する。挿通孔50と挿通孔60は、上下方向に長い長丸であり、上下方向の振動を受けた時に互いにずれることができ、ボルトにせん断力がかからない。また、この前後に板本体34の正面34aと背面34fに、樹脂板36を重ね、樹脂板36のテーパ孔部64と板本体34の雌ネジ孔部46を一致させ、背面34f側から雌ネジ付特殊皿ボルト68を挿入し、正面34a側から雄ネジ皿ボルト66を挿入し、板本体34と表裏2枚の樹脂板36を一体に連結する。なお、背面34f側から雄ネジ皿ボルト66を挿入し、正面34a側から雌ネジ付特殊皿ボルト68を挿入しても良い。
これで掘削プレート32の組み立てが完了する。この状態で、ガイド部材70の、一対の横面部74の先端縁で形成される円形の空隙から、ブレーカアタッチメント30のロッド52が外側に突出している。
次に、ガイド部材70を取り付けたブレーカアタッチメント30に、組み立てた掘削プレート32を、チェーン84で吊り下げる。なお、チェーン84は例えば2t荷重用を使用し、チェーン84のブレーカアタッチメント30又は掘削プレート32への取り付けは、超強力シャックルを使用する。チェーン84以外にロープやワイヤ等でも良い。チェーン84の長さは、ガイド部材70の一対のガイド面部72の間に、掘削プレート32のプレートカバー38の天面部38aと、天面部38aに連続する側面部38bの一部が上方向のゆとりを有して収容されるように調節する。
そして、掘削プレート32を吊り下げたバックホウ28を運転して、図2に示すように、ほ場12の畦16に近い位置を、畦16の長手方向に対して平行に移動し、畦防水壁10を設ける所望の位置で停止させ、ブレーカアタッチメント30を降下し、掘削プレート32の板本体34の下端34cの打ち込み部42が畦16の長手方向に対して平行となるようにして、耕土20表面に下ろす。板本体34の下端34cが耕土20に下りると、チェーン84はたるみ、張力は解除されるが、ガイド部材70のガイド面部72が掘削プレート32を両側から保持するため倒れることが無い。そしてブレーカアタッチメント30を作動させてロッド52を打ち込み、ロッド52がガイド部材70の一対のガイド面部72と一対の横面部74で囲まれた空間を摺動して掘削プレート32のプレートカバー38の当接板56を打ち付け、その打撃エネルギーで掘削プレート32を耕土20に垂直方向に打ち込む。掘削プレート32は、ガイド部材70に保持されているため正確に位置決めされ、硬い当接板56を打たれるため、耐久性がある。チェーン84はたるんでいるため、ブレーカアタッチメント30で掘削プレート32を打ち込む際に無理な衝撃や緊張はかからない。
掘削プレート32を所定の深さに打ち込んだ後、バックホウ28を操作して掘削プレート32を引き上げる。掘削プレート32の、板本体34の正面34aと背面34fには樹脂板36が固定されているため、耕土20が付着せず、容易にきれいに抜ける。掘削プレート32を引き上げる際に、プレート表面と直交する方向である前後方向、及び平行な方向である左右方向にバックホウ28のアームを操作して、掘削プレート32をブレーカアタッチメント30で揺動させるとともに、漏水防止材料11を投入する。掘削プレート32は、ガイド部材70に保持されているため、掘削プレート32が揺動して溝26の内壁に押し付けられ、溝26の内壁面を固めることができ、崩れにくくなる。さらに溝26の幅を少し広げることもできる。掘削プレート32の樹脂板36には耕土20が付着しないため、溝26の内壁の耕土20が掘削プレート32に付いて剥がれることがなく、きれいに整えた状態となる。溝26の底部は、打ち込みの衝撃で固められる。
ここで、畦16に形成した溝26に、漏水防止材料11を投入する際には、別のバックホウ29のアーム先端に、漏水防止材料11が収容された投入器86を吊り下げ、漏水防止材料11を投入する。投入器86は円筒状で、底部が漏斗状に形成され、側面の四方には自立可能にする脚部87が固定されている。投入器86の底部には、漏水防止材料11を少量ずつ落とす取出口88が形成され、取出口88には、ワンタッチで着脱可能でありフレキシブルな投入ホース90が接続され、取出口88又はその近傍の投入ホース90に、開閉バルブ91が設けられている。投入器86の容量は、例えば500kg用であり漏水防止材料11の一回の充填量は約700リットルである。投入器86の上面部の投入口には、図示しない篩いが設けられ、顆粒状のベントナイト13から成る漏水防止材料11の固まりを除去し、後述する投入ホース90等の詰まりを防いでいる。
