JP2022028186A - 畦防水壁の施工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業性が良く簡単に、畦畔の形状を維持したまま任意の大きさの防水壁を形成することができ、耐久性を有する施工装置により長時間の施工作業が可能な畦防水壁の施工装置を提供する。【解決手段】バックホウのブレーカアタッチメントに取り付けられ、地面に打ち込むことにより地面に溝を形成する掘削プレート32を備える。掘削プレート32は、一定の厚みを有する金属製の板本体34を有する。板本体34の起立状態で上方に位置する上面に、ブレーカアタッチメントのロッドが当接する当接板56を備える。当接板56の一部に対面して、板本体34に対して移動することを防ぐ支持部材53,58を備える。当接板56は鋼材で作られ、板本体34と当接板56の間に、衝撃吸収部材51,72を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、水田の畦に設けられた畦防水壁の施工装置に関する。
ほ場基盤整備事業が完工後40年ほど経過したほ場では、漏水による保水機能の低下による稲作収量の低下が著しくなる。特に、乾田直播方法では、秋季に荒耕し、代播きをし、春季にほ場全体を天日乾燥させ、トラクターにより種播きをするものであり、ほ場全体に日割れが生じ、発芽後に灌漑水を満たしたときに漏水することがある。その他、ほ場に灌水した後、日割れや畦への浸水により、隣接する低いほ場へ浸水したり、畦の崩壊や、畦にモグラの穴が形成され、そこから漏水することもある。これらの漏水を防ぐために、畦防水壁を作ることが行われている。
例えば、本願出願人による特許文献1に開示されている畦防水壁の施工方法と畦防水壁の施工装置は、地面に対して掘削プレートを起立状態で配置し、バックホウのブレーカアタッチメントで打ち込み、この後掘削プレートを引き上げることにより、掘削プレートを引き上げた跡に溝を形成し、溝の中にベントナイトを投入するものである。また、畦防水壁の施工装置である掘削プレートは、一定の厚みを有する板体が設けられ、板体の側面が垂直となるように保持され、板体の上端部にはブレーカアタッチメントのロッドが摺動可能に嵌合される取付部が設けられている。
特開2018-102136号公報
上記背景技術の場合、掘削プレートを打ち込むためにブレーカアタッチメントのロッドが衝突する当接板は、強度が十分ではなく、長時間の施工作業で、ロッドを繰り返して衝突させることにより割れ等の不具合が発生する恐れがある。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、作業性が良く簡単に畦畔の形状を維持したまま任意の大きさの防水壁を形成することができ、耐久性を有する施工装置により長時間の施工作業が可能な畦防水壁の施工装置を提供することを目的とする。
本発明は、バックホウのブレーカアタッチメント等の油圧式打ち込み装置に取り付けられ、地面に打ち込むことにより前記地面に溝を形成する掘削プレートを備えた畦防水壁の施工装置である。前記掘削プレートは、一定の厚みを有する金属製の板本体が設けられ、前記板本体は、正面と背面が地面に対して起立状態となるように保持されている。前記板本体の起立状態で上方に位置する上面には、前記油圧式打ち込み装置のロッドが当接する当接板と、前記当接板の一部に対面し前記当接板が前記板本体に対して移動することを防ぐ支持部材が設けられている。
前記支持部材は、前記正面と前記背面に各々取り付けられ一部が前記板本体の前記上面から上方に突出し、前記当接板の前記正面又は前記背面への移動を防ぐ面方向支持部材と、前記板本体の前記上面の両端部近傍に各々設けられ前記上面から上方に突出し前記正面と前記背面に交差する略水平な方向への移動を防ぐ交差方向支持部材と、前記面方向支持部材の上端縁近傍に取り付けられ前記当接板の上面に対面し、前記当接板の上方向への移動を防ぐ上方向支持部材が設けられている。
前記当接板は鋼材で作られている。前記当接板は、前記板本体の前記上面に衝撃吸収部材を介して載置されている。
前記板本体の上面の、面方向に対して平行な長手方向の両端部付近には、前記油圧式打ち込み装置に吊り下げる吊り下げ部材を取り付ける取付突起が各々形成されている。前記一対の取付突起の間に前記交差方向支持部材が各々設けられ、前記一対の交差方向支持部材の間に前記当接板が設置されている。前記面方向支持部材は、前記板本体の前記正面と前記背面に、面方向に対して略平行にそれぞれ取り付けられる側板であり、前記側板には、下端縁近傍と上端縁近傍にそれぞれ挿通孔が設けられている。前記板本体の前記上面に近い位置に取付孔が形成されている。前記側板の下方に位置する前記挿通孔を前記板本体の前記取付孔に連通させて、ボルトとナットを取り付けて互いに連結されている。前記一対の側板の上方に位置する前記挿通孔に、ボルトとナットを取り付けて互いに連結し、上方に位置する前記挿通孔に挿通された前記ボルトは前記当接板の上面に対面し前記上方向支持部材となる。
