JP6993859B2 - 糖液の精製方法及び糖液精製装置 - Google Patents

糖液の精製方法及び糖液精製装置 Download PDF

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Description

本発明は、デンプン糖液や蔗糖液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂又はOH形強塩基性陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混合床に接触させて、デンプン糖液又は蔗糖液の精製を行う工程と、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂を、アルカリ再生液に接触させて、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う工程と、を交互に繰り返す糖液の精製方法に関する。
デンプン糖液を精製する場合、粒状活性炭濾過、骨炭濾過等の精製工程の後処理として、イオン交換処理が行われている。イオン交換処理には、脱色を目的としたイオン交換処理と、脱塩を目的としたイオン交換処理がある。
脱塩を目的としたイオン交換処理は、一般に、強酸性陽イオン交換樹脂層と弱塩基性陰イオン交換樹脂層とを用いた複床式の前脱塩システムと、強酸性陽イオン交換樹脂とII形強塩基性陰イオン交換樹脂を用いた混床式の仕上げ脱塩システムとによって構成される。前脱塩システムで原液中の塩類、色素、その他の不純物の大部分を除去し、仕上げ脱塩システムで仕上げ脱塩、脱色、pH調整を行う。この脱塩処理は工業的に広く使用されており、高純度の糖液が得られる点で、糖液の精製方法として、優れた方法である。
上記の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を用いる混床式糖液精製装置(仕上げ脱塩システム)におけるイオン交換樹脂の再生は、従来、次のようにして行われてきた。先ず、混床塔で糖液処理を行った後、混床塔内で、逆洗によって、両樹脂の比重差を利用して、強酸性陽イオン交換樹脂を下層に、強塩基性陰イオン交換樹脂を上層に分離する。そして、下層の強酸性陽イオン交換樹脂に塩酸水溶液等の酸再生液を通液して、強酸性陽イオン交換樹脂の再生を行う。また、上層の強塩基性陰イオン交換樹脂に水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ再生液を通液して、強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う。このとき、一方のイオン交換樹脂層への再生液の通液時には、他方のイオン交換樹脂には水を通水して、両イオン交換樹脂の分離界面に設置されているコレクターより、再生液廃液及び廃水を排出する。両イオン交換樹脂を再生した後は、これらを混合して、混床を形成させる。
そして、デンプン糖液の主成分であるD-グルコースやフルクトースのような単糖類は、アルカリ領域において分解して、着色物質を生成することが知られている。そのため、デンプン糖液の脱塩精製に用いられる強塩基性陰イオン交換樹脂には、脱塩精製工程で生じる着色物質が吸着される。
また、蔗糖液の脱色、脱塩精製において、イオン交換樹脂を用いる方法が広く普及している。脱塩処理システムとしては、蔗糖液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂塔とH形弱酸性陽イオン交換樹脂塔とに順に通液するリバース式システム、OH形陰イオン交換樹脂とH形陽イオン交換樹脂の混床塔に通液する混床式シムテム、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂塔とOH形強塩基性陰イオン交換樹脂とH形弱酸性陽イオン交換樹脂の混床塔とに順に通液するシステムなどが知られている(特許文献1参照)。
そして、被処理蔗糖液中の色素や有機不純物、塩類は、イオン交換樹脂に吸着除去される。特に、被処理蔗糖液中の色素の多くは、アニオン性であるため、強塩基性陰イオン交換樹脂への吸着量が多い。
塩類、色素及び有機不純物を吸着した強塩基性陰イオン交換樹脂の再生については、再生剤として塩類水溶液を強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させることにより、吸着されている塩類、色素及び有機不純物等が、強塩基性陰イオン交換樹脂から脱着し、再生廃液中に移動する。再生廃液中の色素や有機不純物は、生物処理によって分解される。
ここで、精製設備の低ランニングコスト化、水質環境保全の観点から、イオン交換樹脂塔の再生工程で供給する再生剤の量及び排出される再生廃液の量は、可能な限り少量であることが好ましい。
しかし、上記のデンプン糖液や蔗糖液の脱塩精製工程で用いられる強塩基性陰イオン交換樹脂は、大部分の色素を吸着除去する役割を持ち、また、再生効率が悪い。よって、被処理液の製品品質を維持するためには、イオン交換樹脂塔に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂が保有するイオン交換容量と比較して、過剰なアルカリ再生剤が必要となる。そのため、再生剤の使用量及び再生廃水の量が多くなるので、これらの削減が課題となっている。
そこで、例えば、特許文献2では、イオン交換樹脂塔に供給する再生剤のpHと同イオン交換樹脂塔から排出される再生廃液のpHをpH計によって測定し、再生剤廃液のpHが一定基準に達すると、再生剤の供給を停止することで、再生剤の供給量を過不足ないように最適化し、再生剤と同程度のpHを示す再生剤廃液を同イオン交換樹脂塔の次再生工程での初期再生剤として回収及び再利用することが開示されている。
特開平2-295499号公報 特開平9-117679号公報
しかし、特許文献2の方法であっても、再生工程における再生剤廃液の量が多いこと、及び再利用する再生剤廃液中に、色素や有機不純物等が含まれているために、再生のときに、強塩基性陰イオン交換樹脂に、色素や有機不純物等が吸着してしまい、これが、被処理糖液の精製品質の低下を招くという問題があった。
従って、本発明の目的は、被処理糖液の品質を低下させず、且つ、アルカリ再生液の廃液量を少なくすることができる糖液の精製方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(1)に、蔗糖液を通液して該蔗糖液を、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、精製糖液を得る糖液精製工程(1)と、該イオン交換樹脂塔(1)内の蔗糖液を水に置換した後、該イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う陰イオン交換樹脂再生工程(1)と、を交互に繰り返す糖液の精製方法であって、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、該イオン交換樹脂塔(1)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たし、且つ、該イオン交換樹脂塔(1)に通液された該アルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔(1)に通液された該アルカリ再生液のpHまでの範囲のイオン交換樹脂塔排出液を採取して回収し、次いで、回収したイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行うこと、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、該イオン交換樹脂塔(1)に、該アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は該イオン交換樹脂塔(1)に、該アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液すること、
を特徴とする糖液の精製方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されているイオン交換樹脂塔(2)に、デンプン糖液又は蔗糖液を通液して、該デンプン糖液又は該蔗糖液を、該OH形陰イオン交換樹脂及び該陽イオン交換樹脂の混合物に接触させて、精製糖液を得る糖液精製工程(2)と、該イオン交換樹脂塔(2)内のデンプン糖液又は蔗糖液を水に置換した後、該イオン交換樹脂塔(2)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う陰イオン交換樹脂再生工程(2)と、を交互に繰り返す糖液の精製方法であって、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、該イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たし、且つ、該イオン交換樹脂塔(2)に通液された該アルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔(2)に通液された該アルカリ再生液のpHまでの範囲のイオン交換樹脂塔排出液を採取して回収し、次いで、回収したイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行うこと、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、該イオン交換樹脂塔(2)に、該アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は該イオン交換樹脂塔(2)に、該アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液すること、
を特徴とする糖液の精製方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記陰イオン交換樹脂再生工程において使用する前記リサイクルアルカリ再生液と前記アルカリ再生新液との体積比が、1:4~4:1であることを特徴とする(1)又は(2)いずれかの糖液の精製方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記ナノ濾過膜に透過される前記イオン交換樹脂塔排出液のpH値が、下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たすことを特徴とする(1)~(3)いずれかの糖液の精製方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されており、蔗糖液の精製が行われるイオン交換樹脂塔と、
該イオン交換樹脂塔に繋がり、該イオン交換樹脂塔への蔗糖液の送液管である糖液供給管と、
該糖液供給管に繋がり、該糖液供給管内へのアルカリ再生新液の送液管であるアルカリ再生新液供給管と、
該糖液供給管又は該アルカリ再生新液供給管に繋がり、該糖液供給管内への洗浄水の送液管である洗浄水供給管と、
該イオン交換樹脂塔で処理された精製糖液の排出管である精製糖液排出管と、
イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と、
該精製糖液排出管から分岐し、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該精製糖液排出管から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管と、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設されるpH計と、
該pH計より後段且つ該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管と、
該廃液管に付設される第一切り替え弁と、
該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設される第二切り替え弁と、
該pH計、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁に電気的に繋がり、該pH計から送られてくるpH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たさない間及び該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpH未満の間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管には流れず、該廃液管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御し、且つ、該pH計から送られてくるpH値が上記式(1)を満たす範囲において、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHまでの間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管には流れず、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御する制御部と、
ナノ分離膜を備え、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュールと、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側に繋がり、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽内から該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側への該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管と、
リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽と、
該ナノ濾過膜モジュールの透過液側と該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの透過液側から該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽への該ナノ濾過膜モジュールの透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管と、
該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側と該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽への該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管と、
該糖液供給管から分岐し、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽から該糖液供給管へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管と、
を有することを特徴とする糖液精製装置を提供するものである。
また、本発明(6)は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されており、デンプン糖液又は蔗糖液の精製が行われるイオン交換樹脂塔と、
該イオン交換樹脂塔に繋がり、該イオン交換樹脂塔へのデンプン糖液又は蔗糖液の送液管である糖液供給管と、
該糖液供給管に繋がり、該糖液供給管内へのアルカリ再生新液の送液管であるアルカリ再生新液供給管と、
該糖液供給管又は該アルカリ再生新液供給管に繋がり、該糖液供給管内への洗浄水の送液管である洗浄水供給管と、
該イオン交換樹脂塔で処理された精製糖液の排出管である精製糖液排出管と、
