JP6994170B2 - 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材 - Google Patents

複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6994170B2
JP6994170B2 JP2017198784A JP2017198784A JP6994170B2 JP 6994170 B2 JP6994170 B2 JP 6994170B2 JP 2017198784 A JP2017198784 A JP 2017198784A JP 2017198784 A JP2017198784 A JP 2017198784A JP 6994170 B2 JP6994170 B2 JP 6994170B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic member
preform
container
composite
notch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017198784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019072864A (ja
Inventor
賀 勇 介 須
脇 琢 磨 宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2017198784A priority Critical patent/JP6994170B2/ja
Publication of JP2019072864A publication Critical patent/JP2019072864A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6994170B2 publication Critical patent/JP6994170B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材に関する。
近時、内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチックボトルは、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばPETやPP等の単層材料、多層材料又はブレンド材料等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
本出願人は、先の出願(特許文献1)において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な、容器本体およびプラスチック製部材を備えてなる複合容器を提案している。
特開2015-128858号公報
上記した複合容器が備えるプラスチック製部材は、容器本体に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体から分離(剥離)して除去することができ、容器本体をリサイクルすることができる。しかしながら、プラスチック製部材は、容器本体に密着するように設けられており、その容器本体からの分離性には改善の余地があった。
今般、本発明者らは、複合容器が備えるプラスチック製部材に剥離タブを設けることにより、容器本体からプラスチック製部材を容易に分離することができることを知見した。本発明はかかる知見に基づくものである。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、分離性の高いプラスチック製部材を備える複合容器、並びにこの複合容器の作製に用いられる複合プリフォームおよびプラスチック製部材を提供することを目的とする。
本発明は、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームと、前記プリフォームの外側を取り囲むように設けられ、少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材とを備え、前記プラスチック製部材のうち、前記プリフォームの前記口部側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込みが設けられていることを特徴とする複合プリフォームである。
本発明は、前記一対の切り込みは、レーザー加工により形成されていることを特徴とする複合プリフォームである。
本発明は、口部と、前記口部の下方に設けられた胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、を有する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられ、少なくとも胴部を有するプラスチック製部材とを備え、前記プラスチック製部材のうち、前記容器本体の前記口部側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込みが設けられ、前記プラスチック製部材のうち、前記一対の切り込み間の部分に、カールした剥離タブが形成されていることを特徴とする複合容器である。
本発明は、前記一対の切り込みは、レーザー加工により形成されていることを特徴とする複合容器である。
本発明は、複合プリフォームの製造方法において、口部と、胴部と、底部とを有するプリフォームを準備する工程と、少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材を準備する工程と、前記プリフォームの外側に前記プラスチック製部材を設ける工程と、前記プリフォームの外側に設けられた前記プラスチック製部材の前記胴部に切り込みを形成する工程を備え、前記切り込みを形成する工程において、前記切り込みは、レーザー加工により形成されることを特徴とする複合プリフォームの製造方法である。
本発明は、前記切り込みを形成する工程において、前記胴部の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の前記切り込みが設けられることを特徴とする複合プリフォームの製造方法である。
本発明は、複合容器の製造方法において、プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材を準備する工程と、前記プリフォームの外側に前記プラスチック製部材を設ける工程と、前記プリフォームの外側に設けられた前記プラスチック製部材の前記胴部に切り込みを形成する工程と、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形金型を用いてブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させ、前記プリフォームに対応するとともに口部と胴部と底部とを有する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程とを備え、前記切り込みを形成する工程において、前記切り込みは、レーザー加工により形成されることを特徴とする複合容器の製造方法である。
本発明は、前記切り込みを形成する工程において、前記プリフォームの外側に設けられた前記プラスチック製部材の前記胴部の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の前記切り込みが設けられることを特徴とする複合容器の製造方法である。
