JP2008085136A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理液を基板に供給して処理する基板処理装置において、処理中における基板の帯電を抑制する。
【解決手段】基板処理装置1は、基板2に向けて処理液の液滴を吐出する吐出口46を有する吐出手段41、および、吐出手段41の外壁411に設けられた誘導電極44を備える。処理液供給ユニット413は導電線49を介して接地される。誘導電極44は電源45に接続され、処理液供給ユニット413と誘導電極44との間に電位差が付与されることにより、電荷が誘導された処理液の液滴が生成される。基板処理装置1では、電荷が誘導された処理液の液滴により基板2を洗浄することにより、洗浄中および洗浄後における基板2の帯電を抑制することができる。また、外壁411に誘導電極44が配置されることにより、外壁411の内部で液滴が生成される吐出手段に対しても、簡単な構成で誘導電極を配置できる。
【選択図】図1
【解決手段】基板処理装置1は、基板2に向けて処理液の液滴を吐出する吐出口46を有する吐出手段41、および、吐出手段41の外壁411に設けられた誘導電極44を備える。処理液供給ユニット413は導電線49を介して接地される。誘導電極44は電源45に接続され、処理液供給ユニット413と誘導電極44との間に電位差が付与されることにより、電荷が誘導された処理液の液滴が生成される。基板処理装置1では、電荷が誘導された処理液の液滴により基板2を洗浄することにより、洗浄中および洗浄後における基板2の帯電を抑制することができる。また、外壁411に誘導電極44が配置されることにより、外壁411の内部で液滴が生成される吐出手段に対しても、簡単な構成で誘導電極を配置できる。
【選択図】図1
Description
この発明は、処理液を基板に供給して基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
従来より、半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用基板などの基板に対して微細パターンを形成する工程が含まれる。ここで、微細加工を良好に行うためには基板表面を清浄な状態に保つ必要があり、必要に応じて基板の洗浄処理が行われる。基板の洗浄処理では、例えば、基板に対して純水等の洗浄液を噴射することにより、基板の表面に付着したパーティクル等が除去される。
ところで、このような洗浄処理では、基板と純水との接触により、基板の表面全体が帯電することが知られている。例えば、液晶表示装置用ガラス基板はマイナスに帯電する。基板の帯電量が大きくなると、洗浄中や洗浄後におけるパーティクルの再付着が発生する恐れがある。そこで、基板処理装置では、基板の帯電を抑制する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、回転する基板上に洗浄液を供給して洗浄する洗浄装置において、イオン化した窒素ガスを基板上の処理空間にパージした状態で洗浄を行うことにより、基板表面の帯電を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2では、洗浄液が貯溜された処理槽に基板を浸漬して洗浄する洗浄装置において、洗浄液の交換時に基板に噴射する液体を、純水に炭酸ガスを溶解させた導電性のCO2溶解水とすることにより、基板表面の帯電を抑制する技術が開示されている。
特許文献3では、純水をノズルから高速にて噴出してノズルとの流動摩擦により帯電した純水の微小液滴を生成し、当該液滴を帯電した物質と接触させることにより、帯電物質の静電気を除去する除電装置が開示されており、当該除電装置の適用対象として、洗浄後の帯電した半導体基板が挙げられている。
ところで、特許文献1のようにイオン化したガス雰囲気における洗浄処理では、基板表面に対してイオン化ガスを継続して効率良く供給することが難しく、特に液晶表示用ガラス基板のように大型基板に対しては、基板の帯電抑制に限界がある。また、特許文献2のようにCO2溶解水を基板に噴射する装置では、噴射前の純水にCO2を溶かし込むユニットが必要となるため、装置構造の複雑化および大型化が避けられない。一方、特許文献3の除電装置では、洗浄中における基板の帯電を抑制することはできない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、処理液を基板に供給して処理する基板処理装置において、処理中における基板の帯電を抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、処理液の液滴を基板に供給して基板を処理する基板処理装置であって、処理液と接液可能な導電性の接液部と、接液部を内部に収容する外壁とを有し、外壁で囲まれた空間において、ガスと接液部から噴出された処理液とを混合することにより処理液の液滴を生成し、液滴を吐出口から基板に向けて吐出する吐出手段と、接液部と電気的に絶縁されながら、接液部の近傍に、しかも接液部に向かうように外壁に設けられた誘導電極と、接液部と誘導電極との間に電位差を付与することにより、接液部に接液する処理液に電荷を誘導する電位差付与手段と、を備えることを特徴とする基板処理装置である。
この構成によれば、吐出手段が処理液と接液可能な導電性の接液部と、接液部を内部に収容する外壁とを有し、誘導電極が接液部と電気的に絶縁されながら接液部の近傍に、しかも接液部に向かうように外壁に設けられている。そして、電位差付与手段が接液部と誘導電極との間に電位差を付与することにより接液部に接液する処理液に電荷を誘導する。このとき、吐出手段の内部において生成され、吐出手段から吐出された処理液の液滴と基板との接触により基板が帯電するときの基板の帯電極性と逆極性の電荷(以下、単に「逆極性の電荷」という)を接液部に接液する処理液に誘導することにより、逆極性の電荷が処理液とともに基板の主面に供給される。これにより、処理中における基板の帯電を抑制することができる。
さらに、この発明によれば、誘導電極が接液部と電気的に絶縁されながら、接液部の近傍に、しかも接液部に向かうように外壁に設けられている。これにより、吐出手段の内部で処理液の液滴が生成される場合であっても、接液部の近傍に誘導電極が配置されているので、効率的に接液部に接液する処理液に電荷を誘導することができる。また、吐出手段の外壁に接液部に向かうように誘導電極を設けることにより、吐出手段に対して誘導電極を容易に近接して配置することができる。
