JP6992673B2 - 表面処理方法及び表面処理装置 - Google Patents

表面処理方法及び表面処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6992673B2
JP6992673B2 JP2018092919A JP2018092919A JP6992673B2 JP 6992673 B2 JP6992673 B2 JP 6992673B2 JP 2018092919 A JP2018092919 A JP 2018092919A JP 2018092919 A JP2018092919 A JP 2018092919A JP 6992673 B2 JP6992673 B2 JP 6992673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin oxide
nozzle
oxide particles
stainless steel
steel substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018092919A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019199627A (ja
Inventor
智司 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2018092919A priority Critical patent/JP6992673B2/ja
Priority to DE102019107400.2A priority patent/DE102019107400A1/de
Priority to US16/383,921 priority patent/US11091838B2/en
Priority to CN201910397803.8A priority patent/CN110484905A/zh
Publication of JP2019199627A publication Critical patent/JP2019199627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6992673B2 publication Critical patent/JP6992673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C24/00Coating starting from inorganic powder
    • C23C24/02Coating starting from inorganic powder by application of pressure only
    • C23C24/04Impact or kinetic deposition of particles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials
    • B05D1/02Processes for applying liquids or other fluent materials performed by spraying
    • B05D1/12Applying particulate materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24CABRASIVE OR RELATED BLASTING WITH PARTICULATE MATERIAL
    • B24C1/00Methods for use of abrasive blasting for producing particular effects; Use of auxiliary equipment in connection with such methods
    • B24C1/08Methods for use of abrasive blasting for producing particular effects; Use of auxiliary equipment in connection with such methods for polishing surfaces, e.g. smoothing a surface by making use of liquid-borne abrasives
    • B24C1/086Descaling; Removing coating films

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、表面処理方法及び表面処理装置に関する。
特許文献1には、水素イオンを接触させることによって不働態膜を除去し、さらに金メッキを施す表面処理方法が開示されている。
特開2013-149625号公報
上記した表面処理方法では、金(Au)を使用しているから、製造コストを低減する余地があった。また、メッキ液を洗い流す工程等を必要とするから、製造時間を短縮する余地があった。
本発明は、製造コストの低減及び製造時間の短縮を図るものとする。