本発明は、前記容器本体と前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程において、前記一対の切り込み間の部分が加熱され、カールした剥離タブが形成されることを特徴とする複合容器の製造方法である。
本発明は、複合容器の製造方法において、プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材を準備する工程と、前記プリフォームの外側に前記プラスチック製部材を設ける工程と、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形金型を用いてブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させ、前記プリフォームに対応するとともに口部と胴部と底部とを有する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材の前記胴部に切り込みを形成する工程とを備え、前記切り込みを形成する工程において、前記切り込みは、レーザー加工により形成されることを特徴とする複合容器の製造方法である。
本発明は、前記切り込みを形成する工程において、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材の前記胴部の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の前記切り込みが設けられることを特徴とする複合容器の製造方法である。
本発明は、前記一対の切り込み間の部分を加熱する工程を更に備え、前記一対の切り込み間の部分を加熱する工程において、カールした剥離タブが形成されることを特徴とする複合容器の製造方法である。
本発明によれば、分離性の高いプラスチック製部材を備える複合容器、並びにこの複合容器の作製に用いられる複合プリフォームおよびプラスチック製部材を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による複合プリフォームの部分垂直断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による複合プリフォームの正面図である。 図3(a)~(c)は、複合プリフォームから取り外された各種プラスチック製部材を示す斜視図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態による複合プリフォーム70の正面図である。 図5(a)~(c)は、熱圧着した余白部の形状を表す図である(図4のV方向矢視図)。 図6は、本発明の第1の実施の形態による複合容器の部分垂直断面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態による複合容器の部分垂直断面図である(図6のVII方向矢視図)。 図8は、本発明の第1の実施の形態による複合容器を示す水平断面図(図6のVIII-VIII断面図)。 図9(a)~(g)は、本発明の第1の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態による複合プリフォームの部分垂直断面図である。 図11(a)~(f)は、本発明の第2の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図12(a)~(b)は、本発明の第2の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図9は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
複合プリフォーム70
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態による複合プリフォーム70は、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えるプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられるプラスチック製部材40aとを備えている。このような複合プリフォーム70をブロー成形することにより、後述する複合容器10Aを得ることができる。一実施形態において、図1および2に示すように、プラスチック製部材40aには、プリフォーム10aの口部11a側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90aが設けられている。このように、プラスチック製部材40aに一対の切り込み90aを設けることにより、複合プリフォーム70をブロー成形することにより得られる複合容器10Aにおいて、後述するように剥離タブXを形成することができ、プラスチック製部材40の分離性を向上させることができる。
プリフォーム10a
プリフォーム10aは、図1に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、後述する容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、口部11aは、図示しないキャップに螺着される後述する容器本体10のねじ部14に対応するねじ部14aと、ねじ部14aの下方に設けられ、容器本体10のフランジ部17に対応するフランジ部17aとを有している。なお、口部11aの形状は、従来公知の形状であっても良い。また、胴部20aは、容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。さらに、底部30aは、容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ後述する複合容器10Aを正立させた状態(図6および図7)における上方および下方のことをいう。
このようなプリフォーム10aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アイオノマー樹脂やこれらをブレンドしたもの等の樹脂材料を含んでなることができる。上記した樹脂材料の中でも、成形安定性やガスバリア性、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
プラスチック製部材40a
図1および図2に示すように、本発明の第1の実施の形態によるプラスチック製部材40aは、少なくとも円筒状の胴部41aを有し、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。図3(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、円筒状の胴部41aと、胴部41aに連結された底部42aとを有し、全体として有底円筒形状のものであっても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42aがプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。また、図3(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、円筒状の胴部41を有し、全体として無底円筒形状のものであっても良い。また、図3(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製された、無底円筒形状のものであっても良い。図3(b)および(c)に示されるプラスチック製部材40aの場合、図4に示すように、プラスチック製部材40aが余白部80aを有するように構成し、この余白部80aを熱圧着しても良い。これにより、図3(b)および(c)に示される無庭円筒形状からなるプラスチック製部材40aであっても、有底円筒形状のプラスチック製部材40aとすることができる。熱圧着後の余白部80の形状は特に限定されるものではなく、図5に示されるように任意の形状とすることができる。また、プラスチック製部材40aは、単層からなるものであってもよく、多層からなるものであってもよい。