該イオン交換樹脂塔内に設置されるコレクターと、
イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と、
該コレクターと該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該コレクターから該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管と、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設されるpH計と、
該pH計より後段且つ該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管と、
該廃液管に付設される第一切り替え弁と、
該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設される第二切り替え弁と、
該pH計、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁に電気的に繋がり、該pH計から送られてくるpH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たさない間及び該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpH未満の間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管には流れず、該廃液管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御し、且つ、該pH計から送られてくるpH値が上記式(1)を満たす範囲において、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHまでの間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管には流れず、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御する制御部と、
ナノ分離膜を備え、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュールと、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側に繋がり、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽内から該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側への該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管と、
リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽と、
該ナノ濾過膜モジュールの透過液側と該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの透過液側から該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽への該ナノ濾過膜モジュールの透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管と、
該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側と該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽への該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管と、
該糖液供給管から分岐し、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽から該糖液供給管へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管と、
を有することを特徴とする糖液精製装置を提供するものである。
本発明によれば、被処理糖液の品質を低下させず、且つ、アルカリ再生液の廃液量を少なくすることができる糖液の精製方法を提供することができる。
本発明の第一の形態の糖液精製装置の構成例を示すフロー図である。 実施例1のイオン交換樹脂塔排出液のpH及びOD420の推移を示すグラフである。 本発明の第二の形態の糖液精製装置の構成例を示すフロー図である。 実施例2のイオン交換樹脂塔排出液のpH及びOD420の推移を示すグラフである。 比較例1のイオン交換樹脂塔排出液のpH及びOD420の推移を示すグラフである。 比較例2のイオン交換樹脂塔排出液のpH及びOD420の推移を示すグラフである。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(1)に、蔗糖液を通液して該蔗糖液を、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、精製糖液を得る糖液精製工程(1)と、該イオン交換樹脂塔(1)内の蔗糖液を水に置換した後、該イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う陰イオン交換樹脂再生工程(1)と、を交互に繰り返す糖液の精製方法であって、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、該イオン交換樹脂塔(1)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を採取して回収し、次いで、回収したイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行うこと、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、該イオン交換樹脂塔(1)に、該アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は該イオン交換樹脂塔(1)に、該アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液すること、
を特徴とする糖液の精製方法である。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法は、糖液精製工程(1)と陰イオン交換樹脂再生工程(1)とを、交互に繰り返して行う糖液の精製方法である。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法に係る糖液精製工程(1)は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(1)に、蔗糖液を通液して、蔗糖液をOH形強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、精製糖液を得る工程である。
糖液精製工程(1)において精製される糖液は蔗糖液である。蔗糖液は、スクロース等の糖類を主成分とする水溶液である。蔗糖液の濃度(Brix値)は、通常、40~70、好ましくは50~60である。蔗糖液の物性としては、pHが6.0~9.0、色価が30~1000(ICUMSA)である。
糖液精製工程(1)において、イオン交換樹脂塔(1)に蔗糖液を通液するときの条件としては、通液温度は、40~70℃であり、通液速度は、0.5~5.0BV/hである。なお、通液速度が速過ぎると陰イオン交換樹脂の脱塩性能が低くなり易く、また、通液速度が遅過ぎると生産性が低くなり易い。
糖液精製工程(1)に係る強塩基性陰イオン交換樹脂としては、アンバーライト(登録商標、以下同様)IRA900、IRA400、IRA402BL、IRA404J、IRA458RF、ダイヤイオン(登録商標)SA10A、SA11A、PA306、PA308等のI形強塩基性陰イオン交換樹脂が挙げられる。
糖液精製工程(1)では、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)でOH形に再生された強塩基性陰イオン交換樹脂に、蔗糖液を接触させることにより、蔗糖液の精製を行い、精製糖液を得る。
糖液精製工程(1)では蔗糖液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(1)に通液した後、弱酸性陽イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(3)に通液することもできる。
イオン交換樹脂塔(3)に充填されている弱酸性陽イオン交換樹脂としては、アンバーライトFPC3500、IRC76、FPC76J、ダイヤイオンWK10、WK11、ダウエックスMAC-3等が挙げられる。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、糖液精製工程(1)を行うことにより、イオン交換樹脂塔(1)に充填されているOH形強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン交換容量は徐々に低下し、そして、イオン交換容量が低くなり過ぎると、精製能力が失われる。よって、ある程度の量の糖液の精製を行った後、イオン交換樹脂塔(1)に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂を、アルカリ再生液を用いて再生する必要がある。そのため、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、糖液精製工程(1)を行った後、陰イオン交換樹脂再生工程(1)を行う。なお、糖液精製工程(1)から陰イオン交換樹脂再生工程(1)への切り替えのタイミングは、糖液精製工程(1)での糖液の総処理量、精製後処理糖液の導電率、色価、pHにより、適宜選択される。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法に係る陰イオン交換樹脂再生工程(1)は、イオン交換樹脂塔(1)内の蔗糖液を水で置換した後、イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う工程である。
陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、イオン交換樹脂塔(1)内の強塩基性陰イオン交換樹脂の再生に用いられるアルカリ再生液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウムであり、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。後述するように、陰イオン交換樹脂再生工程(1)においてアルカリ再生液として用いられるのは、アルカリ再生新液、リサイクルアルカリ再生液、又はアルカリ再生新液とリサイクルアルカリ再生液の混合液である。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法において、糖液精製工程(1)を行った後且つ陰イオン交換樹脂再生工程(1)を行う前のイオン交換樹脂塔(1)内に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂は、一部または全部がOH形以外の塩形になっているので、陰イオン交換樹脂再生工程(1)では、イオン交換樹脂塔(1)内の蔗糖液を水で置換した後、イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液を通液して、イオン交換樹脂塔(1)内に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂に、アルカリ再生液を接触させることにより、OH形以外の塩形になっている強塩基性陰イオン交換樹脂を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂に再生する。
また、陰イオン交換樹脂再生工程(1)では、イオン交換樹脂塔(1)内に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂に、アルカリ再生液を接触させることにより、強塩基性陰イオン交換樹脂が吸着した糖液中の色素や有機不純物が、アルカリ再生液により脱離する。
陰イオン交換樹脂再生工程(1)では、所定量のアルカリ再生液を通液した後、続いて、通液する液を洗浄水に切り替えて、イオン交換樹脂塔(1)に、洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔(1)内に残留するアルカリ再生液を除去することにより、イオン交換樹脂塔(1)に充填されているOH形強塩基性陰イオン交換樹脂を、糖液の精製が行える状態にする。
陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、アルカリ再生液の通液量は陰イオン交換樹脂量を考慮して適宜選択され、洗浄水の通液量であるが、通常、再生剤の押出しに、陰イオン交換樹脂量の体積比1~2倍量の洗浄水が用いられ、続く洗浄に、陰イオン交換樹脂量の体積比4~10倍量の洗浄水が用いられる。
また、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、弱酸性陽イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(3)を用いる場合には、陰イオン交換樹脂再生工程(1)を行った後、必要に応じて、イオン交換樹脂塔(3)に、酸性再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液して、弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を行うこともできる。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、陰イオン交換樹脂再生工程(1)を行い、イオン交換樹脂塔(1)に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行った後は、再び、糖液精製工程(1)を行う。
このようにして、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、糖液精製工程(1)と陰イオン交換樹脂再生工程(1)とを、交互に繰り返し行う。
そして、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、強塩基性陰イオン交換樹脂を通過し、イオン交換樹脂塔(1)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を採取し、次いで、上記式(1)を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行う。
