JP2009068060A - 塩化ナトリウム水溶液の電解方法 - Google Patents

塩化ナトリウム水溶液の電解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロセス内で使用する水の有効利用を図った工業的に有利に塩化ナトリウム水溶液の電解方法を提供する。
【解決手段】原塩溶解工程10、濾過工程20、キレート樹脂処理工程30、イオン交換膜方式の電解工程40、脱塩素工程50および脱芒硝工程60を含む塩化ナトリウム水溶液の電解方法において、キレート樹脂処理工程30から排出されるキレート樹脂再生排水を、硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画し、実質的に硬度成分を含まない画分(B)にpH調節を行って原塩溶解工程10に循環し原塩の溶解水として使用する排水回収工程70を設けた塩化ナトリウム水溶液の電解方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩化ナトリウム水溶液の電解方法に関し、詳しくは、プロセス排水の有効利用を図った塩化ナトリウム水溶液の電解方法に関する。
塩化ナトリウム水溶液の電解方法において、硬度成分を除去するための塩水(ブライン)精製工程は重要であり、古くからキレート樹脂を使用した精製法が知られている(例えば特許文献1及び2)。
また、塩化ナトリウム水溶液の電解方法として各種の方法が提案され、原塩中に不純物として含まれる硫酸塩の蓄積を防止すべく改良された方法として、原塩溶解工程、濾過工程、キレート樹脂処理工程、イオン交換膜方式の電解工程、脱塩素工程および脱芒硝工程を含む方法が知られている(特許文献3)。
特開昭48−52698号公報 特開昭51−86100号公報 特開平7−3485号公報
ところで、塩化ナトリウム水溶液の電解方法では、電解工程で生成する水酸化ナトリウムの原料水、原塩溶解工程の原塩溶解水、キレート樹脂処理工程の樹脂再生用水などの水を必要とし、特に水資源の乏しい状況下では、プロセス内で使用する水の有効利用が重要であるが、斯かる観点から改良された技術は未だ提案されていないようである。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、プロセス内で使用する水の有効利用を図った工業的に有利な塩化ナトリウム水溶液の電解方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、原塩溶解工程、濾過工程、キレート樹脂処理工程、イオン交換膜方式の電解工程、脱塩素工程および脱芒硝工程を含む塩化ナトリウム水溶液の電解方法において、キレート樹脂処理工程から排出されるキレート樹脂再生排水を、硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画し、実質的に硬度成分を含まない画分(B)にpH調節を行って原塩溶解工程に循環し原塩の溶解水として使用する排水回収工程を設けたことを特徴とする塩化ナトリウム水溶液の電解方法に存する。
本発明によれば、キレート樹脂処理工程から排出されるキレート樹脂再生排水を、硬度成分の含有の有無によって分画し、キレート樹脂再生排水の大半を占める硬度成分を含まない画分にpH調節を行うことによって、原塩溶解工程の溶解水として再使用するので、経済的に有利で、運転管理も容易である。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の電解方法の好ましい一例を示す工程説明図である。図示した電解方法は、原塩溶解工程(10)、濾過工程(20)、キレート樹脂処理工程(30)、イオン交換膜方式の電解工程(40)、脱塩素工程(50)、脱芒硝工程(60)、排水回収工程(70)を包含する。
<原塩溶解工程(10)>
原塩溶解工程(10)においては、溶解槽を使用して原塩を水に溶解する。具体的には、原塩と溶解水と、電解工程(40)からライン(41)及び(51)を経て循環される淡ブラインとを使用し、粗ブラインを調製する。溶解水としては、工業用水、濾過水、上水、軟水、純水などを使用することが出来る。粗ブライン中の塩化ナトリウム濃度は出来るだけ高濃度であることが好ましく、通常、飽和濃度の粗ブライン(飽和粗ブライン)が調製される。
<濾過工程(20)>
濾過工程(20)においては、好ましくは、上記で得られた粗ブラインに凝集剤を添加した後、必要に応じてpH調節を行い、次いで、粗ブラインを濾過し、粗ブライン中の凝集物を除去する。
