JP7004015B2 - 転炉精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転炉内に添加する媒溶材の溶融、滓化を促進することにより、中間排滓時のスラグ排出能の向上や媒溶材原単位の低減を図る上で有効な転炉精錬方法に関する。
近年、製鋼精錬の分野では、高炉から出銑される溶銑中の珪素や燐を転炉での脱炭処理に先立って除去する、いわゆる溶銑予備処理が普及しており、石灰などの媒溶材と製鋼スラグ発生量の低減に寄与することが知られている。しかし、この溶銑予備処理の技術は、たとえば高炉鍋やトピードカーなどの溶銑移送容器で行う場合、溶銑の移し替えに伴う熱損失を伴うため、鉄スクラップなどの冷鉄源の使用割合を抑制しなければならず、このことがCOなどの温室効果ガスの排出量削減の阻害要因となっている。
従来、前述した課題に対し、これを有利に解決する、いわゆる溶銑予備処理によるメリットと主原料選択範囲の増加を両立できる技術が開発されている。例えば、特許文献1に開示されているような、一つの転炉を用いて溶銑予備処理と脱炭処理の両方を行う方法がある。この方法は、屑鉄や溶銑を転炉に装入する工程、媒溶材(フラックス)の添加と酸素の吹き込みにより脱燐する工程、脱燐スラグを傾転させて排出する工程、フラックス添加と酸素吹き込みにより脱炭、脱燐処理する工程、脱炭、脱燐スラグを残したまま出鋼する工程、脱炭、脱燐スラグに対して炭材を添加してスラグ中の酸化鉄を還元する工程といった6つの工程を繰り返し行うものであり、生産性を阻害することなしに前述の溶銑予備処理のメリットを享受できるとされている。
また、特許文献2には、2つの転炉を用いて脱珪処理、脱燐処理および脱炭処理を行う方法が開示されている。この方法は、まず第一の転炉において、精錬用酸素と石灰系媒溶材を含む粉体を上吹きランスから吹き付けて脱珪処理を行い、次に脱珪処理スラグの一部を排滓(中間排滓)し、脱珪処理後の溶銑に対し精錬用酸素と石灰系媒溶材を含む粉体を吹き付けて脱燐処理を行い、その後、第二の転炉において、脱燐処理後の溶銑を脱炭処理する方法である。この方法では、脱珪および脱燐処理のいずれか一方もしくは両方の処理において、精錬用酸素、石灰系媒溶材を含む粉体、燃料ガスおよび酸化性ガスを吹き付けることのできるバーナー機能付きランスを用いることで、少量の媒溶材で溶銑の脱珪と脱燐処理ができるという特徴がある。
特開平5-140627 WO2014/112432
「MURC(Multi-Refining Converter)法における中間排滓中の流体挙動に及ぼす各種因子の影響の基礎的検討」、内藤 憲一郎、他3名、鉄と鋼、新日鐵住金(株)、2014年、第100巻、第4号、p.522-529 「冶金プロセスにおけるスラグのフォーミング機構とその制御」、原 茂太、他1名、鉄と鋼、大阪大学、1992年、第78巻、第2号、p.200-208
上掲の各従来技術のうち、特許文献1に記載の方法では、前述した媒溶材(フラックス)の添加と酸素吹き込みによって脱燐処理する工程において、スラグの塩基度を1.0~2.0、温度を1,350℃以下とすることで、脱燐能を確保している。しかし、この技術の場合、塩基度が1.0を超える領域ではスラグの融点が急激に上昇するため、フラックスの溶解を促進して脱燐能の向上を図ろうとすると、1,350℃以上の温度にて処理しなければならないといった、むしろ脱燐反応にとって不利な操作が必要になるという問題がある。
また、特許文献2については、バーナー機能つきの上吹きランスを用いることで、2000℃を超える高温火炎を利用できることから高融点フラックスでも容易に溶解できる利点を有する。しかし、この方法では、二つの転炉を用いることに起因した溶銑の移し替えが発生する。そのため、熱損失が増加し、鉄スクラップの配合範囲が制約されるので鉄スクラップの適正配合範囲を超える場合には新たな熱源が必要となり、熱源コストが増加するという問題を生じさせるおそれがある。
さらに、非特許文献1には、転炉の中間排滓工程についての水モデルおよび数値解析シミュレーションを行った例が記載されているが、この例では、スラグの粘度が大きくスラグとメタルとの密度差が小さいほど、メタルが流出し易く排滓性が低下することが指摘されている。したがって、転炉の中間排滓工程において、脱珪スラグあるいは脱燐スラグの排出量を高め、石灰などの媒溶材と製鋼スラグ発生量の低減によるメリットを享受するためには、スラグ粘度の低下が必要になる。
ただし、この非特許文献1に記載の考え方によると、1の転炉で脱珪と脱燐とを1回の処理で行う場合、脱珪時にはSiOが発生するために、石灰などの媒溶材を投入してスラグの塩基度を1.0~2.0として脱燐能の低下を抑制することが不可欠となる。しかし、塩基度が1.0を超える領域というのはスラグの融点が急激に上昇するため逆にスラグ粘度が高くなり、排滓性が低下してしまう。即ち、転炉で脱珪と脱燐の処理を行う場合、脱燐能の向上とスラグ粘度の低下による排滓性の両方を同時に確保するのは困難になるという問題がある。
