JP2020183564A - 積層フィルムの製造装置、積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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圭祐 飯島
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Abstract

【課題】基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出し、基材の一面に無機物粒子からなる無機層を形成する際に、均一な無機層を効率的に形成できる積層フィルムの製造装置および積層フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】積層フィルムの製造装置は、基材100と、基材100の一面100aに形成された無機層と、を有する積層フィルムの製造装置であって、基材100の一面100aに無機物粒子のエアロゾルを吐出して、無機物粒子からなる無機層を形成する複数のノズル22を有する成膜手段を備え、複数のノズル22が、基材100の一面100aに沿って一直線上に配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、積層フィルムの製造装置および積層フィルムの製造方法に関する。
基材の表面に薄膜を形成する方法の1つとしては、エアロゾルデポジション法(Aerosol Deposition method、以下、「AD法」ということもある。)がある。AD法は、原料物である粉体を解砕してナノサイズの微粒子とし、この微粒子をエアロゾル化させた後、生成したエアロゾルを窒素等の不活性ガスからなるキャリアガスを用いて、亜音速から超音速程度まで加速させて物理的に基材に吹き付ける方法である。AD法では、衝撃硬化現象により、原料物と基材、または、原料物同士が強く接合するので、基材の表面に低い温度条件と高い成膜速度で薄膜が形成される。
AD法には、生産速度が遅いという課題がある。この課題を解決する方法としては、微粒子を吹き付けるノズルを複数用いて、生産速度を上げることが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−154803号公報
しかしながら、単純にノズルを複数用いただけでは、別々のノズルから吐出したエアロゾルが互いに干渉して、均一な薄膜を形成することができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出して、基材の一面に無機物粒子からなる無機層を形成する際に、均一な無機層を効率的に形成できる積層フィルムの製造装置および積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]基材と、該基材の一面に形成された無機層と、を有する積層フィルムの製造装置であって、前記基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出して、前記無機物粒子からなる無機層を形成する複数のノズルを有する成膜手段を備え、前記複数のノズルは、前記基材の一面に沿って一直線上に配置された積層フィルムの製造装置。
[2]前記基材はフィルム基材であり、前記フィルム基材を搬送する搬送手段を有し、前記複数のノズルは、前記フィルム基材の搬送方向に対して平行、垂直または斜めに配置された[1]に記載の積層フィルムの製造装置。
[3]基材と、該基材の一面に形成された無機層と、を有する積層フィルムの製造方法であって、エアロゾルデポジション法により、前記基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出し、前記基材の一面に前記無機物粒子からなる無機層を形成する工程を含み、前記無機層を形成する工程において、前記エアロゾルを吐出する複数のノズルを用い、前記複数のノズルを、前記基材の一面に沿って一直線上に配置する積層フィルムの製造方法。
[4]前記基材はフィルム基材であり、前記無機層を形成する工程において、前記フィルム基材を搬送しながら前記基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出するとともに、前記複数のノズルを、前記フィルム基材の搬送方向に対して平行、垂直または斜めに配置する[3]に記載の積層フィルムの製造方法。
本発明によれば、基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出し、基材の一面に無機物粒子からなる無機層を形成する際に、均一な無機層を効率的に形成できる積層フィルムの製造装置および積層フィルムの製造方法を提供することができる。
本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段に適用可能な成膜装置の概略構成図である。 本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段のノズルの配置の第1例を示す概略平面図である。 本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段のノズルの配置の第2例を示す概略平面図である。 本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段のノズルの配置の第3例を示す概略平面図である。 実施例において、フィルム基材の搬送方向に対して平行に、4個のノズルを1直線に並べた状態を示す模式図である。 実施例において、無機層を形成した後のフィルム基材の一面を撮影した写真である。 比較例において、フィルム基材の搬送方向に対して平行に、4個のノズルを1直線に並べた状態を示す模式図である。 比較例において、無機層を形成した後のフィルム基材の一面を撮影した写真である。