ベントナイト13は、水分を吸収すると塊になるので、投入器86の取出口88で詰まり投入困難となるため、投入器86上部に固形物除去網を設け、固着した大きな塊のベントナイト13の混入を防止すると良い。さらに、ベントナイト13は、顆粒状のものを使用すると、流動性が良く、固着しにくい。
漏水防止材料11の投入は、掘削プレート32を引き上げながら、掘削プレート32をプレート面と直交する方向にバックホウ28のアームを揺動させて、溝26を広げるように形成し、広げた溝26の中に漏水防止材料11を投入する。漏水防止材料11の投入時には、溝26内に漏水防止材料11が確実に充填されるように、棒状の部材で突き込む。掘削プレート32を完全に溝26から引き上げると、溝26内には、漏水防止材料11が充填されて、防水壁が形成される。
掘削プレート32により1つの溝26に畦防水壁10を形成した後、バックホウ28を操作して溝26に隣接する位置に再度掘削プレート32を打ち込んで、新たに溝26を形成し、漏水防止材料11を投入する。これを繰り返して溝26を連続させ、畦16に沿って長く畦防水壁10を形成する。畦防水壁10は、バックホウ28を畦16に沿って走行させて、長い任意の距離で溝26により畦防水壁10を形成することができる。
なお、畦防水壁10をもぐらが破壊することを防ぐため、漏水防止材料11にモグラ忌避剤を混入しても良い。モグラ忌避剤の混合率は、例えば遮水面積1m2に対し、約4gである。バックホウ29を操作して投入器86を溝26の上方に位置し、溝26に漏水防止材料11を落下させて投入する。この時、投入器86に接続された投入ホース90を作業者が溝26にめがけて保持して、漏水防止材料11を投入する。また、バックホウ29を畦16に沿ってゆっくりと走行させ、溝26の長手方向に沿って連続して漏水防止材料11を投入することもできる。
漏水防止材料11の溝26への投入が終了した後、漏水防止材料11の上端部に、耕土20をかけて畦16の表面の耕土20と連続するように修復する。修復には他のバックホウを使用すると良い。ブレーカアタッチメント30で掘削プレート32を打つバックホウ28と、漏水防止材料11を投入するバックホウ29が別なので、漏水防止材料11を投入しながら、バックホウ28で耕土20をかけて畦16を修復する作業を行うと作業効率が良い。
なお、畦16に対して交差する方向に畦防水壁10を形成する際は、図10、図11に示すように、ガイド部材70を外し、掘削プレート32をチェーン84で吊り下げて行う。ガイド部材70に掘削プレート32が保持されている時は、掘削プレート32の面方向は畦16に沿って平行に位置決めされるが、ガイド部材70を外すことで、掘削プレート32とブレーカアタッチメント30の間にはチェーン84のみとなり、チェーン84の取り付け位置をブレーカアタッチメント30の正面側と背面側に付け替えて、掘削プレート32の面方向を変更することができる。これにより、例えば、ほ場12のコーナー部で、畦16と直角に交差する他の畦16に沿って、溝26に交差する溝26aを連続して形成することができる。また、ガイド部材70を外すことで、耕土20に対して斜め方向に打ち込むことができる。
その他、例えば上空架線等が支障となる等垂直からの打ち込み作業ができない場合に、掘削プレート32を傾けて耕土20に下ろし、バックホウ28は障害物を避けながら斜め方向から打ち込み、溝26を形成することができる。このときは、図11に示すようなプレートカバー92を用いる。プレートカバー92は、プレートカバー38と同様の構成であり、同様の部分は同じ番号付して説明を省略するが、プレートカバー92は、ガイド部材70を用いないので、ロッド受け部94が形成されている。ロッド受け部94は、ロッド52をガイドするテーパ面状の凹部94aを有し、ロッド52の先端が確実にロッド受け部94の底面94bに当接するように形成されている。
ガイド部材70を用いない場合、ロッド52で正確に掘削プレート32の同じ場所を叩くことが難しく、掘削プレート32をブレーカアタッチメント30により揺らして溝26の幅を広げる際の操作性は低下するが、プレートカバー92により、短距離であればガイド部材70が無くても支障なく溝26を形成することができる。