一実施形態において、本発明のプラスチック製部材40aは、図2および3に示すように、胴部41aに切り込み90aが設けられている。本実施の形態においては、プラスチック製部材40aは、胴部41aの一端であって、プリフォーム10aに装着した際、プリフォーム10aの口部11a側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90aが設けられている。この切り込み90aは、図2および図3(a)~(c)に示すように、プリフォーム10aの長手方向に沿って線状に形成されている。切り込み90aの上端(口部11a側端部)は、プラスチック製部材40aの上端まで達している。切り込み90aの下端(底部30a側端部)は、胴部41aの途中で終端している。また、切り込み90aの長さLaは特に限定されるものではなく、容器本体10の形状に合わせ適宜、変更しても良い。例えば、切り込み90aの長さLaは、ブロー成形前のプラスチック製部材40aにおいて1mm以上15mm以下とすることができる。また、例えば、一対の切り込み90a間の幅waは、ブロー成形前のプラスチック製部材40aにおいて1mm以上20mm以下とすることができる。このような一対の切り込み90aが形成されたプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aと共にブロー成形することにより、ブロー成形後のプラスチック製部材40に形成される一対の切り込み90の長さLを1mm以上30mm以下とし、一対の切り込み90間の幅wを1mm以上30mm以下とすることができる。これにより、一対の切り込み90に基づき後述する剥離タブXを形成することができ、この剥離タブXに基づいて、プラスチック製部材40を容易に容器本体10から分離することができる。
また、この切り込み90aは、後述するようにレーザー加工により形成されている。このように、切り込み90aをレーザー加工により形成することにより、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aに取り付けた後であっても、切り込み90aを形成することができる。これにより、プリフォーム10aに密着した状態のプラスチック製部材40aに対してレーザー加工を施すことができ、レーザー光の焦点をプラスチック製部材40aに合わせやすくすることができる。このため、切り込み90aの形成を容易に行うことができ、複合プリフォーム70および複合容器10Aの生産性を向上させることができる。なお、使用するレーザー光は特に限定されるものではなく、例えば、He-Neレーザー、Arレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、金属蒸気レーザー、ファイバレーザー、Nd:YAGレーザーを含むYAGレーザー類、及びそれらの高調波レーザー等が挙げられる。これらの中でも、装置が比較的小型で安価であることから、炭酸ガスレーザーが好ましい。使用するレーザー光の波長は、使用するレーザー光により変化し、例えば、炭酸ガスレーザーの場合、9.4μm及び10.6μmのレーザー光であり、Nd:YAGレーザーの場合、1064nmのレーザー光となる。また、波長についてもこれに限られるものでなく、プラスチック製部材40(40a)に含有されている樹脂材料の種類等に応じて適宜変更して使用することが好ましい。
また、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aに対して収縮する作用を有するものであっても良く、収縮する作用を有しないものであっても良い。ブロー成形後において、容器本体10と、プラスチック製部材40との密着性が高く、これらの間に入り込む空気が少ないという理由から、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aに対して収縮する作用を有するものであることが好ましい。プラスチック製部材40aが収縮する作用を有する場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40は、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
プラスチック製部材40aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン-1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、MXD6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂などの樹脂材料を含むことが出来る。上記した樹脂材料の中でも、ブロー成形後、容器本体10からの分離性が高いという観点からは、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特には、低密度ポリエチレン(密度:0.910g/cm以上、0.930g/cm以下)を含むことが好ましい。
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、酸素バリア性又は水蒸気バリア性等のガスバリア性を有する樹脂材料を含んでなることができる。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aのガスバリア性を高め、容器内への酸素の侵入を防ぎ、内容液が劣化することを防止し、また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。このような材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、MXD-6およびEVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)が挙げられる。
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを構成するプラスチック材料よりも保温性又は保冷性の高い樹脂材料(熱伝導性の低い樹脂材料)を含んでいても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保温性又は保冷性を高めることができる。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが挙げられる。
また、プラスチック製部材40aは、その特性が損なわれない範囲において、主成分である上記樹脂材料以外にも、各種の添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、例えば、可塑剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料等を添加することができる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高めることができる。
