以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
まず本発明を適用可能な液処理装置の典型例について説明する。
図1に示すように、液処理装置は、基板に対して液処理を行う複数の処理ユニット(液処理ユニット)16と、処理ユニット16に処理液を供給する処理流体供給源70を有している。
処理流体供給源70は、処理液を貯留するタンク102と、タンク102から出てタンク102に戻る循環ライン104とを有している。循環ライン104にはポンプ106が設けられている。ポンプ106は、タンク102から出て循環ライン104を通りタンク102に戻る循環流を形成する。ポンプ106の下流側において循環ライン104には、処理液に含まれるパーティクル等の汚染物質を除去するフィルタ108が設けられている。必要に応じて、循環ライン104に補機類(例えばヒータ等)をさらに設けてもよい。
循環ライン104に設定された接続領域110に、1つまたは複数の分岐ライン112が接続されている。各分岐ライン112は、循環ライン104を流れる処理液を対応する処理ユニット16に供給する。各分岐ライン112には、必要に応じて、流量制御弁等の流量調整機構、フィルタ等を設けることができる。
液処理装置は、タンク102に、処理液または処理液構成成分を補充するタンク液補充部116を有している。タンク102には、タンク102内の処理液を廃棄するためのドレン部118が設けられている。
次に、処理ユニット16の典型例について図2を参照して説明する。図2では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウエハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウエハWを回転させる。
処理流体供給部40は、ウエハWに対して処理流体を供給する。処理流体供給部40は、処理流体供給源70に接続される。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウエハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
以上に概略構成を説明した液処理装置において、例えば処理ユニット16は、ウエハWに対して処理液を供給する基板処理部として機能し、循環ライン104及び分岐ライン112は、処理ユニット16に処理液を供給する供給ラインとして機能する。本実施形態の液処理装置は、更に、供給ラインを流れる処理液の流量を計測する流量計と、供給ラインを流れる処理液の流量を調整する流量調整機構と、流量計の計測結果に基づいて流量調整機構を制御する制御部と、を備える。以下、流量調整機構としてモータニードルバルブを使用した場合の、流量計、モータニードルバルブ及び制御部の構成例について説明する。
図3は、流量計22、モータニードルバルブ23及び制御部24の構成例を示す概略図である。図3では、処理ユニット16を構成する要素の一部が簡略的に示されている。
図3に示す実施形態では、各処理流体供給部40に接続され供給ラインとして機能する分岐ライン112に、流量計22及びモータニードルバルブ23が設けられている。図3では、流量計22が上流側に配置され、モータニードルバルブ23が下流側に配置されているが、流量計22が下流側に配置され、モータニードルバルブ23が上流側に配置されてもよい。
流量計22は、分岐ライン112を流れる処理液の流量を計測し、その計測結果を示す計測信号S1を制御部24に送る。一方、モータニードルバルブ23は、制御部24から送られてくる制御信号S2に基づいて、分岐ライン112を流れる処理液の流量を調整する。制御部24は、流量計22からの計測信号S1に基づいて分岐ライン112を流れる処理液の流量に関する情報を取得し、処理液の流量を予め設定された設定流量に近づけるのに必要なモータニードルバルブ23の駆動量に関する情報を取得し、その駆動量に基づく制御信号S2をモータニードルバルブ23に送る。モータニードルバルブ23のモータが制御部24からの制御信号S2に基づいて駆動されることで、弁開度が調整され、分岐ライン112を流れる処理液の流量がモータニードルバルブ23によって増減される。
これらの流量計22、モータニードルバルブ23及び制御部24によって、分岐ライン112を流れる処理液の流量は設定流量に近づくように調整される。これにより、保持部31に保持され支柱部32によって回転させられるウエハWに対し、所望量の処理液が処理流体供給部40から供給される。
上述の液処理装置において、従来手法では、流量計22の流量計測周期と、モータニードルバルブ23の流量調整周期とは等しい。すなわち制御部24は、流量計22から計測信号S1を受信するたびに、モータニードルバルブ23の最適な開度の情報を取得してモータニードルバルブ23に制御信号S2を送信し、モータニードルバルブ23は受信した制御信号S2に基づいて処理液の流量を調整する。この従来手法によれば、流量計22の計測結果にかかわらず、比較的短い周期で、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整が行われる。したがってこの従来手法では、処理液の流量が短い周期で調整されるため、必然的にモータニードルバルブ23の動作回数が増え、モータニードルバルブ23の装置寿命が短くなってしまう。
