JP6991849B2 - 構造体の補強構造 - Google Patents

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本発明は、柱や梁などの構造体の補強構造に関するものである。
近年、柱や梁などを、木の板の各層を互いに直交するように積層接着した直交集成材(CLT;Cross Laminated Timber)から構成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このCLTは、軽量であるだけでなく、直交積層であるため、高い寸法安定性が得られるだけでなく、断熱性にも優れており、かつ、プレキャスト化も容易であることから、木造住宅などに用いられている。
特開2017-53187号公報
しかしながら、柱や梁などをCLTで構築した場合には、剛性や耐力に問題があるため、これらの構造体を補強してやる必要があるが、補強部材として、鋼板を用いた場合には、柱材にCLTを用いた場合の利点である軽量化の妨げになっていた。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、剛性や耐力を確保しつつ、軽量化やプレキャスト化が容易な補強部材を用いた構造体の補強構造を提供することを目的とする。
本発明は、芯材と、前記芯材の外周面を囲むように取付けられる補強板とを備えた構造体の補強構造であって、前記構造体が柱または梁または柱梁接合部で、前記補強板を囲む外枠と、前記補強板と前記外枠とを連結する隔壁と、前記外枠と前記補強板と前記隔壁との間に配置される断熱材、耐火材、もしくは、防火材を備え、前記補強板、前記外枠、及び、前記隔壁がセルロースナノファイバー(CNF;cellulosenanofiber)から成ることを特徴とする。
なお、セルロースナノファイバー(CNF)は、セルロースナノファイバー(CNF)単体に限らず、セルロースナノファイバー(CNF)と樹脂とを混合したCNF樹脂複合材、セルロースナノファイバー(CNF)とセメントや石灰などの水硬性材料と混合したもの、または、セルロースナノファイバー(CNF)とカーボンファイバーやアラミド繊維などの他の高強度繊維と混合したものを指す。
ここで、柱梁接合部とは、柱の梁との接合部、もしくは、上下の柱と梁との接合部を指す。なお、本発明の柱梁接合部は、柱と一体に作製された柱の一部であってもよいし、柱とは別体に作製されて、柱と梁とを接合する部材であってもよい。
また、セルロースナノファイバー(CNF)から成る補強板には、板材の両面にセルロースナノファイバー(CNF)から成るシートを貼り付けて成るCNF複合板も含まれるものとする。
このように、芯材を、軽量でかつ引張強度が高いセルロースナノファイバー(CNF)から成る板材で覆ってやれば、構造物の軽量化を確保しつつ、構造体の剛性や耐力を向上させることができる。
また、前記補強板を囲むCNFから成る外枠と、前記補強板と外枠とを連結するCNFから成る隔壁とを設けるとともに、前記外枠と前記補強板と前記隔壁との間に断熱材を配置したので、断熱性を高めることができる。また、耐火材や防火材を配置すれば、耐火性や防火性を高めることができる。
また、セルロースナノファイバー(CNF)は、成形が容易なので、板状だけでなく、枠状のものや井桁状のものなど、プレキャスト化が容易である。なお、上記のCNF樹脂複合材を用いれば、構造物に、難燃性等の特性を付与することも可能である。
また、補強板のうちの互いに対向する補強板同士を連結する内部補強板を設けたり、内部補強板を井桁状に配列したので、構造体の耐力が更に向上した。
また、前記芯材が、構造体の延長方向に延長する2本の柱状体から構成されている場合には、前記2本の柱状体を、接続面に垂直な方向に延長して、前記2本の柱状体を連結するセルロースナノファイバー(CNF)から成る連結部材、もしくは、前記接続面に垂直な方向に延長するセルロースナノファイバー(CNF)から成る補強板で補強された補強ブロックで連結すれば、構造体の剛性と耐力とを更に向上させることができる
た、前記芯材を木材から構成したので、構造物を軽量化できるとともに、芯材も補強部材も木材を原料としているので、環境配慮設計についても実現できる。
また、前記芯材を直交集成材(CLT;CrossLaminatedTimber)から構成したので、構造物の軽量化と剛性及び耐力の向上とをともに図ることができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本実施の形態1に係る柱及び梁の補強構造を示す図である。 柱梁接合部の一例を示す図である。 柱及び梁の補強構造の他の例を示す図である。 本実施の形態2に係る柱の補強構造を示す図である。 本実施の形態3に係る柱及び梁の補強構造を示す図である。 本実施の形態4に係る柱と梁の補強構造を示す図である。 本実施の形態5に係る柱梁接合部を示す図である。 柱梁接合部の補強方法を示す図である。 本実施の形態6に係る柱梁接合部を示す図である。 柱と梁と壁との接合部を示す図である。
実施の形態1.