本発明の積層フィルムの製造装置、積層フィルムの製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[積層フィルムの製造装置]
本実施形態の積層フィルムの製造装置は、基材と、基材の一面に形成された無機層と、を有する積層フィルムを製造する装置である。本実施形態の積層フィルムの製造装置は、基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出して、無機物粒子からなる無機層を形成する複数のノズルを有する成膜手段を備える。
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態の積層フィルムの製造装置を説明する。
図1は、本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段に適用可能な成膜装置の概略構成図である。図2は、本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段のノズルの配置の第1例を示す概略平面図である。図3は、本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段のノズルの配置の第2例を示す概略平面図である。図4は、本実施形態の積層フィルムの製造装置の成膜手段のノズルの配置の第3例を示す概略平面図である。
本実施形態の積層フィルムの製造装置は、成膜手段として、例えば、図1に示す成膜装置10を備える。
成膜装置10は、キャリアガス中に分散された無機物粒子をエアロゾル化させるエアロゾル化部と、前記エアロゾルをノズルへ向けて搬送する搬送部と、前記エアロゾルを吹き出すノズルと、が備えられている。
前記エアロゾル化部は、キャリアガスが充填された第一ガスボンベ25、第一エアロゾル発生器28を備えている。
成膜装置10は、搬送管15を備えている。
ノズル22は、搬送管15を介して搬送されたエアロゾルを、成膜室21内に移送された基材100の一面100a(成膜面)に吹き付け可能なように、その吐出口が基材100の一面100aに対向して配置されている。
第一ガスボンベ25には、無機物粒子を分散して第一エアロゾルを発生するとともに、第一エアロゾルを加速させて基材100に吹き付けるためのキャリアガス(以下、「搬送ガス」という。)が充填されている。
第一ガスボンベ25には、第一搬送管26の第一端部が接続されている。第一ガスボンベ25から供給される搬送ガスは、第一搬送管26に供給される。
第一搬送管26には、前段側から順に、マスフロー制御器27と、第一エアロゾル発生器28と、必要に応じて解砕器29および分級器31を設けてもよい。解砕器29により、無機物粒子同士が湿気等で付着した状態を解くことができる。また、仮に、解砕器29を通過した無機物粒子の凝集塊があったとしても、その凝集塊は分級器31で除くことができる。
マスフロー制御器27により、第一ガスボンベ25から第一搬送管26に供給される搬送ガスの流量を調整することができる。第一エアロゾル発生器28には、無機物粒子が装填されている。無機物粒子はマスフロー制御器27から供給された搬送ガス中に分散されて、解砕器29および分級器31へ搬送される。分級器31を経た無機物粒子を含む第一エアロゾルは搬送管15を経由して成膜装置10へ搬送される。
ノズル22は、図示略の開口部が基材100の一面100aに対向するように配置されている。ノズル22には、搬送管15の第二端部が接続されている。エアロゾルは、ノズル22の開口部から基材100の一面100aに向けて噴射される。ノズル22からエアロゾル化されて噴射される無機物粒子は基材100の一面100aに衝突し、無機物粒子からなる多孔質膜が成膜される。
ノズル22が複数の場合、搬送管15からエアロゾルを分岐してもよいし、エアロゾル化部及び搬送部を複数設けてもよい。
成膜室21は真空ポンプと接続されており、必要に応じて成膜室21内が減圧される。成膜室21内の圧力は特に制限されないが、5Pa〜1000Paに設定することが好ましい。成膜室21を真空に保つことで、エアロゾルが基材100に噴射される速度を速くすることができる。
基材100の素材は、樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)がより好ましい。基材100が樹脂製であれば、無機層が形成された基材100を色素増感型太陽電池(以下、「DSC」ということもある。)に適用した場合、DSCの薄型化、軽量化が図れる。加えて、基材100が樹脂製であれば、DSCに可撓性を付与しやすい。また、無機層が形成された基材100をDSCに適用する場合、基材100の一面100a(成膜面)には導電層が形成されている。
無機物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム等の酸化物、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、酸化第一銅、三酸化モリブデン、五酸価バナジウム、酸化タングステン等の酸化物、チオシアン酸銅(I)、ヨウ化銅、二硫化モリブデン、二セレン化モリブデン、硫化銅(I)等の微粒子が挙げられる。無機層を色素増感型太陽電池に適用する場合、無機物粒子は酸化チタンであることが好ましい。
