JP3894398B2 - 純水製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、純水製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、発電所用水、医薬品用水、液晶や半導体の製造工場の用水などの高純度の水質を有する純水を、使用薬剤量を節減して効率的に製造することができる純水製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
逆浸透膜を使用して、純水を得る方法はよく知られている。最近になって、逆浸透膜の給水に酸又はアルカリを添加してpHを調整し、特にシリカやホウ素の濃度を低減した純水を得る方法が発明されている。
ところが、給水のpHを高めた場合、給水中にカルシウムなどの硬度成分が多く含まれ、かつ炭酸の濃度が高い場合には、膜面にスケールの付着などが生じて、透過水量を減少させるのみならず、イオン除去性能を低下させるなどの問題が生ずる。このために、逆浸透膜装置の前段に脱気塔を設けて炭酸成分を低減させたり、カチオン交換樹脂を充填した軟化器を設けて硬度成分を低減させることが行われる。
軟化器に充填したカチオン交換樹脂をH型として用いる場合には、処理水のpHは低くなるので、後段の脱気塔での炭酸除去効率を向上することができる。カチオン交換樹脂をH型とする場合には、再生薬剤として塩酸や硫酸などの強酸を使用する必要があるために、酸廃液が発生する。したがって、カチオン交換樹脂を充填した軟化器を、硬度成分の除去のみに使用する場合には、カチオン樹脂をNa型とすることが多い。
硬度成分の除去を目的としてカチオン交換樹脂を充填した軟化器を設ける場合には、充填するカチオン交換樹脂はH型とすることも、Na型とすることもできるが、後段の脱気塔における脱気効率や、逆浸透膜装置へのイオン負荷を考慮すると、なるべくH型として使用することが好ましい。しかし、カチオン交換樹脂をH型とすると、再生排液として発生する酸が問題となる。このために、イオン交換樹脂の再生に使用する薬剤量を減少し、経済的かつ効率的に高純度の純水を製造することができる純水製造方法が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発電所用水、医薬品用水、液晶や半導体の製造工場の用水などの高純度の水質を有する純水を、使用薬剤量を節減して効率的に製造することができる純水製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原水をカチオン交換樹脂を充填した軟化器に通して多価カチオンを除去したのち脱炭酸し、さらにpH9.5以上に調整して逆浸透膜分離装置に通水して透過水と濃縮水とに分離し、透過水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔とアニオン交換塔に通水して純水を製造する方法において、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を軟化器に通液して充填されたカチオン交換樹脂を再生し、さらに、逆浸透膜分離装置の濃縮水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液と混合して中和することにより、使用する薬剤量を大幅に減少し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)原水を、カチオン交換樹脂を充填した軟化器に通して多価カチオンを除去したのち脱炭酸し、さらにpH9.5以上に調整して逆浸透膜分離装置に通水して透過水と濃縮水とに分離し、透過水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔とアニオン交換塔に通水して純水を製造する方法において、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を軟化器に通液して前記カチオン交換樹脂及び軟化器を再生した後、前記カチオン交換樹脂に純水を洗浄水として通水し、該カチオン交換樹脂に通水した洗浄水を前記軟化器に通水することを特徴とする純水製造方法、及び
(2)逆浸透膜分離装置の濃縮水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液と混合して中和することを特徴とする第(1)項に記載の純水製造方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、本発明の純水製造方法の実施に用いる装置の一態様の構成図であり、図1(b)は、本発明の純水製造方法におけるイオン交換樹脂の再生方法の一態様を示す工程系統図である。本態様の純水製造装置は、前処理装置1、カチオン交換樹脂を充填した軟化器2、脱気装置3、逆浸透膜分離装置4及びイオン交換装置5を直列に連結したものである。本発明方法においては、前処理装置を設け、必要に応じて原水を前処理することができる。前処理方法に特に制限はなく、例えば、限外ろ過、精密ろ過などを行うことができる。
本発明方法においては、原水をカチオン交換樹脂を充填した軟化器2に通すことにより、カルシウム、マグネシウムなどの多価カチオンを除去する。軟化器に充填したカチオン交換樹脂は、H型、Na型のいずれともすることができるが、イオンリークを抑えて逆浸透膜分離装置へのイオン負荷を軽減するためには、H型として使用することが好ましい。