図1は本実施の形態1に係る柱10と梁20の補強構造を示す図で、符号10aは、柱10の梁20との接合部である柱梁接合部である。
本例では、柱梁接合部10aを柱10とを一体に構成した。
柱10は、CLT(Cross Laminated Timber)から成る芯材11と、芯材11の外周面を囲むように取付けられる4枚の補強板12(121~124)とを備える。
本例では、補強板12として、セルロースナノファイバー(CNF;cellulose nanofiber)を射出成形して成る板材を用いた。CNFは、植物の細胞壁を形作る、太さが4~100nmのセルロースの束から成り、主に、木材などを原料として製造されるもので、これを射出成形や押出成形、圧縮成形などにより、板状や枠状あるは筒状に成形したものが補強部材として用いられる。
CNFは、密度が鋼鉄の約1/5と低いだけでなく、引張強度が鋼鉄の約10倍と高いので、このようなCNFから成る補強板12で、CLTから成る芯材11を覆ってやれば、柱10の軽量化を図ることをできるとともに、剛性や耐力を向上させることができる。
梁20は、柱10と同様に、CLTから成る芯材21と、芯材21の外周面を囲むように取付けられるCNFから成る補強板22とから構成されるので、梁20の軽量化と、剛性及び耐力の向上を同時に実現することができる。なお、図1に示すように、梁20とスラブ30との間に、CNFから成る断面L字形の補強片23を配置すれば、梁20の剛性及び耐力を更に向上させることができる。
なお、本例では、柱10の柱梁接合部10aを、柱10と同様に、CLTから成る芯材11と、4枚の補強板12(121~124)とから構成した。
また、本例では、補強板12,22を、それぞれ、柱10、柱梁接合部10a、梁20の芯材11,21の外周面に接着等により取付けるようにしているが、ボルト等の金具を用いて取付けてもよい。
また、本例では、芯材11,21を木材であるCLTから構成するとともに、補強板12,22を、CO2の削減効果を有するCNF構成から構成したので、環境配慮設計ができるという利点も有する。
なお、前記実施の形態1では、柱梁接合部10aを柱10とを一体に構成したが、柱梁接合部10aを柱10とは別体に作製して柱10の上部に取り付けてもよい。
また、前記実施の形態1では、梁20の外周面を全てCNFから成る補強板22で補強したが、図2(a)に示すように、柱梁接合部10aの梁20の端部側のみを全てCNFから成る補強板22で補強し、中央部は2面(ここでは、上,下の面)のみを前記の補強板22で補強しても、梁20の剛性及び耐力を確保することができる。
なお、同図は、柱梁接合部10aを上側の柱10b、または、下側の柱10cとは別体に作製して、上側の柱10b、または、下側の柱10cに取付けている。
また、符号20’は、柱梁接合部10aから紙面に垂直方向に延びる梁で、同図は、これらの梁20’の柱梁接合部10aとの接合部の断面を示したものである。
また、柱梁接合部10aと梁20との接合部は一体成形が困難である。そこで、図2(b)に示すように、柱梁接合部10aと梁20との接合部にL字形の補強片23を設けて柱梁接合部10aと梁20との結合度合いを高めるようにすれば、柱梁接合部10aと梁20間の応力伝達が可能となるので、接合部に作用する剪断応力、曲げ剪断力、軸力等の各種応力に対する耐力を向上させることができる。
