JP7004141B2 - 車両用照明装置、および車両用灯具 - Google Patents
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Description
車両用照明装置に設けられるソケットには、発光モジュールにおいて発生した熱の放熱性が高く、且つ、軽量であることが望まれている。
そのため、高熱伝導性樹脂を含むソケットが提案されている。
ところが、高熱伝導性樹脂には酸化アルミニウムなどからなるフィラーが添加されるので、流動性が低下する場合がある。
そのため、射出成形法により高熱伝導性樹脂を含むソケットを成形すると、充填不足やウェルドラインなどの成形不良が発生するおそれがある。充填不足やウェルドラインなどが発生したソケットは不良品となるので歩留まりが低下することになる。
そこで、高熱伝導性樹脂を含むソケットの歩留まりを向上させることが望まれていた。
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図1および図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40が設けられている。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面13b(第1の面の一例に相当する)に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11aを有する。凹部11aの底面11a1には発光モジュール20が設けられる。
装着部11には、少なくとも1つのスリット11bを設けることができる。スリット11bの内部には、基板21の角部が設けられる。装着部11の周方向におけるスリット11bの寸法(幅寸法)は、基板21の角部の寸法よりも僅かに大きくなっている。そのため、スリット11bの内部に基板21の角部を挿入することで、基板21の位置決めができるようになっている。
また、スリット11bを設けるようにすれば、基板21の平面形状を大きくすることができる。そのため、基板21上に実装する素子の数を増加させることができる。あるいは、装着部11の外形寸法を小さくすることができるので、装着部11の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとなっている。
この場合、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれる。
そのため、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムや炭素などからなるフィラーを混合させたものである。
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。
なお、高熱伝導性樹脂を含み、射出成形法を用いて成形されるソケット10に関する詳細は後述する。
基板21は、接着部を介して伝熱部40に設けられている。すなわち、基板21は、伝熱部40の基板21側の面に接着されている。基板21は、平板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
なお、発光素子22は、表面実装型の発光素子やリード線を有する砲弾型の発光素子とすることもできる。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1および図2に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。枠部25は、基板21の上に設けられている。枠部25は、基板21に接着されている。枠部25は、例えば、環状形状を有し、内側に複数の発光素子22が配置されるようになっている。すなわち、枠部25は、複数の発光素子22を囲んでいる。枠部25は、樹脂から形成されている。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
また、枠部25を設けずに封止部26のみを設けることもできる。封止部26のみを設ける場合には、ドーム状の封止部26が基板21の上に設けられる。
給電端子31は、棒状体とすることができる。給電端子31は、凹部11aの底面11a1から突出している。給電端子31は、複数設けられている。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けられている。絶縁部32は、給電端子31とソケット10との間に設けられている。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光部20側の端面、および絶縁部32の放熱フィン14側の端面から突出している。複数の給電端子31の発光部20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続されている。すなわち、給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けされている。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出している。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。給電端子31は、導電性を有する。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
ここで、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、-40℃~85℃となる。そのため、絶縁部32の材料の熱膨張係数は、ソケット10の材料の熱膨張係数となるべく近くなるようにすることが好ましい。この様にすれば、絶縁部32とソケット10との間に発生する熱応力を低減させることができる。例えば、絶縁部32の材料は、ソケット10に含まれる高熱伝導性樹脂としたり、この高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂としたりすることができる。
絶縁部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内壁に接着したりすることができる。
伝熱部40と基板21とを接着する接着剤、および伝熱部40と凹部11aの底面11a1とを接着する接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)とすることが好ましい。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
図3は、ソケット10の中心軸に平行な方向における模式断面図である。
図4は、ソケット10を装着部11側から見た模式平面図である。
図5は、ソケット10を放熱フィン14側から見た模式平面図である。