本発明の畦防水壁の施工装置は、作業性が良く簡単に畦畔の形状を維持したまま任意の大きさの防水壁を形成することができる。そして、耐久性を有する施工装置により長時間の施工作業が可能である。長時間の施工作業が可能なことから、長距離にわたって畦防水壁を施工することができる。油圧式打ち込み装置のロッドが当接する当接板と、当接板が板本体に対して移動することを防ぐ支持部材はシンプルな構造であり、ボルトとナットで板本体に取り付けて組み立てることができ、破損しにくい。万一破損しても、破損した部品のみを交換して使用することができる。
この発明の一実施形態の畦防水壁の縦断面図である。 この実施形態の畦防水壁の施工方法の掘削工程を示す部分破断正面図である。 この実施形態の畦防水壁の施工方法の投入工程を示す部分破断正面図である。 この実施形態の畦防水壁の施工装置の掘削プレートを示す上面図(a)と正面図(b)、右側面図(c)である。 この実施形態の畦防水壁の施工装置の掘削プレートの一部である板本体を示す上面図(a)と正面図(b)、右側面図(c)である。 この実施形態の畦防水壁の施工装置の樹脂板を取り付けた掘削プレートの拡大横断面図である。 この実施形態の畦防水壁の施工装置の掘削プレートの上方向支持部材であるボルトと面方向支持部材を取り付けた状態を示す上面図(a)と正面図(b)、右側面図(c)である。 この実施形態の畦防水壁の施工装置の規制部材を示す上面図(a)と正面図(b)、右側面図(c)である。 この実施形態の畦防水壁の施工方法のその他の掘削工程を示す部分破断正面図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1~図9はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の畦防水壁10は、図1~図3、図9に示すように、平坦なほ場12と、ほ場12よりも低い位置にある平坦なほ場14の間に形成された畦16の地中に設けられたもので、漏水防止材料11が投入されて構築されている。なお、ほ場12,14は、例えば水田であり、稲の栽培時期には灌漑水18が貯められている。ほ場12,14は、表面の耕土20の下にすき床22があり、その下に心土24がある。すき床22は、トラクターや耕転機の重さで押し固められた部分であり、心土24側への水の浸透を抑制する役割を有している。
畦防水壁10は、畦16を挟んで高い方のほ場12側の法面もしくは畦16の中央部に沿って設けられ、垂直方向の下端部は、すき床22を貫通して心土24に達している。畦防水壁10は、例えばほ場12の表面より約20cm上がった畦16の法面に、深さ80~100cmで形成されている。畦防水壁10は、畦16の長手方向に沿って長く連続して設けられている。畦16の長手方向に交差する幅は狭くてもよく、例えば5~10cm程度の幅である。漏水防止材料11の上端部は畦16の表面よりも僅かに下に位置し、畦16の土16aで薄く覆われている。
漏水防止材料11はベントナイト13である。ベントナイト13は、海底・湖底に堆積した火山灰や溶岩が変質することで出来上がった粘土鉱物の一種である。成分構成としてはモンモリナイトという鉱物を主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含んでいる。膨潤性、増粘性、吸水性等を有しており、吸水によって膨潤し高い遮水性を持つ。ベントナイトは完全無機鉱物であり腐敗することがない。ベントナイト13は、土に含まれる水分を吸収し膨潤してクリーム状態となり、高い不透水性を有するものとなる。従って、もぐら等により畦防水壁10に穴や亀裂ができても、クリーム状の漏水防止材料11が流動して自然に穴や亀裂を塞ぐ。これにより、図1に示すように、高いほ場12から低いほ場14への、土中の灌漑水18や雨水の流れを止めることができる。
次に、畦防水壁10の施工装置27について説明する。地面、ここでは畦16に、畦防水壁10の溝26を掘削する時は、ブレーカ仕様のバックホウ28を使用し、バックホウ28の油圧式打ち込み装置であるブレーカアタッチメント30に、図4に示す掘削プレート32を吊り下げる。ブレーカアタッチメント30に吊り下げる吊り下げ部材は、後述するチェーン88やワイヤ等である。バックホウ28は、例えば、0.45m級バックホウである。バックホウ28のブレーカアタッチメント30には、チェーン88で吊り下げた掘削プレート32をガイドして、正確な位置をブレーカアタッチメント30の打ち込み用のロッド52が打つように規制する規制部材74が固定されている。
ここで、掘削プレート32について図4に基づいて説明する。掘削プレート32には、一定の厚みを有する金属製の板本体34と、板本体34の正面34aと背面34fに取り付けられた耕土付着防止板である樹脂板36と、板本体34の上面34bに設置された後述する当接板56と、板本体34に設けられ当接板56の一部に対面して板本体34に対して移動を防ぐ後述する支持部材が設けられている。