請求項2に記載の発明は、誘導電極は、導電性樹脂または導電性カーボンにより形成されることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置である。
吐出手段の外壁に設けられた誘導電極が金属材料により形成された場合は、処理液中への金属成分の溶出によって処理液が汚染される恐れがあるが、この構成によれば、誘導電極が導電性樹脂または導電性カーボンにより形成されるので、金属成分の溶出による処理液の汚染を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、接液部は、導電性樹脂または導電性カーボンにより形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置である。
接液部が金属材料により形成された場合は、処理液中への金属成分の溶出によって処理液が汚染される恐れがあるが、この構成によれば、接液部が導電性樹脂または導電性カーボンにより形成されるので、金属成分の溶出による処理液の汚染を防止することができる。
請求項4に記載の発明は、接液部が接地されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板処理装置の構造を簡素化することができる。
請求項5に記載の発明は、処理液の液滴を基板に供給して基板を処理する基板処理方法であって、a)吐出手段の外壁で囲まれた空間の内部において、ガスと導電性の接液部から噴出された処理液とを混合することにより処理液の液滴を生成し、液滴を吐出口から吐出させる液滴吐出工程と、b)接液部と、接液部と電気的に絶縁されながら、接液部の近傍に、しかも接液部に向かうように外壁に設けられた誘導電極との間に電位差を付与することにより、a)工程と並行して接液部に接液する処理液に電荷を誘導する工程と、を備えることを特徴とする基板処理方法である。
この方法により、請求項1記載の発明と同様な効果を実現できる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1の構造を図解的に示す側面図である。基板処理装置1は、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置の製造に用いられる矩形のガラス基板2(以下、「基板2」という。)を洗浄する装置である。基板処理装置1内には基板2を水平な状態で搬送するための搬送機構3が設けられている。搬送機構3は、下方から基板2を支持して搬送方向31に搬送するための多数のローラ32が配列され、図示しない駆動機構がいくつかのローラ32を回転させることにより、基板2が搬送方向31に搬送される。
基板処理装置1は、全体が本体カバー11に覆われており、本体カバー11には、処理前の基板2を搬入するための搬入口12および処理後の基板2を搬出するための搬出口13が形成されている。本体カバー11内には、基板2に洗浄処理を施すための洗浄機構4および洗浄された基板2を乾燥するための乾燥機構5が設けられている。
洗浄機構4は、基板2の上方に配置されて上側の主面(以下、「上面」という。)に向けて処理液を吐出する吐出手段41、吐出手段41に処理液を供給する処理液供給源42、吐出手段41に気体を導くガス供給源43、および、吐出手段41の外壁に組み込まれるようにして設けられた誘導電極44とを備えている。
図2は、吐出手段41を搬送方向31から見たときの図解的な一部切り欠き側面図であり、図3は、図2のA-A断面図である。
吐出手段41は、ガス噴射口412aを有する中空円筒状のガス供給ユニット412と、処理液噴射口413aを有する中空円筒状の処理液供給ユニット413を収容し、かつガスと処理液とを混合して生成される液滴を吐出するための吐出部411aを有する断面方形状の中空箱体の外壁411とで構成されている。
なお、中空円筒状に構成されたガス供給ユニット412のガス噴射口412a、中空円筒状に構成された処理液供給ユニット413の処理液噴射口413a、中空箱体に構成された外壁411の吐出部411aは、それぞれ、長手方向の同一線上に沿って、所定間隔をおいて一列に散在して形成されており、複数の吐出孔として形成されている。外壁411の長手方向の長さは、搬送方向31に搬送される基板2の、搬送方向31に直交する幅方向の長さと同等であり、基板2の搬送方向31に直交する幅方向にわたって均一に液滴を吐出することができる。
なお、ガス供給ユニット412と処理液供給ユニット413とは、外壁411の内部に所定間隔離れて上下並列に配設されており、ガス供給ユニット412と処理液供給ユニット413との間には空間が形成されている。また、処理液噴射口413aはガス供給ユニット412の壁に向いて開口し、ガス噴射口412aは外壁411の内壁に向いて開口している。すなわち、ガス噴射口412a及び処理液噴射口413aは、外壁411の吐出部411aの開口方向に対して反対方向に向いて開口しており、ガス噴射口412aからのガスの噴射方向及び処理液噴射口413aからの処理液の噴射方向は、外壁411の吐出部411aからの液滴の吐出方向に対して反対方向である。
ガス供給ユニット412の一方の端部は、ガス供給源43に接続されており、他方の端部は外壁411の端部に形成されたネジ部47に対して螺合可能である。また、処理液供給ユニット413の一方の端部は、処理液供給源42に接続されており、他方の端部は外壁411の端部に形成されたネジ部48に対して螺合可能である。なお、外壁411に対するガス供給ユニット412及び処理液供給ユニット413の装着は、ネジ機構に限らず、種々の装着機構が採用できる。
処理液供給ユニット413は、導電性カーボンまたは導電性樹脂により形成される。導電性カーボンとしては、アモルファスカーボンやグラッシカーボン等のガラス状カーボンにより形成されるのが好ましい。導電性樹脂としては、例えば、導電性PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)や導電性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成される。なお、本実施形態では、処理液供給ユニット413は、ガラス状の導電性カーボンにより形成される。ガラス状カーボンは、均質かつ緻密な構造を有する硬質な炭素材料であり、導電性や耐薬品性、耐熱性等に優れる。
