JP6857322B2 - 車両用照明装置および車両用灯具 - Google Patents
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Description
一般的には、発光部はソケットの一方の端部に接着される。あるいは、発光部は熱伝導グリスを介してソケットの一方の端部に設けられる。
発光部をソケットの一方の端部に接着する際には、ソケットの一方の端部に接着剤を塗布し、接着剤が塗布されたソケットの一方の端部に発光部を押し当てるようにする。発光部をソケットの一方の端部に熱伝導グリスを介して設ける際には、ソケットの一方の端部に熱伝導グリスを塗布し、熱伝導グリスが塗布されたソケットの一方の端部に発光部を押し当てるようにする。接着剤または熱伝導グリスは流動性を有するので、発光部を押し当てることで発光部のソケット側の面に接着剤または熱伝導グリスを行き渡らせることができる。
そのため、ソケットの一方の端部にスリットを設け、スリットの内部に基板の角部を設ける技術が提案されている。
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図3は、図1における車両用照明装置1のA−A線断面図である。
図4は、図1における車両用照明装置1をB方向から見た図である。
図1〜図4に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光部20、および給電部30が設けられている。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11a(第1の凹部の一例に相当する)を有する。
また、スリット11dを設けるようにすれば、基板21の平面形状を大きくすることができる。そのため、基板21上に実装する素子の数を増加させることができる。あるいは、装着部11の外形寸法を小さくすることができるので、装着部11の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとなっている。
そのため、発光部20において発生した熱を外部に伝えることを考慮して、ソケット10は高い熱伝導率を有する材料から形成することが好ましい。高い熱伝導率を有する材料は、例えば、アルミニウムなどの金属や、高熱伝導性樹脂などとすることができる。この場合、ソケット10は、金属から形成された部分と高熱伝導性樹脂から形成された部分を接合したものとすることもできる。
高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムや炭素などからなるフィラーを混合させたものである。また、高熱伝導性樹脂を用いてソケット10を形成すれば、発光部20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量化を図ることができる。
図3に示すように、基板21は、接着剤が硬化することで形成された層10dを介して凹部11aの底面11a1に設けられている。また、基板21は、熱伝導グリスから形成された層10dを介して凹部11aの底面11a1に設けることもできる。すなわち、層10dは、基板21と、ソケット10の一方の端面に開口する凹部11aの底面11a1との間に設けられている。層10dは、接着剤または熱伝導グリスから形成されている。また、図2に示すように、凹部11aの底面11a1には凹部11b(第2の凹部の一例に相当する)が設けられている。凹部11bは、凹部11aの底面11a1に開口している。凹部11bの内部には、層10dの一部が設けられている。なお、層10dおよび凹部11bに関する詳細は後述する。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
抵抗23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1、図2、および図4に例示をした抵抗23は、膜状の抵抗器である。
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗23が膜状の抵抗器であれば、抵抗23と基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗23を一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができ、また、複数の抵抗23における抵抗値のばらつきを抑制することができる。
抵抗23が膜状の抵抗器の場合には、抵抗23の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、抵抗23にレーザ光を照射すれば抵抗23の一部を容易に除去することができる。抵抗23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1、図2、および図4に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側の面に設けられている。枠部25は、例えば、環状形状を有し、内側に複数の発光素子22が配置されるようになっている。すなわち、枠部25は、複数の発光素子22を囲んでいる。
枠部25は、樹脂から形成されている。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
給電端子31は、棒状体とすることができる。給電端子31は、複数設けられている。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部に設けられている。複数の給電端子31は、絶縁部32の内部を延び、絶縁部32の発光部20側の端面、および絶縁部32の放熱フィン14側の端面から突出している。複数の給電端子31の発光部20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと電気的および機械的に接続されている。すなわち、給電端子31の一方の端部は、配線パターン21aと半田付けされている。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出している。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。給電端子31は、導電性を有する。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
ミクロンオーダで見た場合、基板21と凹部11aの底面11a1とを完全に密着させるのは困難である。そのため、発光部20を凹部11aの底面11a1に直接設けるようにすると、基板21と凹部11aの底面11a1との間に部分的な隙間(空気の層)が生じることになる。空気は断熱性が高いため、部分的な隙間が生じると熱伝導性が低下することになる。層10dは、接着剤が硬化することで形成された層、または、熱伝導グリスから形成された層であるため隙間を埋めることができる。そのため、層10dを設けるようにすれば、熱伝導性を向上させることができる。
また、層10dが、接着剤が硬化することで形成された層である場合には、発光部20(基板21)を凹部11aの底面11a1に固定することができる。