先ず、板本体34について図5に基づいて説明する。板本体34は、例えば鉄製であり、一定の厚みを有する矩形の板体であり、大きさは、例えば長さ1.65m、巾0.75m、厚さ12mmである。板本体34は、長手方向が垂直となるように保持して使用される。なお、板本体34の長手方向と幅方向を含む広い面積の正面34aは、通常は図2に示すようにバックホウ28のブームとアームが連結されブレーカアタッチメント30が揺動する回転軸の挿通方向に対して平行となる。
板本体34の厚さは上述のように12mmであるが、上端部に位置する上面34bから15cmの一定幅の部分は、56mmの均一な厚みを有する肉厚の保持部40となっている。保持部40は、板本体34のその他の厚み12mmの部分から、22mmの厚みを増す段部を正面34aと背面34fに形成して設けられ、図5(a)(b)において紙面の右に位置する右側面34dと左側面34eに達する矩形となる。
板本体34の上面34bとは反対側の下端34cには、下端34cから15cmの一定幅の部分は25mmの厚みを有する肉厚の打ち込み部42となる。打ち込み部42は、25mmの厚みに形成され、板本体34の正面34aと背面34fに段部を形成して設けられ、右側面34dと左側面34eに達する矩形となる。打ち込み部42は、下端34c側の例えば5cm程度の部分が、下端34cに近づくほど薄くなるテーパ面に形成され、下端34cが鋭利に尖っている。
保持部40と打ち込み部42の間には、上下方向に沿ってリブ44が設けられている。リブ44は4本設けられ、右側面34dと左側面34eに沿って1本ずつ設けられ、その間に2本設けられている。4本のリブ44は、正面34a又は背面34fからの突出量は、打ち込み部42側が小さく保持部40側が大きくなるように傾斜している。例えば、打ち込み部42側の突出量は5.75mmであり、保持部40側の突出量は22mmである。
板本体34の、保持部40と打ち込み部42、リブ44以外の部分には、後述する樹脂板36を取り付ける雌ネジ孔部46が複数個設けられ、雌ネジ孔部46は雌ネジが切られて、正面34aと背面34fを貫通している。
板本体34上面34bには、ブレーカアタッチメント30に吊り下げるための吊り下げ部材であるチェーン88を取り付ける取付突起48が設けられ、右側面34dまたは左側面34eに連接する端部に位置している。取付突起48は、板本体34の厚みと同じ12mmの厚みの小さい板体であり、正面34aを見た時に半円形状に上方に突出する形状であり、中央にチェーン88を連結する連結具が挿通される穴が貫通して設けられている。また、保持部40の、上面34bから少し下方に離れた位置には、後述する面方向支持部材58を取り付けるボルト68が差し込まれる取付孔50が2個設けられている。一対の取付孔50は、右側面34d又は左側面34eから等間隔の位置に設けられ、上下方向に長い長丸に形成されている。
また、板本体34上面34bには、後述する当接板56の、正面34aと背面34fに交差する水平な方向への移動を防ぐ支持部材である交差方向支持部材53が取り付けられている。交差方向支持部材53は、上面34bの両端部付近に一対設けられ、一対の取付突起48の間に、取付突起48の中央側にほぼ隣接して設けられている。交差方向支持部材53は所定の厚みの金属板をコの字形にカットして作られ、板面が板本体34の正面34aと背面34fに交差する水平な方向に対面して取り付けられ、板本体34を上面34bからコの字形に挟持し、溶接により板本体34に固定されている。これにより、上面34bから上方に突出し、後述する当接板56の、正面34aまたは背面34fに交差する水平な方向への移動を防ぐ。
板本体34の上面34bには、一定の厚みの衝撃吸収部材51が取り付けられている。衝撃吸収部材51は、例えば耐久性が高く靭性、緩衝性を有するステンレス板等の金属が好ましく、耐衝撃性があればウレタン等の樹脂でも良い。例えば10mmの厚み板の体である。衝撃吸収部材51は、上面34bと同じ幅で、一対の交差方向支持部材53の間に入る長さの矩形であり、板本体34の上面34bに接着剤等で固定されている。
また、板本体34の側面には、保持部40と打ち込み部42、リブ44以外の部分に、樹脂板36が取り付けられている。樹脂板36は、土が付着しにくい材料又は表面形状であれば良く、例えばポリアセタールのPOM(例えばポリプラスチックス社製、商品名ジェラコン)等で作られ、厚みは例えば6mmである。樹脂板36は一方向に長い矩形に形成され、短い方の幅は、板本体34の正面34a又は背面34fの、一対のリブ44の間に入る長さであり、長手方向長さは、保持部40と打ち込み部42の間隔を略3等分するものである。樹脂板36は、一対のリブ44で囲まれた上下に長い矩形の区画に3枚ずつリブ44に沿って長手方向が互いに連続するように並べて嵌合され取り付けられている。つまり、板本体34の正面34a又は背面34fに、3枚が3列、合計9枚の樹脂板36が各々取り付けられている。