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、糖液精製工程(1)から陰イオン交換樹脂再生工程(1)に切り替わった直後は、イオン交換樹脂塔(1)内に残留している糖液が排出されるため、糖液精製工程(1)から陰イオン交換樹脂再生工程(1)に切り替わった直後のイオン交換樹脂塔の排出液のpHは、7.0~10.0程度である。そして、イオン交換樹脂塔(1)を通過したアルカリ再生液が排出されはじめると、イオン交換樹脂塔排出液のpHは高くなっていき、その後、イオン交換樹脂塔排出液のpHは、(i)アルカリ再生液として、先に、リサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液した場合は、アルカリ再生新液と同程度pHで推移し、また、(ii)アルカリ再生液として、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液した場合は、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液と同程度のpHで推移する。その後、イオン交換樹脂塔(1)に通液する液が、アルカリ再生液から洗浄水に切り替わり、洗浄水がイオン交換樹脂塔(1)から排出されはじめると、イオン交換樹脂塔排出液のpHは低くなっていき、イオン交換樹脂塔から排出される排出水は、洗浄水と同程度のpHまで低くなっていく。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、強塩基性陰イオン交換樹脂を通過し、イオン交換樹脂塔(1)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液、好ましくはpH値が下記式(2):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-1.0 (2)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、リサイクル用のアルカリ再生液として採取する。pH値が上記を満たすイオン交換樹脂塔排出液を採取することにより、アルカリ再生液として再使用したときに、効率的に強塩基性陰イオン交換樹脂の再生が行える部分のイオン交換樹脂塔排出液を採取することができるので、アルカリ再生新液の使用量を少なくすることができる。
採取したイオン交換樹脂塔排出液であるが、イオン交換樹脂塔排出液の回収槽を設けて、その中に、採取したイオン交換樹脂塔排出液、すなわち、pH値が上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすイオン交換樹脂塔排出液を回収し一旦全量を貯留する。そして、採取したpH値が上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすイオン交換樹脂塔排出液の全量を一旦回収槽に貯留して、下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を得る。
なお、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、糖液精製工程(1)から陰イオン交換樹脂再生工程(1)に切り替わった直後からある程度のアルカリ再生液が通液されるまで、及びイオン交換樹脂塔(1)に通液する液が、アルカリ再生液から洗浄水に切り替わってからある程度の洗浄水が通液された後は、pH値が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たさないイオン交換樹脂塔排出液が、イオン交換樹脂塔(1)から排出される。そこで、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)においては、pH値が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たすイオン交換樹脂塔排出液のみを採取し、pH値が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たさないイオン交換樹脂塔排出液は、アルカリ再生廃液として、系外へ排出する。
次いで、イオン交換樹脂塔排出液の回収槽に回収され貯留されているイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行う。
ナノ濾過膜としては、特に制限されず材質はポリスルホン、ポリエーテルスルホン等、膜の形状は平膜、中空糸、管状膜、構造はスパイラル型、円筒型、チューブラー型等が挙げられる。ナノ濾過膜としては、例えば、HYDRACoRe70pHT(日東電工社製)、MPS 34pH(KOCH社製)等が挙げられる。採取したイオン交換樹脂塔排出液をナノ濾過膜で処理するときの処理条件としては、特に制限されず、例えば、供給圧力は0.5~3.0MPa、ナノ濾過膜で透過させるイオン交換樹脂塔排出液量の透過量は、採取したイオン交換樹脂塔排出液量の50~90%である。
ナノ濾過膜に透過される被処理液、言い換えると、イオン交換樹脂塔排出液の回収槽に貯留されているイオン交換樹脂塔排出液のpH値は、下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たす。ナノ濾過膜に透過されるイオン交換樹脂塔排出液のpH値が上記範囲より小さいと、ナノ濾過膜処理を行い得られるリサイクルアルカリ再生液のpH値が低過ぎるために、ナノ濾過膜処理を行い得られるリサイクルアルカリ再生液を、次回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)の再生液として用いることができなくなる。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、ナノ濾過膜処理を行い得られたリサイクルアルカリ再生液を、次回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)で用いるアルカリ再生液の一部として使用する。
イオン交換樹脂塔(1)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液中には、強塩基性陰イオン交換樹脂から脱離する色素や有機不純物等が存在しているので、採取したイオン交換樹脂塔排出液をそのまま、次回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)で、アルカリ再生液として使用すると、強塩基性陰イオン交換樹脂を色素や有機不純物等で汚染してしまうことになる。そこで、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、採取したイオン交換樹脂塔排出液、すなわち、pH値が上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、色素や有機不純物等の汚染物質を除去して、ナノ濾過膜処理の処理液を、リサイクルアルカリ再生液として得る。そのため、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、一度、強塩基性陰イオン交換樹脂の再生用に使用されたアルカリ再生液を、リサイクルアルカリ再生液として、再使用する場合に、色素や有機不純物等の汚染物質による被処理糖液の品質の低下を防ぐことができる。
ナノ濾過膜処理を行ったイオン交換樹脂塔排出液であるが、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽を設けて、その中に、ナノ濾過膜処理を行ったイオン交換樹脂塔排出液、すなわち、リサイクルアルカリ再生液を貯留する。
本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、上記のようにして、所定のイオン交換樹脂塔排出液を採取し、次いで、濾過膜処理を行い得たリサイクルアルカリ再生液を、陰イオン交換樹脂再生工程(1)で用いるアルカリ再生液の一部として用いる。
つまり、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、(i)イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は(ii)イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液する。
アルカリ再生新液は、一度もイオン交換樹脂塔(1)に通液されていないアルカリ再生液のことである。アルカリ再生新液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウムであり、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。アルカリ再生新液中のアルカリの濃度は、通常、0.5~2.0mol/L、好ましくは1.0~1.5mol/Lである。アルカリ再生新液のpHは、13.7~14.3、好ましくは14.0~14.2である。
上記(i)の形態では、イオン交換樹脂塔(1)に、先に、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に貯留しておいたリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液する。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率は、体積比で、1:0.25~4.0、好ましくは1:1.0~4.0である。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率が、上記範囲にあることにより、陰イオン交換樹脂再生工程(1)での強塩基性陰イオン交換樹脂のOH形への再生を良好に保ちつつ、且つ、アルカリ再生新液の使用量及びアルカリ再生廃液の量を少なくすることができる。
上記(ii)の形態では、先に、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に貯留しておいたリサイクルアルカリ再生液と、アルカリ再生新液と、を混合して、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を得、次いで、イオン交換樹脂塔(1)に、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液する。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液の調製方法は、特に制限されず、例えば、混合液調製槽に、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液を供給して、その中で撹拌及び混合する方法、アルカリ再生新液のイオン交換樹脂塔(1)への供給管に、リサイクルアルカリ再生液を供給することにより、アルカリ再生新液のイオン交換樹脂塔(1)への供給管内で、アルカリ再生新液とリサイクルアルカリ再生液との混合とを行う方法等が挙げられる。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率は、体積比で、1:0.25~4.0、好ましくは1:1.0~2.0である。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率が、上記範囲にあることにより、陰イオン交換樹脂再生工程(1)での強塩基性陰イオン交換樹脂のOH形への再生を良好に保ちつつ、且つ、アルカリ再生新液の使用量及びアルカリ再生廃液の量を少なくすることができる。
本発明の第一の形態の糖液精製装置は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されており、蔗糖液の精製が行われるイオン交換樹脂塔と、
該イオン交換樹脂塔に繋がり、該イオン交換樹脂塔への蔗糖液の送液管である糖液供給管と、
該糖液供給管に繋がり、該糖液供給管内へのアルカリ再生新液の送液管であるアルカリ再生新液供給管と、
該糖液供給管又は該アルカリ再生新液供給管に繋がり、該糖液供給管内への洗浄水の送液管である洗浄水供給管と、
該イオン交換樹脂塔で処理された精製糖液の排出管である精製糖液排出管と、
イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と、
該精製糖液排出管から分岐し、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該精製糖液排出管から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管と、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設されるpH計と、
該pH計より後段且つ該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管と、
該廃液管に付設される第一切り替え弁と、
該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設される第二切り替え弁と、
該pH計、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁に電気的に繋がり、該pH計から送られてくるpH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たさない間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管には流れず、該廃液管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御し、且つ、該pH計から送られてくるpH値が上記式(1)を満たしている間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管には流れず、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御する制御部と、
ナノ分離膜を備え、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュールと、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側に繋がり、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽内から該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側への該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管と、
リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽と、
該ナノ濾過膜モジュールの透過液側と該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの透過液側から該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽への該ナノ濾過膜モジュールの透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管と、
該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側と該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽への該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管と、
該糖液供給管から分岐し、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽から該糖液供給管へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管と、
を有することを特徴とする糖液精製装置である。
本発明の第一の形態の糖液精製装置は、本発明の第一の形態の糖液の精製方法を実施するための装置である。本発明の第一の形態の糖液精製装置は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の単床がイオン交換樹脂塔に充填されている形態である。
