JP3871686B2 - 吸水渠施工装置及びその施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水渠施工装置及びその施工方法に関する。さらに詳しくは、農業生産活動や各種土地利用において、粘質土や泥炭土や高地下水地帯などに対する土壌改良として、土壌中の余剰水を吸水及び集水し、通水させて排除する吸水渠を構築する装置及びその方法に関する。
食糧自給率の向上と多様な農作物供給力の安定化、食の安全性確保には、優良な農地の確保と、その農地のより高い生産性を維持することが重要である。しかしながら、農業面積が限られる場合や農業面積の大部分が寒冷湿潤気候地帯である場合などは、より多くの優良な農地を確保するために、高地下水地帯などの排水条件不利な土地に改良を施し優良な農地として利用可能とする土層改良技術の確立が不可欠である。
斯かる土層改良技術、特に粘質土や泥炭土、排水不良農地の土層改良技術については、従来、次のようなものがある。
(1)無材改良技術
泥炭土や高地下水地帯に対する改良技術としては、心土破砕法や弾丸暗渠法がよく用いられる(特許文献1等)。このような疎水材等の資材を使用しない土層改良技術を「無材改良技術」と称することとする。心土破砕法や弾丸暗渠法は、牽引車の後方に破砕装置や弾丸状装置を連結して牽引することにより、心土中にて破砕装置や弾丸状装置を進行させ、それにより心土を破砕したり、心土中に通水孔すなわち吸水渠を穿設したりする施工方法である。心土破砕や弾丸暗渠等の無材改良技術は、牽引車の牽引動力のみで施工できるため、低コストでかつ緊急的な対応が可能な改良である。
(2)有材改良技術
粘質土に対する改良技術としては、心土中に縦溝状に疎水材などの高透水性通水資材を投入する有材心土改良耕法や有材心土破砕法が用いられる。このような疎水材等の資材を用いる土層改良技術を「有材改良技術」と称することとする。施工においては、例えば、適宜の掘削機械を用いて縦溝を掘削した後、当該縦溝に疎水材等の資材を充填する。近年では、平板状発砲系樹脂体を埋設した有材吸水渠や、シート等の引き込みパイプを浅層に埋設したシートパイプドレーン吸水渠が提案されてきた(特許文献2等)。吸水渠は、土壌中の余剰水を吸水及び集水し、通水させて排除するものである。その構築方法として、高透水性通水資材である疎水材や吸水管などの新資材を使用する方法の開発、これらを一貫施工又は自動埋設施工できる施工機械の開発に力がいれられている。これら資材を使用する有材改良技術は、通水空間を長期間確保できるため、改良効果が長期間持続できる
特開平5−202512号公報 特開平11−169836号公報
しかしながら、心土破砕や弾丸暗渠等による無材改良技術は、土層を破砕して通水空間を確保することで透水性を高め、これにより余剰水を排除させることから、土層の破砕程度が不十分であると効果が得られないことがある。加えて、土層の破砕部に余剰水が通水することにより土壌分散が生じるため、次第に目詰まりしていき効果が低減していく。ほとんどのものは、改良後数年で機能が消失する。特に、弾丸暗渠では、土を押し広げて土中に空洞を作るため、周辺土壌の押し戻しによる土壌崩落で吸水渠の閉塞が短期間で発生する。また、弾丸暗渠は、円錐状の弾丸を貫入させ、土壌を押し広げて円形断面の孔を成型する工法であるため、広げられた孔が土圧や押戻しにより小さくなり、施工時にできた亀裂により崩落する問題点があった。このように、心土破砕や弾丸暗渠は、低コストではあるが耐久性に劣る欠点がある。
それにも拘わらず、これら心土破砕や弾丸暗渠に代表されるような通水孔を構築する無材改良技術にはこれまで画期的な進展がなかった。土壌中の余剰水を排除する吸水渠としての通水孔を、作業機の牽引動力だけで構築する技術で実用されているものは、弾丸暗渠以外にないのが現状である。
一方、有材心土破砕や有材吸水渠では、充分な効果と耐久性が得られるが、大規模な工事となることが欠点である。すなわち、施工に先立って施工設計や計画が必要であり、緊急的な対応が困難である。加えて、施工効率も低く、高コストであり、資材の種類によっては適用できる地域が限定されるという欠点もある。
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、排水不良による不利な条件の土地に適用して優良な農地として利用可能とするために、低コスト、耐久性、高速施工性、緊急的対応性、及び高排水性を兼ね備えた土層改良技術を提供することである。
具体的には、本発明は、牽引車による牽引動力のみで実施できる土層改良技術を提供することを目的とする。従って、牽引車の後方に連結され、牽引されることにより、心土中を進行しつつ耐久性のある無材吸水渠を構築可能な吸水渠施工装置及びこれを用いた施工方法を提供することを目的とする。
さらに具体的には、心土中に形成される密閉された溝状の空洞であって、従来の有材吸水渠と同等の高い形状維持性能を有する無材吸水渠を提供することを目的とする。同時に、その溝状の空洞が十分な容積を有することにより、土壌中の余剰水を吸水及び集水並びに通水させ、排除する機能にも優れた無材吸水渠を提供することを目的とする。
本発明はまた、上記の無材吸水渠用の吸水渠施工装置が、有材吸水渠を構築するためにも転用可能であることを目的とする。
上記の目的を達成すべく、本発明は、以下の構成を提供する。
(1)請求項1に係る吸水渠施工装置は、実施形態に示す第1吸水渠施工装置又は第2吸水渠施工装置に対応する。
当該吸水渠施工装置は、牽引車に牽引され対象土壌中を進行することにより、天井面と両側壁面と底面とにより囲まれた吸水渠を対象土壌中に形成する吸水渠施工装置において、
(a)前記牽引車の後方に連結されかつ進行方向に沿って延在する装着ロッドを具備する支持フレームと、
(b)前記支持フレームの前記装着ロッドに着脱可能に装着されかつ前記牽引車による牽引に伴って対象土壌中を進行する吸水渠形成アタッチメントとを有し、該吸水渠形成アタッチメントが、
(b1)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面の位置に該当する対象土壌を切断すべく、互いに離間して配置された一対の前方カッターであって、各前方カッターの上端が前記装着ロッドに装着され、下端が前記底面の位置まで到達し、かつ前方側に切断刃を具備する、一対の前方カッターと、
(b2)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面及び前記底面を形成すべく、板状であって前記両側壁面間に亘る幅を具備し、前端が前記一対の前方カッターの下端に取り付けられ、該前端から斜め上後方へ延在し、かつ後端が前記天井面の位置又は地表まで到達する排土部材と、
(b4)対象土壌中を進行しつつ前記天井面を形成すべく、前記排土部材の後端近傍又は後面側に設けられ、かつ周囲土壌を切断、移動又は圧縮させることにより該天井面となる土蓋ブロックを成型する土蓋成型具とを有する。
(2)請求項2に係る吸水渠施工装置は、請求項1において、前記一対の前方カッターの各々の前記切断刃が垂直方向に対して斜め下後方へ45°以下の角度で傾斜していることを特徴とする。
(3)請求項3に係る吸水渠施工装置は、請求項1において、前記一対の前方カッターの前記切断刃が、該カッターの長さ方向に沿って直線状又は波形状を具備することを特徴とする。
(4)請求項4に係る吸水渠施工装置は、請求項1において、前記一対の前方カッターの互いの間隔が上方から下方に向かって次第に狭くなることを特徴とする。
(5)請求項5に係る吸水渠施工装置は、実施形態に示す第1吸水渠施工装置に対応する。
当該吸水渠施工装置は、請求項1の吸水渠施工装置において、前記排土部材の前記後端が前記天井面の位置まで到達することにより、該排土部材の進行に伴って前記底面の位置より上方に存在する土塊を、前記天井面の位置まで押し上げ可能であると共に、
前記一対の前方カッターの後方にて前記両側壁面間の中央に位置する後方カッターをさらに有し、
前記後方カッターは、その上端が前記装着ロッドに装着され、その下端が前記排土部材の前記後端へ取り付けられ、かつ前記排土部材により押し上げられた土塊を2分割すべく前方側に切断刃を具備することを特徴とする。
(6)請求項6に係る吸水渠施工装置は、請求項5において、前記排土部材において、その前半部が前方から後方へ向かって斜め上後方へ延び、かつその後半部が地表面とほぼ平行に延びることを特徴とする。
(7)請求項7に係る吸水渠施工装置は、請求項6において、進行方向に対する前記前半部の角度が45〜60度であることを特徴とする。
(8)請求項8に係る吸水渠施工装置は、請求項5において、前記土蓋成型具が、前記天井面の位置の周囲土壌を圧縮する凸部を具備することを特徴とする。
(9)請求項9に係る吸水渠施工装置は、実施形態に示す第2吸水渠施工装置に対応する。
当該吸水渠施工装置は、請求項1の吸水渠施工装置において、前記排土部材の前記後端が、地表まで到達して前記装着ロッドへ装着されることにより、該排土部材の進行に伴って前記底面の位置より上方に存在する土塊を地表まで押し上げ可能であることを特徴とする。
(10)請求項10に係る吸水渠施工装置は、請求項9において、進行方向に対する前記排土部材の角度が45〜60度であることを特徴とする。
(11)請求項11に係る吸水渠施工装置は、請求項9において、前記排土部材の後半部において、前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなる捻り部を形成されていることを特徴とする。
(12)請求項12に係る吸水渠施工装置は、請求項11において、前記捻り部の捻り角として、地表位置における前記一方の側縁から前記他方の側縁への傾斜が水平に対して45度であることを特徴とする。
(13)請求項13に係る吸水渠施工装置は、請求項9において、前記土蓋成型装置が、前記天井面の位置の周囲土壌を切断する前方刃と、切断した前記周囲土壌を通過させつつ移動又は圧縮することにより前記土蓋ブロックを成型する押圧板とを少なくとも有することを特徴とする。
(14)請求項14に係る吸水渠施工装置は、請求項13において、前記土蓋成型具が、前記土蓋ブロックの最終形状を規定する後方成型端部を有することを特徴とする。
(15)請求項15に係る吸水渠施工装置は、請求項13において、前記土蓋成型具が、前記押圧板により圧縮される前記周囲土壌を下方から支持する下方支持板を有することを特徴とする。
(16)請求項16に係る吸水渠施工装置は、請求項9において、前記排土部材の前記装着ロッドへの取付位置より後方にて該装着ロッドに装着され、地表に押し上げられた土塊を移動させ前記土蓋ブロック上に落とし込むことにより埋め戻す埋戻し板を有することを特徴とする。
(17)請求項17に係る吸水渠施工方法は、実施形態に示す第1吸水渠施工装置又は第2吸水渠施工装置による吸水渠施工方法に対応する。