各樹脂板36には、正面34aと背面34fを貫通して設けられた雌ネジ孔部46と一致する複数個のテーパ孔部37が形成されている。樹脂板36は、図6に示すように、雄ネジ皿ボルト47と、特殊構造の雌ネジ付特殊皿ボルト49で、板本体34に取り付けられている。雄ネジ皿ボルト47は、雄ネジが形成され、雌ネジ付特殊皿ボルト49には、ボルトの雄ネジと同心状に円筒部がボルト先端から形成され、この円筒部の内周面には雄ネジ皿ボルト47の雄ネジが螺合する雌ネジが、同軸に形成されている。各テーパ孔部37は、雄ネジ皿ボルト47と雌ネジ付特殊皿ボルト49の頭部に一致するテーパ面を有して孔が形成されている。
板本体34の上面34bに設けられた衝撃吸収部材51の上には、一定の厚みの衝撃吸収部材72が設けられている。衝撃吸収部材72は、衝撃吸収部材51よりも厚く、例えば15mmであり、耐衝撃性がある緩衝ゴム板等が好ましい。
衝撃吸収部材72の上面には、ブレーカアタッチメント30のロッド52が衝突する当接板56が設けられている。当接板56は、例えば50mmの厚い板体であり、一方向に長い矩形である。種々の元素を添加した高炭素鉄合金であるスーパーハードロイ(SHA)で作られ、硬度及び靱性が高い。当接板56は、厚み方向を上下方向にして、板本体34の上面34bに重ねられ、長手方向は正面34aと背面34fに平行となる。当接板56の上面の中央には、ブレーカアタッチメント30のロッド52が衝突する凹部56aが設けられている。
板本体34の上面34bに近い、正面34aと背面34fには、当接板56の長手方向に対して平行な面に対面し当接板56の正面34a又は背面34fへの移動を防ぐ支持部材である面方向支持部材58が設けられている。面方向支持部材58は、左右両側に同形状が一対設けられている。各面方向支持部材58には、一方向に長い矩形の内側板60を有し、内側板60の長手方向の両端には、変形した矩形の外側板62が各々設けられている。外側板62は、互いに線対称の形状であり、下端縁62aと、下端縁62aに略直角に交差する一方の端縁部62bは、内側板60の下端縁と長手方向に交差する端縁部と一致し、上端縁62cは内側板60の上端縁よりも上方に位置し、下端縁62aに対して平行である。端縁部62bに対向する辺は、下端縁62aに対して鋭角となる傾斜端部62dである。内側板60と、外側板62は溶接されている。外側板62の、下端縁62aと端縁部62bで囲まれた角部付近に、挿通孔64が設けられている。挿通孔64は、面方向支持部材58を板本体34に取り付ける時に、板本体34の取付孔50に一致して連通するものである。挿通孔64は、内側板60を貫通し、上下方向に長い長丸であり、長径は取付孔50の長径よりも長く形成されている。挿通孔64の上方には、内側板60の上縁部よりも上方に、挿通孔64と同形状の挿通孔66が設けられている。挿通孔66は、当接板56と面方向支持部材58を板本体34に取り付ける時に、当接板56の上面よりも少し上に位置する。
次に、当接板56と面方向支持部材58を板本体34に取り付ける工程について説明する。先ず、板本体34の両面に、保持部40に面方向支持部材58を、内側板60が内側になるようにして当て、挿通孔64と取付孔50を一致させ、ボルト68とナット70で板本体34を挟持して固定する。内側板60の上端縁は板本体34の上面34b付近に位置し、正面34aと背面34fに、各々一対、つまり4つの外側板62の上端縁62cが上面34bよりも上方に突出する。板本体34の上面34bの衝撃吸収部材51の上に、衝撃吸収部材72を置き、衝撃吸収部材72の上に当接板56を置く。外側板62の上方の挿通孔66は、当接板56の上面から上方に突出し、左右一対の挿通孔66にボルト68を挿通しナット70で固定する。なお、挿通孔66に挿通したボルト68は、当接板56の上面の両端部付近に対面し、当接板56の上方向への移動を防ぐ上方向支持部材となる。これで、当接板56と面方向支持部材58を板本体34に取り付ける工程が完了し、図4に示す状態となる。当接板56の凹部56aは、上方に解放されている。なお、板本体34の取付孔50と、面方向支持部材58の挿通孔64は、上下方向に長い長丸であり、上下方向の振動を受けた時に互いにずれることができ、ボルト68にせん断力がかからない。また、当接板56と面方向支持部材58も、互いに溶接等で連結されていないため、振動を受けた時に互いにずれることができる。
次に、バックホウ28のブレーカアタッチメント30にチェーン88で吊り下げられた掘削プレート32の位置を規制する規制部材74について図8に基づいて説明する。規制部材74は、ブレーカアタッチメント30の下端部分を下方からコの字形に包む形状であり、ブレーカアタッチメント30の下端面に重ねられる矩形の底面部74aと、底面部74aの側縁部に連続し底面部74aに対して略直角に上方に延出する一対の側縁部74bとで形成されている。規制部材74をブレーカアタッチメント30に取り付ける方向は、一対の側縁部74bがバックホウ28のブームとアームが連結される回転軸の挿通方向に対して平行となる向きにする。側縁部74bは、底面部74aに連接する方向の幅が底面部74aより少し長く、底面部74aの両側に少し張り出している。