しかも、発明者らの研究によると、転炉で脱珪と脱燐の処理を行った後、脱珪と脱燐の処理で生成したスラグを中間排滓するとき、上記スラグがフォーミングした状態において中間排滓を行うと、排滓性の向上につながることが分かった。
一方、非特許文献2には、転炉を含む冶金プロセスにおけるスラグフォーミングの機構とその制御法についての解説があるが、それによると、「フォーミング現象はスラグの組成に依存し、特に表面張力に関わり、融体の粘性については明確な関係が得られない」との記載がある。従って、脱燐能確保のためにスラグ組成が制限される条件では、スラグの中間排滓性を向上させるためには、スラグのフォーミングを促進するようなスラグの表面張力についての検討が必要であることが分かる。
そこで、本発明は、従来技術が抱えている前述の課題に鑑み開発した方法であり、その目的とするところは、中間排滓処理時のスラグ排出量を高めて中間排滓後の脱燐効率を向上させることができると共にCaO粉粒体等の媒溶材原単位を低減させることのできる有利な精錬方法を提案することにある。
本発明は、前記課題を解決して上掲の目的を実現するための方法であって、同一の転炉にて、溶銑から溶鋼を製造するに際し、中間排滓前には上吹きランスから工業用酸素ガスとCaOを含む粉粒体(媒溶材)を転炉内の溶銑に吹き付けて脱珪と脱燐の処理(以下、脱珪・脱燐処理と記す)をし、次に中間排滓後には脱炭と脱燐処理(以下、脱炭・脱燐処理と記す)するという加熱効率の高い方法の採用下で、中間排滓前の媒溶材の滓化と溶融の促進を図る方法として、前記媒溶材を加熱して供給すること、さらには脱燐能の確保のためスラグ組成が制限される中での中間排滓性を向上させるために、スラグのフォーミングが促進されるように、スラグの表面張力を変化させる手段などを採用することを特徴としている。
また、本発明では、スラグ塩基度が1.0を超える高い粘度のスラグ、具体的には1,400℃で0.05Pa・s以上の粘度を有するスラグを用いて精錬を行なう場合においても有効な方法を提案するものであり、前記脱珪・脱燐処理後スラグの表面張力を400mN/m以下として前記中間排滓処理にすると、中間排滓処理時のスラグ排出量をさらに向上させることができる。
即ち、本発明の第1の方法は、同一の転炉によって溶銑から溶鋼を製造する転炉精錬方法において、転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとともにCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑表面に吹き付けて脱珪・脱燐処理を行う際に、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより、前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから溶銑浴面に吹き付け、生成する脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法である。
また、本発明の第2の方法は、同一の転炉によって、脱珪・脱燐処理の終了時点におけるスラグが1,400℃で測定した場合に0.05Pa・s以上の粘度となるようにしたスラグを用いて溶銑の脱珪・脱燐処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行って溶鋼を製造する転炉精錬方法において、転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとともにCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて脱珪・脱燐処理を行う際に、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより、前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから溶銑浴面に吹き付け、生成する脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法である。
また、本発明の第3の方法は、同一の転炉によって、まず溶銑の脱珪・脱燐処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行って溶鋼を製造する転炉精錬方法であって、