さらに、プラスチック製部材40aには、デザイン又は印字が施されていても良い。この場合、ブロー成形後に容器本体10に対して別途ラベル等を付与することなく、複合容器10Aに画像や文字を表示することが可能となる。この場合、例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20に画像や文字を印刷することにより表示しても良い。胴部20への画像や文字の印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により行うことができる。例えば、インクジェット法を用いる場合、プラスチック製部材40a(40)にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。この印刷は、プリフォーム10aに嵌め込む前のプラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、ブロー成形後の複合容器10Aのプラスチック製部材40に印刷が施されても良い。
複合容器10A
図6および図7に示すように、複合プリフォーム70をブロー成形することにより得られる複合容器10Aは、口部11と、口部11に連結された胴部20と、胴部20に連結された底部30とを備え、内側に位置する容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。また、プラスチック製部材40には、容器本体10の口部11側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90が設けられている。さらに、プラスチック製部材40には、一対の切り込み90間の部分において、カールした剥離タブXが形成されている。この剥離タブXからプラスチック製部材40の分離を行うことにより、容器本体10の表面からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。これにより、複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40の分離をより一層容易なものとし、容器本体10のリサイクルを行いやすくすることができる。
容器本体10
容器本体10は、口部11の下方に設けられた首部13と、首部13の下方に設けられた肩部12と、肩部12の下方に設けられた胴部20と、胴部20の下方に設けられた底部30とを備えている。
口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14の下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、例えば、容器本体10の内容量が500mLである場合は、10g~20gとすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
一実施形態において、容器本体10は、樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10aを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。
容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
容器本体10は、例えば満注容量が100mL以上2000mL以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
プラスチック製部材40
プラスチック製部材40は、少なくとも円筒状の胴部41を有し、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。また、図8に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
プラスチック製部材40は、プラスチック製部材40aを、後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設け、プリフォーム10aの外側に密着させた後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形することにより得ることができる。
図6および図7に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けることができる。このような構成とすることにより、容器本体10の肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
また、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。さらに、プラスチック製部材40は1つに限らず、複数設けても良い。例えば、2つのプラスチック製部材40を肩部12の外面および底部30の外面にそれぞれ設けても良い。
また、プラスチック製部材40には、胴部41に切り込み90が設けられている。本実施の形態では、プラスチック製部材40には、胴部41の一端であって、容器本体10の口部11側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90が設けられている。この一対の切り込み90は、ブロー成形前のプラスチック製部材40aに形成された一対の切り込み90aに対応している。この一対の切り込み90の長さLは、1mm以上15mm以下であることが好ましく、2mm以上8mm以下であることがより好ましい。また、この場合、一対の切り込み90間の幅wは、1mm以上20mm以下であることが好ましく、3mm以上10mm以下であることがより好ましい。このような一対の切り込み90は、後述するように、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張する際に、一対の切り込み90aが延伸したものである。
また、プラスチック製部材40には、一対の切り込み90間の部分において、カールした剥離タブXが形成されている。この剥離タブXは、後述するように、複合プリフォーム70をブロー成形する際に、プラスチック製部材40aの一対の切り込み90a間の部分が加熱され、カールしたものである。このような剥離タブXは、容器本体10の外側に向かうようにカールしており、指によって挟持されることができる程度の大きさに形成されている。このような剥離タブXを挟持しながら引っ張ることにより、容器本体10からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。これにより、複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40の分離をより一層容易なものとすることができる。
また、プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm~50μm程度とすることができる。
次に図9(a)~(g)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図9(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。このプリフォーム10aは、口部11aと、胴部20aと、略半球形状の底部30aとを有している。