なお、上記のように、柱梁接合部10aは、図2(a)に示すように、下側の柱10cの上部に上側の柱10bを取り付ける場合にも用いられる。
また、前記実施の形態1では、芯材11,21としてCLTを用いたが、構造用集成材や、単板積層材(LVL;Laminated Veneer Lumber)などの他の木質材を用いてもよい。LVLは、複数の単板を繊維方向が互いに平行になるように積層接着したもので、主に、柱や梁のように細長い部材(軸材)として用いられている。なお、LVLは、各単板が乾燥処理されているので、割れや狂い等の発生が少ないなど、構造用集成材と同様の長所を有する。
また、芯材11,21がコンクリートやモルタルなどであっても、補強板12,22に鋼板を用いた場合に比較して、補強後の柱10、柱梁接合部10a、及び、梁20を軽量化できる。
また、前記実施の形態1では、補強板12,22を構成する材料としてCNFを用いたが、CNFと樹脂とを混合したCNF樹脂複合材を用いてもよいし、CNFとセメントや石灰などの水硬性材料と混合したものや、CNFとカーボンファイバーやアラミド繊維などの他の高強度繊維と混合したものを用いてもよい。
また、CNFから成る補強板12,22として、板材の両面にCNFから成るシートを貼り付けた複合板を用いてもよい。
また、前記実施の形態1では、柱10や柱梁接合部10aの芯材11、及び、梁20の芯材21を柱状に成形された1本の柱状体から構成したが、柱10の断面が大きい場合には、例えば、図3(a)に示すように、CLTから成る柱部材11Aの外周面をCNFから成る補強板12Aで覆った4個の柱部材101~104を接着して柱10を構成するようにしてもよい。
あるいは、図3(b)に示すように、柱10を、複数本(ここでは、4本)の柱部材11Aから成る芯材11と、この芯材11を収納する筒状の補強体12Bから構成してもよい。この場合も、芯材11はCNFから構成され、筒状の補強体12BはCNFから構成される。なお、筒状の補強体12Bに代えて、図1に示した4枚の補強板12(121~124)を、芯材11の外周面に接着等により取付けた構成としてもよい。
あるいは、図3(c)に示すように、筒状の補強体12Bの内部に、補強体の互いに対向する面同士を連結する十字状の内部補強板12Cを設ければ、柱10の剛性と耐力とを更に高めることができる。このとき、芯材11を構成する柱部材11Aは、筒状の補強体12Bと内部補強板12Cとに囲まれた空間に配置されて、筒状の補強体12B内部補強板12Cとに接着等により固定される。なお、十字状の内部補強板12Cは成形にて一体に作製できるが、複数の板材を組み合わせて作製してもよい。
この場合も、筒状の補強体12Bに代えて、図1に示した4枚の補強板12(121~124)を用いてもよい。すなわち、補強板12のうちの互いに対向する補強板(121と123、122と124)同士を連結する十字状の内部補強板12Cを設けても、図3(c)と同様の効果を得ることができる。
また、CNFから成る補強部材を用いた補強としては、図3(d)に示すような、芯材11の内部に複数本の補強棒12Dを設ける構成としてもよい。このような構成としても、柱10の軽量化を確保しつつ剛性と耐力とを高めることができる。
なお、柱梁接合部10aや梁20についても、図3(a)~(d)の柱10と同様の構成とすれば、軽量化を確保しつつ剛性と耐力とを高めることができる。
実施の形態2.