当該吸水渠施工装置は、請求項1の吸水渠施工装置において、互いに離間して配置されかつ前方側に切断刃を具備する一対の前方カッターと、前記一対の前方カッターの下端から斜め上後方に延在する板状の排土部材と、前記排土部材の後端近傍又は後面側に設けられ土蓋ブロックを成型する土蓋成型具とを有する吸水渠施工装置を、対象土壌中において進行させることにより、天井面と両側壁面と底面とにより囲まれた吸水渠を対象土壌中に形成する吸水渠施工方法において、
(a)対象土壌中を進行しつつ、前記一対の前方カッターにより前記両側壁面の位置に該当する前記対象土壌を切断する第一工程と、
(b)対象土壌中を進行しつつ、前記切断された対象土壌の下端より上方に存在する土塊を、前記排土部材により前記天井面の位置又は地表まで押し上げることにより前記両側壁面及び前記底面を形成する第二工程と、
(c)対象土壌中を進行しつつ、前記押し上げられた土塊の後方に位置する周囲土壌を、前記土蓋成型具により切断、移動又は圧縮させて土蓋ブロックを成型することにより前記天井面を形成する第三工程とを有する。
(18)請求項18に係る吸水渠施工方法は、実施形態に示す第1吸水渠施工装置による吸水渠施工方法に対応する。
当該吸水渠施工方法は、請求項17の吸水渠施工方法において、前記吸水渠施工装置が、前記一対の前方カッターの後方にて前記両側壁面間の中央に位置しかつ前方側に切断刃を具備する後方カッターをさらに有し、かつ前記排土部材の前記後端が前記天井面の位置まで延在する場合、
前記第二工程において、前記土塊を前記天井面の位置まで押し上げると共に、該押し上げた土塊を前記後方カッターにより2分割することを特徴とする。
(19)請求項19に係る吸水渠施工方法は、実施形態に示す第2吸水渠施工装置による吸水渠施工方法に対応する。
当該吸水渠施工装置は、請求項17の吸水渠施工方法において、前記吸水渠施工装置の前記排土部材の前記後端が地表まで延在し、該排土部材の後半部が前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなるべく捻りを形成され、かつ該吸水渠施工装置が該排土部材より後方に埋戻し板をさらに有する場合、
前記第二工程において、前記土塊を地表まで押し上げると共に、該押し上げた土塊を前記排土部材の前記捻りに従った方向に地表で倒伏させ、かつ
前記第三工程において、前記天井面を形成した後に前記埋戻し板の進行に伴って前記地表に押し上げた土塊を移動させ前記土蓋ブロック上に落とし込むことにより埋め戻すことを特徴とする。
(20)請求項20に係る吸水渠施工装置は、実施形態に示す有材吸水渠施工装置に対応する。
当該吸水渠施工装置は、両側壁面と底面とにより囲まれた空間に疎水材を充填した吸水渠を対象土壌中に形成すべく、牽引車に牽引され対象土壌中を進行することにより該空間を掘削する吸水渠施工装置において、
(a)前記牽引車の後方に連結されかつ進行方向に沿って延在する装着ロッドを具備する支持フレームと、
(b)前記支持フレームの前記装着ロッドに着脱可能に装着されかつ前記牽引車による牽引に伴って対象土壌中を進行する吸水渠形成アタッチメントとを有し、該吸水渠形成アタッチメントが、
(b1)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面の位置に該当する対象土壌を切断すべく、互いに離間して配置された一対の前方カッターであって、各前方カッターの上端が前記装着ロッドに装着され、下端が前記底面の位置まで到達し、かつ前方側に切断刃を具備する一対の前方カッターと、
(b2)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面及び前記底面を形成すべく、板状であって前記両側壁面間に亘る幅を具備し、前端が前記一対の前方カッターの下端に取り付けられ、該前端から斜め上後方へ地表まで延在して後端が前記装着ロッドに装着される排土部材とを有し、
前記排土部材の後半部が前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなる捻りを形成されていることを特徴とする。
(21)請求項21に係る吸水渠施工方法は、実施形態に示す有材吸水渠施工装置による有材吸水渠施工方法に対応する。
当該吸水渠施工方法は、両側壁面と底面とにより囲まれかつ地表に開口した開放溝に疎水材を充填した吸水渠を対象土壌中に形成すべく、互いに離間して配置された一対の前方カッターと、前記一対の前方カッターの下端から斜め上後方へ地表まで延在する板状の排土部材とを有し、該排土部材の後半部が前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなる捻りを形成されている吸水渠施工装置を対象土壌中において進行させることにより前記開放溝を形成し、該開放溝に該疎水材を充填する吸水渠施工方法において、
(a)対象土壌中を進行しつつ、前記一対の前方カッターにより前記両側壁面の位置に該当する前記対象土壌を切断する第一工程と、
(b)対象土壌中を進行しつつ、前記切断された対象土壌の下端より上方に存在する土塊を、前記排土部材により地表まで押し上げると共に、該押し上げた土塊を前記排土部材の前記捻りに従った方向に地表にて倒伏させることにより、前記両側壁面と前記底面とにより囲まれた前記開放溝を形成する第二工程と、
(c)前記開放溝に疎水材を充填する第三工程とを有することを特徴とする
吸水渠施工方法。
本発明によれば、疎水材等の資材を全く用いることなく、牽引車の牽引動力により吸水渠施工装置を牽引するだけで、対象土壌中に密閉溝である吸水渠を構築することができる。
本発明の吸水渠施工装置の具備する吸水渠形成アタッチメント等は、対象土壌中を進行しつつ、土壌の力学的性質を有効に利用して一対の前方カッターで前方の対象土壌を切断し、続いて土塊を押上げ、さらに引き続き天井面の位置に土蓋ブロックを形成して吸水渠を完成する。このように、本発明では、対象土壌中に溝状の空洞を形成し、発生した余分な土壌を排除することにより吸水渠を構築する。従って、従来の弾丸暗渠等のように土壌の圧縮のみにより密閉溝を形成する場合と比較して、土圧による押し戻しがない。また、吸水渠の天井面に高硬度の土蓋ブロックが形成されるので、上部からの荷重にも強く、土壌の崩落が防止できる。この結果、本発明の吸水渠は、形状維持性能が高く耐久性に優れ、長期間に亘って排水機能を発揮することができる。
また、本発明の吸水渠は、縦長で十分な空間を確保できるため、従来の有材吸水渠と同等の排水効果を発揮できる。
本発明では、吸水渠施工装置の構成部品を適宜選択し、また各構成部品の取付位置を調整することにより、種々の施工条件に柔軟に対応できると共に、目的とする吸水渠の大きさ及びその位置も容易に設定し、調整できる。また、有材吸水渠の施工にも適用でき、適用範囲が広範である。
本発明により、低コストと緊急的対応が可能な高速施工を追求した無材の吸水渠による土層改良を実現でき、排水不良地を優良な農地として利用することが可能となる。
さらに、土壌や水質、植物に対する害は全くないことから、環境や農業生産への悪影響を与えることはなく、優良な農地の創出に寄与できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
(1)第1吸水渠施工装置及び第2吸水渠施工装置の選択
本発明の吸水渠施工装置は、牽引車の後方に連結されて牽引されることにより、対象土壌中を進行しつつ、吸水渠を施工する。対象土壌は、表層の作土の下層にある心土である。尚、以下の説明において単に「吸水渠」と称する場合は、本発明により心土中に構築される、縦長の長方形断面を有する密閉された溝状の空洞(密閉溝)を意味する。すなわち、密閉溝であるこの吸水渠は、天井面と両側壁面と底面とにより囲まれた水平方向に延在する空間である。これは無材吸水渠である。この吸水渠が、周囲土壌から余剰水を吸水及び集水し、通水させてその末端から排水する通水孔として機能する。
本発明は、土壌の性質及び/又は土地条件等を考慮して各構成部品を適宜選択して組み合わせることにより、基本的な構造及び機能は共通するが一部において構造及び機能の異なる2種類の吸水渠施工装置を提供する。
図1は、本発明における2種類の吸水渠施工装置の構築方法を概略的に示した分解図である。2種類の吸水渠施工装置を、それぞれ、第1吸水渠施工装置1A及び第2吸水渠施工装置1Bと称することとする。図1では、それぞれに含まれる複数の構成部品を破線で囲んで示している。牽引車の後方に連結され、牽引されることにより地表を進行する支持フレーム10は、第1及び第2吸水渠施工装置1A及び1Bの双方に共通する構成部品である。尚、本明細書では、吸水渠施工装置の進行方向を「前側」又は「前方」と称し、反対方向を「後側」又は「後方」と称することとする。
第1吸水渠施工装置1Aを構成する場合、支持フレーム10に対して着脱可能に装着される構成部品として、第1吸水渠形成アタッチメント20が選択される。第1吸水渠形成アタッチメント20には土蓋成型具26が一体的に取り付けられている。
一方、第2吸水渠施工装置1Bを構成する場合、支持フレーム10に装着される構成部品として、第2吸水渠形成アタッチメント30と、埋戻し板35と、土蓋成型具36とが選択される。第2吸水渠形成アタッチメント30及び埋戻し板35は、支持フレーム10に対して着脱可能に装着される。土蓋成型具36については、第2吸水渠形成アタッチメント30の後面側(図1において右手側)に着脱可能に取り付けられる。土蓋成型具36は、土壌条件等を考慮して形状の異なる数種類の中から選択して取り付けられる。図1には、5種類の第1〜第5土蓋成型具36a〜36eが示されている。
第1吸水渠アタッチメント20及び第2吸水渠アタッチメント30は、それぞれを支持フレーム10上の同じ取付け位置に装着可能である。
図1に示した第1及び第2吸水渠施工装置1A及び1Bの各構成部品の詳細な形状及び機能については、後述することとする。
(2)第1吸水渠施工装置及びその施工方法
図2〜図6を参照しつつ、第1吸水渠施工装置1A及びその施工方法を説明する。図2は、図1に示した支持フレーム10と、第1吸水渠形成アタッチメント20とを組合せることにより構成した第1吸水渠施工装置1Aの全体側面図である。第1吸水渠形成アタッチメント20は、支持フレーム10の後半部の下側に位置するように装着される。
第1吸水渠施工装置1A及びその施工方法の概要を説明するために、図3を参照する。図3は、第1吸水渠施工装置1Aにより対象土壌60中に吸水渠を形成する施工状況を示す概略側面図である。対象土壌60中は断面で示している。支持フレーム10は、牽引車40の後方へ連結されることにより地表60a上で牽引される。支持フレーム10の前端の連結部11a、11bが、牽引車40の後尾に設けた連結リンク41へ接続固定される。連結部11a、11bから後方へ延びる接続リンク12a等を介して装着ロッド14aが接続されている。装着ロッド14aの下側には、第1吸水渠形成アタッチメント20が装着される。装着ロッド14aは、進行方向に沿って水平に延在する棒体である。