軟化器に通水して多価イオンを除去した処理水は、次いで脱気装置3において脱炭酸を行う。脱気装置に特に制限はなく、例えば、脱気膜を用いた脱炭酸装置、減圧脱気塔などを用いることができる。多価イオンを除去した処理水には、必要に応じて酸を添加し、pHを調整する。処理水を酸性にすることにより、水中の炭酸イオンを遊離の炭酸とし、
2CO3 → CO2 + H2
にしたがって脱炭酸することができる。
【0006】
脱気塔において脱炭酸された処理水は、pHを9.5以上に調整し、逆浸透膜分離装置4に供給する。pHの調整方法に特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤を添加することができ、あるいは、強塩基性アニオン交換樹脂と接触させることもできる。逆浸透膜分離装置に用いる逆浸透膜は、耐アルカリ性であって、長期的にpH10以上となっても劣化を受けないものであることが好ましい。この場合、供給されるアルカリ性の水のpHよりも、濃縮水の方がpHが高くなるので、濃縮水のpHを考慮して耐アルカリ性逆浸透膜を選択する必要がある。このような耐アルカリ性逆浸透膜としては、例えば、pH11まで長期耐久性のあるものとして市販されている Film Tec社製の FILMTEC type FT30などや、pH10まで長期耐久性のあるものとして市販されている日東電工(株)製のES20、ES10、NTR759、東レ(株)製のSU700などを挙げることができる。逆浸透膜分離装置は、1段又は多段に設けることができる。
逆浸透膜分離装置の透過水中に含まれるイオンは、過剰量の水酸化ナトリウムなどのアルカリと、微量のシリカとホウ素がほとんどである。逆浸透膜分離装置で除去されずに漏洩したこれらのイオンは、逆浸透膜分離装置の透過水を後段のイオン交換装置に通水することにより除去する。イオン交換装置に特に制限はなく、例えば、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を混合状態で充填した混床式イオン交換装置とすることができ、あるいは、カチオン交換塔とアニオン交換塔を別個に連続して設置することもできる。カチオン交換塔とアニオン交換塔の設置順序に特に制限はなく、カチオン交換塔−アニオン交換塔の順とすることも、アニオン交換塔−カチオン交換塔の順とすることもできる。
【0007】
イオン交換樹脂は、一定量の採水を経たのち、カチオン交換樹脂には酸を、アニオン交換樹脂にはアルカリの薬剤を通水することにより再生を行う。一般的なイオン交換装置では、この再生排液中には様々なイオンが含まれており、塩の形態となっている場合もある。しかし、本発明方法においては、逆浸透膜分離装置でほとんどのイオンが除去されるので、水酸化ナトリウムの添加によりpH調整を行った場合には、カチオン交換樹脂への負荷のほとんどはナトリウムイオンであり、アニオン交換樹脂への負荷のほとんどはシリカ及びホウ素である。したがって、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂を塩酸を用いて再生を行うと、再生排液中に含まれるイオンは、ナトリウムイオン(Na+)と、塩化物イオン(Cl-)がほとんどである。すなわち、再生排液は、HClとNaClの混合溶液である。
本発明方法においては、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を、カチオン交換樹脂を充填した軟化器に通液する。軟化器に充填されたカチオン交換樹脂は、採水時には次式に示すイオン交換反応により水中のカルシウムなどの多価イオンを除去する。
{R−H + R−Na}+ Ca2+ → R2−Ca + H+ + Na+
混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液は、上述のごとくHClとNaClの混合溶液であるので、この再生排液を軟化器に通液することにより、次式に示すイオン交換反応により、軟化器に充填したカチオン交換樹脂を再生することができる。
2−Ca + HCl + NaCl → {R−H + R−Na}+ CaCl2
【0008】
すなわち、本発明方法によれば、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を、カチオン交換樹脂を充填した軟化器の再生液として利用し、軟化器中のカチオン交換樹脂の大部分をH型に、また一部は少なくともNa型に効率よく転換することができる。したがって、従来のごとく軟化器専用の再生薬剤を使用する必要がなく、再生薬剤の使用量を節減することが可能となる。
また、本発明方法における逆浸透膜分離装置の濃縮水は、アルカリ排液となって排出される。本発明方法においては、この濃縮水の一部を原水として再利用し、残余の濃縮水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液と混合して中和する。逆浸透膜分離装置の濃縮水は、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液と直接混合して中和することができ、あるいは、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を軟化器に通液したのち排出される排液と混合して中和することもできる。本発明方法によれば、逆浸透膜分離装置の濃縮水と混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液と混合して中和するので、新たな中和剤を使用する必要がなく、薬剤の使用量を節減することが可能となる。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