図4(a)は、本実施の形態2に係る柱10Aの補強構造を示す図である。
柱10Aは、CNFから成る複数の補強板12を井桁状に組み上げて成る補強部材(以下、井桁状の補強部材14という)と、補強板12間にそれぞれ配置されたCLTから成る柱部材11Aとを備える。
柱部材11Aと井桁状の補強部材14の各補強板12とは、接着等により接合される。
本例の柱10Aと実施の形態1の柱10とを比較すると、柱10Aの外周側に位置する柱部材11Aは、2面でしか補強されていないが、柱10A全体としては、内部にCNFから成る井桁状の補強部材14が配置されているので、実施の形態1の柱10と同程度の剛性と耐力とを得ることができる。なお、同図に示すように、井桁の中心部14Cを空洞としても、柱10Aの剛性と耐力とを十分に高めることができる。
なお、図4(b)に示すように、外周部をCNFから成る補強板12(121~124)で覆うようにすれば、柱10Aの剛性と耐力とを更に高めることができる。
なお、柱梁接合部10aや梁20についても、図4(a),(b)柱10Aと同様の構成とすれば、軽量化を確保しつつ剛性と耐力とを高めることができる。
実施の形態3.
図5(a),(b)は、本実施の形態3に係る柱10B及び柱10Cの補強構造を示す図である。同図に示すように、補強板12により補強された芯材11が複数(ここでは、2本)の柱部材11Aから構成されている場合には、同図に示すように、柱部材11A同士をCNFから成る連結部材15、もしくは、補強ブロック16で連結してやれば、柱(柱10B、柱10C)剛性と耐力とを更に高めることができる。
柱10Bで用いられる連結部材15は、柱部材11A,11Aの接続面に垂直な方向に延長する連結片15aと、連結片15aの両端部に設けられる、連結片15aの幅よりも広い幅を有する係止片15bとから構成される。本例の連結部材15は、係止片15bの幅を連結片15aの幅よりも広くすることで、連結片15aの両端部を柱部材11Aに確実に固定できる構成としたので、柱10Bの剛性と耐力とを更に高めることができる。
なお、本例では、柱部材11A同士を2箇所で、連結部材15により連結したが、中央の1箇所のみで連結してもよいし、3箇所以上であってもよい。
一方、柱10Cでは、図5(b)に示すように、柱部材11A,11Aを、CNFで補強された補強ブロック16で連結した。
補強ブロック16は、2本の柱部材11Aの接続面を含む領域に空隙部16Sを設け、この空隙部16Sに、2本の柱部材11Aの延長方向に垂直で、接続面に平行な方向に延長するCNFから成る2本の補強片16a,16bと、これら補強片16a,16b間に配置されるCLTから成る挿入芯材16cと、2枚の補強片16a,16bを連結する板状もしくは棒状の連結部材16dとを備える。
このような、補強ブロック16を2本の柱部材11A間に埋設することで、2本の柱部材11Aの接合強度を高めるようにすれば、剛性と耐力とに優れた柱10Cを得ることができる。なお、柱部材11A,11A同士を、上記の柱10Bの連結片15aで連結すれば、柱10Cの剛性と耐力とを更に高めることができる。
なお、補強ブロック16に代えて、図5(c),(d)に示すような、補強ブロック16A,16Bを用いて柱部材11A,11A同士を連結してもよい。
補強ブロック16Aは、十字状の挿入芯材16mの十字の延長方向の端部を、補強片16a,16b及び補強片16a’,16b’で補強するとともに、相対する補強片16a,16b同士を板状もしくは棒状の連結部材16dで連結し、相対する他の補強片16a’,16b’同士を板状もしくは棒状の連結部材16d’で連結したものである。また、補強ブロック16Bは、矩形状の挿入芯材16n各辺の内側を、補強片16a,16b及び補強片16a’,16b’で補強するとともに、相対する補強片16a,16b同士を板状もしくは棒状の連結部材16dで連結し、相対する他の補強片16a’,16b’同士を板状もしくは棒状の連結部材16d’で連結したものである。
このような補強ブロック16A,16Bを用いても、柱10Cの剛性と耐力とを更に高めることができる。
なお、柱梁接合部10aについても、図5(a)~(d)と同様の構成とすれば、剛性と耐力とを更に高めることができる。
また、図5(e)に示すように、芯材21が複数の梁部材21Aから構成されている梁20Bでは、梁部材21A同士を、上記の連結部材15と同様の、梁部材21A,21Aの接続面に垂直な方向に延長する連結片25aと、連結片25aの両端部に設けられる、連結片25aの幅よりも広い幅を有する係止片25bとから構成される連結部材25で連結すれば、梁20の剛性と耐力とを更に高めることができる。
このとき、図5(f)に示すように、連結部材25の連結片25a同士を板状もしくは棒状の連結部材25cで連結する構成とすれば、梁20Bの剛性と耐力とを更に高めることができる。この場合には、連結部材25の係止片25bを省略してもよい。
実施の形態4.