この実施形態の畦防水壁の施工装置27と畦防水壁10の施工方法によれば、畦16の形状を維持したまま、任意の大きさの畦防水壁10を形成することができ、簡単で確実に、ほ場12に隣接する低いほ場14への水漏れを防ぐものである。さらに、耕土20中の灌漑水18や雨水の漏れを効果的にせき止め、ほ場12の灌漑水18を保持することができ、水の流れによる畦16の崩壊も防ぐ。また、ほ場12の保水能力を向上させ、水田管理の省力化及び収穫量を維持することができる。溝26の掘削工程では、柔らかい耕土20で形成された畦16に、任意の深さで均一な幅の溝26を簡単に掘削することができ、掘削する際に畦16自体の変形がなく、大規模な補修作業が不要である。固い地盤や転石等の悪条件下においても溝26を容易に形成することができ、漏水防止材料11の投入工程も容易である。また畦防水壁10の施工期間が短くて安価であり、軽敏な工事である。そして継続的で確実な漏水防止効果を有するものである。漏水防止材料11に使用するベントナイト13は、安価で無害、自然劣化が無く、高い遮水効果を有し、環境に与える影響も小さい。稲作に与える影響がなく、安全である。
掘削プレート32は、板本体34にプレートカバー38が取り付けられ、プレートカバー38の、ボロン鋼で作られた強度が高い当接板56が、ブレーカアタッチメント30のロッド52の打撃を受けるため耐久性が高い。これにより、掘削プレート32は、板本体34が薄く樹脂板36を両面に取り付けたものでありながら長寿命化を図ることができる。プレートカバー38と板本体34は、ボルトで固定されているが、プレートカバー38のボルト用の挿通孔60と、板本体34の挿通孔50は、上下方向に長い長丸で形成されているため、プレートカバー38と板本体34は、取付状態で互いの位置が相対的に移動可能に形成され、ロッド52による打撃を受けてもボルトにせん断力が加えられることが無く、取付用のボルトの破損を防止することができる。さらに、板本体34とプレートカバー38の間には、衝撃吸収部材62が設けられ、打撃音の吸収と、板本体34とプレートカバー38との間の衝撃の吸収を図ることができ、板本体34とプレートカバー38の破損も防止する。
板本体34には樹脂板36が取り付けられ、耕土20が付着しないため、溝26から掘削プレート32を引き上げる時や、掘削プレート32を揺らして溝26の内壁に押し付ける際の操作性が良好である。樹脂板36は、板本体34の両面に取り付けられ、両面とも耕土20が付着することがない。板本体34は、両面にリブ44が設けられて補強され、強度が高く、リブ44以外の部分を薄くしても十分な強度が得られ、軽量化することができ、漏水防止材料11の投入量の削減も図ることができる。リブ44による段差に耕土20が付着しやすくなるが、板本体34に樹脂板36を取り付けることで段差を小さくすることができる。樹脂板36は、一対の雄ネジ皿ボルト66と雌ネジ付特殊皿ボルト68で板本体34に確実に取り付けられ、樹脂板36の表面に凹凸がなく、この点からも耕土20がつかず、また他部材に引っ掛かることが無く、安全である。
ブレーカアタッチメント30にはガイド部材70が取り付けられ、掘削プレート32をコの字形に覆い、ロッド52が正確に当接板56の中心部に当たるように位置決めされる。またガイド部材70により、ブレーカアタッチメント30を揺らして、掘削プレート32を溝26の内壁に押し付ける時の操作性が良い。ガイド部材70を外すと、掘削プレート32はブレーカアタッチメント30にチェーン84で吊り下げられただけとなり、作業者により簡単に掘削プレート32の向きを容易に変えることができ、バックホウ28の方向転換をすることなく溝26の方向を変えることができ、自由度が高い。その他、投入器86を用い、その取出口88に開閉バルブ91が設けられているので、投入量を容易に調節することができる。
次に、この発明の第二実施形態について図12~図17に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の畦防水壁10の施工装置27は、バックホウ28のブレーカアタッチメント30に、取付部材であるブラケット96を介してガイド部材98を取り付けるものであり、ブラケット96に取り付ける際にガイド部材98の取付方向を90°回転させて選択可能なものである。これにより、畦16に対して交差する方向に畦防水壁10を形成する際も、ガイド部材98で掘削プレート32をコの字形に覆って作業することができ、ロッド52が正確に当接板56の中心部に当たるように位置決めすることができる。