このように、本実施形態では、処理液供給ユニット413が本発明における「処理液と接液可能な導電性の接液部」として機能している。また、処理液供給ユニット413には導電線49が接続されており、図2に示すように、導電線49を介して処理液供給ユニット413が接地されている。
また、本実施形態では、円筒状のガス供給ユニット412及び円筒状の処理液供給ユニット413が箱体の外壁411に対して着脱可能に装着されているとともに、ガス供給ユニット412へのガスの供給方向に対して処理液供給ユニット413への処理液の供給方向は逆方向となっている。なお、外壁411に対するガス供給ユニット412及び処理液供給ユニット413の装着部位には、O−リングなどのシール部材が装着されており、ガス及び処理液の漏出を防止している。
断面方形状の箱体で構成された外壁411の内部には、ガス供給ユニット412のガス噴射口412aからのガスと処理液供給ユニット413の処理液噴射口413aからの処理液とを混合するための混合部415が形成されており、外壁411の吐出部411aからは、混合部415で生成された液滴が吐出される。本実施形態では、吐出部411aには、円筒状のノズルヘッド414が装着されており、ノズルヘッド414の吐出口46から液滴が吐出される。
このように、本実施形態では、外壁411の長手方向に複数のノズルヘッド414が装着されているので、広範囲に亘って、液滴を精度よく吐出できる。さらに、処理液供給ユニット413の処理液噴射口413aからの処理液が、ガス供給ユニット412の外壁に衝突して拡散するとともに、ガス供給ユニット412のガス噴射口412aからのガスが、外壁411の内壁に衝突して混合部415に拡散し、拡散した処理液を包囲した形態で処理液とガスとが混合されるため、混合部415でガスと処理液とが効率よく混合され、液滴を効率よく微細化してノズルヘッド414から吐出される。また、混合部415での衝突及び混合などにより液滴が一次粒子化し、ノズルヘッド414でさらに二次微粒化するため、簡単な構造で液滴径を効率よく微細化できる。なお、ノズルヘッド414内で混合することなく混合部415でガスと処理液とが混合されるため、ノズルヘッド414での目詰まりも抑制できる。
なお、外壁411は、吐出部411aを有し、かつガス供給ユニット412及び処理液供給ユニット413を収容可能であればよく、箱体に限らず、多面体、楕円体や球体などの中空体で構成してもよい。
また、吐出部411aの形状も特に制限されず、円形状(円状、楕円形状など)、多角形状(方形状など)、放射状(十字状など)などの非スリット状であってもよく、スリット状(又は細長状)のいずれであってもよい。
図3に示すように、吐出手段41の外壁411には、細長い矩形体で構成された誘導電極44が処理液供給ユニット413に沿って2つ配設されている。誘導電極44は、処理液供給ユニット413の近傍で、かつ、主にガスが流通する領域に配置されている。本実施形態では、処理液噴射口413aよりも上方で、ガス供給ユニット412の側方に位置する外壁411に、誘導電極44が処理液供給ユニット413の近傍に、しかも処理液供給ユニット413に向かうように設けられている。
処理液の液滴は混合部415で生成されるが、ガス供給ユニット412のガス噴射口412aから噴射されたガスが吐出部411aに向かう方向に流れているため、ガス供給ユニット412の側方付近の外壁には処理液の液滴が付着しない。したがって、誘導電極44には処理液の液滴が接触しない。なお、誘導電極44は処理液供給ユニット413とは電気的に絶縁されている。このように、処理液供給ユニット413が外壁411の内部に収容されており、処理液供給ユニット413に設けられた処理液噴射口413aの位置が吐出口46から離れている場合、処理液供給ユニット413の、特に処理液噴射口413aの近傍に誘導電極44を配置することにより、効率良く処理液に電荷を誘導することができる。さらに、誘導電極44が混合部415内の主にガスが流通する領域に配置されることにより、混合部415で生成された処理液の液滴が誘導電極44に接触しない。したがって、接液部である処理液供給ユニット413と誘導電極44とが短絡して後述する電源45に過大な電流が流れ込み、電源45が故障することが防止される。
誘導電極44の材料はステンレス鋼製等の金属材料であってもよいが、処理液中への金属粉の混入や金属成分の溶出による処理液の汚染を防止する観点から、導電性カーボンまたは導電性樹脂により形成されるのが好ましい。導電性カーボンとしてはアモルファスカーボンやグラッシカーボン等のガラス状カーボンにより形成されるのが好ましい。導電性樹脂としては、例えば、導電性PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)や導電性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成される。なお、本実施形態では、誘導電極44は、ガラス状の導電性カーボンにより形成される。ガラス状カーボンは、均質かつ緻密な構造を有する硬質な炭素材料であり、導電性や耐薬品性、耐熱性等に優れる。
また、外壁411に設けられた2つの誘導電極44は、配線45aによって共通の電源45に電気的に接続されている。そして、電源45がON(電圧印加)されると、導電性の接液部である処理液供給ユニット413と、誘導電極44との間に電位差が付与される。本実施形態では、電源45のマイナス側の端子が導電性の配線45aを介して誘導電極44と接続されており、誘導電極44にはマイナスの電位が与えられる。これにより、処理液供給ユニット413に接液する処理液にプラスの電荷が誘導され、プラスの電荷を有する処理液の液滴が吐出口46から噴出される。このように、本実施形態では、電源45が、本発明の「電位差付与手段」として機能する。