図1(a)に示す構成の純水製造装置を用い、図2に示す再生方法により純水の製造を行った。使用した装置は、限外ろ過による前処理装置1、陽イオン交換樹脂[三菱化学(株)製、DIAION SK1B、200リットル]を充填した軟化器2、減圧式の脱気装置3、耐アルカリ性逆浸透膜[Film Tec社製、FILMTEC type FT30]を備えた逆浸透膜分離装置4及びカチオン交換樹脂[バイエル(株)製、Lewatit SP112、100リットル]とアニオン交換樹脂[バイエル(株)製、Lewatit M500、100リットル]を充填した混床式イオン交換装置5をこの順に直列に連結したものである。この装置に、pH6.8〜7.3、電気伝導率150μS/cm、カルシウム濃度15mg/リットルの原水を、5.6m3/hrで通水した。軟化器を通過した水の水質は、pH3〜4、電気伝導率150〜200μS/cm、カルシウム濃度100〜200μg/リットルであった。脱気装置において脱炭酸した水に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.3に調整し、逆浸透膜分離装置に供給した。逆浸透膜分離装置の透過水の量は5.0m3/hrであり、水質は、pH9.7〜10.0、電気伝導率20〜30μS/cm、カルシウム濃度10μg/リットル以下であった。混床式イオン交換装置を通過して得られた純水の水質は、pH7、比抵抗17MΩ・cm以上、カルシウム濃度1μg/リットル以下であった。
純水830m3を製造したのち、混床式イオン交換装置及び軟化器の再生を行った。混床式イオン交換装置に充填したカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を水力分級し、カチオン交換樹脂は下部より5重量%塩酸を樹脂1リットル当たりHCl100gとなるよう通液し、アニオン交換樹脂は上部より4重量%水酸化ナトリウム水溶液を樹脂1リットル当たりNaOH100gとなるように通液して再生した。カチオン交換樹脂の再生排液は、全量を軟化器に通液して、充填したカチオン交換樹脂を再生した。軟化器より排出される排液は、逆浸透膜分離装置の濃縮水と混合して中和した。
次いで、混床式イオン交換装置及び軟化器の洗浄を行った。混床式イオン交換装置は流出する水の比抵抗が15MΩ・cm以上になるまで純水を通水し、軟化器は流出する水の電気伝導率が10μS/cm以下になるまで混床式イオン交換装置の洗浄水を通水した。洗浄に用いた純水の量は、1.1m3であった。
洗浄終了後、同じ原水を5.6m3/hrで通水して、純水の製造を再開した。各工程における水質は初回と同じであり、得られた純水の水質も、pH7、比抵抗17MΩ・cm以上、カルシウム濃度1μg/リットル以下で、同様に初回と同じであった。この状態で、次回の再生まで、純水830m3を製造することができた。
比較例1
実施例1に用いた図1(a)に示す構成の純水製造装置は、操業当初は図3に示す再生方法、すなわち塩化ナトリウム水溶液を用いて軟化器の再生を行い、純水を製造していた。
原水の水質は、実施例1と同じ、pH6.8〜7.3、電気伝導率150μS/cm、カルシウム濃度15mg/リットルであり、通水速度も実施例1と同じ5.6m3/hrであった。この再生方式では、純水700m3を製造したのちに、混床式イオン交換装置と軟化器の再生を行った。
混床式イオン交換装置に充填したカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を水力分級し、カチオン交換樹脂は下部より5重量%塩酸を樹脂1リットル当たりHCl100gとなるよう通液し、アニオン交換樹脂は上部より4重量%水酸化ナトリウム水溶液を樹脂1リットル当たりNaOH100gとなるように通液して再生した。軟化器には、10重量%塩化ナトリウム水溶液を樹脂1リットル当たりNaCl150gとなるよう通液して、充填したカチオン交換樹脂をNa型に再生した。さらに、混床式イオン交換装置は流出する水の比抵抗が15MΩ・cm以上になるまで純水を通水し、軟化器は流出する水の電気伝導率が10μS/cm以下になるまで純水を通水して洗浄した。洗浄に用いた純水の量は、1.6m3であった。
純水の製造において、軟化器を通過した水の水質は、pH7.0〜7.5、電気伝導率120〜150μS/cm、カルシウム濃度300〜500μg/リットルであった。脱気装置を通した水に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.3に調整し、逆浸透膜分離装置に供給した。逆浸透膜分離装置の透過水の量は5.0m3/hrであり、水質は、pH9.7〜10.0、電気伝導率20〜25μS/cm、カルシウム濃度10μg/リットル以下であった。混床式イオン交換装置を通過して得られた純水の水質は、pH7、比抵抗17MΩ・cm以上、カルシウム濃度1μg/リットル以下であった。
比較例2
その後、実施例1に用いた図1(a)に示す構成の純水製造装置の再生方法を図4に示す方式、すなわち塩酸を用いて軟化器の再生を行う方法に変更して純水を製造した。
原水の水質は、実施例1と同じ、pH6.8〜7.3、電気伝導率150μS/cm、カルシウム濃度15mg/リットルであり、通水速度も実施例1と同じ5.6m3/hrであった。この再生方式では、純水850m3を製造したのちに、混床式イオン交換装置と軟化器の再生を行った。