先ず、ブラケット96について説明する。ブラケット96はブレーカアタッチメント30の先端面30aに重ねて取り付ける矩形の板体であり、ブレーカアタッチメント30が揺動する回転軸の挿通方向に対して交差して取り付けられる一対の互いに平行な辺96aと、ブレーカアタッチメント30の回転軸の挿通方向に沿う一対の互いに平行な辺96bで囲まれている。辺96aと辺96bは、互いにほぼ同じ長さである。各辺の近傍には、各々2つのブラケット透孔100が表裏に貫通して設けられている。4つの辺ごとに、この一対のブラケット透孔100が設けられ、一対のブラケット透孔100の間隔は、4組とも互いに等しく、そして、各辺の中心を挟んで同じ位置に設けられている。そして、ブラケット96は、ブレーカアタッチメント30の先端面30aより大きく形成され、先端面30aに重ねられて取り付けられている。ブラケット96の側面は、ブレーカアタッチメント30の先端面30aの突出方向に交差し、ブラケット96の各辺に設けられたブラケット透孔100は、先端面30aの外側に位置している。
ブラケット96の、ブレーカアタッチメント30側の面には、ブレーカアタッチメント30の先端面30aの左右の端部に当接する一対の支持台97と、一対の支持台97の間に設けられブレーカアタッチメント30に係止される係止部材99が一体に設けられている。係止部材99は、ガイド部材98の面方向に対して略直角に延出する板部99aが設けられ、板部99aの面方向は、ブラケット96の長辺96bに対して平行である。板部99aの先端部には、円筒形状の筒部99bが一体に設けられている。筒部99bの軸方向は、板部99aの面方向に対して平行であり、つまりブラケット96の辺96bに対して平行である。板部99aの中央には、面方向から突出する補強用のリブ99cが設けられ、リブ99cは、ブラケット96から係止部材99の筒部99bに達している。
ブレーカアタッチメント30は、中空であり、内側空間の、先端面30aよりも少し後退した位置には、複数本のボルトである軸部材31が設けられている。軸部材31は、ブレーカアタッチメント30が揺動する回転軸の挿通方向と平行に設けられている。ブラケット96をブレーカアタッチメント30に取り付ける時は、所定位置の軸部材31を筒部99bの内側空間に挿通し、図示しないナットにより固定する。筒部99bの内側空間に軸部材31を挿通した状態で、ブラケット96の支持台97は、ブレーカアタッチメント30の先端面30aに当接し、強固に固定される。
ブラケット96の、ブレーカアタッチメント30とは反対側の外側面に、ガイド部材98が設けられている。ここで、ガイド部材98について説明する。ガイド部材98は、一方向に長い矩形の取付部材である取付板102が設けられ、取付板102は、ブラケット96の辺96a,96bより少し短い互いに平行な一対の短辺102aと、ブラケット96の辺96a,96bより少し長い互いに平行な一対の長辺102bで囲まれている。短辺102aの中心近傍には、外側に突出する矩形の突起104が各々形成され、各突起104の中央には、掘削プレート32を吊り下げるチェーン84の一端部を取り付ける透孔106が各々形成されている。短辺102a付近には、突起104の両脇に、各々ガイド部材透孔108が表裏に貫通して各々設けられている。この一対のガイド部材透孔108の間隔は、ブラケット96の一対のブラケット透孔100の間隔と同じであり、短辺102aがブラケット96の辺96aまたは辺96bに対して平行な時、ブラケット96のブラケット透孔100と一致する。取付板102の、長辺102bには、所定の高さに立ち上がる立上板110が各々設けられ、立上板110の、先端縁には、取付板102に対して平行な上面板112が設けられている。上面板112には、一対のガイド面部114が設けられている。ガイド面部114は、立上板110に対して平行な板体である。一対のガイド面部114の間には、一対のガイド面部114を補強する横面部116が設けられている。一対のガイド面部114と一対の横面部116は、互いに連続して四角筒状となる。一対のガイド面部114と一対の横面部116で囲まれた四角筒の内側空間は、バックホウ28のブレーカアタッチメント30のロッド52が挿通して外側に突出する。
ガイド部材98には、補強用のリブ118が設けられている。リブ118は、立上板110と上面板112、ガイド面部114に連続して設けられ、外側に突出する板体である。リブ118は、立上板110と上面板112の境界付近が外側に突出するような三角形状であり、リブ118は、左右、つまり両方のガイド面部114に各々3個設けられ、3個は立上板110から離れガイド面部114の先端に近づくにつれて互いの間隔が近づくように取り付けられている。