図1に戻って説明を続ける。乾燥機構5は、基板2の上面に気体を噴射するエアナイフ装置51および基板2の下面に気体を噴射するエアナイフ装置52を備えている。エアナイフ装置51、52は、基板2の搬送方向31と直交する幅方向に延びたスロット状の開口51a、52aをそれぞれ有している。エアナイフ装置51は、基板2の上面に対して、この基板2の全幅に渡り、搬送方向31とは反対方向に向かって斜め下方に傾斜した方向に、スロット状の開口51aから気体(たとえば空気)を噴射する。同様に、エアナイフ装置52は、基板2の下面に対して、この基板2の全幅に渡り、搬送方向31とは反対方向に向かって斜め上方に傾斜した方向に、上記スロット状開口52aから気体(たとえば空気)を噴射する。ローラ32によって基板2が搬送方向31に搬送されていくことにより、基板2の上下面においてエアナイフ装置51、52からの気流の供給を受ける位置が刻々と変化する。これにより、基板2の上下面に付着している処理液は、搬送方向31の上流側へと押しやられ、基板2の後端縁がエアナイフ装置51、52を通過する時点では、基板2全面に付着している処理液が除去される。
次に、基板処理装置1による基板2の洗浄処理について説明する。図4は、基板処理装置1による基板2の洗浄の動作を示すプロセスフローである。なお、本実施形態では、ガス供給ユニット412に供給されるガスとして窒素ガスを用い、処理液供給ユニット413に供給される処理液としては純水を用いている。
図1に示すように、本体カバー11の搬入口12から搬入された基板2は、複数のローラ32によってほぼ水平に支持されつつ搬送方向31に搬送される(ステップS1)。
続いて、誘導電極44と処理液供給ユニット413との間に電位差が付与される。このとき、処理液供給ユニット413の内部空間は純水で充填されており、処理液噴射口413aには、純水が供給された状態となっている。本実施形態では、誘導電極44に対してマイナス電位(およそ−1000V)が与えられ、誘導電極44と接液部である処理液供給ユニット413との間に電位差が付与される。その結果、処理液噴射口413aに接液する純水にプラスの電荷が誘導される(ステップS2)。
そして、この状態において、処理液供給源42から処理液供給ユニット413に純水が供給され、ガス供給源43からガス供給ユニット412に窒素ガスが供給される。これにより、処理液供給ユニット413の処理液噴射口413aからプラスの電荷が誘導された純水が噴射され、ガス供給ユニット412の外壁に衝突して拡散する。また、ガス供給ユニット412のガス噴射口412aから窒素ガスが噴射され、外壁411の内壁に衝突して混合部415に拡散する。そして、混合部415でプラスの電荷が誘導された純水と窒素ガスとが混合されプラスの電荷が誘導された純水の液滴が生成される。生成されたプラスの電荷が誘導された純水の液滴はノズルヘッド414から吐出され、基板2の洗浄が行われる(ステップS3)。
基板処理装置1では、基板2が搬送方向31に搬送されつつ、吐出手段41から純水の液滴が吐出されることにより、基板2の前端縁から順次、純水の液滴が吐出され、上面に付着しているパーティクル等の異物が除去される。基板処理装置1では、基板2に対する純水の液滴の吐出が行われている間、誘導電極44による純水への電荷の誘導が並行して継続的に行われる。
基板2の後端縁が吐出手段41の下方を通過して、基板2の上面全体に対する液滴の吐出が行われると、処理液供給源42からの純水の供給およびガス供給源43からの窒素ガスの供給が停止され、吐出手段41からの液滴の吐出が停止される。また、誘導電極44と電源45との電気的接続が切られて純水への電荷の誘導が停止される。基板2は搬送方向31に搬送されることによって、乾燥機構5によって基板の前端縁から順次乾燥させられ、基板2の後端縁がエアナイフ装置51、52の下方を通過すると、基板2の上下面全面が乾燥させられる(ステップS4)。その後、基板2は搬出口13から搬出されて基板2に対する洗浄処理が終了する(ステップS5)。
このように、本実施形態の基板処理装置1では、基板2の上面に純水の微小な液滴を高速にて衝突させることにより、上面に形成された微細なパターンを損傷することなく、上面に付着している有機物等の微小なパーティクルを効率良く除去することができる。
さらに、このような純水の微小な液滴による洗浄処理では、基板2と純水との接触により、ガラス基板2はマイナスに帯電するが、本実施形態の基板処理装置1では、洗浄後の基板電位とは逆極性の電荷(すなわち、プラスの電荷)が誘導された純水の液滴により基板2を洗浄することにより、洗浄中および洗浄後における基板2の帯電を抑制することができる。また、上記電荷の誘導は、吐出手段41の外壁411に設けられた誘導電極44により、基板処理装置1の構造を簡素化しつつ容易に実現することができる。
また、基板処理装置1では、基板2に対する洗浄が行われている間、吐出手段41に対する電荷の誘導が継続的に行われることにより、基板2の帯電をより一層抑制することができる。
また本実施形態では、処理液供給ユニット413が吐出手段41の外壁411の内部に収容されており、処理液供給ユニット413に設けられた処理液噴射口413aの位置が吐出口46から離れているが、処理液供給ユニット413の近傍、特に処理液噴射口413aの近傍に誘導電極44が配置されることにより、効率良く処理液に電荷を誘導することができる。
さらに、誘導電極44が混合部415内の主にガスが流通する領域に配置されることにより、混合部415で生成された処理液の液滴が誘導電極44に接触しない。したがって、接液部である処理液供給ユニット413と誘導電極44とが短絡して電位差付与手段である電源45に過大な電流が流れ込み、電源45が故障することが防止される。