図2〜図4に示すように、複数のノズル22は、基材100の一面100aに沿って一直線上に配置されている。基材100は、例えば、フィルム基材である。本実施形態の積層フィルムの製造装置は、フィルム基材を搬送する搬送手段を有し、複数のノズル22が、フィルム基材の搬送方向に対して平行(図2参照)、垂直(図3参照)または斜め(図4参照)に一直線上に配置されている。搬送手段としては、基材100を巻き取りながら搬送するローラー(図示略)を用いることができる。
図2に示すように、複数のノズル22は、例えば、基材100の搬送方向(図2に示す矢印αの方向)に対して平行に配置されている。また、複数のノズル22は、図2に示す直線β上に配置されている。なお、直線βは、搬送方向(図2に示す矢印αの方向)に対して平行な直線である。さらに、複数のノズル22は、所定の間隔を保ったまま、同時に、基材100の搬送方向(図2に示す矢印αの方向)に対して垂直方向(図2に示す矢印γの方向)に往復移動する。すなわち、複数のノズル22は、基材100が図2に示す矢印αの方向に搬送されるに伴って、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図2に示す矢印γの方向)に往復移動を繰り返す。複数のノズル22の往復移動は、基材100の一面100a上にて行う。
複数のノズル22は、2個以上であればよく、3個以上であることが好ましい。
ノズル22同士の間隔は、特に限定されず、基材100の一面100aの幅(図2に示す矢印γの方向の長さ)等に応じて適宜調整される。なお、ノズル22同士が接するように配置されていてもよい。
複数のノズル22の開口部からは、基材100の一面100aに向けて同時に、エアロゾル(第二エアロゾル)が噴射される。ノズル22から噴射されるエアロゾルの速度は、上述のように亜音速から超音速程度(100m/s〜1000m/s程度)である。
それぞれのノズル22から噴射したエアロゾルは、基材100の一面100aに衝突して、一部が基材100の一面100a(あるいは基材100の一面100aの表面に付着した無機物粒子)に付着(結合)する。基材100の一面100aに付着することなく、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルは負圧方向、例えば、基材100の搬送方向(図2に示す矢印αの方向)に対して垂直方向に拡散する。なお、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルの速度は、亜音速以下(10m/s〜100m/s程度)であると考えられる。複数のノズル22は、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図2に示す矢印γの方向)に往復移動しながら、エアロゾルを噴射する。このとき、ノズル22が往復移動する速度は、1cm/min〜100cm/min程度である。このように、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルの速度とノズル22が往復移動する速度には、大きな違いがある。したがって、ノズル22から噴射したエアロゾルが基材100の一面100aで跳ね返り、その拡散が終了してから、エアロゾルが拡散した位置にノズル22が移動してくると考えられる。例えば、図2に符号22Aで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射した後、ノズル22が図2に符号22Bで示す位置に移動してきた際には、符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルの拡散が終了している。よって、図2に符号22Bで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、そのエアロゾルと、図2に符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルが干渉しない。なお、エアロゾル同士の干渉とは、エアロゾル同士が衝突することである。
図3に示すように、複数のノズル22は、例えば、基材100の搬送方向(図3に示す矢印αの方向)に対して垂直に配置されている。また、複数のノズル22は、図3に示す直線β上に配置されている。なお、直線βは、搬送方向(図3に示す矢印αの方向)に対して垂直な直線である。さらに、複数のノズル22は、所定の間隔を保ったまま、同時に、基材100の搬送方向(図3に示す矢印αの方向)に対して垂直方向(図3に示す矢印γの方向)に往復移動する。すなわち、複数のノズル22は、基材100が図3に示す矢印αの方向に搬送されるに伴って、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図3に示す矢印γの方向)に往復移動を繰り返す。複数のノズル22の往復移動は、基材100の一面100a上にて行う。
複数のノズル22は、2個以上であればよく、3個以上であることが好ましい。
ノズル22同士の間隔は、特に限定されず、基材100の一面100aの幅(図3に示す矢印γの方向の長さ)等に応じて適宜調整される。なお、ノズル22同士が接するように配置されていてもよい。