図6(a)は、本実施の形態4に係る柱10Dの構成を示す図で、柱10Dは、CLTから成る芯材11と、芯材11の外周面を覆うCNFから成る補強板12と、この補強板12外側に配置された断面が長方形の筒状の外壁17と、補強板12と外壁17とを連結する隔壁18と、外壁17と補強板12と隔壁18とにより囲まれた空間(以下、中空部17Sという)に配置された断熱材19とを備える。
本例では、外壁17及び隔壁18についても、CNFから構成した。
このような構成を採ることにより、軽量で、かつ、剛性と耐力が高いという特性に加えて、高い断熱性を有する柱10Dを構築することができる。
なお、中空部17を中空(空気)としても、断熱効果を得ることができるので、上記空間の一部もしくは全部を中空状としてもよい。
また、柱梁接合部10aについても、上記の柱10Dと同様の構成とすれば、断熱性を向上させることができる。
なお、柱10Dの断面寸法B×D、断熱材19を囲む筒体の寸法a×b、中空部17の個数Nやサイズ、外壁17の厚さt1、補強板12の厚さt2、及び、隔壁18の厚さt3については、特に、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
図6(b)は、柱10Dに接合される梁20Dの構成を示す図で、梁20Dの場合にはスラブ30側に断熱材29を収納するための中空部27Sを設けない以外は、柱10Dと同様の構成で、CLTから成る芯材21と補強板22と筒状の外壁27と隔壁28と断熱材29とを備える。断熱材29は、梁20Dの側面側と底部側(スラブ30とは反対側)に配置される。なお、補強板22のうち、上側の補強板22uは、外壁27方向に延長されて、外壁27の側面と連結される。
このような構成を採ることにより、梁20Dの断熱性を高めることができる。
このとき、同図に示すように、上側の補強板22uからスラブ30方向と芯材21方向とに伸びる、上側の補強板22uの延長方向に垂直な方向に延長する延長部22vを設けて、梁20とスラブ30とを一体化すれば、梁20の剛性と耐力を更に高めることができる。
なお、図は省略するが、上側の補強板22uのスラブ30側を構築する側から、芯材21に達するボルトを貫通させ、このボルトの上側の補強板22u側をスラブ30に固定してもよい。
また、本例では、スラブ30を、デッキプレート31とスラブコンクリート32とから構成したが、実施の形態1のように、スラブ30をCLTから構成してもよい。
なお、同図の符号33はデッキ受け、符号34は、スラブコンクリート32を補強するメッシュ筋である。また、スラブ30から芯材21に図示しないスタッドを貫入すれば、梁20Dをスラブ30に強固に連結することができる。
なお、前記実施の形態4では、中空部17Sや中空部27Sに断熱材19を配置したが、断熱材19に代えて、耐火材や防火材を配置すれば、柱10Dや梁20Dの耐火性や防火性を高めることができる。
実施の形態5.