支持フレーム10が進行方向に牽引されると、第1吸水渠形成アタッチメント20は、対象土壌60中を進行する。図3においては、第1吸水渠形成アタッチメント20の前方側の対象土壌60中には、目的とする吸水渠は未だ形成されていない。一方、第1吸水渠形成アタッチメント20の後方側の対象土壌60中には、吸水渠62が既に形成されている。第1吸水渠形成アタッチメント20は、前方側に切断刃を具備する一対の前方カッター21、22(片側の21のみ図示)を具備する。第1吸水渠形成アタッチメント20が進行するとき、一対の前方カッター21、22は対象土壌60を垂直方向に切断する。その切断深さは、目的とする吸水渠62の底面62bの位置に到達する距離である。
第1吸水渠形成アタッチメント20の前方カッター21、22の下端からは、板状の排土部材24が斜め上後方へ延在する、この排土部材24は、一対の前方カッター21、22の間に存在する土塊61をすくい上げ、押し上げる働きをする(矢印S1参照)。排土部材24の後尾は、目的とする吸水渠62の天井面62cの位置まで到達しているため、排土部材24によりすくい上げられた土塊61は、この天井面62cの位置まで押し上げられることとなる。
第1吸水渠形成アタッチメント20は、押し上げられた土塊61を垂直方向に2分割するための1本の後方カッター23を具備する。後方カッター23は、目的とする吸水渠62の幅方向中央に相当する位置に設けられる。
さらに、第1吸水渠形成アタッチメント20は、後方カッター23及び排土部材24の後端近傍に土蓋成型具26を具備する。排土部材24により押し上げられ、後方カッター23により中央で2分割された土塊61aは、さらに土蓋成型具26により上方又は斜め上方へ押圧されて圧縮され、高硬度の土蓋ブロック63aを形成する。これにより吸水渠62の形状維持性能が確保される。
図3に示した第1吸水渠施工装置1A及びその施工方法は、緊密な灰色台地土若しくは灰色低地土、中粗粒の多湿黒ボク土又は乾燥密度の高いグライ土に適している。
図4Aは、支持フレーム10のさらに詳細な構造を示す側面図である。連結部11a及び11bは、牽引車の後尾へ接続固定する際にその高さを調節できる。前端の連結部11a、11bから後方へ、上接続リンク12a及び下接続リンク12eと、接続ロッドジョイント12dを介して接続された接続ロッド12b及び12cとを具備する接続部材が延在する。
これらの接続部材12a〜12eの後端には、複数の装着ロッド調節孔13a及び13bを具備する装着ロッド連結部が設けられる。装着ロッド14aの前端は、下側の装着ロッド連結孔13bの1つに連結される。装着ロッド14aの高さを変更する場合は、別の装着ロッド連結孔13bに連結する。一方、調整シリンダ14d及びその両側の調整シリンダロッド14b及び14cは、装着ロッド調節孔13aと、装着ロッド14aの中央付近とを連結するように設けられる。調整シリンダ14dにより、装着ロッド14aの水平に対する角度を調整することができ、装着ロッド14aを水平に維持するように設定する。
装着ロッド14aの両側面には、第1吸水渠形成アタッチメント20の前方カッターの上端を取り付ける取付部15aが設けられる。これは、後述する第2吸水渠形成アタッチメント30の前方カッターを取り付ける場合も用いられる。さらに、装着ロッド14aの下面には、第1吸水渠形成アタッチメント20の後方カッターの上端を取り付ける取付部15bが設けられる。各取付部は、ピン若しくはボルト孔及び/又は適宜の取付板等から構成される。
尚、第1吸水渠形成アタッチメント20を選択した場合には、第2吸水渠形成アタッチメントの排土部材の後端を取り付ける取付部15c、並びに、第2吸水渠形成アタッチメントと共に用いる埋戻し板を取り付ける取付部15dについては、何も取り付けない。
図4Bは、第1吸水渠形成アタッチメント20のさらに詳細な構造を示す斜視図である。第1吸水渠形成アタッチメント20は、互いに離間して配置された一対の前方カッター21、22を具備する。前方カッター21、22の各々の上端は、前述の支持フレームの装着ロッド14a(破線で示す)に取り付けられる。前方カッター21、22の各々の下端は、目的とする吸水渠の底面の位置まで到達するように設定される。前方カッター21、22の側面はそれぞれ垂直面内にあり、側面同士は互いに平行である。前方カッター21、22の互いの間隔は、目的とする吸水渠の幅に相当するように設定される。この場合、形成される吸水渠の断面形状は、長方形である。
前方カッター21、22の各々の前方側には、それぞれ切断刃21a、22aが設けられる。切断刃21a、22aは、垂直方向に対して斜め下後方へ45°以下の角度θ1で傾斜している。好適には、角度θ1は、30°程度である。排水改良を必要とする粘土土壌等では、前方カッター21、22により心土を切断した際にその土壌に発生する破壊領域(切断箇所以外に波及する土壌破砕部分)が、前方カッター下端から上方向に内部摩擦角に相当する0〜30°で広がることが知られている。本発明では、前方カッター21、22は、土壌を塑性的に切断することが重要であり、切断箇所以外の部分の土壌を破壊したり乱したりしないことが望ましい。このことは、所望する形状であってかつ形状維持性能の高い吸水渠を施工するために必要である。従って、土壌破砕が発生しないように、前方カッターの角度θ1を内部摩擦角以上の0〜45度の範囲内に設定する。これにより、前方カッター21、22下端から前方に発生する土壌破砕を抑制することができる。一対の前方カッター21、22は、対象土壌中を進行しつつ、目的とする吸水渠の両側壁面に該当する位置の土壌のみを切断する。
好適には、各々の切断刃21a、22aは、カッター21、22の長さ方向に沿って直線状又は波形状に加工されている。好適には、波形状が半円を繰り返した形状である。これによっても、前方カッター21、22と土壌との摩擦を軽減して、切断箇所以外の土壌の破壊を防止する。
前方カッター21、22の下端には、板状の排土部材24の前端が取り付けられる。排土部材24は、その前端から斜め上後方へと延在する。そして排土部材24の後端は、目的とする吸水渠の天井面の位置まで到達する。排土部材24は、その長手方向全体において、目的とする吸水渠の両側壁面間に亘る幅を有している。好適には、排土部材24の前半部は前方から後方へ向かって斜め上後方へ延び、かつその後半部が地表面とほぼ平行に延びる。さらに好適には、進行方向に対する前半部の傾斜角度が45〜60度である。第1吸水渠形成アタッチメント20が対象土壌中を進行するとき、前方カッター21、22による切断箇所の間に存在する土塊は、すぐ後方に設けられた排土部材24の表面上に滑り上がり、すくい上げられる。この結果、排土部材24上に載った土塊は、排土部材24の後端の高さまで押し上げられる。
排土部材24は、例えば、骨格となる適宜の厚さの土壌押上板24aと、土壌押上板24aの下側全面に層状に貼り付けられた補強板24bと、土壌押上板24aの表面の適宜箇所に層状に貼り付けられた摩擦軽減板24cとから構成される。補強板24bは、排土部材24全体を支持し補強する。摩擦軽減板24cは、土塊の付着を防止することにより、土塊と排土部材24との間の摩擦を軽減する。これにより土塊が円滑に排土部材24上に滑り上がる。
さらに、前方カッターの後方には、1本の後方カッター23が設けられる。後方カッター23は、目的とする吸水渠の両側壁面間の中央に相当する位置に設けられる。後方カッター23の上端は装着ロッド14aに取り付けられ、下端は排土部材24の後端へ取り付けられる。第1吸水渠形成アタッチメント20が対象土壌中を進行するとき、前方カッター21、22により切断され、排土部材24により押し上げられた土塊は、後方カッター23により縦に2分割される。このとき、2分割された左右の各土塊は、後方カッター23の厚さの分だけ横方向外側へ押圧され、圧縮固定される。これによって、吸水渠の上方の土塊の硬度を増すことができ、吸水渠の形状維持性能の向上に寄与する。
またさらに、後方カッター23の下端の後面側であって排土部材24の後端近傍には、土蓋成型具26が設けられる。土蓋成型具26は、進行方向に沿って中央部が上方に突出した形状を有する。従って、第1吸水渠形成アタッチメント20が対象土壌中を進行するとき、土蓋成型具26は、後方カッター23による切断箇所を中心として土塊を上方又は斜め上方に押圧することにより圧縮する。この結果、目的とする吸水渠の天井面の位置に高硬度の土蓋ブロックが形成される。土蓋ブロックは、吸水渠の形状維持性能の向上に大きく寄与する。このようにして、第1吸水渠形成アタッチメント20により、耐久性のある吸水渠が形成される。
図4Cは、図4Bに示した第1吸水渠形成アタッチメント20の一対の前方カッター21、22をさらに詳細に示す断面図である。図4C(a)は図4BのA−A拡大断面図である。一対の前方カッター21、22の各々の切断刃21a、22aは、テーパを具備する。図4C(a)の例では、両面のテーパが付けられている。図4C(b)は別の実施例における同じくA−A拡大断面図である。図4C(b)の場合は、切断刃21a、22aのテーパが異なる向きに付けられている。但し、テーパの向きはいずれであってもよい。このように、切断刃21a、22aにテーパを付けることによっても、進行方向及び側面方向への細かい土壌破砕を防止することができる。
尚、前方カッターの切断刃21a、22aのテーパと同様に、前述の後方カッター23の切断刃23aにもテーパが付けられることが好適である。従って、排土部材24により押し上げられた土塊を後方カッター23が2分割する際にも、土壌破砕を抑制することができる。これにより、均等に2分割された土塊として土蓋ブロックの成型(圧縮)処理を行うことができる。
図4C(c)は、前方カッター21、22の別の実施例を示す図である。前方カッター21、22は、互いに平行に立設させられるが、必ずしも切断刃21a、22aの位置が横方向に揃っていなくともよい。図示の通り、前方カッター21、22の幅の範囲内で適宜の距離ΔLだけずらしてもよい。
尚、第1吸水渠形成アタッチメント20の別の実施例においては、一対の前方カッター21、22の互いの間隔が上方から下方に向かって次第に狭くなるように構成してもよい。排土部材24の幅についても、一対の前方カッター21、22の間隔に適合させて後方に向かうにつれて拡げる。この場合、形成される吸水渠の断面形状は長方形ではなく、逆台形となる。
図4Dは、図4Bに示した第1吸水渠形成アタッチメント20の土蓋成型具26をさらに詳細に示す図である。図4D(a)は、土蓋成型具26の取付け部分を示す斜視図である。図4D(b)は、同じく上面図であり、図4D(c)は同じく後面図である。土蓋成型具26は、排土部材24の後端近傍の表面側であって後方カッター23の下端の後ろ側に装着されている。土蓋成型具26は、その幅方向中央部に上方へ突出した凸部26aを具備する。この凸部26aは、目的とする吸水渠の天井面の位置の周囲土壌を上方又は斜め上方に圧縮し固定する働きをする。尚、図示の例では、土蓋成型具26の進行方向に垂直な断面形状は、後面図に示すように三角形である。この土蓋成型具26の断面形状により、目的とする吸水渠の天井面の形状が決定される。土蓋成型具26の断面形状は、図示の三角形に限られず、半円状、半楕円状等でもよい。いわゆるアーチ型と称されるものはいずれも含まれる。
