JP6994586B2 - 自動分析装置 - Google Patents
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Description
本発明は、自動分析装置に関する。
自動分析装置は、血液、尿、髄液等の生体試料に含まれる特定の成分の定性分析、或いは、定量分析を行う装置であり、例えば、臨床検査の分野では患者の健康状態の評価に用いられている。特に、大病院や臨床検査センターなど、多くの患者検体を短時間で処理する必要のある施設を中心に普及が著しく、要求される処理能力に応じて大型、中型、小型など各種の自動分析装置が開発されている。
このような自動分析装置においては、メンテナンスの自動化や、異常が発生した際に素早く復帰するためのバックアップ技術が提供されており、管理・運用作業の負担を軽減するための機能を充実させることが望まれている。
このような情報のバックアップに関する技術として、例えば、特許文献1には、アラーム、項目、検体番号、測定日の少なくともいずれかを選択する選択手段と、該選択手段により選択された情報に対応する測定結果を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された前記測定結果は、通常の測定結果消去では消去されないよう保護される自動分析装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、試料の成分分析を行う分析装置において、所定条件に基づいて前記分析装置の装置内登録情報のバックアップを行うバックアップ手段と、前記装置内登録情報を記憶する第1記憶手段と、前記バックアップ情報を記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段より所望のバックアップ情報を選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたバックアップ情報に基づいてリカバリ操作を行うリカバリ手段とを備えるものが開示されている。
また、例えば、特許文献3には、生体サンプルの測定結果を含む情報を記憶する記憶手段を備えた自動分析装置において、前記記憶手段を少なくとも2つ備え、前記測定結果を含む情報を、前記記憶手段の少なくとも2つにほぼ同時に記憶するように該記憶手段を制御する制御手段を備え、かつ、前記少なくとも2つの記憶手段のうちの少なくとも1つの記憶手段は、外部に取り外し可能であるものが開示されている。
ところで、近年では自動分析装置の処理能力が向上しており、大量の検体が迅速に検査されるようになっている。その一方で、自動分析装置内に保存できる情報量には限りがあり、装置内に保存されている検査結果などの検体情報を定期的に削除する必要がある。このような情報の削除は、例えば、1日の始業時または終業時に全検体の検体情報を一括で削除することが考えられる。しかしながら、24時間運用を目的とした自動分析装置では始業時や就業時という概念がないため、登録可能な検体の上限数に達した場合にはユーザがその都度、各検体情報の状態を確認し、保存が必要な検体情報についてはCDやDVD等の記憶媒体への保存や紙への印字等の処理を行いつつ削除しなければならない。もし、保存していない検体情報をユーザが誤って削除してしまった場合には、削除した検体情報を確認することができないため、再度検体を採取して分析を実施する必要が生じ、手間と時間を要してしまう。
特許文献1に記載の従来技術では、例えば、アラーム、項目、検体番号、測定日などの条件を予め設定し、測定結果を受信したタイミングで設定した条件に従って検体情報のバックアップ動作を実施する。
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術においては、検体情報の削除自体についてはユーザが現在の検体情報を把握しつつ手動で行う必要があり、検体情報の削除に手間や時間を要してしまう。
特許文献2に記載の従来技術では、例えば、自動電源OFF前、測定開始、STAT開始、ポーズ、ポーズ解除などの操作時のように自動分析装置の状態が変化する条件をトリガーとして自動的にシステムのバックアップ動作を行うほか、手動でもバックアップを開始することができる。