図7は、本実施の形態5に係る柱梁接合部10Tと梁20Tとの接合部を示す横断面図で、柱梁接合部10Tは、柱梁接合部本体10Mと、梁20Tと接合する接合部10Nとを備える。なお、符号CLは柱梁接合部本体10Mのセンターラインである。
柱梁接合部本体10Mは、図4(b)に示した柱10Aと同様の構造で、井桁状の補強部材14と、補強板12間にそれぞれ配置されたCLTから成る柱部材11A及び断熱材19と、柱部材11Aの外周部を覆う4枚の補強板12とを備えたもので、同図の右上の濃い色の枠が、柱梁接合部本体10Mの補強部材である、井桁状の補強部材14と4枚の補強板12とを示している。
断熱材19は、柱梁接合部本体10Mの外周側で、梁20Tの柱梁接合部本体10Mとの接合部に位置する芯材21と対向していない箇所に配置される。
柱梁接合部本体10Mは、実施の形態4の柱10Dの隔壁18を内部まで延長して、対向する側の隔壁18と連結したものと考えてもよい。
接合部10Nは、同図の右上の淡い色で示す、井桁状の補強部材14の補強板12を梁20の延長方向に延長する複数本の延長板12P,12pを備える。延長板12Pは、最外部にX,Y方向それぞれ2本づつ配置された延長板で、延長板12pは、上記延長板12Pの間にX,Y方向それぞれ3本づつ配置された延長板である。
本例では、梁20を4本とした。なお、同図のW21で示す、延長板12p側に位置する延長板12Pの間の寸法は、梁20に挿入される芯材21の幅寸法と同じ寸法に設定される。
また、延長板12pの長さは、延長板12Pの長さよりも長く設定されている。
梁20Tは、芯材21に、上記の長さの長い複数の延長板12pを挿入するための3本の切り込み部22pを形成した以外は、実施の形態4の梁20Dと同様である。
柱梁接合部10Tと梁20Tとを接合する際には、上記の切り込み部22pに、内側に位置する長さの長い方の延長板12pを挿入して、延長板12pと芯材21とを接着すればよい。あるいは、図7に示すように、ボルト等の金具21kにより、柱梁接合部10Tの接合部10Nと梁20Tとを接合してもよい。
また、図8(a)に示すように、上側の柱10bと柱梁接合部10aとを接続する際には、まず、上側の柱10bの中空部17Sに、底部から接合補強ブロック41の上部側を挿入・固定する。そして、接合補強ブロック41の上部側が挿入された上側の柱10bを柱梁接合部10a側に下降させた後、図8(b)に示すように、接合補強ブロック41を下部側を柱梁接合部10aの中空部17Sに挿入・固定すれば、柱梁接合部10aの強度を更に高めることができる。
また、図8(c)に示すように、下側の柱10cと柱梁接合部10aについても、上記の接合補強ブロック41を用いて接続してもよい。
なお、図8(b),(c)において、符号20は、柱梁接合部10aの側面に取付けられた梁20である。
実施の形態6.
図9(a)は、本実施の形態6を示す縦横断面図で、本例では、柱梁接合部10aの梁20側で、梁20に底部と接合する補強板12uを梁20側に突出させて梁側支持板13aを形成するとともに、梁20に底部の補強板22の柱10側の端部と梁側支持板13aとを接合用ブロック43で接合することで、柱梁接合部10aを補強する構成とした。
接合用ブロック43は、梁20に底部の補強板22と梁側支持板13aとに接着剤で接着してもよいし、同図に示すように、梁側支持板13aと嵌合させてもよい。
また、柱梁接合部10aにて、上側の柱10bと下側の柱10cとを連結する際にも、柱梁接合部10aの梁20との接合部の補強板12aの上端側と下端側とに、上方及び下方に突出させた柱上側支持板13bと柱下側支持板13cとを形成するとともに、上側の柱10bの補強板12bの下部と柱上側支持板13bとを接合用ブロック44bで接合し、下側の柱10cの補強板12cの上部と柱下側支持板13cとを接合用ブロック44cで接合すれば、柱梁接合部10aを強固に補強することができる。
なお、接合用ブロック44bは、図9(a)に示すように、スラブ30の上側に接する長さとしてもよいし、同図の破線で示すように、梁20の上端まで延長してもよい。
接合用ブロック44b,44cも、接合用ブロック43と同様に、柱上側支持板13b及び柱下側支持板13cに接着剤で接着してもよいし、柱上側支持板13b及び柱下側支持板13cと嵌合させてもよい。
また、接合用ブロック43,44b,44cに代えて、芯材を差し込んでもよい。
