JP7006540B2 - 電池温度推定装置 - Google Patents

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Description

本開示は、電池温度推定装置に関する。
従来より、二次電池のセルの状態(たとえば、温度分布)を所定モデルを用いて推定する技術が公知である。たとえば、特開2017-033902号公報(特許文献1)は、熱回路網モデルから導かれた状態方程式におけるセルの温度を、電流センサの電流検出値および温度センサの温度検出値のそれぞれに基づいて推定する技術が開示される。熱回路網モデルには、セルの温度が低いほど抵抗値が大きいセルの内部抵抗が含まれている。
特開2017-033902号公報
しかしながら、単体のセル内においても温度ばらつきがあり、また、単体のセルとしてより大きな体格のセルが設定されたり、セルに対する冷却装置としてより冷却性能が高い冷却装置が設定されたりすることによって、セル内の温度ばらつきはより拡大する可能性がある。そのため、単体のセルの代表的な温度を推定しても、セル内の温度分布を詳細に推定することができないため、セルの劣化度合いを精度高く推定することができない場合がある。その結果、セルを保護する制御を適切に実行できない場合がある。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、セル内の温度分布を精度高く推定する電池温度推定装置を提供することである。
本開示のある局面に係る電池温度推定装置は、二次電池のセル内の温度分布を推定する電池温度推定装置である。この電池温度推定装置は、セルの内部構造体を複数の部分に区分し、各部分を抵抗要素と蓄電要素とのうちの少なくともいずれかによってモデル化した予め定められた回路網モデルを用いて前記セル内の各部分の電流分布を推定する第1推定部と、電流分布と抵抗要素とを用いてセル内の各部分の発熱量分布を推定する第2推定部と、発熱量分布を用いてセル内の各部分の温度変化を算出することによってセル内の各部分の温度分布を推定する第3推定部とを備える。
このようにすると、予め定められた回路網モデルを用いてセル内の電流分布および発熱量分布を精度高く推定することができるため、セル内の温度分布を精度高く推定することができる。
本開示によると、セル内の温度分布を精度高く推定する電池温度推定装置を提供することができる。
本実施の形態における電池システムが搭載された電動車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 セル内に設定された複数の部分構造体を説明するための図である。 ラダー回路網モデルの一例を説明するための図である。 ECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。 セル内の各部分構造体における温度とSOCと抵抗値との関係の一例を示す図である。 セル内の各部分構造体における温度とSOCと劣化係数との関係の一例を示す図である。 ラダー回路網モデルの一部の8接点で形成される立方格子を示す図である。 立方格子の8接点の一般化した座標を示す図である。 接点(i、j、k)に接続される抵抗要素と蓄電要素とを示す図である。 ループする電流について説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、電池システムが電気自動車に搭載される構成を例に説明するが、電池システムが搭載される車両は、二次電池を搭載した車両であればよく、特に電気自動車に限定されるものではない。電池システムが搭載される車両は、たとえば、駆動用電動機とエンジンとを搭載したハイブリッド車両(プラグインハイブリッド車を含む)であってもよいし、燃料電池が搭載されたハイブリッド車両であってもよい。また、電池システムの用途は車両用に限定されるものではなく、定置用であってもよい。
図1は、本実施の形態における電池システム2が搭載された電動車両1(以下、単に車両1と記載する)の全体構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、電池システム2と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10と、動力伝達ギア20と、駆動輪30と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)40と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)50とを備える。電池システム2は、組電池100と、冷却装置150と、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300とを備える。