これに対して本実施形態では、分岐ライン112を流れる処理液の流量が予め設定された範囲にあることを流量計22の計測結果が示す場合には、流量計22の計測間隔よりも長い時間間隔で、モータニードルバルブ23による流量調整が行われる。すなわち制御部24は、流量計22の計測結果を示す計測信号S1を第1周期P1で受信し、分岐ライン112を流れる処理液の流量を第1周期P1で監視する。その一方で、制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量が予め設定された範囲に含まれることを流量計22の計測結果が示す場合には、第1周期P1の時間間隔よりも長い時間間隔の周期(すなわち第2周期P2)で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。第2周期P2でモータニードルバルブ23が駆動される上述の「分岐ライン112を流れる処理液の流量の予め設定された範囲」は、流量計22の計測間隔よりも長い時間間隔で処理液の流量を調整しても弊害が起きないことが期待される範囲である。したがって、設定流量に比較的近い範囲を、ここでいう「予め設定された範囲」に設定することが可能である。
図4は、時間Tの経過に対する、分岐ライン112を流れる処理液の流量H1とモータニードルバルブ23の開度H2との関係例を示すグラフであり、処理液の流量H1の挙動とモータニードルバルブ23の開度H2の挙動とが相互に対応づけられている。図4において、横方向は時間Tの経過を示す。なお図4の符合「t1」及び「t2」等によって示される範囲は必ずしも厳密に正しい縮尺比で表されているとは限らず、理解を容易にするため各種符合で示される範囲等は概略的に示されている。また処理液の流量H1に関し、図4の縦方向は流量の大きさを示し、上側ほど流量が大きいことを示し、下側ほど流量が小さいことを示す。またモータニードルバルブ23の開度H2に関し、図4の縦方向は開度の大きさを示し、上側ほどモータニードルバルブ23が開かれて流路断面積が大きくなり、下側ほどモータニードルバルブ23が閉じられて流路断面積が小さくなることを示す。
図4に示す実施形態では、まず初期開弁プロセスTaが行われ、その後、通常フィードバックプロセスTbが行われる。
初期開弁プロセスTaは、モータニードルバルブ23が全閉されて分岐ライン112から処理流体供給部40に処理液が流れていない状態から、モータニードルバルブ23を開いて分岐ライン112から処理流体供給部40に処理液を流すプロセスである。この初期開弁プロセスTaでは、モータニードルバルブ23の開度が予め設定された開度に固定される。なお、この初期開弁プロセスTaは必須プロセスではなく、必要に応じて省略されてもよい。その場合、後述の通常フィードバックプロセスTbが最初から行われてもよい。
一方、通常フィードバックプロセスTbは、分岐ライン112から処理流体供給部40への処理液の流量を、流量計22の計測結果に応じて調整するプロセスである。この通常フィードバックプロセスTbにおいて、制御部24は、流量計22の計測結果に基づいて、分岐ライン112を流れる処理液の流量を設定流量Pに近づけるようにモータニードルバルブ23を制御する。したがって通常フィードバックプロセスTbは、分岐ライン112を介して処理流体供給部40に処理液を供給し、当該処理液を処理流体供給部40からウエハWに対して供給する工程に加え、処理液の流量を流量計22によって計測する工程及び処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整する工程を更に含む。
本実施形態の通常フィードバックプロセスTbでは、具体的には、以下のようにしてモータニードルバルブ23の開度の調整及び処理液の流量の調整が行われる。
図4に示す実施形態では、分岐ライン112を流れる処理液の流量に関し、第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3が設定されている。第1範囲R1は、設定流量Pを基準にして定められる予め設定された範囲であり、設定流量Pを含み、第2範囲R2及び第3範囲R3よりも設定流量Pに近い範囲である。一方、第2範囲R2は、第1範囲R1よりも設定流量Pから離れた予め設定された範囲であり、第3範囲R3よりも設定流量Pに近い範囲である。また第3範囲R3は、第2範囲R2よりも設定流量Pから離れた予め設定された範囲であり、例えば分岐ライン112を処理液が流れない場合の処理液の流量、すなわち処理液の流量がゼロ(0)の状態が第3範囲R3に含まれる。
なお、ここでいう第1範囲R1及び第2範囲R2は、処理液を使ったウエハWに対する液処理を適切に行う上で許容できる範囲であるのに対し、第3範囲R3は、処理液を使ったウエハWに対する液処理を適切に行う上で許容できない範囲である。
このように、第1範囲R1~第3範囲R3を比べた場合、第1範囲R1は、設定流量Pに最も近い範囲の流量の処理液が分岐ライン112を流れている状態を示し、第3範囲R3は、設定流量Pから最も懸け離れた範囲の流量の処理液が分岐ライン112を流れている状態を示す。そして第2範囲R2は、中間的な範囲の流量の処理液が分岐ライン112を流れている状態を示す。したがって分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1に含まれている場合、処理液の流量は設定流量Pに近いため、処理液の流量調整の緊急度は相対的に低い。一方、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3に含まれている場合、処理液の流量は設定流量Pから懸け離れているため、処理液の流量調整の緊急度は相対的に高い。また分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2に含まれている場合、処理液の流量調整の緊急度は中間的になる。このように、分岐ライン112を流れる処理液の流量調整の緊急度は、第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3の順に高くなる。