図1を参照して、本発明の第一の形態の糖液精製装置を用いて、本発明の第一の形態の糖液の精製方法を実施する形態例について説明する。図1は、本発明の第一の形態の糖液の精製方法が好適に実施される本発明の第一の形態の糖液精製装置の構成例を示すフロー図である。糖液精製装置30aは、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂3aが充填されており、蔗糖液1aの精製が行われるイオン交換樹脂塔4aと、イオン交換樹脂塔4aに繋がり、イオン交換樹脂塔4aへの蔗糖液1aの送液管である糖液供給管21と、糖液供給管21に繋がり、糖液供給管21内へのアルカリ再生新液5の送液管であるアルカリ再生新液供給管24と、糖液供給管21又はアルカリ再生新液供給管24に繋がり、糖液供給管21内への洗浄水6の送液管である洗浄水供給管25と、イオン交換樹脂塔4aで処理された精製糖液7aの排出管である精製糖液排出管22と、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10と、精製糖液排出管22から分岐し、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に繋がり、精製糖液排出管22からイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23と、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23に付設されるpH計9と、pH計9より後段且つイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管13と、廃液管13に付設される第一切り替え弁8aと、廃液管13の分岐位置より後段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23に付設される第二切り替え弁8bと、pH計9、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bに電気的に繋がり、pH計9から送られてくるpH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たさない間は、イオン交換樹脂塔排出液が、廃液管13の分岐位置より後段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23には流れず、廃液管13に流れるように、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bを制御し、且つ、pH計9から送られてくるpH値が上記式(1)を満たしている間は、イオン交換樹脂塔排出液が、廃液管13には流れず、廃液管13の分岐位置より後段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23に流れるように、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bを制御する制御部(図示しない。)と、ナノ分離膜を備え、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュール11と、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10とナノ濾過膜モジュール11の被処理液側に繋がり、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10内からナノ濾過膜モジュール11の被処理液側へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管17と、リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12と、ナノ濾過膜モジュール11の透過液側とリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に繋がり、ナノ濾過膜モジュール11の透過液側からリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12へのナノ濾過膜モジュール11の透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管19と、ナノ濾過膜モジュール11の濃縮液側とイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に繋がり、ナノ濾過膜モジュール11の濃縮液側からイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10へのナノ濾過膜モジュール11の濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管18と、糖液供給管21から分岐し、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に繋がり、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12から糖液供給管21へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管20と、を有する。精製糖液排出管22及びpH計9より前段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23には、送液経路を変えるための切り替え弁8c、8dが付設されている。
先ず、糖液精製工程(1)では、蔗糖液1aを、糖液供給管21より、強塩基性陰イオン交換樹脂3aが充填されているイオン交換樹脂塔4aに供給し、強塩基性陰イオン交換樹脂3aと接触させることで、蔗糖液1aの脱塩脱色が行われ、精製糖液排出管22より、精製糖液7aを排出させる。
そして、糖液精製工程(1)で、所定量の蔗糖液1aの脱塩脱色を行った後、蔗糖液1aの供給を停止し、陰イオン交換樹再生工程(1)を行う。
陰イオン交換樹脂再生工程(1)では、先ず、洗浄水6を、糖液供給管21を経て、イオン交換樹脂塔4aに供給し、精製糖液排出管22より、洗浄水を排出させて、塔内に残っている糖液を水で置換する。次いで、アルカリ再生新液5又はリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に貯留されているリサイクルアルカリ再生液、あるいは、アルカリ再生新液5及びリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に貯留されているリサイクルアルカリ再生液を、糖液供給管21を経て、イオン交換樹脂塔4aに供給し、強塩基性陰イオン交換樹脂3aと接触させることで、強塩基性陰イオン交換樹脂3aの再生を行い、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液液として、イオン交換樹脂塔4aから排出させる。イオン交換樹脂塔4aから排出させたイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液を、精製糖液排出管22及びイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23を経て、pH計9へ送り、ここで、pHの測定を行う。そして、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液液のうち、規定のpH未満のものを、廃液管13から系外へ排出させ、一方、規定のpHのものを、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23を通って、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に送液し回収する。なお、このとき、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液液のうち、規定のpH未満のものの廃液管13からの系外へ排出と、規定のpHのもののイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23を経るイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10への送液は、図示しない制御部が、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bを切り替える制御を行うことによりなされる。
次いで、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に回収されたイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液を、被処理液供給管17からナノ濾過膜モジュール11に供給し、ナノ濾過膜モジュール11のナノ濾過膜で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製を行う。ナノ濾過膜の透過水を、リサイクルアルカリ再生液として、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に送液し貯留する。また、ナノ濾過膜モジュール11の濃縮液を、引き戻し管18より、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に引き戻す。
そして、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に貯留されたリサイクルアルカリ再生液を、次の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、強塩基性陰イオン交換樹脂3aの再生に用いる。
本発明の第一の形態の糖液精製装置に係る強塩基性陰イオン交換樹脂、イオン交換樹脂塔、ナノろ過膜は、本発明の第一の形態の糖液の精製方法に係る強塩基性陰イオン交換樹脂、イオン交換樹脂塔、ナノろ過膜と同様である。
本発明の第一の形態の糖液精製装置は、精製糖液排出管、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管及び廃液管には、送液経路を変えるための切り替え弁が付設されている。
本発明の第一の形態の糖液精製装置は、必要に応じて、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔の後段に、弱酸性陽イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔を有することができる。本発明の第一の形態の糖液精製装置に係る弱酸性陽イオン交換樹脂は、本発明の第一の形態の糖液の精製方法に係る弱酸性陽イオン交換樹脂と同様である。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されているイオン交換樹脂塔(2)に、デンプン糖液又は蔗糖液を通液して、該デンプン糖液又は該蔗糖液を、該OH形陰イオン交換樹脂及び該強酸性用イオン交換樹脂に接触させて、精製糖液を得る糖液精製工程(2)と、該イオン交換樹脂塔(2)内のデンプン糖液又は蔗糖液を水に置換した後、該イオン交換樹脂塔(2)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う陰イオン交換樹脂再生工程(2)と、を交互に繰り返す糖液の精製方法であって、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、該イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を採取して回収し、次いで、回収したイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行うこと、
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、該イオン交換樹脂塔(2)に、該アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は該イオン交換樹脂塔(2)に、該アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液すること、
を特徴とする糖液の精製方法である。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法は、糖液精製工程(2)と陰イオン交換樹脂再生工程(2)とを、交互に繰り返して行う糖液の精製方法である。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法に係る糖液精製工程(2)は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されているイオン交換樹脂塔(2)に、デンプン糖液又は蔗糖液を通液して、デンプン糖液又は蔗糖液を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び強酸性陽イオン交換樹脂の混合床に接触させて、精製糖液を得る工程である。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法に係る糖液精製工程(2)において精製される蔗糖液は、本発明の第一の形態の糖液の精製方法に係る糖液精製工程(1)において精製される蔗糖液と同様である。
糖液精製工程(2)において精製されるデンプン糖液は、澱粉を原料として酵素や酸を用いて製造される糖液の総称である。デンプン糖液としては、大別して、グルコースを主成分とするブドウ糖液、グルコースとフルクトースが主成分の異性化糖液、デキストリンやマルトース及びブドウ糖などを主成分とする水飴が挙げられる。グルコースを主成分とするブドウ糖液の濃度(Brix値)は、通常20~40、好ましくは30~35である。グルコースとフルクトースが主成分の異性化糖液の濃度は、通常30~55、好ましくは40~45である。デキストリンやマルトース及びブドウ糖などを主成分とする水飴の濃度は、通常25~45、好ましくは35~40である。
糖液精製工程(2)において、イオン交換樹脂塔(2)に蔗糖液を通液する時の条件としては、40~70℃であり、通液速度は、0.5~5.0BV/hである。糖液精製工程(2)において、イオン交換樹脂塔(2)にブドウ糖液を通液するときの条件としては、通液温度は、30~70℃であり、通液速度は、2.0~10.0BV/hである。糖液精製工程(2)において、イオン交換樹脂塔(2)に異性化糖液を通液するときの条件としては、通液温度は、30~60℃であり、通液速度は、2.0~15.0BV/hである。糖液精製工程(2)において、イオン交換樹脂塔(2)に水飴を通液するときの条件としては、通液温度は、40~70℃であり、通液速度は、2.0~10.0BV/hである。
糖液精製工程(2)に係る強塩基性陰イオン交換樹脂は、アンバーライト(登録商標、以下同様)IRA900、IRA400、IRA402BL、IRA404J、ダイヤイオン(登録商標)SA10A、SA11A、PA306、PA308等のI形強塩基性陰イオン交換樹脂、及びアンバーライトIRA411S、IRA410、IRA910、FPA910、ダイヤイオンSA20、PA418等のII形強塩基性陰イオン交換樹脂が挙げられる。
糖液精製工程(2)に係る強酸性陽イオン交換樹脂としては、アンバーライト200CT、IR120B、IR124、FPC10、FPC20、ダイヤイオンSK1B、SK102、PK208、PK212等が挙げられ、弱酸性陽イオン交換樹脂としては、アンバーライトFPC3500、IRC76、FPC76J、ダイヤイオンWK10、WK11、ダウエックス(登録商標)MAC-3等が挙げられる。