また、特許文献3に記載の従来技術では、常時システムの情報を保持するための保存媒体を少なくとも二つ以上用意し、書き込み動作を同時に行うことで、障害時点における複製作業を不要とし、システムを停止することなく、外部における障害の解析を可能としている。また、システムの処理に十分な速度が得られない場合については、システム全体の稼働状況を鑑みて、予め設定したタイミングでバックアップ作業を実施する。
しかしながら、特許文献2や特許文献3に記載の従来技術においては、システム全体のバックアップを実施するために二つ以上の保存媒体を必要とするために多大なコストが必要となるばかりでなく、システム全体のバックアップを行うことから多大な時間を必要としてしまう。また、システムの切り替えタイミングにおいてはシステムのバックアップが現実には実施困難なことが想定される。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、削除の対象となる検体情報の内容確認及びの削除の手間を削減することができるとともに、検体情報のバックアップに要するコスト及び時間を削減することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、分析対象の試料を収容した試料容器を載置して搬送する試料容器搬送機構と、前記試料と反応させるための試薬を収容した試薬容器を載置して保持する試薬容器保持機構と、前記試料と前記試薬とを反応させる反応容器を載置する反応機構と、前記試料容器の試料を検体として前記反応容器に分注する試料分注機構と、前記試薬容器の試薬を前記反応容器に分注する試薬分注機構と、前記反応容器に検体として分注された前記試料と前記試薬の混合された反応液を測定する測定装置とを備えた自動分析装置において、前記自動分析装置の動作を制御する制御装置と、前記反応液の測定結果を含む検体情報を検体毎に記憶する第一記憶装置と、前記第一記憶装置に記憶された検体情報のうち、少なくとも一部の検体についての検体情報を検体毎に記憶する第二記憶装置とを備え、前記制御装置は、前記自動分析装置が予め定めた動作状態となった場合に、予め定めたバックアップ条件を満たす検体についての検体情報を前記第一記憶装置から前記第二記憶装置にバックアップし、かつ、前記バックアップした検体についての検体情報を前記第一記憶装置から削除するバックアップ処理を行うものとする。
本発明によれば、削除の対象となる検体情報の内容確認及びの削除の手間を削減することができるとともに、検体情報のバックアップに要するコスト及び時間を削減することができる。また、削除及びバックアップを実施する情報を検体情報に絞ることにより、記憶容量確保のための情報の削除及びバックアップの実施によって自動分析装置がユーザの要求を受け付けられない時間を必要最小限にすることができ、自動分析装置の運用停止時間の増加を抑制することができる。
<第1の実施の形態>
本発明の一実施の形態を図1~図8を参照しつつ説明する。
本発明の一実施の形態を図1~図8を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
図1において、自動分析装置100は、試料ディスク2、試薬ディスク12a,12b、反応ディスク9、試料分注プローブ5、試薬分注プローブ10a,10b、測定装置(光源14、多波長光度計15)、制御装置3、CRT画面18、第一記憶装置25、及び、第二記憶装置26などから概略構成されている。
試料ディスク2は、分析対象の試料を収容した試料容器1を載置して搬送する試料容器搬送機構であり、複数の試料容器1が周方向に並べて配置されている。試料ディスク2が回転することにより、試料容器1が所定の位置に搬送される。
試薬ディスク12a,12bは、試料と反応させるための試薬を収容した試薬容器19a,19bをそれぞれ載置して保持する試薬容器保持機構であり、複数の試薬容器19a,19bが周方向に並べて配置されている。試薬ディスク12a,12bが回転することにより、試薬容器19a,19bが所定の位置に搬送される。また、試薬ディスク12a,12bは、試薬容器19a,19bの保管庫としての役割も有しており、試薬容器19a,19bを保冷する機能を有している。
反応ディスク9は、試料と試薬とを反応させる反応容器6を載置する反応機構であり、反応容器6が周方向に並べて配置されている。反応ディスク9の周囲には、試料容器1の試料を検体として反応容器6に分注する試料分注機構としての試料分注プローブ5と、試薬容器19a,19bの試薬を反応容器6に分注する試薬分注機構としての試薬分注プローブ10a,10bとが配置されている。試料分注プローブ5には試料用ポンプ7が接続されており、試料用ポンプ7によって試料分注プローブ5による試料の吸引および吐出が実行される。また、試薬分注プローブ10a,10bには試薬用ポンプ11が接続されており、試薬用ポンプ11によって試薬分注プローブ10a,10bによる試薬の吸引および吐出が実行される。