図5は、第1吸水渠施工装置1Aによる施工状況を詳細に示す一部切欠き斜視断面図である。牽引車(図示せず)により牽引される支持フレームの装着ロッド14aには、第1吸水渠形成アタッチメントが装着されている。牽引されることにより、第1吸水渠形成アタッチメント20は対象土壌中を進行する。以下、対象土壌中を進行しつつ第1吸水渠形成アタッチメント20により行われる吸水渠施工方法を説明する。
一対の前方カッター21、22の切断刃21a、22aが対象土壌を縦方向に切断する。この切断箇所は、目的とする吸水渠62の両側壁面62aの位置に該当する。切断刃21a、22aは、その傾斜角度θ1が垂直方向に対して下斜め後方へ0〜45度の範囲内、好適には30度である。さらに好適には波形状に形成されテーパを付けられることにより、切断箇所以外の土壌破砕を抑制する。この結果、塑性を有した土塊61を前方の対象土壌から切り出すことができる。土塊61は、縦長の直方体ブロック状である。このことは同時に、吸水渠62の両側壁面62aが、土壌破砕を生じていない状態すなわち乱れのない状態で形成されることを意味する。この結果、本発明の吸水渠の形状維持性能の向上に寄与する。
切断刃21a、22aによる切断に続いて、切り出された土塊61全体が排土部材24上によりすくい上げられ、目的とする吸水渠62の天井面62cの位置まで押し上げられる。厳密にいえば、この時点では未だ土蓋ブロック63aが成型されていないので、最終的な天井面62cの位置よりやや下方の位置である。土塊61が押し上げられると、その分だけ土塊61の上端部分が地表60aより突出する。
排土部材24により押し上げられた土塊61は、引き続き後方カッター23により縦半分に2分割され、左右の土塊61a、61aとなる。この左右の土塊61a、61aは、後方カッター23の厚さの分だけそれぞれ左右に押圧され、両側の土壌に埋め込まれる。これによっても吸水渠の形状維持性能が高められる。
続いて、後方カッター23の後ろ側に設けた土蓋成型具26が、2分割された土塊61a、61aの下端中央部分を押圧する。これにより、左右の土塊61a、61aが上方又は斜め上方へ押圧され、結果的にさらに強く左右両側の土壌へそれぞれ押し付けられる。同時に、土塊61a、61aの下端が、土蓋成型具26の形状と同じ形状に圧縮成型される。こうして、吸水渠62の天井面62cに高硬度の土蓋ブロック63aが成型される。
一方、地表より突出した土塊61a、61aの上端部分は、後方カッター23による左右へ押し広げようとする力と、自重とにより、地表60aにおいて左右それぞれの方向へ倒伏する。地表60aに倒伏した土塊は、再び地中へ戻ることはない。この結果、吸水渠の土蓋ブロック63にかかる上方の荷重が減少する。こうして、施工が完了する。
このように、第1吸水渠施工装置による吸水渠施工方法では、対象土壌中を掘削して余分な土壌を排除して密閉溝を形成し、天井面に土蓋ブロックを成型することにより、吸水渠を完成する。この吸水渠は、対象土壌中に溝状の空洞をくり抜いたのと同じ状態である。従って、従来の弾丸暗渠等のように土壌の圧縮のみにより密閉溝を形成する場合と比較して、土圧による押し戻しがない。また、吸水渠の天井面に高硬度の土蓋ブロックが形成されるので、上部からの荷重にも強く、土壌の崩落が防止できる。この結果、本発明の吸水渠の密閉溝は耐久性に優れ、長期間に亘って排水機能を発揮することができる。
図6は、第1吸水渠施工装置を用いて吸水渠を施工した状況を模式的に示す対象土壌の切り欠き断面図である。通常、吸水渠は、作土80の下層の心土に構築される。本発明の施工方法は、例えば、先ず図6に示すように排水路71の側壁法面を始点として吸水渠62−1を施工し、これに交わるように吸水渠62−2を施工することができる。これにより、十字に交差した吸水渠62−1、62−2が構築される。
また、吸水渠62は、資材を用いないため前述の第1吸水渠施工装置を牽引するだけで施工が完了する。このように簡易かつ迅速に施工できることから、1又は複数の吸水渠の各々の配線方向並びに互いの間隔を自由に設計できる。加えて、直線状に限らず、曲線状及び蛇行状の配線も可能である。一例として、排水路71を始点として複数の吸水渠62を同一方向に平行に施工することができる。別の例として、排水路71を始点として先ず1本の吸水渠62を施工し、この1本の吸水渠62の途中から1又は複数の別の吸水渠62を分岐させるように施工することもできる。このように、多様な施工設計に対応できる。
また、既存の排水改良設備が存在する場合、例えば暗渠排水管73等が既に設置されている場合は、本発明の吸水渠62を通常の位置に施工すると、既存設備を破損するおそれがある。従って、これらの既存設備を避けることも施工条件の一つである。図4で説明したように、本発明の第1吸水渠施工装置は、支持フレームの高さを変えることで、第1吸水渠形成アタッチメントの高さを変更することができる。このことは、形成する吸水渠の底面の位置を調整できることを意味する。これにより、暗渠排水管73等よりも高い位置すなわち対象土壌中の浅い層に吸水渠62’を形成し、暗渠排水管73等の破損を回避する。
本発明の吸水渠62は、縦長の密閉溝であり、対象土壌中の比較的浅い層まで天井面が達している。従って、吸水渠62全体が吸水及び集水、通水空間となり得る。このことは、疎水材を用いた暗渠排水と同等の優れた排水性及び通水性を有することを意味する。吸水渠62内に泥土沈積物74が堆積しても、本発明の吸水渠62は、従来の暗渠排水管73のような狭い通水空間でないことから、通水阻害が発生しない。
(3)第2吸水渠施工装置及びその施工方法
図7〜図17を参照しつつ、第2吸水渠施工装置及びその施工方法を説明する。図7は、図1に示した支持フレーム10と、第2吸水渠形成アタッチメント30と、第1〜第5の土蓋成型具36a〜36eのいずれかと、埋戻し板35とを組合せることにより構成した第2吸水渠施工装置1Bの全体側面図である。第2吸水渠形成アタッチメント30は、支持フレーム10の後半部の下側に位置するように装着される。図7では、第1土蓋成型具36aが取り付けられている。
第2吸水渠施工装置1B及びその施工方法の概要を説明するために、図8を参照する。図8は、第2吸水渠施工装置1Bにより対象土壌60中に吸水渠を形成する施工状況を示す概略側面図である。対象土壌60中は断面で示している。支持フレーム10は、牽引車40の後方へ連結されることにより地表60a上で牽引される。支持フレーム10の前端の連結部11a、11bが、牽引車40の後尾に設けた連結リンク41へ接続固定される。連結部11a、11bから後方へ延びる接続リンク12a等を介して装着ロッド14aが接続されている。装着ロッド14aの下側には、第1吸水渠形成アタッチメント20が取り付けられる。装着ロッド14aは、進行方向に沿って水平に延在する棒体である。尚、牽引車40及び支持フレーム10の構造については、前述の第1吸水渠施工装置1Aを用いる場合と共通である。
支持フレーム10が進行方向に牽引されると、第2吸水渠形成アタッチメント30は、対象土壌60中を進行する。図8においては、第2吸水渠形成アタッチメント30の前方側の対象土壌60中には、目的とする吸水渠は未だ形成されていない。一方、第2吸水渠形成アタッチメント30の後方側の対象土壌60中には、吸水渠62が既に形成されている。第2吸水渠形成アタッチメント30は、前方側に切断刃を具備する一対の前方カッター31、32(片側の31のみ図示)を具備する。第2吸水渠形成アタッチメント30が進行するとき、一対の前方カッター31、32は対象土壌60を垂直方向に切断する。その切断深さは、目的とする吸水渠62の底面62bの位置に到達する距離である。尚、前方カッターの構造については、前述の第1吸水渠形成アタッチメント20と共通する。
第2吸水渠形成アタッチメント30の前方カッター31、32の下端からは、板状の排土部材34が斜め上後方へ延在する、この排土部材34は、一対の前方カッター31、32の間に存在する土塊61をすくい上げ、押し上げる働きをする(矢印S2参照)。排土部材34の後尾は、地表60aまで達しているため、排土部材34によりすくい上げられた土塊61は、地表60aまで押し上げられ、一旦完全に地表60aに排土されることとなる。土塊61が完全に排土されると、地表60aに開口した開放溝が形成される。このように、第2吸水渠施工装置においては、天井面をもつ密閉溝である吸水渠を完成する前段階として、両側壁面と底面により囲まれ地表に開口した開放溝が形成される。
図示の例では、第2吸水渠形成アタッチメント30は、排土部材34の後面側に第1土蓋成型具36aを設けている。土蓋成型具36は、目的とする吸水渠62のほぼ天井面の位置に設けられる。土蓋成型具36は、形成された開放溝に対し、目的とする吸水渠62の天井面62c近傍の周囲土壌を適宜の断面形状で切断し、切断した周囲土壌を通過させつつ移動又は圧縮することにより土蓋ブロック63aを成型する。土蓋ブロック63aの下面の一部は、目的とする吸水渠62の天井面62cを形成する。土蓋ブロック63aは圧縮されているため高硬度である。これにより吸水渠62の形状維持性能が確保される。
図8に示した第2吸水渠施工装置1Bは、軟らかい泥炭土若しくは軟らかく粘質なグライ土に適している。
図9Aは、支持フレーム10のさらに詳細な構造を示す側面図である。支持フレーム10は、図4Aに示したものと共通であるので説明を省略する。尚、第2吸水渠形成アタッチメント30を選択した場合には、装着ロッド14aの取付部15cに対して第2吸水渠形成アタッチメント30の排土部材34の後端を取り付ける。また、装着ロッド14aの取付部15dに対して埋戻し板35を取り付ける。
図9Bは、第2吸水渠形成アタッチメント30のさらに詳細な構造を示す斜視図である。第2吸水渠形成アタッチメント30は、互いに離間して配置された一対の前方カッター31、32を具備する。前方カッター31、32の各々の上端は、前述の支持フレームの装着ロッド14a(破線で示す)に装着される。前方カッター31、32の各々の下端は、目的とする吸水渠の底面の位置まで到達するように設定される。前方カッター31、32の側面はそれぞれ垂直面内にあり、側面同士は互いに平行である。前方カッター31、32の互いの間隔は、目的とする吸水渠の幅に相当するように設定される。この場合、形成される吸水渠の断面形状は、長方形である。
前方カッター31、32の各々の前方側には、それぞれ切断刃31a、32aが設けられる。切断刃31a、32aは、垂直方向に対して斜め下後方へ45°以下の角度θ1で傾斜している。好適には、角度θ1は、30°程度である。この角度θ1については、前述の第1吸水渠形成アタッチメントにおける前方カッターと同様に、切断箇所以外に土壌破砕を発生させないために設けている。一対の前方カッター31、32は、対象土壌中を進行しつつ、目的とする吸水渠の両側壁面に該当する位置の土壌のみを切断する。
前述の第1吸水渠形成アタッチメントにおける前方カッターと同様に、好適には、各々の切断刃31a、32aは、カッター31、32の長さ方向に沿って直線状又は波形状に加工されている。好適には、波形状が半円を繰り返した形状である。これによっても、前方カッター31、32と土壌との摩擦を軽減して、切断箇所以外の土壌の破壊を防止する。尚、前述の第1吸水渠形成アタッチメントにおいて図4Cを参照して説明した前方カッターの各実施例は、第2吸水渠形成アタッチメント30における前方カッター31、32にも適用可能である。