凝集剤の添加は、具体的には、撹拌混合槽を使用し、ライン(11)から供給される粗ブラインに凝集剤の水溶液を添加して撹拌混合することにより行う。凝集剤としては、鉄系凝集剤、アルミニウム系凝集剤などが挙げられるが、特に鉄系凝集剤が好ましい。鉄系凝集剤としては、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄、ポリシリカ鉄などが挙げられるが、特に塩化第二鉄が好ましい。鉄系凝集剤の添加量は、粗ブラインに対し、通常Fe濃度として1〜30mg/Lである。因に、鉄系凝集剤を添加した後の粗ブラインのpHは3〜4に低下する。
pH調節は、具体的には、撹拌混合槽を使用し、凝集剤の添加された粗ブラインにアルカリ剤を添加して撹拌混合することにより行う。そして、粗ブラインのpHは通常7.5〜9.5、好ましくは8.0〜9.5の範囲に調節する。アルカリ剤としては、通常、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム系アルカリ剤が使用されるが、水酸化ナトリウムが好ましい。また、アルカリ剤の希釈剤としては精製ブライン又は脱塩素工程後の淡ブラインを使用することも出来る。
上記のpH値(7.5〜9.5)は、通常、後述のキレート樹脂処理工程(30)において採用されるpH値であり、一回のpH調節により、キレート樹脂処理の至適pH条件を達成できる。
粗ブライン中の凝集物の除去は、例えば、サンドフィルター、セラミックフィルター、濾布フィルター、カートリッジフィルター、精密濾過膜、限外濾過膜などの公知の濾過器や濾過膜を使用して行うことが出来る。凝集剤を使用した場合、凝集物は、凝集剤によって捕捉された固形分であり、鉄系凝集剤を使用した場合は、固形分を取り込んだ水酸化第二鉄の凝集物である。鉄系凝集剤を使用した場合、濾過後の粗ブライン中のFe濃度は0.05mg/L以下とするのが好ましい。濾過後の粗ブライン中の固形分(SS)の濃度は、通常1.0mg/L以下、好ましくは0.5mg/L以下、硬度成分濃度は、通常、カルシウム(Ca):100mg/L以下、マグネシウム(Mg):10mg/L以下、ストロンチウム(Sr):10mg/L以下である。
なお、凝集剤の添加とpH調節の各操作は、夫々の撹拌槽を使用して行ってもよい。また、凝集剤の添加およびアルカリ剤の添加は、ライン中の粗ブラインに対して行なってもよい。
<キレート樹脂処理工程(30)>
キレート樹脂処理工程(30)においては、濾過した粗ブラインをキレート樹脂で処理して粗ブライン中の二価金属イオン(硬度成分)を除去し、能力の低下したキレート樹脂を再生する。
硬度成分の除去は、具体的には、キレート樹脂塔にライン(21)から粗ブラインを供給して処理することにより行う。キレート樹脂処理に供される粗ブラインのpHは、前記の濾過工程(20)におけるpHと同じである。従って、pHの変動による固形物(懸濁物)の新たな発生はなく、キレート樹脂処理に供される粗ブラインは清澄液である。キレート樹脂としては、特に限定されず、粗ブラインより硬度不純物を除去できる公知のアミノリン酸やイミノジ酢酸などの官能基を有するキレート樹脂が使用できる。
キレート樹脂処理工程(30)において、粗ブラインのpHが7.5未満の場合にはキレート樹脂処理工程での硬度成分の吸着量が少なくなり、また、pHが9.5を超える場合にはキレート樹脂処理工程で沈殿が析出する危険性が高くなり、析出した場合にはキレート樹脂処理が不能となる。キレート樹脂処理工程(30)における粗ブラインの好ましいpHは、前述した通り、8.0〜9.5である。
キレート樹脂処理工程(30)において、粗ブライン中の硬度成分が電解槽のイオン交換膜を劣化させない濃度まで除去される。キレート樹脂塔は、2塔以上を直列に並べ1系列とし、1系列以上に並べて切り替え使用することが好ましい。キレート樹脂で処理された精製ブライン中の硬度成分濃度は、Ca:10μg/L以下、Mg:10μg/L以下、Sr:50μg/L以下である。硬度成分が上述の濃度を超える場合は、電解槽のイオン交換膜が劣化することがある。
なお、上記のキレート樹脂処理は、例えば、特開平5−186215号公報に記載された方法に従い、pHを異ならせて2段階で行うことも出来る。すなわち、1段目のキレート樹脂処理は炭酸水素ナトリウムによりpHを7〜8に調節し、2段目のキレート樹脂処理はナトリウム系アルカリ剤(苛性ソーダ又は炭酸ソーダ)を使用しpHを8〜11(好ましくは9〜10)に調節する。
能力の低下したキレート樹脂の再生は、常法に従って、行うことが出来る。すなわち、先ず、通液終了後にキレート樹脂塔内のブラインを水で置換した後、水でキレート樹脂層の逆洗を行って、キレート樹脂の破片などの懸濁物質を除去する。次いで、酸(通常は塩酸)を供給して吸着された硬度成分を脱離させて樹脂をH形に再生した後、樹脂層中の酸を水で押し出し、更に、その水を空気で押し出す。続いて、アルカリ(通常は水酸化ナトリウム)を供給して樹脂をNa形に変換した後に、樹脂層中のアルカリを水で押し出し、その水を精製ブラインで置換して、再生を終了する。また、再生工程から排出された排水は、硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画する。