層10dが、熱伝導グリスから形成された層である場合には、発光部20(基板21)を保持する図示しない保持部を凹部11aの底面11a1に設けるようにすればよい。
そのため、はみ出した接着剤または熱伝導グリスが凹部11aの底面11a1上を流れ、スリット11dを介してソケット10(装着部11)の外側に流れ出すおそれがある。接着剤または熱伝導グリスが装着部11の外側面に付着すると、外観品質が低下したり、接着剤または熱伝導グリスにゴミなどが取り込まれたり、車両用灯具100の筐体101へのソケット10(装着部11)の装着が困難となったりするおそれがある。
図5は、凹部11bを例示するための模式平面図である。
図5に示すように、凹部11bは、平面視において、底面11a1の中心11a1aと、スリット11dの中心とを結ぶ線上に設けられている。例えば、凹部11bは、1つのスリット11dに対して少なくとも1つ設けることができる。
また、塗布する接着剤または熱伝導グリスの量を多めにすることができるので、発光部20(基板21)の接着強度を向上させたり、放熱性を向上させたりすることもできる。
Wb≧Wd
この様にすれば、接着剤または熱伝導グリスの外部への流出をより確実に抑制することができる。
この場合、凹部11bの寸法Wbは、スリット11dの寸法Wdよりも1mm以上長くすることがさらに好ましい。
また、凹部11bの深さ寸法は、例えば、0.5mm以上、5mm以下とすることができる。
この様にすれば、接着剤または熱伝導グリスの収納量、接着強度、放熱性などを確保することができる。
図6(a)に示すように、凹部11bの、中心11a1a側とは反対側の壁面11b1と、凹部11aの底面11a1との間の角度は90°程度とすることができる。
凹部11bの、中心11a1a側の壁面11b2と、凹部11aの底面11a1との間の角度は90°程度とすることができる。
壁面11b1と底面11a1との間の角度を90°程度とすれば、凹部11bに収納された接着剤または熱伝導グリスが、壁面11b1を乗り越えて外部に流出するのを抑制することができる。
誤組み立てなどを防止するために、複数のバヨネット12の配置、数、大きさ、形状などは、車両用灯具100の種類などに応じて適宜変更される。
この場合、図5に例示をしたように、装着部11の周方向において、スリット11dの位置がバヨネット12の位置からずれていれば、スリット11dは、装着部11の外側面と装着部11の内側面(凹部11aの壁面)との間を貫通することになる。
そのため、図7に示すように、バヨネット12の位置に設けられたスリット11d1の近傍には凹部11bを設ける必要はない。
すなわち、スリット11d1が、バヨネット12の、装着部11の外側面側とは反対側の面と、凹部11aの壁面との間に設けられ、凹部11aの壁面に開口している場合には、底面11aの中心11a1と、スリット11d1の中心とを結ぶ線上には、凹部11bを設ける必要はない。
なお、この様なスリット11d1であっても、スリット11d1の内部には、基板21の角部が設けられている。
そのため、接着剤または熱伝導グリスが基板21の周縁からはみ出すのを抑制するための溝11cを設けることが好ましい。
図8に示すように、凹部11aの底面11a1に開口する溝11cをさらに設けることができる。例えば、溝11cは、基板21の周縁に沿って延びるものとすることができる。また、溝11cは、凹部11bと接続することができる。溝11cの内部には、層10dの一部が設けられている。
本発明者らの得た知見によれば、溝11cの幅寸法は、0.5mm以上、5mm以下とすることが好ましい。溝11cの深さは、0.5mm以上、10mm以下とすることが好ましい。この場合、溝11cの深さは、凹部11bの深さよりも浅くすることができる。
また、平面視における溝11cの輪郭は、円や多角形などの輪郭の一部を複数連結したものであってもよい。
図9は、放熱板28を例示するための模式図である。
放熱板28は、板状を呈し、熱伝導率の高い材料から形成することができる。放熱板28は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属から形成することができる。放熱板28を設ければ、発光部20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくなる。
なお、基板21と放熱板28との間に接着剤または熱伝導グリスから形成された層10d1を設けない場合には、溝11c1を設ける必要はない。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図10に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
Claims (10)
- 発光素子が設けられた基板と;
前記基板と、ソケットの一方の端面に開口する第1の凹部の底面との間に設けられ、接着剤または熱伝導グリスから形成された層と;
前記ソケットの外側面と、前記第1の凹部の壁面との間を貫通する少なくとも1つの第1のスリットと;
前記第1の凹部の底面に開口し、平面視において、前記底面の中心と、前記第1のスリットの中心とを結ぶ線上に設けられた第2の凹部と;
前記ソケットの外側面に設けられたバヨネットと;
前記バヨネットの前記ソケットの外側面側とは反対側の面と、前記第1の凹部の壁面との間に設けられ、前記第1の凹部の壁面に開口する第2のスリットと;
を具備し、
前記底面の中心と、前記第2のスリットの中心とを結ぶ線上には、前記第2の凹部が設けられていない車両用照明装置。 - 前記第1の凹部の周方向における前記第2の凹部の寸法をWb、前記第1の凹部の周方向における前記第1のスリットの寸法をWdとした場合に以下の式を満足する請求項1記載の車両用照明装置。
Wb≧Wd - 平面視において、前記第2の凹部の前記底面の中心側とは反対側の壁面は、前記第1の凹部の壁面の位置に設けられている請求項1または2に記載の車両用照明装置。
- 前記第1の凹部の底面に開口し、前記基板の周縁に沿って延びる溝をさらに具備した請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記溝は、前記第2の凹部と接続されている請求項4記載の車両用照明装置。
- 前記第1のスリットの内部には、前記基板の角部が設けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記第2のスリットの内部には、前記基板の角部が設けられている請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記第2の凹部の内部には、前記層の一部が設けられている請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記溝の内部には、前記層の一部が設けられている請求項4または5に記載の車両用照明装置。
- 請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
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