本発明にかかる表面処理方法は、
第一のノズルと、第二のノズルと、を同一室内に配置したまま、
前記第一のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化してステンレス基板に第一の粒子速度V1で噴射した後、
前記第二のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化して前記ステンレス基板に、前記第一の粒子速度V1よりも高い第二の粒子速度V2で噴射する。
このような構成によれば、第一のノズルによる酸化スズ粒子の噴射によってステンレス基板の不働態膜を除去する。その後、第二のノズルによる酸化スズ粒子の噴射によって、ステンレス基板に酸化スズ膜を形成する。不働態膜の除去と、酸化スズ膜の形成とを、同一手法としての酸化スズ粒子の噴射を用いて行う。これによって、不働態膜の除去と、酸化スズ膜の形成とを、同一室内において連続して行うことが容易である。したがって、不働態膜を除去した後、ステンレス基板の表面の酸化を防止しつつ、製造コストの低減及び製造時間の短縮を図ることができる。
また、前記第一のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、70~260atto Jであり、前記第二のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、1100~2200atto Jであることを特徴としてもよい。
このような構成によれば、第一のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、70atto J以上であると、不働態膜を十分に除去できる。また、この運動エネルギーが260atto J以下であると、不働態膜の除去効率が良好である。また、第二のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、1100atto J以上であると、酸化スズ粒子の殆どがステンレス基板の表面において十分に破壊され、良好な成膜効率で酸化スズ膜を成膜できる。また、この運動エネルギーが2200atto J以下であると、酸化スズ粒子同士が凝集することを抑制し、良好な成膜効率を維持する。
本発明にかかる表面処理装置は、
第一のノズルと、第二のノズルと、を備える表面処理装置であって、
前記第一のノズルと、前記第二のノズルと、を同一室内に配置したまま、
前記第一のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化してステンレス基板に第一の粒子速度V1で噴射した後、
前記第二のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化して前記ステンレス基板に、前記第一の粒子速度V1よりも高い第二の粒子速度V2で噴射する。
このような構成によれば、第一のノズルによる酸化スズ粒子の噴射によってステンレス基板の不働態膜を除去する。その後、第二のノズルによる酸化スズ粒子の噴射によって、ステンレス基板に酸化スズ膜を形成する。不働態膜の除去と、酸化スズ膜の形成とを、同一手法としての酸化スズ粒子の噴射を用いて行う。これによって、不働態膜の除去と、酸化スズ膜の形成とを、同一室内において連続して行うことが容易である。したがって、不働態膜を除去した後、ステンレス基板の表面の酸化を防止しつつ、製造コストの低減及び製造時間の短縮を図ることができる。
本発明は、製造コストの低減及び製造時間の短縮を図ることができる。
実施の形態1にかかる表面処理方法を示す概略図である。 実施の形態1にかかる表面処理方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる表面処理装置を示す概略図である。 実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例を示すフローチャートである。 運動エネルギーに対するSUS基材の接触抵抗を示すグラフである。 粒子速度に対するSUS基材の接触抵抗を示すグラフである。 運動エネルギーに対する温水浸漬後の接触抵抗を示すグラフである。 粒子速度に対する温水浸漬後の接触抵抗を示すグラフである。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
図1及び図2を参照して実施の形態1にかかる表面処理方法について説明する。図1は、実施の形態1にかかる表面処理方法を示す概略図である。図2は、実施の形態1にかかる表面処理方法を示すフローチャートである。なお、当然のことながら、図1及びその他の図面に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸プラス向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