以下、キレート樹脂再生工程を小工程に区分して詳述する。
(ブライン−水置換工程):
ブライン−水置換工程では、キレート樹脂塔に下降流で空塔速度(SV)10h−1以下で樹脂量の1.5〜3倍量程度通水して、キレート樹脂塔内のブラインを水で置換する。置換は、通常、常温で行う。使用する水としては、硬度成分を含まない軟水が好ましく、硬度成分および硫酸イオンを含まない純水がより好ましい。本工程の排水は、全量、実質的に硬度成分を含まない画分(B)に含める。
(逆洗工程)及び(沈静工程):
逆洗工程では、キレート樹脂塔に上向流で通水してキレート樹脂層を50〜100%膨張させ、キレート樹脂層中の懸濁物質を塔外に排出する。水の流速は、キレート樹脂の銘柄、粒径、温度などによって異なるが、一般的には線速度(LV)として5〜20m/h程度である。逆洗は、通常、常温で行う。逆洗に使用する水としては、工業用水の濾過水を使用できるが、排水の回収を行う観点からは、硬度成分を含まない軟水が好ましく、硬度成分および硫酸イオンを含まない純水が更に好ましい。次いで、沈静工程では、逆洗終了後、5〜10分間、キレート樹脂層を静置し、逆洗によって膨張したキレート樹脂層を沈静させる。本工程の排水は、全量、実質的に硬度成分を含まない画分(B)に含める。
(塩酸薬注工程)、(塩酸押出工程)及び(水抜工程):
塩酸薬注工程では、キレート樹脂塔内のキレート樹脂層の上方100〜300mmに設置した薬注管から、2〜15%程度の濃度の塩酸(HCl)を下降流でSV2〜10h−1程度で通液する。塩酸の使用量は、キレート樹脂の硬度成分吸着容量によって異なるが、通常、100%塩酸として樹脂1リットル当り50〜150g程度である。塩酸の薬注は、通常、常温で行う。次いで、塩酸押出工程では、塩酸薬注工程と同じ経路で純水を下向流でSV2〜10h−1程度で樹脂量の1〜4倍程度流し、樹脂層中の塩酸を純水で押し出す。続いて、水抜工程では、キレート樹脂塔の塔頂部から圧縮空気を供給し、キレート樹脂層中の水を下降流で押し出し、キレート樹脂塔内の水位をキレート樹脂層の100〜300mm上方に設置した薬注管の位置まで下げる。水抜工程は、次の水酸化ナトリウムによるキレート樹脂の塩形変換の際に、上向流で通液する水酸化ナトリウムがキレート樹脂層上方の空間に拡散するのを防ぐために行う工程である。塩酸の薬注、押し出し及び水抜きは、通常、常温で行う。
上記の3工程、すなわち、塩酸薬注工程、塩酸押出工程および水抜工程の排水(以下、この一連の工程において排出される排水を「塩酸工程排水」という」)には、硬度成分が含まれている。そこで、この「塩酸工程排水」の全量を、硬度成分を含む画分(A)に含めれば、分画は容易である。しかし、この分画方法では、後述する「塩酸工程排水」を更に分画する方法に比べて回収される排水量が少なく、キレート樹脂再生排水の水回収率は60〜70%程度である。そこで、本発明においては、「塩酸工程排水」を更に分画して実質的に硬度成分を含まない画分(B)を回収する。
次に、「塩酸工程排水」を更に分画する方法について述べる。図2は、「塩酸工程排水」の流出液中の各成分濃度と通液倍量との関係図であるが、同図に示すように、塩化ナトリウム、硬度成分(Sr,Mg,Ca含有成分)、塩酸の順序で且つ部分的に混合された状態で流出する。そこで、「塩酸工程排水」を3つの流出画分、すなわち、主として塩化ナトリウムを含む第一の流出画分、主として硬度成分を含む第二の流出画分、及び、主として塩酸を含む第三の流出画分とに分画し、第二の流出画分を硬度成分含有画分(A)とし、第一および第三の流出画分と、この他のキレート樹脂再生小工程の排水とを合わせて、実質的に硬度成分を含まない画分(B)とする。
「塩酸工程排水」を3つの流出画分に分ける具体的な操作は、例えば、次のように行うことが出来る。
予め「塩酸工程排水」を一定の通液倍量(通液量とキレート樹脂充填量との比率)毎にサンプリングし、硬度成分を分析して、硬度成分の流出が始まる通液倍量と硬度成分の流出が終わる通液倍量を把握する。この硬度成分の流出が始まる通液倍量で第一の流出画分と第二の流出画分との分画を行い、硬度成分の流出が終わる通液倍量で第二の流出画分と第三の流出画分との分画を行えば、第二の流出画分を硬度成分を含む画分(A)とし、また、第一および第三の流出画分とこの他のキレート樹脂再生小工程の排水を合わせて、実質的に硬度成分を含まない画分(B)とすることが出来る。