MG10は、たとえば三相交流回転電機である。MG10の出力トルクは、減速機および動力分割機構を含んで構成された動力伝達ギア20を介して駆動輪30に伝達される。MG10は、車両1の回生制動動作時には、駆動輪30の回転力によって発電することも可能である。なお、図1の車両1としてはモータジェネレータが1つだけ設けられる構成が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータを複数(たとえば2つ)設ける構成としてもよい。
PCU40は、たとえば、ECU300からの制御信号に基づいて動作するインバータとコンバータとを含む。組電池100の放電時には、コンバータは、組電池100から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ10を駆動する。一方、組電池100の充電時には、インバータは、モータジェネレータ10によって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧を組電池100の充電に適した電圧に降圧して組電池100に供給する。また、PCU40は、ECU300からの制御信号に基づいてインバータおよびコンバータの動作を停止することによって充放電を休止する。なお、PCU40は、コンバータを省略した構成であってもよい。
SMR50は、組電池100とPCU40とを結ぶ電力線に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、組電池100とPCU40との間で電力の授受が行なわれ得る。
組電池100は、再充電が可能な直流電源であり、リチウムイオン電池を含んで構成される。組電池100は、複数個(n個)のリチウムイオン電池(単セル)110(以下、セル110と記載する)が直列に接続されることによって構成される。
冷却装置150は、ECU300からの制御信号に基づいて組電池100を冷却する。冷却装置150は、たとえば、空気を組電池100に送風する送風機を含む。なお、冷却装置150は、空冷式であってもよいし、水冷式であってもよい。
電圧センサ210は、複数のセル110の各々の端子間の電圧Vb(1)~Vb(n)を検出する。電流センサ220は、組電池100に入出力される電流Ibを検出する。温度センサ230は、複数のセル110の各々に当接して設けられ、複数のセル110の各々の当接部位の温度Tb(1)~Tb(n)を検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))302と、入出力バッファ(図示せず)とを含む制御装置である。ECU300は、各センサから受ける信号、ならびにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラム等の情報に基づいて、車両1および電池システム2が所望の状態となるように各機器を制御する。
以上のような構成を有する車両1において、ECU300は、たとえば、各センサの検出結果を用いて複数のセル110の各々の代表的な温度を推定し、推定された温度に基づいて電流を制限したり、冷却装置150からの送風量を調整したりすることが考えられる。
しかしながら、単体のセル110内においても温度ばらつきがあり、また、単体のセル110としてより大きな体格のセルが設定されたり、冷却装置150としてより冷却性能の高い冷却装置が設定されたりすることによって、セル110内の温度ばらつきはより拡大する可能性がある。そのため、単体のセル110の代表的な温度を推定しても、セル110内の温度分布を詳細に推定することができないため、セル110の劣化度合いを精度高く推定することができない場合がある。その結果、セル110を保護する制御を適切に実行できない場合がある。そのため、セル110内のリチウムの析出やハイレート抵抗が上昇する場合がある。あるいは、過剰にマージンを設定することによって、セル110の性能が不必要に制限されたりする場合がある。
そこで、本実施の形態においては、ECU300は、以下のように動作するものとする。すなわち、ECU300は、セル110の内部構造体を複数の部分に区分し、各部分を抵抗要素と蓄電要素とのうちの少なくともいずれかによってモデル化した予め定められた回路網モデルを用いてセル110内の電流分布を推定する。さらに、ECU300は、電流分布と複数の抵抗要素とを用いてセル110内の発熱量分布を推定する。そして、ECU300は、発熱量分布を用いてセル内の各部分の温度変化を算出することによってセル内の温度分布を推定する。
