JP6997527B2 - ポリフェニレンサルファイド不織布 - Google Patents
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Description
[1]
結晶化度と剛直非晶度との和が30%未満であり、かつ、150℃での引張伸度が50%以上である、ポリフェニレンサルファイド繊維不織布。
[2]
結晶化度が25%未満である、[1]に記載のポリフェニレンサルファイド繊維不織布。
[3]
熱接着または機械的交絡されている、[1]または[2]に記載のポリフェニレンサルファイド繊維不織布。
[4]
210℃、1500時間の条件下で行われた耐熱暴露試験後の引張強度低下率が5%以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維不織布。
[5]
[1]~[4]のいずれか1項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維不織布を熱成型する工程を含む、ポリフェニレンサルファイド成型体の製造方法。
本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分とする繊維から構成される不織布であって、PPS本来の特性である耐熱性、耐薬品性、難燃性を保持し、かつ、成型性を大幅に改善したPPS不織布である。
尚、PPSを主成分とするPPS繊維とはPPS繊維を50質量%以上含む繊維をいう。さらに、PPS不織布にはPPS不織布以外の不織布を含んでいてもよい。
本実施形態における結晶化度及び剛直非晶度とは、実施例で後述するように示差走査熱量計(DSC)による測定から求められるものである。
剛直非晶度[%]=100[%]-結晶化度[%]-可動非晶度[%]
に示すとおり、繊維を形成する結晶・非晶の全体(100%)から結晶化度[%]、可動非晶度[%]を差し引いた残りを言う。
ここで、本発明で言う可動非晶度とは、実施例で後述するように温度変調DSCによる測定から求められるものである。
荷重5kg、荷重315.6℃の条件にて、ASTM-D1238-82法に準じて測定した。単位はg/10minである。
試料の任意の10ヶ所をマイクロスコープの倍率2500倍にて撮影して、50点の繊維の直径を測定し、それらの平均値を求めた。
ネット上に捕集した不織ウェブからランダムに小片サンプル10個を採取し、マイクロスコープで500~1000倍の表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ計100本の繊維の幅を測定し、平均値を算出した。単繊維の幅平均値を、丸形断面形状を有する繊維の平均直径とみなし、使用する樹脂の固形密度から長さ10,000m当たりの重量を平均単繊維繊度として、小数点以下第三位を四捨五入して算出した。
繊維の平均単繊維繊度(dtex)と各条件で設定した紡糸口金単孔から吐出される樹脂の吐出量(g/min)(以下、単孔吐出量と略記する。)から、次式:
紡糸速度=(10000×単孔吐出量)/平均単繊維繊度
に基づき、紡糸速度を算出した。
生産後の不織布からランダムに試料3点を採取し、示差走査熱量計(TA Instruments社製、Q1000)を用いて、次の条件下で、以下の式:
結晶化度={〔(融解による吸熱量[J/g])-(冷結晶化による発熱量[J/g])〕/146.2[J/g]}×100
で表される結晶化度を算出し、平均値を算出した。上記の「冷結晶化による発熱量」とは冷結晶化に由来する発熱ピーク面積であり、「融解による吸熱量」とは融解に由来する吸熱ピーク面積である。熱量(ピーク面積)算出時のベースラインは、非晶のガラス転移後の液体状態と結晶の融解後の液体状態の熱流を直線で結んだものとし、このベースラインとDSC曲線の交点を境界として、発熱側と吸熱側を切り分けた。また、完全結晶時の融解熱量を146.2J/gとした。
・測定雰囲気:窒素流(50ml/分)
・温度範囲 :0~350℃
・昇温速度 :10℃/分
・試料量 :5mg
生産後の不織布からランダムに試料3点を採取し、温度変調DSC(TA Instruments社製、Q1000)を用いて、次の条件下で、以下の式:
可動非晶度[%]=(ガラス転移温度前後の比熱変化量[J/g℃])/0.2699[J/g℃]×100
で表される可動非晶度を算出し、平均値を算出した。また、完全非晶時の比熱量を0.2699J/g℃とした。
・測定雰囲気:窒素流(50ml/分)
・温度範囲 :60~200℃
・昇温速度 :2℃/分
・試料量 :5mg
上記(5)で求めた結晶化度と上記(6)で求めた可動非晶度から、次式:
剛直非晶度[%]=100[%]-結晶化度[%]-可動非晶度[%]
にて剛直非晶度を算出した。
JIS L-1906に準じて測定した。
JIS L 1913:2010「一般不織布試験方法」中に記載される、6.3「引張強さ及び伸び率(ISO法)」の6.3.1「標準時」に準じ、サンプルサイズ5cm×30cm、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/分の条件でたて方向3点の引張試験を行い、サンプルが破断した時の強力をたて引張強力(N/5cm)平均値について小数点以下第三位を四捨五入して算出した。