実際のキレート樹脂の再生においては、これらの通液倍量は、硬度成分の吸着量の多少によって、キレート樹脂の再生サイクル毎に変動することがある。そこで、上記の第一の流出画分および第三の流出画分に実質的に硬度成分が混入しないように、これらの通液倍量の変動幅を勘案して、第一の流出画分と第二の流出画分とを分画する通液倍量、及び、第二の流出画分と第三の流出画分とを分画する通液倍量を設定する。すなわち、第二の流出画分の幅を硬度成分のピークの幅よりも広めに設定するのが好ましい。
なお、通液量は、流量積算計で計測する。また、塩酸薬注・押出・水抜工程の通液が一定流量で行われる場合には、通液倍量に代えて、通液時間によって分画を行ってもよい。
ところで、上述の分画方法では、硬度成分を含む第二の流出画分の幅を広めに設定するので、実際には硬度成分を含まない排水が硬度成分含有画分(A)に混入することが避けられない。また、硬度成分を含む第二の流出画分の幅を広めに設定しても、設定値を超える変動が生じた場合には、硬度成分が第一の流出画分や第三の流出画分に混入する恐れがある。
そこで、本発明の特に好ましい態様においては、「塩酸工程排水」にアルカリ剤を添加し、当該キレート樹脂再生排水中の硬度成分とアルカリ剤とが反応して生成する不溶物による濁りを光学的手段で検知することによって、当該キレート樹脂再生排水を硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画する。
上記の比濁法による分画方法は、「塩酸工程排水」中の硬度成分の流出が始まる通液倍量と硬度成分の流出が終わる通液倍量とを簡単に検知する方法であり、当該排水の分画を的確に行うことが出来る。しかも、硬度成分の流出が始まる通液倍量と硬度成分の流出が終わる通液倍量が再生サイクル毎に変動しても、硬度成分の流出が始まる時点と終わる時点を的確に捉えることが出来る。従って、上記の分画方法を採用することによって、排水の回収率を高く維持できると共に、実質的に硬度成分を含まない画分(B)への硬度成分の混入の危険を防止することが出来る。
なお、電気伝導率、pH、屈折率、イオン電極法による硬度の測定では、共存物質の妨害によって、硬度成分の流出が始まる通液倍量と硬度成分の流出が終わる通液倍量とを的確に検知することは容易ではない。しかし、濁りを光学的手段で検知する上記の方法ではこのような問題はない。
図3は上記の比濁法による分画方法の一例を示す説明図である。図3に示す方法では、次のようにして「塩酸工程排水」の分画を行う。キレート樹脂処理工程におけるキレート樹脂塔(1)の底部から下方に伸びるキレート樹脂再生排水管(2)から流出する排水(塩酸工程排水)は、槽(3)に集められた後、配管(4)を経由し、配管(4a)又は(4b)通して抜出される。そして、槽(3)に集められた排水の一部は、比濁法の試料排水として、ポンプ(5)により配管(6)を通して一定流量で抜出され、配管(7)から添加されるアルカリ水溶液と共にスターティックミクサー(8)に供給される。そして、十分混合された後、濁度計(9)に供給され、排水中の硬度成分とアルカリ剤とが反応して生成する不溶物による濁度が測定される。なお、アルカリ水溶液は、タンク(7a)に収容されており、ポンプ(7b)により定量的に取出される。また、符号(V)は電磁バルブを表す。
そして、配管(4)の排水は、濁度計(9)の濁度が設定値超過であれば、配管(4a)を通して硬度成分を含む画分(A)として回収され、濁度計(9)の濁度が設定値以下であれば、配管(4b)を通して実質的に硬度成分を含まない画分(B)として回収される。上記の切替は、図示していないが、濁度計(9)からの信号を操作盤で受け、操作盤から弁(V)に信号を送ることによって自動的に行う。
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリが好適であり、キレート樹脂の塩形変換にも使用する水酸化ナトリウムがより好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、試料排水が主として塩酸を含む第三の流出画分の場合でも、アルカリ水溶液と混合後の試料排水がアルカリ性を維持できるような濃度とする。「塩酸工程排水」中にマグネシウムイオン及びカルシウムイオンが一定濃度以上含まれていると、これらの硬度成分が上記アルカリ剤と反応して不溶性の水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを生成し水の濁りが増加するので、これを濁度計などの光学的手段で検出することによって、「塩酸工程排水」を硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画することが出来る。上記以外のアルカリ剤、例えば炭酸ナトリウムを使用しても不溶性塩を形成することが出来るが、試料排水が主として塩酸を含む第三の流出画分の場合、混合の際に炭酸ガスの気泡が発生して濁りの光学的検出を妨げることがあるので、炭酸ナトリウムを使用する場合には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムと混合して使用するとよい。