糖液精製工程(2)では、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)でOH形に再生された強塩基性陰イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂との混合床に、デンプン糖液又は蔗糖液を接触させることにより、デンプン糖液又は蔗糖液の精製を行い、精製糖液を得る。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、糖液精製工程(2)を行うことにより、イオン交換樹脂塔(2)に充填されているOH形強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン交換容量は徐々に低下し、そして、イオン交換容量が低くなり過ぎると、精製能力が失われる。よって、ある程度の量の糖液の精製を行った後、イオン交換樹脂塔(2)に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂を、アルカリ再生液を用いて再生する必要がある。そのため、本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、糖液精製工程(2)を行った後、陰イオン交換樹脂再生工程(2)を行う。なお、糖液精製工程(2)から陰イオン交換樹脂再生工程(2)への切り替えのタイミングは、糖液精製工程(2)での糖液の総処理量、精製後処理糖液の導電率、pH、色価により、適宜選択される。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法に係る陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、先ず、イオン交換樹脂塔(2)内に洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔(2)内のデンプン糖液又は蔗糖液を水に置換する。次いで、陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、イオン交換樹脂塔(2)の下部から上向流で、イオン交換樹脂塔(2)内に洗浄水を通液することにより、比重差を用いて、イオン交換樹脂塔(2)内で、強塩基性陰イオン交換樹脂を上層に、陽イオン交換樹脂を下層に、分離させる。次いで、陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、上部から下降流で、分離後の強塩基性陰イオン交換樹脂層に、アルカリ再生液を通液し、分離後の強塩基性陰イオン交換樹脂層と陽イオン交換樹脂層の境界近傍に設置されているコレクターに、強塩基性陰イオン交換樹脂層を通過したイオン交換樹脂塔排出液を集め、イオン交換樹脂塔(2)から排出させる。
陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、所定量のアルカリ再生液を通液した後、強塩基性陰イオン交換樹脂層に通液する液を、洗浄水に切り替える。続いて、洗浄水を強塩基性陰イオン交換樹脂層に通液し、コレクターに強塩基性陰イオン交換樹脂層を通過した液を集め、イオン交換樹脂塔(2)から排出させて、イオン交換樹脂塔(2)内の強塩基性陰イオン交換樹脂層に残留するアルカリ再生液を除去し、イオン交換樹脂塔(2)に充填されているOH形強塩基性陰イオン交換樹脂を、糖液の精製が行える状態にする。
以上にようにして、陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う。
陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、イオン交換樹脂塔(2)内の強塩基性陰イオン交換樹脂の再生に用いられるアルカリ再生液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウムであり、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。陰イオン交換樹脂再生工程(2)においてアルカリ再生液として用いられるのは、アルカリ再生新液、リサイクルアルカリ再生液、又はアルカリ再生新液とリサイクルアルカリ再生液の混合液である。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法において、糖液精製工程(2)を行った後且つ陰イオン交換樹脂再生工程(2)を行う前のイオン交換樹脂塔(2)内に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂は一部または全部が、OH形以外の塩形になっているので、陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、イオン交換樹脂塔(2)内で、強塩基性陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを分離させた後、強塩基性陰イオン交換樹脂層に、アルカリ再生液を通液して、強塩基性陰イオン交換樹脂に、アルカリ再生液を接触させることにより、OH形以外の塩形になっている強塩基性陰イオン交換樹脂を、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂に再生する。
陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、イオン交換樹脂塔(2)内で、強塩基性陰イオン交換樹脂に、アルカリ再生液を接触させることにより、強塩基性陰イオン交換樹脂が吸着した糖液中の色素や有機不純物が、アルカリ再生液により脱離する。
陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、アルカリ再生液の通液量は陰イオン交換樹脂量を考量して、適宜選択され、洗浄水の通液量は通常、再生剤の押出しに、陰イオン交換樹脂量の体積比1~2倍量の洗浄水が用いられ、続く洗浄に、陰イオン交換樹脂量の体積比4~10倍量の洗浄水が用いられる。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、陰イオン交換樹脂再生工程(2)を行った後、必要に応じて、下部から上向流で、陽イオン交換樹脂層に、酸性再生液を通液し、イオン交換樹脂塔(2)のコレクターに集め、イオン交換樹脂塔(2)から排出させると共に、イオン交換樹脂塔(2)の上部から下降流で、強塩基性陰イオン交換樹脂層に、洗浄水を通液し、コレクターに集め、強塩基性陰イオン交換樹脂層を通過した洗浄水を、イオン交換樹脂塔(2)から排出させ、次いで、下部から上向流で、陽イオン交換樹脂層に、洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔(2)のコレクターに集め、イオン交換樹脂塔(2)から排出させることにより、陽イオン交換樹脂の再生を行うこともできる。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、陰イオン交換樹脂再生工程(2)を行い、イオン交換樹脂塔(2)に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行った後は、2層に分離しているOH形強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂とを混合し、再び、糖液精製工程(2)を行う。
このようにして、本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、糖液精製工程(2)と陰イオン交換樹脂再生工程(2)とを、交互に繰り返し行う。
そして、本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、強塩基性陰イオン交換樹脂層と強酸性陽イオン交換樹脂層とに分離後の強塩基性陰イオン交換樹脂層を通過し、イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を採取し、次いで、上記式(1)を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行う。
各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、糖液精製工程(2)から陰イオン交換樹脂再生工程(2)に切り替わった直後は、イオン交換樹脂塔(2)内に残留している糖液が排出されるため、糖液精製工程(1)から陰イオン交換樹脂再生工程(2)に切り替わった直後のイオン交換樹脂塔排出液のpHは、6.0~8.0程度である。そして、イオン交換樹脂塔(2)を通過したアルカリ再生液が排出されはじめると、イオン交換樹脂塔排出液のpHは高くなっていき、その後、イオン交換樹脂塔排出液のpHは、(i)アルカリ再生液として、先に、リサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液した場合は、アルカリ再生新液と同程度pHで推移し、また、(ii)アルカリ再生液として、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液した場合は、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液と同程度のpHで推移する。その後、イオン交換樹脂塔(2)に通液する液が、アルカリ再生液から洗浄水に切り替わり、洗浄水がイオン交換樹脂塔(2)から排出されはじめると、イオン交換樹脂塔排出液のpHは低くなっていき、洗浄水と同程度のpHまで低くなっていく。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、強塩基性陰イオン交換樹脂層と強酸性陽イオン交換樹脂層とに分離後の強塩基性陰イオン交換樹脂層を通過し、イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、好ましくは、イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(2):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-1.0 (2)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、リサイクルアルカリ再生液用として採取する。イオン交換樹脂塔排出液のpH値が上記を満たすイオン交換樹脂塔排出液を採取することにより、アルカリ再生液として再使用したときに、効率的に強塩基性陰イオン交換樹脂の再生が行える部分のイオン交換樹脂塔排出液を採取することができるので、アルカリ再生液の使用量を少なくし、且つ、アルカリ再生廃液の量を少なくすることができる。
採取したイオン交換樹脂塔排出液であるが、イオン交換樹脂塔排出液の回収槽を設けて、その中に、採取したイオン交換樹脂塔排出液、すなわち、pH値が上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすイオン交換樹脂塔排出液を回収し一旦全量を貯留する。そして、採取したpH値が上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすイオン交換樹脂塔排出液の全量を一旦回収槽に貯留して、下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たすイオン交換樹脂塔排出液を得る。
なお、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、糖液精製工程(2)から陰イオン交換樹脂再生工程(2)に切り替わった直後からある程度のアルカリ再生液が通液されるまで、及びイオン交換樹脂塔(2)に通液する液が、アルカリ再生液から洗浄水に切り替わってからある程度の洗浄水が通液された後は、pH値が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たさないイオン交換樹脂塔排出液が、イオン交換樹脂塔(2)から排出される。そこで、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)においては、pH値が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たすイオン交換樹脂塔排出液のみを採取し、pH値が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たさないイオン交換樹脂塔排出液は、アルカリ再生廃液として、系外へ排出する。
次いで、イオン交換樹脂塔排出液の回収槽に回収され貯留されているイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行う。
ナノ濾過膜としては、特に制限されず材質はポリスルホン、ポリエーテルスルホン等、膜の形状は平膜、中空糸、管状膜、構造はスパイラル型、円筒型、チューブラー型等が挙げられる。ナノ濾過膜としては、例えば、HYDRACoRe70pHT(日東電工社製)、MPS 34pH(KOCH社製)等が挙げられる。採取したイオン交換樹脂塔排出液をナノ濾過膜で処理するときの処理条件としては、特に制限されず、例えば、供給圧力は0.5~3.0MPa、ナノ濾過膜で透過させるイオン交換樹脂塔排出液量の透過量は、採取したイオン交換樹脂塔排出液量の50~90%である。
ナノ濾過膜に透過される被処理液、言い換えると、イオン交換樹脂塔排出液の回収槽に貯留されているイオン交換樹脂塔排出液のpH値は、下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たす。ナノ濾過膜に透過されるイオン交換樹脂塔排出液のpH値が上記範囲より小さいと、ナノ濾過膜処理を行い得られるリサイクルアルカリ再生液の低過ぎるために、ナノ濾過膜処理を行い得られるリサイクルアルカリ再生液を、次回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)の再生液として用いることができなくなる。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、ナノ濾過膜処理を行い得られたリサイクルアルカリ再生液を、次回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)で用いるアルカリ再生液の一部として使用する。
イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液中には、強塩基性陰イオン交換樹脂から脱離する色素や有機不純物等が存在しているので、採取したイオン交換樹脂塔排出液をそのまま、次回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)のときに、アルカリ再生液として使用すると、強塩基性陰イオン交換樹脂を色素や有機不純物等で汚染してしまうことになる。そこで、本発明の第一の形態の糖液の精製方法では、採取したイオン交換樹脂塔排出液、すなわち、pH値が上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、色素や有機不純物等の汚染物質を除去して、ナノ濾過膜処理の処理液を、リサイクルアルカリ再生液として得る。そのため、本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、一度、強塩基性陰イオン交換樹脂の再生用に使用されたアルカリ再生液を、リサイクルアルカリ再生液として、再使用する場合に、色素や有機不純物等の汚染物質による被処理糖液の品質の低下を防ぐことができる。
ナノ濾過膜処理を行ったイオン交換樹脂塔排出液であるが、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽を設けて、その中に、ナノ濾過膜処理を行ったイオン交換樹脂塔排出液を貯留する。
本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、上記のようにして、所定のイオン交換樹脂塔排出液を採取し、次いで、ナノ濾過膜処理を行い得たリサイクルアルカリ再生液を、陰イオン交換樹脂再生工程(2)で用いるアルカリ再生液の一部として用いる。
つまり、本発明の第二の形態の糖液の精製方法では、各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、(i)イオン交換樹脂塔(2)に、アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は(ii)イオン交換樹脂塔(2)に、アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液する。