次に、プラスチック製部材40aを準備する。この場合、プラスチック製部材40aは、少なくとも円筒状の胴部41aを有している。例えばプラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41aと、胴部41aに連結された底部42aとを有している。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図9(b)参照)。
この場合、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
次いで、プリフォーム10aの外側に設けられたプラスチック製部材40aの胴部41aに切り込み90aを形成する(図9(c)参照)。本実施の形態においては、プラスチック製部材40aの胴部41aの一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90aを形成する。この場合、一対の切り込み90aは、レーザー加工により形成される。切り込み90aの形成に用いられるレーザーとしては、例えば、炭酸ガスレーザーが挙げられる。また、一対の切り込み90aの長さLaは、例えば、1mm以上15mm以下とすることができ、一対の切り込み90a間の幅waは、例えば、1mm以上20mm以下とすることができる。このように、切り込み90aがレーザー加工により形成されることにより、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aに密着させた後に、切り込み90aを形成することができる。これにより、プリフォーム10aに密着した状態のプラスチック製部材40aに対してレーザー加工を施すことができ、レーザー光の焦点をプラスチック製部材40aに合わせやすくすることができる。このため、切り込み90aの形成を容易に行うことができ、複合プリフォーム70および複合容器10Aの生産性を向上させることができる。また、例えばプラスチック製部材40aのプリフォーム10aに対する押し込み量や、プラスチック製部材40aの熱収縮量等を考慮することなく、所望の形状の切り込み90を形成することができる。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図9(a)~(b))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図9(d)~(f))とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。なお、この場合、プラスチック製部材40aの胴部41aに切り込み90aを形成する工程(図9(c))は、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図9(a)~(b))が実施される場所において実施されても良く、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図9(d)~(f))が実施される場所において実施されても良い。
次に、容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを形成する。
この際、まず、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図9(d)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図9(e)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図9(e)参照)。図9(e)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に図9(f)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。
次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
このことにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。また、この際、プラスチック製部材40aの胴部41の一端に設けられた一対の切り込み90aが延伸することにより、複合容器10Aのプラスチック製部材40に、容器本体10の口部11側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90が形成される。この場合、一対の切り込み90の長さLは、1mm以上30mm以下とすることができ、一対の切り込み90間の幅wは、1mm以上30mm以下とすることができる。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
次に図9(g)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。複合容器10Aがブロー成形金型50内から取出される際、複合容器10Aが冷却される。このとき、複合容器10Aのプラスチック製部材40のうち、一対の切り込み90間の部分が容器本体10の外側に向かうようにカールしながら熱収縮する。これにより、プラスチック製部材40には、一対の切り込み90間の部分において、カールした剥離タブXが形成される。この剥離タブXは、指によって挟持することができる程度の大きさに形成される。
その後、複合容器10Aの口部11を介して、容器本体10内へ内容物が充填される。
ところで、容器本体10をリサイクルする際、複合容器10Aのプラスチック製部材40を容器本体10から分離除去する必要がある。この場合、このような剥離タブXを挟持しながら引っ張ることにより、切り込み90の延長線上に裂け目が生じ、この裂け目が引き裂き線としてプラスチック製部材40の長手方向に沿って拡がる。これにより、容器本体10からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。このため、複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40の分離をより一層容易なものとすることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、切り込み90aがレーザー加工により形成されている。これにより、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aに密着させた後に、切り込み90aを形成することができる。これにより、プリフォーム10aに密着した状態のプラスチック製部材40aに対してレーザー加工を施すことができ、レーザー光の焦点をプラスチック製部材40aに合わせやすくすることができる。このため、切り込み90aの形成を容易に行うことができ、複合プリフォーム70および複合容器10Aの生産性を向上させることができる。また、例えばプラスチック製部材40aのプリフォーム10aに対する押し込み量や、プラスチック製部材40aの熱収縮量等を考慮することなく、所望の形状の切り込み90を形成することができる。
また、本実施の形態によれば、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の口部11側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90が設けられ、プラスチック製部材40に、一対の切り込み90間の部分において、カールした剥離タブXが形成されている。これにより、剥離タブXを把持することにより、容易にプラスチック製部材40を容器本体10から分離(剥離)して除去することができる。