それぞれのノズル22から噴射したエアロゾルは、基材100の一面100aに衝突して、一部が基材100の一面100a(あるいは基材100の一面100aの表面に付着した無機物粒子)に付着(結合)する。基材100の一面100aに付着することなく、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルは負圧方向、例えば、基材100の搬送方向(図3に示す矢印αと平行方向)に拡散する。なお、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルの速度は、亜音速以下(10m/min〜100m/min程度)であると考えられる。複数のノズル22は、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図3に示す矢印γの方向)に往復移動しながら、エアロゾルを噴射する。このとき、ノズル22が往復移動する速度は、1cm/s〜100cm/s程度である。このように、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルの速度とノズル22が往復移動する速度には、大きな違いがある。したがって、ノズル22から噴射したエアロゾルが基材100の一面100aで跳ね返り、その拡散が終了してから、エアロゾルが拡散した位置にノズル22が移動してくると考えられる。例えば、図3に符号22Aで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射した後、ノズル22が図3に符号22Bで示す位置に移動してきた際には、符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルの拡散が終了している。よって、図3に符号22Bで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、そのエアロゾルと、図3に符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルが干渉しない。
図4に示すように、複数のノズル22は、例えば、基材100の搬送方向(図4に示す矢印αの方向)に対して斜めに配置されている。また、複数のノズル22は、図4に示す直線β上に配置されている。なお、直線βは、搬送方向(図4に示す矢印αの方向)に対して斜めな直線である。さらに、複数のノズル22は、所定の間隔を保ったまま、同時に、基材100の搬送方向(図4に示す矢印αの方向)に対して垂直方向(図4に示す矢印γの方向)に往復移動する。すなわち、複数のノズル22は、基材100が図4に示す矢印αの方向に搬送されるに伴って、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図4に示す矢印γの方向)に往復移動を繰り返す。複数のノズル22の往復移動は、基材100の一面100a上にて行う。
複数のノズル22は、2個以上であればよく、3個以上であることが好ましい。
ノズル22同士の間隔は、特に限定されず、基材100の一面100aの幅(図4に示す矢印γの方向の長さ)等に応じて適宜調整される。なお、ノズル22同士が接するように配置されていてもよい。
それぞれのノズル22から噴射したエアロゾルは、基材100の一面100aに衝突して、一部が基材100の一面100a(あるいは基材100の一面100aの表面に付着した無機物粒子)に付着(結合)する。基材100の一面100aに付着することなく、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルは負圧方向、例えば、基材100の搬送方向(図4に示す矢印βに対して垂直方向)に拡散する。なお、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルの速度は、亜音速以下(10m/s〜100m/s程度)であると考えられる。複数のノズル22は、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図4に示す矢印γの方向)に往復移動しながら、エアロゾルを噴射する。このとき、ノズル22が往復移動する速度は、1cm/min〜100cm/min程度である。このように、基材100の一面100aで跳ね返ったエアロゾルの速度とノズル22が往復移動する速度には、大きな違いがある。したがって、ノズル22から噴射したエアロゾルが基材100の一面100aで跳ね返り、その拡散が終了してから、エアロゾルが拡散した位置にノズル22が移動してくると考えられる。例えば、図4に符号22Aで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射した後、ノズル22が図4に符号22Bで示す位置に移動してきた際には、符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルの拡散が終了している。よって、図4に符号22Bで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、そのエアロゾルと、図4に符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルが干渉しない。
このように、複数のノズル22が、基材100の搬送方向に対して平行に、かつ一直線上に配置されていれば、複数のノズル22が基材100の搬送方向に対して垂直方向に往復移動を繰り返しながら、基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、ノズル22が異なる位置で噴射したエアロゾル同士が干渉することがない。しがたって、基材100の一面100aにエアロゾルを均一に噴射することができ、その結果、基材100の一面100aに無機物粒子からなる均一な無機層を形成することができる。なお、均一な無機層とは、組成、厚み、嵩密度等が均一な層のことである。
本実施形態の積層フィルムの製造装置は、基材100の一面100aに無機物粒子のエアロゾルを吐出して、無機物粒子からなる無機層を形成する複数のノズル22を有する成膜装置10を有するため、基材100の一面100aに、均一な無機層を効率的に形成できる。すなわち、上述のように、複数のノズル22が基材100の搬送方向に対して平行に、かつ一直線上に配置され、そのノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを吹き付けることによって、基材100の一面100aに均一な無機層を形成することができる。そのため、無機層を形成した後、無機層の厚みを均一にするための研磨加工等の追加の加工が不要となる。