アルカリ再生新液は、一度もイオン交換樹脂塔(2)に通液されていないアルカリ再生液のことである。アルカリ再生新液は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウムであり、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。アルカリ再生新液中のアルカリの濃度は、通常、0.5~2.0mol/L、好ましくは1.0~1.5mol/Lである。アルカリ再生新液のpHは、13.7~14.3、好ましくは14.0~14.2である。
上記(i)の形態では、イオン交換樹脂塔(2)に、先に、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に貯留しておいたリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液する。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率は、体積比で、1:0.25~4.0、好ましくは1:1.0~2.0である。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率が、上記範囲にあることにより、陰イオン交換樹脂再生工程(2)での強塩基性陰イオン交換樹脂のOH形への再生を良好に保ちつつ、且つ、アルカリ再生新液の使用量及びアルカリ再生廃液の量を少なくすることができる。
上記(ii)の形態では、先に、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に貯留しておいたリサイクルアルカリ再生液と、アルカリ再生新液と、を混合して、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を得、次いで、イオン交換樹脂塔(2)に、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液する。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液の調製方法は、特に制限されず、例えば、混合液調製槽に、リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液を供給して、その中で撹拌及び混合する方法、アルカリ再生新液のイオン交換樹脂塔(2)への供給管に、リサイクルアルカリ再生液を供給することにより、アルカリ再生新液のイオン交換樹脂塔(2)への供給管内で、リサイクルアルカリ再生液との混合とを行う方法等が挙げられる。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率は、体積比で、1:0.25~4.0、好ましくは1:0.5~2.0である。リサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の使用量の比率が、上記範囲にあることにより、陰イオン交換樹脂再生工程(2)での強塩基性陰イオン交換樹脂のOH形への再生を良好に保ちつつ、且つ、アルカリ再生新液の使用量及びアルカリ再生廃液の量を少なくすることができる。
本発明の第二の形態の糖液精製装置は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されており、デンプン糖液又は蔗糖液の精製が行われるイオン交換樹脂塔と、
該イオン交換樹脂塔に繋がり、該イオン交換樹脂塔へのデンプン糖液又は蔗糖液の送液管である糖液供給管と、
該糖液供給管に繋がり、該糖液供給管内へのアルカリ再生新液の送液管であるアルカリ再生新液供給管と、
該糖液供給管又は該アルカリ再生新液供給管に繋がり、該糖液供給管内への洗浄水の送液管である洗浄水供給管と、
該イオン交換樹脂塔で処理された精製糖液の排出管である精製糖液排出管と、
該イオン交換樹脂塔内に設置されるコレクターと、
イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と、
該コレクターと該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該コレクターから該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管と、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設されるpH計と、
該pH計より後段且つ該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管と、
該廃液管に付設される第一切り替え弁と、
該廃液管の分岐位置より後段の該該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設される第二切り替え弁と、
該pH計、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁に電気的に繋がり、該pH計から送られてくるpH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たさない間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管には流れず、該廃液管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御し、且つ、該pH計から送られてくるpH値が上記式(1)を満たしている間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管には流れず、該廃液管の分岐位置より後段の該該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御する制御部と、
ナノ分離膜を備え、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュールと、
該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側に繋がり、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽内から該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側への該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管と、
リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽と、
該ナノ濾過膜モジュールの透過液側と該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの透過液側から該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽への該ナノ濾過膜モジュールの透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管と、
該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側と該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽への該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管と、
該糖液供給管から分岐し、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽から該糖液供給管へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管と、
を有することを特徴とする糖液精製装置である。
本発明の第二の形態の糖液精製装置は、本発明の第二の形態の糖液の精製方法を実施するための装置である。本発明の第二の形態の糖液精製装置は、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床がイオン交換樹脂塔に充填されている形態である。
図3を参照して、本発明の第二の形態の糖液精製装置を用いて、本発明の第二の形態の糖液の精製方法を実施する形態例について説明する。図3は、本発明の第二の形態の糖液の精製方法が好適に実施される本発明の第二の形態の糖液精製装置の構成例を示すフロー図である。糖液精製装置30bは、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床3bが充填されており、デンプン糖液又は蔗糖液1bの精製が行われるイオン交換樹脂塔4bと、イオン交換樹脂塔4bに繋がり、イオン交換樹脂塔4aへのデンプン糖液又は蔗糖液1aの送液管である糖液供給管21と、糖液供給管21に繋がり、糖液供給管21内へのアルカリ再生新液5の送液管であるアルカリ再生新液供給管24と、糖液供給管21又はアルカリ再生新液供給管24に繋がり、糖液供給管21内への洗浄水6の送液管である洗浄水供給管25と、イオン交換樹脂塔4bで処理された精製糖液7bの排出管である精製糖液排出管22と、イオン交換樹脂塔4b内に設置されるコレクター14と、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10と、コレクター14とイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に繋がり、コレクター14からイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23と、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23に付設されるpH計9と、pH計9より後段且つイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管13と、廃液管13に付設される第一切り替え弁8aと、廃液管13の分岐位置より後段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23に付設される第二切り替え弁8bと、pH計9、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bに電気的に繋がり、pH計13から送られてくるpH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たさない間は、イオン交換樹脂塔排出液が、廃液管13の分岐位置より後段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23には流れず、廃液管13に流れるように、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bを制御し、且つ、pH計9から送られてくるpH値が上記式(1)を満たしている間は、イオン交換樹脂塔排出液が、廃液管13には流れず、廃液管13の分岐位置より後段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23に流れるように、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bを制御する制御部(図示しない。)と、ナノ分離膜を備え、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュール11と、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10とナノ濾過膜モジュール11の被処理液側に繋がり、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10内からナノ濾過膜モジュール11の被処理液側へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管17と、リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12と、ナノ濾過膜モジュール11の透過液側とリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に繋がり、ナノ濾過膜モジュール11の透過液側からリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12へのナノ濾過膜モジュール11の透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管19と、ナノ濾過膜モジュール11の濃縮液側とイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に繋がり、ナノ濾過膜モジュール11の濃縮液側からイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10へのナノ濾過膜モジュール11の濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管18と、糖液供給管21から分岐し、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に繋がり、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12から糖液供給管21へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管20と、を有する。精製糖液排出管22及びpH計9より前段のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23には、送液経路を変えるための切り替え弁8c、8dが付設されている。
先ず、糖液精製工程(2)では、デンプン糖液又は蔗糖液1bを、糖液供給管21より、強塩基性陰イオン交換樹脂及び酸性陽イオン交換樹脂の混合床3bが充填されているイオン交換樹脂塔4bに供給し、強塩基性陰イオン交換樹脂及び酸性陽イオン交換樹脂の混合床3bと接触させることで、デンプン糖液又は蔗糖液1bの脱塩脱色が行われ、精製糖液排出管22より、精製糖液7bを排出させる。
そして、糖液精製工程(2)で、所定量のデンプン糖液又は蔗糖液1bの脱塩脱色を行った後、デンプン糖液又は蔗糖液1bの供給を停止し、陰イオン交換樹再生工程(2)を行う。
陰イオン交換樹脂再生工程(2)では、先ず、洗浄水6を、糖液供給管21を経て、イオン交換樹脂塔4bに供給し、精製糖液排出管22より、洗浄水を排出させて、塔内に残っている糖液を水で置換する。次いで、イオン交換樹脂塔4bの下部から上向流で、イオン交換樹脂塔4b内に洗浄水を通液することにより、比重差で、イオン交換樹脂塔4b内で、強塩基性陰イオン交換樹脂を上層に、陽イオン交換樹脂を下層に、分離させる。次いで、イオン交換樹脂塔4bの上部から下降流で、アルカリ再生新液5又はリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に貯留されているリサイクルアルカリ再生液、あるいは、アルカリ再生新液5及びリサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に貯留されているリサイクルアルカリ再生液を、糖液供給管21を経て、イオン交換樹脂塔4b内の分離後の強塩基性陰イオン交換樹脂層に供給し、強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることで、強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行い、コレクター14に集め、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液として、イオン交換樹脂塔4bから排出させる。次いで、イオン交換樹脂塔4bから排出させたイオン交換樹脂塔排出液を、イオン交換樹脂塔排出液採取管23を通って、pH計9へ送り、ここで、pHの測定を行う。そして、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液液のうち、規定のpH未満のものを、廃液管13から系外へ排出させ、一方、規定のpHのものを、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23を通って、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に送液し回収する。なお、このとき、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液液のうち、規定のpH未満のものの廃液管13からの系外へ排出と、規定のpHのもののイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管23を経るイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10への送液は、図示しない制御部が、第一切り替え弁8a及び第二切り替え弁8bを切り替える制御を行うことによりなされる。