また、本実施形態では、処理液供給ユニット413が導電性カーボンまたは導電性樹脂により形成されることにより、処理液供給ユニット413が金属により形成される場合と異なり、接液部における導電性を確保しつつ、純水中への金属粉等の混入や接液部の材料の溶出による純水の汚染を防止することができる。これにより、洗浄中における基板2に対する金属粉の付着等が防止される。特に、処理液供給ユニット413がガラス状カーボンにより形成されることにより、接液部の材料が純水中に溶出することをより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、処理液として純水を用いたが、処理液として炭酸水が用いられてもよい。用いられる炭酸水の比抵抗は、1×102Ωm以上4×103Ωm以下であるのがよく、5×102Ωm以上4×103Ωm以下がさらに好ましい。このように、純水よりも比抵抗が低い処理液が用いられることによって、基板2の帯電をより一層抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態における基板処理装置1について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態における基板処理装置1の洗浄機構4に備えられた吐出手段61および誘導電極78の図解的な断面斜視図である。この吐出手段61は、その先端部に搬送方向31(X方向)と直交する方向(Y方向)に延びる吐出口62を有し、吐出手段61の内部で処理液とガスとを混合させて処理液の液滴を生成し、吐出口62から基板2に向けて処理液の液滴を吐出する。また、誘導電極78は吐出手段61の外壁に組み込まれるようにして設けられている。その他の構成は図1と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
吐出手段61は、外壁63と、処理液吐出用基体64と、処理液衝突用基台65とを備えている。これらはいずれもY方向に延設されており、処理液吐出用基体64と処理液衝突用基台65とが外壁63内に収容されている。処理液吐出用基体64と処理液衝突用基台65とはZ方向に所定の間隔を隔てて配設されており、処理液吐出用基体64と処理液衝突用基台65とで挟まれる空間は、処理液を拡散させる拡散部66を構成している。なお、処理液吐出用基体64と処理液衝突用基台65とはX方向において同一幅を有しており、互いに中心を一致させた状態で対向配置されている。また、X方向において処理液吐出用基体64の両側にそれぞれ処理液吐出用基体64と外壁63との間に形成されるスリット状の空間はノズルに導入されたガスを流通させるガス流通路67となっている。X方向において拡散部66の両側はそれぞれ連通口68を介して混合部69に連通されており、各混合部69はそれぞれガス流通路67と流路接続されている。すなわち、混合部69は拡散部66を挟んで拡散部66の両側にそれぞれ連通口68を介して設けられており、各混合部69において拡散部66から拡散され連通口68を介して送り込まれる処理液とガス流通路67から供給されるガスとを混合させて処理液の液滴を生成している。さらに、2つの混合部69は処理液衝突用基台65の下方において合流部70と繋がっており、合流部70を介して各混合部69で生成された処理液の液滴を合流させて吐出口62に導いている。
外壁63の上部には、1箇所または複数箇所のガス導入部71が設けられ、ガス導入部71は外壁63に配設されたガスマニホールド72に連通されている。ガスマニホールド72は処理液吐出用基体64の上方にY方向に延設された内部空間により構成されている。また、X方向においてガスマニホールド72の底部両側にはそれぞれZ方向にガスを流通させるガス流通路67が接続されている。ガス導入部71は、ガス供給源43に接続されており、ガスがガス供給源43からガス導入部71を介してガスマニホールド72に供給される。ガスマニホールド72は、ガス導入部71から導入されたガスをマニホールド内で均等に分散させる役割を果たし、各ガス流通路67からガスをそれぞれ直下に位置する混合部69に向けてY方向に均一にして供給する。
また、外壁63の上部には、1箇所または複数箇所の処理液導入部73が設けられ、処理液導入部73は処理液吐出用基体64の内部にY方向に延設された処理液マニホールド74に連通されている。さらに、処理液マニホールド74の底部は、X方向に所定の間隙を隔てた状態でY方向にスリット状に延設された処理液吐出スリット75に接続されている。即ち処理液吐出スリット75は、2つの混合部69の間に沿って処理液の吐出方向と交差する方向にスリット状に延設されている。この処理液吐出スリット75はX方向において処理液吐出用基体64の両側に形成された2つのガス流通路67から等距離となる位置に設けられている。この処理液吐出スリット75はZ方向に沿って流路を形成し、開口751を介して拡散部66に連通している。したがって、処理液供給源42から処理液が処理液導入部73に導入されると、処理液マニホールド74を経由して処理液吐出スリット75から拡散部66に向けてY方向に沿って帯状に処理液が吐出される。処理液マニホールド74は、処理液導入部73から導入された処理液をマニホールド内で均等に分散させる役割を果たし、処理液吐出スリット75から処理液を拡散部66に向けてY方向に均一に吐出させる。なお、この実施形態では、処理液マニホールド74の断面形状をコ字状として処理液導入部73に導入された処理液を直接に処理液吐出スリット75から吐出させないように流路を屈曲させているが、即ち処理液導入部73から流下する処理液が当接する拡散板を配設した形態としているが、マニホールドの断面形状は特に限定されない。例えば、処理液をY方向に均等分配するものであれば、円形または四角形などの角形としてもよい。これは、上述したガスマニホールド72についても同様である。
また、この実施形態では、外壁63の上部からそれぞれガス導入部71および処理液導入部73を介してガスおよび処理液を導入することにより、水平方向(XY方向)において省スペースで吐出手段61を配置するように構成しているが、これに限定されず、例えば外壁63の側方(Y方向)からガスおよび/または処理液を導入するようにしてもよい。
処理液吐出用基体64と処理液衝突用基台65とはZ方向において所定の間隔を隔てて配設されており、処理液吐出用基体64の下面と処理液衝突用基台65の上面651とで挟まれる空間を利用して処理液吐出用基体64の下面に開口した処理液吐出スリット75の開口751から吐出される処理液を拡散させている。このように、処理液吐出用基体64の下面と処理液衝突用基台65の上面651とで挟まれる空間によって拡散部66が構成されている。この拡散部66には、衝突部材76が、その上面761を処理液吐出スリット75の開口751と対向させた状態で設けられている。詳しくは、X方向において処理液吐出スリット75の中心と衝突部材76の中心とが一致するように、衝突部材76がX方向において処理液吐出スリット75を中心として対称に配置されている。