側縁部74bには、下方に突出する一対の規制面部76が設けられている。規制面部76は、側縁部74bに対して平行な板体であり、面方向支持部材58を上方から僅かなゆとりを有して挟持するように一対設けられ、一対の規制面部76の間隔は、一対の面方向支持部材58より僅かに外側に位置する長さである。規制面部76の基端部は底面部74aと同じ長さであり、先端に近づくにつれて小さくなる台形状である。規制面部76の、底面部74aから先端までの長さは、側縁部74bの底面部74aから、反対側の先端までの長さよりも少し短い。一対の規制面部76の間には、規制面部76の基端部と先端との間の中間程度の位置に、一対の規制面部76を補強する横面部78が設けられている。横面部78は、基端部は底面部74aに連続し、先端は規制面部76の突出長さの半分程度の位置に達している。一対の規制面部76と一対の横面部78は、互いに連続して四角錘の筒状となる。横面部78の、底面部74aと反対側の先端縁は円弧状にくぼんだ形状であり、底面部74aから見た時に、図8(c)に示すように、一対の横面部78の先端縁が互いに連続して円形の空間となる。この空隙は、バックホウ28のブレーカアタッチメント30のロッド52が挿通して外側に突出する。
規制部材74には、補強用のリブ80が設けられている。リブ80は、側縁部74bと底面部74a、規制面部76に連続して設けられ、側縁部74bと底面部74a、規制面部76に対して直角に外側に突出する板体である。リブ80は、側縁部74bの上方の端部と、規制面部76の先端との間の中間部分が外側に突出するような三角形状となっている。リブ80は左右、つまり両方の側縁部74bに各々3個設けられ、3個は互いに所定間隔を開けて平行に設けられている。
側縁部74bには、リブ80の位置よりも外側で角部に近い位置に、4個の挿通孔82が形成されている。挿通孔82は、バックホウ28のブレーカアタッチメント30に取り付けた時に、ボルト84を一対の側縁部74bの対向する位置の挿通孔82に挿通して外側からナット86を締めて、ブレーカアタッチメント30を挟持して固定するものである。
次に、畦防水壁10の施工方法について、図2、図3に基づいて全体的な流れを説明する。畦防水壁10の施工には、畦16のほ場12側の法面に、掘削プレート32を垂直に、バックホウ28のブレーカアタッチメント30で打ち込む。その後、掘削プレート32を引き上げながら、掘削プレート32をプレート面と直交する方向にバックホウ28のアームを揺動させて溝26を広げるように形成し、この溝26の中に漏水防止材料11を投入する。漏水防止材料11は顆粒状のベントナイト13であり、耕土20の水分を吸収し膨潤し、クリーム状態となって不透水性が高くなる。漏水防止材料11は、粉末状のベントナイト13でも良いが、軽くて舞い上がり易いため、顆粒状のものが好ましい。顆粒状のベントナイト13は、例えば、粒径が3.36mm以上のものはなく、0.42mm以上が85%以上に揃えられたものである。かさ密度は約1.0g/cm、含水比は12%以下であり、pHが9.5~10.5(2%懸濁液)のものである。そして、投入した漏水防止材料11の表面に土16aをかけ、畦16の表面と連続するように整える。工期は、例えば施工長が150mで1~2日であり、極めて短い。
この実施形態の畦防水壁10の施工装置27の使用方法について、以下に詳しく説明する。まず、バックホウ28のブレーカアタッチメント30に、規制部材74を固定する。固定する方法は、ブレーカアタッチメント30の下端部に底面部74aを重ね、バックホウ28のブームとアームを連結してブレーカアタッチメント30が揺動する回転軸の挿通方向に対して平行となる側面に側縁部74bを重ねてコの字形に覆い、前述のように、一対の側縁部74bの、互いに対向する挿通孔82に一本にボルト84を挿通して外側からナット86を締め、ブレーカアタッチメント30を挟持して固定する。ボルト84は計4本使用する。この状態で、規制部材74の、一対の横面部78の先端縁で形成される円形の空隙から、ブレーカアタッチメント30のロッド52が外側に突出している。
そして、掘削プレート32を組み立てる。上記のとおり、板本体34に当接板56と面方向支持部材58を取り付ける。また、板本体34の正面34aと背面34fに、樹脂板36を重ね、樹脂板36のテーパ孔部37と板本体34の雌ネジ孔部46を一致させ、背面34f側から雌ネジ付特殊皿ボルト49を挿入し、正面34a側から雄ネジ皿ボルト47を挿入し図6に示すように、板本体34と、表裏2枚の樹脂板36を一体に連結する。なお、背面34f側から雄ネジ皿ボルト47を挿入し、正面34a側から雌ネジ付特殊皿ボルト49を挿入してもよい。