このようにすると、予め定められた回路網モデルを用いてセル110内の電流分布および発熱量分布を精度高く推定することができるため、セル110内の温度分布を精度高く推定することができる。
以下に、図2および図3を参照しつつ、セル110内に設定された複数の部分構造体と予め定められた回路網モデルとについて説明する。図2は、セル110内に設定された複数の部分構造体を説明するための図である。
図2に示すように、本実施の形態において、セル110の内部構造体である電極体112を複数の部分に区分し、各部分を抵抗要素と蓄電要素とのうちの少なくともいずれかによってモデル化した予め定められた回路網モデル(以下、ラダー回路網モデルと記載する)を設定する。図2には、電極体112を16個の部分に区分する場合が一例として示されている。16個の各部分を蓄電要素と抵抗要素とによってモデル化することで、電極体112全体に対してラダー回路網モデルが設定される。
図3は、ラダー回路網モデルの一例を説明するための図である。なお、図3の紙面に向かって横方向がx方向であり、図3の紙面に向かって縦方向がz方向であり、図3の紙面に向かって奥行方向がy方向であるものとする。
図3に示すように、16個の各部分には、部分構造体114が含まれる。複数の部分構造体114は、x-y平面において4行4列の行列状に配置される。部分構造体114は、少なくとも抵抗要素Rzと、蓄電要素Vzとを含む。抵抗要素Rzの一方端と、蓄電要素Vzの一方端とは、z方向に沿って直列に接続されている。この部分構造体114は、電極体のうちの正負活物質とセパレータとによって構成される部分をモデル化したものである。部分構造体114は、その位置によって抵抗要素Rx,Ryを含む。抵抗要素Rzの他方端の上側接点および蓄電要素Vzの他方端の下側接点の各々には、抵抗要素Rxの一方端および抵抗要素Ryの一方端のうちの少なくともいずれかが接続される。隣接する部分構造体114とは、抵抗要素Rx,Ryによって接続される。この抵抗要素Rx,Ryは、電極体112の集電箔の部分をモデル化したものである。
ECU300は、以下の処理の従って、セル110内の各部分のSOC分布、劣化分布、抵抗分布、電流分布、発熱量分布および温度分布を推定し、推定された電流分布や温度分布等を用いてPCU40または冷却装置150を制御する。
以下、図4を参照して、本実施の形態におけるECU300で実行される処理について説明する。図4は、ECU300で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の処理周期毎にメインルーチン(図示せず)から呼び出されて実行される。これらのフローチャートに含まれる各ステップは、基本的には、ECU300によるソフトウェア処理の実行によって実現されるが、その一部または全部がECU300内に作製されたハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。また、本実施の形態においては、説明の便宜上、複数のセル110のうちのいずれかの一つのセル110内の電流分布および温度分布を推定し、推定された電流分布および温度分布に基づいてPCU40または冷却装置150を制御する場合を一例として説明するが、たとえば、複数のセル110の全ての電流分布および温度分布を推定し、推定された電流分布および温度分布に基づいてPCU40または冷却装置150を制御してもよい。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU300は、セル110内のSOC分布を推定する。
具体的には、ECU300は、セル110の各部分(各部分構造体114)に含まれる蓄電要素VzのSOCを算出することによってセル110内のSOC分布を算出する。ECU300は、たとえば、以下の式(1)を用いて部分構造体114に含まれる蓄電要素VzのSOCを算出する。
Figure 0007006540000001
ここで、SOCn(t)は、複数の部分構造体114のうちのいずれかの部分構造体114の蓄電要素VzのSOC(今回値)を示す。SOCn(t-1)は、当該蓄電要素VzのSOC(前回値)を示す。I(t-1)は、当該蓄電要素Vzに流れる電流(前回値)を示す。capは、当該蓄電要素Vzの満充電容量(初期値)を示す。ΔCdeg(t-1)は、当該蓄電要素Vzの容量劣化率(前回値)を示す。容量劣化率は、蓄電要素Vzの満充電容量の初期値からの低下割合を示し、1よりも低くなるほど劣化している状態を示し、1に近くなるほど劣化していない状態を示す。さらに、Δtは、前回の計算からの経過時間を示す。なお、各種初期値は、各センサの検出結果を用いて設定されてもよい。