[積層フィルムの製造方法]
本実施形態の積層フィルムの製造方法は、基材と、基材の一面に形成された無機層と、を有する積層フィルムを製造する方法である。本実施形態の積層フィルムの製造方法は、エアロゾルデポジション法により、基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出し、基材の一面に無機物粒子からなる無機層を形成する工程(以下、「無機層形成工程」ということもある。)を含む。本実施形態の積層フィルムの製造方法は、無機層形成工程において、エアロゾルを吐出する複数のノズルを用い、複数のノズルを、基材の一面に沿って一直線上に配置する。
本実施形態の積層フィルムの製造方法では、例えば、図1〜図4に示す成膜装置を用いる。
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態の積層フィルムの製造方法を説明する。
無機層形成工程では、図2に示すように、複数のノズル22を、例えば、基材100の搬送方向(図2に示す矢印αの方向)に対して平行に配置する。また、複数のノズル22を、図2に示す直線β上に配置する。さらに、複数のノズル22を、所定の間隔を保ったまま、同時に、基材100の搬送方向(図2に示す矢印αの方向)に対して垂直方向(図2に示す矢印γの方向)に往復移動させる。すなわち、複数のノズル22を、基材100を図2に示す矢印αの方向に搬送するに伴って、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図2に示す矢印γの方向)に往復移動させる。複数のノズル22の往復移動を、基材100の一面100a上にて行う。
このようにすれば、上述のように、例えば、図2に符号22Aで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射した後、ノズル22を図2に符号22Bで示す位置に移動させて、その位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、そのエアロゾルと、図2に符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルが干渉することがない。この配置の場合、ノズル間の粉噴射量にばらつきがあったとしても、基材100の幅方向(図2に示す矢印γの方向)で均一な膜を作製することができる。
無機層形成工程では、図3に示すように、複数のノズル22を、例えば、基材100の搬送方向(図3に示す矢印αの方向)に対して垂直に配置する。また、複数のノズル22を、図3に示す直線β上に配置する。さらに、複数のノズル22を、所定の間隔を保ったまま、同時に、基材100の搬送方向(図3に示す矢印αの方向)に対して垂直方向(図3に示す矢印γの方向)に往復移動させる。すなわち、複数のノズル22を、基材100を図3に示す矢印αの方向に搬送するに伴って、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図3に示す矢印γの方向)に往復移動させる。複数のノズル22の往復移動を、基材100の一面100a上にて行う。
このようにすれば、上述のように、例えば、図3に符号22Aで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射した後、ノズル22を図3に符号22Bで示す位置に移動させて、その位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、そのエアロゾルと、図3に符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルが干渉することがない。この配置の場合、フィルムの幅方向(図3に示す矢印γの方向)で異なる膜厚の膜を同時に作製することができる。
無機層形成工程では、図4に示すように、複数のノズル22を、例えば、基材100の搬送方向(図4に示す矢印αの方向)に対して斜めに配置する。また、複数のノズル22を、図4に示す直線β上に配置する。さらに、複数のノズル22を、所定の間隔を保ったまま、同時に、基材100の搬送方向(図4に示す矢印αの方向)に対して垂直方向(図4に示す矢印γの方向)に往復移動する。すなわち、複数のノズル22を、基材100を図4に示す矢印αの方向に搬送するに伴って、基材100の搬送方向に対して垂直方向(図4に示す矢印γの方向)に往復移動させる。複数のノズル22の往復移動を、基材100の一面100a上にて行う。
このようにすれば、上述のように、例えば、図4に符号22Aで示す位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射した後、ノズル22を図4に符号22Bで示す位置に移動させて、その位置でノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、そのエアロゾルと、図4に符号22Aで示す位置で噴射したエアロゾルが干渉することがない。この配置の場合、フィルムの幅方向(図4に示す矢印γの方向)で異なる膜厚の膜を同時に作製することができる。
このように、複数のノズル22を、基材100の搬送方向に対して平行に、かつ一直線上に配置すれば、複数のノズル22を基材100の搬送方向に対して垂直方向に往復移動しながら、基材100の一面100aにエアロゾルを噴射しても、ノズル22が異なる位置で噴射したエアロゾル同士が干渉することがない。しがたって、基材100の一面100aにエアロゾルを均一に噴射することができ、その結果、基材100の一面100aに無機物粒子からなる均一な無機層を形成することができる。
