JP6993660B2 - 形質転換体、形質転換体の製造方法、および、当該形質転換体を用いた還元型リン化合物の有無の検出方法 - Google Patents
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Description
(1)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(2)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;または、
(3)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと配列同一性が90%以上のポリヌクレオチドからなり、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
自然界には、リン酸(または、リン酸化合物)が多量に存在する一方で、還元型リン化合物(例えば、亜リン酸、および、次亜リン酸)は、存在しないか、または、存在したとしても非常に少量である。この場合、リン酸には依存せず、かつ、還元型リン化合物に依存して増殖する形質転換体を作製すれば、当該形質転換体は、たとえ自然界に漏れたとしても、自然界では増殖することができない。本発明者は、当該形質転換体は高い封じ込め効果を有するとの着想に至り、当該形質転換体の作製を目指した。
本実施形態の形質転換体は、リン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子、および、リン酸エステル輸送体タンパク質をコードする遺伝子の機能を欠損し、かつ、次亜リン酸輸送体タンパク質(例えば、HtxBCDEタンパク質)、または、HtxABCDEタンパク質をコードする遺伝子が導入されており、リン酸を増殖に利用できず、かつ、還元型リン化合物(例えば、亜リン酸および/または次亜リン酸)を増殖に利用することができることを特徴としている。
(1)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(2)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;または、
(3)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと配列同一性が90%以上のポリヌクレオチドからなり、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(1)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(2)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;または、
(3)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと配列同一性が90%以上のポリヌクレオチドからなり、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(4)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(5)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、リン酸の輸送活性を有するタンパク質;
(6)配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(7)配列番号1で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(8)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(9)配列番号4で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、リン酸の輸送活性を有するタンパク質;
(10)配列番号3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(11)配列番号3で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(12)配列番号23で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(13)配列番号23で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(14)配列番号11で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(15)配列番号11で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(16)配列番号38で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(17)配列番号38で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、リン酸エステルの輸送活性を有するタンパク質;
(18)配列番号37表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(19)配列番号37で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸エステルの輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(20)配列番号40で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(21)配列番号40で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、リン酸エステルの輸送活性を有するタンパク質;
(22)配列番号39で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(23)配列番号39で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸エステルの輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(24)配列番号42で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(25)配列番号42で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、リン酸エステルの輸送活性を有するタンパク質;
(26)配列番号41で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(27)配列番号41で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸エステルの輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(28)配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(29)配列番号15で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質;
(30)配列番号14で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(31)配列番号14で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、亜リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(32)配列番号13で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(33)配列番号13で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、アルカリホスファターゼ活性を有するタンパク質;
(34)配列番号12で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(35)配列番号12で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、アルカリホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
本実施の形態の形質転換体の製造方法は、リン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子、および、リン酸エステル輸送体タンパク質をコードする遺伝子の機能を欠損した宿主に、次亜リン酸輸送体タンパク質(例えば、HtxBCDEタンパク質)をコードする遺伝子、または、HtxABCDEタンパク質をコードする遺伝子を導入する工程を有することを特徴としている。
(1)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(2)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;または、
(3)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと配列同一性が90%以上のポリヌクレオチドからなり、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(1)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(2)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;または、
(3)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと配列同一性が90%以上のポリヌクレオチドからなり、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