本実施形態の制御部24は、このような処理液の流量調整の緊急度に応じて、モータニードルバルブ23による流量調整の頻度を変える。これにより、モータニードルバルブ23の動作回数の低減が図られている。すなわち制御部24は、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が、第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3のうちのいずれの範囲に含まれるかに応じて、モータニードルバルブ23の動作周期を変える。
例えば、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1に含まれる場合、制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量がモータニードルバルブ23によって調整されないようにする。また流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2に含まれる場合、制御部24は、上述の第2周期P2で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。また流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3に含まれる場合、制御部24は、第2周期P2の時間間隔よりも短い時間間隔の第3周期P3で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。特に本実施形態では、この第3周期P3の時間間隔が第1周期P1の時間間隔と等しい。したがって、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3に含まれる場合、モータニードルバルブ23は第1周期P1で分岐ライン112を流れる処理液の流量を調整する。
次に、図4に示される分岐ライン112を流れる処理液の流量H1の挙動と、モータニードルバルブ23の開度H2の挙動とついて、具体的に説明する。
まず初期開弁プロセスTaが行われ、モータニードルバルブ23は全閉状態から予め設定された開度まで開かれる。これにより、分岐ライン112から処理流体供給部40に向かって流れる処理液の流量が急激に増大し、図4に示す例では、処理液の流量が第3範囲R3まで増大される(図4の符号「g1」参照)。
この初期開弁プロセスTaでは、流量計22が第1周期P1で処理液の流量計測を行うのに対し、モータニードルバルブ23は処理液の流量調整を周期的には行わない。すなわち初期開弁プロセスTaでは、モータニードルバルブ23のフィードバック制御は行われず、モータニードルバルブ23の開度は、流量計22の計測結果にかかわらず予め設定された開度に固定される。
そして、初期開弁プロセスTaが終了して通常フィードバックプロセスTbが開始されると、モータニードルバルブ23のフィードバック制御が行われ、処理液の流量に応じて処理液の流量調整が行われる。
図4に示す例では、初期開弁プロセスTaが終了して通常フィードバックプロセスTbが開始される時点で、分岐ライン112を流れる処理液の流量H1が第3範囲R3にある。したがって制御部24は、上述のように第1周期P1で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させて、処理液の流量を設定流量Pに近づける。具体的には、モータニードルバルブ23は制御部24からの制御信号S2に応じて開度を小さくして、流路を絞り、分岐ライン112を流れる処理液の流量を低減させる。
特に本実施形態の制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3に含まれていることを示す流量計22の計測結果を受信したタイミングと実質的に同時に、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。図4に示す例では、通常フィードバックプロセスTbの開始時に、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3に含まれている。そのため制御部24は、通常フィードバックプロセスTbが開始された直後に流量計22から計測信号S1を受信したタイミングと実質的に同時に、モータニードルバルブ23に制御信号S2を送信し、分岐ライン112を流れる処理液の流量を低減させる(図4の符号「g2」参照)。
なお、ここでいう「実質的に同時」とは、厳密に同時であることは必要とされない意味である。制御部24における計測信号S1の受信から制御信号S2の送信までに要する時間や、モータニードルバルブ23における制御信号S2の受信から弁駆動までに要する時間は、実際には非常に短い時間である。したがって、「制御部24が流量計22の計測結果を受信したタイミング」と「モータニードルバルブ23による流量調整が行われるタイミング」との間に、これらの時間に相当する程度の遅延があっても、そのような遅延は実質的に無視できる程度の短い時間である。したがって、そのような「制御部24による流量計22の計測結果の受信」と「モータニードルバルブ23による流量調整」とは、実質的に同時に行われると言える。