最初に、転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて前記脱珪・脱燐処理を行い、次に、このとき生成した脱珪・脱燐処理後スラグの一部を炉外へ排出する一方、炉内を脱珪・脱燐処理済み溶銑と脱珪・脱燐処理後スラグ残留分とからなるものにする中間排滓処理を行い、次に、炉内の前記脱珪・脱燐処理済み溶銑に対して上吹きランスから精錬用酸素ガスとともに前記媒溶材を吹き付けて溶銑の脱炭・脱燐処理を行い、その後、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後の溶鋼を溶鋼鍋に出鋼する一方、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後スラグの一部もしくは全部を炉外へ排出して溶鋼を製造する際に、
前記脱珪・脱燐処理を行うに当たり、工業用酸素ガスと前記媒溶材を、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから、溶銑浴面に吹き付け、生成する前記脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法である。
また、本発明の第4の方法は、同一の転炉によって、脱珪・脱燐処理の終了時点におけるスラグが1,400℃で測定した場合に0.05Pa・s以上の粘度となるようにしたスラグを用いて溶銑の脱珪・脱燐処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行って溶鋼を製造する転炉精錬方法であって、
最初に、転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて前記脱珪・脱燐処理を行い、次に、このとき生成した脱珪・脱燐処理後スラグの一部を炉外へ排出する一方、炉内を脱珪・脱燐処理済み溶銑と脱珪・脱燐処理後スラグ残留分とからなるものにする中間排滓処理を行い、次に、炉内の前記脱珪・脱燐処理済み溶銑に対して上吹きランスから精錬用酸素ガスとともに前記媒溶材を吹き付けて溶銑の脱炭・脱燐処理を行い、その後、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後の溶鋼を溶鋼鍋に出鋼する一方、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後スラグの一部もしくは全部を炉外へ排出して溶鋼を製造する際に、
前記脱珪・脱燐処理を行うに当たり、工業用酸素ガスと前記媒溶材を、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから、溶銑浴面に吹き付け、生成する前記脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法である。
前記のように構成される本発明に係る転炉精錬方法によれば、一つの転炉を用いてまず脱珪・脱燐処理を行ってから中間排滓処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行う精錬において、加熱効率の高い方法の採用、即ちCaOを含む粉粒体にて構成される媒溶材を燃焼ガスを利用するバーナー機能を備える上吹きランスによる燃焼炎によって加熱することにより、媒溶材を燃焼炎の熱媒体の状態としてから被処理溶銑中に供給することで、媒溶材の滓化と溶融の促進を図ることができる。しかも、本発明の前記各方法により、脱珪・脱燐処理スラグの表面を高温で表面張力を低下させた状態とした場合には、スラグフォーミングが促進され、脱珪・脱燐処理後スラグの中間排滓処理効率を向上させることができるようになる。それらの結果、CaO原単位の低減を図ることができる。
また、本発明の前記各方法によれば、上記のような処理の採用によって、炉内に残留するスラグ量の低減をも図ることができる。
脱珪・脱燐および脱炭・脱燐の各処理を行うために用いる、バーナー機能つき上吹きランスを装備してなる転炉設備の概略図である。 バーナー機能つき上吹きランスを用いて、溶銑浴面に対し精錬用酸素ガスとともにCaO系粉粒体を吹き付けたときの、燃料ガス使用の有無(イ、ロ)と、CaO粉吹き付けの有無(ロ、ハ)とについて、脱珪・脱燐処理中のスラグ加熱特性(溶融スラグ温度-溶銑温度)について評価した図である。 バーナー機能つき上吹きランスを用いて、溶銑浴面に対し精錬用酸素ガスとともにCaO粉を吹き付けたときの、燃料ガス使用の有無(イ、ロ)とCaO粉の有無(ロ、ハ)とについて脱珪・脱燐処理後スラグの中間排滓率について評価した図である。 バーナー機能つき上吹きランスを用いて、溶銑浴面に対し精錬用酸素ガスとCaO粉を吹き付けるに際しての、燃料ガスの有無と、脱珪・脱燐処理および脱炭・脱燐処理時に用いた合計の媒溶材(CaO含有粉)原単位との関係を示す図である。 スラグの表面張力とスラグの鎮静時間との関係を示す図である。