衝突部材76は処理液衝突用基台65の上面側に着脱自在に取り付けられている。具体的には、衝突部材76はY方向に沿って延びるレール状に形成され、その一部が処理液衝突用基台65の上面側に設けられた保持溝652に嵌入される。詳しくは衝突部材76の上部はX方向に一定の幅を有しながらY方向に延設された平板状に形成される一方、下部が凸型状の断面形状でY方向に延びるように、2つの混合部69の間に形成されている。その一方で、保持溝652は衝突部材76の下部断面形状に合わせて断面形状が凸型状にY方向に延びるように処理液衝突用基台65の上面側に形成されている。したがって、Y方向に沿って衝突部材76を移動させることにより、処理液衝突用基台65に対して衝突部材76がカートリッジとして嵌脱可能となっている。
処理液衝突用基台65の上面651はXY方向に広がる平面を構成する一方、衝突部材76の上面761は処理液衝突用基台65の上面651に平行な平面を構成している。したがって、処理液吐出スリット75から処理液がZ方向に吐出されると、吐出された処理液が衝突部材の上面761に対して垂直に入射して衝突する。衝突部材76の上面761に衝突した処理液は、処理液吐出用基体64の下面と処理液衝突用基台65の上面651とで挟まれる空間を通ってX方向に沿って両側に拡散されていく。
ここで、衝突部材76は、炭化タングステン、超硬合金などの耐磨耗性に優れる材質で形成するのが好ましい。これにより、処理液吐出スリット75から吐出される処理液の衝突による衝突部材76の磨耗を低減することができる。また、衝突部材76は処理液衝突用基台65に着脱自在となっていることから、磨耗した場合であっても衝突部材76のみを取り外し新品に交換することによって初期状態に復帰させることができる。したがって、衝突部材76のみを耐磨耗性を有する材質で形成することによりメンテナンスを容易にするとともに省コスト化が図れる。
また、X方向において拡散部66の両側はそれぞれ、連通口68を介して混合部69と繋がっている。さらに、各混合部69はZ方向においてガス流通路67と接続されている。そのため、拡散部66からX方向に沿って両側に連通口68を介して混合部69に送り込まれる処理液は、ガス流通路67から送り込まれるガスと直交して混合される。これによって各混合部69において処理液の液滴が生成される。また、X方向において処理液衝突用基台65の両側に処理液衝突用基台65と外壁63との間に形成されるスリット状の空間はそれぞれ、混合部69において生成された処理液の液滴の連通路77を形成している。各混合部69は連通路77を介して処理液衝突用基台65の下方において合流部70と接続されており、さらに合流部70はY方向に延びるスリットを形成する吐出口62と繋がっている。
ここで、外壁63、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65は、導電性カーボンまたは導電性樹脂により形成される。導電性カーボンとしては、アモルファスカーボンやグラッシカーボン等のガラス状カーボンにより形成されるのが好ましい。導電性樹脂としては、例えば、導電性PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)や導電性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成される。なお、本実施形態では、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65は、ガラス状の導電性カーボンにより形成される。ガラス状カーボンは、均質かつ緻密な構造を有する硬質な炭素材料であり、導電性や耐薬品性、耐熱性等に優れる。
このように、本実施形態では、処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65が本発明における「処理液と接液可能な導電性の接液部」として機能している。また、本実施形態では、外壁63も処理液と接液可能に構成され導電性を有している。外壁63には導電線49が接続されており、図6に示すように、導電線49を介して外壁63が接地されている。
また、図5に示すように、吐出手段61には、誘導電極78が外壁63にY方向に延びる方向に2つ配設されている。2つの誘導電極78はそれぞれ、処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65の近傍に、しかも処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65に向かうように外壁63に設けられている。具体的には、2つの誘導電極78は、各混合部の近傍で、かつ、主にガスが流通する領域、すなわち、各混合部69よりも上方のガス流通路67に面する外壁63にそれぞれ配設されている。また、各誘導電極78と外壁63の境界面には、絶縁部材781が設けられており、各誘導電極78は外壁63、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65と電気的に絶縁されている。
このように、本実施形態のように、吐出手段61の内部で処理液の液滴が生成され、かつ処理液の液滴が生成される混合部69と吐出口62が離れている場合、処理液の液滴が生成される混合部69の近傍に誘導電極78を配置することにより、効率良く処理液に電荷を誘導することができる。さらに、誘導電極78が主にガスが流通する領域に配置されることにより、混合部69で生成される処理液の液滴が誘導電極78に接触しない。したがって、外壁63と誘導電極78とが短絡して、および接液部(処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65)と誘導電極78とが短絡して後述する電源45に過大な電流が流れ込み、電源45が故障することが防止される。
誘導電極78の材料はステンレス鋼製等の金属材料であってもよいが、処理液中への金属粉の混入や金属成分の溶出による処理液の汚染を防止する観点から、導電性カーボンまたは導電性樹脂により形成されるのが好ましい。導電性カーボンとしてはアモルファスカーボンやグラッシカーボン等のガラス状カーボンにより形成されるのが好ましい。導電性樹脂としては、例えば、導電性PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)や導電性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成される。なお、本実施形態では、誘導電極78は、ガラス状の導電性カーボンにより形成される。ガラス状カーボンは、均質かつ緻密な構造を有する硬質な炭素材料であり、導電性や耐薬品性、耐熱性等に優れる。