反応容器6に検体として分注された試料と試薬の混合された反応液は、攪拌装置13により攪拌される。反応ディスク9には、恒温装置8が接続されている。恒温装置8によって、例えば、37度に温度管理された熱伝導性の媒体(例えば、恒温水)が反応ディスク9に循環されており、反応容器6が恒温水に浸されることで反応液の温度が保たれる。
反応ディスク9には、反応容器6の反応液を測定する測定装置を構成する光源14および多波長光度計15が配置されている。測定装置では、光源14から反応容器6の反応液を介して得られる透過光を多波長光度計15によって測定し、測定結果を図示しないA/Dコンバータを介して制御装置3に送信する。また、反応ディスク9には、反応容器洗浄機構20aが設けられており、反応容器洗浄系20からの洗浄液によって測定が終了した反応容器6の洗浄を行う。
制御装置3(プロセッサ)は、自動分析装置100の全体の動作を制御するものであり、インタフェース4を介して、第一記憶装置25や第二記憶装置26を含む、自動分析装置100の各構成に接続されている。制御装置3の操作は、例えば、インタフェース4を介して接続されたキーボード16による入力で実施される。なお、図1においては、図示の簡単のため、制御装置3と自動分析装置100の各構成との接続関係を一部省略して示している。制御装置3は、多波長光度計15の測定結果と光源14の発光光度とから反応液の吸光度を算出する。また、制御装置3は、算出した吸光度を対象である検体における測定対象成分の濃度に変換し、インタフェース4を介して接続されたプリンタ17から印字出力したり、CRT画面18上に表示したり、第一記憶装置25に記憶したりする。
第一記憶装置25には、自動分析装置100の動作制御のために用いられる各種プログラムや設定などが記憶されるほか、キーボード16などによって制御装置3に入力されて登録される検体情報などが記憶される。第一記憶装置25における検体情報の記憶容量は上限が設定されている。検体情報は、検体の分注本である試料を特定するためのIDや、検体自身を特定するID、分析対象となる項目や、各項目における測定結果などの情報を含んでおり、測定結果や設定などの情報の追加や変更が行われる。第一記憶装置25に記憶された測定結果などの情報は、インタフェース4を介してFDドライブ24や第二記憶装置26に送信して保存することができる。
以上のように構成した本実施の形態に係る自動分析装置100では、検体の分析を実施するために検体情報を登録し、分析したい検査項目を登録する。検体情報は登録することができる数に上限が決まっており、上限に達した状態で検体情報を登録するためには、不要な検体情報の事前の削除が必要である。本実施の形態に係る自動分析装置100では、後述する設定画面によって予め設定した条件にしたがって第一記憶装置25に記憶された検体情報を自動的に削除するとともに、予め設定した時刻に検体情報を自動的にバックアップするバックアップ処理(検体情報の第二記憶装置26への保存および第一記憶装置25の検体情報の自動削除)を実施する。これにより、ユーザは検体情報の登録数を意識することなく自動分析装置100を運用することができる。
検体の自動削除の対象にしたい測定状態の選択方法は、例えば、以下の3通りがあり、これらを選択することで、ユーザが設定した時刻に該当検体情報のバックアップ処理(バックアップと削除)を行う。
(方法1)検体情報が外部システムへ報告済みであるという条件を設定する方法。
(方法2)検体の測定状態が全項目結果出力済み(異常なし)の状態であるという条件を設定する方法。
(方法3)検体の測定状態が全項目結果出力済み(異常あり)の状態であるという条件を設定する方法。
(方法2)検体の測定状態が全項目結果出力済み(異常なし)の状態であるという条件を設定する方法。
(方法3)検体の測定状態が全項目結果出力済み(異常あり)の状態であるという条件を設定する方法。
なお、方法2及び3における(異常あり)とは、測定して出力された結果値が、予め定められた範囲内(正常値)に収まっておらず、異常が認められた測定状態のことであり、(異常なし)は、結果値が、予め定められた範囲内(正常値)に収まっており、異常が認められない測定状態のことである。