本発明は、前述したように、単一の転炉を用いて脱珪・脱燐処理する際および、その後さらに脱炭・脱燐処理を行う精錬方法、とくに脱珪・脱燐処理中に使用するCaOを含む粉粒体である媒溶材の使い方について、これを加熱して熱媒体の状態にしてから溶銑等の表面(浴面)に吹き付けるという新たな方法に着目して開発した精錬方法である。すなわち、本発明は、たとえスラグ粘度が高い状態であっても排滓性に優れる精錬方法を提案すること、および脱燐能の確保のためスラグ組成が制限される中で、スラグの中間排滓性を向上させるために、スラグのフォーミングを促進するようにスラグの表面張力を変化させる手段を採用することにしたのである。
前記精錬方法の実施に当たっては、図1に示すような転炉、例えば酸素ガスの上吹きと、溶銑撹拌のためのガスの底吹きが可能な、いわゆる上底吹き転炉を用いることが推奨される。しかも、この上底吹き転炉は、上吹きランスを通じて酸素ガスや媒溶材の他に、天然ガスや都市ガス、プロパンガスなどの炭化水素系の燃料ガスあるいは気化した液体燃料を燃焼させることのできるバーナーつき上吹きランスを備えたものが好適であり、その上吹きランス直下にはバーナーの燃焼による燃焼火炎を形成させることができるようにした炉である。なお、このような転炉の場合、該上吹きランス、とくにバーナーの作用による燃焼火炎中にCaOを含む粉粒体等からなる媒溶材を通過させることができるため、該媒溶材が燃焼炎の熱媒体の状態となってから溶鉄中(溶銑や溶鋼中)に吹き付けられることになり、高いエネルギー効率が得られる。
そして、前述したように熱媒体の状態で吹き付けられた媒溶材は、脱珪・脱燐処理スラグの表面を高温にし、さらに該スラグの表面張力を低下させるよう作用するので、該スラグのフォーミングが促進され、良好な中間排滓性を示すようになる。
一般に、転炉の精錬では、まず、前記上底吹き転炉内に、鉄スクラップと溶銑とを装入したのち、酸素ガスと媒溶材とを上吹きして脱珪・脱燐処理を施すことから始まるのが普通である。
前記脱珪・脱燐処理というのは、転炉に付帯して配設されている前記上吹きランスを使っての吹錬の開始と同時に、まず溶銑中の[Si]が、上吹き酸素あるいは底吹き酸素の一部によって酸化され、このとき生成するスラグ中に(SiO)の形で移行する(脱珪処理)ことで進行する。そして、この脱珪処理のときに転炉内に吹き込まれたが消費されなかった余分の酸素が、溶銑中の[P]と[C]を酸化することで、脱炭と脱燐が生じることに加え、さらに溶銑中鉄分も酸化して、(P)および(FeO)を生成しスラグ中に移行する(脱燐処理)ことになる。これらの酸化反応は、全て発熱反応であり、その反応熱によって鉄スクラップの溶解に寄与すると同時に、溶銑温度も上昇する。なお本明細書において、[Si]、[P]、[C]は、溶鉄中(溶銑や溶鋼中)に含まれる成分としてのSi、P、Cを表す。また、(SiO)(P)、(FeO)は、スラグ中に含まれる成分としてのSiO、P、FeO、を表す。以降、本明細書中の(CaO)も同様である。
前記脱珪・脱燐処理に引き続き行う脱炭・脱燐処理は、転炉に付帯して配設されている前記上吹きランスを使っての吹錬の開始と同時に、まず溶銑中の[C]が上吹き酸素あるいは底吹き酸素の一部によって酸化され、COガスとして排ガス中に移行する(脱炭処理)ことで進行する。そして、この脱炭処理のときに転炉内に吹き込まれたが消費されなかった余分の酸素が、溶銑中の[P]の酸化による脱燐に加えて溶銑中鉄分の酸化にも使われ、(P)および(FeO)となってスラグ中に移行する(脱燐処理)のである。
なお、このような反応下で炉内に生成する脱珪・脱燐後スラグの塩基度(CaO/SiO)は、(CaO)の溶解速度と(SiO)の生成速度によっても変化し、また、脱珪・脱燐スラグの融点、粘度などの性状は、前記脱珪・脱燐スラグの塩基度や(FeO)などのスラグ中の他の酸化物の構成割合によっても大きく変化する。従って、これらの脱珪・脱燐スラグの塩基度やスラグ中(FeO)の割合は、脱珪・脱燐処理後の中間排滓におけるスラグの流動性を確保する上で重要な操業管理項目となる。例えば、塩基度が高すぎても、あるいは逆に低すぎても融点や粘度が上昇することになるため、前記脱珪・脱燐処理の温度範囲内でスラグの組成とその物性を中間排滓に適したものとするよう調整をすることが好ましい。
本発明方法においては、溶銑浴面に吹き付けられるCaOを含む粉粒体(媒溶材)が、前記脱珪・脱燐処理の進行と共にバーナー機能を備える上吹きランスの燃焼火炎によって加熱されて熱媒体の状態となっているため、速やかに(CaO)の形でスラグ中に移行する。また、加熱されて吹き付けられた前記媒溶剤は、スラグ表面の温度を上昇させる効果も有するので、スラグの組成変化と、スラグの温度上昇の双方の効果でスラグの物性を変化させることができる。即ち、スラグの表面張力も変化させることができる。