たとえば、図3のラダー回路網モデルにおいては、ECU300は、16個の部分構造体114の蓄電要素Vzの各々のSOC(たとえば、SOC~SOC16)を式(1)を用いて算出する。
S102にて、ECU300は、セル110内の抵抗分布および電圧分布を推定する。ECU300は、たとえば、ラダー回路網モデルに含まれる抵抗要素Rx,Ry,Rzの各抵抗値を算出することによってセル110内の抵抗分布を算出する。ラダー回路網モデルに含まれる複数の抵抗要素の抵抗値は、基準温度でかつ基準SOCでの基準値が実験等によって適合されるなどして予め設定されている。ラダー回路網モデルに含まれる複数の抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値は、基準温度からのズレ量あるいは基準SOCからのズレ量に応じて変化する。そのため、ECU300は、各部分構造体114のSOC(今回値)と各部分構造体114の温度(前回値)とを用いて各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値を算出する。ECU300は、たとえば、所定のマップを用いて各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値を算出する。
図5は、セル110内の各部分構造体114における温度とSOCと各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値との関係の一例を示す図である。図5に示すように、温度およびSOCを複数の領域に区分して、区分された領域毎に温度およびSOCに対応した各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値が設定される。ECU300は、各部分構造体114のSOC(今回値)と各部分構造体114の温度(前回値)と、図5に示すマップとから各部分構造体114に含まれる各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値を算出する。
さらに、ECU300は、算出された各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値に各部分構造体114に対応した抵抗劣化率(前回値)を乗算することによって各抵抗要素Rx,Ry,Rzの抵抗値(今回値)を算出する。抵抗劣化率は、抵抗要素の抵抗値の初期値からの増加割合を示し、1よりも高くなるほど劣化している状態を示し、1に近くなるほど劣化していない状態を示す。
ECU300は、さらに、セル110内の各部分構造体114の蓄電要素Vzの電圧を算出することによって電圧分布を推定する。ラダー回路網モデルに含まれる複数の蓄電要素Vzの電圧は、基準温度でかつ基準SOCでの基準値が実験等によって適合されるなどして予め設定されている。ラダー回路網モデルに含まれる複数の蓄電要素Vzの電圧は、基準温度からのズレ量あるいは基準SOCからのズレ量に応じて変化する。そのため、ECU300は、各部分構造体114のSOC(今回値)と各部分構造体114の温度(前回値)とを用いて各蓄電要素Vzの電圧を算出する。ECU300は、たとえば、所定のマップを用いて各蓄電要素Vzの電圧を算出する。なお、所定のマップは、図5で示した温度とSOCと抵抗値との関係と同様に温度とSOCと電圧との関係を示すものであり、その詳細な説明は繰り返さない。
図4に戻って、S104にて、ECU300は、セル110内の劣化分布を推定する。具体的には、ECU300は、劣化係数分布を推定し、推定された劣化係数分布を用いて劣化量分布を推定する。劣化係数は、容量劣化量を算出するための容量劣化係数と抵抗劣化量とを算出するための抵抗劣化係数とを含む。ECU300は、各部分構造体114に対応する容量劣化係数と抵抗劣化係数とを算出することによって劣化係数分布を算出する。
容量劣化係数と抵抗劣化係数とは、いずれもセル110内の各部分構造体114におけるSOCと温度とに依存する値である。そのため、ECU300は、各部分構造体114のSOC(今回値)と各部分構造体114の温度(前回値)とを用いて各部分構造体114に対応する容量劣化係数と抵抗劣化係数とを算出する。ECU300は、たとえば、所定のマップを用いて各部分構造体114に対応する容量劣化係数と抵抗劣化係数とを算出する。