(方法1)においては、検体情報が外部システムへ報告済みであるという条件を設定しており、既に検体情報が外部のシステムへ報告されており、システム上、不要な検体情報のため、本設定が条件にあることでユーザが手動で削除する手間を大きく省くことができる。(方法2)においては、検体の測定状態が全項目結果出力済み(異常なし)の状態であるという条件を設定しており、また、(方法3)においては、検体の測定状態が全項目結果出力済み(異常あり)の状態であるという条件を設定しているが、(方法2)及び(方法3)の何れに関しても、既に結果が出揃っている状態であり、検体情報のバックアップ作業をユーザが残している状況となる。(方法1)は、外部システムのない環境下であっても、本条件を設定することでバックアップと自動削除を自動に可能とすることができ、ユーザが手動でバックアップと削除をする手間を大きく省くことができる。
図2は、検体情報の自動削除機能(自動バックアップ処理)に関する設定画面を示す図である。
図2に示す設定画面200において、「Auto BackUp and Delete Function」は、自動削除機能の有効又は無効を設定する項目である。また、「Auto BackUp and Delete Time」は、自動削除機能が有効な場合、バックアップ処理が実施される時刻を設定する項目である。「Target Sample Status」は、自動削除機能が有効な場合、削除対象とする検体の情報を設定する項目である。「Keep days」は、自動削除機能が有効な場合、削除対象となった検体の保管期間を設定する項目である。「Output」は、自動削除機能が有効な場合、削除対象となった検体情報のバックアップの出力先をPC内部(第二記憶装置26)か外部メディア(FDドライブ24)に設定する項目である。
検体情報の自動削除機能を有効にする場合は「Auto BackUp and Delete Function」を「ON」201aに設定し、無効にする場合には「OFF」201bに設定する。検体情報の自動削除機能を実施する実行時刻は、「Auto BackUp and Delete Time」の入力部202に例えば0時~23時の時刻を設定する。また、削除対象とする検体の測定状態は、「Host Sent」のチェックボックス203a、「Complete」のチェックボックス203b、「Incomplete」のチェックボックス203cを選択することで設定する。
図3は、図2に示す設定条件を説明する図である。
図3に示すとおり、測定状態の「Host Sent」301は分析装置に接続された外部のシステムに検体情報を報告した状態である。また、「Complete」302は検体の測定状態が、依頼した全項目の結果が出力され、かつ結果に異常がない状態である。また、「Incomplete」303は検体の測定状態が、依頼した全項目の結果が出力され、かつ結果に異常がある状態である。
設定画面200では、削除対象とする検体の測定状態を、「Host Sent」301、「Complete」302、「Incomplete」303の3つの設定の組み合わせで設定することが出来る。これらの測定状態は全て、結果が出力された状態であるが、結果が出力されていない測定状態を自動削除の対象に含めると、測定する予定の検体が失われてしまう可能性があるため、自動削除の対象から除外している。
また、設定画面200では、検体の保管期間を、例えば、1日から14日の間で入力部204に設定し、検体を削除する前動作であるバックアップデータの出力先をHDのような内部装置とする場合は「Internal」205aを設定し、FDもしくはUSBのような外部記憶媒体とする場合には「external」205を設定する。また、「OK」ボタン206aを選択することで、設定画面200の入力内容による検体の自動削除機能が有効になり、また、「Cancel」ボタン206bを選択することで入力内容が破棄される。
図4は、検体の自動削除機能の削除対象の決定手順を示すフローチャートである。