また、本実施の形態によれば、複合容器10Aは、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40を有している。これにより、容器本体10とプラスチック製部材40とを別部材から構成することができる。したがって、プラスチック製部材40の種類や形状を適宜選択することにより、複合容器10Aに様々な機能や特性を自在に付与することができる。
また、本実施の形態によれば、ブロー成形金型50の形状を変更する必要がないので、従来のブロー成形用金型をそのまま用いて、容器本体10とプラスチック製部材40とを含む複合容器10Aの成形を行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、複合容器10Aを作製する際、一般的なブロー成形装置をそのまま用いることができるので、複合容器10Aを作製するための新たな成形設備を準備する必要が生じない。また、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けているので、プリフォーム10aを成形するための新たな成形設備を準備する必要も生じない。
なお、上述した本実施の形態において、プラスチック製部材40aの胴部41aの一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90aが設けられている例について説明したが、これに限られず、切り込み90aの位置、形状および個数は、任意とすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図10乃至図12を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図10乃至図12は本発明の第2の実施の形態を示す図である。図10乃至図12において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本発明の第2の実施の形態による複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aには、切り込み90aが設けられていない。このほか、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの構成は、上述した第1の実施の形態の場合と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に図11(a)~(f)及び図12(a)-(b)により、本発明の第2の実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図11(a)参照)。
次に、プラスチック製部材40aを準備し、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図11(b)参照)。
次に、容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを形成する。この際、まず、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図11(c)参照)。続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図11(d)参照)。
次に、図11(e)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次いで、プリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが得られる。
次に、図11(f)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが取出される。
次いで、図12(a)に示すように、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40の胴部41に切り込みを形成する。本実施の形態においては、プラスチック製部材40の胴部41の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込み90を形成する。この場合、切り込み90は、レーザー加工により形成される。このように、レーザー加工により切り込み90を形成するため、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが形成された後に、切り込み90を形成することができる。これにより、容器本体10に密着した状態のプラスチック製部材40に対してレーザー加工を施すことができ、レーザー光の焦点をプラスチック製部材40に合わせやすくすることができる。このため、切り込み90の形成を容易に行うことができ、複合容器10Aの生産性を向上させることができる。また、容器本体10の形状に合わせて切り込み90を形成することができるため、例えば複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aの延伸率等を考慮することなく、所望の形状の切り込み90を形成することができる。
次に、図12(b)に示すように、一対の切り込み90間の部分を加熱する。この場合、例えば、切り込み90間の部分を、ドライヤーなどの温風を用いて加熱する。これにより、カールした剥離タブXが形成される。なお、加熱する方法はドライヤーなどの温風以外に、蒸気や加熱した冶具、レーザーを用いてもよい。蒸気の場合は、シュリンクラベルを装着する際のシュリンクトンネルを利用することも考えられる。また、切り込み90間の部分や剥離タブXを加熱する際に、容器が変形しない程度にその周辺が温められてもよい。
その後、複合容器10Aの口部11を介して、容器本体10内へ内容物が充填される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、容器本体10を形成後に、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40の胴部41に切り込み90を形成する。これにより、容器本体10に密着した状態のプラスチック製部材40に対してレーザー加工を施すことができ、レーザー光の焦点をプラスチック製部材40に合わせやすくすることができる。このため、切り込み90の形成を容易に行うことができ、複合容器10Aの生産性を向上させることができる。また、容器本体10の形状に合わせて切り込み90を形成することができるため、例えば複合プリフォーム70のプラスチック製部材40aの延伸率等を考慮することなく、所望の形状の切り込み90を形成することができる。
上記各実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 容器本体
10A 複合容器
10a プリフォーム
11 口部
11a 口部
20 胴部
20a 胴部
30 底部
30a 底部
40 プラスチック製部材
40a プラスチック製部材
41 胴部
41a 胴部
70 複合プリフォーム
90 切り込み
90a 切り込み
X 剥離タブ

Claims (6)

  1. 口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームと、
    前記プリフォームの外側を取り囲むように設けられ、少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材とを備え、