図1に示すように、表面処理方法に先立って、ステンレス基板C10を、搬送方向において上流側C1から下流側C2(ここでは、Y軸マイナス側)へ向かって搬送する。ステンレス基板C10は、ステンレス鋼からなる基板である。上流側C1から搬送された直後において、ステンレス基板C10の表面は、不働態膜C11に覆われている。第一のノズル70と第二のノズル80とは、ステンレス基板C10と対向するように配置され、第二のノズル80は、第一のノズル70よりも下流側C2に配置されている。
まず、酸化スズ粒子をエアロゾル化して、第一のノズル70から第一の粒子速度V1でステンレス基板C10に噴射する(不働態膜除去ステップST1)。この吹き付けた酸化スズ粒子が不働態膜C11に衝突し、不働態膜C11をステンレス基板C10の表面から除去する。
さらに、酸化スズ粒子をエアロゾル化して、第二のノズル80から第二の粒子速度V2でステンレス基板C10に噴射する(酸化スズ膜形成ステップST2)。この吹き付けた酸化スズ粒子が、不働態膜C11が除去されたばかりのステンレス基板C10の表面に直接衝突する。これによって、酸化スズ膜C12をステンレス基板C10の表面に形成する。第二の粒子速度V2は、第一の粒子速度V1と比較して高い。
以上、酸化スズ粒子の噴射を用いて、不働態膜C11をステンレス基板C10の表面から除去した後、さらに、酸化スズ膜C12をステンレス基板C10の表面に形成する。つまり、不働態膜C11の除去と、酸化スズ膜C12の形成とを、同一方法である酸化スズ粒子の噴射を用いて行うことによって、同一室内での連続的に容易に行うことができる。したがって、不働態膜C11の除去後におけるステンレス基板C10の表面酸化を防止しつつ製造コスト及び製造時間の削減を図ることができる。
(表面処理装置)
次に、図3を参照して、実施の形態1にかかる表面処理装置について説明する。図3は、実施の形態1にかかる表面処理装置を示す概略図である。実施の形態1にかかる表面処理装置は、上記した実施の形態1にかかる表面処理方法において利用することができる。
図3に示すように、表面処理装置100は、低圧室1と、真空ポンプ2と、基板搬送台3と、送出軸4と、巻取軸5と、第一のノズル70と、第二のノズル80とを備える。
低圧室1は、所定の密閉性を有し、低圧室1の内側空間1aは、低圧室1の外側空間から遮断される。低圧室1の側壁に真空ポンプ2が設けられている。低圧室1の内側空間1aには、基板搬送台3と、送出軸4と、巻取軸5と、第一のノズル70と、第二のノズル80とが配置されている。
真空ポンプ2は、低圧室1の内側空間1aに充填されているガスを、適宜、低圧室1の外側空間へ排出する。このガスは、不活性ガスであるとよく、例えば、窒素ガス等である。真空ポンプ2は、低圧室1の内側空間1aの圧力を低圧室1の外側空間の圧力よりも低減させる。また、真空ポンプ2は、低圧室1の内側空間1aの圧力を、所定の範囲内に維持することができる。
送出軸4と、巻取軸5とは、所定の間隔を空けて配置される。送出軸4には、ステンレス基板C10の少なくとも一端が巻かれている。巻取軸5には、ステンレス基板C10の少なくとも他端が巻かれている。
基板搬送台3は、ワークW1を搬送させる搬送面3aを備え、搬送面3aは、例えば、一方向(ここでは、Y軸方向)に延びて、移動する。基板搬送台3は、例えば、ベルトコンベアである。基板搬送台3は、送出軸4と巻取軸5と所定の間隔を空けて配置される。基板支持ローラ61は、基板搬送台3における送出軸4側の端部近傍において回転可能に設けられている。基板支持ローラ61と基板搬送台3とがステンレス基板C10を挟む。基板支持ローラ62は、基板搬送台3における巻取軸5側の端部近傍において回転可能に設けられている。基板支持ローラ62と基板搬送台3とがステンレス基板C10を挟む。送出軸4と巻取軸5とが、時計回り方向に回転し、ワークW1を搬送させる。
第一のノズル70は、エアロゾル化チャンバー71に接続され、エアロゾル化チャンバー71は、ガスボンベ72に接続されている。図3に示す一例では、エアロゾル化チャンバー71と、ガスボンベ72とは、低圧室1の外側に配置されている。
ガスボンベ72は、所定の種類のガスを貯蔵している。このようなガスとして、多種多様なガス、例えば、窒素ガス、乾燥空気等が挙げられる。このようなガスは、酸素の含有量が低いと、ステンレス基板C10の表面が酸化し難くなり、好ましい。したがって、窒素ガスは、乾燥空気と比較して、ステンレス基板C10の表面が酸化し難いので、好ましい。
なお、コンプレッサをエアロゾル化チャンバー71に接続し、大気を供給してもよい。この場合、コンプレッサとエアロゾル化チャンバー71との間に固形物除去フィルタを設けると、大気中の浮遊固形物がこの固形物除去フィルタによって止められて、酸化スズ膜まで到達できない。そのため、浮遊固形物による酸化スズ膜の汚染を抑制するため、好ましい。
エアロゾル化チャンバー71は、酸化スズ粒子を備えればよく、このような酸化スズ粒子は、例えば、アンチモンドープ酸化スズ粒子である。このような酸化スズ粒子の粒径は、所定の範囲内の大きさを有するとよく、例えば、10nmである。また、酸化スズ粒子は、真空乾燥した後、エアロゾル化チャンバー71内に充填するとよい。