図6は、セル110内の各部分構造体114における温度とSOCと劣化係数との関係の一例を示す図である。図6に示すように、温度およびSOCを複数の領域に区分して区分された領域毎に温度およびSOCに対応した容量劣化係数と抵抗劣化係数とが設定される。ECU300は、各部分構造体114のSOC(今回値)と各部分構造体114の温度(前回値)と、図6に示すマップとから容量劣化係数と抵抗劣化係数とを算出する。
ECU300は、推定された劣化係数分布を用いて劣化量分布を推定する。劣化量は、初期値からの満充電容量の低下量を示す容量劣化量と初期値からの抵抗値の増加量を示す抵抗劣化量とを含む。ECU300は、算出された各部分構造体114に対応する容量劣化係数(今回値)と、容量劣化量(前回値)とを用いて各部分構造体114に対応する容量劣化量(今回値)を算出する。ECU300は、たとえば、以下の式(2)を用いて各部分構造体114に対応する容量劣化量(今回値)を算出する。
Figure 0007006540000002
ここで、ΔCdeg(t)は、容量劣化量(今回値)を示す。ΔCdeg(t-1)は、容量劣化量(前回値)を示す。Ccd(t)は、容量劣化係数(今回値)を示す。ECU300は、たとえば、満充電容量から算出された容量劣化量(今回値)を減算した値を満充電容量の初期値で除算することによって容量劣化率を算出する。
同様に、ECU300は、算出された各部分構造体114に対応する抵抗劣化係数(今回値)と、抵抗劣化量(前回値)とを用いて各部分構造体114に対応する抵抗劣化量(今回値)を算出する。ECU300は、たとえば、以下の式(3)を用いて各部分構造体114に対応する抵抗劣化量(今回値)を算出する。
Figure 0007006540000003
ここで、ΔRdeg(t)は、抵抗劣化量(今回値)を示す。ΔRdeg(t-1)は、抵抗劣化量(前回値)を示す。Crd(t)は、抵抗劣化係数(今回値)を示す。ECU300は、たとえば、抵抗要素の抵抗値の基準値に抵抗劣化量(今回値)を加算した値を抵抗要素の抵抗値の基準値で除算することによって抵抗劣化率を算出する。
図4に戻って、S106にて、ECU300は、セル110内の電流分布を推定する。ECU300は、S102にて、算出されたセル110内の抵抗分布と、電圧分布とを用いて各抵抗要素Rx,Ry,Rzおよび各蓄電要素Vzに流れる電流を算出することによって、セル110内の電流分布を推定する。
以下、図7~図10を用いて電流分布の推定方法の一例についてラダー回路網モデルの一部を抽出して説明する。図7は、ラダー回路網モデルの一部の8接点で形成される立方格子を示す図である。図8は、立方格子の8接点の一般化した座標を示す図である。図9は、接点(i、j、k)に接続される抵抗要素Rx(i、j、k),Ry(i、j、k),Rz(i、j、k)と蓄電要素Vz(i、j、k)とを示す図である。図10は、ループする電流について説明するための図である。
図7に示す立方格子における各接点に対して図8に示すように座標をとる場合を想定する。このとき、図9に示すように、接点(i、j、k)を基準としてx軸の正方向に沿って配置される抵抗要素をRx(i、j、k)とし、y軸の正方向に沿って配置される抵抗要素をRy(i、j、k)とし、z軸の正方向に沿って配置される抵抗要素をRz(i、j、k)とし、蓄電要素をVz(i、j、k)とするものとする。
図10に示すように、電流のループは、直交する座標にて表現するものとする。すなわち、x軸に直交するyz平面においてループする電流をIxとし、y軸に直交するxz平面においてループする電流をIyとし、z軸に直交するxy平面においてループする電流をIzとする。
抵抗要素Rx(i、j、k)には、z軸の正方向側からループする電流と、z軸の負方向側からループする電流と、y軸の正方向側からループする電流と、y軸の負方向側からループする電流とが重なり合う。そのため、抵抗要素Rx(i、j、k)に係る電圧RxI(i、j、k)は、以下の式(4)のように表現される。
Figure 0007006540000004
同様に、抵抗要素Ry(i、j、k)には、x軸の正方向側からループする電流と、x軸の負方向側からループする電流と、z軸の正方向側からループする電流と、z軸の負方向側からループする電流とが重なり合う。そのため、抵抗要素Ry(i、j、k)に係る電圧RyI(i、j、k)は、以下の式(5)のように表現される。
Figure 0007006540000005