熱風オーブン(エスペック株式会社製、TABAI HIGH-TEMP OVEN PHH-200)を用い、長さ30cm、幅5cmのたて方向のサンプルを必要数投入し、熱風空気雰囲気下、210℃×1500時間、曝露させた。耐熱暴露試験前後のサンプルについて、上記(9)に記載の方法で引張強力を測定し、下記式:
たて引張強力保持率(%)={耐熱暴露試験後たて引張強力(N/5cm)/耐熱暴露試験前たて引張強力(N/5cm)}×100
を用いてたて引張強力保持率を算出した。
20cm×20cmの不織布等の布帛試料片を成型機にセットし、熱風温度150℃で予熱して、直径12cmの成型金型で熱プレスを実施した時の成型体の深さを測定し、下記の式:
展開比=(成型体の深さ)/(成型前シートの直径)
で展開比を算出した。
成型性の評価は、展開比0.2での成型性により評価した。
○:破れがなく、成型性良好
△:糸の無い微小穴状部位が発生し、成型性不良
×:破れが発生し、成型性不良
溶融流れ量(MFR)が70g/10minである線状PPSポリマー(ポリプラスチックス社製:フォートロン)を305℃で溶融し、ノズル径0.25mmの紡糸口金から押出し、風速0.5m/sの冷風にて線状ポリマーを冷却し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度4000m/minで延伸し、移動する多孔質帯状体の上に捕集・堆積させてPPS長繊維ウェブを作成した。
実施例1において、紡糸速度を5000m/min(実施例2)、3500m/min(実施例3)、6000m/min(実施例4)にしたこと以外は、実施例1と同様にして、PPS不織布を作製した。得られた不織布を構成する繊維及び不織布の特性を表1に示す。
実施例1において、得られたウェブを、100℃に加熱した織目柄エンボス(圧着面積率14.4%)ロールとフラットロール間で線圧300N/cmにて仮接着したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸し、不織ウェブ化を行った。
実施例1において、得られたウェブを、100℃に加熱した織目柄エンボス(圧着面積率14.4%)ロールとフラットロール間で線圧300N/cmにて仮接着したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸し、不織ウェブ化を行った。
実施例1において、紡糸速度を7500m/min(比較例1)、6500m/min(比較例2)にしたこと以外は、実施例1と同様にして、PPS不織布を作製した。得られた不織布を構成する繊維及び不織布の特性を表1に示す。しかし、満足する熱時伸度が得られず、成型性に優れた不織布を得ることができなかった。
比較例1において、得られたウェブを、250℃に加熱した織目柄エンボス(圧着面積率14.4%)ロールとフラットロール間で線圧300N/cmにて仮接着したこと以外は、比較例1と同様にして紡糸し、不織ウェブ化を行った。得られた不織布を構成する繊維及び不織布の特性を表1に示す。しかし、満足する熱時伸度が得られず、成型性に優れた不織布を得ることができなかった。
実施例4において、300℃で溶融し、風速1.0m/sの冷風にて線状ポリマーを冷却したこと以外は、実施例4と同様にして紡糸し、不織ウェブ化を行った。得られた不織布を構成する繊維及び不織布の特性を表1に示す。しかし、満足する熱時伸度が得られず、成型性に優れた不織布を得ることができなかった。
溶融流れ量(MFR)が50g/10minであるPETポリマーを290℃で溶融し、ノズル径0.25mmの紡糸口金から押出し、風速0.5m/sの冷風にて線状ポリマーを冷却し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度2500m/minで延伸し、移動する多孔質帯状体の上に捕集・堆積させてPPS長繊維ウェブを作成した。
Claims (2)
- 結晶化度と剛直非晶度との和が7%以上30%未満であり、結晶化度が5%以上25%未満であり、150℃での引張伸度が50%以上200%以下であり、かつ熱接着されている、ポリフェニレンサルファイド繊維不織布。
- 請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維不織布を熱成型する工程を含む、ポリフェニレンサルファイド成型体の製造方法。
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WO2011070999A1 (ja) | 2009-12-09 | 2011-06-16 | 東レ株式会社 | 長繊維不織布の製造方法 |
WO2012165608A1 (ja) | 2011-06-02 | 2012-12-06 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド繊維および不織布 |
JP2014062342A (ja) | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド繊維不織布 |
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