JP6994318B2 - ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン - Google Patents
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Description
本発明の課題は、経時的な臭いの発生が低減され、かつ酸性および塩基性条件下における安定性に優れるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを提供することである。
[1]下記一般式(I)または(II)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(以下、それぞれ変性オルガノポリシロキサン(I)、(II)と称する)。
[2]aが1または2である、[1]の変性オルガノポリシロキサン(I)または(II)。
[3]aが2である、[1]の変性オルガノポリシロキサン(I)または(II)。
[4]下記一般式(III)または(IV)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(以下、それぞれオルガノハイドロジェンポリシロキサン(III)、(IV)と称する)と、下記一般式(V)で表されるポリオキシアルキレン誘導体(以下、ポリオキシアルキレン誘導体(V)と称する)とを反応させる、[1]~[3]のいずれかの変性オルガノポリシロキサン(I)または(II)の製造方法。
製造容易性の観点から、中でも、Rは炭素数1~10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
なお、変性オルガノポリシロキサン(I)および(II)においてRは複数存在するが、それぞれのRは同一の基である必要はなく、異なる構造の基、例えばメチル基とエチル基が混在していてもよい。
なお、変性オルガノポリシロキサン(I)および(II)においてAは複数存在するが、それぞれのAは同一の基である必要はなく、異なる構造の基が混在していてもよい。
R’が表す炭素数2~20のアシル基は、-COR”で表される基であることが好ましい。ここで、R”は炭素数1~19の一価の炭化水素基を表す。R”としては、炭素数1~19のアルキル基、炭素数6~19のアリール基、炭素数7~19のアラルキル基などが挙げられる。そのような炭素数2~20のアシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ラウロイル基、ミリストイル基、ステアロイル基などが挙げられる。
製造容易性の観点から、R’は水素原子または炭素数1~20の炭化水素基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
bはb(p+1)≧60を満たすことがより好ましく、b(p+1)≧90を満たすことがさらに好ましく、b(p+1)≧120を満たすことが特に好ましい。
また、製造容易性の観点から、bは100以下であることが好ましい。
中でも、白金含有触媒が好ましい。白金含有触媒としては、例えば六水和物型または無水物型のクロロ白金酸;アルコール変性クロロ白金酸;オレフィンとクロロ白金酸との錯体;クロロ白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体;ヘキサクロロ白金酸カリウム、ヘキサヨード白金酸カリウム、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム六水和物、テトラブロモ白金酸カリウム、テトラクロロ白金酸カリウムおよびテトラクロロ白金酸ナトリウム水和物等のハロゲン化アルカリ金属白金化合物;炭素キャリヤーに吸着させた白金微粒子;および白金黒などを用いることができる。中でも、入手容易性の観点から六水和物型または無水物型のクロロ白金酸が好ましい。
白金含有触媒の使用量は特に限定されず、ポリオキシアルキレン誘導体(V)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(III)または(IV)との反応を促進するのに十分な量であればよい。
ヒドロシリル化反応における反応時間は、好ましくは10分から20時間であり、より好ましくは3時間から20時間である。
反応生成物から必要に応じて有機溶媒を減圧除去した後、濾過等により、目的の変性オルガノポリシロキサン(I)または(II)が得られる。
下記式(VI)で表されるポリオキシアルキレン誘導体229gと、六水和物型クロロ白金酸の2%イソプロパノール溶液1mLをフラスコに量り取り、窒素気流中で70℃に加熱した。続いて、平均組成(VII)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン343gを70℃で30分かけて滴下した。引き続き110℃まで加熱し、3時間反応させた。
1H-NMRスペクトルは以下の通りであった(400MHz、CDCl3、TMS)。
δ=0.1ppm (447H、m、Si-CH3)
δ=0.3~0.7ppm (6H、m、Si-CH2)
δ=1.0ppm (9H、d、CH3)
δ=1.3~1.9ppm (9H、m、CH2CH)
δ=1.3~1.9ppm (6H、m、CH2O)
δ=3.4ppm (600H、m、OCH2CH2O)
δ=4.5 (3H、s、OH)
得られたポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンについて、後述する方法により臭い評価と乳化安定性評価を実施した。結果を表1に示す。
上記式(VI)で表されるポリオキシアルキレン誘導体229gに代えて、下記式(VIII)で表されるポリオキシアルキレン誘導体227gを用いた点の他は実施例1と同様の手順で301gのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを得た。