同様に、抵抗要素Rz(i、j、k)には、x軸の正方向側からループする電流と、x軸の負方向側からループする電流と、y軸の正方向側からループする電流と、y軸の負方向側からループする電流とが重なり合う。そのため、抵抗要素Rz(i、j、k)に係る電圧RzI(i、j、k)は、以下の式(6)のように表現される。
Figure 0007006540000006
次に、ループ電流Izについて、電流ループの向きと電流の正方向と一致しているものと逆となるものとを考慮すると、キルヒホッフの第二法則から以下の式(7)が導き出される。
Figure 0007006540000007
さらに、ループ電流Ixについて、電流ループの向きと電流の正方向と一致しているものと逆となるものとを考慮すると、キルヒホッフの第二法則から以下の式(8)が導き出される。
Figure 0007006540000008
さらに、ループ電流Iyについて、電流ループの向きと電流の正方向と一致しているものと逆となるものとを考慮すると、キルヒホッフの第二法則から以下の式(9)が導き出される。
Figure 0007006540000009
上述の導き出された式(7)~式(9)と、接点に流れ込む電流の総和と接点から流れ出る電流の総和が等しいというキルヒホッフの第一法則を利用して電流に関する関係式とによって、各抵抗要素Rx,Ry,Rzおよび各蓄電要素Vzに流れる電流を解とする方程式を設定することができる。このような方程式を接点毎に設定し、上述の抵抗分布および電圧分布を用いて、それらの方程式の解を得るためのECU300により演算可能な演算式を設定することによって、各抵抗要素Rx,Ry,Rzおよび各蓄電要素Vzに流れる電流を算出して、セル110内の電流分布を推定することができる。なお、方程式の具体的な解法については、周知な解法を用いればよく、たとえば、逆行列を利用した解を得る方法を用いてもよい。
図4に戻って、S108にて、ECU300は、セル110内の発熱量分布を推定する。ECU300は、上述の抵抗分布と電流分布とを用いて各部分構造体114の発熱量を算出する。ECU300は、たとえば、電流の2乗値と抵抗値とを乗算することによって各部分構造体114の発熱量を算出することによってセル110内の発熱量分布を推定する。なお、部分構造体114が複数の抵抗要素を含む場合には、各抵抗要素の発熱量の総量を部分構造体114の発熱量として算出してもよい。
S110にて、ECU300は、セル110内の温度分布を推定する。ECU300は、たとえば、以下の式(10)を用いて各部分構造体114の温度変化量ΔTを算出し、前回の各部分構造体114の温度を示す温度分布に、算出された各部分の温度変化量ΔTを加算することによって、今回の各部分構造体114の温度を算出することによってセル110内の温度分布を推定する。
Figure 0007006540000010
なお、式(10)における「m」は、各部分の質量を示す。「c」は、比熱を示す。「α」は、熱伝達係数を示す。「T」は、各部分の温度(前回値)を示す。「T_0」は、空気の温度を示す。「S」は、各部分の断面積を示す。これらの数値は、たとえば、実験等によって適合されたり、各種センサの検出結果を用いて検出あるいは推定したりすることによって取得される。なお、式(10)のうちの「m×c×Δt」が発熱項であって、「α×(T-T_0)×S」が放熱項である。
S112にて、ECU300は、セル110の各部分構造体114の温度のうちの最高の温度(以下、最高温度と記載する)がしきい値よりも大きいか否かを判定する。しきい値は、実験的に適合される予め定められた値であって、たとえば、セル110の劣化が促進する温度状態であるか否かを判定するための値である。ECU300は、セル110の各部分構造体114の温度のうちの最大値を最高温度として特定し、特定された最高温度がしきい値よりも大きいか否かを判定する。セル110の最高温度がしきい値よりも大きいと判定される場合(S112にてYES)、処理はS114に移される。
S114にて、ECU300は、冷却制御を実行する。ECU300は、たとえば、冷却装置150が停止状態である場合には、冷却装置150を動作させるようにしてもよい。ECU300は、冷却装置150が作動状態である場合には、冷却装置150の送風量を予め定められた量だけ増加させるようにしてもよい。あるいは、ECU300は、最高温度としきい値との差に応じて設定される送風量になるように冷却装置150を制御してもよい。
冷却制御の実行後、あるいは、最高温度がしきい値以下であると判定される場合(S112にてNO)、処理はS116に移される。