ここで、射出成形法を用いてソケット10を成形する際には、金型の一方の端部側から溶融された高熱伝導性樹脂が充填される。例えば、図3および図4に示すように、バヨネット12のフランジ13側とは反対側の面12aから溶融された高熱伝導性樹脂が充填される。この場合、金型の面12aに対応する位置にはゲート200が設けられる。ゲート200は、射出成形法によりソケット10を成形する際に、高熱伝導性樹脂が金型の内部に流れ込む入り口である。ソケット10のゲート200に対応する位置には、痕跡部200a(第1の痕跡部の一例に相当する)が形成される。ゲート200は、少なくとも1つ設けられる。そのため、ソケット10を装着部11が設けられる側から見た場合に、痕跡部200aが、複数のバヨネット12の少なくともいずれかに設けられる。
複数のゲート200の位置には特に限定はないが、金型の中心軸(ソケット10の中心軸10c)を中心として点対称となる位置、または中心軸10cを通る線分を軸として線対称となる位置に設けることが好ましい。この場合、複数の痕跡部200aが中心軸10cを中心として点対称となる位置、または中心軸10cを通る線分を軸として線対称となる位置に設けられることになる。例えば、2つの痕跡部200aが、中心軸10cを挟んで対峙する位置に設けられる。
複数の痕跡部201aが設けられる場合には、図5に示すように、複数の痕跡部201aは、線分10eの上に設けることができる。また、複数の痕跡部201aは、フランジ13の面13aの周縁近傍に設けることができる。この場合、複数の痕跡部201aは、線分10eを軸として線対称となる位置に設けることができる。痕跡部201aは、フランジ13の面13a、放熱フィン14の頂面14a、面13aに設けられた凹部13a1の底面、凹部13a1に設けられた凸部13cの頂面などに設けることができる。
これらの位置に入れ子201(痕跡部201a)を設ければ、発生したガスを効果的に排出することができるので、充填不足やウェルドラインなどの成形不良の発生を抑制することができる。そのため、高熱伝導性樹脂を含むソケット10の歩留まりを向上させることができる。
図7は、図6におけるA部の模式斜視図である。
図3および図4に例示をした痕跡部200aは、バヨネット12の面12aに設けられた凹部12a1の底面に設けられている。しかしながら、痕跡部200aの配置はこれに限定されるわけではない。
痕跡部200aは、放熱フィン14の頂面14aに設けることができる。この場合、図6および図7に示すように、痕跡部200aは、放熱フィン14の頂面14aに設けられた凹部14a1の底面に設けることができる。痕跡部200aは、ソケット10の中心軸10cから最も離れた放熱フィン14に設けることができる。痕跡部200aは、複数設けることができる。複数の痕跡部200aは、中心軸10cを中心として点対称となる位置、または中心軸10cを通る線分を軸として線対称となる位置に設けることができる。例えば、2つの痕跡部200aを、中心軸10cを挟んで対峙する位置に設けることができる。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図8に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
例えば、図8に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。
Claims (11)
- 高熱伝導性樹脂を含むソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられ発光素子を有する発光モジュールと;を備えた車両用照明装置であって、
前記ソケットは、
フランジと;
前記フランジの第1の面に設けられた装着部と;
前記装着部の側面に設けられた複数のバヨネットと;
前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた少なくとも1つの放熱フィンと;
前記ソケットを前記装着部が設けられる側から見た場合に、前記複数のバヨネットの少なくともいずれかに設けられた第1の痕跡部と;
前記ソケットを前記放熱フィンが設けられる側から見た場合に、前記フランジの前記第1の面とは反対側の第2の面の周縁に設けられた複数の第2の痕跡部と;
を具備した車両用照明装置。 - 前記第1の痕跡部は、前記バヨネットに設けられた凹部の底面に設けられている請求項1記載の車両用照明装置。
- 前記ソケットを前記放熱フィンが設けられる側から見た場合に、前記ソケットの中心軸を通り、且つ、前記中心軸と前記第1の痕跡部とを通る線分に直交する線分の上に設けられた第3の痕跡部と;
をさらに備えた請求項1または2に記載の車両用照明装置。 - 前記第1の痕跡部は、複数設けられ、
前記複数の第1の痕跡部は、前記ソケットの中心軸を中心として点対称となる位置、または前記中心軸を通る線分を軸として線対称となる位置に設けられている請求項1~3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。 - 前記複数の第2の痕跡部は、前記ソケットの中心軸を通り、且つ、前記中心軸と前記第1の痕跡部とを通る線分に直交する線分を軸として線対称となる位置に設けられている請求項1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 高熱伝導性樹脂を含むソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられ発光素子を有する発光モジュールと;を備えた車両用照明装置であって、
前記ソケットは、
フランジと;
前記フランジの第1の面に設けられた装着部と;
前記装着部の側面に設けられた複数のバヨネットと;
前記フランジの前記装着部側とは反対側に設けられた少なくとも1つの放熱フィンと;
前記放熱フィンの頂面に設けられた第4の痕跡部と;
前記ソケットを前記放熱フィンが設けられる側から見た場合に、前記フランジの前記第1の面とは反対側の第2の面の周縁に設けられた複数の第2の痕跡部と;
を具備した車両用照明装置。 - 前記第4の痕跡部は、前記放熱フィンに設けられた凹部の底面に設けられている請求項6記載の車両用照明装置。
- 前記ソケットを前記放熱フィンが設けられる側から見た場合に、前記ソケットの中心軸を通り、且つ、前記中心軸と前記第4の痕跡部とを通る線分に直交する線分の上に設けられた第5の痕跡部と;
をさらに備えた請求項6または7に記載の車両用照明装置。 - 前記第4の痕跡部は、複数設けられ、
前記ソケットを前記放熱フィンが設けられる側から見た場合に、前記複数の第4の痕跡部は、前記ソケットの中心軸を中心として点対称となる位置、または前記中心軸を通る線分を軸として線対称となる位置に設けられている請求項6~8のいずれか1つに記載の車両用照明装置。 - 前記複数の第2の痕跡部は、前記ソケットの中心軸を通り、且つ、前記中心軸と前記第4の痕跡部とを通る線分に直交する線分を軸として線対称となる位置に設けられている請求項6~9のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 請求項1~10のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた装着部を保持する筐体と;
を具備した車両用灯具。
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