JP6999472B2 - アルミ材と繊維強化樹脂材との複合構造体 - Google Patents
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Description
さらなる軽量化,高剛性の向上を目的に、ガラス繊維や炭素繊維等による繊維強化樹脂部材とアルミ材との複合化を検討した結果、本発明に至った。
例えば、特許文献1には、アルミニウム合金材に繊維強化プラスチックをボルトで接合したビーム状の部材を開示する。
しかし、ボルトによる接合では部分的な結合であり、複合構造体としての効果が充分に発揮されない。
そこで本発明者らは、接着剤による複合化を検討したところ、腐食環境下ではアルミ材と接着剤との接合部分から腐食が進行し、接合強度が低下する恐れがあることが判明した。
特許文献2には、アルミニウム基材に犠牲金属層を接着接合する技術を開示するが、本技術は犠牲金属の腐食により接合強度が低下する恐れがある。
ここでバリアー部とは、アルミ材と接着剤との界面に沿って腐食が進行するのを抑えるために設けたものである。
例えば、バリアー部は前記接合部の端部にアルミ材を繊維強化樹脂材の表面側に折り返した折返部を前記アルミ材に有している例が挙げられ、この場合に折返部はカシメにて折り返したものでもよい。
また、バリアー部はアルミ材側に前記繊維強化樹脂材と接触する突起部を有している例が挙げられ、この場合に突起部は周辺部にシール剤を有していてもよい。
繊維は、短繊維,長繊維のどちらでもよく、長繊維の場合には複合構造体に負荷がかかる曲げ方向に配向しているのがよい。
樹脂は熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂のどちらでもよい。
また、絶縁性の接着剤であるのが好ましい。
アルミ材に折返部を形成する方法としては、アルミ材の端部を繊維強化樹脂の端部から突出するように長くしておいて接合時にプレス等にて折り返す方法や、予めアルミ材の端部を略L字状の略直角に形成しておき、接合時にカシメにて折り返す方法が例として挙げられる。
アルミ材の折返部の折り返し内側に凹凸形状の接着面を形成してあってもよい。
また、アルミ材に繊維強化樹脂材と接触する突起部は、アルミ材と接着剤との界面に沿って腐食が進行しようとするのを遮るとともに、接着剤層の厚みを管理するのに有用である。
また、アルミ材の突起部の周辺にシール剤を形成することで、腐食の進行を抑えることができるが、このシール剤としてはシリコン,ブチルゴム,塩化ビニル,エポキシ,ウレタン,ポリサルファイド,テレケリックポリアクリレート等を用いることができる。
これにより、接着強度の低下を防ぎ、車両部品等に本発明に係る複合構造体を適用した場合に、部品の信頼性が向上する。
(a)は折返部1aの内側に凹凸形状の接合面を形成した<構造1>であり、(b)は板状の折返部に形成した<構造2>である。
図2(a)は、アルミ材3の側面にシート状の繊維強化樹脂材2を単に貼り合せた<比較1>を示し、図2(b)は接着剤3をアルミ材1の側部まで塗った<比較2>を示す。
図4(a)は、アルミ材に折返部を形成した場合に対応し、図1の<構造1>に対応するものは、折返部1aの内側接着面に凹凸を形成してあり、<構造2>に対応するものは、上記凹凸を有していない。
図4(b)は、図1の比較に対応させたものであり、<比較1>は図4(b)において接着剤3のはみ出しが無く、図4(b)に示した形態は<比較2>に相当する。
アルミ材の厚みt=3.0mm、繊維強化樹脂材の厚みt=1.0mmとした。
図3に塩水浸漬試験結果を示す。
表中、アルミ材質を示す「7075」は、JISに規定されている7000系アルミニウム合金の例を示し、「6063」は6000系のアルミニウム合金の例を示す。
繊維強化樹脂材は、炭素繊維が体積率で50~70%含有する炭素繊維強化樹脂材を用いた。
表中、接着剤Aはアクリル樹脂20~30%,メタクリレートモノマー50~60%からなるアクリル系接着剤を示し、接着剤BはビスフェノールA型エポキシ樹脂40~50%含有するエポキシ系接着剤を示す。
腐食促進試験は、3.5%のNaClを含有する塩水中に、27℃,10min浸漬し、その後に室温(湿度30~80%)にて50min乾燥する1時間を1サイクルとして試験を繰り返した。
試験日数を25day,50day,75day,100dayとし、それぞれ経過毎にアルミ材と接着剤の界面において接合端部から内部側に進行が認められた腐食深さを平均腐食速度[μm/day]で評価した。
また、試験前と100dayの試験後との接着剪断強度を比較評価した。
その結果、図3の表に示すように、実施例1~8のいずれも100day試験後の値が試験前の80%以上を確保しているのに対して、図2に示した比較例はいずれも強度低下量が大きく、腐食の進行が速いことが明らかになった。
構造4は、アルミ材と繊維強化樹脂材2とを接着剤3を用いて接合してあるが、このアルミ材1の接合面であって、繊維強化樹脂材2に向けて突出したノッチ状の突起部1bを形成してある。
この突起部1bの先端部を繊維強化樹脂材2に接触されることで、接着剤3とアルミ材1との界面に沿って腐食が進行するのを抑えるバリアーとして作用する。
この場合に、突起部1bの形状に制限はなく、図7(a)に示す断面半円状の突起部1cでもよい。
また、図7(d)に示すように突起部1fの表面をギザギザ状の波形状にしてもよい。
このように、突起部1fの表面に凹凸を設けると、それだけアルミ材1と接着剤3との延面距離が長くなることで、腐食の進行が遅くなる。
また、この突起部の突出高さを制御することで、接着剤3の厚みを管理するのが容易になる。
この場合に、図5(a)の構造3に示すように、突起部1bの周辺部にシリコンやブチルゴム等のシール剤を塗布することでバリアー部を形成すると、さらに腐食の進行を抑えることができる。
シール剤と接着剤とは、それぞれが硬化する前に接触させるのがよい。
これにより、相互の接着面の密着性がよい。
構造3,構造4を用いて、前記と同様の塩水浸漬試験を実施した評価結果を図6の表に示す。
この結果から、構造4においても前記比較例よりも腐食進行を抑え、接着強化の低下が少なくなった。
特に構造3に示すように、突起部の周辺部にシール剤4を塗布したものは腐食の進行を抑える効果が高かった。
1a 折返部
1b 突起部
2 繊維強化樹脂材
3 接着剤
4 シール剤
Claims (3)
- アルミ材と繊維強化樹脂材とが接着剤を用いて接合された接合部を有し、
前記接合部は腐食の進行を抑えるためのバリアー部を有し、
前記バリアー部はアルミ材側に前記繊維強化樹脂材と接触する突起部を有していることを特徴とする複合構造体。 - 前記突起部は周辺部にシール剤を有していることを特徴とする請求項1記載の複合構造体。
- 前記アルミ材はアルミニウム合金を用いた展伸材であり、
前記繊維強化樹脂材は炭素繊維強化樹脂材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合構造体。
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