ガイド部材98は、ブラケット96に対して、取付角度を2方向に変えて取り付けることができる。図12、図13は、ブラケット96の辺96aに、ガイド部材98の短辺102aを平行にして取り付けた状態を示し、短辺102a近傍のガイド部材透孔108と、辺96a近傍のブラケット透孔100が一致し、ボルト120とナットで固定される。ガイド部材98の短辺102aは、ブラケット96の辺96aよりも少し外側に平行移動して張り出し、突起104の透孔106は、ブレーカアタッチメント30の両側に突出する。この時、ガイド部材98の一対のガイド面部114は、ブレーカアタッチメント30の回転軸の挿通方向に対して平行に位置し、畦16に対して平行に畦防水壁10を形成する際に使用する。使用する際は、図14に示すように、組み立てた掘削プレート32を、チェーン84で吊り下げる。チェーン84の下端部は掘削プレート32の取付突起48に係止され、チェーン84の上端部はブレーカアタッチメント30に取り付けられたガイド部材98の突起104の透孔106に係止される。チェーンの長さは、ガイド部材98の一対のガイド面部114の間に、掘削プレート32のプレートカバー38の天面部38aと、天面部38aに連続する側面部38bの一部が上方向のゆとりを有して収容されるように調節する。そして、上記実施の形態と同様に、ブレーカアタッチメント30を作動させてロッド52を打ち込み、掘削プレート32を耕土20に打ち込み、溝26を形成し、漏水防止材料11を投入し、畦防水壁10を形成する。
次に、図15、図16は、ブラケット96の96aに、ガイド部材98の長辺102bを平行にして取り付けた状態を示し、短辺102a近傍のガイド部材透孔108と、96b近傍のブラケット透孔100が一致し、ボルト120とナットで固定される。ガイド部材98の短辺102aは、ブラケット96の辺96bよりも少し外側に平行移動して張り出し、突起104の透孔106は、ブレーカアタッチメント30の両側に突出する。この時、ガイド部材98の一対のガイド面部114は、ブレーカアタッチメント30の回転軸の挿通方向に対して直角に位置し、畦16に対して直角に畦防水壁10を形成する際に使用する。使用する際は、図17に示すように、組み立てた掘削プレート32を、チェーン84で吊り下げる。チェーン84の下端部は掘削プレート32の取付突起48に係止され、チェーン84の上端部はブレーカアタッチメント30に取り付けられたガイド部材98の突起104透孔106に係止される。そして、上記実施の形態と同様に、ブレーカアタッチメント30を作動させてロッド52を打ち込み、掘削プレート32を耕土20に打ち込み、溝26を形成し、漏水防止材料11を投入し、畦防水壁10を形成する。
この実施形態の畦防水壁10の施工装置27の、ブラケット96とガイド部材98によれば、形成する畦防水壁10の方向に合わせて、ガイド部材98の向きを変えることができる。前記実施の形態のガイド部材70では、畦16に対して交差する方向に畦防水壁10を形成する際は掘削プレート32をガイドすることができないが、この実施形態のブラケット96とガイド部材98によれば、ガイド部材98の向きを変えて掘削プレート32をコの字形に覆い、ロッド52が正確に当接板56の中心部に当たるように位置決めし、正確で安全性が高く、溝26を形成することができる。
次に、この発明の第三実施形態について図18~図20に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の畦防水壁10の施工装置27の掘削プレート119は、一定の厚みを有する金属性の板本体34の正面34aと背面34fに、耕土付着防止板である小形の樹脂板121が取り付けられたものである。
ここで、樹脂板121について説明する。樹脂板121は、耕土が付着しにくい材料又は表面形状であれば良く、例えばポリアセタールのPOM(例えばポリプラスチックス社製、商品名ジェラコン)等で作られ、厚みは例えば6mmである。樹脂板121は、一方向に長い矩形に形成され、短い方の幅は、板本体34の正面34a又は背面34fの、一対のリブ44の間に入る長さであり、長手方向長さは、保持部40と打ち込み部42の間隔を略3等分するものである。樹脂板121は、一対のリブ44で囲まれた上下に長い矩形の区画に3枚ずつリブ44に沿って長手方向が互いに連続するように並べて嵌合され取り付けられている。つまり、板本体34の正面34a又は背面34fに、3枚が3列、合計9枚の樹脂板121が各々取り付けられている。