混床式イオン交換装置に充填したカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を水力分級し、カチオン交換樹脂は下部より5重量%塩酸を樹脂1リットル当たりHCl100gとなるよう通液し、アニオン交換樹脂は上部より4重量%水酸化ナトリウム水溶液を樹脂1リットル当たりNaOH100gとなるように通液して再生した。軟化器には、5重量%塩酸を樹脂1リットル当たりHCl50gとなるよう通液して、充填したカチオン交換樹脂をH型に再生した。さらに、混床式イオン交換装置は流出する水の比抵抗が15MΩ・cm以上になるまで純水を通水し、軟化器は流出する水の電気伝導率が10μS/cm以下になるまで純水を通水して洗浄した。洗浄に用いた純水の量は、2.0m3であった。
純水の製造において、軟化器を通過した水の水質は、pH2.8〜3.3、電気伝導率170〜200μS/cm、カルシウム濃度50〜100μg/リットルであった。脱気装置を通して脱炭酸した水に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.3に調整し、逆浸透膜分離装置に供給した。逆浸透膜分離装置の透過水の量は5.0m3/hrであり、水質は、pH9.7〜10.0、電気伝導率25〜35μS/cm、カルシウム濃度10μg/リットル以下であった。混床式イオン交換装置を通過して得られた純水の水質は、pH7、比抵抗17MΩ・cm以上、カルシウム濃度1μg/リットル以下であった。
実施例1及び比較例1〜2の薬剤と洗浄水の使用量及び樹脂再生1回当たりの純水製造量を第1表に、各工程ごとの水量及び水質を第2表に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0003894398
【0011】
【表2】
Figure 0003894398
【0012】
第1表に見られるように、混床式イオン交換装置のカチオン交換樹脂の再生排液を軟化器に通液し、充填したカチオン交換樹脂を再生した実施例1では、塩化ナトリウム水溶液又は塩酸を用いて軟化器を再生した比較例1及び比較例2に比べて、再生用薬剤の使用量が少ないので、使用薬剤量の節減を図るとともに、薬剤の廃棄量も減少することができる。また、実施例1では、軟化器に充填したカチオン交換樹脂のH型比率が高くなるために、塩化ナトリウム水溶液を用いて再生した比較例1に比べて採水量が大きく、採水時間を長くして樹脂再生1回当たりについての純水製造量を増加することができる。また、軟化器の再生に使用した酸性の再生排液を、逆浸透膜分離装置の濃縮水の中和に用いることにより、薬剤の使用量をさらに減少することができる。
第2表に見られるように、実施例1において、軟化器通過水のカルシウム濃度は、塩酸を用いて再生した比較例2の軟化器通過水のカルシウム濃度より高いが、塩化ナトリウム水溶液を用いて再生した比較例1の軟化器通過水のカルシウム濃度より低く、逆浸透膜分離装置及び混床式イオン交換装置で処理することにより、純度が十分に高い純水を得ることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明方法によれば、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を軟化器に通液し、充填したカチオン交換樹脂を再生することにより、再生用薬剤の使用量を節減することができる。また、軟化器に充填したカチオン交換樹脂のH型比率が高くなるために、採水量を大きくとることができる。この結果、軟化器の採水時間を長くしたり、充填するカチオン交換樹脂の量を減らして軟化器を小型化することが可能となる。また、軟化器に充填したカチオン交換樹脂の再生に使用した再生排液を、逆浸透膜分離装置の濃縮水の中和に用いることにより、さらに使用する薬剤量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の純水製造方法の実施に用いる装置の一態様の構成図及びイオン交換樹脂の再生方法の一態様を示す工程系統図である。
【図2】図2は、実施例1における再生方法を示す系統図である。
【図3】図3は、比較例1における再生方法を示す系統図である。
【図4】図4は、比較例2における再生方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 前処理装置
2 軟化器
3 脱気装置
4 逆浸透膜分離装置
5 イオン交換装置

Claims (2)

  1. 原水を、カチオン交換樹脂を充填した軟化器に通して多価カチオンを除去したのち脱炭酸し、さらにpH9.5以上に調整して逆浸透膜分離装置に通水して透過水と濃縮水とに分離し、透過水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔とアニオン交換塔に通水して純水を製造する方法において、混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液を軟化器に通液して前記カチオン交換樹脂及び軟化器を再生した後、前記カチオン交換樹脂に純水を洗浄水として通水し、該カチオン交換樹脂に通水した洗浄水を前記軟化器に通水することを特徴とする純水製造方法。
  2. 逆浸透膜分離装置の濃縮水を混床式イオン交換装置又はカチオン交換塔のカチオン交換樹脂の再生排液と混合して中和することを特徴とする請求項1に記載の純水製造方法。
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