ガスボンベ72は、ガスをエアロゾル化チャンバー71に供給し、エアロゾル化チャンバー71は、供給されたガスによって酸化スズ粒子をエアロゾル化して、第一のノズル70へ供給する。第一のノズル70が、エアロゾル化した酸化スズ粒子を第一の粒子速度V1で噴射する。第一の粒子速度V1は、適宜、低圧室1の内側空間1aの圧力や、第一のノズル70とステンレス基板C10との距離を調整する等して変更することができる。第一の粒子速度V1を変更することによって、第一のノズル70が噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーも変更することができる。
第二のノズル80は、第一のノズル70よりも下流側C2に配置されている。第二のノズル80は、エアロゾル化チャンバー81に接続され、エアロゾル化チャンバー81は、ガスボンベ82に接続されている。図3に示す一例では、エアロゾル化チャンバー81と、ガスボンベ82とは、低圧室1の外側に配置されている。
ガスボンベ82は、ガスボンベ72と同じ構成であるとよい。ガスボンベ82が貯蔵するガスも、ガスボンベ72が貯蔵するガスと同じ構成であるとよい。ガスボンベ82内のガス圧力は、ガスボンベ72内のガス圧力と比較して高い。また、ガスボンベ72と同様に、コンプレッサをエアロゾル化チャンバー81に接続し、大気を供給してもよい。また、この場合、コンプレッサとエアロゾル化チャンバー81との間に固形物除去フィルタを設けると、上記したコンプレッサとエアロゾル化チャンバー71との間に固形物除去フィルタと同様の理由により、好ましい。
エアロゾル化チャンバー81は、エアロゾル化チャンバー71と同じ構成であるとよい。エアロゾル化チャンバー81が備える酸化スズ粒子も、エアロゾル化チャンバー71が備える酸化スズ粒子と同じ構成であるとよい。
ガスボンベ82は、ガスをエアロゾル化チャンバー81に供給し、エアロゾル化チャンバー81は、供給されたガスによって酸化スズ粒子をエアロゾル化して、第二のノズル80へ供給する。第二のノズル80が、エアロゾル化した酸化スズ粒子を第二の粒子速度V2で噴射する。第二の粒子速度V2は、第一の粒子速度V1と比較して高い。そのため、ガスボンベ82内のガス圧力は、ガスボンベ72内のガス圧力と比較して高いとよい。第二の粒子速度V2は、適宜、低圧室1の内側空間1aの圧力や、第二のノズル80とステンレス基板C10との距離を調整する等して変更することができる。第二の粒子速度V2を変更することによって、第二のノズル80が噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーも変更することができる。
(実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例)
次に、図3及び図4を参照して実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例について説明する。図4は、実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例を示すフローチャートである。実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例は、表面処理装置100を用いて実施することができる。
まず、真空ポンプ2が低圧室1の内側空間1aから外側空間にガスを排出し、低圧室1の内側空間1aにおけるガス圧力を所定の範囲内に降下させる(圧力降下ステップST21)、その後、低圧室1の内側空間1aにおけるガス圧力を所定の範囲内に維持する。低圧室1の内側空間1aにおけるガス圧力は、低圧室1の外側空間におけるガス圧力と比較して小さい。
続いて、送出軸4及び巻取軸5が所定の方向に回転し、ステンレス基板C10を送出軸4から巻取軸5へ搬送させる(送出ステップST22)。なお、送出ステップST22~巻取ステップST25では、ステンレス基板C10の一部位を実施することを順番に述べたものであり、ステンレス基板C10の全体について同時連続的に行うことができる。
続いて、酸化スズ粒子をエアロゾル化して、第一のノズル70から第一の粒子速度V1でステンレス基板C10に噴射する(不働態膜除去ステップST23)。この吹き付けた酸化スズ粒子が不働態膜C11に衝突し、不働態膜C11をステンレス基板C10の表面から除去する。なお、真空ポンプ2が、この衝突した酸化スズ粒子や、この除去された不働態膜C11を吸引することによって、低圧室1の内側空間1aから除去してもよい。
続いて、酸化スズ粒子をエアロゾル化して、第二のノズル80から第二の粒子速度V2でステンレス基板C10に噴射する(酸化スズ膜形成ステップST24)。この吹き付けた酸化スズ粒子がステンレス基板C10の表面に直接衝突し、酸化スズ膜C12をステンレス基板C10の表面に形成する。第二の粒子速度V2は、第一の粒子速度V1と比較して高い。
その後、巻取軸5が、酸化スズ膜C12の形成されたステンレス基板C10を巻き取る(巻取ステップST25)。
以上、酸化スズ粒子の噴射を用いて、不働態膜C11をステンレス基板C10の表面から除去した後、さらに、酸化スズ膜C12をステンレス基板C10の表面に形成する。つまり、不働態膜C11の除去と、酸化スズ膜C12の形成とを、同一方法である酸化スズ粒子の噴射を用いて行うことによって、同一の低圧室1内での連続的に容易に行うことができる。したがって、不働態膜C11の除去後におけるステンレス基板C10の表面酸化を防止しつつ製造コスト及び製造時間の削減を図ることができる。