そこで発明者らは、転炉内の溶銑浴面に工業用酸素ガス等を上吹きして溶銑の脱珪・脱燐処理を行う際のスラグ温度に及ぼす、上吹きランスからの燃料ガス吹き付けによる加熱の有無、CaOを含む粉粒体すなわちCaO粉吹き付けの有無による影響について検討した。具体的には、工業用酸素ガス、CaO粉(媒溶材)およびバーナー燃焼火炎を溶鉄浴面に吹き付けることができるバーナー機能つき上吹きランスを備え、炉底部の底吹き羽口からは攪拌用ガスの吹き込みが可能な300トン容量規模の転炉を用いた試験操業を行い、この試験操業時の溶融スラグ温度と溶銑温度を測定した。なお、溶融スラグと溶銑の温度は、センサーランス(サブランス)先端に測温用プローブを装着して、熱電対による熱起電力変化から推定した。
図1は、この試験操業で用いた転炉設備、即ち天然ガスの如き燃料ガスを用いるバーナー機能つき上吹きランスを備える転炉設備の概略図を示すものである。この図1において、符号1は転炉設備の全体図であり、2は転炉(本体)、3は上吹きランス、4は底吹き羽口、5は溶銑、6は上吹きランスから噴射される酸素ガス噴流、7は燃料ガス(天然ガス)を燃料とするバーナーの燃焼火炎中を通過するCaO粉噴流、8は上吹きランス3へ酸素ガスを供給するための酸素ガス供給管、9は上吹きランスへCaO粉を供給するための粉体搬送管、10は上吹きランスへ天然ガス等を供給するための燃料ガス供給管、11は上吹きランスを冷却する冷却水を供給するための冷却水供給管、12は上吹きランスを冷却した冷却水を排出するための冷却水排出管である。
前記上吹きランス3は、その先端に設置される精錬用ノズルの個数が5孔で、噴射角度が15°のラバール型のものであり、中心部に単孔ストレート型の粉体吹き込み用ノズルを有し、その周囲には環状の燃料ガス供給用ノズルを配置したバーナー機能を備えているものである。
表1は、前記上吹きランス3に配置したバーナー機能を備える5孔ラバールノズル型噴射ノズルの仕様を示す。なお、噴射ノズルの噴射角度とは、噴射ノズルの酸素ガスジェットの軸心の方向と、上吹きランスの軸心方向との相対角度である。
Figure 0007004015000001
そして、前記試験操業に当たっては、上吹き酸素ガス流量を850Nm/min、ランス高さを3.0m、底吹きガス流量を50Nm/min一定を基本条件とし、CaO粉を吹き込む場合には吹き込み速度を600kg/min、天然ガスを吹き込む場合には40Nm/minとして、脱珪・脱燐処理の終了時点におけるスラグ塩基度が1.9、スラグの粘度が1,400℃で0.05Pa・s以上となるように、炉上部より塊状CaOを投入添加した。
この試験操業において、前記脱珪・脱燐処理は、溶銑中の[Si]濃度が0.3mass%の時点から開始し、溶銑中の[Si]濃度が0.01mass%になる時点まで行った。そして、この試験操業では、バーナーの有無および粉体吹き付けの有無による溶融スラグ温度の違いを調査するために、
(イ)燃料ガス(天然ガス)の供給は行わず、精錬用酸素ガスとCaO粉だけを吹き付けた場合、
(ロ)CaO粉の吹き付けは行わず、精錬用酸素ガスと天然ガスだけを吹き付けた場合、
(ハ)精錬用酸素ガス、天然ガスおよびCaO粉の全てを吹き付けた場合、
の3水準について比較調査した。
図2は、前記バーナー機能つき上吹ランスを用いて、溶銑浴面に対し精錬用酸素ガスとともにCaO系粉粒体を吹き付けたときの、燃料ガス使用の有無、CaO吹き付けの有無による各水準における脱珪・脱燐処理終了時点での溶融スラグ温度と溶銑温度との差を示すものである。図2中の「(イ)の投射」は、天然ガスの噴射は行わずに精錬用酸素ガスとCaO粉を噴射した場合であり、図2中の「(ロ)バーナー」はCaO粉の噴射は行わずに、精錬用酸素ガスと天然ガスを噴射した場合であり、図2中の「(ハ)バーナー+投射」は精錬用酸素ガス、天然ガスおよびCaO粉の全てを噴射した場合である。
この図2から明らかなように、溶融スラグの温度は、どの水準であっても溶銑温度よりは高くなるという結果が得られた。なかでも、上記(ロ)と(ハ)の水準は、(イ)の水準(精錬用酸素ガスとCaO粉だけを吹き付けた場合)よりも溶融スラグの温度が高く、特に(ハ)の水準(バーナー+投射)では溶融スラグ昇温の効果が顕著に表れた。なお、この場合において、脱珪・脱燐処理終了時点での溶銑温度は、どの水準についても1,300℃~1,340℃の範囲にあったことから、(ハ)の水準における溶融スラグ温度は約1,600℃以上にもなることがわかった。
次に、上述した脱珪・脱燐処理に引き続いて中間排滓処理を行った。その結果を図3に示す。なお、図3中の中間排滓率は、下記(1)式で定義された値を用いた。
Figure 0007004015000002