図4に示す例では、上述の通常フィードバックプロセスTbにおけるモータニードルバルブ23の最初の流量調整によって、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3(図4の符号「g2」参照)から第2範囲R2(図4の符号「g3」参照)に変化する。したがって制御部24は、その後は上述の第2周期P2で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。すなわち制御部24は、第1周期P1で流量計22から計測信号S1を受信する一方で、第2周期P2でモータニードルバルブ23に制御信号S2を送信する。
特に本実施形態の制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2に含まれていない状態から第2範囲R2に含まれている状態に移行したことを示す流量計22の計測結果を受信したタイミング(符号「g3」参照)を基準にして、モータニードルバルブ23が処理液の流量を調整するタイミングを定める。そして制御部24は、少なくとも、そのような計測結果を受信したタイミングと実質的に同時には、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させない。
図5は、流量計22による流量計測周期(すなわち第1周期P1)とモータニードルバルブ23による流量調整周期(すなわち第2周期P2)との関係例を示す図である。図5において横方向は時間Tの経過を示し、縦方向に延在する実線は、流量計22による流量計測タイミング及びモータニードルバルブ23による流量調整タイミングを示す。なお図5において符号「t1」は第1周期P1の時間間隔を示し、符合「t2」は第2周期P2の時間間隔を示し、図4に示す符合「t1」及び「t2」についても同様である。
本実施形態では、図5に示すように、処理液の流量が第2範囲R2に含まれていない状態から第2範囲R2に含まれている状態に移行したことを示す流量計22の計測結果を制御部24が受信したタイミング(符号「g3」参照)では、処理液の流量調整は行われない。その一方で、そのような計測結果を制御部24が受信したタイミングに基づいて、モータニードルバルブ23によって処理液の流量調整を行うタイミングが決められる。すなわち、そのような計測結果を制御部24が受信したタイミングが、第2周期P2の開始点となり、モータニードルバルブ23による流量調整を次に行うタイミングがその開始点から時間t2後に設定される。したがって、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2に含まれていない状態から第2範囲R2に含まれている状態に移行したことを制御部24が検知しても、その検知タイミングではモータニードルバルブ23による処理液の流量調整は行われない。ただし、その検知タイミングから時間t2後にはモータニードルバルブ23による処理液の流量調整が行われ、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pに近づけられる。
このように、流量計22による計測周期(すなわち第1周期P1)よりも長い周期(すなわち第2周期P2)でモータニードルバルブ23を動作させることによって、モータニードルバルブ23の動作回数を効果的に低減できる。すなわち流量計22の流量計測周期とモータニードルバルブ23の流量調整周期とが等しい従来手法に比べ、本実施形態の制御手法では、モータニードルバルブ23の流量調整周期が流量計22の流量計測周期よりも長いため、流量調整頻度が抑制され、モータニードルバルブ23の動作回数は低減される。例えば、図5では「t2=t1×10」の関係が満たされるため、処理液の流量が第2範囲R2にある間のモータニードルバルブ23の動作回数は、従来手法に比べて10分の1(すなわち1/10)になる。また特に、処理液の流量が第2範囲R2に含まれていない状態から第2範囲R2に含まれている状態に移行したことを示す流量計22の計測結果を制御部24が受信したタイミングと実質的に同時にはモータニードルバルブ23を動作させないことで、より効果的に、モータニードルバルブ23の動作回数を低減できる。
なお本実施形態では、図5に示すように、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整のタイミングとほぼ同時に、流量計22による処理液の流量計測が行われているが、モータニードルバルブ23の流量調整タイミングと流量計22の流量計測タイミングとはずれていてもよい。
そして図4に示すように、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2にあることを流量計22の計測結果が示す間は、第2周期P2で、モータニードルバルブ23の開度調整が繰り返し行われ、処理液の流量が設定流量Pに近づけられる(符合「g4」及び「g5」参照)。
その後、図4に示す例では、流量計22の計測結果から、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pよりも過剰に小さくなって第3範囲R3にあることが、制御部24によって検知される(符合「g6」参照)。そのため制御部24は、上述のように、そのような計測結果を受信したタイミングと実質的に同時に、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。具体的には、モータニードルバルブ23が開かれ、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pに近づくように増大される。
このように、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第3範囲R3にあること検知したらすぐにモータニードルバルブ23を動作させて処理液の流量を調整することにより、処理液の流量が設定流量Pから過剰に乖離することを迅速に防ぐことができる。