(実験1)
次に、図5及び図6を参照して、上記した実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例を用いて行った実験について説明する。図5は、運動エネルギーに対するSUS基材の接触抵抗を示すグラフである。図6は、粒子速度に対するSUS基材の接触抵抗を示すグラフである。なお、図6に示すグラフは、図5に示すグラフにおいて、横軸を運動エネルギーから粒子速度に置き換えたものである。
ステンレス基板C10として、厚さ0.1mm、かつ、SUS447からなるコイル(SUS基材)を用いた。酸化スズ粒子として、粒径10nmのアンチモンドープ酸化スズ粒子(市販品、三菱マテリアル製「T-1」)を用いた。アンチモンドープ酸化スズ粒子の運動エネルギーは、アンチモンドープ酸化スズ粒子の重量と速度を用いて、算出した。アンチモンドープ酸化スズ粒子の重量は、粒径と、公知のアンチモンドープ酸化スズの密度とを用いて算出した。粒子の速度は、市販の溶射状況解析装置を用いて解析した。この溶射状況解析装置は、カメラとパーソナルコンピュータを用いて溶射状況を解析することができる。
上記した表面処理方法の一具体例の圧力降下ステップST21~不働態膜除去ステップST23を実施し、不働態膜C11の除去されたステンレス基板C10の一例を形成した。不働態膜除去ステップST23に相当するステップでは、第一のノズル70に相当するノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、約0~400atto Jの範囲内において複数の水準を設定した。なお、この運動エネルギーの範囲約0~400atto Jを粒子速度に換算すると、粒子速度の範囲約0~150m/secに相当する。
不働態膜C11が除去されたことを確認するため、この不働態膜C11の除去されたステンレス基板C10の一例の接触抵抗を測定した。具体的には、まず、このステンレス基板において不働態膜が除去された表面と、金メッキした銅板との間にカーボンペーパー(市販品、東レ製「TGP-H-120」)を挟み、圧力を圧力値0.98Mpaでかける。さらに、この圧力をかけつつ、このステンレス基板と、この銅板との間に定電流を印加したとき、このステンレス基板の面とカーボンペーパー間の電圧値を計測した。この計測した電圧値に基づいて接触抵抗を求め、この接触抵抗を図5に示した。酸化スズ粒子の運動エネルギーを粒子速度に換算して、この接触抵抗を図6に示した。ここでは、接触抵抗が、7.5mΩ・cm以下ならば、不働態膜が十分に除去されたとし、7.5mΩ・cmを超えれば、不働態膜が十分に除去されなかったと判定した。
図5に示すように、不働態膜除去ステップST23に相当するステップで、第一のノズル70に相当するノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギー70atto J未満、及び260atto Jを超えた場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cmを超えており、不働態膜が十分に除去されなかったと判定した。一方、酸化スズ粒子の運動エネルギー70atto J以上、260atto J以下である場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cm以下であり、不働態膜が十分に除去されたと判定した。よって、酸化スズ粒子の運動エネルギーが70atto J以上、260atto J以下の範囲内であると、不働態膜を十分に除去することができて、好ましい。
また、図6に示すように、酸化スズ粒子の粒子速度60m/sec未満、及び120m/secを超えた場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cmを超えており、不働態膜が十分に除去されなかったと判定した。一方、粒子速度60m/sec以上、及び120m/sec以下である場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cm以下であり、不働態膜が十分に除去されたと判定した。よって、酸化スズ粒子の粒子速度が60m/sec以上、及び120m/sec以下の範囲内であると、不働態膜を十分に除去することができて、好ましい。
(実験2)
次に、図7及び図8を参照して、上記した実施の形態1にかかる表面処理方法の一具体例を用いて行った他の実験について説明する。図7は、運動エネルギーに対する温水浸漬後の接触抵抗を示すグラフである。図8は、粒子速度に対する温水浸漬後の接触抵抗を示すグラフである。なお、図8に示すグラフは、図7に示すグラフにおいて、横軸を運動エネルギーから粒子速度に置き換えたものである。
また、上記した表面処理方法の一具体例の圧力降下ステップST21~酸化スズ膜形成ステップST24を実施し、酸化スズ膜C12の形成されたステンレス基板C10の一例を形成した。酸化スズ膜形成ステップST24に相当するステップで、第二のノズル80に相当するノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギー約400~4000atto Jの範囲内において、複数の水準を設定した。なお、運動エネルギーの範囲約400~4000atto Jを粒子速度に換算すると、粒子速度の範囲約150~500m/secに相当する。