さらに、前方カッター31、32の下端には、板状の排土部材34の前端が取り付けられる。排土部材34は、その前端から斜め上後方へと延在する。そして排土部材34の後端は、地表まで到達して装着ロッド14aへ取り付けられる。好適には、排土部材34の進行方向に対する平均的な傾斜角度は、45〜60度である。排土部材34は、例えば、骨格となる適宜の厚さの土壌押上板34aと、その後面側にて幅方向中央に長手方向に沿って設けられた補強部材34bと、土壌押上板34aの表面に層状に貼り付けられた摩擦軽減板34cとから構成されている。補強部材34bは、土壌押上板34aの後面から立設しかつその両面は、垂直面内にある。補強部材34bには、長手方向に沿って複数の土蓋成型具取付部34dが設けられている。土蓋成型具取付部34dは、具体的には、ピン又はボルトの取付孔等である。複数の土蓋成型具取付部34dにより、土蓋成型具36の取付位置を調整することができる。摩擦軽減板34cは、排土部材34への土壌の付着を防止し、円滑に土塊をすくい上げ、押し上げるためのものである。
さらに好適には、排土部材34の後半部、より具体的には土壌押上板34aの後半部において、捻り部34a1が形成されている。捻り部34a1では、前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなっている。ここで、排土部材34の後半部の捻りについて、図9Cを参照しつつ詳細に説明する。
図9C(a)〜(e)は、排土部材34をそれぞれ左側面、上面、底面、前面及び後面から見た図である。図9C(a)の左側面図に示すように、後半部において捻り部34a1が設けられている(捻り方向を矢印で示す)。但し、図9C(d)〜(e)の各図に示すように、排土部材34を水平面内又は垂直面内に投射したときの幅W0は長手方向全体に亘って一定である。すなわち、排土部材34は、捻り部34a1においても目的とする吸水渠の両側壁面間に亘る幅を維持する。
図9(f)〜(h)は、それぞれ図9(b)の上面図におけるB−B拡大断面、C−C拡大断面、及びD−D拡大断面を概略的に示す図である。土壌押上板34aの前半部では、図9(f)に示すように幅方向両縁は水平であるが、後半部では、図9(g)に示すように幅方向の一方の側縁が他方の側縁より高くなる傾斜がつけられる。さらに、図9(h)に示すように後方へいくほどこの傾斜は大きくなる。好適には、この捻り部34a1の捻り角θ2として、地表位置における一方の側縁から他方の側縁への傾斜が水平に対して45度となるようにする。しかしながら、図9(h)に示すように土壌押上板34aの水平方向における幅W0は一定である。従って、傾斜方向における土壌押上板34aの実際の幅W1は、後方にいくほど拡げられている。
再び図9(B)を参照する。排土部材34の後面側に設けた土蓋成型具取付部34dには、土蓋成型具36が取り付けられる。土蓋成型具36は、土壌条件等に応じて幾つかの種類の中から選択されるが、これについては後に詳述する。
さらに、埋戻し板35が装着ロッド14aの後尾に装着される。埋戻し板35の前面35aは図示のような凹面となっている。埋戻し板35は、装着ロッド14aの軸上ではなく、排土部材34の捻り部34a1の傾斜面が向いている側に偏位して取り付けられる。また、埋戻し板35の前面35aは、進行方向前方を向いておらず、装着ロッド14aの軸側へ傾けられている。埋戻し板35の取付高さを調整できるように、取付部15dには垂直方向に複数のピン又はボルト等の取付孔が設けられる。
第2吸水渠アタッチメント30の別の実施例においては、一対の前方カッター31、32の互いの間隔が上方から下方に向かって次第に狭くなるように構成してもよい。排土部材34の幅についても、一対の前方カッター31、32の間隔に適合させて後方に向かうにつれて拡げる。この場合、形成される吸水渠の断面形状は長方形ではなく、逆台形となる。
図10は、第2吸水渠施工装置1Bによる施工状況を詳細に示す一部切欠き斜視断面図である。但し、図10では、図9Bに示した土蓋成型具36及びその機能については省略している。従って、実際の施工とは異なり吸水渠62の天井面は形成されておらず、開放溝の状態で示されている。土蓋成型具36及びその機能については、図11A〜図15において詳細に説明する。
牽引車(図示せず)により牽引される支持フレームの装着ロッド14aには、第2吸水渠形成アタッチメントが装着されている。牽引されることにより、第2吸水渠形成アタッチメント30は対象土壌中を進行する。以下、対象土壌中を進行しつつ第2吸水渠形成アタッチメント30により行われる吸水渠施工方法の一部を説明する。
一対の前方カッター31、32の切断刃31a、32aが対象土壌を縦方向に切断する。この切断箇所は、目的とする吸水渠62の両側壁面62a、62a’の位置に該当する。切断刃31a、32aは、その傾斜角度θ1が垂直方向に対して下斜め後方へ0〜45度の範囲内、好適には30度である。さらに好適には、波形状に形成されテーパを付けられることにより、切断箇所以外の土壌破砕を抑制する。この結果、塑性を有した土塊61を前方の対象土壌から切り出すことができる。土塊61は、縦長の直方体ブロック状である。このことは同時に、吸水渠62の両側壁面62a、62a’が、土壌破砕を生じていない状態すなわち乱れのない状態で形成されることを意味する。この結果、本発明の吸水渠の形状維持性能の向上に寄与する。
切断刃31a、32aによる切断に続いて、切り出された土塊61全体が排土部材34上によりすくい上げられ、排土部材34上に載って斜め上後方へ滑り上がり、地表60aまで押し上げられる。この滑り上がる途上において、土塊61は、排土部材34の捻り部34a1に対応して徐々に傾く。土塊61は、捻り部34a1の傾斜と自重により、捻り部34a1の傾斜面が向いている側の地表60aへ倒伏する。倒伏した土塊61bは、再び開放溝内に落ち込むことはない。
このように、第2吸水渠形成アタッチメント30の排土部材34は、土塊61を完全に地表に押し上げて排土することにより開放溝を形成する。従って、土圧による開放溝に対する押し戻しがなく、安定に形状が維持される。
図10では省略したが、実際には、排土部材34が開放溝を形成する一方で、排土部材34の後面に取り付けた土蓋成型具が、開放溝の周囲土壌を用いて速やかに土蓋ブロックを成型し、目的とする吸水渠62の天井面を形成する。
図1に示したように、第2吸水渠施工装置では、数種類の土蓋成型具36a〜36eのいずれかを、土層の構成やその性質により選択して用いる。例えば、対象地盤中における土蓋成型具の位置に泥炭層が存在する場合、その泥炭層が高含水比であれば第5土蓋成型具36eが好適である。一方、泥炭層が低含水比であれば第1又は第4土蓋成型具36a、36dが好適である。また、泥炭の構成が中間泥炭と高位泥炭のときは全タイプの土蓋成型具36a〜36eを適用できる。
また、対象地盤中における土蓋成型具の位置に粘質なグライ土が存在する場合、そのグライ土が高粘着性であれば第2、第3又は第5土蓋成型具36b、36c、36eが好適である。中粘着性であれば第1又は第4土蓋成型具36a、36dが好適である。
以下、各土蓋成型具について順次説明する。
図11Aは、第1土蓋成型具36aによる施工状況、並びに形成される土蓋部63を模式的に示す部分斜視図である。第1土蓋成型具36aは、排土部材34の後面側に設けた補助部材34b上の土蓋成型具取付部34dに対して取り付ける。第1土蓋成型具36aの上面に垂直に立設した取付部36a5は、例えば一対の平板からなり、ピン又はボルト通し孔が穿設されている。この一対の平板により補助部材34b上の土蓋成型具取付部34dを挟持する。そして、挟持した状態でピン又はボルトにより固定する。第1土蓋成型具36aの取付高さは、目的とする吸水渠62の天井面の位置に設定する。この取付高さは、調整可能である。
図10で述べた通り、排土部材34の進行により対象土壌中には、開放溝が形成される。この開放溝の幅は、目的とする吸水渠62の幅に相当する。
第1土蓋成型具36aは、この開放溝の周囲土壌(すなわちここでは開放溝の両側壁面の周囲土壌)を用いて土蓋部63を形成する。土蓋部63は、周囲土壌を切り出し圧縮した土蓋ブロック63aと、それにより生じた切出し空洞63bとからなる。土蓋ブロック63aの下面の一部は、目的とする吸水渠62の天井面63cとなる。
斯かる土蓋部63を形成するために、第1土蓋成型具63aは、目的とする吸水渠62の天井面の位置の周囲土壌を切断する前方刃36a1を具備する。前方刃36a1の形状は、水平部分とその両端からそれぞれ下方に延びる部分とを具備する。下方に延びる部分同士の間隔は開放溝の幅より広い。従って、前方刃36a1は、開放溝の両側壁面より外側へ突出している。
斯かる前方刃36a1により切り出された周囲土壌は、前方刃36a1から後方へ延びる押圧板36a2に囲まれた空間内を通過させられる。押圧板36a2は、その前端が前方刃36a1であり後方へいくに従って両側の角部の丸みが大きくなる。つまり、押圧板36a2の囲む空間の断面積は、後方にいくに従って縮小していく。この結果、この押圧板36a2内を通過していく周囲土壌は次第に中央へ向かって押圧され、圧縮される。最終的には、押圧板36a2の後端である後方成型端部36a3のアーチ形状に圧縮成型される。このように、後方成型端部36a3は、土蓋ブロック63aの最終形状を規定する。
一方、押圧板36a2の下方には、上に凸の半円柱又は半楕円柱状の下方支持板36a4が設けられている。この下方支持板36a4は、押圧板36a2により押圧される周囲土壌を下方から支持する。この下方支持板36a4により、吸水渠62の天井面62cが形成される。
こうして形成された土蓋部63の土蓋ブロック63aは、圧縮されているため高硬度であり、形状維持性能に優れた吸水渠62の天井面62cとなる。周囲土壌の圧縮程度は、前方刃36a1と後方成型端部36a3のそれぞれの囲む面積同士の差に進行方向への移動距離を掛けた体積、すなわち切出し空洞63bの体積の大きさにより評価できる。つまり、切出し空洞63bの体積だけ周囲土壌が圧縮されたことになる。また、アーチ形状であることも力学的な安定性に寄与する。また後述するように、土蓋部63の上方に残された上方開放空間64を埋め戻す際にも崩落することなく、埋め戻される土塊の荷重を支持して吸水渠62の密閉溝を確保する。
図11Bは、第1土蓋成型具36aの構造を詳細に示す図である。図11(a)は斜視図、図11(b)は、図11(a)に示した前面、後面、上面、底面、右側面及び左側面図である。