濁度計は、フローセルを有して水の濁りを連続して測定でき、濁度0〜100度を検出できるものを使用する。濁度が100度を超える場合には、アルカリ水溶液を連続注入でなく、間欠的に添加して添加量を減らしてもよい。
なお、一般に、「塩酸工程排水」以外の排水には実質的に硬度成分が含まれないので、硬度成分の有無を監視する必要性は低いが、上記の比濁法は、「塩酸工程排水」以外のキレート樹脂再生工程の排水中の硬度成分の有無を監視する手段として使用することが出来る。
(水酸化ナトリウム薬注工程)及び(水酸化ナトリウム押出工程):
水酸化ナトリウム薬注工程では、2〜15%程度の濃度の水酸化ナトリウムを上降流でSV2〜10h−1程度で通液し、キレート樹脂のH形からNa形への塩形変換を行う。水酸化ナトリウムの使用量は、キレート樹脂の酸吸着容量によって異なるが、通常、100%水酸化ナトリウムとして樹脂1リットル当り50〜150g程度である。次いで、水酸化ナトリウム押出工程では、キレート樹脂層に純水を上向流でSV2〜10h−1程度でキレート樹脂量の1〜4倍程度流し、キレート樹脂層中の水酸化ナトリウムを純水で押し出す。水酸化ナトリウムの薬注および押出は、通常、常温で行う。なお、水酸化ナトリウムの薬注および押出時の排水は、キレート樹脂塔内の薬注管を排水管として使用して抜き出す。従って、キレート樹脂塔の排水管より上方には空気が入った状態で薬注および押出を行う。本工程の排水は、全量、実質的に硬度成分を含まない画分(B)に含める
(水−ブライン置換工程)及び(液張工程):
水−ブライン置換工程では、上記薬注管を通し、精製ブラインをキレート樹脂層中に下降流でSV2〜10h−1程度で樹脂量の1〜3倍程度流し、キレート樹脂層内の水をブラインに置換する。置換は、ブラインの温度、すなわち、通常、40〜80℃程度で行う。最後に、キレート樹脂塔の塔頂部から精製ブラインを供給し、キレート樹脂塔内の薬注管から上の部分に精製ブラインを満たし、再生を終了する。この液張りの温度は、ブラインの温度、すなわち、通常、40〜80℃程度で行う。上記の再生を終了したキレート樹脂塔は、通液工程に戻される。本工程の排水は、全量、実質的に硬度成分を含まない画分(B)に含める
<電解工程(40)>
電解工程(40)は主としてイオン交換膜方式の電解槽にて構成されている。電解槽は、イオン交換膜からなる隔膜により陰極室と陽極室とに分けられている。ライン(31)から供給された精製ブラインは常法に従って電解処理される。陰極室で生成した水酸化ナトリウム及び水素ガスは夫々ライン(図示せず)を経て排出され回収される。一方、陽極室で生成した塩素ガスはライン(図示せず)を経て排出され回収される。電解によりブライン中の塩化ナトリウムの約50%及び水の約20%が消費され、残ったブライン(淡ブライン)は、ライン(41)を経て原塩溶解槽(10)へ循環される。淡ブライン中には塩化ナトリウムが約180〜200g/L、芒硝(硫酸ナトリウム)が約6〜12g/L溶解している。また、塩素も溶解している。
<脱塩素工程(50)>
脱塩素工程(50)においては、淡ブライン中に溶解している塩素を除去する。淡ブライン中の塩素の除去方法としては、真空脱塩素塔を使用する方法、エアレーション塔を用いる方法、真空脱塩素塔とエアレーション塔とを併用する方法などがある。例えば、エアレーション塔を用いる方法では、エアレーション塔にライン(41)から淡ブラインを供給してエアーレーションを行い淡ブラインから塩素を除去する。除去された塩素ガスはライン(図示せず)を経て排出され回収される。
<脱芒硝工程(60)>
脱芒硝工程(60)においては、淡ブライン中に溶解している芒硝を除去する。具体的には、脱芒硝工程の分離塔にライン(61)から淡ブラインの一部を供給して処理する。脱芒硝工程の分離塔としては、例えば、特開平7−3485号公報に示されているように、陰イオン交換基と陽イオン交換基とを有し、これら両イオンが内部塩を形成している両性イオン交換体が充填されている分離塔が使用できる。すなわち、両性イオン交換体を充填した分離塔に淡ブラインを供給し、次いで、溶離水を供給するクロマト分離操作を繰り返し行い、当該クロマト分離操作により、主として芒硝および塩素酸ナトリウムを含む流出画分と、主として塩化ナトリウムを含む流出画分とに分離する。主として芒硝および塩素酸ナトリウムを含む流出画分は、脱芒硝排水として系外へ排出し、主として塩化ナトリウムを含む流出画分は、ライン(62)及び(51)を介して原塩溶解工程(10)へ循環する。溶離水としては、軟水または純水が好適に使用される。