酸化スズ膜C12の導電性を評価するため、この酸化スズ膜C12の形成されたステンレス基板C10の一例の接触抵抗を測定した。具体的には、まず、このステンレス基板C10の一例にかかる試験片を80℃のイオン交換水に100時間浸漬する温水浸漬試験を行った。この温水浸漬試験を行った後、このステンレス基板C10の一例において酸化スズ膜が形成された表面と、金メッキした銅板との間にカーボンペーパーを挟み、圧力を圧力値0.98Mpaでかける。さらに、この圧力をかけつつ、このステンレス基板と、この銅板との間に定電流を印加したとき、このステンレス基板の面とカーボンペーパー間の電圧値を計測した。この計測した電圧値に基づいて接触抵抗を求め、酸化スズ粒子の運動エネルギーに対するこの接触抵抗を図7に示した。酸化スズ粒子の運動エネルギーを粒子速度に換算して、酸化スズ粒子の粒子速度に対するこの接触抵抗を図8に示した。ここでは、接触抵抗が、7.5mΩ・cm以下ならば、このステンレス基板C10の一例における酸化スズ膜の導電性は良好とし、接触抵抗が、7.5mΩ・cmを超えれば、この酸化スズ膜の導電性は不良と判定した。



図7に示すように、酸化スズ膜形成ステップST24に相当するステップで、第二のノズル80に相当するノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーが1100atto J未満、及び2200atto Jを超えた場合がある。このような場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cmを超えており、酸化スズ膜の導電性が不良と判定した。一方、この酸化スズ粒子の運動エネルギー1100atto J以上、2200atto J以下である場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cm以下であり、酸化スズ膜の導電性が良好と判定した。よって、この酸化スズ粒子の運動エネルギーが1100atto J以上、2200atto J以下の範囲内であると、酸化スズ膜の導電性が良好であるため、好ましい。
また、図8に示すように、この酸化スズ粒子の粒子速度250m/sec未満、及び350m/secを超えた場合がある。このような場合、接触抵抗が、7.5mΩ・cmを超えており、酸化スズ膜の導電性が不良と判定した。一方、粒子速度250m/sec以上、及び350m/sec以下である場合、この接触抵抗が、7.5mΩ・cm以下であり、酸化スズ膜の導電性が良好と判定した。よって、この酸化スズ粒子の粒子速度が250m/sec以上、及び350m/sec以下の範囲内であると、酸化スズ膜の導電性が良好であるため、好ましい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
100 表面処理装置
1 低圧室 1a 内側空間
2 真空ポンプ
3 基板搬送台 3a 搬送面
4 送出軸 5 巻取軸
61、62 基板支持ローラ
70 第一のノズル 80 第二のノズル
71、81 エアロゾル化チャンバー 72、82 ガスボンベ
C1 上流側 C2 下流側
C10 ステンレス基板
C11 不働態膜 C12 酸化スズ膜
ST1、ST23 不働態膜除去ステップ
ST2、ST24 酸化スズ膜形成ステップ
V1 第一の粒子速度 V2 第二の粒子速度
W1 ワーク

Claims (2)

  1. 第一のノズルと、第二のノズルと、を同一室内に配置したまま、
    前記第一のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化してステンレス基板に第一の粒子速度V1で噴射した後、
    前記第二のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化して前記ステンレス基板に、前記第一の粒子速度V1よりも高い第二の粒子速度V2で噴射し、
    前記第一のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、70~260atto Jであり、
    前記第二のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、1100~2200atto Jである、
    表面処理方法。
  2. 第一のノズルと、第二のノズルと、を備える表面処理装置であって、
    前記第一のノズルと、前記第二のノズルと、を同一室内に配置したまま、
    前記第一のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化してステンレス基板に第一の粒子速度V1で噴射した後、
    前記第二のノズルが酸化スズ粒子をエアロゾル化して前記ステンレス基板に、前記第一の粒子速度V1よりも高い第二の粒子速度V2で噴射し、