各樹脂板121には、板本体34の、正面34aと背面34fを貫通して設けられ雌ネジ孔部46と一致する複数個のテーパ孔部122が形成されている。樹脂板121は、図20に示すように、雄ネジ皿ボルト66と、雌ネジ付特殊皿ボルト68で、板本体34に取り付けている。各テーパ孔部122は、雄ネジ皿ボルト66と雌ネジ付特殊皿ボルト68の頭部に一致するテーパ面を有して孔が形成されている。
この実施形態の畦防水壁10の施工装置27の、掘削プレート119によれば、板本体34の正面34a又は背面34fに、3枚が3列、合計9枚の樹脂板121が各々取り付けられているため、傷んだ部分の樹脂板121のみを交換することができる。小さい面積の樹脂板121の交換で修理することができ、メンテナンスが安価で手軽である。樹脂板121は、保持部40に沿って3枚が並んで取り付けられ、耕土20に打ち込む際に板本体34の下端34cに近い樹脂板121の傷みが早いため、下端34cに近い樹脂板120を短期間で交換し、保持部40に近い樹脂板121は長期間使用することができ、無駄がない。
次に、この発明の第四実施形態について図21に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の畦防水壁10の施工装置27は、板本体34上面34bに、鋳物で一体成形されたプレートカバー124が設けられて使用される。ここで、プレートカバー124について説明する。プレートカバー124は、板本体34の上面34bの長手方向の中心付近を上方からコの字形に挟持する形状であり、板本体34の上面34bに重ねられ一方向に長い矩形である天面部124aと、天面部124aの側縁部に連続し、天面部124aに対して略直角に下方に延出する一対の側面部124bとで形成されている。天面部124aの、長手方向の中央には、ブレーカアタッチメント30のロッド52が打ち付けられる上方に対面する平坦な面を有する当接部126が形成されている。当接部126の面は、上方から見て矩形である。天面部124aの、当接部126の両側には、四角錐形状に上方に突出する吊下部128が各々形成されている。吊下部128の上端面には、吊りボルト取付穴130が形成されている。一対の側面部124bの外側面には、当接部126に連続する部分に、側面から見て逆台形状の、凹部132が形成されている。側面部124bの、長手方向の両端部に近い位置に、挿通孔60が設けられている。挿通孔60は、プレートカバー38を板本体34に取り付けた時に、板本体34の挿通孔50に一致して連通するものであり、挿通孔60は、上下方向に長い長丸であり、長径は挿通孔50の長径よりも長く形成されている。
なお、プレートカバー124を板本体34に取り付けるときは、プレートカバー124の、吊りボルト取付穴130に吊りボルトを固定し、吊りボルトで吊り下げて、板本体34の上面34bに、天面部38aをのせる。この時、プレートカバー124の天面部124aと、板本体34の上面34bの間に、一定の厚みの衝撃吸収部材62を挟む。挿通孔60は、衝撃吸収部材62を挟んでプレートカバー38を板本体34に取り付けた時に挿通孔50に一致する。
この実施形態の畦防水壁10の施工装置27の、プレートカバー124によれば、鋳物で一体に設けられているため、強度が高く、耐久性が高い。シンプルな形状であり、製造が簡単である。前記実施の形態のプレートカバー38やプレートカバー92は、所定の形状に切断した金属板を溶接して作られたものであり、それに比べてプレートカバー124は鋳物で一体成形され強度が高い。
なお、この発明の畦防水壁の施工方法と畦防水壁の施工装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、漏水防止材料の材料は、ベントナイトと他の材料を混合したものでも良く、ベントナイト以外のものでも良い。ブレーカアタッチメント以外の油圧式打ち込み装置である油圧式バイブロハンマーを利用することもできる。掘削プレートに、バックホウのオペレータが掘削プレートの垂直を確認するための基準棒等を設けても良い。掘削プレートの大きさは適宜変更可能であり、プレートカバーの形状や大きさ、板本体とプレートカバーの間に入れる衝撃吸収部材の材料や形状も適宜変更可能である。また、掘削プレートを油圧式打ち込み装置に吊り下げる吊り下げ部材は、ワイヤやチェーン以外でも良い。畦防水壁を形成する位置は畦の法面以外でも良く、畦の頂部や畦の端部でも良い。また、畦以外に池の周囲等、どこに設けても良い。