図4においては、まず、検体の自動削除機能を実施する時刻の設定情報(図2の入力部202の設定)と、現在時刻が一致するかどうかを判定し(ステップS401)、判定結果がNOの場合には、判定結果がYESになるまでステップS401の処理を繰り返す。また、ステップS401での判定結果がYESの場合には、続いて、全ての検体情報を第一記憶装置25から参照し、指定した検体情報(図2のチェックボックス203a,203b,203cの設定に合致する検体情報)があるかどうかを判定し(ステップS402)、判定結果がYESの場合には、該当した検体情報に、削除予定時刻をセットする(ステップS403)。また、ステップS402での判定結果がNOの場合には、処理を終了する。
図5は、検体の自動削除機能の検体削除の実施手順を示すフローチャートである。
図5においては、まず、検体の自動削除機能を実施する時刻の設定情報(図2の入力部202の設定)と、現在時刻が一致するかどうかを判定し(ステップS501)、判定結果がNOの場合には、判定結果がYESになるまでステップS501の処理を繰り返す。また、ステップS501での判定結果がYESの場合には、システムは検体の自動削除が実施可能な装置状態かをチェックし(ステップS502)、判定結果がNOの場合には、判定結果がYESになるまでステップS502の処理を繰り返す。
図6は、自動削除が実施可能な装置状態の一例を示す図である。
図6において、装置状態が「Stand By」601の場合、全ての要求を受け付けることが出来る待ちの状態であり、ユーザが操作しない限り、検体状態が変化することはなく、検体の自動削除は実施可能である。装置状態が「Preparation」602の場合、分析動作の前準備段階であり、検体状態が変化することはないが時刻経過すると検体状態が変化する装置状態に遷移する可能性があるため、検体の自動削除は実施不可である。装置状態が「Operation」603や「Rack Collect End」604の場合、検体の分析を実施中であり、検体状態が変化するため、検体の自動削除は実施不可である。装置状態が「Rack Reception」605の場合、検体の分析が完了し、全ての検体の結果が出力されている状態のため、検体状態が変化することはなく、検体の自動削除は実施可能である。
図5に戻る。
ステップS502での判定結果がYESの場合、すなわち、装置状態が「Stand By」601、もしくは「Rack Reception」605の場合には、続いて、削除対象となる検体があるかどうかを判定し(ステップS503)、判定結果がNOの場合には、処理を終了する。また、ステップS503での判定結果がYESの場合、すなわち、図4の入力部403で設定した時刻が過ぎている検体が一つでもある場合には、該当検体のバックアップと削除を実施する(ステップS504)。
図7は、検体の結果情報を管理する管理画面の一例を示す図である。
図7に示すように、管理画面700においては、削除対象となった検体情報の時刻情報701に背景色が付くことにより、削除対象の検体情報であることを確認することが出来る。バックアップ処理では、図2の設定画面200において「Output」の項目で設定した情報に従い、最初にバックアップを実施する。すなわち、「Output」の項目を「Internal」205aに設定した場合は、第一記憶装置25に格納されている検体情報を、異なるフォルダ上である第二記憶装置26にバックアップする。また、「Output」の項目を「external」に設定した場合には、第二記憶装置26に格納されている検体情報を、FDドライブ24などの外部ストレージにバックアップする。バックアップが成功すると、第一記憶装置25に格納されている検体情報を削除する。バックアップ処理(自動削除とバックアップ)が実施されると、完了するまでの間は現在の装置状態を維持する。装置状態を維持する理由は、自動削除中およびバックアップ中はデータベース内の検体情報を参照しており、他の装置状態に遷移し同じ検体情報を参照してしまうことで競合処理が起こり、システムがハングアップしてしまうことを未然に防止するためである。なお、バックアップ処理中に、ユーザからオペレーションやストップなどの要求があった場合は要求を保持し、自動削除とバックアップが完了すると保持した要求を受け付ける。
図5に戻る。
ステップS504の処理が終了すると、続いて、バックアップ処理、すなわち、検体情報のバックアップと削除の両方が成功したかどうかを判定し(ステップS505)、判定結果がYESの場合には処理を終了する。また、ステップS505の判定結果がNOの場合、すなわち、バックアップデータの出力先にアクセス出来ない、容量が足らずにバックアップ出来ないといった理由でバックアップ処理が失敗した場合には、リトライはせず、次の日の実行時刻に持ち越すように、ステップS501の処理に戻る。なお、削除対象となった検体がある状態で設定を変更した場合は、現在の削除情報をクリアし、自動削除の実施時刻時に再度、測定状態をチェックし、設定した測定状態の検体に対し削除対象を決定し(図4の403参照)、保管期間(図2の入力部204の設定)から削除タイミングを決定する。