図12Aは、第2土蓋成型具36bによる施工状況、並びに形成される土蓋部63を模式的に示す部分斜視図である。排土部材34への取付部36b5については、前述の第1土蓋成型具36aと同様である。第2土蓋成形具36bの前方刃36b1は、開放溝の片側壁面62aから外側へ水平に延びる部分とその先端から下方へ延びる部分とを具備する。この前方刃36b1により、片側壁面62aから外側に存在する正方形断面の周囲土壌を切り出す。前方刃36b1から後方に延びる押圧板36b2は上面と1つの側面を具備する。押圧板36b2の上面は後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜する略菱形であり、その側面もまた後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜する三角形である。
この押圧板36b2内を通過する周囲土壌は、最終的には開放溝の他方の壁面62a’まで寄せられ、図示のような形状の土蓋ブロック63aとなる。この場合も土蓋ブロック63aは、切出し空洞63bの体積分だけ圧縮されている。
図12Bは、第2土蓋成形具36bの構造を詳細に示す図である。図12(a)は斜視図、図12(b)は、図12(a)に示した前面、後面、上面、底面、右側面及び左側面図である。
図13Aは、第3土蓋成形具36cによる施工状況、並びに形成される土蓋部63を模式的に示す部分斜視図である。排土部材34への取付部36b5については、前述の土蓋成型具36aと同様である。第3土蓋成形具36cの前方刃36c1は、開放溝の片側壁面62aから外側へ水平に延びる部分とその先端から斜め下方へ延びる部分とを具備する。この前方刃36c1により、片側壁面62aから外側に存在する逆台形断面の周囲土壌を切り出す。前方刃36c1から後方に延びる押圧板36c2は上面と1つの側面を具備する。押圧板36c2の上面は後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜する略菱形であり、その側面もまた後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜する三角形である。
この押圧板36c2内を通過する周囲土壌は、最終的には開放溝の他方の壁面62a’まで寄せられ、図示のような形状の土蓋ブロック63aとなる。この場合も土蓋ブロック63aは、切出し空洞63bの体積分だけ圧縮されている。
図13Bは、第3土蓋成形具36cの構造を詳細に示す図である。図12(a)は斜視図、図12(b)は、図12(a)に示した前面、後面、上面、底面、右側面及び左側面図である。
図14Aは、第4土蓋成形具36dによる施工状況、並びに形成される土蓋部63を模式的に示す部分斜視図である。排土部材34への取付部36d5については、前述の土蓋成型具36aと同様である。第4土蓋成形具36dの前方刃36d1は、開放溝の片側壁面62aから外側へ水平に延びる上下一対の部分と、その先端同士を結ぶ垂直部分とを具備する。この前方刃36d1により、片側壁面62aから外側に存在する横長長方形断面の周囲土壌を切り出す。また、第4土蓋成形具36dは、他方の壁面62a’より外側へ突出した側面突出部36d4を具備する。この側面突出部36d4は、他方の壁面62a’を外側へ押圧し、この部分の開放溝の幅を若干拡げることにより土蓋ブロック埋設溝63dを形成する。前方刃36d1から後方に延びる押圧板36d2は上面と両側面とを具備する。押圧板36d2の上面の一側縁は、後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜している。また、押圧板36d2の側面もまた後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜している。
この押圧板36d2内を通過する周囲土壌は、水平移動させられつつ圧縮され、最終的には開放溝の他方の壁面62a’に形成された土蓋ブロック埋設溝63dの中に押し込まれる。そして、図示のような形状の土蓋ブロック63aとなる。この場合も土蓋ブロック63aは、切出し空洞63bの体積分だけ圧縮されている。
図14Bは、第4土蓋成形具36dの構造を詳細に示す図である。図14(a)は斜視図、図14(b)は、図14(a)に示した前面、後面、上面、底面、右側面及び左側面図である。
以上の第1〜第4土蓋成型具36a〜36dによれば、排土部材34により形成された開放溝に対し、その両側壁面の周囲土壌を切断、移動及び/又は圧縮することにより、目的とする吸水渠62の天井面の位置に土蓋ブロック63aを形成する。これにより、密閉溝である吸水渠62となる。
図15は、第5土蓋成形具36eによる施工状況、並びに形成される密閉溝である吸水渠62を模式的に示す部分斜視図である。第5土蓋成形具36eは、前述の土蓋成型具36a〜36dとは密閉溝の形成方法が異なる。排土部材34への取付部36e5については、前述の土蓋成型具36aと同様である。第5土蓋成形具36eの前方刃36e1は、開放溝の片側壁面62aから外側へ水平に延びる部分と、その先端から下方へ延びて吸水渠62の底面の位置まで達する部分とを具備する。この前方刃36e1により、片側壁面62aより外側に存在する縦長長方形断面の周囲土壌を切り出す。前方刃36e1から後方に延びる押圧板36e2は上面と1つの側面とを具備する。押圧板36e2の上面の一側縁は、後方へいくにつれて傾斜して開放溝の他方の壁面62a’まで達している。また、押圧板36e2の側面もまた後方へいくにつれて開放溝の方へ傾斜しているが、開放溝の片側壁面62aまでは達していない。
この押圧板36e2内を通過する周囲土壌は、水平移動させられつつ圧縮され、最終的には、開放溝の他方の壁面62a’に押し付けられ、土蓋ブロック63a’となる。そして、切出し空洞63b’が、新たな密閉溝として形成される。この場合は、新たな密閉溝が吸水渠62となる。第5土蓋成形具36eを用いる場合は、排土部材34により形成された元の開放溝は、水平移動した土蓋ブロック63a’により塞がれ、切出し空洞63b’が吸水渠62となる。この場合、厳密には「土蓋」と称するのは適切ではないが、便宜上このように称することとする。
これらの第1〜第5土蓋成型具36a〜36eのいずれかを土壌条件やほ場条件により選択することで、対象土壌中に崩落しにくい土蓋部63が成型される。
図16は、土蓋部63の上方に残された上方開放空間64の埋戻し工程を模式的に示す断面斜視図である。上方開放空間64の埋戻しには、地表に排土され倒伏した土塊61bを用いた埋戻し工程について説明する。第2吸水渠施工装置1Bの支持フレームの装着ロッド14aの後尾には、埋戻し板35が装着されている。埋戻し板35は、倒伏した土塊61bの存在する側に位置し、その湾曲した前面が上方開放空間64の方へ向けられている。従って、第2吸水渠施工装置1Bの進行に伴って、埋戻し板35は、土塊61bの一部を上方開放空間64の方へ掻き寄せ、落とし込む。こうして、施工を完了する。
このように、第2吸水渠施工装置による吸水渠施工方法では、対象土壌中を掘削し土壌を排除して開放溝を形成し、天井面となる位置に土蓋ブロックを成型して密閉溝を形成した後、上方開放空間を埋めることにより、吸水渠を完成する。この吸水渠は、対象土壌中に溝状の空洞をくり抜いたのと同じ状態である。従って、従来の弾丸暗渠等のように土壌の圧縮のみにより密閉溝を形成する場合と比較して、土圧による押し戻しがない。また、吸水渠の天井面に高硬度の土蓋ブロックが形成されるので、上部からの荷重にも強く、土壌の崩落が防止できる。この結果、本発明の吸水渠の密閉溝は耐久性に優れ、長期間に亘って排水機能を発揮することができる。
図17は、第2吸水渠施工装置を用いて吸水渠を施工した状況を模式的に示す対象土壌の切り欠き断面図である。通常、吸水渠は、作土80の下層の心土に構築される。本発明の施工方法は、例えば、先ず図17に示すように排水路71の側壁法面を始点として吸水渠62−1を施工し、これに交わるように吸水渠62−2を施工することができる。これにより、十字に交差した吸水渠62−1、62−2が構築される。
また、吸水渠62は、資材を用いないため前述の第2吸水渠施工装置を牽引するだけで施工が完了する。このように簡易かつ迅速に施工できることから、1又は複数の吸水渠の各々の配線方向並びに互いの間隔を自由に設計できる。加えて、直線状に限らず、曲線状及び蛇行状の配線も可能である。一例として、排水路71を始点として複数の吸水渠62を同一方向に平行に施工することができる。別の例として、排水路71を始点として先ず1本の吸水渠62を施工し、この1本の吸水渠62の途中から1又は複数の別の吸水渠62を分岐させるように施工することもできる。このように、多様な施工設計に対応できる。
また、既存の排水改良設備が存在する場合、例えば暗渠排水管73等が既に設置されている場合は、本発明の吸水渠62を通常の位置に施工すると、既存設備を破損するおそれがある。従って、これらの既存設備を避けることも施工条件の一つである。図4で説明したように、本発明の第1吸水渠施工装置は、支持フレームの高さを変えることで、第1吸水渠形成アタッチメントの高さを変更することができる。このことは、形成する吸水渠の底面の位置を調整できることを意味する。これにより、暗渠排水管73等よりも高い位置すなわち対象土壌中の浅い層に吸水渠62’を形成し、暗渠排水管73等の破損を回避する。
さらに、第2吸水渠形成アタッチメントへの土蓋成型具の取付位置を変えることで、吸水渠の天井面の高さを変更することができる。このようにして、通常より天井面の低い吸水渠62”を形成することもできる。
本発明の吸水渠62は、縦長の密閉溝であるので、対象土壌中の比較的浅い層まで天井面が達している。従って、吸水渠62全体が吸水及び集水、通水空間となり得る。このことは、疎水材を用いた暗渠排水と同等の優れた排水性及び通水性を有することを意味する。吸水渠62内に泥土沈積物74が堆積しても、本発明の吸水渠62は、従来の暗渠排水管73のような狭い通水空間でないことから、通水阻害が発生しない。
(4)有材吸水渠施工装置及びその渠施工方法
図18は、図1に示した支持フレーム10と、第2吸水渠形成アタッチメント30とを組合せることにより構築した有材吸水渠施工装置1Cにより、対象土壌60中に有材吸水渠72を形成する施工状況を示す概略側面図である。対象土壌60中は断面で示している。
有材吸水渠施工装置1Cは、支持フレーム10の装着ロッド14aに第2吸水渠アタッチメント30のみを装着することにより構成される。土蓋成型具及び埋戻し板は装着しない。
施工状況は、次の通りである。支持フレーム10が進行方向に牽引されると、第2吸水渠形成アタッチメント30は、対象土壌60中を進行する。第2吸水渠形成アタッチメント30が進行するとき、一対の前方カッター31、32が対象土壌60を垂直方向に切断する。その切断深さは、目的とする有材吸水渠72の底面の位置に到達する距離である。
排土部材34は、一対の前方カッター31、32の間に存在する土塊61をすくい上げ、地表まで押し上げる。排土部材34の後尾は、地表60aまで達しているため、排土部材34によりすくい上げられた土塊61は、地表60aまで押し上げられ、完全に地表60aに排土される。土塊61が完全に排土されたとき、両側壁面と底面により囲まれ地表に開口した開放溝が形成される。
この開放溝に疎水材75を投入し、充填することにより有材吸水渠72の施工を完了する。疎水材75は透水性の良好な材料である。投入は、機械又は人力のいずれによって行ってもよい。