図3から明らかなように、中間排滓率(%)は、脱珪・脱燐処理の終了時点における溶融スラグ温度が高くなるケース、即ち精錬用酸素ガスと天然ガスを噴射したケース(ロ)と精錬用酸素ガスと天然ガスおよびCaO粉を噴射したケース(ハ)の水準のときに向上することがわかった。この時と同じスラグ組成の試料について、1,400℃における表面張力を測定したところ、約490-530mN/mであり、1,500℃では約400mN/mまで低下していた。
その後、脱珪・脱燐処理ならびにその後に行った中間排滓処理に引き続き、同じ転炉を用いて脱炭・脱燐処理を行った。これらの処理に当たって使用した上吹きランス3は、前述の脱珪・脱燐処理で使用したものと同じバーナー機能つきのものであり、上吹き酸素ガス流量は1,200Nm/min、ランス高さ2.5m、底吹きガス流量を50Nm/min、CaO粉の吹き込み速度を600kg/min、天然ガス量を40Nm/minとして、脱炭・脱燐終了時点における溶鋼温度が1,650~1,670℃、溶鋼中[C]濃度が0.03~0.06mass%、溶鋼中[P]濃度が0.010~0.014mass%、スラグ塩基度が3.4~3.6となるように、CaO粉の吹き込み量、鉄鉱石の添加量を調整した。なお、天然ガスはCaO粉の吹き込みが終了した時点で停止した。
図4は、脱珪・脱燐処理および脱炭・脱燐処理時に使用した媒溶材(CaO粉)原単位の合計を脱珪・脱燐処理時における上吹き条件、即ち、天然ガスの供給は行わず、精錬用酸素ガスとCaO粉のみを吹き付けた場合(イ)、CaO粉の吹き付けは行わず、精錬用酸素ガスと天然ガスを吹き付けた場合(ロ)、精錬用酸素ガス、天然ガスおよびCaO粉の全てを吹き付けた場合(ハ)の3水準について比較したものである。
表4に示すとおり、脱珪・脱燐処理および脱炭・脱燐処理で使用した総媒溶材(CaO)の原単位は、脱珪・脱燐処理後の中間排滓率に応じて低下していた。特に、脱珪・脱燐処理時に上吹きランスから精錬用酸素ガス、天然ガスおよびCaO粉全てを吹き付けた場合(ハ)のときが最も低くなることがわかった。
以上説明したとおり、転炉内の溶銑に対し上吹きランス3から精錬用酸素ガスおよびCaO粉を含む粉粒体などからなる媒溶材の投射に加えて、天然ガス等の燃料ガスを同時に噴射して脱珪・脱燐処理をするという本発明に係る転炉精錬方法の場合、該媒溶材が熱媒体の状態となって溶銑に吹き付けられることになる。その結果、このような精錬を行うことにより、溶銑あるいは溶鋼がより効果的に加熱されることで鉄スクラップの配合率を向上させることができる他、脱珪・脱燐処理中の溶融スラグの温度をも高めることができるようになる。従って、該媒溶材の組成が比較的高融点のものであったとしても確実に溶解することができるようになる。その結果として、脱珪・脱燐処理後スラグの粘度の低下によるスラグの排出速度の増加をもたらすのみならず、溶融スラグ温度の上昇による表面張力の低下によってスラグのフォーミングを望ましい状態に維持し易くなり、中間排滓時の排滓効率を格段に向上させることができるようになる。
なお、本発明において目指す、脱珪・脱燐処理後スラグの望ましい表面張力、すなわちスラグフォーミングを促進して中間排滓性を向上させるための表面張力は、低いほどよく、具体的には400mN/m以下にすることが好ましい。その理由は、このスラグの表面張力が400mN/mを超えると、図5に示すように、スラグの鎮静(フォーミングしたスラグが萎む)が早いため、中間排滓が終了する前にスラグが鎮静してしまうことによりスラグの十分な排出ができないためである。なお、スラグのさらに好ましい表面張力は200mN/m以下である。
なお、溶融スラグの表面張力の測定法としては、静滴法や最大泡圧法などの方法が知られており、これらの方法が本発明におけるスラグ表面張力の測定方法として適用することができる。また、酸化物滴の形成とその落下過程の画像を解析することにより表面張力の値を推算する方法も知られており、この方法もまた本発明が対象とするスラグの表面張力の測定に適用することができる。
なお、本発明方法におけるより好ましい実施の態様としては、
a)媒溶材投入量とSiO生成量等と溶銑温度からスラグ組成を推定するモデルを作成しておき、
b)そのモデルで推定されたスラグ組成に対して、あらかじめ測定または推算しておいたデータに基づき、スラグの表面張力をスラグ組成と温度の関数として与えて、
c)当該処理でのスラグの表面張力の値が好適範囲となるよう、バーナーの熱量を調整する、
といった方法が挙げられる。
この実施例は、容量が300トンの図1に示すような上底吹き転炉(酸素ガス上吹き、攪拌用ガス底吹き)を用いて転炉精錬を行った例である。この例で用いた上吹きランス3は、その先端に設置される精錬用ノズルが5孔で、噴射角度が15°のラバール型のものであり、中心部には単孔ストレート形の粉体吹き込み用ノズルとその周囲に円環状の燃料ガス供給用ノズルとを配置してなり、バーナー機能を有するものである。精錬用ノズルは上吹きランスの軸心に対して同一円周上に等間隔に配置したものであり、スロート径(dt)は76.2mm、噴射ノズルの出口径(de)は80.0mmである。