その後、図4に示す例では、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1にあることを、流量計22の計測結果が示す(符合「g7」参照)。上述のように、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1にある間は、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整は行われず、モータニードルバルブ23は実質的に動作せずに開度が維持される。ただし、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1にある間も流量計22による計測及び計測信号S1の送信は継続的に行われており、制御部24は、第1周期P1で分岐ライン112を流れる処理液の流量を監視し続けている。
その後、図4に示す例では、再び、流量計22の計測結果から、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pよりも過剰に大きくなって第3範囲R3にあることが、制御部24によって検知される(符合「g8」参照)。そのため、上述のように、制御部24は、そのような計測結果を受信したタイミングと実質的に同時に、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させて設定流量Pに近づける。
上述のように、制御部24は、流量計22の計測結果に基づいて、設定流量Pからの乖離の指標となる第1範囲R1~第3範囲R3のうちのいずれに分岐ライン112を流れる処理液の流量が属するかに応じて、モータニードルバルブ23の流量調整周期を調整する。処理液の流量が第1範囲R1に属する間は、モータニードルバルブ23の開閉動作は行われず、モータニードルバルブ23の動作回数の低減が図られている。一方、処理液の流量が第3範囲R3に属する間は、モータニードルバルブ23の開閉動作を比較的短い周期で行って、処理液の流量の迅速な適正化が図られている。そして処理液の流量が第2範囲R2に属する間は、モータニードルバルブ23の開閉動作を比較的長い周期で行って、モータニードルバルブ23の動作回数の低減が図られるとともに、処理液の流量の適正化が図られている。
図6は、通常フィードバックプロセスTbにおいて、モータニードルバルブ23の流量調整周期を決定するフローを示す図である。
図6に示す処理フローにおいて、制御部24は、まず、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1内にあるかどうかを判定する(図6のS11)。具体的には、制御部24は、流量計22からの計測信号S1に基づいて分岐ライン112を流れる処理液の流量に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、処理液の流量が第1範囲R1内にあるかどうかを判定する。
分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1内にあると判定される場合(S11のY)、制御部24は、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整を行わない(S12)。具体的な手法は特に限定されないが、例えば、制御部24からモータニードルバルブ23への制御信号S2の送信を止めることによって、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整が行われないようにできる。
一方、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1範囲R1内にはないと判定される場合(S11のN)、制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2内にあるかどうかを判定する(S13)。分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2内にあると判定される場合(S13のY)、制御部24は、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整を第2周期P2で行う(S14)。具体的には、制御部24からモータニードルバルブ23に制御信号S2を第2周期P2で送ることにより、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整を第2周期P2で行うことができる。
一方、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2範囲R2内にはないと判定される場合(S13のN)、分岐ライン112を流れる処理液の流量は第3範囲R3にあるため、制御部24は、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整を第1周期P1で行う(S15)。具体的には、制御部24からモータニードルバルブ23に制御信号S2を第1周期P1で送ることにより、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整を第1周期P1で行うことができる。