以下に、本発明の実施例及び比較例を示す。尚、説明の便宜のために、図面に用いた符号を用いる場合がある。
表1は、本発明の吸水渠施工装置1A及び1Bによる吸水渠の試験施工の結果を示す。
土壌条件:表層腐食質灰色台地土
試験場所:北海道訓子府町内の北海道立北見農業試験場草地ほ場
Figure 0003871686
表2は、目的とする吸水渠の設計寸法に基づく各吸水渠施工装置の設定条件を示す。
Figure 0003871686
「吸水渠(密閉溝)の成型性」
施工試験の結果、土性が下層土でやや粗粒になる傾向でかつ堅密な土壌条件にもかかわらず、吸水渠施工装置1A及び1Bのいずれも適正に吸水渠を構築できた。特に、一対の前方カッターによる前方と側方への土壌破砕はなく、土壌の内部摩擦による破砕を抑制しながら切断掘削が行えた。詳細な観察によると、前方カッターの角度θ1は、土を上から抑えるべく機能していた。加えて、前方カッターの切断刃が、半円形の波状であることにより、前方カッターの進行に伴って土壌が切断刃の半円下方に押し込まれながら切断されていた。これらにより、土壌破砕は発生しなかった。また、切断された土塊は、一対の前方カッターの間を通過するときに多少圧縮されることにより、吸水渠の両側壁面を擦ることなく排土部材により上方へ押し上げられた。
表3は、構築された吸水渠の形状を示す。吸水渠の幅については、表2の設計寸法15cmに対し、実寸法14cmと、ほぼ計画通りであった。吸水渠の深さ(底面の位置)、吸水渠の高さ(底面から天井面までの距離)、埋戻しの深さもほぼ適正であった。
Figure 0003871686
「第1吸水渠施工装置1Aの後方カッターの成型性」
第1吸水渠施工装置1Aの後方カッターは、前方からきた土塊を下方向に抑えつつ縦方向に2分割し、きれいに成型した。2分割された土塊は、後方カッターの側面を流れるように後方へ移動し、開放溝の両側壁面へそれぞれ付着し固定されていた。2分割された土塊の両側壁面への付着性は、表1に示した腐植が多い表層土と次層土で特に強かった。このとき、土塊と壁との境界が見分けられないほど強く付着していた。このことから、第1吸水渠施工装置1Aを用いた施工方法は、多腐植土壌での適性が高い傾向にあると云える。
「各形状の土蓋成型具の成型性」
表4は、第2吸水渠施工装置1Bに取り付ける各形状の土蓋成型具について施工試験を行った結果を示す。第1及び第2土蓋成型具36a及び36bについては、表5に示した土壌条件の北海道美唄市の泥炭土ほ場における施工試験の結果も加える。
堅密かつやや粘質な灰色台地土においては、第1及び第3土蓋成型具36a及び36cが、最もきれいな土蓋部を成型することができた。第4土蓋成形具36dは、堅密な土壌では抵抗が大きい傾向があるが、土蓋部の成型は可能であった。第2及び第5土蓋成形具36b及び36eは、第1及び第3土蓋成形具36a及び36cには劣るものの、問題なく土蓋部を成型できた。
また、泥炭土では、第1土蓋成形具36aにより泥炭の周囲土壌が切り出され、通過させられて、アーチ状の土蓋ブロックが成型された。第2土蓋成形具36bでも問題なく土蓋部を成型できた。
Figure 0003871686
Figure 0003871686
上記の試験施工の結果、第1吸水渠施工装置1A及び第2吸水渠施工装置1Bのいずれも、表1に示した灰色台地土の土壌条件を有する北海道立北見農業試験場草地ほ場内において、吸水渠を構築できた。
「施工効率」
適正に施工を行った際の施工効率は、1時間当たり平均3.2kmであった。この施工効率は、従来の心土破砕や弾丸暗渠と同等である。また、従来の有材吸水渠の施工において開放溝を形成するバックホー掘削及びトレンチャー掘削の掘削だけの施工効率と比較しても10倍〜20倍の施工効率である。
本発明の吸水渠施工装置による施工効果を評価するために、表1に示したほ場の地中に構築した吸水渠周辺の土壌水分分布を測定した。測定には、TDR法による土壌水分計を用い、10cm間隔で測定した。図19は、その結果を示す土壌水分分布図である。また、図20は、吸水渠周辺の吸水性に関して、フォートランによる二次元有限要素法を用いた水移動のコンピュータシミュレーション解析を行い、体積含水率による土壌水分分布の時間変化を導出した結果を示すグラフである。
図19は、降雨後1週間経過時の吸水渠周辺の土壌水分分布の測定結果である。この結果から、余剰水の流れ及び土壌の乾燥過程について検討した。土壌水分分布は、地表面から吸水渠周辺までが低水分で、心土中では吸水渠から離れるほど高水分となっていた。このことから、降雨による余剰水が土層全体を飽和した後、吸水渠周辺と吸水渠に近い作土の余剰水の大部分が吸水渠へ移動していると推察された。また、本発明の吸水渠は、従来の弾丸暗渠に比べ圧倒的に容積が大きいため、吸水渠周辺の土壌水分は広い範囲で低下しやすいと考えられた。
図20のコンピュータシミュレーション解析によると、吸水渠による排水処理においては、排水開始後の早い段階で吸水渠周辺から排水が始まり、表層の水分も吸水渠に引き込まれる傾向が見られた。また、吸水渠の容積が大きいことから、土壌水分の低下が明らかに土層全体へ影響していることがうかがえた。この傾向は、排水初期に顕著で、排水開始後192時間が経過しても現れていた。この土壌水分分布変化の様子は、図19に示した実際の土壌水分分布と近似していることから、実際の吸水渠の排水過程もまたコンピュータシミュレーション解析結果の通りであると判断された。
「吸水渠の耐久性」
従来の弾丸暗渠は、円錐状の弾丸を貫入させ、土壌を押し広げて円形断面の孔を成型する工法であるため、広げられた孔が土圧や押戻しにより小さくなり、施工時にできた亀裂により崩落する問題点があった。一方、本発明の吸水渠施工装置により構築された吸水渠は、発生した余分な土壌を排除するため、溝状の空洞をくり抜いたのと同じ状態である。実施例の吸水渠の観察結果から、土壌圧縮が少なく、土の押戻しや吸水渠周辺の亀裂を少なくでき、密閉溝の形状が維持されやすく耐久性に優れていることが確認された。
[比較例1]
「施工効率」
通常の有材吸水渠を施工する場合、開放溝を掘削する掘削効率は、バックホー掘削が1時間当たり140m、トレンチャー掘削が1時間当たり240mである。これは、本発明の吸水渠施工装置の施工効率の1/10〜1/20と極めて低い施工効率である。この比較結果から、本発明の吸水渠施工装置の施工効率は高く、緊急的に排水改良が必要になった時にも対応が可能となる。
[比較例2]
本発明の吸水渠周辺の吸水性と、従来の弾丸暗渠周辺の吸水性とを比較するため、弾丸暗渠についても同様にフォートランによる二次元有限要素法での水移動のコンピュータシミュレーション解析を行った。その解析結果を図21に示す。弾丸暗渠による排水処理では、排水開始後に通水孔周辺で排水が見られるものの、その影響範囲は図20に示した本発明の吸水渠に比べ圧倒的に狭く、長期間にわたって図20の排水状況には追いつかなかった。
以上のことから、本発明により構築された吸水渠は、その縦長の空洞形状と容積の大きさゆえに、従来の弾丸暗渠又はそれに類似する土戻しの暗渠排水以上の排水効果が期待できることが明らかになった。
本発明における2種類の吸水渠施工装置の構築方法を概略的に示した分解図である。 本発明の第1吸水渠施工装置の全体側面図である。 第1吸水渠施工装置により対象土壌中に吸水渠を形成する施工状況を示す概略側面図である。 図1に示した支持フレームのさらに詳細な構造を示す側面図である。 第1吸水渠形成アタッチメントのさらに詳細な構造を示す斜視図である。 図4Bに示した第1吸水渠形成アタッチメント一対の前方カッターをさらに詳細に示す断面図である。(a)は図4BのA−A拡大断面図である。(b)は別の実施例における同じくA−A拡大断面図である。(c)は、前方カッターの別の実施例を示す図である。 図4Bに示した第1吸水渠形成アタッチメントの土蓋成型具をさらに詳細に示す図である。 第1吸水渠施工装置による施工状況を詳細に示す一部切欠き斜視断面図である。 第1吸水渠施工装置を用いて吸水渠を施工した状況を模式的に示す対象土壌の切り欠き断面図である。 本発明の第2吸水渠施工装置の全体側面図である。 第2吸水渠施工装置により対象土壌中に吸水渠を形成する施工状況を示す概略側面図である。 支持フレームのさらに詳細な構造を示す側面図である。 第2吸水渠形成アタッチメントのさらに詳細な構造を示す斜視図である。 (a)〜(e)は、排土部材34をそれぞれ左側面、上面、底面、前面及び後面から見た図である。(f)〜(h)は、それぞれ(b)の上面図におけるB−B拡大断面、C−C拡大断面、及びD−D拡大断面を概略的に示す図である。 第2吸水渠施工装置1Bによる施工状況を詳細に示す一部切欠き斜視断面図である。 第1土蓋成型具及びこれにより形成される土蓋部を模式的に示す部分斜視図である。 第1土蓋成型具の構造を詳細に示す図である。 第2土蓋成型具及びこれにより形成される土蓋部を模式的に示す部分斜視図である。 第2土蓋成型具の構造を詳細に示す図である。 第3土蓋成型具及びこれにより形成される土蓋部を模式的に示す部分斜視図である。 第3土蓋成型具の構造を詳細に示す図である。 第3土蓋成型具及びこれにより形成される土蓋部を模式的に示す部分斜視図である。 第4土蓋成型具の構造を詳細に示す図である。 第5土蓋成型具及びこれにより形成される土蓋部を模式的に示す部分斜視図である。 上方開放空間の埋戻し工程を模式的に示す断面斜視図である。 第2吸水渠施工装置を用いて吸水渠を施工した状況を模式的に示す対象土壌の切り欠き断面図である。 有材吸水渠施工装置により、対象土壌中に有材吸水渠を形成する施工状況を示す概略側面図である。 この発明の切断掘削吸水渠の排水効果を示す土壌の断面図である。 この発明の切断掘削吸水渠の排水効果をコンピュータシミュレーションにより示す土壌の断面図である。 この発明の比較として弾丸暗渠の排水効果をコンピュータシミュレーションにより示す土壌の断面図である。
符号の説明
1A 第1吸水渠施工装置
1B 第2吸水渠施工装置
1C 有材吸水渠施工装置
10 支持フレーム
11a、11b 連結部
12a 上接続リンク
12b、12c 接続ロッド
12d 接続ロッドジョイント
12e 下接続リンク
13a、13b 装着ロッド高さ調整孔
14a 装着ロッド
14b、14c 調整シリンダロッド
14d 調整シリンダ
15a 前方カッター取付部
15b 後方カッター取付部
15c 排土部材取付部
15d 埋戻し板取付部
20 第1吸水渠形成アタッチメント
21、22 前方カッター
21a、22a 切断刃
23 後方カッター
23a 切断刃
24 排土部材
24a 土壌押上板
24b 補強板
24c 摩擦軽減板
26 土蓋成型具
26a 凸部
30 第2吸水渠形成アタッチメント
31、32 前方カッター
31a、32a 前方カッター刃部
34 排土部材
34a 土壌押上板
34a1 捻り部
34b 補強部材
34c 摩擦軽減板
34d 土蓋成型具取付部
35 埋戻し板
35a 前面
36 土蓋成型具
36a 第1土蓋成型具
36a4 下方支持板
36b 第2土蓋成型具