本実施の形態の還元型リン化合物の有無の検出方法は、本発明の形質転換体を、検出対象である培地を用いて培養する培養工程と、培養工程における形質転換体の増殖の有無を検出する検出工程と、を有することを特徴としている。
以下の表1に、実施例で用いるタンパク質のアミノ酸配列および塩基配列と、配列番号との対応関係を記載する。
大腸菌にはPitA、PitB、PstSCAB、PhnCDEの4つのリン酸輸送体タンパク質が存在することが知られている。上述した4つのリン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子と、phoAタンパク質をコードする遺伝子と、が破壊されたMT2012株(ΔpitA,ΔpitB,ΔphnC,ΔpstSCABphoU,ΔphoA)が既に作製されている(Motomura, K. et al. Overproduction of YjbB reduces the level of polyphosphate in Escherichia coli: a hypothetical role of YjbB in phosphate export and polyphosphate accumulation. FEMS microbiology letters 320, 25-32, 2011.)。
pitA-fw:5’-aagaattcATGCTACATTTGTTTGCTGGC-3’(配列番号25);
pitA-rv:5’-aaatctagaTTACAGGAACTGCAAGGAGAG-3’(配列番号26);
pitB-fw:5’-aagaattcATGCTAAATTTATTTGTTGGC-3’(配列番号27);
pitB-rv:5’-aaatctagaTTAAATCAACTGCAATGCTATC-3’(配列番号28);
phnCDE-fw:5’-aagaattcATGCAAACGATTATCCGTGTCGAG-3’(配列番号29);
phnCDE-rv:5’-aaatctagaTCAGATAAAGTGCTTACGCAACC-3’(配列番号30);
ptxABC-fw:5’-aagaattcTAGCAGGCGTCTATATTTGGCATAG-3’(配列番号31);
ptxABC-rv:5’-gctctagaGCTTTGGGAGTTATTTGAACTTGCG-3’(配列番号32);
ptxD-fw:5’-aagaattcAATCGGGTTCGAGCTGATGGGCTC-3’(配列番号33);
ptxD-rv:5’-aaatctagaTCGCCACACGCTCCAGATCTATCAC-3’(配列番号34);
htxABCDE-fw:5’-cggtacccggggatcCTAGGAGCATCACCATGTTTGCAGAGC-3’(配列番号35);
htxABCDE-rv:5’-cggtacccggggatcTCAGATCAGCTTGGCGCGGATGCGCGCCTG-3’(配列番号36)。
ptxDpTWV-fw:5’-cacaaggagactgccATGAAGCCCAAAGTCGTCCTC-3’(配列番号43);
ptxDpTWV-rv:5’-cagtttatggcgggcTCACGCCGCCTTTACTCCCGG-3’(配列番号44);
pstSCABタンパク質をコードする遺伝子がクローニングされたプラスミドは、pEP02(Kato J. et al. Genetic Improvement of Escherichia coli for Enhanced Biological Removal of Phosphate from Wastewater. Applied and Environmental Microbiology 59, 3744-3749, 1993.)からEcoRI/HindIII消化によって得られたDNA断片をpMW118のEcoRI/HindIIIサイトにクローニングすることによって作製した。
大腸菌には、無機リン酸を輸送するリン酸輸送体タンパク質(具体的には、PitAタンパク質、PitBタンパク質、PstSCABタンパク質、PhnCDEタンパク質)以外に、リン酸エステル(例えば、グルコース 6-リン酸、またはグリセロール 3-リン酸など)を輸送するリン酸エステル輸送体タンパク質(具体的には、GlpT、UgpB、UhpT)が存在するため、大腸菌は、リン酸エステル化合物をリン源として利用して生育することが可能である。
KEIOクローンの終夜培養液を5mM CaCl2、0.2%グルコースを含む2xYT培地に1.0%植菌し、37℃で1時間培養した。
調製したP1ファージ溶液を用いた遺伝子破壊を行った。
KEIOクローンから調整したP1ファージにより形質導入した株は、目的とする遺伝子にカナマイシン耐性遺伝子が挿入されており、その両側にFLP recognition target(FRT)配列が存在する。従って、FLPの発現によりカナマイシン耐性を除去することが可能である。
<3-1.スポットアッセイ>
RN-02株をMOPS-Pt液体培地で終夜培養し、1mLの培養液をチューブに採取し、遠心分離により菌を沈殿させた。上清を捨て、沈殿した菌を1mLの滅菌水に懸濁して菌体を洗浄した。
RN-02株の液体培養における逃避確率と生存率とを調べる実験は、以下のように行った。
[培養液あたりのコロニー形成数(CFU/mL)]=[コロニー数平均値(CFU)]×[希釈倍率(-)]÷[スプレッドした培養液量(mL)]
で計算した。
MOPS-Pt液体培地10mLで培養したRN-02株を、1LのMOPS-Pt培地に植菌し、37℃で24時間培養した。
[検出限界値(escapee/CFU)]=1/([形成されたコロニー数(CFU)]×[希釈倍率(-)]÷[スプレッドした培養液量(mL)]×[使用した培養液量(mL)])
本実験における検出限界値は、1.94×10-13であった。
Claims (11)
- すべてのリン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子のリン酸および還元型リン酸を細胞内へ輸送する機能、および、すべてのリン酸エステル輸送体タンパク質をコードする遺伝子のリン酸エステルを細胞内へ輸送する機能を欠損し、かつ、次亜リン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子が導入されており、リン酸を増殖に利用できず、かつ、亜リン酸を増殖に利用することができることを特徴とする微生物の形質転換体。
- 上記次亜リン酸輸送体タンパク質は、HtxBCDEタンパク質であり、以下の(1)~(3)の何れかのポリヌクレオチドからなる遺伝子にコードされるタンパク質のうちHtxAタンパク質を除くタンパク質からなるタンパク質、または、以下の(1)~(3)何れかのポリヌクレオチドからなる遺伝子にコードされるタンパク質のうちHtxAタンパク質を除くタンパク質を少なくとも一部分として含むタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載の形質転換体:
(1)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(2)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;または、
(3)配列番号24で表される塩基配列からなるポリヌクレオチドと配列同一性が90%以上のポリヌクレオチドからなり、かつ、リン酸の輸送活性を有さず、還元型リン化合物の輸送活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。 - 更に、亜リン酸デヒドロゲナーゼタンパク質をコードする遺伝子が導入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の形質転換体。
- 更に、アルカリホスファターゼタンパク質をコードする遺伝子の機能が欠損していることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の形質転換体。
- 上記形質転換体が、大腸菌の形質転換体であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の形質転換体。
- 上記リン酸輸送体タンパク質は、PitAタンパク質、PitBタンパク質、PstSCABタンパク質、およびPhnCDEタンパク質であることを特徴とする請求項5に記載の形質転換体。
- 上記リン酸エステル輸送体タンパク質は、UhpTタンパク質、UgpBタンパク質、およびGlpTタンパク質であることを特徴とする請求項5または6に記載の形質転換体。
- すべてのリン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子のリン酸および還元型リン酸を細胞内へ輸送する機能、および、すべてのリン酸エステル輸送体タンパク質をコードする遺伝子のリン酸エステルを細胞内へ輸送する機能を欠損し、かつ、HtxABCDEタンパク質をコードする遺伝子が導入されており、リン酸を増殖に利用できず、かつ、次亜リン酸を増殖に利用することができることを特徴とする微生物の形質転換体。
- すべてのリン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子のリン酸および還元型リン酸を細胞内へ輸送する機能、および、すべてのリン酸エステル輸送体タンパク質をコードする遺伝子のリン酸エステルを細胞内へ輸送する機能を欠損した宿主に、次亜リン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子、または、HtxABCDEタンパク質をコードする遺伝子を導入する工程を有することを特徴とする微生物の形質転換体の製造方法。
- 請求項1~8の何れか1項に記載の形質転換体を、検出対象である培地を用いて培養する培養工程と、
上記培養工程における上記形質転換体の増殖の有無を検出する検出工程と、を有することを特徴とする還元型リン化合物の有無の検出方法。 - 上記還元型リン化合物が、ホスホン酸であることを特徴とする請求項10に記載の還元型リン化合物の有無の検出方法。
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