脱芒硝工程において、淡ブライン中の芒硝は、完全に除去する必要はなく、電解の障害にならない濃度以下に維持されればよい。少なくとも、新たに添加される原塩に伴う芒硝量を除くことにより、飽和ブラインへの芒硝の更なる蓄積を阻止すればよい。
また、脱芒硝工程としては、上記の方法の他、ナノ濾過膜を使用して芒硝を除去する工程を採用することも出来、硫酸イオン(芒硝)を含む水がナノ濾過膜の濃縮水として排出される。ブラインのナノ濾過の具体的方法としては特許第3256545号公報に記載された方法がある。
更に、脱芒硝工程としては、両性イオン交換体やナノ濾過膜を使用する方法以外に、単に淡ブラインの一部を系外にパージする工程を採用することも出来、パージされた淡ブラインは硫酸イオン(芒硝)を含む。
<排水回収工程(70)>
本発明は、上記の様な塩化ナトリウム水溶液の電解方法において、キレート樹脂処理工程から排出されるキレート樹脂再生排水を、硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画し、実質的に硬度成分を含まない画分(B)にpH調節を行って原塩溶解工程に循環し原塩の溶解水として使用する排水回収工程を設けたことを特徴とする。
上記の硬度成分を含む画分(A)は、キレート樹脂処理工程(30)のライン(32)から系外へ排出され、一方、実質的に硬度成分を含まない画分(B)は、ライン(33)から排出され、排水回収工程へ送られる。
排水回収工程においては、実質的に硬度成分を含まない画分(B)のpH調節は、具体的には、撹拌混合槽を使用し、ライン(33)から排出される実質的に硬度成分を含まない画分(B)にpH調節剤を添加して撹拌混合することにより行う。pH調節剤としては一般に塩酸及び/又は水酸化ナトリウムが使用され、pHは4〜9の範囲に調節される。
硬度成分を含む画分(A)を含めて排水を回収しようとすると、硬度成分を除去するために、例えば、アルカリ剤を添加して硬度成分を析出させ、析出した硬度成分を固液分離する設備が必要になるが、上記のように、硬度成分を含む画分(A)を除外して、実質的に硬度成分を含まない画分(B)のみを回収することによって、硬度成分の除去設備を系内に設けることなく、キレート樹脂再生排水の80〜90%程度を回収できるので、キレート樹脂再生排水の回収設備が経済的となり、その運転管理も容易となる。
なお、実質的に硬度成分を含まない画分(B)を、更に、主として塩酸を含む画分と主として水酸化ナトリウムを含む画分とに分画し、キレート樹脂の再生に使用することも出来る。また、これらの塩酸や水酸化ナトリウムは、上記の排水回収工程におけるpH調節剤として使用することも出来る。図示した例においては、硬度成分を含む画分(A)は系外へ排出されているが、硬度成分を除去して用水として使用することも出来る。
本発明は、前記のようにして実施されるが、以下に、本発明の特徴をなす部分、すなわち、<キレート樹脂処理工程>及び<排水回収工程>についての実施例を示す。また、以下に述べる実施例では、<キレート樹脂処理工程>の通液・再生1サイクルのキレート樹脂再生排水について、<排水処理工程>を実施した。
実施例1:
<原塩溶解工程>
塩化ナトリウム濃度が300g/Lとなるように、純水に原塩(塩化ナトリウム:96.9%、Ca:0.056%、SO4:0.163%)、芒硝および塩素酸ナトリウムを溶解し、pH6.0の粗ブライン500リットルを調製した。得られた粗ブラインの濁度は1.0度であり、粗ブライン中の硬度成分濃度は、Ca:50.5mg/L、Mg:4.2mg/L、Sr:4.2mg/L、芒硝6.0g/L及び塩素酸ナトリウム6.0g/Lであった。なお、Ca、Mg、SrはICP−発光分析法で、硫酸イオン及び塩素酸イオンはイオンクロマトグラフ法で、ナトリウムはフレーム光度法で、それぞれ定量した。
<濾過工程>
上記の粗ブライン100Lに対し、塩化第二鉄の0.1%水溶液をFe10mg/Lの割合で添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調節した。得られた粗ブラインの濁度は6.0度となった。次いで、この粗ブラインをセラミック濾過膜装置で処理し、濁度0.1度以下の粗ブラインを得た。濁度は積分球式濁度計(三菱化学株式会社製「SEP−PT−706D」)を使用して測定した。また、セラミック濾過膜装置としては株式会社クボタ製「フィルセラ」(膜種類:精密濾過膜(MF)、公称孔径:0.1μm)を使用し、処理方式としては槽浸漬方式セラミック膜濾過法を採用した。