図6は、吐出手段61を搬送方向31から見たときの図解的な側面図であり、図7は吐出手段61を搬送方向31に垂直な方向から見たときの図解的な側面図である。
図6および図7に示すように、各誘導電極78は電源45に電気的に接続されている。そして、電源45がON(電圧印加)されると、導電性の外壁63と各誘導電極78との間および導電性の接液部(処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65)と各誘導電極78との間に電位差が付与される。本実施形態では、電源45のマイナス側の端子が導電性の配線45aを介して誘導電極78と接続されており、各誘導電極78にはマイナスの電位が与えられる。これにより、外壁63、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65に接液する処理液にプラスの電荷が誘導され、プラスの電荷を有する処理液の液滴が吐出口62から噴出される。
次に、第2の実施形態の洗浄機構4を備えた基板処理装置1による基板2の洗浄処理について説明する。第2の実施の形態に係る基板処理装置1による基板2の洗浄の流れは、第1の実施形態と同様であり、図4を参照して説明する。なお、本実施形態では、ガス導入部71に供給されるガスとして窒素ガスを用い、処理液導入部73に供給される処理液としては純水を用いている。
図1に示すように、本体カバー11の搬入口12から搬入された基板2は、複数のローラ32によってほぼ水平に支持されつつ搬送方向31に搬送される(ステップS1)。
続いて、誘導電極78と、外壁63、処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65との間に電位差が付与される。このとき、処理液マニホールド74、処理液吐出スリット75、拡散部66は純水で充填されており、連通口68に純水が供給された状態となっている。本実施形態では、誘導電極78に対してマイナス電位(およそ−1000V)が与えられ、誘導電極78と、外壁63、処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65との間に電位差が付与される。その結果、連通口68に接液する純水にプラスの電荷が誘導される(ステップS2)。
そして、この状態において、ガス供給源43および処理液供給源42から窒素ガスおよび純水がそれぞれガス導入部71および処理液導入部73に供給される。ガス導入部71に供給された窒素ガスはガスマニホールド72を介して処理液吐出用基体64の両側に形成された2つのガス流通路67にY方向に沿って均等に分配され、各ガス流通路67からそれぞれ直下に位置する各混合部69に向けてY方向に均一に送り込まれる。連通口68に供給された純水は各混合部69に送り込まれ、Z方向に沿ってガス流通路36から送り込まれる窒素ガスと混合される。これにより、Y方向において均一に、プラスの電荷が誘導された純水の液滴が生成される。
各混合部69において生成された純水の液滴は連通路77を介して合流部70に運ばれ合流する。これによって、各混合部69において生成された純水の液滴が互いに衝突することによって合流した液滴群を形成するとともに、吐出口62からプラスの電荷が誘導された純水の液滴群がY方向に帯状に基板2に向けて噴射され、基板2の洗浄が行われる(ステップS3)。ここで、吐出口62はX方向に所定の距離を隔ててY方向に延びるスリットを形成している。そのため、合流部70で形成された純水の液滴群は吐出口62から噴射されることでY方向と異なる方向に飛散しようとする液滴群がスリットによって規制される。このため、Y方向において純水の液滴群を基板2に安定して供給することができ、処理ムラが発生するのが確実に防止される。
基板処理装置1では、基板2が搬送方向31に搬送されつつ、吐出手段61から純水の液滴が吐出されることにより、基板2の前端縁から順次、純水の液滴が吐出され、上面に付着しているパーティクル等の異物が除去される。基板処理装置1では、基板2に対する純水の液滴の吐出が行われている間、誘導電極78による純水への電荷の誘導が並行して継続的に行われる。
基板2の後端縁が吐出手段61の下方を通過して、基板2の上面全体に対する液滴の吐出が行われると、処理液供給源42からの純水の供給およびガス供給源43からの窒素ガスの供給が停止され、吐出手段61からの液滴の吐出が停止される。また、誘導電極78と電源45との電気的接続が切られて純水への電荷の誘導が停止される。基板2は搬送方向31に搬送されることによって、乾燥機構5によって基板の前端縁から順次乾燥させられ、基板2の後端縁がエアナイフ装置51、52の下方を通過すると、基板2の上下面全面が乾燥させられる(ステップS4)。その後、基板2は搬出口13から搬出されて基板2に対する洗浄処理が終了する(ステップS5)。
このように、本実施形態の基板処理装置1では、基板2の上面に純水の微小な液滴を高速にて衝突させることにより、上面に形成された微細なパターンを損傷することなく、上面に付着している有機物等の微小なパーティクルを効率良く除去することができる。
さらに、このような純水の微小な液滴による洗浄処理では、基板2と純水との接触により、ガラス基板2はマイナスに帯電するが、本実施形態の基板処理装置1では、洗浄後の基板電位とは逆極性の電荷(すなわち、プラスの電荷)が誘導された純水の液滴により基板2を洗浄することにより、洗浄中および洗浄後における基板2の帯電を抑制することができる。また、上記電荷の誘導は、吐出手段61の外壁63に設けられた誘導電極78により、基板処理装置1の構造を簡素化しつつ容易に実現することができる。
基板処理装置1では、また、基板2に対する洗浄が行われている間、吐出手段61に対する電荷の誘導が継続的に行われることにより、基板2の帯電をより一層抑制することができる。
また本実施形態では、処理液の液滴が生成される混合部69と吐出口62が離れているが、処理液の液滴が生成される混合部69の近傍に誘導電極を配置することにより、効率良く処理液に電荷を誘導することができる。