    前記プラスチック製部材のうち、前記プリフォームの前記口部側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込みが設けられ、
    前記プラスチック製部材の長さは、前記プリフォームの前記胴部の長さと前記底部の長さとの合計長さよりも長く、
    前記プラスチック製部材は、前記底部側の他端に余白部を有し、
    前記余白部が熱圧着されていることを特徴とする複合プリフォーム。
  2. 口部と、前記口部の下方に設けられた首部と、前記首部の下方に設けられた肩部と、前記肩部の下方に設けられた胴部と、前記胴部の下方に設けられた底部と、を有する容器本体と、
    前記容器本体の外側に密着して設けられ、少なくとも胴部を有するプラスチック製部材とを備え、
    前記プラスチック製部材のうち、前記容器本体の前記口部側の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の切り込みが設けられ、
    前記プラスチック製部材のうち、前記一対の切り込み間の部分に、カールした剥離タブが形成され
    前記一対の切込み部は、前記首部に対応する位置から前記肩部に対応する位置まで延びていることを特徴とする複合容器。
  3. 複合プリフォームの製造方法において、
    口部と、胴部と、底部とを有するプリフォームを準備する工程と、
    少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材を準備する工程と、
    前記プリフォームの外側に前記プラスチック製部材を設ける工程と、
    前記プリフォームの外側に設けられた前記プラスチック製部材の前記胴部に切り込みを形成する工程を備え、
    前記切り込みを形成する工程において、前記切り込みは、レーザー加工により形成され、
    前記プラスチック製部材の長さは、前記プリフォームの前記胴部の長さと前記底部の長さとの合計長さよりも長く、
    前記プラスチック製部材は、前記底部側の他端に余白部を有し、
    前記余白部が熱圧着されていることを特徴とする複合プリフォームの製造方法。
  4. 前記切り込みを形成する工程において、前記胴部の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の前記切り込みが設けられることを特徴とする請求項3に記載の複合プリフォームの製造方法。
  5. 複合容器の製造方法において、
    口部と、胴部と、底部とを有する、プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
    少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材を準備する工程と、
    前記プリフォームの外側に前記プラスチック製部材を設ける工程と、
    前記プリフォームの外側に設けられた前記プラスチック製部材の前記胴部に、切り込みを形成する工程と、
    前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形金型を用いてブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させ、前記プリフォームに対応するとともに口部と胴部と底部とを有する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程とを備え、
    前記プラスチック製部材の長さは、前記プリフォームの前記胴部の長さと前記底部の長さとの合計長さよりも長く、
    前記プラスチック製部材は、前記プリフォームの前記底部側の他端に余白部を有し、
    前記余白部が熱圧着されており、
    前記切り込みを形成する工程において、前記切り込みは、レーザー加工により形成され、
    前記切り込みを形成する工程において、前記プリフォームの外側に設けられた前記プラスチック製部材の前記胴部の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の前記切り込みが設けられ、
    前記容器本体と前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程において、前記一対の切り込み間の部分が加熱され、カールした剥離タブが形成されることを特徴とする複合容器の製造方法。
  6. 複合容器の製造方法において、
    口部と、胴部と、底部とを有する、プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
    少なくとも円筒状の胴部を有するプラスチック製部材を準備する工程と、
    前記プリフォームの外側に前記プラスチック製部材を設ける工程と、
    前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形金型を用いてブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させ、前記プリフォームに対応するとともに口部と胴部と底部とを有する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程と、
    前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材の前記胴部に切り込みを形成する工程とを備え、
    前記プラスチック製部材の長さは、前記プリフォームの前記胴部の長さと前記底部の長さとの合計長さよりも長く、
    前記プラスチック製部材は、前記プリフォームの前記底部側の他端に余白部を有し、
    前記余白部が熱圧着されており、
    前記切り込みを形成する工程において、前記切り込みは、レーザー加工により形成され、
    前記切り込みを形成する工程において、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材の前記胴部の一端に、互いに間隔を空けて配置された一対の前記切り込みが設けられ、
    前記複合容器の製造方法は、
    前記一対の切り込み間の部分を加熱する工程を更に備え、前記一対の切り込み間の部分を加熱する工程において、カールした剥離タブが形成されることを特徴とする複合容器の製造方法。
JP2017198784A 2017-10-12 2017-10-12 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材 Active JP6994170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017198784A JP6994170B2 (ja) 2017-10-12 2017-10-12 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017198784A JP6994170B2 (ja) 2017-10-12 2017-10-12 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019072864A JP2019072864A (ja) 2019-05-16
JP6994170B2 true JP6994170B2 (ja) 2022-01-14

Family