<キレート樹脂処理工程>
次いで、イミノジ酢酸型の均一粒径キレート樹脂(三菱化学(株)製「ダイヤイオンUCR12」)250mLを充填したジャケット式ガラスカラム(内径15mmφ、高さ2000mmH)をキレート樹脂塔とし、これに、温度60℃、SV15h−1、下向流、破過点:ストロンチウム50μg/Lの条件下、上記の粗ブラインを供給して処理した。処理ブライン量は47.2Lであった。
キレート樹脂の再生は次の様に行った。
(ブライン−水置換工程):
先ず、通液終了後のキレート樹脂塔に、SV3.2h−1、温度25℃の純水を下向流で52分間供給し、キレート樹脂塔内のブラインを純水に置換した。なお、逆洗工程および逆洗に伴って必要となる沈静工程は、キレート樹脂塔の径が小さいため、実施せずに次工程に進んだ。
(塩酸薬注工程)、(塩酸押出工程)及び(水抜工程):
次いで、SV3.2h−1、温度25℃の条件下、キレート樹脂層に4%塩酸を下向流で37分間供給し、吸着された硬度成分を脱離させてキレート樹脂をH形に再生した。続いて、SV3.2h−1、温度25℃の条件下、純水を下向流で50分間供給し、キレート樹脂層中の酸を水で押し出した。その後、キレート樹脂塔の塔頂部よりキレート樹脂塔内に空気を導入し、キレート樹脂塔内の水位を、キレート樹脂層上面の上方100mmの高さに設置した薬注管の位置まで下げた。
(水酸化ナトリウム薬注工程)及び(水酸化ナトリウム押出工程):
次いで、SV3.2h−1、温度25℃の条件下、5%水酸化ナトリウムを上向流で25分間供給し、キレート樹脂をH形からNa形に変換した。続いて、SV3.2h−1、温度25℃の条件下、純水を上向流で68分間供給し、キレート樹脂層中の水酸化ナトリウムを水で押し出した。
(水−ブライン置換工程)及び(液張工程):
次いで、SV3.2h−1、温度60℃の精製ブラインを下向流で47分間供給し、水を精製ブラインで置換した。続いて、SV15h−1、温度60℃の精製ブラインを下向流で2分間供給し、カラム内のキレート樹脂層上部空間を精製ブラインで満たし、再生を終了した。
ここで、キレート樹脂再生排水の分画について述べる。
<キレート樹脂処理工程>の(塩酸薬注工程)、(塩酸押出工程)及び(水抜工程)を行う際におけるキレート樹脂塔からの流出液中のナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)及び塩酸(HCl)の各濃度と通液倍量(樹脂量と通液量の比率)との関係は、図4に示す通りであった。
そこで、硬度成分の流出が始まる通液倍量と硬度成分の流出が終わる通液倍量が再生サイクル毎の変動を考慮して、流出液を、主として塩化ナトリウムを含む第一の流出画分0.8倍量(0.20L)、主として硬度成分をを含む第二の流出画分2.0倍量(0.50L)、及び、主として塩酸を含む第三の流出画分2.2倍量(0.54L)とに分画した。第一流出画分から第三流出画分の合計は5.0倍量(1.24L)であり、硬度成分を含む第二の流出画分0.50Lはこのうちの40%、実質的に硬度成分を含まない第一と第三の流出画分の和0.74Lはこのうちの60%であった。
また、実質的に硬度成分を含まない第一と第三の流出画分の混合水の水質は、Ca:1mg/L、Mg:0.5mg/L、Sr:0.5mg/L、濁度は0.5度であり、実質的に硬度成分を含まないこの他のキレート樹脂再生工程の排水と合わせて原塩の溶解水として支障のない水質であった。
上述のように分画された第二の流出画分を硬度成分含有画分(A)とし、また、第一と第三の流出画分をこの他のキレート樹脂再生工程の排水と合せて実質的に硬度成分を含まない画分(B)とした。キレート樹脂再生排水は、こうして硬度成分含有画分(A)0.50Lと、実質的に硬度成分を含まない画分(B)3.3Lに分画された。
次いで、実質的に硬度成分を含有しない画分(B)3.3Lを容量5Lのプラスチック製ビーカーに入れ、室温で、25%水酸化ナトリウムを添加して撹拌混合し、pHを7に調節して回収水を得た。回収水量は3.3Lであり、キレート樹脂再生工程の全排水量3.8Lの87%を回収することが出来た。
一方、pH調節後の回収水の水質は、Ca:1mg/L、Mg:0.5mg/L、Sr:0.5mg/L、濁度は0.5度であり、原塩の溶解水として支障のない水質であった。なお、上記の排水回収工程は室温で行った。
実施例2:
本実施例では、実施例1と同じ条件で<キレート樹脂処理工程>及びキレート樹脂の再生工程を行い、「塩酸工程排水」の分画方法として、図3に示した比濁法による分画方法を採用して、「塩酸工程排水」の分画を行った。なお、排水の分画には三方弁を使用した。分画結果を図4に示した。