S116にて、ECU300は、セル110の各部分構造体114に流れる電流のうちの最大の電流(以下、最大電流と記載する)がしきい値よりも大きいか否かを判定する。しきい値は、実験的に適合される予め定められた値であって、たとえば、セル110の劣化が促進する放電状態または充電状態であるか否かを判定するための値である。ECU300は、セル110の各部分構造体114(の各抵抗要素および各蓄電要素)に流れる電流のうちの最大値を最大電流として特定し、特定された最大電流がしきい値よりも大きいと判定される場合(S116にてYES)、処理はS118に移される。
S118にて、ECU300は、電流低減制御を実行する。ECU300は、たとえば、PCU40を用いて組電池100の放電量あるいは充電量の制限値の大きさを低下させることによって組電池100に流れる電流を低減してもよい。あるいは、ECU300は、最大電流としきい値との差に応じて放電量あるいは充電量の制限値の大きさを設定し、設定された放電量あるいは充電量の制限値に従って電流を制御してもよい。なお、電流低減制御の実行後、あるいは、最大電流がしきい値以下であると判定される場合(S116にてNO)、この処理は終了される。
以上のような構造およびフローチャートに基づくECU300の動作について説明する。
たとえば、車両1が走行中において冷却装置150が停止状態である場合を想定する。組電池100を構成するセル110の各部分構造体114のSOC分布が推定され(S100)、算出されたSOC分布と温度分布(前回値)とを用いて抵抗分布および電圧分布劣化が推定され(S102)、算出されたSOC分布を用いて劣化分布が算出される(S104)。
さらに、算出された抵抗分布と電圧分布とを用いて電流分布が算出される(S106)。算出された電流分布と抵抗分布とから発熱量分布が算出され(S108)、温度分布が算出される(S110)。
算出された温度分布に基づいてセル110の各部分構造体の温度のうちの最高温度が特定され、特定された最高温度がしきい値よりも大きいと(S112にてYES)、冷却制御が実行される(S114)。すなわち、冷却装置150が作動状態となり、組電池100が冷却される。
また、セル110の各部分構造体114に流れる電流のうちの最大電流が特定され、特定された最大電流がしきい値よりも大きいと(S116にてYES)、電流低減制御が実行される(S118)。すなわち、PCU40を用いて組電池100に流れる電流が低減される。
以上のようにして、本実施の形態に係る電池温度推定装置によると、ラダー回路網モデルを用いて電流分布および発熱量分布を精度高く推定することができるため、セル110内の温度分布を精度高く推定することができる。したがって、セル内の温度分布を精度高く推定する電池温度推定装置を提供することができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態では、組電池100は、リチウムイオン電池のセルによって構成される場合を一例として説明したが、二次電池のセルによって構成されればよく、たとえば、ニッケル水素電池によって構成されてもよい。
さらに上述の実施の形態では、セル110に電極体112が含まれるものとして説明したが、電極体112を複数枚積層した構成を含むようにしてもよい。この場合、電極体112は、直列に接続されるものであってもよいし、並列に接続されるものであってもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電動車両、2 電池システム、10 モータジェネレータ、20 動力伝達ギア
30 駆動輪、40 PCU、50 SMR、100 組電池、110 セル、112 電極体、114 部分構造体、150 冷却装置、210 電圧センサ、220 電流センサ、230 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. 二次電池のセル内の温度分布を推定する電池温度推定装置であって、
    前記セルの内部構造体を複数の部分に区分し、各部分を抵抗要素と蓄電要素とのうちの少なくともいずれかによってモデル化した予め定められた回路網モデルを用いて前記セル内の各部分の電流分布を推定する第1推定部と、
    前記電流分布と前記抵抗要素とを用いて前記セル内の各部分の発熱量分布を推定する第2推定部と、
    前記発熱量分布を用いて前記セル内の各部分の温度変化を算出することによって前記セル内の各部分の温度分布を推定する第3推定部とを備える、電池温度推定装置。
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