実施に当たっては、鉄スクラップを上底吹き転炉内に装入した後、予め脱硫処理を施した1,310~1,360℃の溶銑を該上底吹き転炉内に装入した。次いで、底吹き羽口4からは、攪拌用ガスとして窒素ガスを溶銑中に吹き込みながら、前記上吹きランス3から工業用酸素ガス、CaO粉およびバーナーを介して天然ガスの燃焼火炎を溶銑浴面に向けて吹き付けることにより脱珪・脱燐処理を行い、その後、生成した脱珪・脱燐スラグを炉外へ排出(中間排滓)した。次に、脱珪・脱燐スラグの一部と脱珪・脱燐処理後の溶銑を炉内に残留させた状態で、底吹き羽口4から撹拌用ガスとしてアルゴンガスを溶銑中に吹き込みながら、前記上吹きランス3からは引き続き工業用酸素ガス、天然ガスおよびCaO粉を溶銑浴面に向けて吹き付けて脱炭・脱燐処理を行った。このとき使用した溶銑の化学成分を表2に、また脱珪・脱燐処理、脱炭・脱燐処理中の上吹き‐底吹きの条件を表3に示した。
Figure 0007004015000003
Figure 0007004015000004
このような条件下で、脱珪・脱燐処理終了時の溶銑中[Si]濃度が0.01mass%、脱炭・脱燐処理終了の溶鋼温度が1650℃、溶鋼中[C]濃度が0.04mass%となるように、各々の処理時間と鉄鉱石の添加量を調整した。
また、脱珪・脱燐処理中、脱炭・脱燐処理中に添加するCaOの一部は炉上ホッパー(図示せず)から投入することとし、残部は上吹きランス3から吹き込むこととして、炉内に生成するスラグの塩基度(mass%CaO/mass%SiO2)が脱珪・脱燐処理時には1.9、脱炭・脱燐処理時には3.5となるように、その合計の添加量を調整した。
そして、本発明の効果を確かめるために、炉内スラグの加熱効果を最大限にすべく、上吹きランス3からの燃料用天然ガスとCaO粉の吹き込みを完全に同期させると共に、CaO粉の吹き込みが終了した時点で天然ガスの吹き込みも停止するようにし、炉上のホッパーからの塊状CaOの添加に併せて脱珪・脱燐処理時のみ上吹きランス3からの天然ガスとCaO粉の吹き込みを行った例(発明例1)、脱珪・脱燐、脱炭・脱燐の各処理段階の全てにおいて上吹きランス3から天然ガスとCaO粉の吹き込みを行った例(発明例2)について、表4にまとめた。この表4において、発明例1および発明例2、ならびに比較例1~5について、それぞれの例における脱珪・脱燐処理終了時のスラグの表面張力は発明例1、2の場合いずれも400mN/m以下であったが、比較例1~5は、いずれも400mN/m超であることが確かめられた。また、この発明例1、2および比較例1~5では、スラグは1,400℃で0.05Pa・S以上の粘度のものを用いることとして、脱燐能が阻害されないようにした。
なお、この表4に示した比較例では、上吹きランス3から天然ガスとCaO粉を同時に吹き込むことはしなかった。即ち、脱炭・脱燐処理中バーナー火炎のみを形成させた例(比較例2)、脱珪・脱燐処理中バーナー火炎を形成させずにCaO粉のみの吹込みを行ない、脱炭・脱燐処理中はバーナー火炎のみを形成させた例(比較例3)、脱珪・脱燐処理の初期はバーナー火炎のみを形成させ、脱珪・脱燐処理の後期はバーナー火炎を消火してCaO粉のみの吹込みを行い、さらに脱炭・脱燐処理中はバーナー火炎のみを形成させた例(比較例4)、および、脱珪・脱燐処理中、脱炭・脱燐処理中の両方でバーナー火炎を形成させずにCaO粉のみを吹き込んだ例(比較例5)である。ただし、転炉設備と上記以外の操業方法は上述した発明例に従った。
Figure 0007004015000005
表4に示す結果から分るように、発明例1、2と比較例1~5とは精錬時間(鉄スクラップ装入から出鋼、排滓終了までに要した時間)はほぼ同等であったが、比較例は発明例と比較するとCaO原単位が増加し、鉄歩留が低下していた。一方で、本発明方法を適用した精錬(発明例1、2)の場合、特にバーナー火炎による媒溶剤およびスラグ加熱効果によって表面張力が400mN/m以下の脱珪・脱燐スラグにしたものの場合、スラグ排出能の向上のみならずCaO原単位の低減ならびに鉄歩留の向上を図ることのできる転炉の操業が可能となることが確認できた。
本発明に係る前述の転炉精錬方法は、転炉以外の他の製鋼精錬技術への応用が可能である。
1 転炉設備
2 転炉
3 上吹きランス
4 底吹き羽口
5 溶銑
6 酸素ガス噴流
7 CaO粉噴流
8 酸素ガス供給管
9 粉体搬送管
10 燃料ガス供給管
11 冷却水供給管
12 冷却水排出管

Claims (4)

  1. 同一の転炉によって溶銑から溶鋼を製造する転炉精錬方法において、