「塩酸工程排水」の分画は、次のように行った。キレート樹脂再生排水管に接続したサンプリング配管に取り付けたサンプリングポンプで試料排水を流量6mL/minで送液した。一方、アルカリ水溶液槽に貯留した80g/L水酸化ナトリウム水溶液をアルカリポンプで流量6mL/minで送液して前記試料排水に添加してスタティックミキサーで混合した。混合した試料排水の濁度は、フローセルを取付けた積分球式濁度計(三菱化学株式会社製「SEP−PT−706D」)濁度計で測定し、濁度が10度以上であれば、前記「塩酸工程排水」をキレート樹脂再生排水管に取り付けた三方弁を通して硬度成分を含む画分(A)の配管に流した。また、濁度が10度未満であれば、前記「塩酸工程排水」を前記三方弁を通して実質的に硬度成分を含まない画分(B)の配管に流した。
上述の操作によって分画された試料排水を除く各画分は、主として塩化ナトリウムを含む第一の流出画分0.15L、主として硬度成分を含む第二の流出画分0.21L、及び、主として塩酸を含む第三の流出画分0.33Lであった。なお、本実施例2では、装置の規模が小さいので、試料排水の量は、「塩酸工程排水」の45%に達したが、実装置では試料排水の量は無視できる量である。
そこで、試料排水量をゼロと仮定して算出した排水量、通液倍量および水回収率を以下に示した。「塩酸工程排水」の主として塩化ナトリウムを含む第一の流出画分0.27L、主として硬度成分をを含む第二の流出画分0.38L、及び、主として塩酸を含む第三の流出画分0.59L、これらを通液倍量で表すと、各々、1.1、1.5、2.4倍量となった。また、第一流出画分から第三流出画分の合計は1.24Lであり、硬度成分を含む第二の流出画分0.38Lはこのうちの31%、実質的に硬度成分を含まない第一と第三の流出画分の和0.86Lはこのうちの69%であった。本実施例2では、実施例1よりも、実質的に硬度成分を含まない画分を9ポイント多く回収できた。また、キレート樹脂再生排水量の合計3.80Lに対して、実質的に硬度成分を含まない画分(B)は3.42Lとであり、排水回収率は約90%であった。
一方、本実施例2で得た実質的に硬度成分を含まない第一の流出画分0.15Lと第三の流出画分0.33Lとの混合排水0.48Lに、塩酸薬注・押出・水抜工程以外のキレート樹脂再生小工程の排水1.42L(試料排水相当分を減じた排水量)を混合した後、pHを7に調節して得た回収水の水質は、実施例1と同等であり、原塩の溶解水として支障のない水質であった。
本発明の電解方法の好ましい一例を示す工程説明図 本発明のキレート樹脂再生工程:塩酸薬注・押出・水抜工程の流出液中の各成分濃度と通液倍量との関係図 比濁法による分画方法の一例を示す説明図 実施例1のキレート樹脂再生工程:塩酸薬注・押出・水抜工程の流出液中の各成分濃度と通液倍量との関係図 実施例2のキレート樹脂再生工程:塩酸薬注・押出・水抜工程の流出液中の各成分濃度と通液倍量との関係図
符号の説明
1 :キレート樹脂塔
2 :キレート樹脂再生排水管
3 :槽
4 :配管
5 :ポンプ
6 :配管
7 :配管
8 :スターティックミクサー
9 :濁度計
7a:タンク
7b:ポンプ
10:原塩溶解工程
20:濾過工程
30:キレート樹脂処理工程
40:電解工程
50:脱塩素工程
60:脱芒硝工程
70:排水回収工程

Claims (2)

  1. 原塩溶解工程、濾過工程、キレート樹脂処理工程、イオン交換膜方式の電解工程、脱塩素工程および脱芒硝工程を含む塩化ナトリウム水溶液の電解方法において、キレート樹脂処理工程から排出されるキレート樹脂再生排水を、硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画し、実質的に硬度成分を含まない画分(B)にpH調節を行って原塩溶解工程に循環し原塩の溶解水として使用する排水回収工程を設けたことを特徴とする塩化ナトリウム水溶液の電解方法。
  2. 前記キレート樹脂再生排水にアルカリ剤を添加し、当該キレート樹脂再生排水中の硬度成分とアルカリ剤とが反応して生成する不溶物による濁りを光学的手段で検知することによって、当該キレート樹脂再生排水を硬度成分を含む画分(A)と実質的に硬度成分を含まない画分(B)とに分画する、請求項1記載の電解方法。
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CN104532283A (zh) * 2014-12-17 2015-04-22 济宁金威煤电有限公司 一种淡盐水代替部分精盐水电解制烧碱的方法及装置
CN107971047A (zh) * 2017-11-27 2018-05-01 安徽金禾实业股份有限公司 一种工业软水酸碱再生液循环使用方法及装置

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