36c 第3土蓋成型具
36d 第4土蓋成型具
36d4 側面突出部
36e 第5土蓋成型具
36a1、36b1、36c1、36d1、36e1 前方刃
36a2、36b2、36c2、36d2、36e2 押圧板
36a3、36b3、36c3、36d3、36e3 後方成型端部
36a5、36b5、36c5、36d5、36e5 取付部
40 牽引車
41 連結リンク
60 対象土壌
60a 土壌表面
61 土塊
61a 縦切断された土塊
61b 地表に排土された土塊
62、62’、62” (無資材)吸水渠
62a、62a’ 壁面
62b 底面
62c 天井面
63 土蓋部
63a、63a’ 土蓋ブロック
63b、63b’ 切出し空洞
63d 土蓋ブロック埋設溝
64 上方開放空間
71 排水路
72 有材吸水渠
73 暗渠排水管
74 泥土沈積物
75 疎水材
80 作土
81 心土
S1、S2 土塊押上げ方向

Claims (21)

  1. 牽引車に牽引され対象土壌中を進行することにより、天井面と両側壁面と底面とにより囲まれた吸水渠を対象土壌中に形成する吸水渠施工装置において、
    (a)前記牽引車の後方に連結されかつ進行方向に沿って延在する装着ロッドを具備する支持フレームと、
    (b)前記支持フレームの前記装着ロッドに着脱可能に装着されかつ前記牽引車による牽引に伴って対象土壌中を進行する吸水渠形成アタッチメントとを有し、該吸水渠形成アタッチメントが、
    (b1)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面の位置に該当する対象土壌を切断すべく、互いに離間して配置された一対の前方カッターであって、各前方カッターの上端が前記装着ロッドに装着され、下端が前記底面の位置まで到達し、かつ前方側に切断刃を具備する、一対の前方カッターと、
    (b2)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面及び前記底面を形成すべく、板状であって前記両側壁面間に亘る幅を具備し、前端が前記一対の前方カッターの下端に取り付けられ、該前端から斜め上後方へ延在し、かつ後端が前記天井面の位置又は地表まで到達する排土部材と、
    (b4)対象土壌中を進行しつつ前記天井面を形成すべく、前記排土部材の後端近傍又は後面側に設けられ、かつ周囲土壌を切断、移動又は圧縮させることにより該天井面となる土蓋ブロックを成型する土蓋成型具とを有することを特徴とする
    吸水渠施工装置。
  2. 前記一対の前方カッターの各々の前記切断刃が垂直方向に対して斜め下後方へ45°以下の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の吸水渠施工装置。
  3. 前記一対の前方カッターの前記切断刃が、該カッターの長さ方向に沿って直線状又は波形状を具備することを特徴とする請求項1に記載の吸水渠施工装置。
  4. 前記一対の前方カッターの互いの間隔が上方から下方に向かって次第に狭くなることを特徴とする請求項1に記載の吸水渠施工装置。
  5. 前記排土部材の前記後端が前記天井面の位置まで到達することにより、該排土部材の進行に伴って前記底面の位置より上方に存在する土塊を、前記天井面の位置まで押し上げ可能であると共に、
    前記一対の前方カッターの後方にて前記両側壁面間の中央に位置する後方カッターをさらに有し、
    前記後方カッターは、その上端が前記装着ロッドに装着され、その下端が前記排土部材の前記後端へ取り付けられ、かつ前記排土部材により押し上げられた土塊を2分割すべく前方側に切断刃を具備することを特徴とする
    請求項1に記載の吸水渠施工装置。
  6. 前記排土部材において、その前半部が前方から後方へ向かって斜め上後方へ延び、かつその後半部が地表面とほぼ平行に延びることを特徴とする請求項5に記載の吸水渠施工装置。
  7. 進行方向に対する前記前半部の角度が45〜60度であることを特徴とする請求項6に記載の吸水渠施工装置。
  8. 前記土蓋成型具が、前記天井面の位置の周囲土壌を圧縮する凸部を具備することを特徴とする
    請求項5に記載の吸水渠成功装置。
  9. 前記排土部材の前記後端が、地表まで到達して前記装着ロッドへ装着されることにより、該排土部材の進行に伴って前記底面の位置より上方に存在する土塊を地表まで押し上げ可能であることを特徴とする
    請求項1に記載の吸水渠施工装置。
  10. 進行方向に対する前記排土部材の角度が45〜60度であることを特徴とする請求項9に記載の吸水渠施工装置。
  11. 前記排土部材の後半部において、前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなる捻り部を形成されていることを特徴とする
    請求項9に記載の吸水渠施工装置。
  12. 前記捻り部の捻り角として、地表位置における前記一方の側縁から前記他方の側縁への傾斜が水平に対して45度であることを特徴とする
    請求項11に記載の吸水渠施工装置。
  13. 前記土蓋成型具が、
    前記天井面の位置の周囲土壌を切断する前方刃と、
    切断した前記周囲土壌を通過させつつ移動又は圧縮することにより前記土蓋ブロックを成型する押圧板とを少なくとも有することを特徴とする
    請求項9に記載の吸水渠施工装置。
  14. 前記土蓋成型具が、
    前記土蓋ブロックの最終形状を規定する後方成型端部を有することを特徴とする請求項13に記載の吸水渠施工装置。
  15. 前記土蓋成型具が、
    前記押圧板により圧縮される前記周囲土壌を下方から支持する下方支持板を有することを特徴とする請求項13に記載の吸水渠施工装置。
  16. 前記排土部材の前記装着ロッドへの取付位置より後方にて該装着ロッドに装着され、地表に押し上げられた土塊を移動させ前記土蓋ブロック上に落とし込むことにより埋め戻す埋戻し板を有することを特徴とする
    請求項9に記載の吸水渠施工装置。
  17. 互いに離間して配置されかつ前方側に切断刃を具備する一対の前方カッターと、前記一対の前方カッターの下端から斜め上後方に延在する板状の排土部材と、前記排土部材の後端近傍又は後面側に設けられ土蓋ブロックを成型する土蓋成型具とを有する吸水渠施工装置を、対象土壌中において進行させることにより、天井面と両側壁面と底面とにより囲まれた吸水渠を対象土壌中に形成する吸水渠施工方法において、
    (a)対象土壌中を進行しつつ、前記一対の前方カッターにより前記両側壁面の位置に該当する前記対象土壌を切断する第一工程と、
    (b)対象土壌中を進行しつつ、前記切断された対象土壌の下端より上方に存在する土塊を、前記排土部材により前記天井面の位置又は地表まで押し上げることにより前記両側壁面及び前記底面を形成する第二工程と、
    (c)対象土壌中を進行しつつ、前記押し上げられた土塊の後方に位置する周囲土壌を、前記土蓋成型具により切断、移動又は圧縮させて土蓋ブロックを成型することにより前記天井面を形成する第三工程とを有することを特徴とする
    吸水渠施工方法。
  18. 前記吸水渠施工装置が、前記一対の前方カッターの後方にて前記両側壁面間の中央に位置しかつ前方側に切断刃を具備する後方カッターをさらに有し、かつ前記排土部材の前記後端が前記天井面の位置まで延在する場合、
    前記第二工程において、前記土塊を前記天井面の位置まで押し上げると共に、該押し上げた土塊を前記後方カッターにより2分割することを特徴とする
    請求項17に記載の吸水渠施工方法。
  19. 前記吸水渠施工装置の前記排土部材の前記後端が地表まで延在し、該排土部材の後半部が前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなるべく捻りを形成され、かつ該吸水渠施工装置が該排土部材より後方に埋戻し板をさらに有する場合、
    前記第二工程において、前記土塊を地表まで押し上げると共に、該押し上げた土塊を前記排土部材の前記捻りに従った方向に地表で倒伏させ、かつ
    前記第三工程において、前記天井面を形成した後に前記埋戻し板の進行に伴って前記地表に押し上げた土塊を移動させ前記土蓋ブロック上に落とし込むことにより埋め戻すことを特徴とする
    請求項17に記載の吸水渠施工方法。
  20. 両側壁面と底面とにより囲まれた空間に疎水材を充填した吸水渠を対象土壌中に形成すべく、牽引車に牽引され対象土壌中を進行することにより該空間を掘削する吸水渠施工装置において、
    (a)前記牽引車の後方に連結されかつ進行方向に沿って延在する装着ロッドを具備する支持フレームと、
    (b)前記支持フレームの前記装着ロッドに着脱可能に装着されかつ前記牽引車による牽引に伴って対象土壌中を進行する吸水渠形成アタッチメントとを有し、該吸水渠形成アタッチメントが、
    (b1)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面の位置に該当する対象土壌を切断すべく、互いに離間して配置された一対の前方カッターであって、各前方カッターの上端が前記装着ロッドに装着され、下端が前記底面の位置まで到達し、かつ前方側に切断刃を具備する一対の前方カッターと、
    (b2)対象土壌中を進行しつつ前記両側壁面及び前記底面を形成すべく、板状であって前記両側壁面間に亘る幅を具備し、前端が前記一対の前方カッターの下端に取り付けられ、該前端から斜め上後方へ地表まで延在して後端が前記装着ロッドに装着される排土部材とを有し、
    前記排土部材の後半部が前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなる捻りを形成されていることを特徴とする
    吸水渠施工装置。
  21. 両側壁面と底面とにより囲まれかつ地表に開口した開放溝に疎水材を充填した吸水渠を対象土壌中に形成すべく、互いに離間して配置された一対の前方カッターと、前記一対の前方カッターの下端から斜め上後方へ地表まで延在する板状の排土部材とを有し、該排土部材の後半部が前方から後方へ向かうにつれて一方の側縁が他方の側縁より次第に高くなる捻りを形成されている吸水渠施工装置を対象土壌中において進行させることにより前記開放溝を形成し、該開放溝に該疎水材を充填する吸水渠施工方法において、
    (a)対象土壌中を進行しつつ、前記一対の前方カッターにより前記両側壁面の位置に該当する前記対象土壌を切断する第一工程と、
    (b)対象土壌中を進行しつつ、前記切断された対象土壌の下端より上方に存在する土塊を、前記排土部材により地表まで押し上げると共に、該押し上げた土塊を前記排土部材の前記捻りに従った方向に地表にて倒伏させることにより、前記両側壁面と前記底面とにより囲まれた前記開放溝を形成する第二工程と、
    (c)前記開放溝に疎水材を充填する第三工程とを有することを特徴とする
    吸水渠施工方法。
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