次に、規制部材74を取り付けたブレーカアタッチメント30に、組み立てた掘削プレート32を、チェーン88で吊り下げる。なお、チェーン88は例えば2t荷重用を使用し、チェーン88のブレーカアタッチメント30又は掘削プレート32への取り付けは、超強力シャックルを使用する。チェーン88以外にロープやワイヤ等でも良い。チェーン88の長さは、規制部材74の一対の規制面部76の間に、掘削プレート32の当接板56と、面方向支持部材58の一部が上方向のゆとりを有して収容されるように調節する。
そして、掘削プレート32を吊り下げたバックホウ28を運転して、図2に示すように、ほ場12の畦16に近い位置を、畦16の長手方向に対して平行に移動し、畦防水壁10を設ける所望の位置で停止させ、ブレーカアタッチメント30を降下し、掘削プレート32の板本体34の下端34cの打ち込み部42が畦16の長手方向に対して平行となるようにして、畦16の法面に下ろす。板本体34の下端34cが耕土20に降りると、チェーン88はたるみ、張力は解除されるが、規制部材74の規制面部76が掘削プレート32を両側から保持するため倒れることがない。そしてブレーカアタッチメント30を作動させてロッド52を打ち込み、ロッド52が規制部材74の一対の規制面部76と一対の横面部78で囲まれた空間を摺動して掘削プレート32の当接板56の凹部56aを打ち付け、その打撃エネルギーで掘削プレート32を土に打ち込む。掘削プレート32は、規制部材74に保持されているため正確に位置決めされ、硬い当接板56を打たれるため、耐久性がある。当接板56は、交差方向支持部材53と面方向支持部材58で囲まれているため、衝撃により少しずれることができ、しかし大きく移動することがない。チェーン88はたるんでいるため、ブレーカアタッチメント30で掘削プレート32を打ち込む際に無理な衝撃や緊張はかからない。
掘削プレート32を所定の深さに打ち込んだ後、バックホウ28を操作して掘削プレート32を引き上げる。掘削プレート32の、板本体34の正面34aと背面34fには樹脂板36が固定されているため、土が付着せず、容易にきれいに抜ける。掘削プレート32を引き上げる際に、プレート表面と直交する方向である前後方向、及び平行な方向である左右方向にバックホウ28のアームを操作して、掘削プレート32をブレーカアタッチメント30で揺動させる。掘削プレート32は、規制部材74に保持されているため、掘削プレート32が揺動して溝26の内壁に押し付けられ、溝26の内壁面を固めることができ、崩れにくくなる。さらに溝26の幅を少し広げることもできる。掘削プレート32の樹脂板36には土が付着しないため、溝26の内壁の土が掘削プレート32に付いて剝がれることがなく、きれいに整えた状態となる。溝26の底部は、打ち込みの衝撃で固められる。
次に、畦16に形成した溝26に、漏水防止材料11を投入する。漏水防止材料11を投入する際には、図3に示すように、別のバックホウ29のアーム先端に、漏水防止材料11が収容された投入器90を吊り下げて使用する。投入器90は円筒状で、底部が漏斗状に形成され、側面の四方には自立可能にする脚部92が固定されている。投入器90の底部には、漏水防止材料11を少量ずつ落とす取出口94が形成され、取出口94には、ワンタッチで着脱可能でありフレキシブルな投入ホース96が接続され、取出口94又はその近傍の投入ホース96に、開閉バルブ98が設けられている。投入器90の容量は、例えば500kg用であり漏水防止材料11の一回の充填量は約700リットルである。投入器90の上面部の投入口には、図示しない篩が設けられ、顆粒状のベントナイト13から成る漏水防止材料11の固まりを除去し、後述する投入ホース96等の詰まりを防いでいる。
ベントナイト13は、水分を吸収すると塊になるので、投入器90の取出口94で詰まり投入困難となるため、投入器90上部にさらに固形物除去網を設け、固着した大きな塊のベントナイト13の混入を防止すると良い。さらに、ベントナイト13は、顆粒状のものを使用するため、流動性が良く固着しにくい。
掘削プレート32により1つの溝26に畦防水壁10を形成した後、バックホウ29を操作して投入器90を溝26の上方に位置し、溝26に漏水防止材料11を落下させて投入する。この時、投入器90に接続された投入ホース96を作業者が溝26にめがけて保持して、漏水防止材料11を投入する。漏水防止材料11の投入時には、溝26内に漏水防止材料11が確実に充填されるように、棒状の部材で突き込む。
バックホウ28を操作して溝26に隣接する位置に、再度掘削プレート32を打ち込んで、新たに溝26を形成し、漏水防止材料11を投入する。これを繰り返して溝26を連続させ、畦16に沿って長く畦防水壁10を形成する。畦防水壁10は、バックホウ28を畦16に沿って走行させて、長い任意の距離で溝26により畦防水壁10を形成する。また、バックホウ29を畦16に沿ってゆっくりと走行させ、溝26の長手方向に沿って連続して漏水防止材料11を投入することもできる。
なお、畦防水壁10をモグラが破壊することを防ぐため、漏水防止材料11にモグラ忌避剤を混入しても良い。モグラ忌避剤の混合率は、例えば遮水面積1mに対し、約4gである。