そして制御部24は、通常フィードバックプロセスTbの終了まで上述の処理ステップS11~S15を繰り返し(S16のN)、通常フィードバックプロセスTbの終了によって図6に示す処理フローも終了する(S16のY)。なお制御部24は、通常フィードバックプロセスTbの終了の判定を任意の手法で行うことができる。例えば、通常フィードバックプロセスTbの終了を指示する信号が制御部24に入力される場合、制御部24は、そのような信号に基づいて通常フィードバックプロセスTbの終了の判定を行ってもよい。また、通常フィードバックプロセスTbの終了のタイミングが予め決められている場合、制御部24は、そのようなタイミングに応じて通常フィードバックプロセスTbの終了の判定を行ってもよい。
以上説明したように本実施形態の液処理装置及び液処理方法によれば、分岐ライン112を流れる処理液の流量を緊急度に応じて調整することにより、処理液の流量の設定流量Pからの過大な乖離を防ぎつつ、モータニードルバルブ23の動作回数を効果的に低減することができる。すなわち処理液の流量が緊急度の高い第3範囲R3にある場合には、設定流量Pからの乖離の低減を優先し、流量計22の計測タイミングと同時的にモータニードルバルブ23により処理液の流量調整を行って、処理液の流量を素早く設定流量Pに近づけることができる。一方、緊急度がそれ程高くない第2範囲R2に処理液の流量がある場合には、流量計22の計測周期よりも長い時間間隔でモータニードルバルブ23により処理液の流量調整を行って、設定流量Pからの乖離を防ぎつつモータニードルバルブ23の動作回数を低減することができる。また緊急度が高くない第1範囲R1に処理液の流量がある場合には、モータニードルバルブ23による処理液の流量調整が行われず、モータニードルバルブ23の動作回数をより一層低減することができる。
例えば、従来手法では10年間で150,000,000回もの多数回モータニードルバルブ23を動作させる必要があるような上述のようなケースであっても、上述の本実施形態によればモータニードルバルブ23の動作回数を10年間で20,000,000回程度にまで低減させることも可能である。すなわち本実施形態の液処理方法及び液処理装置によれば、従来手法に比べ、モータニードルバルブ23の動作回数を7分の1(1/7)以下にまで低減することも可能であり、モータニードルバルブ23の装置寿命を飛躍的に伸ばすことができる。
その一方で、制御部24は、処理液の流量調整の緊急度にかかわらず、非常に短い時間間隔で、流量計22から計測信号S1を受信し、分岐ライン112を流れる処理液の流量を監視し続ける。したがって、何らかの要因によって分岐ライン112を流れる処理液の流量が過大又は過小になったとしても、制御部24は、そのような処理液の流量の変化を迅速に検知し、モータニードルバルブ23を制御して処理液の流量を素早く設定流量Pに近づけるように調整することができる。
なお処理液の流量に異常をもたらすそのような要因は様々な事象に基づいており、発生タイミングを予想可能な要因だけでなく、発生タイミングを予想できない突発的な要因によっても、処理液の流量は乱されうる。例えば、図4の符合「D1」で示されるように、モータニードルバルブ23が閉じられている状態から予め設定された開度まで開かれる初期開弁プロセスTaでは、設定流量Pから懸け離れた流量の処理液が分岐ライン112を流れやすい。また図1に示すように1つのタンク102に対して複数の処理ユニット16が接続されている場合、各処理ユニット16の液処理工程は他の処理ユニット16の作動状態の影響を受ける。したがって例えば、ある処理ユニット16の液処理工程の途中で他の処理ユニット16の液処理工程が開始されると、当該ある処理ユニット16に対する処理液の供給量が減り、図4の符合「D2」で示されるように処理液の流量が低減することがある。また図示は省略するが、1つの処理ユニット16に対して複数のタンク102が接続されており、処理ユニット16に対する処理液の供給源が、空になったタンク102から満タンの他のタンク102に切り換えられる際には、図4の符合「D3」で示されるように処理液の流量が突然増大することがある。本実施形態の液処理方法及び液処理装置によれば、上述のような予想可能な要因及び予想できない要因によって処理液の流量が乱されても、素早く処理液の流量を設定流量Pに近づけることができる。
なお本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形が加えられた各種態様も本発明の範囲に含まれうるものであり、本発明によって奏される効果も上述の事項に限定されない。したがって、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲及び明細書に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
例えば、上述の第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3は、必ずしも固定的に設定されている範囲である必要はなく、流量の計測及び調整の対象となる処理液の特性、ウエハWの特性、及び要求される流量調整精度等に応じて、可変的に設定されてもよい。また1回の液処理工程(特に通常フィードバックプロセスTb)の中で、上述の第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3は可変的に設定されてもよい。
図7は、第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3の大きさの関係の一例を示す概念図である。図8は、第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3の大きさの関係の他の例を示す概念図である。図7及び図8において、横軸は分岐ライン112を流れる処理液の流量を示し、符合「P」は設定流量を示し、符合「P」よりも左側に離れるに従って処理液の流量が小さいことを示し、符合「P」よりも右側に離れるに従って処理液の流量が大きいことを示す。