さらに、誘導電極78が主にガスが流通する領域に配置されることにより、混合部69で生成される処理液の液滴が誘導電極78に接触しない。したがって、外壁63と誘導電極78とが短絡して、および接液部(処理液吐出用基体64および処理液衝突用基台65)と誘導電極78とが短絡して電位差付与手段である電源45に過大な電流が流れ込み、電源45が故障することが防止される。
また、本実施形態では、外壁63、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65が導電性カーボンまたは導電性樹脂により形成されることにより、外壁63、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65が金属により形成される場合と異なり、外壁および接液部における導電性を確保しつつ、純水中への金属粉等の混入や外壁および接液部の材料の溶出による純水の汚染を防止することができる。これにより、洗浄中における基板2に対する金属粉の付着等が防止される。特に、外壁63、処理液吐出用基体64、および処理液衝突用基台65がガラス状カーボンにより形成されることにより、外壁および接液部の材料が純水中に溶出することをより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、処理液として純水を用いたが、処理液として炭酸水が用いられてもよい。用いられる炭酸水の比抵抗は、1×102Ωm以上4×103Ωm以下であるのがよく、5×102Ωm以上4×103Ωm以下がさらに好ましい。このように、純水よりも比抵抗が低い処理液が用いられることによって、基板2の帯電をより一層抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上記実施の形態に係る基板洗浄装置では、洗浄により生じる基板の電位の極性および帯電量は、基板の種類によって異なるため、基板処理装置において誘導電極と接液部との間に付与される電位差は、基板の種類に合わせて様々に変更される。例えば、基板上にレジスト膜が形成されている場合、洗浄により基板の上面がプラスに帯電するため、誘導電極にはプラスの電圧がかけられ、洗浄液にマイナスの電荷が誘導される。
また、基板洗浄装置では、超音波が付与された処理液が吐出されて基板2の洗浄が行われてもよい。
また、基板洗浄装置では、処理液として純水や炭酸水以外の液体が利用されてもよく、例えば、フッ素系洗浄液である日本ゼオン株式会社のゼオローラ(登録商標)や、スリーエム社のノベック(登録商標)HFEが洗浄液として利用されてもよい。
上記の実施形態に係る基板処理装置は、基板の洗浄以外の様々な処理に利用されてもよく、例えば、薬液洗浄された後の基板のリンス処理に利用されてもよい。この場合、純水等のリンス液が基板に供給される処理液として用いられる。また、基板処理装置は、プリント配線基板や半導体基板等、フラットパネル表示装置に使用されるガラス基板以外の様々な基板の処理に利用されてよい。
1 基板処理装置
2 基板
41、61 吐出手段
44、78 誘導電極
411、63 外壁
45 電源(電位差付与手段)
46、62 吐出口
49 導電線
64 処理液吐出用基体(接液部)
65 処理液衝突用基体(接液部)
413 処理液供給ユニット(接液部)
2 基板
41、61 吐出手段
44、78 誘導電極
411、63 外壁
45 電源(電位差付与手段)
46、62 吐出口
49 導電線
64 処理液吐出用基体(接液部)
65 処理液衝突用基体(接液部)
413 処理液供給ユニット(接液部)
Claims (5)
- 処理液の液滴を基板に供給して基板を処理する基板処理装置であって、
処理液と接液可能な導電性の接液部と、前記接液部を内部に収容する外壁とを有し、前記外壁で囲まれた空間において、ガスと前記接液部から噴出された処理液とを混合することにより処理液の液滴を生成し、前記液滴を吐出口から基板に向けて吐出する吐出手段と、
前記接液部と電気的に絶縁されながら、前記接液部の近傍に、しかも前記接液部に向かうように前記外壁に設けられた誘導電極と、
前記接液部と前記誘導電極との間に電位差を付与することにより、前記接液部に接液する処理液に電荷を誘導する電位差付与手段と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。 - 前記誘導電極は、導電性樹脂または導電性カーボンにより形成されることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 前記接液部は、導電性樹脂または導電性カーボンにより形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
- 前記接液部が接地されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置。
- 処理液の液滴を基板に供給して基板を処理する基板処理方法であって、
a)吐出手段の外壁で囲まれた空間の内部において、ガスと導電性の接液部から噴出された処理液とを混合することにより処理液の液滴を生成し、前記液滴を吐出口から吐出させる液滴吐出工程と、
b)前記接液部と、前記接液部と電気的に絶縁されながら、前記接液部の近傍に、しかも前記接液部に向かうように前記外壁に設けられた誘導電極との間に電位差を付与することにより、前記a)工程と並行して前記接液部に接液する処理液に電荷を誘導する工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011103438A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-05-26 | Tokyo Electron Ltd | 基板液処理装置及び基板液処理方法並びに基板液処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
WO2012131815A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 | ハードディスク用ガラス基板の梱包体の製造方法 |
-
2006
- 2006-09-28 JP JP2006264493A patent/JP2008085136A/ja not_active Abandoned
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