バックアップした検体情報は、読み込み画面から出力することができる。
図8は、読み込み画面の一例を示す図である。
読み込み画面800においては、読み出し元のバックアップ先を、例えば、「Internal」801a、「DVD-RAM」801b、「USB」801cなどから選択して指定すると、リスト802に指定した読み出し元にバックアップした検体情報の一覧が表示され、一覧から検体情報を選択して、「OK」ボタン803aを選択することによって検体情報を出力することができる。検体情報の一覧には、検体情報に含まれる、患者IDが表示されるため、ユーザが確認したい検体情報を選択することは容易となる。また、「Cancel」ボタン803bを選択することで、検体情報の読み出しをキャンセルすることができる。
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
従来技術においては、検体情報の削除自体についてはユーザが現在の検体情報を把握しつつ手動で行う必要があり、検体情報の削除に手間や時間を要してしまうという課題があった。また、従来技術においては、システム全体のバックアップを実施するために二つ以上の保存媒体を必要とするために多大なコストが必要となるばかりでなく、システム全体のバックアップを行うことから多大な時間を必要としてしまうという課題があった。
これに対して本実施の形態においては、反応液の測定結果を含む検体情報を検体毎に記憶する第一記憶装置25と、第一記憶装置25に記憶された検体情報のうち、少なくとも一部の検体についての検体情報を検体毎に記憶する第二記憶装置26とを備え、制御装置3は、自動分析装置100が予め定めた動作状態となった場合に、予め定めたバックアップ条件を満たす検体についての検体情報を第一記憶装置25から第二記憶装置26にバックアップし、かつ、バックアップした検体についての検体情報を第一記憶装置25から削除するバックアップ処理を行うように構成したので、削除の対象となる検体情報の内容確認及びの削除の手間を削減することができるとともに、検体情報のバックアップに要するコスト及び時間を削減することができる。また、削除及びバックアップを実施する情報を検体情報に絞ることにより、記憶容量確保のための情報の削除及びバックアップの実施によって自動分析装置がユーザの要求を受け付けられない時間を必要最小限にすることができ、自動分析装置の運用停止時間の増加を抑制することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図9及び図10を参照しつつ説明する。
本発明の第2の実施の形態を図9及び図10を参照しつつ説明する。
本実施の形態は、削除対象とする検体の情報を設定する条件として、第1の実施の形態とは異なる条件を設定するようにしたものである。
図9は、本実施の形態における検体情報の自動削除機能(自動バックアップ処理)に関する設定画面を示す図である。また、図10は、図9に示す設定条件を説明する図である。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
図9に示す設定画面200Aにおいて、「Target Sample Status」は、自動削除機能が有効な場合、削除対象とする検体の情報を設定する項目である。削除対象とする検体の測定状態は、「Manual」のチェックボックス901a、「Change in the date」のチェックボックス901b、「After registration」のチェックボックス901cを選択することで設定する。なお、「After registration」のチェックボックス901cを選択した場合には、入力部902に時間を入力することで設定する。