漏水防止材料11の溝26への投入が終了した後、漏水防止材料11の上端部に、畦16の土16aをかけて畦16の表面と連結するように修復する。修復には他のバックホウを使用すると作業効率が良い。
なお、畦16に対して交差する方向に畦防水壁10を形成する際は、図9に示すように、規制部材74を外し、掘削プレート32をチェーン88の吊り下げで行う。規制部材74に掘削プレート32が保持されている時は、掘削プレート32の面方向は畦16に沿って平行に位置決めされるが、規制部材74を外すことで、掘削プレート32とブレーカアタッチメント30の間にはチェーン88のみとなり、チェーン88の取り付け位置をブレーカアタッチメント30の正面側と背面側に付け替えて、掘削プレート32の面方向を変更することができる。これにより、例えば、ほ場12のコーナー部で、畦16と直角に交差する他の畦16に沿って、溝26に交差する溝26aを連続して形成することができる。
また、規制部材74を外すことで、土表面に対して斜め方向に打ち込むこともできる。例えば上空架線等が支障となり等垂直からの打ち込み作業ができない場合に、掘削プレート32を傾けて畦16に下ろし、バックホウ28で障害物を避けながら斜め方向から打ち込み、溝26を形成することができる。規制部材74を用いない場合、ロッド52で正確に掘削プレート32の同じ場所を叩くことが難しく、掘削プレート32をブレーカアタッチメント30により揺らして溝26の幅を広げる際の操作性は低下するが、短距離であれば規制部材74が無くても支障なく溝26を形成することができる。
この実施形態の施工装置27と畦防水壁10の施工方法によれば、畦16の形状を維持したまま、任意の大きさの畦防水壁10を形成することができ、簡単で確実に、ほ場12に隣接する低いほ場14への水漏れを防ぐものである。そして、耐久性を有する施工装置27により長時間の施工作業が可能である。長時間の施工作業が可能なことから、長距離にわたって畦防水壁10を施工することができる。油圧式打ち込み装置のロッド52が当接する当接板56と、当接板56が板本体34に対して移動することを防ぐ支持部材はシンプルな構造であり、ボルト68とナット70で板本体34に取り付けて組み立てることができ、破損しにくい。万一破損しても、破損した部品のみを交換して使用することができる。土中の灌漑水18や雨水の漏れを効果的にせき止め、ほ場12の灌漑水18を保持することができ、水の流れによる畦16の崩壊も防ぐ。また、ほ場12の保水能力を向上させ、水田管理の省力化及ぶ収穫量を維持することができる。溝26の掘削工程では、柔らかい土で形成された畦16に、任意の深さで均一な幅の溝26を簡単に掘削することができ、掘削する際に畦16自体の変形がなく、大規模な補修作業が不要である。固い地盤や転石等の悪条件下においても溝26を容易に形成することができ、漏水防止材料11の投入工程も容易である。また畦防水壁10の施工期間が短くて安価であり、軽敏な工事である。そして、継続的で確実な漏水防止効果を有するものである。漏水防止材料11に使用するベントナイト13は、安価で無害、自然劣化が無く、高い遮水効果を有し、環境に与える影響も小さい。稲作に与える影響がなく、安全である。
掘削プレート32は、板本体34の上面34bに、鉄合金で作られた強度が高い当接板56が設置され、当接板56がブレーカアタッチメント30のロッド52の打撃を受けるために耐久性が高い。これにより、掘削プレート32は、板本体34が薄く樹脂板36を両面に取り付けたものでありながら長寿命化を図ることができる。面方向支持部材58と板本体34は、ボルト68で固定されているが、面方向支持部材58に形成されたボルト用の挿通孔64と、板本体34の取付孔50は、上下方向に長い長丸で形成されているため、面方向支持部材58と板本体34は、取付状態で互いの位置が相対的に移動可能に形成され、ロッド52による打撃を受けてもボルト68にせん断力が加えられることが無く、破損を防止することができる。さらに、当接板56と面方向支持部材58も、溶接等により連結されていないため、ロッド52による打撃を受けても互いにずれることができ、破損することが無い。さらに、当接板56と板本体34の間には、衝撃吸収部材51,72が設けられ、打撃音の吸収と、板本体34と当接板56との間に衝撃の吸収を図ることができ、板本体34と当接板56の破損も防止する。当接板56には、交差方向支持部材53と面方向支持部材58が対面して水平方向を囲まれ、上方にはナット70が対面し、衝撃により互いにずれることはできるが、大きく移動することを防ぐ。
板本体34には樹脂板36が取り付けられ、土が付着しないため、溝26から掘削プレート32を引き上げる時や、掘削プレート32を揺らして溝26の内壁に押し付ける際の操作性が良好である。樹脂板36は、板本体34の両面に取り付けられ、両面とも耕土20が付着することがない。板本体34は、両面にリブ44が設けられて補強され、強度が高く、リブ44以外の部分を薄くしても十分な強度が得られ、軽量化することができ、漏水防止材料11の投入量の削減も図ることができる。リブ44による段差に土が付着しやすくなるが、板本体34に樹脂板36を取り付けることで段差を小さくすることができる。樹脂板36は、一対の雄ネジ皿ボルト47と雌ネジ付特殊皿ボルト49で板本体34に確実に取り付けられ、樹脂板36の表面に凹凸がなく、この点からも土がつかず、また他部材に引っ掛かることが無く、安全である。