ID=66544874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017198784A Active JP6994170B2 (ja) 2017-10-12 2017-10-12 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6994170B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7246822B2 (ja) * 2018-08-31 2023-03-28 株式会社吉野工業所 合成樹脂製容器、合成樹脂製容器の製造方法、及び積層プリフォーム
JP7282465B2 (ja) * 2019-05-31 2023-05-29 株式会社吉野工業所 合成樹脂製容器、合成樹脂製容器の製造方法、及び積層プリフォーム
JP7375350B2 (ja) * 2019-07-12 2023-11-08 東洋製罐株式会社 被覆層を有する容器の製造方法及び成形型
JP7302467B2 (ja) * 2019-12-24 2023-07-04 東洋製罐株式会社 合成樹脂製容器の製造方法及び合成樹脂製容器
JP7452063B2 (ja) * 2020-02-14 2024-03-19 東洋製罐株式会社 合成樹脂製容器及びその製造方法
JP7070721B1 (ja) * 2021-01-12 2022-05-18 東洋製罐株式会社 合成樹脂製容器、並びに、プリフォーム及びその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004532147A (ja) 2001-05-10 2004-10-21 イーストマン ケミカル カンパニー 延伸ブロー成形法を用いたラベル付き容器の製造方法
JP2007015732A (ja) 2005-07-08 2007-01-25 Fuji Seal International Inc 筒状ラベル及びラベル装着体
JP2009249002A (ja) 2008-04-07 2009-10-29 Dainippon Printing Co Ltd シュリンクラベル用原反およびシュリンクラベル付き容器
JP2010002458A (ja) 2008-06-18 2010-01-07 Toppan Printing Co Ltd シュリンクラベルおよびこれを装着した包装容器
JP2016011767A (ja) 2014-06-27 2016-01-21 ダイキン工業株式会社 空調室内機
JP2016117167A (ja) 2014-12-18 2016-06-30 大日本印刷株式会社 複合容器およびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004532147A (ja) 2001-05-10 2004-10-21 イーストマン ケミカル カンパニー 延伸ブロー成形法を用いたラベル付き容器の製造方法
JP2007015732A (ja) 2005-07-08 2007-01-25 Fuji Seal International Inc 筒状ラベル及びラベル装着体
JP2009249002A (ja) 2008-04-07 2009-10-29 Dainippon Printing Co Ltd シュリンクラベル用原反およびシュリンクラベル付き容器
JP2010002458A (ja) 2008-06-18 2010-01-07 Toppan Printing Co Ltd シュリンクラベルおよびこれを装着した包装容器
JP2016011767A (ja) 2014-06-27 2016-01-21 ダイキン工業株式会社 空調室内機
JP2016117167A (ja) 2014-12-18 2016-06-30 大日本印刷株式会社 複合容器およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019072864A (ja) 2019-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6994170B2 (ja) 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP7207460B2 (ja) 複合プリフォームおよびその製造方法ならびに複合容器およびその製造方法
JP2016097530A (ja) 複合容器の製造装置、複合容器の製造方法、複合容器およびプラスチック製部材
JP6582404B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP7446701B2 (ja) 複合容器およびこの製造方法、ならびに複合容器の製造方法に用いる金型
JP6853945B2 (ja) 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP6814402B2 (ja) 複合プリフォーム、複合容器および複合プリフォームの製造方法
JP6948592B2 (ja) 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP2016055523A (ja) ビール用複合容器の製造方法、複合プリフォーム、ビール用複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP6907717B2 (ja) 複合プリフォームの製造方法および複合容器の製造方法
JP7130915B2 (ja) 複合容器
JP7070742B2 (ja) 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP7221116B2 (ja) ビール用複合容器の製造方法、複合プリフォーム、ビール用複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP7221263B2 (ja) ビール用複合容器の製造方法、複合プリフォーム、ビール用複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP7125680B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP7148899B2 (ja) 複合容器の製造方法
JP7242398B2 (ja) 複合容器の製造方法および製造装置、複合プリフォームの製造方法および製造装置
JP7215546B2 (ja) 複合容器の製造方法、複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP7068667B2 (ja) 複合プリフォーム、複合容器および複合プリフォームの製造方法
JP6850443B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP6935838B2 (ja) 複合容器の製造方法
JP6994169B2 (ja) 複合容器およびその製造方法
JP7001988B2 (ja) 複合容器
JP7185840B2 (ja) 複合容器
JP2017144587A (ja) 複合プリフォームの製造方法および複合容器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210813

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6994170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150