    前記第一のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、70~260atto Jであり、
    前記第二のノズルが噴射した酸化スズ粒子の運動エネルギーは、1100~2200atto Jである、
    表面処理装置。
JP2018092919A 2018-05-14 2018-05-14 表面処理方法及び表面処理装置 Active JP6992673B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018092919A JP6992673B2 (ja) 2018-05-14 2018-05-14 表面処理方法及び表面処理装置
DE102019107400.2A DE102019107400A1 (de) 2018-05-14 2019-03-22 Oberflächenbehandlungsverfahren und oberflächenbehandlungsvorrichtung
US16/383,921 US11091838B2 (en) 2018-05-14 2019-04-15 Surface treatment method and surface treatment apparatus
CN201910397803.8A CN110484905A (zh) 2018-05-14 2019-05-14 表面处理方法以及表面处理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018092919A JP6992673B2 (ja) 2018-05-14 2018-05-14 表面処理方法及び表面処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019199627A JP2019199627A (ja) 2019-11-21
JP6992673B2 true JP6992673B2 (ja) 2022-01-13

Family

ID=68336917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018092919A Active JP6992673B2 (ja) 2018-05-14 2018-05-14 表面処理方法及び表面処理装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11091838B2 (ja)
JP (1) JP6992673B2 (ja)
CN (1) CN110484905A (ja)
DE (1) DE102019107400A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006140009A (ja) 2004-11-11 2006-06-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固体高分子電解質燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
WO2007105670A1 (ja) 2006-03-13 2007-09-20 Hoya Corporation エアロゾルデポジション法による成膜体の製造方法
JP2008016248A (ja) 2006-07-04 2008-01-24 Nissan Motor Co Ltd 固体電解質型燃料電池ユニット及びスタック
JP2009270176A (ja) 2008-05-09 2009-11-19 Fuji Kihan:Kk 表面強化被膜の形成方法及び表面強化製品

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001344812A (ja) * 2000-06-02 2001-12-14 Fuji Photo Film Co Ltd 光情報記録媒体
US6759085B2 (en) * 2002-06-17 2004-07-06 Sulzer Metco (Us) Inc. Method and apparatus for low pressure cold spraying
US8389174B2 (en) 2006-01-27 2013-03-05 GM Global Technology Operations LLC Super-hydrophilic nanoporous electrically conductive coatings for PEM fuel cells
WO2009109016A1 (en) * 2008-03-06 2009-09-11 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Manufacture of pipes
JP5573039B2 (ja) 2009-07-27 2014-08-20 Jfeスチール株式会社 固体高分子形燃料電池セパレータ用ステンレス鋼およびその製造方法
JP5699624B2 (ja) 2011-01-20 2015-04-15 Jfeスチール株式会社 固体高分子形燃料電池セパレータ用金属板およびその製造方法