ブレーカアタッチメント30には規制部材74が取り付けられ、掘削プレート32をコの字形に覆い、ロッド52が正確に当接板56の中心部に当たるように位置決めされる。また規制部材74により、ブレーカアタッチメント30を揺らして、掘削プレート32を溝26の内壁に押し付ける時の操作性が良い。規制部材74を外すと、掘削プレート32はブレーカアタッチメント30にチェーン88で吊り下げられただけとなり、作業者により簡単に掘削プレート32の向きを容易に変えることができ、バックホウ28の方向転換をすることなく溝26の方向を変えることができ、自由度が高い。その他、投入器90を用い、その取出口94に開閉バルブ開閉バルブ98が設けられているので、投入量を容易に調節することができる。
なお、この発明の畦防水壁の施工方法と畦防水壁の施工装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、漏水防止材料の材料は、ベントナイトと他の材料を混合したものでも良く、ベントナイト以外のものでも良い。ブレーカアタッチメント以外の油圧式打ち込み装置である油圧式バイブロハンマーを利用することもできる。掘削プレートに、バックホウのオペレータが掘削プレートの垂直を確認するための基準棒等を設けても良い。掘削プレートの大きさは適宜変更可能であり、面方向支持部材の形状や大きさ、板本体と当接板カバーの間に入れる衝撃吸収部材の材料や形状も適宜変更可能である。また、掘削プレートを油圧式打ち込み装置に吊り下げる吊り下げ部材は、ワイヤやチェーン以外でも良い。畦防水壁を形成する位置は畦の法面以外でも良く、畦の頂部や畦の端部でも良い。また、畦以外に池の周囲等、どこに設けてもよい。衝撃吸収部材は、不要であれば1つでも良い。
10 畦防水壁
12,14 ほ場
16 畦
26 溝
28 バックホウ
30 ブレーカアタッチメント
32 掘削プレート
34 板本体
34a 正面
34b 上面
34f 背面
48 取付突起
50 取付孔
51,72 衝撃吸収部材
52 ロッド
53 交差方向支持部材
56 当接板
58 面方向支持部材
60 内側板
62 外側板
62a 下端縁
62c 上端縁
64,66 挿通孔
68 ボルト
70 ナット
88 チェーン

Claims (4)

  1. バックホウの油圧式打ち込み装置に取り付けられ、地面に打ち込むことにより前記地面に溝を形成する掘削プレートを備えた畦防水壁の施工装置であり、
    前記掘削プレートは、一定の厚みを有する金属製の板本体が設けられ、前記板本体は、正面と背面が地面に対して起立状態となるように保持され、
    前記板本体の起立状態で上方に位置する上面には、前記油圧式打ち込み装置のロッドが当接する当接板と、前記当接板の一部に対面し前記当接板が前記板本体に対して移動することを防ぐ支持部材が設けられていることを特徴とする畦防水壁の施工装置。
  2. 前記支持部材は、前記正面と前記背面に各々取り付けられ一部が前記板本体の前記上面から上方に突出し、前記当接板の前記正面又は前記背面への移動を防ぐ面方向支持部材と、前記板本体の前記上面の両端部近傍に各々設けられ前記上面から上方に突出し、前記当接板の前記正面と前記背面に交差する略水平な方向への移動を防ぐ交差方向支持部材と、前記面方向支持部材の上端縁近傍に取り付けられ前記当接板の上面に対面し、前記当接板の上方向への移動を防ぐ上方向支持部材が設けられている請求項1記載の畦防水壁の施工装置。
  3. 前記当接板は鋼材で作られ、前記当接板は、前記板本体の前記上面に衝撃吸収部材を介して載置されている請求項1記載の畦防水壁の施工装置。
  4. 前記板本体の上面の、面方向に対して平行な長手方向の両端部付近には、前記油圧式打ち込み装置に吊り下げる吊り下げ部材を取り付ける取付突起が各々形成され、前記一対の取付突起の間に前記交差方向支持部材が各々設けられ、前記一対の交差方向支持部材の間に前記当接板が設置され、
    前記面方向支持部材は、前記板本体の前記正面と前記背面に、面方向に対して略平行にそれぞれ取り付けられる側板であり、前記側板には、下端縁近傍と上端縁近傍にそれぞれ挿通孔が設けられ、
    前記板本体の前記上面に近い位置には取付孔が形成され、
    前記側板の下方に位置する前記挿通孔を前記板本体の前記取付孔に連通させて、ボルトとナットを取り付けて互いに連結され、前記一対の側板の上方に位置する前記挿通孔に、ボルトとナットを取り付けて互いに連結し、上方に位置する前記挿通孔に挿通された前記ボルトは前記当接板の上面に対面し前記上方向支持部材となる請求項1記載の畦防水壁の施工装置。
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