また、柱10の上下方向の連結部については、図9(b)に示すように、接合用ブロック43,44b,44cに代えて、補強板12a,12b,12c内に埋設される補強筋45により、上側の柱10cと柱梁接合部10aと下側の柱10bとを連結してもよい。
なお、補強筋45を埋設する際には、例えば、充填後に硬化する充填材等により、補強板12a,12b,12c内に固定すればよい。
同様に、柱梁接合部10aと左右の梁20とを、補強板22内に埋設される補強筋45により連結してもよい。
あるいは、図9(c)に示すように、柱梁接合部10aと上側の柱10b、及び、柱梁接合部10aと下側の柱10cとを、柱梁接合部10a、及び、上下の柱10b,10cの断面内を貫通するボルト等の締結金具46を設けて、柱梁接合部10aを補強してもよい。なお、接合強度を上げるには、同図に示すように、締結金具46は、柱梁接合部10aの柱上側支持板13bと上側の柱10bの補強板12b、及び、柱梁接合部10aの柱下側支持板13cと下側の柱10cの補強板12cとに跨る金具取付板47を介して連結することが好ましい。
また、図10(a)に示すように、柱10と梁20との間に壁50が構築される場合には、壁50と柱10との接合部と、壁50と梁20との接合部とに、差し込みプレートなどの補強板48を配置すれば、接合部の剛性を更に高めることができるとともに、柱10と梁20と壁50とを、相互の応力を伝達可能にした上で、無理なく接合することができる。
また、図10(b)に示すように、柱梁接合部10aの最外部の隔壁18uを梁20側に延長した延長部12uを設けるとともに、実施の形態5と同様の延長板12pを設け、延長部12u及び延長板12pをボルト等の金具21kにより芯材21に固定してもよい。この場合、柱梁接合部10aと梁20との間に、延長部12uの厚さに相当する段差が生じるが、図10(c)に示すように、柱梁接合部10aの最外部の隔壁18zを梁20側に傾斜させるとともに、隔壁18zを梁20側で、かつ、梁20の延長方向に延長した延長部12zを設けるようにすればよい。このとき、梁20の幅方向にて互いに対向する延長部12zの梁20の外側の間隔を、梁20の幅と同じくなるように隔壁18zを傾斜させれば、上記の段差をなくすことができるとともに、柱梁接合部10aと梁20との間の歪を小さくすることができる。
10 柱、11 芯材、12 補強板、20 梁、21 梁の芯材、
22 梁の補強板、23 L字状の補強片、30 スラブ。

Claims (6)

  1. 芯材と、前記芯材の外周面を囲むように取付けられる補強板とを備えた構造体の補強構造であって、
    前記構造体が柱または梁または柱梁接合部で、
    前記補強板を囲む外枠と、
    前記補強板と前記外枠とを連結する隔壁と、
    前記外枠と前記補強板と前記隔壁との間に配置される断熱材、耐火材、もしくは、防火材を備え、
    前記補強板、前記外枠、及び、前記隔壁がセルロースナノファイバーから成ることを特徴とする構造体の補強構造。
  2. 前記補強板のうちの互いに対向する面同士を連結する内部補強板を更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の構造体の補強構造。
  3. 前記芯材を、構造体の延長方向に延長する2本の柱状体から構成するとともに、
    前記2本の柱状体を、
    接続面に垂直な方向に延長して、前記2本の柱状体を連結するセルロースナノファイバーから成る連結部材、もしくは、前記接続面に垂直な方向に延長するセルロースナノファイバーから成る補強板で補強された補強ブロックで連結したことを特徴とする請求項1に記載の構造体の補強構造。
  4. 前記芯材中に、前記構造体の延長方向に延長する棒状の補強部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の構造体の補強構造
  5. 前記芯材を木材から構成したことを特徴とする請求項1~請求項のいずれかに記載の構造体の補強構造。
  6. 前記芯材を、木の板の各層を互いに直交するように積層接着した直交集成材から構成したことを特徴とする請求項に記載の構造体の補強構造。
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