上述のように、第1範囲R1では処理液の流量調整が行われず、第2範囲R2では第1周期P1よりも長い時間間隔の第2周期P2で処理液の流量調整が行われ、第3範囲R3では第1周期P1で処理液の流量調整が行われる。したがって、第3範囲R3が占める範囲が大きいほどモータニードルバルブ23の動作回数は増え、第1範囲R1及び第2範囲R2(特に第1範囲R1)が占める範囲が大きくなるほどモータニードルバルブ23の動作回数は減る傾向がある。一方、第2範囲R2及び第3範囲R3(特に第3範囲R3)が占める範囲が大きいほど、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pから乖離する可能性を低減でき、第1範囲R1が占める範囲が大きいほど処理液の流量が設定流量Pから乖離する可能性が高くなる。
したがって例えば、モータニードルバルブ23の動作回数を低減することと、処理液の流量を精度良く調整することとの両者をバランス良く実施することが求められる場合には、図7に示すように、第2範囲R2を比較的広くし、第3範囲R3を比較的狭くすることが好ましい。一方、モータニードルバルブ23の動作回数の低減よりも、処理液の流量調整を高精度に行うことの優先度が高い場合には、図8に示すように第2範囲R2を比較的狭くして第3範囲R3を比較的広くしたり、第1範囲R1を比較的狭くしたりすることが好ましい。また処理液の流量調整を高精度に行うことよりも、モータニードルバルブ23の動作回数を低減させることの優先度が高い場合には、第1範囲R1及び/又は第2範囲R2を比較的広くし、第3範囲R3を比較的狭くすることが好ましい。
また上述の実施形態では、分岐ライン112を流れる処理液の流量の範囲が3つに区分されているが、2つに区分されてもよいし、4つ以上に区分されてもよい。
図9は、処理液の流量の範囲が2つに区分される場合における、第1区分範囲A1及び第2区分範囲A2の大きさの関係の一例を示す概念図である。図9において、横軸は分岐ライン112を流れる処理液の流量を示し、符合「P」は設定流量を示し、符合「P」よりも左側に離れるに従って処理液の流量が小さいことを示し、符合「P」よりも右側に離れるに従って処理液の流量が大きいことを示す。
図9に示すように処理液の流量の範囲が第1区分範囲A1及び第2区分範囲A2に区分される場合、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pに対して相対的に近い予め設定された第1区分範囲A1にある場合には、モータニードルバルブ23の流量調整周期の時間間隔を比較的長く設定できる。一方、分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1区分範囲A1よりも設定流量Pから離れた予め設定された第2区分範囲A2にある場合には、モータニードルバルブ23の流量調整周期の時間間隔を比較的短く設定できる。これにより、モータニードルバルブ23の動作回数を低減することと、処理液の流量を精度良く制御することとの両者をバランス良く実施することが可能である。
なお、設定流量Pを基準にして定められる上述の第1区分範囲A1及び第2区分範囲A2には、上述の第1範囲R1、第2範囲R2及び第3範囲R3のいずれかを割り当てることが可能である。すなわち、第1区分範囲A1を第1範囲R1とし且つ第2区分範囲A2を第2範囲R2としたり、第1区分範囲A1を第1範囲R1とし且つ第2区分範囲A2を第3範囲R3としたり、第1区分範囲A1を第2範囲R2とし且つ第2区分範囲A2を第3範囲R3としたりすることが可能である。
例えば、第1区分範囲A1を第1範囲R1とし且つ第2区分範囲A2を第2範囲R2とする場合、制御部24は、以下のようにして分岐ライン112を流れる処理液の流量を調整する。すなわち、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1区分範囲A1(すなわち第1範囲R1)に含まれる場合、制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量がモータニードルバルブ23によって調整されないようにする。一方、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2区分範囲A2(すなわち第2範囲R2)に含まれる場合、制御部24は、上述の第2周期P2で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。
また第1区分範囲A1を第1範囲R1とし且つ第2区分範囲A2を第3範囲R3とする場合、制御部24は、以下のようにして分岐ライン112を流れる処理液の流量を調整する。すなわち、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1区分範囲A1(すなわち第1範囲R1)に含まれる場合、制御部24は、分岐ライン112を流れる処理液の流量がモータニードルバルブ23によって調整されないようにする。一方、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2区分範囲A2(すなわち第3範囲R3)に含まれる場合、制御部24は、上述の第3周期P3で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。この第3周期の時間間隔は、流量計22の流量計測周期である第1周期P1の時間間隔と等しくてもよい。