次いで、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に回収されたイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液を、被処理液供給管17からナノ濾過膜モジュール11に供給し、ナノ濾過膜モジュール11のナノ濾過膜で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製を行う。ナノ濾過膜の透過水を、リサイクルアルカリ再生液として、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に送液し貯留する。また、ナノ濾過膜モジュール11の濃縮液を、引き戻し管18より、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽10に引き戻す。
そして、リサイクルアルカリ再生液の貯留槽12に貯留されたリサイクルアルカリ再生液を、次の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、強塩基性陰イオン交換樹脂3aの再生に用いる。
本発明の第二の形態の糖液精製装置に係る強塩基性陰イオン交換樹脂、酸性陽イオン交換樹脂、イオン交換樹脂塔、ナノろ過膜は、本発明の第一の形態の糖液の精製方法に係る強塩基性陰イオン交換樹脂、酸性陽イオン交換樹脂、イオン交換樹脂塔、ナノろ過膜と同様である。
本発明の第二の形態の糖液精製装置は、精製糖液排出管、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管及び廃液管には、送液経路を変えるための切り替え弁が付設されている。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
図1に示すフローの蔗糖液の精製装置を用いて行った。イオン交換樹脂塔には、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA458RF)を100mL充填した。
(1)糖液精製工程
イオン交換樹脂塔に、蔗糖液原料(Brix55.00%、導電率77.7μS/cm、色価458)を、液温45℃、流速200mL/hの通液条件で、3000mL通液し、精製蔗糖液を得た。
(2)陰イオン交換樹脂再生工程
糖液精製工程の終了後、イオン交換樹脂塔に、1NのNaOH水溶液(pH14)200mL(2.0L/L-R)を、400mL/hの流速で、下降流でイオン交換樹脂塔に通液し、次いで、イオン交換水(洗浄水)200mLを、400mL/hの流速で、下降流でイオン交換樹脂塔に通液した。このとき、イオン交換樹脂塔から排出される排出液のpHをpH計で測定すると共に、吸光度計を用いてOD420の吸光度を10mmセルによって測定した。排出液のpH及びOD420の推移を、図2に示す。
そして、pH値が13.5未満の排出液は、アルカリ再生廃液としてブローし、pH値が13.5以上の排出液のみを回収槽に回収した。イオン交換樹脂塔へのNaOH水溶液及びイオン交換水の通液後、回収槽に回収された全イオン交換樹脂塔排出液のpHは13.80であり、OD420は1.460であった。
次いで、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過平膜試験機(スルホン化ポリエーテルスルホン膜、塩阻止率:70%)に、供給圧力を2.0MPaとし、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液量の80%に当たる透過液を取得する通液条件で通液して、ナノ濾過膜処理を行い、リサイクルアルカリ再生液を得た。得られたリサイクルアルカリ再生液の量は200mLであった。
透過液、すわなち、リサイクルアルカリ再生液のpHは13.81であり、OD420は0.044であり、また、濃縮液のpHは13.81であり、OD420は8.220であった。
(実施例2)
図3に示すフローのデンプン糖液の精製装置を用いて行った。イオン交換樹脂塔には、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA910)を200mLと、H形強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120B)を100mLの混合物を充填した。
(1)糖液精製工程
イオン交換樹脂塔に、デンプン糖液原料(Brix42%、導電率17.9μS/cm、pH3.64)を、液温35℃、流速400mL/hの通液条件で、6400mL通液し、精製デンプン糖液を得た。
(2)陰イオン交換樹脂再生工程
糖液精製工程の終了後、イオン交換樹脂塔の下部から上向流で、洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔内の樹脂層を150%展開し、強塩基性陰イオン交換樹脂を上層に、強酸性陽イオン交換樹脂を下層に分離した。
次いで、イオン交換樹脂塔の上部から、1NのNaOH水溶液(pH14)400mL(2.0L/L-R)を、800mL/hの流速の下降流で、続いて、イオン交換水(洗浄水)400mLを、800mL/hの流速で、強塩基性陰イオン交換樹脂層に通液し、強塩基性陰イオン交換樹脂層と強酸性陽イオン交換樹脂層の境界部に設置されたコレクターから排出させると共に、境界部に設置されているディストリビューターから下降流で、強酸性陽イオン交換樹脂層に、洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔の下部から排出させた。このとき、イオン交換樹脂塔から排出される排出液のpHをpH計で測定すると共に、吸光度計を用いてOD420の吸光度を10mmセルによって測定した。排出液のpH及びOD420の推移を、図4に示す。
そして、pH値が13.5未満の排出液は、アルカリ再生廃液としてブローし、pH値が13.5以上の排出液のみを回収槽に回収した。イオン交換樹脂塔へのNaOH水溶液及びイオン交換水の通液後、回収槽に回収された全イオン交換樹脂塔排出液のpHは13.87であり、OD420は4.680であった。
次いで、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過平膜試験機(スルホン化ポリエーテルスルホン膜、塩阻止率:70%)に、供給圧力を2.0MPaとし、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液量の80%に当たる透過液を取得する通液条件で通液して、ナノ濾過膜処理を行い、リサイクルアルカリ再生液を得た。得られたリサイクルアルカリ再生液の量は、400mLであった。
透過液、すわなち、リサイクルアルカリ再生液のpHは13.89であり、OD420は1.160であり、また、濃縮液のpHは13.83であり、OD420は53.100であった。
(比較例1)
図1に示すフローの蔗糖液の精製装置を用いて行った。イオン交換樹脂塔には、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA458RF)を100mL充填した。
(1)糖液精製工程
イオン交換樹脂塔に、蔗糖液原料(Brix55.00%、導電率80.6μS/cm、色価412)を、液温45℃、流速200mL/hの通液条件で、3000mL通液し、精製蔗糖液を得た。
(2)陰イオン交換樹脂再生工程
糖液精製工程の終了後、イオン交換樹脂塔に、1NのNaOH水溶液(pH14)200mL(2.0L/L-R)を、400mL/hの流速で、下降流でイオン交換樹脂塔に通液し、次いで、イオン交換水(洗浄水)300mLを、400mL/hの流速で、下降流でイオン交換樹脂塔に通液した。このとき、イオン交換樹脂塔から排出される排出液のpHをpH計で測定すると共に、吸光度計を用いてOD420の吸光度を10mmセルによって測定した。排出液のpH及びOD420の推移を、図5に示す。
そして、pH値が11.0未満の排出液は、アルカリ再生廃液としてブローし、pH値が11.0以上の排出液のみを回収槽に回収した。イオン交換樹脂塔へのNaOH水溶液及びイオン交換水の通液後、回収槽に回収された全イオン交換樹脂塔排出液のpHは13.34であり、OD420は1.290であった。
次いで、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過平膜試験機(スルホン化ポリエーテルスルホン膜、塩阻止率:70%)に、供給圧力を2.0MPaとし、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液量の80%に当たる透過液を取得する通液条件で通液して、ナノ濾過膜処理を行い、リサイクルアルカリ再生液を得た。得られたリサイクルアルカリ再生液の量は200mLであった。
透過液、すわなち、リサイクルアルカリ再生液のpHは13.33であり、OD420は0.052であり、また、濃縮液のpHは13.30であり、OD420は7.790であった。
比較例1は、回収した陰イオン交換樹脂塔排出液のpHが11.0以上であったため、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂塔再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たしていないことから、排出液中のアルカリが薄くなり、回収槽に回収された全イオン交換樹脂塔排出液のpHは13.34となった。
そのため、ナノ濾過膜処理において処理される前記イオン交換樹脂塔排出液のpH値が下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂塔再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たすことができず、次回の再生工程に用いるに適切なpHであるリサイクル再生液を得ることができなかった。
(比較例2)
図3に示すフローのデンプン糖液の精製装置を用いて行った。イオン交換樹脂塔には、OH形強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA910)を200mLと、H形強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120B)を100mLの混合物を充填した。
(1)糖液精製工程
イオン交換樹脂塔に、デンプン糖液原料(Brix42%、導電率9.5μS/cm、pH3.92)を、液温35℃、流速400mL/hの通液条件で、6400mL通液し、精製デンプン糖液を得た。
(2)陰イオン交換樹脂再生工程
糖液精製工程の終了後、イオン交換樹脂塔の下部から上向流で、洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔内の樹脂層を150%展開し、強塩基性陰イオン交換樹脂を上層に、強酸性陽イオン交換樹脂を下層に分離した。
次いで、イオン交換樹脂塔の上部から、1NのNaOH水溶液(pH14)400mL(2.0L/L-R)を、800mL/hの流速の下降流で、続いて、イオン交換水(洗浄水)600mLを、800mL/hの流速で、強塩基性陰イオン交換樹脂層に通液し、強塩基性陰イオン交換樹脂層と強酸性陽イオン交換樹脂層の境界部に設置されたコレクターから排出させると共に、境界部に設置されているディストリビューターから下降流で、強酸性陽イオン交換樹脂層に、洗浄水を通液し、イオン交換樹脂塔の下部から排出させた。このとき、イオン交換樹脂塔から排出される排出液のpHをpH計で測定すると共に、吸光度計を用いてOD420の吸光度を測定した。排出液のpH及びOD420の推移を、図6に示す。
そして、pH値が11.0未満の排出液は、アルカリ再生廃液としてブローし、pH値が11.0以上の排出液のみを回収槽に回収した。イオン交換樹脂塔へのNaOH水溶液及びイオン交換水の通液後、回収槽に回収された全イオン交換樹脂塔排出液のpHは13.13であり、OD420は4.440であった。
次いで、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過平膜試験機(スルホン化ポリエーテルスルホン膜、塩阻止率:70%)に、供給圧力を2.0MPaとし、回収槽に回収されたイオン交換樹脂塔排出液量の80%に当たる透過液を取得する通液条件で通液して、ナノ濾過膜処理を行い、リサイクルアルカリ再生液を得た。得られたリサイクルアルカリ再生液の量は、400mLであった。
透過液、すわなち、リサイクルアルカリ再生液のpHは13.16であり、OD420は1.230であり、また、濃縮液のpHは13.12であり、OD420は36.430であった。
比較例2は、回収した陰イオン交換樹脂塔排出液のpHが11.0以上であったため、pH値が下記式(1):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂塔再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
を満たしていないことから排出液中のアルカリが薄くなり、回収槽に回収された全イオン交換樹脂塔排出液のpHは13.13となった。
そのため、ナノ濾過膜処理において処理される前記イオン交換樹脂塔排出液のpH値が下記式(3):
イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂塔再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
を満たすことができず、次回の再生工程に用いるに適切なpHであるリサイクル再生液を得ることができなかった。
1a 蔗糖液
1b デンプン糖液又は蔗糖液
3a 強塩基性陰イオン交換樹脂
3b 強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂の混合床
4a、4b イオン交換樹脂塔
5 アルカリ再生新液
6 洗浄水
7a、7b 精製糖液
8 切り替え弁
9 pH計
10 イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽
11 ナノ濾過膜モジュール
12 リサイクルアルカリ再生液の貯留槽
13 廃液管
14 コレクター
17 被処理液供給管
18 濃縮液引き戻し管
19 透過液送液管
20 リサイクルアルカリ再生液供給管
21 糖液供給管
22 精製糖液排出管
23 イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管
24 アルカリ再生新液供給管
25 洗浄水供給管
30a、30b 糖液精製装置

Claims (6)