生成物を1H-NMRで分析した結果、シロキサン由来のSiHのシグナルとポリオキシアルキレン誘導体の末端二重結合のシグナルが消失しており、目的のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの生成を確認した。
得られたポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンについて、後述する方法により臭い評価と乳化安定性評価を実施した。結果を表1に示す。
上記式(VI)で表されるポリオキシアルキレン誘導体229gに代えて、下記式(IX)で表されるポリオキシアルキレン誘導体226gを用いた点の他は実施例1と同様の手順で311gのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを得た。
生成物を1H-NMRで分析した結果、シロキサン由来のSiHのシグナルとポリオキシアルキレン誘導体の末端二重結合のシグナルが消失しており、目的のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの生成を確認した。
得られたポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンについて、後述する方法により臭い評価と乳化安定性評価を実施した。結果を表1に示す。
上記式(VI)で表されるポリオキシアルキレン誘導体229gに代えて、下記式(X)で表されるポリオキシアルキレン誘導体53gを用いた点の他は実施例1と同様の手順で238gのポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを得た。
生成物を1H-NMRで分析した結果、シロキサン由来のSiHのシグナルとポリオキシアルキレン誘導体の末端二重結合のシグナルが消失しており、目的のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの生成を確認した。
得られたポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンについて、後述する方法により臭い評価と乳化安定性評価を実施した。結果を表1に示す。
5本の10mLのガラス瓶に試料をそれぞれ約2mL入れ、約30℃のオーブンに2時間静置後、5人の評者が開封直後の臭いを官能評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:ほとんど無臭(0~1人が臭いありとした)
○:わずかに臭いあり(2~3人が臭いありとした)
×:臭いあり(4人以上が臭いありとした)
まず、以下の1~5の手順で油中水型乳化組成物を調製した。
1.容量150mLの容器に、流動パラフィン23gおよびポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン2gを仕込んだ。
2.加温と撹拌を行い、均一分散又は溶解させた(油相A)。
3.pH3の希硫酸およびpH12の水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ75g準備し、それぞれ水相B、水相Cとした。
4.油相Aを1000rpmで撹拌しながら、水相BまたはCをほぼ定速で約40秒かけて油相A中に注ぎ込んだ。
5.回転数を3000rpmに上げ、撹拌を更に1分間継続して油中水型乳化組成物を得た。
続いて、E型粘度計(東京計器(株)製)を用い、25℃にて組成物の粘度を測定した。
各組成物を40℃にて1ヶ月間静置し、静置前後の乳化状態の変化を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:粘度変化が5%以下であり、かつ外観が変化なく均一。
○:粘度変化が5%超10%以下であり、かつ外観が変化なく均一。
△:粘度変化が10%超20%以下であるか、または外観がやや不均一。
×:粘度変化が20%超であるか、または水滴の発生や水相の分離あり。
Claims (6)
- 下記一般式(I)または(II)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
(一般式(I)および(II)中、Rは炭素数1~10の炭化水素基を表し、AはRまたは-CH2CH(CH3)-(CH2)a-O-(CpH2pO)b-R’で表される基を表し、R’は水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基または炭素数2~20のアシル基を表し、nは0以上の整数を表し、pは2を表し、aは1~12の整数を表し、bはb(p+1)≧120を満たす整数を表す。ただし、全てのAが同時にRとなることはなく、複数存在するAは互いに同一の基である必要はなく、複数存在するRは互いに同一の基である必要はない。) - bが100以下である、請求項1に記載のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
- aが1または2である、請求項1または請求項2に記載のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
- aが2である、請求項1または請求項2に記載のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
- R’が水素原子である、請求項1~4に記載のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン。
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