また第1区分範囲A1を第2範囲R2とし且つ第2区分範囲A2を第3範囲R3とする場合、制御部24は、以下のようにして分岐ライン112を流れる処理液の流量を調整する。すなわち、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第1区分範囲A1(すなわち第2範囲R2)に含まれる場合、制御部24は、上述の第2周期P2で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。一方、流量計22の計測結果が示す分岐ライン112を流れる処理液の流量が第2区分範囲A2(すなわち第3範囲R3)に含まれる場合、制御部24は、上述の第2周期P2の時間間隔よりも短い時間間隔の第3周期P3で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させる。この第3周期の時間間隔は、流量計22の流量計測周期である第1周期P1の時間間隔と等しくてもよい。
上述のように、モータニードルバルブ23による流量調整が行われない範囲(図4の第1範囲R1参照)は必須ではない。同様に、流量計22による流量計測周期と同じ周期でモータニードルバルブ23による流量調整が行われる範囲(図4の第3範囲R3参照)も必須ではない。
また、分岐ライン112を流れる処理液の流量が設定流量Pから乖離しやすい動作モードが予め分かっている場合、その間は、流量計22の計測結果にかかわらず、モータニードルバルブ23による流量調整周期の時間間隔を短く設定し、処理液の流量の設定流量Pからの乖離を防いでもよい。具体的には、制御部24は、少なくとも液処理装置の動作モードが予め設定された第1動作モードである期間は、流量計22の計測結果にかかわらず、上記の第2周期P2の時間間隔よりも短い時間間隔の第4周期で、分岐ライン112を流れる処理液の流量をモータニードルバルブ23によって調整させることが可能である。この第4周期の時間間隔は、流量計22の流量計測周期である第1周期P1の時間間隔と等しくてもよい。
図10は、液処理工程のプロセスの概略を示す図である。図10に示す液処理工程は、液処理工程のスタートともに上述の初期開弁プロセスTaが行われる。そして、制御モード切り換えタイミングで、初期開弁プロセスTaから通常フィードバックプロセスTbに動作モードがシフトする。そして、通常フィードバックプロセスTbが液処理工程の最後まで続けられる。上述の実施形態では、初期開弁プロセスTaの間は、モータニードルバルブ23のフィードバック制御は行われず、モータニードルバルブ23の開度は予め設定された開度に固定されているが、初期開弁プロセスTaの間もモータニードルバルブ23のフィードバック制御が行われもよい。特に、初期開弁プロセスTaの実施タイミングに関する情報が制御部24に入力されることによって、制御部24は初期開弁プロセスTaの実施タイミングを予め把握することが可能である。したがって初期開弁プロセスTaを上述の第1動作モードの期間として設定し、制御部24は、初期開弁プロセスTaが行われている期間、流量計22の計測結果にかかわらず、処理液の流量調整を上述の第4周期でモータニードルバルブ23に実施させてもよい。これにより、処理液の流量が設定流量Pから乖離しやすい初期開弁プロセスTa(図4の符合「D1」参照)であっても、処理液の流量を設定流量Pに近づけて、液処理を適切に行うことができる。
なお上述の第1動作モードの期間は初期開弁プロセスTaに限定されず、任意のプロセスを上述の第1動作モードの期間として設定することが可能である。例えば、図1に示すように1つのタンク102に対して複数の処理ユニット16が接続されている場合に、ある処理ユニット16の液処理工程の途中で他の処理ユニット16の液処理工程が開始されるタイミング及びその前及び/又は後の予め設定された期間が、上述の第1動作モードの期間として設定されてもよい。また1つの処理ユニット16に対して複数のタンク102が接続されている場合に、処理ユニット16に対する処理液の実質的な供給源となるタンク102を切り換えるタイミング及びその前及び/又は後の予め設定された期間が、上述の第1動作モードの期間として設定されてもよい。
また上述の実施形態では、流量計22による流量計測の対象及びモータニードルバルブ23による流量調整の対象がDHFなどの処理液の場合について説明したが、これらの対象は処理液以外の流体であってもよい。例えばDIWなどのリンス液或いは他の流体の流量を、流量計22によって計測し、モータニードルバルブ23によって調整する場合にも、上述の実施形態及び変形例と同様の液処理装置及び液処理方法を利用することができる。
また上述の実施形態では、流量調整機構としてモータニードルバルブを使用する場合について説明したが、他の機構によって処理液等の流体の流量を調整する場合にも、上述の実施形態及び変形例と同様にして処理を行うことができる。
上述のように、上述の実施形態及び変形例では、供給ライン(分岐ライン112)を流れる流体(処理液等)の流量が予め設定された範囲に含まれることを流量計22の計測結果が示す場合、第1周期P1の時間間隔よりも長い時間間隔の周期で、供給ラインを流れる流体の流量を流量調整機構(モータニードルバルブ23)によって調整させる。ここでいう「第1周期P1の時間間隔よりも長い時間間隔の周期で供給ラインを流れる流体の流量を流量調整機構によって調整させる場合」には、上述の第2範囲R2のように流体の流量の調整が積極的に行われる場合だけではなく、上述の第1範囲R1のように流体の流量の調整が積極的に行われない場合(すなわち流量調整周期が無限大の時間間隔を有する場合)も含まれる。