  1. OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されているイオン交換樹脂塔(1)に、蔗糖液を通液して該蔗糖液を、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、精製糖液を得る糖液精製工程(1)と、該イオン交換樹脂塔(1)内の蔗糖液を水に置換した後、該イオン交換樹脂塔(1)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う陰イオン交換樹脂再生工程(1)と、を交互に繰り返す糖液の精製方法であって、
    各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、該イオン交換樹脂塔(1)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
    イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
    を満たし、且つ、該イオン交換樹脂塔(1)に通液された該アルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔(1)に通液された該アルカリ再生液のpHまでの範囲のイオン交換樹脂塔排出液を採取して回収し、次いで、回収したイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行うこと、
    各々の陰イオン交換樹脂再生工程(1)において、該イオン交換樹脂塔(1)に、該アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は該イオン交換樹脂塔(1)に、該アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(1)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液すること、
    を特徴とする糖液の精製方法。
  2. OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されているイオン交換樹脂塔(2)に、デンプン糖液又は蔗糖液を通液して、該デンプン糖液又は該蔗糖液を、該OH形陰イオン交換樹脂及び該陽イオン交換樹脂の混合物に接触させて、精製糖液を得る糖液精製工程(2)と、該イオン交換樹脂塔(2)内のデンプン糖液又は蔗糖液を水に置換した後、該イオン交換樹脂塔(2)に、アルカリ再生液を通液し、次いで、洗浄水を通液することにより、該OH形強塩基性陰イオン交換樹脂の再生を行う陰イオン交換樹脂再生工程(2)と、を交互に繰り返す糖液の精製方法であって、
    各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、該イオン交換樹脂塔(2)から排出されるイオン交換樹脂塔排出液のうち、pH値が下記式(1):
    イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
    を満たし、且つ、該イオン交換樹脂塔(2)に通液された該アルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔(2)に通液された該アルカリ再生液のpHまでの範囲のイオン交換樹脂塔排出液を採取して回収し、次いで、回収したイオン交換樹脂塔排出液を、ナノ濾過膜に透過させて、リサイクルアルカリ再生液を得るナノ濾過膜処理を行うこと、
    各々の陰イオン交換樹脂再生工程(2)において、該イオン交換樹脂塔(2)に、該アルカリ再生液として、先に、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液を通液し、次いで、アルカリ再生新液を通液するか、又は該イオン交換樹脂塔(2)に、該アルカリ再生液として、前回の陰イオン交換樹脂再生工程(2)後に行ったナノ濾過膜処理により得たリサイクルアルカリ再生液とアルカリ再生新液の混合液を通液すること、
    を特徴とする糖液の精製方法。
  3. 前記陰イオン交換樹脂再生工程において使用する前記リサイクルアルカリ再生液と前記アルカリ再生新液との体積比が、1:4~4:1であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の糖液の精製方法。
  4. 前記ナノ濾過膜に透過される前記イオン交換樹脂塔排出液のpH値が、下記式(3):
    イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-0.5 (3)
    を満たすことを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載の糖液の精製方法。
  5. OH形強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されており、蔗糖液の精製が行われるイオン交換樹脂塔と、
    該イオン交換樹脂塔に繋がり、該イオン交換樹脂塔への蔗糖液の送液管である糖液供給管と、
    該糖液供給管に繋がり、該糖液供給管内へのアルカリ再生新液の送液管であるアルカリ再生新液供給管と、
    該糖液供給管又は該アルカリ再生新液供給管に繋がり、該糖液供給管内への洗浄水の送液管である洗浄水供給管と、
    該イオン交換樹脂塔で処理された精製糖液の排出管である精製糖液排出管と、
    イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と、
    該精製糖液排出管から分岐し、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該精製糖液排出管から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管と、
    該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設されるpH計と、
    該pH計より後段且つ該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管と、
    該廃液管に付設される第一切り替え弁と、
    該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設される第二切り替え弁と、
    該pH計、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁に電気的に繋がり、該pH計から送られてくるpH値が下記式(1):
    イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
    を満たさない間及び該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpH未満の間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管には流れず、該廃液管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御し、且つ、該pH計から送られてくるpH値が上記式(1)を満たす範囲において、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHまでの間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管には流れず、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御する制御部と、
    ナノ分離膜を備え、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュールと、
    該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側に繋がり、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽内から該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側への該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管と、
    リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽と、
    該ナノ濾過膜モジュールの透過液側と該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの透過液側から該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽への該ナノ濾過膜モジュールの透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管と、
    該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側と該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽への該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管と、
    該糖液供給管から分岐し、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽から該糖液供給管へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管と、
    を有することを特徴とする糖液精製装置。
  6. OH形強塩基性陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の混合床が充填されており、デンプン糖液又は蔗糖液の精製が行われるイオン交換樹脂塔と、
    該イオン交換樹脂塔に繋がり、該イオン交換樹脂塔へのデンプン糖液又は蔗糖液の送液管である糖液供給管と、
    該糖液供給管に繋がり、該糖液供給管内へのアルカリ再生新液の送液管であるアルカリ再生新液供給管と、
    該糖液供給管又は該アルカリ再生新液供給管に繋がり、該糖液供給管内への洗浄水の送液管である洗浄水供給管と、
    該イオン交換樹脂塔で処理された精製糖液の排出管である精製糖液排出管と、
    該イオン交換樹脂塔内に設置されるコレクターと、
    イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液が貯留されるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と、
    該コレクターと該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該コレクターから該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽へのイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管であるイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管と、
    該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設されるpH計と、
    該pH計より後段且つ該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽より前段で、イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管から分岐し、規定のpH未満のイオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の排出管である廃液管と、
    該廃液管に付設される第一切り替え弁と、
    該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に付設される第二切り替え弁と、
    該pH計、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁に電気的に繋がり、該pH計から送られてくるpH値が下記式(1):
    イオン交換樹脂塔排出液のpH値≧陰イオン交換樹脂再生工程で用いたアルカリ再生新液のpH値-2.0 (1)
    を満たさない間及び該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpH未満の間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管には流れず、該廃液管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御し、且つ、該pH計から送られてくるpH値が上記式(1)を満たす範囲において、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHより低い所定のpHから、該イオン交換樹脂塔に通液されたアルカリ再生液のpHまでの間は、イオン交換樹脂塔排出液が、該廃液管には流れず、該廃液管の分岐位置より後段の該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液採取管に流れるように、該第一切り替え弁及び該第二切り替え弁を制御する制御部と、
    ナノ分離膜を備え、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の精製が行われるナノ濾過膜モジュールと、
    該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽と該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側に繋がり、該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽内から該ナノ濾過膜モジュールの被処理液側への該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の送液管である被処理液供給管と、
    リサイクルアルカリ再生液が貯留されるリサイクルアルカリ再生液の貯留槽と、
    該ナノ濾過膜モジュールの透過液側と該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの透過液側から該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽への該ナノ濾過膜モジュールの透過液であるリサイクルアルカリ再生液の送液管である透過液送液管と、
    該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側と該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽に繋がり、該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液側から該イオン交換樹脂塔排出アルカリ再生液の回収槽への該ナノ濾過膜モジュールの濃縮液の送液管である濃縮液引き戻し管と、
    該糖液供給管から分岐し、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽に繋がり、該リサイクルアルカリ再生液の貯留槽から該糖液供給管へのリサイクルアルカリ再生液の送液管であるリサイクルアルカリ再生液供給管と、
    を有することを特徴とする糖液精製装置。
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