図10に示すとおり、「Manual」1001はユーザがチェックした検体を対象にする。ユーザがチェックした検体とは、図7の「Check」項目702にユーザがチェックを付けた状態であり、ユーザが検体状況を目視確認し、削除対象に設定する事でバックアップと自動削除が実施される検体が明確であり、管理が容易になる。また、「Change in the date」1002は検体を登録した日付が、次の日に更新した検体である。また、「After registration」1003は、検体を登録してから、設定した時間(図9の入力部902の設定)後になった検体を削除対象に設定する(1003)。「Change in the date」と「After registration」の設定は、現場毎の装置の稼働状況に合わせた設定が可能である。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<付記>
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
1…試料容器、2…試料ディスク、3…制御装置、4…インタフェース、5…試料分注プローブ、6…反応容器、7…試料用ポンプ、8…恒温装置、9…反応ディスク、10a,10b…試薬分注プローブ、11…試薬用ポンプ、12a,12b…試薬ディスク、13…攪拌装置、14…光源、15…多波長光度計、16…キーボード、17…プリンタ、18…CRT画面、19a,19b…試薬容器、20…反応容器洗浄系、20a…反応容器洗浄機構、24…FDドライブ、25…第一記憶装置、26…第二記憶装置、100…自動分析装置、200,200A…設定画面、202,204,403,902…入力部、203a~203c,901a~901c…チェックボックス、700…管理画面、701…時刻情報、800…読み込み画面、802…リスト
Claims (5)
- 分析対象の試料を収容した試料容器を載置して搬送する試料容器搬送機構と、前記試料と反応させるための試薬を収容した試薬容器を載置して保持する試薬容器保持機構と、前記試料と前記試薬とを反応させる反応容器を載置する反応機構と、前記試料容器の試料を検体として前記反応容器に分注する試料分注機構と、前記試薬容器の試薬を前記反応容器に分注する試薬分注機構と、前記反応容器に検体として分注された前記試料と前記試薬の混合された反応液を測定する測定装置とを備えた自動分析装置において、
前記自動分析装置の動作を制御する制御装置と、
前記反応液の測定結果を含む検体情報を検体毎に記憶する第一記憶装置と、
前記第一記憶装置に記憶された検体情報のうち、少なくとも一部の検体についての検体情報を検体毎に記憶する第二記憶装置とを備え、
前記制御装置は、前記自動分析装置が予め定めた動作状態となった場合に、予め定めたバックアップ条件を満たす検体についての検体情報を前記第一記憶装置から前記第二記憶装置にバックアップし、かつ、前記バックアップした検体についての検体情報を前記第一記憶装置から削除するバックアップ処理を行うことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1記載の自動分析装置において、
前記バックアップ条件は、
前記検体の検体情報が前記自動分析装置の外部に設けられた他のシステムに送信済みであること、
前記検体の検体情報が予め定めた項目の全てにおいて終了しており、かつ、前記項目の全てにおいて異常なしであること、及び、
前記検体の検体情報が予め定めた項目の全てにおいて終了しており、かつ、前記項目の全てにおいて異常なしであること、の少なくとも1つであることを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御装置は、予め設定した保持期間を過ぎた後の前記検体情報について、予め指定した時刻に、前記バックアップ処理を実行することを特徴とする自動分析装置。 - 請求項1記載の自動分析装置において、
前記制御装置は、前記検体の状態に変化の生じない前記自動分析装置の動作状態にのみ、前記バックアップ処理を行うことを特徴とする自動分析装置。 - 請求項3記載の自動分析装置において、
前記制御装置は、
予め設定した保持期間を過ぎた後の前記検体情報について、予め指定した時刻において、前記検体の状態に変化の生じない前記自動分析装置の動作状態である場合には前記バックアップ処理を実行し、
前記検体の状態に変化の生じる前記自動分析装置の動作状態である場合には、前記バックアップ処理を延期して、前記自動分析装置の動作状態が前記検体の状態に変化の生じない動作状態に遷移したときに前記バックアップ処理を行うことを特徴とする自動分析装置。
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