本実施形態の積層フィルムの製造方法は、無機層形成工程において、基材100の一面100aに無機物粒子のエアロゾルを吐出して、無機物粒子からなる無機層を形成する複数のノズル22を用いるため、基材100の一面100aに、均一な無機層を効率的に形成できる。すなわち、上述のように、複数のノズル22を基材100の搬送方向に対して平行に、かつ一直線上に配置して、そのノズル22から基材100の一面100aにエアロゾルを吹き付けることによって、基材100の一面100aに均一な無機層を形成することができる。そのため、無機層を形成した後、無機層の厚みを均一にするための研磨加工等の追加の加工が不要となる。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
複数のノズル22の数や配置は、複数のノズル22が、基材100の一面100aに沿って一直線上に配置されていれば、基材100の一面100aの面積等に応じて適宜変更してもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
図5に示すように、フィルム基材の搬送方向(図5に示す矢印αの方向)に対して平行に、4個のノズルを1直線に並べて、AD法により、フィルム基材の一面に、無機物粒子のエアロゾルを吐出し、無機層を形成した。このとき、ノズルは、フィルム基材の搬送方向に対して垂直方向に往復移動を繰り返した。フィルム基材の搬送速度を8cm/min、ノズル駆動速度を2cm/secとした。
無機層を形成した後のフィルム基材の一面を撮影した写真を図6に示す。
[比較例]
図7に示すように、フィルム基材の搬送方向(図7に示す矢印αの方向)に対して平行に、8個のノズルを2直線に並べて、AD法により、フィルム基材の一面に、無機物粒子のエアロゾルを吐出し、無機層を形成した。このとき、ノズルは、フィルム基材の搬送方向に対して垂直方向に往復移動を繰り返した。フィルム基材の搬送速度を8cm/min、ノズル駆動速度を2cm/secとした。
無機層を形成した後のフィルム基材の一面を撮影した写真を図8に示す。
[膜厚評価]
実施例および比較例で形成した無機層の膜厚を、株式会社東京精密製の表面粗さ・輪郭形状測定機サーフコム130Aを用いて、以下のようにして測定した。
この測定において、針スイープ速度を0.15mm/sとした。
無機層とフィルム基材からなる積層体の膜厚T1を株式会社東京精密製の表面粗さ・輪郭形状測定機サーフコム130Aで測定した。任意の10点の膜厚T1を測定し、その平均値をave(T1)とした。フィルム基材の膜厚T2を表面粗さ・輪郭形状測定機サーフコム130Aで測定した。任意の10点の膜厚T2を測定し、その平均値をave(T2)とした。
ave(T1)−ave(T2)を脆性材料膜の厚みとした。
結果を表1に示す。
図6、図8および表1の結果から、ノズルを1直線に並べた実施例では、無機層は均一な膜であった。一方、ノズルを2直線に並べた比較例では、無機層はムラが大きかった。
本発明の積層フィルムの製造装置および積層フィルムの製造方法は、基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出して、基材の一面に無機物粒子からなる無機層を形成する際に、均一な無機層を効率的に形成できる。そのため、本発明の積層フィルムの製造装置および積層フィルムの製造方法で形成された積層フィルムを色素増感型太陽電池に適用した場合に、色素増感型太陽電池の出力が低下することを抑制できる。
10 成膜装置
15 搬送管
21 成膜室
22 ノズル
25 第一ガスボンベ
26 第一搬送管
27 マスフロー制御器
28 第一エアロゾル発生器
29 解砕器
31 分級器
100 基材

Claims (4)

  1. 基材と、該基材の一面に形成された無機層と、を有する積層フィルムの製造装置であって、
    前記基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出して、前記無機物粒子からなる無機層を形成する複数のノズルを有する成膜手段を備え、
    前記複数のノズルが、前記基材の一面に沿って一直線上に配置された積層フィルムの製造装置。
  2. 前記基材はフィルム基材であり、
    前記フィルム基材を搬送する搬送手段を有し、
    前記複数のノズルは、前記フィルム基材の搬送方向に対して平行、垂直または斜めに配置された請求項1に記載の積層フィルムの製造装置。
  3. 基材と、該基材の一面に形成された無機層と、を有する積層フィルムの製造方法であって、
    エアロゾルデポジション法により、前記基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出し、前記基材の一面に前記無機物粒子からなる無機層を形成する工程を含み、
    前記無機層を形成する工程において、前記エアロゾルを吐出する複数のノズルを用い、前記複数のノズルを、前記基材の一面に沿って一直線上に配置する積層フィルムの製造方法。
  4. 前記基材はフィルム基材であり、
    前記無機層を形成する工程において、前記フィルム基材を搬送しながら前記基材の一面に無機物粒子のエアロゾルを吐出するとともに、前記複数のノズルを、前記フィルム基材の搬送方向に対して平行、垂直または斜めに配置する請求項3に記載の積層フィルムの製造方法。
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