JP5580444B2 (ja) 2013-03-13 2014-08-27 本田技研工業株式会社 燃料電池用セパレータの製造方法
US9347136B2 (en) * 2014-01-31 2016-05-24 Pratt & Whitney Canada Corp. Method for applying a coating to a substrate
US20170057023A1 (en) * 2015-08-26 2017-03-02 Caterpillar Inc. Piston and Method of Piston Remanufacturing
WO2017156157A1 (en) * 2016-03-09 2017-09-14 View, Inc. Metal accretion bus bars

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006140009A (ja) 2004-11-11 2006-06-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固体高分子電解質燃料電池用金属セパレータ及びその製造方法
WO2007105670A1 (ja) 2006-03-13 2007-09-20 Hoya Corporation エアロゾルデポジション法による成膜体の製造方法
JP2008016248A (ja) 2006-07-04 2008-01-24 Nissan Motor Co Ltd 固体電解質型燃料電池ユニット及びスタック
JP2009270176A (ja) 2008-05-09 2009-11-19 Fuji Kihan:Kk 表面強化被膜の形成方法及び表面強化製品

Also Published As

Publication number Publication date
US20190345614A1 (en) 2019-11-14
DE102019107400A1 (de) 2019-11-14
JP2019199627A (ja) 2019-11-21
CN110484905A (zh) 2019-11-22
US11091838B2 (en) 2021-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960007299B1 (ko) 전기적 코로나 방전에 의하여 플라스틱의 표면 예비처리를 하기 위한 방법 및 장치
KR102355875B1 (ko) 표면 처리 방법 및 장치
US20190341276A1 (en) Integrated semiconductor part cleaning system
CN107104241B (zh) 膜电极接合体的制造装置
JP2000200697A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP6992673B2 (ja) 表面処理方法及び表面処理装置
TW200912032A (en) Film coating system and isolating device
JP5984622B2 (ja) 水洗装置
JP2002151478A (ja) ドライエッチング方法及びその装置
CN108432020A (zh) 膜-电极层接合体的制造装置及制造方法
KR101313132B1 (ko) 연속식 탄소나노튜브 코팅 필름 제조 장치 및 이의 탄소나노튜브 코팅 필름 제조 방법
JP2018030108A (ja) 塗工装置および塗工方法
JP2018156746A (ja) 基材処理装置および基材処理方法
WO2012169588A1 (ja) プラズマ生成用ガスおよびプラズマ生成方法並びにこれにより生成された大気圧プラズマ
JP2018001123A (ja) 塗工装置および塗工方法
JP4448458B2 (ja) 基板洗浄方法および基板洗浄装置
CN115968113A (zh) 带导电性图案的结构体的制造方法和套件、系统
TWI559432B (zh) Substrate processing device
JP2009099361A (ja) プラズマプロセス装置及びプラズマ処理方法
JP2012244009A (ja) プリント配線板用基板およびプリント配線板用基板の製造方法
JP2009136728A (ja) 基板洗浄装置及び洗浄方法
JP2020183564A (ja) 積層フィルムの製造装置、積層フィルムの製造方法
KR20110047582A (ko) 대기압 플라즈마 세정을 이용한 본딩 와이어 제조 장치 및 그를 이용한 본딩 와이어 제조 방법
JP2008085136A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
KR20190009112A (ko) Fpcb 비아홀 동도금을 위한 전처리 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6992673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151