    転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとともにCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて脱珪・脱燐処理を行う際に、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより、前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから溶銑浴面に吹き付け、生成する脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法。
  2. 同一の転炉によって、脱珪・脱燐処理の終了時点におけるスラグが1,400℃で測定した場合に0.05Pa・s以上の粘度となるようにしたスラグを用いて溶銑の脱珪・脱燐処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行って溶鋼を製造する転炉精錬方法において、
    転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとともにCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて脱珪・脱燐処理を行う際に、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより、前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから溶銑浴面に吹き付け、生成する脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法。
  3. 同一の転炉によって、まず溶銑の脱珪・脱燐処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行って溶鋼を製造する転炉精錬方法であって、
    最初に、転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて前記脱珪・脱燐処理を行い、次に、このとき生成した脱珪・脱燐処理後スラグの一部を炉外へ排出する一方、炉内を脱珪・脱燐処理済み溶銑と脱珪・脱燐処理後スラグ残留分とからなるものにする中間排滓処理を行い、次に、炉内の前記脱珪・脱燐処理済み溶銑に対して上吹きランスから精錬用酸素ガスとともに前記媒溶材を吹き付けて溶銑の脱炭・脱燐処理を行い、その後、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後の溶鋼を溶鋼鍋に出鋼する一方、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後スラグの一部もしくは全部を炉外へ排出して溶鋼を製造する際に、
    前記脱珪・脱燐処理を行うに当たり、工業用酸素ガスと前記媒溶材を、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから、溶銑浴面に吹き付け、生成する前記脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法。
  4. 同一の転炉によって、脱珪・脱燐処理の終了時点におけるスラグが1,400℃で測定した場合に0.05Pa・s以上の粘度となるようにしたスラグを用いて溶銑の脱珪・脱燐処理を行い、次いで脱炭・脱燐処理を行って溶鋼を製造する転炉精錬方法であって、
    最初に、転炉内にスクラップと溶銑とを装入したのち、上吹きランスから工業用酸素ガスとCaOを含む粉粒体からなる媒溶材を溶銑浴面に吹き付けて前記脱珪・脱燐処理を行い、次に、このとき生成した脱珪・脱燐処理後スラグの一部を炉外へ排出する一方、炉内を脱珪・脱燐処理済み溶銑と脱珪・脱燐処理後スラグ残留分とからなるものにする中間排滓処理を行い、次に、炉内の前記脱珪・脱燐処理済み溶銑に対して上吹きランスから精錬用酸素ガスとともに前記媒溶材を吹き付けて溶銑の脱炭・脱燐処理を行い、その後、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後の溶鋼を溶鋼鍋に出鋼する一方、炉内に残留する脱炭・脱燐処理後スラグの一部もしくは全部を炉外へ排出して溶鋼を製造する際に、
    前記脱珪・脱燐処理を行うに当たり、工業用酸素ガスと前記媒溶材を、バーナー機能を備える上吹きランスを用いることにより前記媒溶材についてはこれを前記バーナーの燃焼炎により加熱してから、溶銑浴面に吹き付け、生成する前記脱珪・脱燐処理後スラグを溶銑温度以上の温度かつ表面張力を400mN/m以下としたものを中間排滓処理に供することを特徴とする転炉精錬方法。
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